BLACK DESIRE #12-2

7.

 4日目の朝、僕は珍しく誰にも起こされること無く目を覚ました。というか、ワクワクとした期待に胸を一杯にしてベッドから飛び起きた。
 すぐさま窓を開け、朝の空気を肺の中に思いっ切り吸い込む。そして手早く衣類を身に付けると、軽い足取りで階下へ向かった。

「あ、イクちゃんおはよー」
「あ、お、おはよう」

 ハルの挨拶に思わず言葉を詰まらせる。予想していたとは言え、食堂の光景は素晴らし過ぎた。
 そこの色彩はほぼ肌色のみ。たった今挨拶したハルも裸。済まして座っている三繰も裸。顔を赤くして俯いている七魅も裸。春原も梓もノノも那智も1年生達もみんな裸。おまけに朝食の準備をしているメイドさん達まで、カチューシャは外していないもののそれ以外は全裸。胸を揺らし、股間の茂みを朝の風にさわさわさせながら料理を運んでいる。何という桃源郷……!

「みんな裸なんだね」
「当たり前でしょ? お風呂で服は着ないもん」

 ハルは「イクちゃんだけ残念でした」と僕をからかう表情をする。いや、これで大変結構でございます。
 みんな、ここがお風呂と思っているから服は着ない、だけど同時に食堂であるとも認識しているから食事はする。予想通りの効果だ!

 みんなに「おはよう」と挨拶しながら席に着くため自分の椅子を引くと、隣の七魅が恨めしそうに僕を上目で睨んで来た。

「やってくれましたね……」
「何の事?」

 ニヤニヤ笑いながら返す。また、七魅だけ効果から外れているのか。こうなるとかえって哀れだな。

「みんな揃ったし、始めましょう」

 三繰の号令で「いただきます」を発声する。あ、しまった。僕だけ飲み物が無いぞ。

「あ、僕の飲み物は……」
「達巳君のはいいのよ」

 言いかけた言葉を三繰に遮られる。え、とその姿を探すが何故か彼女の席は空いていて、椅子と料理だけが置いてあった。今の声は、どこから?

「こっちよ」

 下から声がしてかくんと首を曲げ、自分の膝の間にしゃがみ込んだ全裸の三繰を見つけて思わず「のわぁああ!?」とガタガタ椅子を下げる。

「な、何でそこに!?」
「あ、気にしないで。達巳君はそのまま食べてていいから」
「いや気にするでしょ!? 何で僕の飲み物の話がそういう事になるわけ!?」
「うるさいわねぇ……。さっき決めたのよ、達巳君の飲み物は、今日1日はみんなからミルクをあげるってね」
「はぁ?」
「だからまずは達巳君から貰わないとならないでしょ?」
「え、マジで?」

 僕は驚いてみんなの顔を見渡す。しかし七魅以外は全員何がおかしいの?といった普通の表情だ。あれぇ?

「せっかくいい温泉に来たんだから、イクちゃんもみんなの為に協力してよ」

 ハルものほほんと笑っている。君達、全然変だと思わないの? 僕の精子を飲まないといけないんだよ?
 僕は犯人を捜して三繰に目線を戻した。

(まさか、君が何かやったの?)
(違うわよ。自然にそういう流れになったの)

 むむむ……。書き込み時間が長くなると、その内容に対する反応がより自然になっていくのか……。
 そうか、ブラックデザイアは僕からの書き込みを補完する様な思い違いを自動的にさせるんだったな。(以前三繰に精液が世界で一番おいしい食べ物だと書き込んだとき、それをテレビで見たと勘違いしていた。)長引けば、それを正当化する思い込みも増えていって当然だ。今や、ここにいるみんなは美容の為に朝一で精液を飲むのも、牛乳代わりに母乳を飲ませるのも自然な事となっているのか。

「そういう事なら」
「わかった? じゃ、頂戴ね」

 三繰はそう言うと僕のズボンを躊躇い無くずるりと下ろして、既にみんなの裸に触発されて上向きになっていたものをパクッとくわえた。まるでウィンナーソーセージでも食べるかの様な気楽さだ。噛み切られない様に注意しないと。

 三繰の動きはかなりツボを心得たものだった。一昨日ので僕の感じるところをマスターしたとでも言いたいのか? 僕の様子を上目遣いで確認しながら余裕の笑みを浮かべている。

 みんなの朝っぱらからの手厚い歓迎のお蔭もあってすぐに限界が訪れた。「うぅっ!」と自分のトーストをかじりながら三繰の口の中に思いっ切り放出する。粘度の高い白濁を、三繰は慣れた様子でこくこくと飲み込んでいった。
 出している途中でちゅぽんと口から離し、さらに僕のものを自分のパンの方へ向ける。

「後はこっちに、ね♪」

 口から出した時に飛び散った白濁を顔にこびり付かせたままにっこり笑う三繰。僕のものは勢いを変えずにびゅるびゅるとトーストというキャンバスに白い絵の具を塗りたくった。
 最後に勢いが無くなった僕のものを三繰はちゅうちゅうと赤子が乳首を吸う様に中の白濁を飲み、そしてぺろりと先端部を舐めて顔を離す。

「ふふっ。ありがと」

 幼子を誉めるように僕のを指先で撫で撫でする。その刺激にまたピクンと跳ね上がり、三繰はクスッと吹き出した。
 そして精液まみれになった自分のパンをうっとりと見つめ、パクリと端っこから口に入れる。

「んんーっ。ザーメントースト、おぉいしぃ~♪」
「そりゃ良かったね」

 ご満悦のご様子だ。どんな味なのかは知らないし、知りたくもないが、彼女の中ではもう精液は極上の調味料と認識されているのかもしれない。
 足下から三繰が立ち上がると、続いてハルがトーストを手に席を立った。

「じゃ、次私ー♪」

 そして空いた僕の膝の間にごそごそと潜り込んでくる。おいおい、もしかして全員やるつもりなの? そう思って見渡すと、みんな食事が全然進んでいない。マジで!?

「ほら、お返しのおっぱいだよ」

 そう言って三繰はトーストを食べる手を止めて僕に胸を差し出した。口元の精液をぺろりと舌で舐める仕草がいやらしい。僕は当然の権利なので遠慮なく三繰の乳首に吸いついた。

「んぅっ……!」

 すぐに口の中に三繰の味が広がり始める。股間ではハルが始めたようで、口の温かさと柔らかさに包まれる感触が僕の腰に広がった。

 そうやって、全員が交代交代で僕の精液をもらいに来る。ノノは先にパンを食べてしまったらしく、

「私はザーメンドレッシングでお願いします」

と、サラダの上にぶちまけさせられた。それでもおいしいおいしいとシャキシャキ咀嚼する。僕の精液は万能かよ。
 梓には「じゃ、私はコーヒーに」とミルク代わりに搾り取られた。ほんとにそれでいいの? と思ったが全然混ざらないコーヒーをおいしそうに飲んでいるし、いいのだろう。お返しに、梓はテーブルに両手を付かせ、胸の下にコップを2つ置いて牛のように乳搾りをしてやった。

「わぁ、おっぱいが沢山出てますね」
「ぉお~」

 下級生達はおっきなウシチチからびゅうびゅうと母乳が出てくるのが珍しいのか、興味津々で僕と梓の事を見守っていた。

 散々出し尽くし、もういないかなと食後のコーヒーに梓のミルクを入れてカフェオレにしていると、おずおずと七魅がやって来た。

「あ、あの……私もいいですか?」
「あれ、七魅は別にいいんじゃないの?」
「えっと、その……わ、私だけやってないのはおかしいと思われるので……」

 顔を赤くしながら目線を逸らせて言う。僕はニヤリと笑い、七魅のために膝を大きく開いてスペースを空けてやった。

「いいよ。ただ僕はコーヒーを飲んでるから、こぼさないようにゆっくりやってね」
「あ……はい」

 七魅はそう言うと、足下に這い蹲って僕のものに対する奉仕を開始した。ゆっくり、ねっとりと大きな振動を起こさないように丁寧に舌を這わす。
 僕は自分の股の間で動く少女の黒髪を眺めながらニヤリと笑いを浮かべ、そしてカフェオレに口を付ける。口の中で梓の甘さを存分に堪能しながら、僕は七魅の口に精液をぶちまけてやった。

8.

