他人史 第七話

第七話

 俺がリビングで夕食後の一家の団欒を楽しんでいると、ドアチャイムが鳴り響き来客を告げた。
 俺が言うまでも無く、母が応対に出る。こんな夜遅くに一体誰が来たのだろうと俺は思ったが、すぐにその疑問は解消した。

「誠二、由里ちゃんのお父さんよ」
「おじさん?」
 ソファの背もたれに寄りかかったまま振り返ると、そこには柔和な笑みを浮かべた恰幅の良い中年男性がいた。仕事帰りなのか、スーツを着たままだ。

「やあ、誠二君。夜分遅くにすまないね」
 親戚のような親しみをこめて、おじさんが言う。実際、俺とおじさんは親戚以上の仲だ。おじさんとは、幼馴染の由里同様子供の頃から知っている。一緒に遊んでもらった事が何度もある。

「どうしたんです、こんな夜遅くに。何かあったんですか?」
 何故おじさんが尋ねてきたのか、別に他人史で操作したわけじゃないが俺には察しが着いている。案の定、おじさんは俺の予想通りの用件を告げた。
「いや、娘の事が気になってね。由里はしっかりやっているかい?」

「ご覧の通りですよ」
 そう言って、俺は自分の前方やや下を手で指す。そこが死角になっていたおじさんは、首を傾げてそこを見ようとに前へ進み出る。
 そこには、身につけている物は犬の首輪だけと言う、破廉恥極まりない格好をしたおじさんの娘、由里が膝を床に着いて俺にフェラをしていた。

「お父さんっ!? や、ヤダッ!」
 それまでフェラに夢中で、自分の父親がいる事に気がつかなかったのか、由里は驚いた様子で声を上げると自分の裸体を隠そうと、両手で自分を抱きしめる。
 おじさんは目を見開いて娘の様子を見ていたが、やがて落ち着いた様子で俺に向き直った。

「誠二君・・・」
 ここで普通の親なら、嫁入り前の娘にこんな事をさせている俺に、静かな怒りと熱い拳をぶつける展開になるのかもしれない。

 おじさんは腕を振り上げ・・・パンパンと俺の肩を叩いた。
「いやー、安心したよ。まさかあの由里が、私が来たことに気づかないほど集中してフェラをしているなんて。
 しかし・・・いくら驚いたからと言っても、口を途中で離してしまっては、ペットとしてはまだまだかな」
 怒りどころか、前以上の親しみを持って俺に接する父親に、由里は怒りで顔を赤くして抗議した。

「お父さんっ! そんな事より早くここから出て行ってよ。あたしはもう誠二のペットなんだから、誠二の許しも無く裸を見せちゃいけないのよっ!」
「そうだったっ。いやー、私とした事がうっかりしていたよ、すまない誠二君。由里の裸も、胸も、尻もオマンコも全て君の物になったということを、失念していたよ」

 本当にすまなそうにそう言うと、おじさんは慌てて退出しようとする。
「良いんですよ、おじさん。僕とおじさんの仲じゃないですか。それに、由里が立派なペットになった所を、おじさんも見たいんじゃないんですか?」
「それはそうだが・・・」
「りっぱぁ? 誰が?」

 いきなり前触れも無く横槍を入れたのは、真紀だ。
 真紀はズンズンと評したくなるような歩調で俺の前まで来ると、由里から俺の一物を奪い取る。

「ユリさん、あたしよりもフェラが下手なんだから。見てみてよ」
 そう言って今度は由里に替わって、真紀が俺にフェラを開始した。たしかに上手い。上手いが・・・傍から見てるおじさんに、口の中の舌の動きは、見えないと思うぞ。

「それに、お尻がまだ開発途中なのよね」
 気がつくと、それまで食器洗いをしていた姉貴が由里の後ろに立っていた。格好は、裸エプロン。もちろん、俺のリクエストで。
「ペットなのに、誠二のチンポどころか、尻尾代わりのアナルバイブもお尻に入れられないんじゃぁ、立派とは言えないわよね?」

「だっ、だけどあたし今日ペットになったばっかりで・・・」
 もごもごと言い訳をしようとする由里に、姉貴はにんまりと笑うと、手を由里の尻に伸ばした。
「だから、速く立派なペットにならないといけないわよね? あたしが部活の時とか、真紀が用事で家にいないときは、由里ちゃんが誠二の性欲を処理しないといけないんだから」

