降魔ヶ刻 第四話

第四話

 午後の授業の合間、休憩時間に、水原夏美は目当ての少女を見つけ、声をかけた。

「ユキ、ちょっといいかな」

 振り向いた相手は、まさに美少女という言葉がふさわしい女生徒だった。
 浅井有紀子――学園初めての、女子の生徒会長となる彼女は、まるでモデルのような体型と秀麗な顔作りとを備えた才媛として、皆から圧倒的な支持を集めて当選した。

 漆黒の長い髪が、まるで化粧会社の宣伝に出てくるそれのように、真っ直ぐ艶やかに背中まで流れている。
 白いシンプルなブラウスに、襟元を飾るネクタイ、抑えられた色使いのチェックのスカートという、ありふれたデザインの制服も、彼女が着るとまるでドラマの中に出てくる衣装のようだ。

「なあに、夏美?」

「うん。ウチの部の、援助金のことなんだけどさあ」

 対する夏美も、タイプは違うが、綺麗な少女だ。名前のイメージ通り活発な性格の彼女は、陸上部の部長を務めている。走り高跳びの選手で、彼女の細く引き締った躰が、しなやかに宙を舞う姿は、いつもギャラリーの視線を集めた。
 さっぱりとしたショートカットの髪が、暑さを増してきたこの時期に、見る者に涼しさを感じさせる。

 印象はかなり違う彼女達だが、入学以来仲が良く、二人の美少女が並んでいる光景は、周りの生徒達から羨望の眼差しを受けていた。

「……だから、問題はないと思うわ」

「じゃあ、心配はしなくて良いんだ。アリガト、生徒会長さん―――あっ」

 クラブ活動における金銭がらみの相談が終わり、もうすぐ休憩時間も終わりという頃、夏美はがくりと膝を折り、机にしがみついた。

「夏美っ!?」

「ああ……大丈夫。ちょっと、目眩がしただけ」

 慌てて支えようとする有紀子に、夏美は弱々しさを感じさせる声で応える。もちろん、そんな様子では、有紀子は親友の言葉に納得などしなかった。
 彼女の腕をとると、肩を貸して立ち上がらせ、教室の出入り口に向かう。

「私、この娘を保健室に連れて行くから。次の授業の先生に、そう言っておいて」

 驚いたような目で二人を眺めるクラスメイト達に告げると、有紀子は教室を出た。
 彼女にぐったりと身体をもたれかけさせ、夏美は廊下を運ばれていく。

 ――確かに夏美は、両脚の付け根の部分に痛みを感じていた。が、歩けない程ではない。
 しかし、自分が想像していた通りの行動を取ってくれた有紀子に、あえて寄りかかりながら、少女は目的地を目指した。

 友人に抱えながら、夏美は保健室に入った。

「失礼しますっ」

 有紀子の声に、養護教諭の一ノ瀬つかさが椅子から立ち上がった。いつものクールな美貌を、部屋に入ってきた二人に向ける。

「どうしたの? 浅井さん……それに、水原さんも」

「はい、水原が、教室で急に倒れそうになって。それで、連れてきたんです」

 幾分冷静さを失ってはいても、的確に要点を押さえた説明を口にする有紀子。
 それに一つ頷くと、つかさはベッドの方を指さした。

「とりあえず、水原さんをそこのベッドに寝かせてあげて。カーテンは閉まってるけど、そこ、空いてるから」

「ありがとうございます――夏美、もう少しだから、がんばって」

 汗を浮かべながら、懸命に夏美をベッドの方に運ぶ、有紀子。指定されたベッドを隠しているカーテンを開けたそのとき、少女の口から、戸惑いの声がもれた。

「え……?」

 彼女が驚くのは当然だった。女教師の指定したベッドの上、空いていると説明を受けたそこには、ひとりの男子生徒が座っていたのだ。
 虚をつかれて、思わず彼の顔を眺めてしまう、有紀子。その瞳を、少年の視線が捕らえた。

