FILE 15
「ああっっ!! ああっっ!! ああああっっっっ!!!!」
対面座位で抱え上げるようにしながら、少しずつ動きを激しくしていく。
この方が身体の密着度が高まり、安心感を与えるからだ。
「ああっっ!! ダメっ!! ダメですっっ!! あっっ!! あっっ!!」
ディートリッヒの手のひらに納まる控えめな乳房が、欲情の桃色に染まっていた。
無駄な肉がなく、直に触っていても『硬い』感じの身体だ。女性ホルモンが圧倒的に欠如している感じである。
「ああっっ!! ダメ、そこっっ!! あっっ!! あっっ!!」
だが感度はいい。
ディートリッヒのこれまでの境遇を反映したようなアンバランスさだ。
「ああ、ご主人様。あたしにも御褒美ちょうだいぃ」
我慢できなくなったエミリアがしなだれかかってくる。
「一緒に手伝ってくれ。そこの下の引き出しにいろいろ道具があるから」
「え? 道具?」
エミリアが引き出しを開ける。
「な、なにこれ?」
ぎっしりと詰め込まれたさまざまな性具を見て、エミリアが目を白黒させている。
「道具を使った方が効果がある場合もあるんだ。こっちも疲れないし」
「そ、そうなの……」
上の空で返事をしながら、引き出しの中を夢中になって漁るエミリア。
「あっ! あっ! なんか! なんか! 熱い!」
「ディータ、イキそうなのか?」
「わ、わからない! んあっ! 怖い!」
時々抱きしめて意識的に肌を触れさせながら、ディートリッヒを突き上げる。
だんだんディートリッヒの身体から固さが取れて、こちらの動きに合わせるようになって来た。
もう一息である。
「くあっ!! ああっ!! ああっ!! いあっ!!」
「大丈夫だ。俺を信じろ、ディータ」
「アルファ!! ああっ!! 来るっ!!」
ビクンとディートリッヒの身体が硬直した。
「あっはっふ……」
「気持ちよかったか?」
「ああ、はい……」
くたりと身体をあずけながら、ディートリッヒはうなずく。
「よし、もっと気持ち良くなろう」
「もっと?」
「そうだ。俺に任せていればいい」
口付けをした。子供のようにディータが吸い付いてくる。
たっぷりと時間をかけてキスをしてから、俺はまた動き出した。まだ一度も出していない。
「さあ、もっと気持ち良くしてやる」
「はい……」
はにかんだ小さな笑みをディートリッヒが浮かべた。
――なんかかわいいなぁ……。
ディートリッヒのこんな表情を見たのは、世界中で俺が初めてに違いない。
元々鼻筋の通った美人だが、険が取れてようやく女性らしい雰囲気が出てきている。
「んっ、んっ、ふっ、んっ……」
「そうだ。俺の動きに合わせて……そうそう」
俺の声に誘導されて、ディートリッヒが腰を動かす。熱っぽい瞳がこちらを捉えて放さない。
こっちも笑みをたやさず、動きを合わせる。子供をあやす要領だ。
「どうだ? 気持ちいいだろ?」
「あはぁぁ、気持ちいい……。気持ちいいです……」
言葉で確認させる。気持ちいいと言うたびに、ディートリッヒの瞳が官能に潤む。連動するように淫壺がうねるように、肉棒を締め上げてきた。
俺はディートリッヒの腰を抱え上げ、こっちの腰に乗るようにする。恥骨がこすれ合い、時々勢い余ってクリトリスを押しつぶした。
「んあああぁぁぁぁっっっ!!!!」
クリトリスの刺激にディートリッヒの身体が跳ねる。白いあごを反らせ目が飛ぶ。
ぐにゅりと蜜壺はまきつくように締め上げて、快美感が背筋を駆け上った。
――いきなり変わった!? くっ!!
