レタッチ 後編

後編 「貴方が槙村航太君ね。陸上部は今、貴方の噂でもちきりよ」  航太と澄華の前に立っているのは、陸上部のキャプテンで3年生の姉川ツカサ先輩。アスリートとしての能力、キャプテンを任される人格もさることながら、抜群のプロポ

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レタッチ 中編

中編  タブレットに入っている、「レタッチ」というアプリは、基本的には直感的な操作を繰り返しながら、使い方を覚えることが出来る。メニューには一般的な操作法説明のリストはあったが、それほど懇切丁寧に使い方を教えてくれている

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レタッチ 前編

前編 「ゴン………ゴンゴン」  航太の部屋の壁を叩く音がする。 「ほーい」 「ゴン、ゴンゴン」  航太がデスクトップから目を離さないまま、気の無い返事をしていると、また壁が叩かれる。槙村航太の部屋は2階にある。そして音は

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奴隷の部屋

「ふうぅ、疲れたぁ」  夕方というにはもうだいぶ遅い時間に部屋に戻ると、バッグを投げ出してスーツを脱いでいく。  そして、テレビのリモコンを拾い上げた。 『…………犯人は犯行直後に車道に飛び込み、トラックにはねられて死亡

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堕天使の憂鬱

 ※このお話は、『悪魔の流儀』大門エンドの後日談です。 「あっ! 綾さんっ!」  キッチンの方から、梨央の大声が聞こえた。  それとほぼ同時に、ガシャン! と皿の割れる音も。 「もうー! 綾さんったら何してるんですか!?

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つい・すと 昔話5

昔話5 私と真琴さん  私は首都圏の大学に合格した。高校を卒業して、私は北の大地から脱出して(嫌いではなかったけれど、女子中高生には退屈だった)再び上京した。  四月に入ってすぐ、私は入学者説明会に出席するために大学にい

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つい・すと 昔話4

昔話4 私と千晶さん  私が千晶さん達と出会ったのは、小四で同じクラスになったときだった。  それまでも女の子の友達はたくさんいて、その友達と同じように千晶さんも私の友達になった。多少、私が強引だった気もするけれど、別に

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つい・すと 幕間

幕間 あるマンションにて  水晶には、二人のニンゲンが映っていた。  右はオンナ。左はオトコ。……いや、「まだ」オトコと言った方が正しいかな。二人は海の岩場に腰掛けていた。  とても雰囲気はよかった。「まだ」オトコの方―

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つい・すと 昔話2

昔話2 俺と千晶 「ちーあーきー。あーそーぼー」  俺と千晶との最初の記憶といったら、この言葉だ。それこそ、公園で会う度に言っていた。  そしてたいていの場合、俺と千晶は砂場で遊んでいた(稀にマコトも加わっていたが)。千

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エデン32

『私からの提案としては、以上です』  エデン32。  文明崩壊後の世界で、人類の生存を確保するために人工的に作ったシェルターの名前だ。  エデン32、エリア1、部屋番号1、通称大会議室。  そこで、四人の男女が、マザーか

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