「あ、ああ……?」

 ざわっと、彼女の全身が震えるのを、身体の触れ合った部位を通して夏美は感じた。
 そのままずるずると崩れ落ち、膝から床に座り込んでしまう友人を、自らは立ったままで見下ろす。

「わた、し……なに…が……?」

 自らの肩を抱きしめるようにして、うずくまる少女。彼女が何を怯えているのか、彼女の内部で何が起こっているのかについて、夏美には容易に想像が付いた。
 それは数時間前、夏美自身も体験したばかりのことだったから。

“カチャリ”――という音に振り返ると、養護教諭がドアの所に立ち、誰も入ってこれないようにカギを掛けたところだった。つかさと夏美は互いに目配せをし、そして頷き合う。

「な……夏美? なに……あなた、大丈夫なの?」

 わけが分からないといった表情で彼女を見上げる親友に、夏美は申し訳ない気持ちを感じる。でも、もう少しすれば、有紀子にも理解して貰えるだろう。そんな確信が、夏美にはあった。

「ゴメンね、ユキ。でも、坂下クンに頼まれたら、断れなくて」

「坂下……?」

 少年に、部屋中の視線が集まる。

「はじめまして、二年二組の坂下章司です。ああ、生徒会長のことは知ってますから、わざわざ名乗ってもらわなくてもいいですよ。
 水原先輩が言った通り、会長さんを連れてきてくれって彼女に頼んだのは、俺です」

 床の上の有紀子にそう告げると、彼は顔を上げる。
 少年と目が合ったとき、夏美は全身に痺れが走るのを自覚した。

「あ……ぅん」

 彼の視線と共に、何か熱いものが身体に流れ込み、夏美の身体を疼かせる。一度はキレイにした下半身が、じゅくりと濡れてしまった感触を自覚する。
 すぐ脇にいるつかさを見ると、彼女も夏美と同様、目元を赤くして少年を見ていた。

 そんな二人に、章司が命令する。

「何してるの? 生徒会長さんを、いつまでも床に座らせておいたら、かわいそうじゃない。ベッドを開けるから、二人で寝かせて、看病してあげたら?」

「わかりました、ご主人様」
「あ、はい。ねえ、横になろうよ、ユキ」

 立ち上がる少年に頷き、夏美は友人の腋に手を入れ、女教師と協力して、ベッドに乗せた。

「やぁ……ヤダっ、おかしいよ二人とも! 離して、お願い……っ!!」

 長い髪を乱しながら、身をよじる有紀子。けれどその抵抗はあまりに弱々しく、女二人の手を振りほどくことなどできない。
 そう。今の彼女は、少年の不思議な力に、縛られているのだ。そのことを、つかさと美夏は、よく知っていた。

「会長さん、『静かに』ね。ここは保健室なんだから、あんまり大きな声をだしちゃ駄目ですよ」

 少年の言葉に、有紀子の口から溢れていた悲鳴が、ピタリと止まる。
 懇願するような目を女教師と友人とに向ける少女に、つかさが語りかけた。

「大丈夫よ、浅井さん。あなたが今、何を辛いと思っているのか……私達には、ちゃんと分かってるから」

 片手で女生徒を押さえつけながら、養護教諭のもう片方の手が、スカートの中へと忍び入る。太股を撫でながら、その一番奥へと指先を侵入させていく。

「――っ、や…先生、止めて下さ………ぃっ!」

 力の入らない四肢を、それでもばたばたと暴れさせ、必死に抗おうとする有紀子。だがつかさが指をごそごそと始めると、「う……っ」と小さく呻いて、唇を噛みしめて身体を硬直させる。やがてスカートの布地の下から、クチュクチュと小さな水音が洩れ始めた。

「ほら、楽になってきたでしょう? 浅井さんのココ、こんなに喜んでるもの」

「うう……っ、いやぁ」

 屈辱に、涙を浮かべる有紀子。それは、そうだろう。成績も、顔貌も、他者の羨望の的になってきた彼女。生徒会長もこなし、それなりの自信も深めていたに違いない。その彼女が、こんな扱いを受けて、しかも実際に恥ずかしい粘液を垂らしてしまっているのだから。