「それは・・・あたし以外にも夏美や冬香が・・・・・・」
「たしかにそうだけど、学校にいる間以外は確実じゃないでしょ? 
 ほら、わかったらお尻の開発開始よ。今日中に指くらいは入るようにしないと」
「ちょっと、止めなさい。はしたないでしょう、お客様の前で」

 それまで黙って見守っていた義母が、真紀と姉貴を止めに入る。
「誠二は由里ちゃんの口を楽しんでたのよ。それを横取りしたり、邪魔するのはどうかしら?」
「でもぉ、あたしセイジィが帰ってきてから、一度も出してもらってないし・・・」
「あたしも、誠二から由里ちゃんのお尻の開発を頼まれたんだから、しっかりやらなくちゃって思って・・・」
 渋々と引き下がろうとする二人に今度は、うって変わった笑顔で義母は提案した。

「だから、由里ちゃんには誠二のフェラを続けてもらいながら、樹里にお尻を開発されてもらいましょう」
「え、そんな事・・・」
 一瞬前まで助け舟だったものが、実は泥舟だった事に愕然とする由里。
「さっすが母さんっ! そうよね、そうすればいいのよね。
 じゃあ早速・・・」
「さっさと終わらせてもらいましょうか」
 姉貴が由里の肛門に指を伸ばすのと同時に、義母の提案にも救済措置の無かった真紀が、何か言おうと口をあけていた由里の頭を押さえつけ、強引にフェラを再開させた。呻いている由里には、二人とも手加減も遠慮も無しだ。

「しっかりした娘さん達ですな、御堂さん。それに良くできていらっしゃる。
 これなら由里も、立派なペットとして躾てもらえるに違いない。私も安心だよ」
「あら、うちの娘達だってまだまだですよ。この前お尻で誠二とセックスしたときには、二人ともヒィヒィ悲鳴を上げていたんですから」

『聞いてたの(かよ)!?』
 思わず声を上げる俺達三人。・・・まあ、聞こえるだろうな。俺の部屋は、特に防音に気を使ってる訳じゃないんだし。ドアに耳をつけて盗み聞きすれば、中で何があったかは筒抜けだろう。
「あたしより、お姉ちゃんのほうが悲鳴上げてた! なかなかセイジィを気持ちよく出来ないから、お尻パンパン叩かれてたし」
「ちょっとばらさないでよっ! そういうあんただって・・・・・・」

 ちなみに、この場にいない父は自室でテレビを見ている。何でも、由里の裸に興奮して、身重の義母に襲い掛かかりでもしたら、大変だからだそうだ。

 こうして俺の夕食後の団欒は、過ぎていく。

 今日は、サイバーとゲームの駒を物色する日だ。俺は待ち合わせの場所で、缶ジュースを飲みながらサイバーらしき人物が現れるのを待っていた。
 顔を知らない者同士が待ち合わせをするときは、何か目印を持ってくるのがセオリーだ。だが、サイバーが言うには『僕は君を見れば判るから、必要無い』のだそうだ。

 なので、俺は待ち合わせの場所で目に付きやすいように立っていると言うわけだ。
「そう言えば、俺ってサイバーの事何も知らないんだよな。まあ、ハーレムを作ろうとするぐらいだから、男だとは思うけど」
 そんな独り言を漏らしたと同時に、俺の前にリムジンが止まった。車内にバーやテレビがついて、制服を来た運転手が運転する、あのリムジンだ。

 まさかなと、思っている俺の前でリムジンのドアが開いた。
「やあ、『ミドー』。始めまして、僕が『サイバー』だ。」
 ドアの中からのぞいているのは、幼さが完全に残っている少年の顔。ただ童顔なんじゃない、本当に少年なんだ。もしかしたら・・・いや、確実に真紀より年下だろう。

「とりあえず乗ってよ。冷房の効いた車内で、ソフトドリンクでも飲みながら話をしない? このまま止まっていてもいいんだけど、このごろ交通ルールが厳しくなったからね」
「あ、ああ」
 俺はサイバーらしき少年に促されるまま、一生乗ることは無いだろうと思っていたリムジンに乗り込んだ。