 朝食が終わると食堂や女の子達はさんさんたる有様だった。テーブルや床、食器には僕の出したのや女の子のミルクが飛び散っていたし、彼女達もみんな顔にはべっとりと精液が付いたままだった。身体のそこかしこにも白濁が飛んでいる。
 しかし、それほど汚れているにも関わらず別に気にした様子も無くにこやかに談笑している。いったいどんな思考が働いているのかは、もう僕からではわからない。

 僕達は食後の洗面等のためにいったん別れ、9時に勉強会のためにまた1階に集まる事にした。ただし、今日は1日遊べる最終日なので最初から三繰も「ゲーム」に乗り気だ。僕もその内容を面白くなるよう練っておかないとね。

 ゲームに使う機材を揃えて食堂に行くと、既にみんな揃って待っていた。当然、みんなまだ全裸だ。七魅ももう吹っ切れたのか、三繰の側で身体を隠すこと無くまっすぐ立っている。顔はまだ赤いけどね。

「さあ、今日はどんなゲームをするのかしら?」

 三繰がいつもの胸を寄せる様に手を顎に当てるポーズで微笑む。僕はそれにニヤリと返し、機材をテーブルの上に広げた。

「三繰と……1年生達はここに残って、後はちょっと隣で待っててくれるかな? ゲームの準備をするから」

 呼ばれた者を残して他の者がぞろぞろと移動する。僕は残った4人に椅子を勧め、持ってきた器具の内の1つを手に取った。

「で、何するの?」

 そう言いながら椅子に座った三繰に、僕は意味有りげに笑顔を返したのだった。

「さあさあみんな、ゲームを始めるよ~!」

 1年生に隣のみんなを呼んでこさせ、早速僕は解説を開始した。僕の隣では「え? ちょ? 何これ?」と椅子に拘束された三繰が困惑の声を上げている。

「今日の『ゲーム』は恨みっこ無しの個人戦だ。成績の悪い娘はお仕置きの罰ゲームだよ。さて、ルールを説明しようか?」
「はーい」

 みんな元気の良い返事だ。やる気が有ると説明にも力が入るね。
 「まずはみんなには1人1人順番にこうやって椅子に座って貰う」と三繰を指さす。ちなみに、今三繰は椅子の後ろで手錠によって両手を拘束され、さらに両足を椅子の肘掛けの高さまで持ち上げられてそこに透明テープでぐるぐるに固定されている。膝の裏には庭から見つけてきた1.5m位の棒を通し、そこも左右の端でそれぞれの膝を固定してある。まあ要するに、椅子の上でM字開脚状態になっているわけだね。みんなが拘束の様子をじっと見つめるので、三繰は居心地が悪そうに身体を揺する。

「さて、ゲームだからこれから起きることをプレイヤーには知られてはいけない。だから目隠しをするよ」
「すみません、三繰先輩……」
「え、ちょっと!?」

 僕の指示で朝顔がアイマスクを三繰の顔にかける。抵抗しようにもまさに手も足も出ない状態だ。これで三繰の視覚は封じられた。

「OK。じゃあ勝利条件の説明だ。今日も勝敗は獲得ポイントで決まる。まず最初のポイントは……ここだ!」

 僕は三繰の股間部分を指を使って左右に割り開いた。突然の事に三繰の身体がひくっと震える。みんなは「きゃぁ」と楽しげな悲鳴を上げた。そう、「ゲーム」だから、何をやってもおかしくはないよなぁ。

「まずは、この場所の写真を撮るよ。この透明テープを使い、左右にいっぱいに開いた状態で接写する。後で自分の写真を当ててもらうからね」

 説明しながら僕はテープを使って三繰の秘部を大きく拡げた状態で固定した。そしてカメラをマクロ撮影モードにして素早くそこの写真を撮る。カシャッという音に三繰はピクピクと身体を震わせていた。
 液晶画面で今撮ったものをみんなに見せて確認してもらい、よし、と頷いた。

「じゃ、2つ目のポイントに移ろう……君達、出番だよ」
「はーい!」

 僕が呼ぶと華恋と文紀もやってくる。これで舞台に1年生3人が揃った。

「2ポイント目は、同じくここの写真だけど少し様相を変えさせてもらう。他の参加者のみんなでプレイヤーを気持ち良くして、イった直後の写真を撮るからね」
「え!? 聞いてない……!」
「今言ったから」

 三繰の驚きを余所に僕は糸を取り出して三繰の股間に近付いた。少し周囲がざわめく。

「ぅあっ!? え? そこは……何っ!?」
「糸を結んでるだけだよ、心配しない」

 僕は手に持った糸を三繰のクリトリスに結びつけた。少し伸縮性のあるゴム糸で、これを20cmくらいの棒にくるくると巻いて結ぶ。少し短いかな? つんつんと引っ張ると「やっあっ、やめっぇっ!」と三繰がせっぱ詰まった声を出す。良し良し。三繰の反応に見ているだけで女の子達は顔を赤くしていた。

「はい、これをくわえる」
「……はぁ……はぁ……な、何……」
「いいから口を開けて」
「うぁ……もごっ!?」

 僕は作成した棒を三繰の口に押し込んでくわえさせた。これで刺激に身体を突っ張らせると、さらに強い刺激が彼女のクリトリスに与えられる事になる。

「ちなみにイくまでに棒を放したらマイナスポイントだからね、しっかり最後まで食いしばっててね」
「う~っ!」

 抗議するように首を動かそうとするが、それすらも刺激になるのでまともに顔を動かすことも出来ない。「ぐっ……うぐっ……」とうめき声を上げながら大人しく身体を曲げて少しでも秘部からの刺激に耐えようとする。しかし、すでに開かれた割れ目の中からはトロトロと粘液が溢れ出していた。

「よしよし、いいこいいこ」
「ふぅん……」
「じゃ、三繰も大人しくなったし、君達、やっちゃって」
「ふぐぅっ!?」

 「はーい」と1年生達が三繰の股間に取り付いた。舌を伸ばし、剥き出しになった粘膜をペロペロと舐め上げる。みんなも興味があるのか、三繰の周囲に寄ってきてそこの部分に視線を集中させる。

「ぐっ、ぅふぅ……ふうっ……!」

 今の三繰は拘束され、目隠し、口枷で出来る事と言えばくぐもった喘ぎを上げるくらいだ。目が見えないため1年生達のつたない動きでも予想がつかず、それが彼女を燃え上がらせる。あっと言う間に身体がピンク色に染まり、口元からだらだらと涎が胸元にこぼれる。そして糸で強制的に引きずり出されたクリトリスは今にも破裂せんばかりにピンピンになっていた。「わぁ……」と誰かの発した言葉に観客の存在を思い知らされ、ぎゅっと足の指を縮めて堪えようとする。

(そろそろいいかな……?)

 僕は三繰にそっと近付き、そしてみんなに「しっ」指を口に当てるサインを送った後、股間に繋がる糸を前触れもなくデコピンの要領で弾いた。とたん、「っ!?」と声にならないうめきを上げて三繰が身体を仰け反らす。秘部の付近からぴゅっと飛沫が飛んだ。

「わっ!?」「きゃっ!」「にゃぅ!?」

 股間にいた1年生達も突然それを引っかけられて顔を放した。
 三繰はぎりぎりと口にくわえた棒を噛みしめ、そこから延びる糸に、見てると痛そうなくらいきゅうきゅうにピンクのクリトリスを締め付けられている。椅子がギシギシいうくらいに全身を跳ねさせ、体中から汗を飛び散らす。ガクガク震える股間からは断続的に飛沫が飛んでいた。

「~っ! ~っ! ~っ!!」

 ゆうに30秒は経っただろうか、身体を強ばらせ、浮き上がっていたお尻がくたくたと椅子に戻り、そして急に糸の切れた人形みたいに三繰の身体から力が抜けた。僕がそっと「もういいよ」と口の棒を持ってやると、どろっと粘度の高い大量の唾とともに棒を放した。そこにはどれだけ強く噛みしめていたのか、くっきりと歯形が残っている。

「あ……あぅ……ぁはあ……」

 三繰は放心しているようだ。今自分がどんな状態なのかも意識できていないんじゃないかな。僕はこれがチャンスと1年生達を下がらせ、今も時折「こぴゅっ」と濁った粘液を吐き出す股間を接写した。良し、OK。

「……はい、これで2ポイント目の写真が撮れました。最後はボーナスゲームですね」

 僕はカメラを置いてそう言うと、テーブルの上から空のペットボトルを取り上げた。三繰はもう文句を言う気力も無いのか、俯いたままはぁはぁと呼吸を整えている。

「最後のゲームは自分のおしっこ当てです。この場でおしっこして、それをこのペットボトルに入れておきます。これを後で臭いと色から選び出して下さいね」

 僕はペットボトルをみんなによく見えるように掲げた後、キャップを開けてまだひくひく動いている膣口の上にある小さな排泄口にあてがった。

「ほら、出していいよ」
「……もう……出せばいいんでしょ……出せば……」

 三繰は諦めたように小声で言った。そしてしばらくじっと見つめていると、ちょろちょろと力無く放尿が始まった。ペットボトルの底に黄色く色付いた生暖かい液体が、泡立ちながら溜まり始める。それをその場にいる全員が息を詰めて見つめていた。

 最後にちょろっと出し切って三繰は「はい、もう出ないわ」と溜息を吐きながら言った。自然とその場にいた全員が「ほぅっ」と息を吐く。その気配にまたも三繰は顔を赤らめた。
 僕は彼女の股間からボトルを放し、キャップを閉める。みんなには見えないように底に番号のシールを貼り、すぐにバッグに隠した。

「……はい、以上で1人分終わりです。みんなわかったかな?」

 全員が顔を見合わせ、そして僕に向いて「はい」と頷いた。
 それを確認して僕は三繰の目隠しを外し、手足の拘束を取り除く。手に痕が付かないように道具を選択したはずだったが、よっぽど強く暴れたのかうっすらと赤い筋が残っていた。まあ、これくらいならすぐ消えるだろ。

「質問も無いし、じゃあ機材を渡すからグループに分かれて撮影を開始して貰おうかな」

 全員の様子を見渡しながらグループ分けをする。1年生はこのまま3人で1グループ。2年生も2人でいいだろう。3年は……そうだなハル、梓、春原で1グループだ。残った少女に僕は向き直る。

「七魅は、僕とお姉さんで撮影しようか」

 ニヤニヤしながら言うと、少女は身体を隠すようにして「い、嫌……」と後ずさった。

「じゃあ、他の人に撮ってもらう?」
「……」
「まだ三繰にやってもらった方がいいんじゃないかな」

 「うう……」と七魅はうなだれ、しばらく躊躇った後に結局「お願いします」と屈服した。はいはい、じゃあ椅子にご案内~。

 部屋の中に和気藹々と同学年の少女を椅子に拘束する女の子達の笑い声が響いている。これが10分後には口枷のせいでくぐもった喘ぎ声一色に変貌するのだ。それを誰もおかしい事とは思えない。ゾクゾクするくらい興奮するね。