「二人とも、彼女が辛いのを、ようく慰めてあげてね。……生徒会長さんも、お友達とかが心配してるし、“反抗なんてしないで、素直に感じてあげるんだよ”?」

 少年の言葉が飛び、有紀子の顔がさらに赤く染まる。

 だが彼女の顔が真っ赤になっているのは、羞恥の所為だけではありえまい。
 頬を伝わり落ちる涙を、夏美は顔を寄せると、舌で舐めとった。有紀子はもう抵抗らしい抵抗もできない状態の様子で、腕を押さえつけておく必要もなさそうだ。

「ひぅっ、……な、夏美っ!?」

「ユキ…可愛い」

 女教師に倣い、自分も友人の胸に手を伸ばす。夏美は彼女の制服のタイをほどいて、抜き取る。そのままブラウスのボタンを外していくと、きめ細かな白い肌と、涼しげな薄いミントグリーンの下着に包まれた膨らみが、姿を現した。

「いつも、羨ましいなと思って見てたんだよ? ユキの胸、私より大きくて、形もイイし」

 フロントホックに指を伸ばし、閉じこめられていた双丘を解放する。仰向けになっても崩れない綺麗な形の乳房を、夏美は両手で包んだ。指に軽く力を入れると、心地よい反発を感じさせながらも押された分だけ変形し、力を緩めると元に戻る。
 同性の胸の膨らみをゆるゆると揉みながら、夏美は無邪気な淫らさを顔に浮かべ、微笑んだ。

「柔らかくて、気持ちいい……フフ、ヘンだよね。同じ女の子の胸触って、こんなこと思うなんて」

「はぁっ、はぁっ……んぅ…やだ、……やだよぅ」

 口では拒否の言葉を繰り返す有紀子だったが、夏美は彼女の声の中に、媚びるような湿り気を帯びた響きが混じるのを、聞き逃しはしなかった。
 同時に、耳に届く水音が、よりハッキリとしたものになる。女教師の指には、いまごろどれほどのいやらしい液が、絡みついているのだろうか。

(ああ、やっぱりユキも……)

 自分が章司に抱かれたときのことを思いだし、夏美は下半身にこみ上げる熱を感じる。
 あのときの彼女もまた、有紀子と一緒だった。同じこのベッドの上で、少年の目で射抜かれ、彼に身体を弄ばれ、どうしようもない快感に蜜を垂らしたのだった。

「……んくっ、あぁっっ!」

 びくんっと、有紀子の身体が反り返った。見れば、つかさが彼女のスカートをまくり上げ、長く綺麗な曲線を描く脚から、濡れたショーツを抜き取っていた。そのまま股間に顔を埋め、女生徒の秘裂を口で愛撫し始める。
 ぴちゃぴちゃとイヤらしい音が立ち昇るのは、それほど有紀子が濡れてしまっているのか。それとも、彼女を責めたてるために、つかさがわざと音を立てて舌を使っているのか。

「ふ……ぁあ、……違う、こんな…ぁっ」

 有紀子自慢の黒髪が、白いシーツの上に大きく広がっている。彼女が何かを――恐らくは、自分の意志を離れ快楽を汲み上げ続ける自分の肉体を――否定しようと、首を横に振る度に、絹のような真っ直ぐの髪がベッドの上を舞った。

「いやぁ……ああ、私…、わたしぃ……っ」

「ユキ、……本当に可愛いね」

 胸をまさぐる手の指を、乳首に触れさせる。乳房の先端、小さく綺麗な桜色に色づくそれは、硬くしこった感触を指先に伝えてきた。

「や…なつみぃ……、そんなとこ、触らないで…ぅうっ!」

「乳首、こんなに勃ってる……感じてるんだね、ユキ」

「ぅあ……だめ、本当にだめっ、うぁぁっ!?」

 吸い寄せられるように、夏美は親友の胸に顔を寄せた。赤ん坊がそうするように、先端を唇に含む。勃起した乳首を唇で強めについばんでやると、有紀子の口から耐えられず喘ぎ声が洩れた。