「適当にその辺りを回ってて、継美さん」
「はい、才賀様」
 運転手の若い女性が、サイバーの命令に従ってリムジンを出す。

「才賀?」
「僕の本名だよ。
 それと僕の年が低い事に君は驚いているだろうけど、そこは気にしない方向で。ただのませたエロガキが、能力を手に入れた結果だとでも思ってよ」
 多分、『リキ』や『ノイジー』も、俺と同様にサイバー・・・才賀の姿を見たときは驚いたんだろう。その手のリアクションには、飽きているらしい。

「何飲む? アルコール類以外なら、大抵あるけど」
「それよりいいのか? あの運転手の前で話して?」
「継美さんの事? ああ、彼女は大丈夫だよ。操作されてるからね」
 余裕の表情で、サイバーは炭酸飲料のペッドボトルを空けながら言う。

「操作って・・・」
「もちろん僕にじゃない。継美さんは『リキ』からのお下がりなんだ。
 何でも、彼女は『リキ』の学校の新聞部員で、『リキ』の素行が不審だって気づいたらしい。それで、仕方なく操作して、僕用に調整して送り付けて来たって訳さ」

 運転席の継美さんとやらを見てみると、若いというか若すぎる。姉貴とそう変わらない年齢だろう。バックミラーに映っている彼女は、めがねをかけていて気が強そうな美人だ。ただ、『リキ』が何故彼女を自分の物にしなかったのかも、想像がついた。
 胸が人並みだからだ。

「僕は、ついこの前『ゲーム』の能力を開花させるまでは、現実の人間を操作できなかったからね。『リキ』や『ノイジー』が継美さんみたいに、好みじゃない人を操作しなくちゃならなかった時には、お下がりでもありがたく頂戴してる訳さ。
 だよね? 継美さん」
「はい・・・。リキ様には大変感謝しています。才賀様の奴隷になれたんですから」
 脳内物質の分泌でも操作されているのか、継美さんは蕩ける様な笑顔を浮かべて、雑賀に応える。

「さて、どの辺りから獲物を探すだい?」
「そうだな・・・じゃあ、駅前に行ってくれ」
 この時間なら、まだ駅前には人がいるはずだ。

 学校をズル休みして駅前に行く。俺もだが才賀は年が年だけに、人に見られるとまずいため車の中で待機して、俺がその近くで獲物を物色すると言う形になった。

 俺の目の前には、人が大勢行きかっている。その中で獲物を探す訳だが・・・いざとなると迷うな。
「ちょっとすいません、アンケートに協力してくれませんか?」
 俺が迷っていると、そこにアンケート用紙らしき物を持ったスーツ姿の女性が話しかけてきた。普段ならキャッチセールスの類だろうと、無視して通り過ぎる所だが、今日はその女性をじっと観察する。

 年は二十代前半、美人で胸もそこそこあるように見える。髪はロングで、化粧は口紅を少々。・・・悪くない。
「あのぉ・・・いえ、もういいです」
 俺の舐めるような視線に身の危険を感じたのか、女は離れていく。俺はそれに構わずにリムジンに戻ると、あれを獲物にするとサイバーに言った。

「神楽坂真須美 生年月日は・・・」
 意外と若かった。二十代前半どころか、二十歳丁度だ。もしかしたら、バイトなのかもしれない。

 次の獲物を求めて移動・・・ではなく、今は昼食にファミレスの、奥まったボックス席に雑賀といる。継美さんはリムジンで待機しているのは・・・何かサイバーに企みがあるらしい。

「さて、ミドーはたしか僕の『ゲーム』の力に関心があったんだよね?」
 注文が終わった途端、出し抜けにそう訊いてくる才賀。
「まあな。賞品にも関係することだし、無いって言ったら嘘になる。
 ・・・でも、秘密なんだろう?」

「最初は秘密のままにしておこうかと思ったんだけどね、それだと意欲に欠けるようだから説明しておこうかと思い直したんだ。
ちなみに、『ノイジー』にはもうメールで説明した。『リキ』は・・・一応メール送っておいたけど、読んだかどうかは分らない。
 それで君には、直接ここで体験してもらおうと思うんだ。・・・ところで、ここのウェイトレスって、美人揃いだと思わない?」

 いきなり話題があさっての方向に飛んだ。まあ、サイバーが何を言いたいのかは、察しが着いたが。
「ここはミドーの縄張りだから、そう派手なことはしない。ついでに、体験に使ったウェイトレスは自分の物にするのも、僕に下げ渡すのも自由。悪くない体験コースだと思うけど?」
「・・・じゃあ、一つ頼もうか」