「じゃ、固定するよ」

 僕はビッとテープを伸ばして七魅に宣告した。消え入りそうな声で俯いたまま「はい……」と答える少女。後ろではニコニコしながら三繰が手首の手錠を椅子に固定している。

「よっと」

 脚を持ち上げ、膝の裏に棒を通す。あんまり下手に縛り付けると血が止まって長時間正座をした状態になってしまうからな。気を付けないと。
 開脚状態で棒と椅子への固定が終了した。七魅の股間はお尻の穴まで完全に剥き出しだ。試しにふっとそこに息を吹きかけてみると七魅は身体をがたがた揺らしたが、拘束が緩む気配は全く無かった。良し、準備完了。

「じゃ、目隠しするね」

 三繰がアイマスクを持ち上げると七魅が心細そうに僕と姉を見比べる。「大丈夫」と僕が笑い、するとようやく観念したのか目を瞑って目隠しを受け入れた。
 七魅の目が塞がれ、僕と三繰は顔を見合わせてニヤリと笑みを浮かべる。ふはははは、七魅よ、やっぱり他者に任せた方が良かったな。ここに「七魅をいぢくり隊」の最強タッグが結成されている事に気が付かないとは。手早くビビッと少女の秘部を拡げて写真を撮り、そして僕はバッグの中から更に道具を取り出した。

「あ~、みんな。大体1枚目の写真を撮り終えた頃だと思うけど、2枚目の写真撮影に使える道具はまだいっぱい有るからね。こっちに取りに来て」
「!?」

 七魅の驚愕を余所に拘束されていない少女達は「はーい」と僕の元に集まってくる。彼女らに僕はいちいち丁寧に機材の使い方を説明してから貸してやった。

「さて、七魅は何がいいかにゃ~?」
「き、聞いてません……!」
「だって今言ったんだもん」

 「ね~?」と三繰と一緒の方向に首を傾ける。もっとも七魅にはそんな仕草は見えないんだろうけど。七魅は声が聞こえる方に顔を向け、今にも「は、計ったな!」と言いたそうな顔つきだ。

「三繰は七魅のクリちゃんに糸を結んでやって。僕はこっちを準備する」
「あいさー♪」
「姉さん、やめっ……きゃんっ、あっ、そこはっ……!」

 姉妹のじゃれあいを横目に、僕が用意したのは絵を描く時に使うあの筆だ。これに昨日も使ったローションをたっぷり取って準備完了。三繰の分も用意してやる。振り向くと、ちょうど三繰が糸に結んだ棒を七魅にくわえさせたところだった。

「よし、じゃあ悪戯開始」
「開始~♪」

 僕の号令で一斉に七魅の剥き出しの襞をこちょこちょとやり始めた。

「うぐっ? ふぅう~ん! うぅん! うぅ~~っ!」

 三繰が七魅の膣口や尿道口、僕がピンと張りつめたクリトリスに分担して執拗に責めていく。すぐにそこは七魅自身の分泌液で潤い始め、ローションなんて必要ないくらいべたべたになっていった。

 僕が小さな粒をつるっと撫でれば「うぅっ!」と背中に力が入って糸がピンと締まり、三繰が充血した穴の縁をくちゅくちゅとかき回せば「ふぅうん!」と鼻声を上げてビクビクとお尻を浮かせる。まったく、七魅は良い音色の楽器みたいだな。

 ヒクつく七魅のお尻を見てたら昨日のハル達を思い出し、なんだかムラムラしてきた。

(三繰、これお願い)
(?……いいけど)

 僕が筆を渡すと、三繰は二刀流で七魅の秘部の料理に取りかかる。僕はその下の窄まりに指を伸ばすと、しとどに垂れ落ちている粘液をまぶすように皺の周囲を指で撫でさすり始めた。

「うぅっ!? ぐっ!? ぅふう~っ!」
「おわ、達巳君だいた~ん……」

 七魅の反応が変化した。まさかこんなところまで弄くられるとは思っていなかったのだろう。小さく嫌々をするように腰を振るが、僕らの目にはただいやらしい光景にしか映らない。
 僕は更に指先を回すようにして中心部を解していく。七魅の最後の抵抗か、そこは堅く閉ざされている。だが、三繰が「任せて」とちょんちょんと微妙な手つきで襞を撫でるとヒクヒクと緩む感じがした。よしよし、そのまま……。

「うぅっ!!」

 じゅぶ、と水っぽい音と共に僕の指は七魅のお尻に潜り込んでいた。きゅう、と中指の第1間接を強く締め付けてくるが、一度入り込んだものを押し出す力は無さそうだ。三繰の与える刺激で緩むタイミングをねらってゆるゆると内壁を撫でてやる。すると「うう゛ぅっ! う゛ぅ~!」と激しい唸り声のような声が口元から洩れてきた。

「あ、わ……すごい、こんなの初めて……」

 三繰が驚きと共に筆を止める。七魅のそこからは泡だった愛液がドクドクと止めどもなく湧きだして来ていた。お尻の中から伝わる振動がブルブルと痙攣のようになってくる。限界が近いな。

「三繰、ちょっとどいて」
「うん……あんまりナナちゃんに酷い事しないで」

 何を今更、と苦笑を浮かべるがさっきの口調ではお尻は初めてだったのかもしれない。黙って僕は七魅の股間に口を寄せた。
 そして開きっぱなしの膣口にふっと息を吹いてひくっと彼女の背中がひきつり、糸がピンと張ったところでさらに充血したクリトリスを軽く噛んだ。それは歯を使って触ったという程度の非常に軽いものだったのだが、七魅に起きた変化は激震と言って良いものだった。

「~~~~~っっっ!!」

 声にならない呻きと共に腰がガクガクと上下し、背筋がいっぱいに反らされる。口元の棒をぎりぎりと噛み絞め、こっちが心配になるくらいに糸がビンビンに張って小さな股間の粒を首吊り状態にする。イスはギシギシと壊れそうなくらいの悲鳴を上げ、膝を固定した棒はギチギチと今にも折れそうな破壊音を漏らしていた。余りの大きな動きに僕の指はついていけず、途中でつるりと抜けてしまう。

「……ぐぅっ……うぅ……ふぅ……ふぅ……」

 やがて、強ばった全身から力が抜けて少女の体はドサリと精も根も尽き果てた様子で椅子にもたれかかった。律儀に口から棒を離さなかったから、ふぅふぅと荒い息が鼻から洩れている。僕はその棒を黙って取ってやった。口から大量の涎が身体に落ち、お腹を通って股間に流れてそこの愛液に混ざって判別がつかなくなる。

 そんな妹の様子を、三繰は目を潤ませ、顔を真っ赤にしてはぁはぁと口を開けて見つめていた。

「あぁ……私も、こうだったの?」
「……似たようなものだったね」

 目を下に向けると、三繰の内股をどろっと流れていくものが見えた。それを指さし、「またやる?」と聞くと少女は赤い顔で俯く。だが、「やる」とも「やらない」とも返事は返って来なかった。

「ぅ……」

 七魅が身体をぶるっと震わせた。気温は高いけど、たくさん汗を掻いてるから冷えたかな? 僕は急いで先の作業を進めるためにカメラを準備する。

「ぁ……ちゃう……」
「ん? 何?」
「……で……ちゃう……」
「え?」

 出ちゃう? 何が? と首を傾げる。三繰の方はそれにピンと来たようで「達巳君! ペットボトル!」と小声で叫んだ。え? そういう事?
 七魅の股間に目をやると、べっとりと湿ったそこから新しい液体がちょろちょろと洩れ始めていた。「あぁ……」と七魅がため息とも慨嘆ともつかぬ喘ぎ声を漏らす。

「わっ、わぁっ!」

 僕は慌ててペットボトルの蓋を取って七魅のそこにあてがった。勢いは無いが、力が入らないのかバルブの閉まっていない蛇口の様にちょろちょろ、ちょろちょろ際限無く出続ける。お蔭でその様子をかなり長い時間見続ける事が出来た。

 七魅のは色が非常に薄く、ほぼ透明に近い。勢いが無いせいもあるが泡だってもおらず、ボトルを持った手に七魅の体温の名残が伝わって来なければ、これが尿だという事も忘れてしまいそうだ。多分、臭いもあんまり強くないんだろうな。

 じっとその体勢で待っていると、数分後にいつの間にか七魅の放尿は止まっていた。ペットボトルの口を使って残滓を掬う様におしっこの穴付近を拭った後、持ち上げてキャップを締める。ちょっと時間が経っちゃったけど、ついでに写真も撮っておくか。

 カシャッと撮影を終わらせて股間のテープを剥がしていると、三繰はその間に七魅の目隠しを外した。七魅は目元を赤くして、横を向いて僕と目線を合わせない様にしている。不貞腐れているのだろうか。
 足の拘束を外してやりながら声をかけてみる。

「いや、いい写真が撮れたよ。可愛かったな」
「……みっともない、と思ってるんでしょう」
「え、何で」
「……また、赤子みたいに……みっともない」

 また? ああ、そういえば依然七魅と契約し損なった時もそうだったんだっけ。なんだよ、そんな事で落ち込んでるのか。
 僕は疑問が解けて笑顔を浮かべた。そして七魅の頭を撫でてやる。突然の事に七魅は顔をこちらに向けて目を丸くした。

「あ……」
「何でさ。それだけ気持ちよかったんでしょ? 嬉しいじゃない」
「で、でも……汚いし……」
「そんなの洗えばすむじゃん。それより、感じてた七魅、可愛かったよ。気持ち良くなってお漏らしなんて、僕はとても良いと思うけど」
「……」

 七魅は顔を真っ赤にして俯いた。そしてごにょごにょと口の中で何か呟いている。今にも頭からぷしゅーっと湯気が立ちそうだ。
 僕はそんな七魅の様子がおかしくて、脚のテープを剥がしてあげながらずっと笑顔を押さえることが出来なかった。

 で、結局ゲームの結果はどうなったかと言うと。
 所詮自分のおしっこの臭いなんて、犬でも無いのに嗅ぎ分けられる筈がないんだよね。しかも確率は10分の1だし。
 そういうわけで全問正解者は無し! 全員罰ゲームだ!