まるで生き物のように蜜壺が肉棒を締め上げてくる。いや、締め上げてくるというより、舐め回されるという感じに近い。
「あああああああ! 気持ちぃ、良くなってますぅっっ!! あっっ!! あっはあぁぁぁっっっ!!!」
「そうだ! もっと気持ち良くなるぞ!」
凶悪な快感に抵抗しながら、ディートリッヒの腰を下から突き上げる。
ディートリッヒの口から唾液が滴り落ちた。彼女にも悦楽の波が押し寄せているのがわかる。
「あっはぁぁっっ!! 気持ちいいぃっっ!!」
「どうだ! イクか!? ディータ!?」
「んうぅぅっっ!!! イキそうですっっ!!! んふぅぅぅっっっ!!!」
「イク時は、イクと言え!」
こっちにもとっくに限界が来ている。ディートリッヒをイかすために必死だった。
「イクうぅぅっっっ!!! イクうぅぅっっっ!!! いィィイくぅぅぅぅうううううううっっっっ!!! っっっっ!!!!」
ついにビクンとディートリッヒの身体が強張る。同時に俺も力を解放した。
「うっく!」
ドクドクドクっ!!!
堰を切ったように精液が発射された。一瞬前後不覚になりそうな強烈な快感で、視界が歪む。
「くひぃぃぃぃっっっ!!!!」
さらに絶頂に達したためか膣内が震え、再びゴポリと肉壺に射精してしまう。
「くっ、熱いか? ディータ」
「あついぃぃぃっっ!!! あついですぅぅぅっっっ!!!」
「ふぅ、はぁ、これから、もっともっと気持ちよくなるぞ」
「はぁ、もっと……」
うっとりと快楽を反芻しながら、ディートリッヒは蕩けた顔で舌なめずりをした。
「んひっっっ!?」
突然ディートリッヒの身体が跳ねた。
「もっと気持ち良くなりましょうねぇ」
艶然と笑みを浮かべて、ディートリッヒの後ろからエミリアが抱きしめる。
「そ、そこは違いますぅっっ!!」
「違わないの。ここも慣れると凄いらしいわよ」
ディートリッヒの身体の影で、エミリアが何をやっているのか、最初はわからなかった。
「! エミリア、アヌスを攻めているのか?」
確か双頭の張り型があったはずだ。それほど太い代物じゃなかったはずだが、使ったことがないので、記憶が曖昧である。
「ええ。なかなか反応がいいわ。痛がってないし」
「無茶するなよ。お前は時々やり過ぎるから」
「ああぁぁっっ!! ダメっっ!! そんなところを突いちゃっ!!」
グニグニとエミリアの腰が動いている。ディートリッヒは犬のように舌を垂らして、口をぱくぱくと動かした。
張り型が淫壺の媚肉の壁を通して、コリコリと肉棒の裏筋を刺激する。
おかげで萎えかけてた肉棒が再び力を取り戻してしまった。
「あああぁぁぁっっっ!!! ま、また固くなってぇっっっ!!??」
悲鳴を上げるディートリッヒ。しかしその顔は完全に喜悦に酔っている。
「もっと欲しいか!? ディータ!」
「欲しいですっっ!! もっと気持ち良くしてくださいっっ!!」
「よし、エミリア! ゆっくりと動きを合わせろ!」
「はぁい♪」
肉棒で、ゆっくりとこすり上げるように貫いた。
エミリアが、双頭の張り型で、同じようにえぐる。
「くひゃああぁぁぁっっっ!!?? 中がああぁぁぁっっっ!!! 中でこすれてええぇぇぇっっっ!!!」
張り型と肉棒が空間を求めて、押し合いへし合いしている。予想外なタイミングで予想外のところを刺激され、こっちもかなり気持ちいい。
「ひいいぃぃっっっ!!! ひはりゃあああぁぁぁっっっ!!!???」
まだゆっくりとした動きなのに、ディートリッヒも翻弄されているようだ。
「ひぬっっ!! ひんじゃううぅぅっっっ!!!」
「まだまだ!」
次第に動きが激しくしていく。
だが、コリッと裏筋を刺激されると、こっちも危なく射精しそうになる。
「あはあぁぁっっっ!!! これ癖になりそうっっっ!!!」
エミリアも後ろからディートリッヒの胸を揉み上げながら、あられもない喘ぎ声を上げ始めた。
「んひいいぃぃぃぃっっっっ!!!??? ひゃひいいいぃぃぃっっっっ!!!!」
途中から、白目を向いたまま涎を撒き散らすディートリッヒ。
肉壺の中は、発火しそうなほど熱い。洪水のようにあふれ出た白濁した愛液がシーツにたらたらと滴り落ちる。