 どうせ、次の駒を捜すまで時間が空いている。なら、『ゲーム』の能力を知っておいても損は無い。
 サイバーは俺が頷くと、店内をぐるりと見回して品定めを始めた。
「・・・じゃあ、あれを・・・こうしよう」
 そう呟くと、レジで会計をしているウェイトレスや、他にも数人指差した。・・・それだけで、特に変かは無い

 そして、サイバーをノートパソコンを起動して、キーボードを叩いていてしばらくすると、俺に画面を見せた。
 そこには、シューティングゲームの画面があった。敵戦闘機が、動き回っている。
「ええっと、それでどうしろと?」
「もちろん・・・レッツプレイッ!」

「・・・本当に能力なのかぁ?」
 そう口に出して聞きながら、とりあえずはやってみる。ゲームは、特に面白くも無くつまらなくも無い、平均的なものだ。難易度に関して言えば、易しい方だろう。アクション物が得意でない俺が、クリアできたんだから。
 ボスを倒して、二面三面と進むうち、途中で落とされてゲームオーバー。
その間、サイバーが指差したウェイトレスには、何の変化もない。普通に仕事をしているように見える。

「・・・なんだこれ?」
 変化が起きたのは、ゲームオーバー後の画面だ。俺がゲームで稼いだ得点が、まるで貨幣のように表示されているのだ。そして、その下では『何を買いますか?』と言うウィンドウが表示され、その下に土田美香と言うが出ている。

 才賀に目を向けても、ただ薄笑いを浮かべるだけで、何も答えない。
 仕方無しに、『土田美香』と言う名前をクリックする。すると、それまで変化のなかったウェイトレスが、ピクリと小さく一度痙攣してから、応対中の客を放ってこっちに向かってくる。
「ちょっと、まだ注文言ってない・・・」
 当然文句を言う客。しかし彼女は、にっこりと営業スマイルを浮かべると、こんなことを言った。

「すみませんお客様。ですが、『ゲーム』に関することですので・・・」
「ああ、そうですか。なら仕方ない」
 ・・・なんでその説明で納得できるんだ? そう口に出すよりも速く才賀が説明した。
「一種の結界だとでも思って、気にしないほうがいいよ。君だって、他人の認識を操作して、目の前のことを認識できないようにしたりするだろ?」

「なるほど、自動的に異変を認識できないように出来るのか。便利な能力だな」
「その代わり、屋内でしか使えない能力なんだけどね。ゲームは部屋の中でするものだから」
 まったくの自由でもない所は、他の能力と同じようだ。

 ウェイトレス・・・名札を見たところ、ウィンドウに出ていた『土田美香』と言うのは、彼女の事のようだ。彼女は、俺達のいるボックス席の前まで来ると、笑顔を浮かべたまま立っているだけで、それ以上動こうとしない。
 画面に目を向けると、新しい項目が出ている。

 ・美香の制服 1000点。

 つまり、1000点分の得点で、彼女の制服が買えるということだろう。深く考えずクリック。
「美香の制服をお買い上げ、ありがとうございます」
 いきなりそれまで立っているだけだった美香が、突然にこやかにそう言うと、制服をその場で脱ぎだす。

「・・・つまり、この能力はサイバーが作ったゲームでの設定が、現実にも影響を与える力なのか?」
「まあね。ミドーの『他人史』より手間はかかるけど、面白い能力でしょ?」
「たしかに、面白いな」
 俺は下着姿になって制服を笑顔で差し出す美香を見ながら、頷いた。

 画面には新しい項目が出ている。次は下着か・・・。それもクリックすると、やはり笑顔で美香は下着を脱ぎ、差し出してくる。
 すると、次は画面が変わった。『ボーナスゲーム』と題が出て、その下には一回10000点とある。

「・・・ボーナスゲーム?」
「はい。このゲームではお客様と私が対戦し、お客様が勝てばその成績によって賞品を受け取ることが出来ます」
 ・・・質問すると、ルール説明をしてくれた。ヘルプ機能までついているらしい。

「それでどんなゲームで、どんな賞品が受け取れるんだ?」
「はい、勝負はセックスです」
「・・・はい?」
 思わず聞き返すが、それに構わず美香は説明を続ける。

「私とセックスして、お客様が射精するまで一回以上私をイかせることが出来るかで、競ってもらいます。
 0回だと賞品は無し、1回だと私をメス奴隷としてお持ち帰りできます。2回以上だと、彼女もお持ち帰りできます」
 そう説明しながら美香が指差したのは、何時の間にかボックス席の近くに立っている、ショートカットのウェイトレスだ。