 ……計画通り(ニヤリ)。

「はい、イクちゃんあ~ん♪」
「あーん……(ぱくっ)」
「先輩、こっちもどうぞ。はい、あ~ん」
「もぐもぐ……あーん……」

 現在、僕は右にハル、左に朝顔を侍らせて昼食中だ。いや、その言い方は間違っているな。2人以外にも女の子達が僕の周りを取り囲んで料理を持ち、順番を今か今かと待っているのだから。

 今日の罰ゲーム。それは達巳郁太を精一杯もてなして食事をとらせる事。料理はちゃんと切り分けて一口サイズにして、あーんして食べさせる。
 衣装は今日も僕指定のスペシャルスタイルだ。もともと今日は全員裸だったから、ちょっと工夫してみんなには短い腰の前垂れだけのフリルエプロンを身に付けてもらった。それにカチューシャ、ヒール付きサンダルのお決まりコース。
 エプロンは短いから布のない胸は元より、股間部も股上3cmまで見えてしまっている。その、ちょっとは隠てるけど結局見えちゃっているというのが、かえって何も付けないよりいやらしいのだ。

「あ、次、春原と梓さんは口移しでお願いします」
「あー、もう。しょうがないなぁ」
「はーい、わかりましたー♪」

 2人の含んだヨーグルトとバナナジュースを交互に口付けして吸い出す。ふう、いつもより甘ーい!

 みんなそんな光景をにこにこと見つめている。そうそう、これは罰「ゲーム」だからね。ゲームの一部なんだから楽しまなきゃ。

 料理皿を持って七魅と三繰もやって来た。

「あの……達巳君、これ……」
「達巳君♪ 鶏のソテーはどうかな?」
「もちろん頂きます。まずは七魅から。はい、どーぞ」
「あ、あーん……」
「あ~ん♪」

 ふう、ここはまさしく僕の欲望の楽園だな。女の子達にほとんど裸の衣装を好きに着せて食事の世話をさせるとは。ずっとここに居てもいいくらいだ。

 その時、後ろで控えていたメイド(もちろん裸のまま)の1人が近寄ってきて、三繰に何かこしょこしょと耳打ちした。

「ん?……あ、そう。ありがと」
「どうしたの?」
「準備できたって。どうする、今すぐやる?」
「そうだねぇ。結構お腹も膨れたし、お願いしようかな」

 「りょうかーい」と三繰がみんなに声をかけて回る。そして食べかけの料理は僕のテーブルに置いたまま、揃って別荘の中へ戻っていった。
 次のイベントまでしばらく有るので、自分でナイフとフォークを使って残りを平らげる。いつの間にかメイドが僕の後ろに控えていた。

「10分くらいかかるんでしたっけ?」
「はい」

 そうか、何だかワクワクするな。
 罰ゲームのおもてなしの1つとして、僕はショーの実施を指示した。その為に少し昼食の時間を遅らせ、さらに女の子達にはエプロンを身につける以外の準備をさせておいたのだ。

 あらかた料理を食べ尽くす頃、メイドが再び近寄って「そろそろお時間です」と声をかけてきた。いよいよか。

「こちらをどうぞ」
「ありがとう」

 メイドに手渡された双眼鏡を目に当てる。しばらく別荘の北の方の山肌を探し、そして中腹にある木製の柵のある展望台を視界に納めた。いるいる、みんな到着してるな。

「見えたって伝えて」
「了解しました」

 メイドはトランシーバーで展望台の者達と連絡を取った。すると、双眼鏡の視界の中で女の子達が動き始める。柵を乗り越え、岩の出っ張りの縁に10人が1列に整列し、そしてがに股で股間に手をやったのだ。

「では、始めます」
「OK」

 僕の了解が伝わり、女の子達はそこで一斉におしっこを放ち始めた。飛沫が散って中腹に飛び出た展望台から下の木々に向けてシャワーの様に細かい水滴が空中を舞う。そして、そこに僕の予想通りの現象が起こった。

「おおっ! 出た出たっ!」

 北の山は僕の位置から見て丁度太陽の反対側だ。少女達の小水は射し込む陽光を反射し、そこに見事な虹を形作った。やったぜ! 時間もばっちりだ! みんなにカフェイン入りのお茶を飲ませて準備した甲斐が有ったな。

 以前からこれはやってみたかったのだ。どこで見たかは忘れたが、女の子のおしっこによる虹架け。チャンスが有ったら絶対やってみようと思っていた。そして今日、その夢が叶った。

「くふ……くふふふふふ……!」

 余りの愉快さに僕は押さえることが出来ずに笑い声をあげ始めた。視界の中の虹はゆっくりと消え始め、女の子達は終了の合図に揃って腰を振って水滴を切っている。その滑稽な動きに僕の声は高まっていった。

「ははは……ははははははははっ!」

 いいね、いいね。最高だ!
 女の子を支配する、その快感が僕の中に溢れ返っている。それはここ2ヶ月くらい、そう、達巳裁判事件の頃から忘れていた感覚だ。これこそ、僕だ! ブラックデザイアの主、常識の破壊者・達巳郁太だ!
 この力こそ、やはり僕の唯一信頼すべき基盤なのだ。これを使いこなし、これで支配することのみを考え、そして実行する。それ以外は考えるべきではなかった。

 双眼鏡から目を離した後も僕の口元の笑みは消えることが無い。僕の心の中で何かわだかまっていたものがすうっと消えていった様な感覚だ。まさしく、不要な何かを僕は今、切り捨てたのだ。

 双眼鏡をその場に置き、僕は席を立つ。今日の午後もまた忙しくなる。少し作戦を練っておかないとな。
 僕は笑顔を浮かべたまま、別荘の中に戻った。空の太陽は明るく輝き、僕の意向を祝福しているかの様だった。

9.

 午後はいつも通りに海水浴の時間となった。全員、最後のビーチを楽しむべくきゃあきゃあと歓声を上げている。その様子に異常なところなど見られない。ただ、全員が水着を身につけていない、全裸であるという点を除いて。

 さて、折角のヌーディストビーチ状態なんだし、何かしたいな。
 僕は持ってきた道具からマジックを取り出すと。ビーチバレーの審判を申し出た。そしてポイントを取られた娘の胸やお尻に落書きをする。これは「ゲーム」のペナルティだと言ったので、みんなにこやかに僕の書いた卑猥な文字や絵を笑い合っている。

 次は何をしようかな、とバッグを漁るとまた昨日の肛門鏡が出てきた。昨日のはもう返したし、新しい奴だろう。これを今日も誰かに使ってみよう。
 犠牲者を探して周囲を見渡すと、居た居た、梓と朝顔が並んで歩いている。僕はケースを手に2人のところに向かった。

「やあ、楽しんでる?」
「はい、お蔭様で」

 梓が微笑みながら返す。その隣で朝顔も笑っている。2人とも、自分の身体を隠す素振りも見せない。
 こうして並んで見ると梓と朝顔はまるで母と娘くらいに身体の発達具合に差がある。梓は言わずと知れたボン・キュ・ボン。朝顔の方は胸も僅かに膨らんでいるとわかるくらいで、股間は無毛の割れ目が何も隠すもの無く晒されている。器具は1つしか持って来ていないし、どっちか選ばないとな。

「あー、2人につかぬ事を聞きますけど。健康状態に関する事なんだけど」
「ええ、何ですか?」

 2人に別々に書き込みを実施。キーワードは「健康」。薙刀部の先輩である梓のみにかけて情報感染(インフェクション)を使ってもいいが、どうせ1人にだけ悪戯するんだ。いらない方はさっさと退場してもらった方が良い。

「最近ちゃんとお通じ来てますか? 『健康』状態が心配なんで教えてくれますか?」
「あ、はい」

 一瞬2人の顔が赤くなるがすぐに納得した表情になる。普通はこんな事異性には言いたくないだろうけどね。
 梓の方は何の心配も無いのか朗らかな笑顔で質問に答えた。

「ええ、ちゃんと来てますよ。こっちに来てからも問題有りません」

 と、ガッツポーズみたいな真似をする。はいはい、良かったね。それに対し、朝顔は眉根を寄せて心配そうに言った。

「私は……その、もともとあまり……」
「もしかして、便秘気味?」
「はい……」

 僕が「今どれくらい?」と聞くと「この島に来る前日から」と正直に話す。そりゃ大変だ。今日の悪戯の相手は朝顔に決定だな。

「大変だね。それじゃあ、僕の知ってる『健康法』で、腸の調子を良くするおまじないをやってみようか」
「ほ、本当ですか? お願いします!」

 朝顔は結構真剣だ。実は悩んでいたのかな。梓も「折角だから私も」とやる気を見せたのだが、もうあなたはいらないんですよ。

「残念ながらこのおまじないは、やる人間とその補助を行う人間の2人以上に知られると効果が無くなってしまうんです」
「え~。残念です……」
「おまじないですからねぇ」

 不承不承に梓は納得した様だった。じゃ、ここからは2人で、と言うと後ろ髪を引かれるようにしながら去っていく。その姿が木々に隠れるように見えなくなったところで、梓の書き込みを消去した。これで忘れてくれるだろう。