「心配しなくてもいいよ、ユキ。私も、そうだったんだから」

「…夏美?」

 顔を上げ、安心させるようにそう声をかけると、有紀子は縋るような眼差しを彼女に向ける。
 夏美は手を伸ばし、子供をあやす仕草で同級生の少女の髪を、掌で撫でてやる。さらさらと気持ちの良い手触りを感じながら、彼女は続けた。

「私も、お昼前の授業中に、坂下クンに抱いてもらったの」

「――っっ!?」

 そのときのことを思い出すと、夏美の下腹部で、疼きが際限なく増していきそうになる。
 少年に犯され、体内に精を放たれた、あの時。その快感が、フラッシュバックのように脳裏に浮かび上がり、少女は両の太股をもぞもぞと擦り合わせながら、下着をさらに濡らしてしまう。

 けれど、今はまだ駄目だ。今は、彼女の親友が、あの悦びを体験する番なのだから。

「ユキと同じで、私も怖くて泣いたけれど……でも、坂下クンは私のこと、最後にはホントに気持ちよくしてくれて」

 驚愕と、そして怯えを孕んだ目で自分を見る、有紀子。
 そんな愛おしい友人の頬に、夏美はできるだけ優しく、口づけをしてあげる。

「ぅう……あ、…夏美、あなた……んくっ」

「だから大丈夫だよ、ユキ。イッちゃっても、いいんだから……ね」

 手の平で柔らかな膨らみ全体を、すくい上げるようにあやしながら、人差し指と中指を使って乳首を扱くように刺激する。
 もう片方の乳房に顔を埋め、乳首を唇に挟み、舌を絡ませながら吸い上げた。

「いや……やっ、だめっ…ぃや、……ああああっっ!!」

「いいよ…イッちゃいなよ、ユキ……」

 有紀子の下半身では、女教師も舌使いを強めているようだ。クチュクチュと、いっそう淫猥な音を大きく立てながら、生徒の愛液を啜り、また敏感な部分を舌と唇で追い詰めているのだろう。

「ぅ……あ、あぁぁ、…っく」

 喘ぎ声が、いよいよ切羽詰まった物に変わってきたのを感じ取り、夏美もそれに合わせて愛撫を強める。
 両の手で乳首を刺激しつつ、顔を移動させ、脇腹に浮かんだ肋骨の凹凸に沿って舌を這わせる。舌先に汗の塩辛さを感じながら、前歯でその部分の皮膚を噛むように、軽く歯を立てた。

「あ、あぁ…っ、くぅ…んっっ!!」

 白い喉を反らして、有紀子の全身が緊張する。そのままふるふると震えた後、がっくりと身体をベッドに沈ませた。

「はぁ、はぁ……はぁ」

 弛緩した口元から唾液を垂らしながら、そんな事に気を使うほどの力も無く、有紀子はただ荒い息をついている。いつもは凛として綺麗な彼女の顔に浮かぶ、退廃的な虚脱の表情に、夏美は強い色香を感じて思わず見とれてしまった。

「ご苦労様、二人とも」

 声にはっとして顔を上げると、章司がベルトに手を掛けながら、ベッドに上がるところだった。ズボンのジッパーを降ろし、下に履いたトランクスごと脱ぎ去ると、既に隆起したペニスが姿を見せた。

(ああ、すごい……あんなに大きくなってる)

 ついこの午前中に、まさしく彼のその剛直で犯された夏美。処女を失ったばかりの彼女の中心は、未だつれる感じに痛みを引いていた。が、それでも改めて少年のソレを目にすると、快感を欲してずくずくと疼いてしまう。