「エミリア!! ディータの中はどうだ!?」
「んああっっ!! これイイぃぃっっっ!! イキそうよぉぉぉっっっっ!!!!」
パンパンパンとエミリアは軽快に腰を振る。ディータと同じく快楽に溺れ切って、白目を剥いていた。
「ひひゃああぁぁぁっっっっ!!!! いひいいぃぃぃっっっっ!!!!」
ビクビクと一突きごとにディータが痙攣する。どうやら絶頂に絶頂が重なっているらしい。壊れたように白目を剥いたまま、悲鳴とも喘ぎ声とも取れない声を上げ続ける。
「くひいいぃぃぃっっっっ!!!! はひいいいいぃぃぃっっっっ!!!!」
「あはあああぁぁぁっっっっ!!!! イクううぅぅぅっっっっ!!!! イクのおおぉぉぉっっっっ!!!!」
犯しているという事実に酔ったのか、先にエミリアが限界を迎えそうだった。それならと俺もスパートをかける。
「くっ!! イクぞ、二人ともっ!!」
薄い粘膜を通して二つの肉棒がせめぎ合う。経験のない悦楽が俺を襲っていた。
まるで3人が1つの肉の塊になったかのような一体感。何もかも忘れてただひたすら快感に溺れたくなる。
「も、もうイクっ!」
誰に言うともなしに宣言してしまう。
「あたしもおおぉぉぉっっっっ!!!!」
「ひゅうううぅぅぅっっっ!!! ひひゃああぁぁぁっっっ!!! ひひゃひいいいぃぃぃっっっ!!!!」
限界を突破した。身体が芯から引っこ抜かれるような凄まじい快楽が尾てい骨からほとばしる。
「んあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!」
「きひゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!」
どくんどくん!! どくどくどく!
制御もできずに、ただひたすら精液を流し込んだ。快感で息もできない。
「んああああっっっっ!!!! イッてるうぅぅっっっっ!!!! イッてああああぁぁぁっっっっ!!!!」
「くひ~~~~~~~~~!!!!!」
ぷしゅっ!!
音を立てて、ディートリッヒが潮を吹いた。
どっと俺の身体に倒れこんでくる二人。
俺はなんとか二人を支え、ゆっくりと横たえる。
ディートリッヒは完全に失神して、白目を剥いたままダラリと舌を垂らしていた。
「はぁはぁ、エミリア、満足できたか?」
エミリアもトロンとした表情で失神寸前だ。
「はああぁぁぁい。すごかったわあああぁぁぁ」
ぐにゃぐにゃになりながら、エミリアは淫らな笑みを返してくる。
「それは、何よりだ」
「んんん、と、トイレに……」
ディートリッヒが細くつぶやいた。どうやら完全に腰が抜けて、動けないらしい。
「待ってろ。今連れて行ってやる」
俺はディートリッヒを抱きかかえて、トイレに直行した。
下の始末をして、ついでにシャワーも浴びさせると、抱きかかえるようにしてベッドに戻る。
フラフラしていたせいもあるが、ディートリッヒはしがみついたまま、俺の首に吸い付いて離れない。
「ディータ、俺の言うとおりにして、気持ちよかっただろ?」
「んはあああぁぁぁぁ~~~~~。あああああぁぁぁぁ~~~~~」
蕩けるような吐息を吐き出すディータ。返事のつもりらしい。
「んん。あたしもぉぉ~」
ベッドに座るとエミリアも首に吸い付くようにキスしてきた。
二人とも、チュッチュッと音を立てて、首から耳からキスをしまくっている。
だが、そのうちエミリアが肉棒に手を這わせ始め、さらに口に含み始めた。
「おいおい、まだする気か?」
「だってえぇ。あたしまだ入れてもらってないぃぃ~~」
上目遣いで、媚びに満ち満ちた表情を浮かべるエミリア。
かつて俺を「帝国の犬」とののしった女だ。その女が入れて欲しいとねだっている。しかも極上の女だ。誰でも男なら奮い立つ状況と言えるだろう。
だが、俺は逆に試したくなった。エミリアをみつめて、そっと言ってみる。
「俺は帝国の犬だからな」
「あなたは、犬なんかじゃないわ」
即答だった。堪え切れなさそうに、舌を肉棒にチロチロと這わす。
「じゃあ、犬はお前かな? おまんこに入れて欲しくて堪らない牝犬?」