「じゃ、そうだな……あの椅子を使おうか」
「はい」

 近くのデッキチェアを指さし、そこに朝顔の手を引いて行く。

 僕がしようとしている事は昨日とさして変わらない。ただし、1つやってみたい実験があった。それは、口からではなくその他の場所からでも精液による魔力の吸収を行わせる事は可能か、という事だ。魔法の物質だし体内に入れればどうとでもなりそうな気がするが、確証が無い。迷ったら実験してみよう。

 昨日の梓と同じように背もたれを一杯に倒した椅子に朝顔を上下逆さまに寝かせ、自分の腕で両足を抱えさせる。無毛の股間が天に向かって差し出された。そこをローションを付けた指先を使い、適当に呪文の様なものを唱えながら10分近く弄くって、トロトロに解れたところで例の器具をゆっくりとお尻に埋め込んでやる。梓より2回りはお尻が小さいし、上手く入るかと心配だったが以外にすんなりと朝顔は受け入れた。

「あ、あのっ……!」
「ん?」
「この後……どうなるんでしょうか?」

 朝顔はだいぶ苦しそうにしている。それが無理な体勢のせいか、異物をお尻に挿れられたからか、それとも丹念なお尻への愛撫で極まってきたからか、それはわからない。僕は「大丈夫、もう少しだからね」と微笑みながらベトベトの股間部から朝顔の小さなクリトリスを摘み出し、ゆっくりと撫でさすってやった。小さく喘ぎをあげながら朝顔の表情と身体がふにゃふにゃになる。
 僕はその様子を見て、器具を開いてストッパーで止めた。少し朝顔は眉を寄せたが、痛みは無い様だ。僕は上から朝顔の中を覗き込んだ。

「ふぅん……」
「あ……あの……変、でしょうか……?」
「いや、綺麗なもんだよ」
「……あ、ありがとうございます」

 おかしなお礼だな。お尻の中まで覗かれて、それで有り難うなんてさ。
 朝顔の体内は梓より赤みの強いピンク色だ。縁のところは伸ばされているせいか若干白く血の気が無くなっている。やはり身体が小さい分お尻の許容量も小さいって事なんだろう。じっくりと観察した後、次の段階に移る。

「じゃ、おまじないの続きね。『健康』の為に、ここに男の人の精液を入れるんだ」
「え? あ、そうなんですね。変わってますね」
「うん。まあ、まじないなんてそんなものでしょ」
「はぁ……」

 僕は朝顔の秘部や膨らみかけの胸を見ながら自分で股間のものをしごき上げる。朝顔は上下逆さまの視線で顔を赤くしながら僕の様子を見つめている。そんなに見られると……ちょっと恥ずかしいかな。あ、しまった。梓は残して僕の助手って事で奉仕させれば良かったな。

 そんな事をつらつら思いながら少女達の痴態を思い返していると、次第に腰の辺りに欲望のマグマが溜まり始めたのを知覚する。あんまり待たせるのも悪いので、僕はそれを堪えることなく、便器に向かって放尿するように先端を朝顔の尻の穴に向けて放出した。

「あっ、あぁあぁぁ……は、入ってくるぅ……」

 朝顔が呻くように呟く。僕の方は何だか本当に放尿している気分になってきて、腰をぶるぶる震わせながらぴゅーぴゅーと器具の開けた空洞内へ白濁を流し込んでいった。
 やがて朝顔のお尻から白い粘液が溢れそうになるところで僕の放出が止まる。ぴっぴっと先端を振って残滓を振り落とし、僕はそのまま様子を見た。僅かずつ更に奥に吸収されていっている様でだんだん嵩が減ってきているが、本当に僅かな量だ。

「これは、時間がかかりそうだ……」
「え?」
「ちょっと奥に押し込んでみようか」
「はぁ……」

 押し拡げられている穴の直径と、今の半立ち状態で萎え始めているものの太さを比較してみる。うーん、ちょい太いけど、動かさなければ切れちゃったりといった無茶な事にはならないかな。

「もうちょっと奥に入れるからね」
「わかりました……?」

 頷きながら、器具を抜き始めた僕に疑問の視線を送る朝顔。僕は嘴を閉じないで、それで少女のお尻を傷付ける事がない様に注意しながらゆっくりとそれを抜いた。ごぽっと瞬間的に穴の直径が縮まり、白濁が溢れて背中の方に流れていく。しかし開いたまま抜いたおかげか朝顔のお尻の穴は伸びきってしばらくは口を閉じそうに無かった。僕はその精液の詰まった空洞にものの先端をあてがう。

「力を抜いてね……」

 そう言うと、僕はゆっくりと少女に覆い被さるようにして腰を進めた。ものが放出後でほぼ萎えていたお蔭か、余り強い抵抗を受けることなく煮立ったような少女の直腸内に進入していく。

「あっ! あぁあっ! あぁああっ!!」

 朝顔は首を振って激しい喘ぎをあげた。びくびくと両足が痙攣し、それを押さえる両手がギュウと肌に食い込んでいる。僕がせーのと勢いを付けて腰を落とすと、「ぐぷっ」と喉の奥の方から戻した時の様な音を出した。

(これも接触している事になるけど……母乳は作られているのかな?)

 しばらく抜いたり挿したりを繰り返すと、だんだん朝顔の乳首が膨らみ始めた。先端部が持ち上がり、今にも破裂しそうにピンピンに立つ。少女の薄い胸の先端にそんなものがいやらしくそそり立つ光景に僕は段々興奮してきた。

 もう一回腰をゆっくりと引き、そしてどすんと落とす。ぷっと朝顔の口元から涎のようなものがこぼれると同時に、2つの乳首の先端からぴゅぅっと白いものが飛び出た。

「お、いいねいいね。身体が『健康』になってきたよ」
「あ゛ぃ……」
「もうちょっとだからね、我慢だよ」
「はい゛……がんばり゛ます……」

 面白がって腰を動かすとそれに合わせて水鉄砲の様におっぱいが噴出する。朝顔の顔は真っ赤に腫れ上がり、視線が定まらず白目を剥き始めた。そんな様子にも僕は興奮し、股間のものが膨らみ始めるのを感じた。

(これ以上やると壊しちゃうかな……あんまり魔力をこぼすのももったいないし)

 僕は潮時と見て朝顔の背中に両手を回し、抱え上げた。少女自身の体重で一番深いところまでものが潜り込む。僕はその勢いでまた溢れ始めた彼女のおっぱいを口で受け止めた。
 もう余り動かないようにしながら交互に口を付けて左右の胸から母乳を吸い出す。きゅっと口を窄める度に、朝顔は意味の取れない喘ぎ声を漏らしていた。

 少し面白がってやり過ぎたか、母乳はすぐに出なくなってしまった。ちょっと残念に思いながら朝顔を通常の方向で椅子に寝かし、ゆっくりとものを抜き取る。ごぷっと一瞬白濁が漏れたが、すぐにきゅっとお尻が閉まってそれ以上椅子を汚すのを防いでくれた。
 僕のものはいつの間にか半立ちを通り過ぎ全開に近いところまで昇り詰めている。良くこれでお尻が壊れなかったな。ちょっとその柔軟性に感心した。

「朝顔……どう? お通じ来そう?」
「あ……はぅ……」

 今まで気を失っていたのか、うっすらと赤い顔で目を開く。その途端、身体を横にして膝を身体に引きつけ、丸くなった。

「うぅ……お腹……痛いですっ……!」
「出そう?」

 声を出すのも辛いのかブンブンと縦に首を振る。ま、そりゃそうだろう。あんだけの量の精液浣腸だ。いくらか魔力として吸収されたとはいえ、腸に与えられた刺激だけでも相当なものだろう。
 僕は丸くなっている朝顔をお姫様抱っこで持ち上げた。おっぱいを飲んだおかげか、すこぶる身体の調子が良い。

「我慢するんだ、朝顔。今連れていってあげるからね」
「……はぃ……」

 出来るだけ揺らさない様にしながら海岸を急ぐ。砂浜を抜け、岩場に入る。朝顔は青い顔で身体中から脂汗を流し、片手を下腹部に、もう片方をお尻に当てて必死で瓦解するのを堪えている。もう少しだからね!

 僕が連れていったのは一昨日までの朝顔の「トイレ」だ。今日は満潮なのか、そこはいつもと様子が違っていた。天然の階段は完全に水没し、岩の窪みは半円型に海水を引き入れた凹みになっていた。なんて都合の良い。

「朝顔、着いたよ。ここなら誰にも見られない」

 僕は朝顔を岩場の上に降ろした。しゃがみ込みそうになるのを支え、先ほどの凹みに連れていく。足がガクガクと震え、決壊が近い事を僕に知らせてくる。

「ほら、海に向かってお尻を向けて、そこを跨ぐんだ」
「は、はい……」

 手を握って支えてやりながら凹みを跨がせた。正面の岩肌に倒れかかるように上体を倒し、お尻を後ろに突き出す。幅があるためにしゃがむ事はできないが、だが、これで天然の水洗トイレは確保できた。「うっうぅっ……!」と呻きながら朝顔は片手でお腹を押さえている。顔から流れる汗の量が凄い。

「もういいよ。下は海だ。全部だしちゃいな」
「あっあぁああ……はい、出ますっ……出し……ますっ!」

 朝顔がそう宣言するのと同時だった。破裂音と共に朝顔のお尻からびゅぅっと白い液体が勢い良く飛んで1mも先の海に飛び込んだ。それはまさに噴出と言えるレベルの勢いだ。
 びゅうびゅうとしばらく白い液が飛んだ後、だんだん勢いが無くなると共にそれが茶色味を帯び始める。液体に固体が混ざりだしたのか、ばちゃばちゃという水音が重いものに変わっていく。

 僕はその光景を固唾を飲んで見守っていた。こんな可愛くて大人しい朝顔みたいな娘の排泄姿だ。なんと興味をそそる題材なのだろう。ぼちゃん、ぼちゃんと落ちるその音の変化にすら僕は感動する。

