四話 初の部活は盛大に
「俺は…みんなを守るッ!!変身!!」
まばゆい発光と共に、彼は徐々にその姿を異形に変えていった。風が吹き荒ぶ断崖。異形の姿になった彼を、女は抱き止める。
「いやッ…行かないで!!貴方が死んだら…あたし…ッ!!」
「…ありがとう…」
彼は、涙を流しながら自分を止める女の肩をそっ、と掴み、離す。
「その言葉だけで…俺は、少しでも人間らしくなれた気がする。」
マスクの下の表情は…恐らく、笑っているのだろう。優しく暖かい声をそっと女に告げ、彼は断崖の下を見つめる。
「…さようなら…」
彼は勢いよく…断崖の下に向けて、跳躍した。
「いやあああああーーーーッ!!!」
完
「ど、どうでしたどうでした!?アタシのお勧めの映画なんですけどっ!!」
未だ興奮冷めやらぬ、といった感じで春香が俺らに鼻息荒く問いかける。その勢いにポカーンとする俺と悠希。平静を取り戻そうと、悠希が春香に言う。
「う、ううん…そうだなあ…。終わり方は好みが分かれるだろうけど、私は好きかな?途中の展開も、観てる人を飽きさせないように凹凸つけてるし…十分、良作だと思うよ」
「俺もそう思うな。スッキリとは終わらないけど、逆にそれがいいって感じで」
悠希に続いて、俺もそういった感想を言うと、春香は感激したのか目から涙が出るほど嬉しげな表情を見せて。
「よかったあああ…っ!!誰もこの映画の良さを分かってくれないんですっ!!見ようともしないし…ううう、嬉しいよぉ…」
…まあ、そりゃあ…
(ヒーローもの、じゃねぇ…)
ハートハッククラッシャーはなくとも、俺と悠希で同じ事を心の中で言ったのが分かった。
これが、春香の好きなジャンルらしい。元々ヒーローもののヒロインのお姉さんに子どもの頃から憧れていたらしく、小さい頃から空手をやっている、とか…。道理でスタイルもいいわけだ。
大きくなって、観る側へと変わってもその情熱は尽きないらしく、こうして特撮作品を見るのは勿論、バイトでお金を貯めたら、本格的に演技の養成所に行って、特撮ヒロインを目指すらしい。だから色々な作品を見て勉強しようと、このサークルに入ったらしい。
初めは俺も悠希も鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていたが、実際見てみると評価は変わってくる。アクションは勿論、直球なストーリーが逆に新鮮だったりして、かなり見ごたえのある作品も多い。
思えば、春香と出遭った時。不良を撃退したのも、正義感からの行動だったのだろう。…大したもんだ。
「さて、次は和幸君の持ってきた映画だね」
「藤田先輩がどんな映画観てるか、興味ありますね…うむうむ」
…そう。
今日は、初めての「部活」なのだ。
部室にテレビを持ってきて、早速映画の鑑賞会を楽しんでいる。休日に部室を使って、各々のお気に入りの映画を一本ずつ、それぞれ鑑賞してみようという企画を、悠希が出した。
悠希、春香の番が終わり、ラストは俺、ということなのだが…
「あ、ごめん…その前にちょい、トイレ行って来るわ」
「ん、はいはい。行ってらっしゃいな」
ヒラヒラと悠希が手を振ると、俺は申し訳なさそうな顔をして部室を出る。
走って、俺はトイレに着く。
…本当の用事は、トイレじゃない。
…懐に忍ばせておいたハートハッククラッシャーを起動させる。
ギリギリ、電波の届く範囲なのは計算済み。欄にはしっかり『鈴井悠希』と『東堂春香』の名前が入っている。
…今日、この日のために…色々な作戦を考えていた。つまり…「同時に操る」ということ。
残念なことにハートハッククラッシャーは一人一人に命令を打ち込んで操作をするので「二人同時に精神操作」という芸当が出来ないのだ。
しかし、こんな機会…もとい、機械を手に入れたからには当然…いわゆる「ハーレム」ってヤツを楽しみたい時だってあるさ。
だから、その方法をしばらく考えていた。
そして…ようやく、その方法に気付いたのだ。
「お待たせ…」
「ん、全然っスよ!それよりビデオビデオ!」
部屋に入った俺を待ちわびたように、春香が急かす。俺の手元にハートハッククラッシャーはない。既に懐に仕舞ってあるのだ。
では、どうするかというと…
「『発動』」
俺がそう言うと…悠希、春香、二人の行動がピタッ、と止まる。…何かに操られるように…ね。
つまり…スイッチを使えばいいのだ。何かを条件付けて、俺がそのスイッチを押して、二人を精神操作状態にすればいい。
今回の場合だと…
『藤田和幸が『発動』と言うと…』
ってな風な条件をつければ、それは後付の精神操作となって、俺が自由に発動出来る。友人や悠希で、軽く実験してみたので、その結果を出せた。
これで…多人数を操れる…!