「あ……あの、」

 既に友人のことは半ば頭から消え失せ、ただ少年の起立に心を奪われたままに、夏美は彼に訴えた。

「私、お願いされた通りに、ユキを連れてきたよ? だから、私に……」

「それは、ダメ」

 しかし少年は首を横に振る。

「水原先輩のことは、今晩ちゃんと可愛がってあげるから。今日は親には適当に嘘をついて、一ノ瀬先生の家に泊まりに来るって……そう約束したでしょ?」

 確かに、そういう約束だった。だが、現在この時において、夏美の躰は彼を欲して、堪らないほどに熱くなっているのだ。それを、夜まで我慢しろとは。

 ……とはいえ、彼の決定に従うしか、彼女のは他にない。
 身体の疼きをもてあまし、俯く夏美。

「心配しなくても、一晩中だって泣かせてあげるから。だから今は、おあずけだよ」

「うん……」

 頷いて答えた彼女の視線は、自然と、同じ立場にあるはずの養護教諭に向けられる。

「……」

 つかさもまた、夏美と同じ飢えで潤んだ瞳を、少年に向けていた。しかし章司のことを『ご主人様』と呼ぶほどに従属した女教師は、項垂れた犬のように、じっと主人の次の指示を待ち続けているように見えた。
 彼女は、既に“躾けられた犬”なのだろう。その姿を見て、夏美は直感した。

「さて、と。じゃあそういうことで」

 話はお終いと夏美に言いつけ、少年は有紀子の脚を割って、身体をその間に入れる。

「う……ぐすっ」

 小さくすすり泣く彼女の瞳が、ふと、夏美に向けられた。

「夏美ぃ…助け……よぅ」

「ユキ……」

 夏美は目を見開いた。こんな時になってまだ、この娘は自分に助けを求めているのだ。彼女をだまして保健室に連れて来た、その本人なのに。つい今しがたも、自分はこの娘を辱めるのに協力したばかりなのだ。

 それでも有紀子は涙を流しながら、誰もが彼女を汚辱の淵に引きずり込もうとする部屋の中で、最後の救いを求めて夏美に手を伸ばす。

「なつ……みぃ」

 差し出された右手を、夏美は握ってやった。ほっそりと柔らかい、綺麗な手。清潔に整えられた爪が、少女の清廉さを現しているように見える。
 それが縋ることのできる全てであるように、指を絡めてくる有紀子。

「そろそろ行くね、生徒会長さん」

「……っく、……ぁぁあっ」

 衣服をはだけられた有紀子に、少年が覆い被さる。片手で肉槍の先端を少女の柔裂に合わせると、そのまま力強く腰を押し進めた。

「ん……くぅぅ…!」

 ぎゅっ――と、どこにまだこんな力が残っていたのかと思うほど強く、夏美の手が握り締められた。
 強張った口元が、ひくひくと引きつるように震える。

「はぁっ…ぅく、……痛い…!」

 有紀子の食いしばった歯の間から、うめき声が洩れた。

(そうか……本当に、ユキも初めてだったんだ)

 彼女達は、仲の良い友人だった。お互いにまだ、これといって交際した男がいないことも、知っていた。だから夏美も、有紀子はまだ体験していないと思っていた。
 そして破瓜の血が、彼女が正しかったことを証明している。

 恐らく無意識煮だろう。処女喪失の苦痛と、初めて胎内に侵入されたことによる耐え難い違和感から、有紀子の身体はそれらから少しでも逃げようと、ベッドの上をずり上がっていく。
 少年は少女の腰を掴むと、元の位置に引き戻しながら、言った。

「浅井先輩の中、きつくて、すごいイイよ。……せっかくだから“先輩も、気持ちよくなって”よ」

 あまりに都合の良い言葉を投げ、少年は腰を動かし始めた。興奮の息を吐きながら、強張った肉槍で、処女地を容赦なく侵害していく。往復運動が繰り返される度に、ぐちゅぐちゅという音が淫らに聞こえてきた。