「うぅ、うぅううっ……!」

 大物が来た様だ。朝顔の顔がいっそう歪み、そして先ほどまで弄くっていたお尻の穴が、先ほどを更に上回るサイズまで内側から押し出されるように拡がっていく。自然に僕まで息むように呼吸を詰まらせる。

 朝顔の可愛い顔に見合わぬ棍棒の様に太いそれは、少女の息みに合わせてじりじりと押し出されてくる。背中を通り、お尻の隙間に達した彼女の汗の粒がその表面に付着し僅かに溶かす。
 やがてそれは一番太いところを抜けたのか、急に速度を上げてぬるんとお尻から抜けると、海に向けて落下した。どぷん、と今までに無い大きな音と飛沫が飛ぶ。僕と朝顔は同時に「はぁ……」と息を漏らした。

「終わりかい?」
「あ……もう少し、出そうです」

 その言葉通り、窄まりは既に次の排泄物のために拡がり始めていた。僕はそれに苦笑しながら、「ゆっくりやるといいよ」と持ってきたタオルで朝顔の顔の汗を拭ってやった。

 事の後。
 僕が朝顔のお尻を洗ってやっていると、急に少女は泣き出した。俯いて顔を真っ赤にして、声を押し込めるようにしながらボロボロと涙をこぼす。

「ど、どうしたの……?」
「も、もう死にたいです……先輩に……先輩にぃ……」

 そしてひっく、ひっくと言葉にならない嗚咽を漏らす。まいったなぁ……。

「別に僕は気にしてないし、『健康』的になったんだからいいじゃない」
「そんなんじゃないんです。先輩の前で……あんな……ぅうっ……!」

 キーワードも通じないの? 何でだろ?

「僕は別に、汚いとは思ってないし。朝顔の可愛いところも良く知ってるから、落ち込むこと無いよ」
「うぅ……わぁああああ!」

 ついにしゃがみ込んで声を上げて泣き出してしまった。あー、もう! めんどくさいっ!

(姫野朝顔へのコントロールを解除。インサーション・キーを消去して記憶を初期状態まで削除!)

 突如、朝顔はぴたっと声を止める。「あれっ?」と今なんで自分が泣いていたのか、まったくわからないといった表情だ。僕は少女を強引に立たせると、その顔を覗き込んだ。

「あ、目の中のゴミは取れたみたいだね。大泣きしたお蔭かな?」
「え? あ? はい……あ、そうなんですか……」

 急に納得したように頷く朝顔。恐らく僕の言葉をきっかけとして、記憶の補完がなされたのだろう。多分、目のゴミのせいで泣き出してしまったとか。

「よし、じゃあここはもういいね。早く帰ろうか」
「は、はい……」

 僕が手を引くと赤い目のまま頷く朝顔。ふと、何かに気が付いたように怪訝な表情をして、反対の手をお腹に当ててさする。
 ははぁ、急にすっきりしたんで驚いてるんだな。まあ、これもそのうち別荘のトイレを使ったら5日ぶりに便秘が治ったとか補完されるだろう。

 僕は朝顔の手を引いて砂浜の方へ戻る。もうだいぶ陽も傾いたし、そろそろみんな帰り支度をしている頃かな? そう思いながらどんどん歩いていると、突然朝顔が「あれっ?」と手を引いて立ち止まった。

「ん? どうしたの?」
「あ、いえ……」

 朝顔は手を頬に当てて不思議そうな顔をしている。そしてその指先を見て、なんだか照れたような笑い顔をした。

「あ、気にしないで下さい。また目にゴミが入ったみたいで、ちょっと涙が出ただけです」
「……そうなの?」
「はい、もう止まりましたから」

 「さ、行きましょう」と朝顔が僕の手を引いて今度は先に立って歩き出す。僕はそんな少女の細い背中を見ながら、何故かざわつく胸の内に戸惑いを覚えた。

10.

 最終日の夕食はパーティを兼ね、中庭でバーベキューとなっていた。僕がシャワーを浴びて服を着替え、外に出ると前垂れだけのエプロンを身に付けた裸のメイドさん達が肉を焼く準備をしている。火の側にいるのに全然汗をかいていない。何だろう、メイドは火を味方に付ける特殊技能持ちなのだろうか。

「みんなはまだですか?」

 僕が他の女の子達が見えない事を訝しんで尋ねると、微笑みながらメイドの1人が答える。

「天の川風呂との垣根を開けておきました。メインの会場はそちらになります。みなさんお待ちですよ」

 なんだ、それならそうと早く言ってくれればいいのに。僕はお礼を言うと、湯気の漏れる温泉への暖簾を潜った。
 その途端、女の子達の歓声に包まれる。

「ようこそ、天の川温泉特設バーベキュー会場へ!」
「!?」

 そこには、三繰とハルを先頭に2列に並んだ女の子達がひざまずいて僕を待ち構えていた。もちろん全員裸だ。タオルもまとわず、剥き出しの胸と股間を笑顔で僕に晒している。

「こ、これは何の……?」

 僕が狼狽して立ち尽くすと、膝立ちのハルが僕の腕を甘えた様子で取った。

「今日はこの島に居られる最後の日だからね。この温泉に入りながらいっぱい食べて、みんなイクちゃんの精液もらおうと思って待ってたんだよ」
「ぼ、僕の……?」
「そうだよ。天の川のミルク温泉に入って、イクちゃんのミルク飲んで、そしてイクちゃんに私達のおっぱい飲んでもらうの」
「あ! そのために仕切りを外したのか!」

 僕が気が付くと、三繰も笑いながら頷いた。

「そうよ。今日は覚悟してね、達巳君のでここにもう1つ川が出来るくらい出してもらうからね」

 そう言いながら三繰も反対の腕をかかえる。なるほどね、そういう事なら……!
 ここは混浴だ。僕はズボンを降ろし、みんなの裸ですっかり大きくなった股間をみんなに晒した。「おぉ~」と若干の照れが混じった感嘆の声と、それ以上に熱を持った視線が僕に集まってくる。

「もちろん、君達にもそれ以上におっぱいを出してもらうよ?」
「いいわよ。ただし、こぼして床に流す様ならもう達巳君のも飲んであげないからね」
「望むところだ!」

 そこに、メイド達が出来上がった串焼きやジュース類を運び込んできた。宴の始まりだ。

「最初の乾杯はどうする?」
「どうせなら、みんなでやりましょ」

 「それっ!」と女の子達が僕に押し寄せてくる。「おおっ!?」と驚く僕に舌を這わして体の隅々まで舐め上げ、指先を自分の股間に引き入れて潤ったそこを触らせ、顔中にキスの雨を降らす。股間のものには常に3人以上の女の子が指や口を使って代わる代わる刺激を送ってくる。あっと言う間に僕は昇り詰めていった。

「あっ、すごっ……みんなっ、出すよっ!」

 僕が背中を反らせてものを天に向けて握ると、みんなが一斉に口を開けて上を向いた。同時に先端から白い欲望の液体が恐ろしい勢いで噴き出し、1mも飛び上がった後に雨粒のように少女達の顔と口に降り注ぐ。
 びゅうびゅうと噴き上がるそれを代わり番こに受け、口の中を白濁で一杯にする少女達。全員、口一杯になったところでちょうど噴出が止まった。
 ぜいぜいと息を弾ませながら手を拭い、メイドの持ってきたジュースを手に取ってみんなを見渡す。全員、口を僕の精液で一杯にして頬を膨らませていた。

「みんな、準備はいいね……じゃ、かんぱ~いっ!」
『んんん~んっ!』

 口が満たされているため、僕を除きみんな鼻声での乾杯。そして、全員目をつぶって「んぐっ……」と一生懸命それを嚥下した。こくこくと少女達の喉が動き、僕の欲望の塊を体内へと送り込む。なだらかなお臍の内に僕の吐き出したものが溜まっていく様子を想像し、僕はニヤリと笑顔を浮かべた。

「……はぁ~。あぁ、やっぱり達巳君のザーメン、おいしい♪」

 三繰がうっとりとしながら最初に口を開いた。そして唇をペロリと舐めながら僕の腰に抱きついて「ねぇ、もっと頂戴よぉ」とおねだりをする。飲み終えた他の女の子達も、次々に私も私もと声を上げ始めた。

「こらこら、せっかくのバーベキューなのに飲み物ばっかりじゃもったいないでしょ。食べて、騒いで。そしたらまた飲んで。最後の夜を楽しくいこう!」

 僕の言葉に、わぁっと歓声があがった。

 それからの僕はまるで精液作成マシーンの様だった。肉を食べ、女の子のおっぱいを飲み、そして精液を別の娘の口に出す。側に温泉があるにも関わらず、女の子達は精液が流れるのを嫌って全く入ろうとしなかった。お蔭で、三繰の冗談が本当に冗談では無くなり、床にはこぼれた白濁の川が新たに出来る。それをきゃあきゃあと女の子達は掬って匂いを嗅いだり、体に塗り付けて遊んだりする。あー、君たち、僕がそのおっぱいに口を付ける事を忘れないでね?