さて、命令内容はと言うと…
「う…?」
「え…あ…?」
二人同時に、その異変に気付く。
悠希はスカートの上から、春香はジーンズの上から…それぞれの…股間を押さえる。
やがてそれは…「引っ掻く」という行為に変わっていく。
「や、だ…なに、これ…?」
「あ、ああっ…いやっ…!!」
だんだんと…その引っ掻くという行動の動きが大きくなる。俺から見ても…不自然、と分かるように…ね。
「やだっ…!和幸君、ちょ、み、見ないでっ…!」
「いやあ…なんで、なんで、こんなに…っ!!」
「「痒いのっ…!!」」
命令内容はこうだ。
【マ○コの奥が、耐えられないくらい痒くなる】
ま、コイツには続きがあるんだけど…行動していくうちに分かるだろ、くく。
「駄目っ…!!我慢できないぃ…!!」
「せ、せんぱ、い…!!で、出て行ってぇッ…!!」
出て行けと言われてはいそうですかと出て行けるか。これは、俺の望んだ結果なんだからね…。さ、続けなよ…!
「うひゃあああ…!!あ、あああッ!!!」
耐え切れない。そういった感情が二人を包んでいるのだろう。二人は…スカートを、ズボンを下に降ろす。俺が見ているなんて気にも留めていないのだろうな…。『耐えられない』という表現をどんな風に表現しているのだろう。
「あッ、ああッ!!くぅぅッ!!」
「うあ、ううんッ!!」
はたから見れば、それは自慰行為にも見えた。二人とも下着に上から手を突っ込み、自分の秘所に指を入れる。…引っ掻かれて血でも出たら嫌なので
【物を突っ込めば痒みは一時的に収まる。ただし、すぐに痒みは再発する】
…というわけだ。つまり必然的に指を出し入れする、という形を取らざるを得なくなる。
「か、和幸、クンッ…!見ないで、ああッ、みないでぇぇぇーーッ!!!」
「…遠慮なく、続けてよ。俺は見てるだけだからさ。」
…命令には、まだ続きがあるんだ。ここで出て行ってたまるか。
「はぁ、ッ…!!ん、くぅンッ…!!」
なんだか、痒みを止める以外にも目的が出てきちゃった気がするなぁ。顔が赤らんで…見れば、秘所から愛液が溢れ、指が濡れてきている。
ふふ、彼氏でもない男の目の前でオナニーか…。もっとも、彼氏の前でも普通そんな事しないだろうけどね。
「ン…ンンッ…!!な…何か…っ!!」
ふら…と春香がその場から立ち上がる。。勿論、指の出し入れは止めていないんだけどね。
…どうやら、身体の次の異変に気付いた様子だな。もっとも、俺が見ている事はもはや気付いてないような感じだけど…
【秘所の奥に行けば行くほど、痒みは長く止まり、性的な快感が増す】
…これが次の命令。どうやら春香は、指の出し入れをしているうちに気付いたようだな。
あとは…やることは分かるだろ?春香…。
この日のために、秘所に突っ込めるような物は全て仕舞っておいた。…この部屋の中で、君の秘所の奥に最も長く入るモノは…さあ、どれかな?