「んくっ……あああっっ!?」

 手加減もなく、荒々しく腰を使い、少女に肉棒を突き刺す章司。彼の動きに合わせて、有紀子の形のいい乳房がリズミカルに揺れる。
 その様子に惹かれたのか、章司が手を伸ばし、その柔丘に触れた。

「ふぁっ…ん、……んんっ」

 少年の手の動きに合わせて、白い胸がひしゃげる。

「やぁ……だめ…ああっ、ん…ぅ」

 先ほどまで悲痛な響きからなっていた有紀子の喘ぎ声は、今では明らかに悦楽を籠めたものへと変化していた。ぎゅっと寄せられた眉も、痛みではなく快感に耐えている表情に変わっている。

「よかったね、ユキ……坂下クンので、気持ちよくなってるんだね?」

「ぅう…違う、……ちが、う……よぅ…ぁああっ」

 友人の言葉を懸命に否定しようと首を左右に振るが、淫猥に染まる声色は隠せない。少女の息遣いや仕草は、夏美の淫猥な興奮をより煽りたてる。
 羨ましい。が、割り込むことは許されていない。

(私も……もう、我慢できないよ)

 夏美の手が、自らの下半身に伸びる。スカートの中に手を入れると、ぐっしょりと濡れてしまったショーツの脇から、指先を秘所へと忍ばせる。

「ん……くぅっ」

 その場所には未だ破瓜の痛みが残っていたが、それとて今の彼女には疼きと同様の意味しか持たない。片手で少年に犯されている友人の手を握りしめながら、もう片方の手で、我慢しきれなくなった夏美は自分を慰め始めた。

(ああ、私……これじゃあ、変態だよ……)

 他人のセックスを目の前に見つめながら自慰に耽るなんて、そんな自分を今まで想像したこともなかった。いったい自分は、どうなってしまったのか? そうも思う。

 しかしだからといって、敏感な場所を弄ぶ指は、もう自分でも止めることは出来なかった。章司によって開通されたその場所に、より深く挿入し、下腹部の疼きを中から擦りあげる。

「んんっ……ふ…ぁ」

 自分の出す声が、どきりとするほどにイヤらしい。にちゃにちゃと濡れるその部分をかき分け、一番敏感な肉芽を指の腹で擦る。

「く…ぁあ」

 背筋を痺れが駆け上がり、心を溶かす。
 そうしながら再び顔を上げれば、ベッドの向こうに、女教師の姿を認める。彼女もまた、ベッドの上で繰り広げられる淫らな行為に潤みきった瞳を向けながら、白衣の間から自らの下半身に手を差し込んでいた。

(つかさ先生も、そうなんだ……)

 この淫蕩な空気に全身を浸からせ、快感を求めて悶えている。そんな世界に、夏美は絡みとられてしまった。章司に、そうされたのだ。彼の目に囚われ、声に逆らえず、そして身体を抱かれて、無理矢理に快楽の世界への扉をこじ開けられた。

 もう、元に戻ることは出来ない。だがそれに対しての、恨みや怒りなど無かった。
 あるのはただ、もっと深くこの愉楽の部屋の空気に潜りたい。章司に組み伏せられ、彼がもたらす快感に溶けてしまいたい。そんな想いだけだった。

「……いやぁ、なに……私…っ」

 有紀子の声に、はっとする。物思いと自分の濡れた部分を弄するのに夢中になっていた所為で、彼女のことを忘れてしまっていた。

「はぁっ……、やだ、こんな……私、こんなの…知らないよぅ」

 彼女がもうすぐ絶頂を迎えようとしているのが、分かる。
 夏美は、繋いだ手にきゅっと力を込めながら、親友に囁きかける。

「……んっ、…いいよ、ユキ。そのまま、イッちゃってもいいの」

「や……だぁ、……私、わた…し……っっ!」

 章司も、そろそろ限界なのだろう。顔をぎゅっと顰めながら、より激しい動作で、少女の膣内を行き来する。彼の下で、有紀子の身体は壊れそうなほどに揺すられている。
 ベッドのギシギシいう音が、部屋の外にまで洩れそうなほどに大きくなっていく。