 僕は何周目かの三繰の胸に吸い付いている時、別の刺激も欲しくなって彼女に注文した。

「ねえ、メイド達にも1つ『お風呂』芸をやって欲しいんだけど」
「……あん……ぅあ? え、なぁに?」

 母乳を吸われる快感に夢中になっていた三繰がとろんとした目で聞き返す。僕はメイド達にやって欲しい事の詳細を彼女に伝えた。

「なに……それくらい、私だってやってあげるのに」
「メイドさん達に見せてもらいたいんだよ」

 ぶーぶー言いながらも三繰は自分の使用人達に僕からの注文を伝えに行った。そしてすぐに戻ってきて「言ったわよ」と僕の首にしなだれかかる。こらこら、あんまり僕にだけ構うなよ。お前はここの主人だろ? それに三繰はもう何回も母乳を吸ったので魔力の蓄積が尽きたのか、出が悪くなっている。僕は七魅に頼んで三繰を引き取ってもらった。

 自由になったので風呂場の中央に用意されていたデッキチェアに座る。すぐに別の女の子が僕の膝の間に座り込んでものに手を伸ばした。口の中の感触が僕に心地の良い刺激を送ってくる。

 待っていると、メイド達は5人揃って僕の前にしずしずとやって来た。そして合図もなく一斉に礼をする。

「達巳様がご希望との事ですので、ふつつかながらご覧下さい」
「うん。見せて見せて」

 僕が興味津々と目を輝かして言うと、メイド達は自分のエプロンを脱いで股間を露わにした。少女達よりも肉付きと茂りが良く、大人っぽい色気がそこから漂っている。

 僕が三繰を通して頼んだのは「お風呂場」ならではの芸、放尿ショーだ。別に、ここでしか出来ないというわけでは無いけれど、お湯ですぐ流せるという理由で定番芸として書き込んだ。だから、ここにいるみんな、芸としておしっこをするのは異常な事では無いと思い込んでしまっているのだ。

 メイド達が微笑みながら僕の前に整列してしゃがみ込む。そして膝を開き、自分の股間が僕によく見える様にしてくれた。こんな時でもメイドさんは落ち着き払って見事なものだ。良く仕付けられているなぁ。

「あぁ、出すときはちゃんと出すって僕に言ってからね」
「かしこまりました」

 メイド達はお互いに目配せして時機を計っている。そして全員タイミングが取れたところで僕の正面に居た中央のメイドが静かに口を開いた。

「私達メイド一同、只今から粗相いたします。どうかごゆっくりとご覧下さい、達巳様」
「うん」

 僕が仰々しく頷いてやると、メイド達は口に笑顔を浮かべて僕を見つめながら、ちょろちょろとその茂みの奥の割れ目から放尿を始めた。次第に勢いが増していき、自分の足下から低い方へと薄黄色い川となって流れていく。それを僕は椅子に座りながらニヤニヤと見つめている。僕より年上の、そして従順なメイド達の痴態に僕の興奮は最高潮に達していた。

「んぐっ……!」

 股間に有る誰かの髪を掴み、やにわに腰に押しつける。メイド達の放出がそのまま僕の射精の引き金となろうとしている事を感じ、少しでもこぼすことが無い様に奥までものを押し込んだ。
 放尿はゆっくりと収まり、やがて茂みを濡らした分がぽたぽたと落ちるだけになった。十分な時間、その様子を僕に観察させてからメイド達は膝を閉じて立ち上がる。

「これにて私達メイドによる出し物を終了とさせていただきます。他に何かございませんか?」
「ああ、とっても、良かった……よっ!」

 メイドの小水の川を見て、その臭いを吸い込みながら僕は欲望の塊を噴出した。叩き付けられる白濁に震える喉を快感の足しにするべく、ぐいぐいと髪を持って押さえつける。
 メイド達は僕に恭しく礼をすると、自分達の汚した床を掃除するべく散って行く。

「……ふぅ」

 椅子に座ったまま背中を反らし、空を見上げた状態で最後まで全部出し切って、ようやく腰に引っ付いている頭を引き離す。そこで初めてそれが朝顔だったことに気が付いた。
 少女は長い放出を食道で直接受けたため、「げほっ、げほっ」といつかのハルの様に赤い顔でむせていた。

「ああ、御免ね、朝顔。つい、気持ちが良過ぎて」
「ごほっ……あ、いえ、気にしないで下さい」

 朝顔は無理矢理泣き顔に笑顔を浮かべたが、鼻水みたいに白い粘液を垂らしたままである。僕はその様子に笑い出すのを堪えるのに精一杯だった。何とか微笑みで済ませて言葉を続ける。

「ご、御免ねぇ。辛かったろう? 嫌なら押し退けてくれても良かったのに」

 もちろん、それくらいで離すつもりは無かったけど。朝顔はそんな僕の心中を知らず、ぶんぶんと手を振った。

「あ! いえ! だ、大丈夫です。私、我慢できますから!」
「でも、苦しかったでしょ」
「平気です! 私、先輩の事好きですから!」

 そう言って「えへへ」と照れの混じった笑顔を浮かべる朝顔。その表情に陰りは無い。ふぅん、どうやらさっきの涙は本当に何でも無い、些細なものだった様だな。
 僕はもう一度、出来るだけ優しそうな顔と口調で囁きかけた。

「ありがとう。僕も朝顔の事、好きだよ」
「はい、嬉しいです!」

 朝顔の頭を撫でてやる。そして改めて手を伸ばして腕の中に少女を抱え込む様に引き寄せると、「吸ってもいいよね?」と乳首を口に含んだ。すぐに朝顔の味が舌の上を転がり始める。

「あっ、先輩っ……!」

 感極まった様に朝顔は僕の頭をぎゅっと抱きかかえた。僕はそれをちょっと煩わしく思いながら、黙ってちゅーちゅーと出来立てのミルクを喉の奥に送る作業に専念する。
 いつの間にか、僕の股間には別の誰かが取り付いた様だ。温かく滑らかな口内に包まれる感触が腰から伝わってくる。

 でも、誰が今そこに居るかなんてのは、本当のところはどうでも良いのだ。どうせ誰だろうと、出して、吸って、そしてまた出すだけ。
 それは僕と少女達の快楽の永久機関。そう、確かにここは楽園だ。南国のミルキー・パラダイス。

 天の川風呂で行われた肉欲の宴は、何時までとも知れず続いていった。
 天には手の届かぬ星の川、地には人の作った白き川。それは眺めて思いを馳せるだけの夢幻と、欲と楽の作った現実との相違。快楽と、それをもたらす欲望こそがこの世で唯一手にする事の出来る絶対価値であると、証明するかの様な……。

11.

 翌日、最終日の朝食はみんなが裸であるという以外は普通通りであった。昨日の様に僕のアレを求めて馬鹿騒ぎをする事も無い。今日は午前中、みんなで大掃除をするので別荘内を汚す行為は厳禁とされたからだ。

 朝食後、一度全員荷物をまとめて入り口付近に固めてから掃除に取りかかる。その際、僕は三繰に頼んでまずトイレを綺麗にした後に、出発まで使用厳禁にさせてもらう事を要請した。では、どこで用を足せばいいのかというと、それは外に出て木の側でしてもらう。虫や蛇の警戒のために必ず男手を付けてね。ハルのインサーション・キー1を「掃除」に変更し、トイレのドアにブラックデザイアから切り取った紙に以下の内容を書いて張り付ける。

『掃除終了のため、使用禁止。用を足す場合は男性の付き添いで屋外の木の側で行うこと』

 この本の紙に書いた内容は僕の発した言葉と同じ魔力を持つ。だから、これを見れば自動的に書き込みが行われるというわけだ。それに、この本は魔法の本らしくページをいくら切り取っても無くならないらしい。後でページをめくって切り取られた痕跡を探したが、いつの間にか新しい白紙のページが出来ていた。

 さて、メイドを含む女の子達の裸のお掃除をブラブラニヤニヤと見回る。みんな働き者だから、僕が剥き出しのお尻をじっと見つめたり、窓ガラスを拭いているところを外から覗き込んだりしても、ちらっと目線を向けるだけで一所懸命に作業を続けている。あ、僕はトイレ要員だからいつでも動けるように待機ね。

 意外だったのは……というか、当たり前の事だけど、失念していたのは、メイドさん達だってトイレには行くという事だった。「あの、今お時間よろしいですか?」とメイドの1人に話しかけられた時は何事かと思った。
 そして、用足しだと知って、僕は驚きと喜びに包まれて彼女をエスコートする。手にはトイレットペーパーと穴掘り用のスコップを持ってね。

 玄関を出てすぐの、みんなから良く見えそうなところをわざと選んで木の根本に穴を掘る。そしてそこでするように指示をした。昨日の様にそこにしゃがみ込むメイド。
 僕はその時、股間のものが熱を持って首をもたげ始めた事に気が付いた。そうだ、メイド達のおっぱいはまだ確認していなかったな。

「あの、良かったらついでにミルク交換しませんか?」

 僕がそう言うと、メイドは少し首を傾げた。

「今ですか? それともこの後でしょうか?」
「出来れば、もう少し待って僕が合図をしたら出して欲しいんですけど」
「かしこまりました」

 そう言うと、放尿の待機姿勢のままメイドはあーんと口を開けて舌を出した。遠慮無くその中に大きくなったものを突っ込む。
 メイドはその細い指で効果的に竿をしごき、先端を舌で舐め回して刺激を与えてくる。万能と聞いていたが、ここまで何でも出来るとはね……! ツボを突いた動きにすぐにこみ上げてくるものが有った。

「あっ……出して下さい。一緒にっ!」

 メイドは口にものを含んだまま小さく頷いた。足下からちょろちょろと水音がし始め、すぐに勢いの良い水流音に変わる。土が陽光で暖まっていたお蔭で、緑の匂いに独特のアンモニアの臭気が混じり出す。

 僕はメイドの放つ音を聞きながら腰を震わせてその口へと放出した。それをごくごくと喉を鳴らしながらメイドは飲み込んでいく。腰から這い上がる快感と倦怠感に包まれながら、彼女を含めメイド達のおっぱいはいったいどんな味なのかと、僕の興味はもうそちらに飛んでいた。

 結局、僕はその後休憩も含めて3時間で、メイドを含む15人の母乳をコンプリートしてしまった。いやあ、知的好奇心って人間の最高の原動力ですね!