「んぁぁ、そうよ。牝犬よ。ご主人様のちんぽが欲しい牝犬なの。夜寝るときも、朝起きるときも毎日毎日、思い出すの。それで思い出すだけで、身体がきゅうってなるのよ。ああ、なんてイヤらしい女になっちゃったのかしら」
「後悔してるのか?」
「してないわ。するはずない、できるはずない。おまんこに入れてもらえない世界なんて、もう考えられない……」
熱っぽく告白するエミリア。悦楽に溺れる自分に、さらに酔っている。
「それでいいんだ、エミリア。それが女なんだからな」
「いいの? 本当に。あたし、このままでいいの?」
「いいんだ。結局、そのお前がこの国を救うことになるんだからな」
「ああ、アルファ……。いえ、ご主人様……ああああああ」
媚びと愛情と欲情と、あらゆるものが混ざった熱い瞳で、エミリアは深い溜息を吐いた。
「入れて……。ご主人様の、ちんぽをっ、牝犬エミリアのっ! おまんこにっっ!! 突っ込んでえぇっっ!!!」
熱に浮かされたように、激しく舌を使い出すエミリア。側にいたディートリッヒものろりと身を起こすと、同じように肉棒に舌を這わした。
「はあぁぁ、ご主人様……」
「そうよ、ご主人様よ。あなたを過去を救って、あたしを本当の女にしてくれたご主人様よ。あなたにとっては、復讐の相手もみつけてくれて、あなたの罪も背負ってくれたご主人様よ。ああ、ずるいわ。私が先だったのに、あなたの方がご主人様にたくさんいろいろ貰ってる」
「ご主人様……」
エミリアの言葉に煽られて、ディートリッヒはうっとりとした目で、俺を見上げた。
「約束は守る。お前の罪も欲望も何もかも受け入れてやる」
「ああ、嬉しい……」
涙が溢れた。静かな笑みを浮かべながら泣くディートリッヒ。
――山を越えたな。良かった……。
「ずるい……ああん、私にも!」
顔をしかめて、エミリアは激しく舌を使い始めた。
なんか敏感になりすぎて痛いくらいだが、それでも肉棒は硬さを取り戻す。
――こんなに性欲強かったかなぁ、俺……。
二人の美女のフェロモンに当てられたのかもしれない。
とにかく俺は、股を大きく割り開いて嬉々とした表情で待ち構えるエミリアに、肉棒を押し込んだ。
「後ろっっ! 後ろスゴイぃぃっっ!!」
ディートリッヒが双頭の張り型をして、今度は後ろからエミリアを犯している。
エミリアはプラチナブロンドを振り乱して、跳ねるように腰を動かす。
それにともなって、大きなおっぱいが俺の目の前で飛び跳ねた。その胸を掴んでグリグリと愛撫する。
「ヒイィィィィっっっ!!! おぉっぱいぃがああぁぁぁっっっっ!!!! おっぱいがイイのおぉぉぉっっっ!!!!」
「おっぱいだけか? エミリア!」
「後ろもおぉぉっっっ!!! あああぁぁぁっっっっ!!!! 前もおおおぉぉぉっっっっ!!! おみゃんこもおおおぉぉぉっっっ!!!! 全部ううぅぅぅっっっ!!!! ぜんぶイイのおおおぉぉぉっっっ!!!!」
もうエミリアは、悦楽に溺れることを絶対にためらわない。
こちらも既に慣れ親しんだといえる肉洞を、遠慮なく蹂躙していく。
どこで感じて、どこでイクのか。お互いに快感を高め合う方法に熟知しているからこそ得られる悦楽もある。
エミリアとのセックスは、互いに細かい配慮なしで楽しめる関係にまで発展していた。
「おがあああぁぁぁぁっっっっ!!!! イクううぅぅぅぅっっっっ!!!! またイクううううぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!!!」
「私もイキますううぅぅぅっっっっ!!!! もうダメええぇぇぇぇっっっっ!!!!」
エミリアに引きずられて、ディートリッヒも快感を躊躇なく貪る。
その美しい顔を歪ませ、白目を剥いたままプルプルと腰を振り続けていた。
「イクっっっっ!!!! イクっっっっ!!!! イクっっっっ!!!! イクっっっっ!!!! イクああああぁぁぁっっっっ!!!!」
心の底からの絶叫とともに、エミリアは忘我の境地へ飛び込んだ。
こっちも吸い込むような独特のエミリアの肉洞をたっぷりと堪能する。
「いひゅうううぅぅぅっっっっ!!!!!」
ディートリッヒも少し遅れて旅立ち、俺も2人に合わせて精液を蜜壺に撃ち込んだ。
どくどくどくどくどくどく!!!
「あひらあああぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!!!!!!!!!」
歓喜の表情で、エミリアは喘ぐ。
「中に熱いのが出てるううぅぅぅっっっ!!!! あはぁぁぁっっっっ!!!! イクううぅぅぅっっっっ!!!! 中に出されてイクううぅぅぅああああああっっっっ!!!!」
ビーンとさらに身体を仰け反らせるエミリア。精液が中に出ているということだけで、エミリアはさらに絶頂した。
「はぁぁ、本当に気持ちいいぞ、ふぅぅ。エミリア、お前は?」
「ひいぃっ、ひあわへえぇぇぇっっっ!!!! ほんとにひあわへえぇぇぇっっっ!!!! おまんこひあわへええぇぇぇぇっっっっっ!!!!!! あああああああぁぁぁぁっっっっ!!!! またイクううぅぅぅっっっ!!!!」
ビクビクとさらにエミリアは絶頂した。
「ワッツが無能だと言ったことがあるだろ?」
俺の言葉にトロンとした表情でエミリアはうなずく。ディートリッヒは、疲労からコンコンと眠っていた。
「あいつの忠誠心は、自分のための忠誠心だ。つまり本当は、帝国がどうなろうと自分の身が守れればそれでいい。この国を安定させるのが命令だから、レジスタンスを叩いてるだけなんだ。これがどういう意味かわかるか?」
ワッツと呼び捨てにしているが、何ら呵責を感じない。エミリアの目にようやく力が戻ってきた。
「奴は、自分の身を守るためには、レジスタンスとの『裏取引』も辞さない」
「! まさか……」
「見た目安定していれば、レジスタンスが地下にいても、奴には関係ないんだ。そこが他の帝国軍人とワッツとの差だ」
エミリアは眉を顰めて思案している。
「つまり、ワッツと手を組んで、この国を救う?」
「そうだ。そして自治委員会を作らせて、そこにお前が座る。これなら……」
「第9軍からこの国を救い、いずれ独立を勝ち取ることもできる……」
エミリアはすぐに俺の言いたいことを読み取った。
「本気でできると思うの?」
「お前ならな」
「でも、取引材料がないわ」
「何言ってる。お前はここで戦うおまんこレジスタンスだろ」
秘部を指でさすり上げる。まだそこは蜜をたたえたままだ。
「あはん」
すぐに喘いだエミリアは、恥ずかしそうに顔を赤くする。
「そうか。この間言ってたのは、そういう意味だったのね」
「そうだ。わざわざ挨拶も覚えたろ? ワッツを篭絡できれば、あとは簡単だ。レジスタンスのためにここまでできるのは、今お前しかいない。ワッツに近づけるのも……」
「私だけね」
うなずくエミリア。
「そう。俺がワッツに紹介してやる。だがせっかく会えたからって、ワッツを殺しても何にもならないぞ?」
「わかってるわよ。第9軍が出てきて、この国は滅ぶだけだもの。レジスタンスのために身を捧げるわ。そう誓ったんだから」
「よし。今日はもう寝て、明日勝負をかけよう。いいな?」
「わかった」
翌日、ワッツを説き伏せてお膳立てした。
「ほ、ほんとに大丈夫なんだろうな!?」
「大丈夫です」
落ち着かなく立ったり座ったりを繰り返しているワッツ。
「な、何かあったらお前の責任だぞ!」
「わかってます」
コンコンとドアがノックされて兵士が入ってきた。
「連行いたしました」
「入れてくれ」
兵士に引っ張られて、エミリアが入ってくる。ワッツを見るなりにっこり微笑んだ。
「わしが司令官のワッツ将軍である」
飛び出した腹の中に埋まっているような胸をそらして、ワッツが名乗る。
「初めまして。エミリア=エルセランです」
「うむ。帝国に協力するそうだな。本当か?」
「はい」
「よ、よし。それではレジスタンスのアジトを……」
「その前に、どのくらい協力的になったか試してみませんか?」
俺はワッツの言葉を遮った。