(私も、もう……っ)

 そんな彼等を見ながら、夏美は自分自身も絶頂が近いことを知る。ショーツの中に入った手が、まるで自分の物では無いように、止まらない。
 頭が、真っ白になっていく。

「……っ、だめっ、わたし…ダメ……ぇっっっ!!」
「ううっ……!」

 ベッドの上で、章司と有紀子の、二人の声が重なった。
 同時に、夏美も絶頂への最後の一段を昇り詰める。

(イク……イッちゃうっっ!)

 頭の中に快感がスパークし、思考を真っ白に塗りつぶす。

「ああっ、ぁぁあ……っっ!」

 世界が白く染まり、なにがなんだか分からなくなる瞬間。
 そんな中で、唯一、有紀子と握り合った手だけに、現実を感じる。

「はあ、はあ……」

 やっと戻ってきた視界は、涙で滲んでいた。
 肩で息をしながら目をしばたたかせると、ぐったりとして身動きもしない有紀子の膣から、章司がずるりと肉茎を抜き取るところだった。

「ご主人様……お清めします」

 床に跪いたつかさが少年ににじり寄ると、彼は当たり前のように彼女に腰を突きつけた。
 女教師もまた、なんの躊躇いもなく、やや力を失った欲棒に口づける。他人の愛液と、そして少年の出した精液で汚れたソレを、うやうやしく舌で清めていった。

「……んぅ、…ぇあ………素敵です。まだ、こんなに逞しいなんて」

 その姿を見て、夏美はごくりと唾を飲み込んだ。少年の精液……いったい、どんな味がするのか。それを飲み込めば、どんな気持ちになれるのだろう。

「あ、あの……坂下クン、私も……」

 おずおずと声をかけると、少年は彼女の方をチラリと見て言った。

「うん? ああ、じゃあ水原先輩は、“お友達のを綺麗にしてあげて”よ」

「え……?」

 僅かな困惑の後、夏美は彼が何を言っているのかに気づく。
 ベッドの上に目をやれば、有紀子がはだけられた衣服もそのままに、横たわっている。しどけなく広げられたままの股間からは、章司が注ぎ込んだ白濁液と、そして彼女の純潔の証である赤い液体が、滲んで伝い落ちていた。

「ユキ……」

 自分があまりに常識から外れた、猥雑な行為をしようとしていることは理解していた。しかし、この年下の少年には、どうしても逆らうことが出来ない。
 少女は親友の両脚の間に顔を伏せると、痛々しく蹂躙されたその部分を、そっと舌で舐め上げた。

「んぅ……っっ!?」

 ビクリと有紀子が震えたが、それ以上はまだ身体に力が入らないのか、夏美の為すがままになっている。ただ、口から洩れる息遣いだけが、乱れていくのが分かった。

「これで、私達……一緒だよ? ユキ……」

 舌に触れる粘液の味は、酸っぱさと何とも言えないエグみとが混在した、上手く例えようのないものだった。

 けれどそれを、口の中の唾液と共に飲み込む度に、胃から熱のような物がこみ上げ、下腹部を疼かせていくのを感じた。既にぐっしょりと気持ち悪く濡れたショーツでは、滲み出る恥ずかしい液を止めることは出来ず、滴が内股を伝い落ちる。

(やだ……私、こんな格好じゃあ、教室に戻れないよ……)

 そう思いつつも、舌は熱心に動き回り、友人の膣孔から溢れ出す精液を夢中で啜り取っている。

「ん……ちゅ、……はあ…ぁ」

 夜になれば、また、少年に抱いて貰える。そう、約束してくれたのだ。

 どうしようもないほどの期待に疼く下半身を持て余しながら、それを誤魔化すためにも、彼女はいっそうの熱意を籠めて、有紀子の恥部を舐め清め続けたのだった……

< 続く >

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