「せ…先輩っ…!!く…くださ…い…!!」
「…なにを?」
焦らしてやる。…『一番長い物』が分かったようだね。
すると春香は…下着を膝より下にずらし、手を地面に着く。…ケツを、俺の方に向けて。
「先輩のおち○ちんで、アタシのマ○コを突いてくださいいいッ!!はやく、はやくゥゥゥッ!!」
…そう、これが一番の目的。
これを、相手に懇願させたかった…ってワケだ。
悠希は、その言葉を聞いたのか、自慰行為をしながら俺と春香を羨ましそうに見つめている。
「…喜んで」
俺はジッパーからナニを取り出し、春香の秘所に近づける。既にグショグショに濡れた秘所にそれを当て
「…入れるよ?…いいの?」
「あああッ、早く、早くしてええええッ!!!アタシのマ○コ突いてェェェッ!!!」
「…遠慮なく」
ズブッ。
勢いよくナニを秘所の一番奥まで差し込んでやる。
「か… … あ… …ッ!!」
春香は目を見開き、口を大きく開け、声にならない声を上げる。…そんなに気持ちいいのかな。
…見れば、秘所からは血が少しだけ流れている。…そっか、処女だったんだ。くく、惜しい無くしかたをしたね。
そのまま俺は、腰を動かして奥を細かく攻めるようにしてやる。
「ぐぅぅッ!!んはああッ!!き、気持ちいい!気持ちいいよォォッ!!ああああッ!!」
痒みの次は快感か。色々忙しそうだな。…まあ、俺が仕掛けた事なんだけどさ。
「ん、んんッ…!くる…きちゃうぅぅッ!!イっちゃううう!!!」
…俺もそろそろ限界だね。…出すか。
「中に、出すけどッ…いいよな…!?」
「出してェェッ!!全部だしてぇええッ!!!」
「くぅッ!!」
ドピュッ。
溜まっていた物を一気に出すと、春香は思いっきり背を仰け反り、声にならない声を上げる。
そして倒れこむようにペニスを抜き、床にうつ伏せになる。
【男の精液を受けると、痒みは全て止まる】
これで作戦は完璧に収まるってわけだ。
「…か、和幸、クンッ…!!つ、次…私…!」
その様子を全て見ていた悠希は、熱い吐息を吐きながら自分を指差し、俺にお願いする。
「…流石に疲れたよ。ちょっと休ませてくれない?」
これは嘘。こんな美女二人に囲まれて疲れたなんていう男はほとんどいない。
だけど…焦らせて懇願させるのが趣味みたいなトコがあるからなあ。
「お、お願いッ…!和幸君…!私と、エッチして…!お願いだから…!!」
主目的が『痒みを止める』から『エッチ』に変わってない?…どっちでもいいけどさ。
「…それじゃ、股開いて。入れてあげるよ。」
「ああ…ッ!ありがとう、和幸君…!!」
…主犯格に『ありがとう』か…。悪い気はしないな、ふふふ。
悠希は座っている椅子を俺の方に向け、正面に俺と向き合う。そして、股を開き、指で秘所を開き
「わ、私のココに…!は、早く…!!」
と、言う。一秒でも我慢できないのだろう、指を出し入れしてないと落ち着かないらしく、身体が震えている。
「…よし。入れるよ。」
「…うん、きてぇ…!」
今度は、焦らすようにゆっくりと秘所にペニスを入れていく。…悠希も処女なのだろう。かなりキツイ膣内を押し進んでいく。
「くああああッ!!ん、あああッ!!広がってる、広がってるよぉぉッ!!あはあああッ!!」
奥に進むにつれ、悠希の快感は増す。自分の処女が奪われているショックなど微塵も感じずに、今はただ快感に準ずるだけのようだ。
「ああああああッ!!ああああッ!!」
高い声で叫ぶように何度も声を上げる。数回イっているのかな?身体が痙攣するように大きく震える。…そんなに気持ちよかったか。
「…腰、動かすよ?」
「あ、ああああんッ!!んんんッ!!」
…会話にならないな。もう。
気にせずに俺はガンガン腰を振りはじめる。自然に悠希は、俺の首の後ろに手を回し、抱き合うような格好になる。
「ひ、あ、あ、いッ…!!あ、あ…!!」
掠れた声を細かく上げる。ナニが一番奥に行くたび、最大級の快感が襲うので、自然にこういう風になるのだろう。
…そろそろか。
「…出すよ?」
「あ、あ、あッ…!」
「…く、ッ…!」
「… …!!!!!!」
ドピュッ。
精液を悠希の秘所の一番奥に出す。
悠希は…どうやら、その瞬間に気絶してしまったようだ。
眼を強く閉じ、椅子の背もたれに身体を預けている。
…作戦終了、っと。
ハート・ハック・クラッシャーで、前の春香の時のように記憶を消す。改変する記憶は…まあ
【映画を見ている途中に全員でうたた寝してしまった】
でいいだろ。
二人とも気絶しているようだったので、秘所の部分を拭き取り、服を着せてやる。
…これで、何もかも元通りだ。
…おっと、失った処女はもう戻らないかな。
…気付くかな?
まあ、気付いたとしても…俺に何の問題もない。
< つづく >