「試す?」
「そうです。エミリア、挨拶しろ」
「はい」
エミリアは軽く足を開くと、その場に腰を落とした。囚人服をたくし上げると、その下は何もつけていない。
「な!? な!? な!?」
エミリアはびっくりしているワッツによく見えるように股を割り、秘部を指で押し開く。
「あぁ、身も心も帝国に捧げますわ」
「むほっっ!!」
妙な声を上げて、ワッツが鼻を膨らませた。
「イヤらしい牝犬に熱い精液を捧げてください」
「むほほほおぉっっっ!!!」
エミリアの淫蕩な表情の言葉に、目を血走らせながら、ワッツは吠える。
「将軍、我々は少し散歩をしてきましょうか?」
ワッツの変貌振りに苦笑しそうになりながら、俺は提案した。
「そそそそうだ! ちょっとお前たち散歩して来い!」
「え? いや、しかし……」
「うるさい! 早く行けっ!」
なんの罪もない警備の兵士を怒鳴りつけると、早々とズボンのベルトをはずしにかかる。
「うまくワッツを騙して、協力させるんだぞ」
俺はエミリアに囁いて外に出た。
――ワッツにエミリアを抱かせるのは勿体無い気もするが、まぁ仕方がない。
「よ、よし。舐めろ。ヘンな真似をしたら、殺してやるからな」
「んふぅん、あらカワイイちんぽ」
エミリアはねっとりとした表情でワッツの肉棒に手を這わす。
「ひ! 冷たい!」
「あら、ごめんなさい。これ邪魔なのよ」
エミリアは手錠をかざして謝った。
「む。これではずせ」
机の引き出しからガタガタと鍵を取り出すと、エミリアに渡す。
「ありがとう」
エミリアは手錠をはずすと、またワッツの肉棒に手を伸ばす。
「おお! いいぞ! いいぞ!」
顔を真っ赤にしてワッツは叫ぶ。
と、菊座に何か押し当てられ、一気に貫かれた。
「ぐひっっ!!??」
アナル用の張り型が深々と菊座に埋まっている。
「な、な、なにをするっっ!!??」
「たっぷり気持ち良くさせてあげるわ」
エミリアは妖しい笑みを浮かべて、容赦なく張り型で犯し始めた。
「ば、ば、ばかものっ!! やめんかっ!! ふがっ!!」
「ほらほら、本当は気持ちいいんでしょう? ほらっ!」
「おごぼぉっっ!!??」
ぴゅっぴゅっ!!
あっという間に絶頂して、精液をほとばしらせるワッツ。
「なに、これだけ? もっと出しなさい!」
「あばばばばっ!!?? ひいぃっっ!! やめてくれっっ!!」
「ダメよ。御主人様の顔にインク瓶を投げたこと、あの人が許してもあたしが許さないわ」
ゴリゴリと前立腺が刺激される。
「ぎひいぃぃっっ!! 誰かっ!! たふけっっ!! ほがあぁぁっっ!!」
白目を剥きつつ、ワッツはだらだらと射精を続けた。
リノ地区レジスタンス拠点。
一度帝国に急襲されたそこは、今は誰も住まない廃墟となり、時々保安隊が見回るだけとなっている。
弾痕生々しいその地下室に、ゴトンと音を立てて、床の一部が開けられた。
廃墟になった後、少し離れた下水道から地下を掘ってつながった秘密の抜け道である。
「ちょっと遅れたかな」
「こんなもんでしょう」
護衛とともに入ってきたのは、レジスタンスリーダーのフィリップ=ガウアーと、懐刀のテオ=ルッシュだった。
日焼けした精悍な男がフィリップ=ガウアー。メガネをかけた若い男がテオ=ルッシュ。テオ=ルッシュは見た目どおりの若さで、この戦争が始まる前は、リルダール中央大学の大学院生をしていた。
今回、会合場所を決めたのもテオ=ルッシュである。一度襲われた拠点を使う。帝国の裏をかいた作戦だ。
「サハ地区のリーダーをそろそろ決めないと」
「しかし、エミリアを行方不明のままにはできない」
テオ=ルッシュの提案に顔をしかめながら、フィリップ=ガウアーは、階段を上り、会議室に足を踏み入れた。
「? どうした?」