 その後、掃除を終えてテラスにてこの島で最後の食事を取った。
 いよいよこの島との別れの時だ。来た時と同様、僕を除いて余所行きの服に着替えて桟橋へと向かう。荷物はもうメイド達によって船に積み込まれていた。
 別れを惜しみ、デッキにみんな上がってくる。後始末に残るという2人に見送られ、クルーザーはゆっくりと桟橋を離れた。

「もう……見えなくなっちゃった」

 僕と一緒に2階デッキに立ったハルがぽつりと呟く。いったん離れると船はぐんぐんと速力を増し、あっと言う間に島影は小さくなった。もう双眼鏡でも使わないと見ることは出来ない。さっきまで一緒に着いて来たイルカ達も、お見送りが終了したのかUターンして帰ってしまっていた。

「まあ……もうちょっと居たいな、ってぐらいが一番いいんだよ」
「あらぁ? イクちゃんも結局旅行は楽しんだんじゃない」
「僕は一般論を言っている」

 振り返り、後ろで待機していたメイドにジュースを頼んだ。今は真昼だ。風が有るからそこそこ涼しいが、何の対策も無しに日光に当たり続けたらすぐに参ってしまう。

「ねぇねぇ、イクちゃん?」
「何だよ」

 呼ばれてハルを見ると、何故か顔を赤くして「へへへ」と照れ笑いをしていた。

「これで旅行も終わりだし……最後にもうちょっと、陸に着くまでの間だけ……恥ずかしい事して思い出作りしてもいいよね?」
「まあね。『旅の恥は掻き捨て』だ。どうせ僕達しかいないし、楽しまなきゃ損じゃない?」
「だよね~♪」

 そう言うと、ハルは身に付けたワンピースを脱ぎ始めた。それを軽く畳んで僕に預け、更に縞模様の下着まで脱いで全裸になる。

「あ~っ、気持ちぃ~い!」

 風に髪と両手に持った下着と、股間の茂みをなびかせながら火照った顔に屈託の無い笑顔を浮かべる。

 なるほど、最初の書き込みである「旅」は一番長い期間有効だった。だから、初日と比べてここまでタガが外れたか。

 ハルがデッキの手すりから身を乗り出し、下のデッキにいる人間にも声をかける。見てると、彼女達も笑顔を浮かべながら服を脱ぎ捨て、やはり気持ち良さそうに髪をなびかせる。

「イクちゃんも脱いだら? 良い風だよ?」

 僕はそれに肩を竦め、メイドの持ってきたジュースに口を付けて言った。

「僕はインドア派なんだよ。これ以上日焼けしたくない」

 しかし、女の子達が健康的な肌を晒すのには大賛成だ。だから僕は、ハル達に偽タイタニックごっこ(おしっこのポーズ)を提案するべく彼女達に近付いて行ったのだった。

 船が着く前にみんな慌てて服を着込み、そして僕達は4日ぶりに本州の土を踏んだ。
 流石にこの旅行でみんな疲れたのか、帰りの車はみんなすうすうと眠り込んでしまった。僕の乗った車でも右肩にはハルの頭が乗り、目の前では哉潟姉妹がお互いの頭を寄せて目をつぶっている。それを見ている内に、僕もいつの間にか眠り込んでしまった。

 多少道が混んでいたのか、夕方になってようやく地元に帰り着いた。日焼けした顔に笑顔を浮かべているみんなと手を振って別れ、それぞれの帰路につく。
 僕らの車は疲れた疲れたとこぼす三繰を先に哉潟家に降ろし、道の関係でハル→僕の順となった。それに何故か七魅が同乗するが、「姉の代理に最後まで見届けます」と良くわからない理論で疑問は押しやられてしまった。

 ハルと「また、学校でね」と別れ、車はいよいよ高原別邸へ向かう。ここからなら10分もかかるまい。ハルと別れた後、自然に僕の隣に座った七魅に僕は笑いかける。

「お疲れさま。どうだった」
「散々です」

 視線を合わせないまま切って捨てる。僕の口元の笑顔が苦笑に変わる。

「そうかな? 最後の方は吹っ切れて楽しんでたみたいだったけど」
「楽しんでいたのは達巳君です」
「否定はしないよ」
「参加した女の子達全員とも仲良くなって、さぞかし楽しかったでしょうね」

 何故だ。何でこんなに七魅の口調はトゲトゲしいのだろう。また僕は何か怒らせる様な事をしたのだろうか。少し弁解しておこうかな。

「まあ、楽しかったというか……これからの『力』の使い方で展望が開けたという点では良かったよ」
「……何か思いついた事でも有ったのですか」
「うん」

 僕は七魅にだけは話しておこうと思った。2学期からの作戦を練る上でも、彼女の協力は必要だからだ。

「実はね、今回ひょんな事から第4段階の能力の使い方がわかったんだ」
「第4……相手を半永久的に支配する力ですか」
「そう。鍵となるのは僕への強い好意や執着心だ。僕に対してそういう感情を持った人間には自動的に効果が働くようになっている」
「……では、これからはプレイボーイを気取り、愛の文句で生徒達を口説きまくるつもりですか」

 七魅の口に皮肉っぽい笑いが浮かぶ。僕はそれにぷっと吹き出した。

「何がおかしいのです?」
「いや、その発想は無かった。確かにそれも手だね」
「では、どうするつもりなんですか?」

 僕は朗らかに笑みを浮かべて七魅を見た。その顔に戸惑いが浮かんでいるのを見て勝ち誇った気分になる。

「何もしなくていいのさ。今まで通り、みんなに恥ずかしい事をさせるだけでいい」
「……?」
「ふふ。いいかい、吊り橋効果って知ってる?」
「……ええ」

 吊り橋効果というのは、揺れる吊り橋の上など危険を感じさせる状況に男女が置かれると、危険による動悸を相手を意識してのものと錯覚してしまい、恋に陥り易くなるという現象だ。

「つまりね、今回の旅行でわかったのは、ブラックデザイアの使用後に記憶を消すという動作が、副次的に吊り橋効果を引き起こすって事なんだ」
「……どういう事ですか」
「記憶を消すけど、僕と恥ずかしい事をしたという印象がみんなには残るんだ。だから、次に僕に会ったときに言いようもない不安と動悸に襲われる。理由も思い当たらないのにね。それを、みんな恋心と勘違いしちゃうのさ」

 僕は得意げに今回の旅行中にハルや春原達から告白まがいのアプローチを受けた事を話した。もちろん梓や朝顔との、たった5日間にしては早すぎるくらいの仲の進展具合も。

「みんな、僕が能力を使った結果さ。そしてみんな僕への恥ずかしさを好意と思い違いしている」
「……でも、それは……本当に、好意を感じている可能性だって……」

 七魅は少し辛そうにしながら言う。どうしたんだろう、顔色が悪いな。
 僕は彼女の様子の変化に戸惑いながら、それでも持論を曲げるつもりは無かった。

「いや、無いね。だって考えてみなよ。そもそも、僕が学園に居られるのはこの能力のおかげなんだよ? 僕がこの本を手放せば、みんなすっかり忘れてしまうんだ。それなのに、僕に好意を寄せるなんて、幻に恋をする様なものだ。彼女達にとって、僕は本来居ない存在なんだから」
「……」

 七魅は目線を逸らして俯いた。そして、掠れるような声を紡ぎ出す。

「達巳君にとって……好意を示す女の子とは、どんな存在ですか?」
「存在? 変な事を聞くね。まあいいや……そうだね……」

 僕は少しの間考える。初めてこの本の力に触れた時の興奮を思い出した。全ての人間を僕の踏み台として乗り越えていく可能性に心躍らせた瞬間を。

「……彼女達は、僕の目的を叶えるための駒、かな」
「……っ!」

 七魅が急に顔を伏せ、膝に押しつけた。肩が細かく震えている。僕は慌てて少女に呼びかけた。

「ど、どうしたの!?」
「……すみません……ちょっと、気分が……」

 やっぱりこの5日間で相当疲れたのかな。僕はメイドにUターンする様に叫んだ。

「引き返して! 七魅を早く連れて帰ってあげて下さい!」

 メイドはバックミラー越しに頷き、すぐにウインカーを出して道を変えた。グルリと迂回して戻るのだろう。僕は震える七魅の背中をさすってやろうかと手を伸ばす。その途端、鋭い声が僕を制止した。

「触らないでっ!」

 ビクッと手を止める。七魅の声だった。
 七魅はすぐに僕の指示を翻し、車を止めるようにメイドに言う。

「……すみません。ここで降りて下さい……」
「う、うん。平気だよ。ここからならすぐだし」
「……すみません……」

 僕は自分の荷物を持ち、取り繕うように別れの言葉を言って車から降りた。返事もなく、即座に車は発進してしまう。

(……あれ?)

 一瞬、ドアが閉まる瞬間に、七魅がポケットから取り出したハンカチで目を押さえるような仕草をした様に見えた。もしかして……七魅は、泣いていた?

(いや、違うよな……)

 本人も気分が悪いと言っていたし、多分、口元を押さえる様子がそういう風に見えただけだろう。第一、泣く理由が無い。
 少し心配だが、メイドも付いていてくれる。大丈夫さ。

 僕はバッグを肩に掛け直し、独り帰路に就く。幎の用意する夕食は久しぶりだし、何だろうなと、気楽に鼻歌交じりで歩き出す。

 沈みかけた夕陽が、1つっきりの僕の影をどこまでも長く引き延ばして道路に落とす。影は黒々と昏く、僕にもそこに本当に足を降ろすべき道が存在するのか、見えていなかった。

< 続く >

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