扉の前に、先に到着していたヤップ地区やネリエラ地区のリーダーが立っていて、通路を塞いでいる。
「あ、フィリップ」
「早かったな」
「どうしたのです?」
テオ=ルッシュがかき分けるように会議室に入った。フィリップ=ガウアーがそれに続く。
「エミリア=エルセラン?」
会議室の一番奥の議長席に、帝国の軍服を着たエミリアが座っていた。
帝国の軍服を着た、というのは正しくない。素肌に羽織っているだけだ。そのせいで服の合わせ目から、大きな胸が剥き出しになっている。
「お久しぶり、フィリップ。それにテオ」
エミリアが、鼻にかかったような忍び笑いをした。急に部屋全体が、娼館のように淫らな空気に包まれる。
居心地悪そうに何人かが、体を動かした。
――淫気。
そう呼ぶしかないような空気が、エミリアから発散されている。
かつては男勝りで、戦闘服が似合っていた信頼のおける地区リーダーだった。
それが今では、まばたき1つでも無意識に媚びる、淫蕩極まりない牝と化している。
「エミリア! 君は捕まってたんじゃないのか?」
場の空気なぞどこ吹く風で、フィリップ=ガウアーが声上げた。
「そうよ。でもうまく脱出してここにいるの」
「それは良かった。帝国の軍服を着てるから、びっくりしたよ」
前に進み出るフィリップ=ガウアー。
「待ってください。フィリップ」
銀縁のメガネを押し上げて、テオ=ルッシュがフィリップを制する。
この男もエミリアの媚びに反応していない。
「エミリア=エルセラン。その格好はなんですか?」
「脱出するのに、帝国軍人の服を拝借したの」
「脱出?」
「そうよ」
「そんな情報はありませんでしたが。司令部の地下に囚われていたはずですよね?」
メガネの奥で灰色の目が、鋭い光を放つ。
「やっぱり知っていたのね」
クスリとエミリアが笑った。その扇情的な笑み。誰かがゴクリと唾を呑み込む。
「テオ、どこに捕まっているか知っていたのか?」
顔色を変えたのはフィリップ=ガウアーだ。
「ええ。でも司令部の地下では救出は不可能です。無意味な情報でした」
「そういう情報でも俺には教えろと、いつも言ってるだろうが」
フィリップがテオを睨む。
「いいのよ、フィリップ。テオがそういう人だってことは、わかってたから。でもそうすると、この集まりは私の救出ではなかったのね」
「あ、そうだ、エミリア。2週間後、総帥がやってくることがわかったんだ。我々はそれに合わせて一斉に蜂起を……」
「フィリップ! 彼女が今でもレジスタンスの一員であるとは限らないんですよ!」
テオ=ルッシュの鋭い声が廊下の外まで響いた。
「なに? 何を言ってるんだ?」
「司令部の地下の収容所から逃げられるわけがない。寝返らない限りは」
テオ=ルッシュの手に手品のように銃が現れていた。
「ちょっと待て! テオ!」
慌てるフィリップ=ガウアーに対して、エミリアは静かに笑みを浮かべる。
「テオ、フィリップ、あなた達にいい情報を上げるわ。総帥が2週間後に来るなんて嘘よ。あなた達を一網打尽に捕まえる帝国の策略なの」
「なんだと!?」
その場にいた全員が驚愕した。
「まさか!」
「しかし警備のために軍政監部が部隊の編成を……」
「大変だ。リソルグの部隊はもう動いて……」
「暗号通信の傍受だって、5回は確実に……」
口々に言い合いを始める。
「静粛に! 静粛に!」
テオ=ルッシュが声を張り上げた。
「エミリア、答えてもらいましょう。なぜ、そんなことをあなたが知っているのです?」
「なぜかですって?」
エミリアが微笑んだ。机の下でゆったりと足を組み替える。
仕種だけなのになぜか股間が反応しそうになって、何人かがへっぴり腰になった。
「あなたたち全員を集めるために、私が計画したからよ」
< つづく >