「工藤亜里沙、フリーター、十代のEカップの安産型、まだ処女でーすっ!」
「ちなみに彼女と私の立場は、2回でメス奴隷、3回でペット、4回でおもちゃとなります」
 なるほど、たしかにボーナスゲームだ。大した代償も無く、セックスできる上に賞品までもらえる。

「賞品の状態を確認しますか?」
「じゃあ、一応確認させてもらおうかな」
「かしこまりました」
 美香が返事をすると、今度は亜里沙がスルスルと服を脱ぎだす。

 俺は、次第にあらわになっていく亜里沙の裸を眺めながら、ある事に気がついた。・・・俺たちは奥まったボックス席に座っているので、外からは見えにくい。だが、その前に立っている美香と亜里沙は、窓から外に丸見えなのではないだろうかという事に。
「サイバー、窓から・・・」
「大丈夫みたいだね。さっきから通行人が、誰もこっちに目を止めようともしない。多分、非認識の効果は外にも有効なんだろうね」

 サイバーが落ち着いて答える。・・・しかし、サイバーも外から見られても平気だって事は、知らなかったみたいだな。
 実際窓の外を見てみて、誰もこちらに注目していないのを確認してから、俺は視線を亜里沙に戻した。

 その時には亜里沙は服を全て脱ぎ終えていた。そして、後ろから美香が亜里沙の膝の裏に手を回して、まるで幼児にオシッコをさせるような体勢で抱え上げる。亜里沙はそれに嫌がる素振りすら見せず、それどころか俺の前で大陰唇を指で開いて、サーモンピンクの中身を見せてきた。

「いかがでしょう? 処女膜も確認しますか?」
 俺が頷くと、亜里沙は自分の膣口に指を浅く引っ掛けて、広げて中身を見せる。たしかに、奥に膜が見える。
「高校時代陸上部だったので、あそこの締りには自信があります」
 若干引きつった笑顔で亜里沙がアピールする。処女の膣を広げているのが苦痛なんだろう。

「こ、肛門も確認しますか?」
 震える声で美香が、それでも事務的に確認してくる。・・・そろそろ腕が限界らしい。
「いや、見せなくていい、質問にだけ答えてくれれば。肛門も処女なんだな?」
「はい、もちろんっ。お尻でセックスなんて、考えたこともありません」
 はきはきとした答えに、俺は満足した。

「じゃあ、そろそろ勝負を始めようか」
「では、オマンコとアナルのどちらで勝負するか選択してください」
「・・・じゃあ、オマンコで」

「では、少々お待ちください」
 美香が俺にそう言うと同時に、亜里沙が美香の股間に顔を近づけ、舌を性器に這わせ始める。ピチャピチャと、亜里沙の舌に舐められて、性器が唾液以外の液体で濡れ始めると、赤く上気した顔で美香が準備完了を告げる。

「体位はどうなさいますか? 正常位と後背位、騎乗位の中から選んでください」
 そう訊かれて、俺は少し考えた。これはゲームなのだから、もしかしたら美香が感じやすい体位とその逆が、サイバーによって設定されているかもしれない。

 しかし、前情報は無い。だが、失敗しても得点も時間も若干余裕がある。なら、自分の好きにするのが一番だ。
「後背位で勝負だ」
 俺が後背位を選択すると、美香は床に両腕をつき、脚を開いて尻を俺に向ける。

「私のオマンコにチンポを挿入した瞬間から、勝負開始です」
 俺は美香の細い腰を両手で押さえると、すでに硬く勃起している一物を挿入し始めた。愛液で濡れているきつい肉穴を、ズブズブと犯し、ブツリと薄い膜を・・・。
「・・・膜? お前処女かっ!?」

 俺が驚愕に叫ぶが、美香はそれに一切構わず腰を振り始める。ついさっきまで処女だったとは、思えない激しさと遠慮の無さで。
「ぐぎぃぃぃっ! オマンコがぁあぁあぁあぁっ、オマンコが痛いぃいぃいぃいぃっ! マンコさけちゃうぅうぅうぅうぅっ!」

 しかし、だからと言って快感をえている訳ではないらしい。美香の上げる悲鳴は、店内に流れていた心地良いBGMを、あっさりとかき消すほど大きい。
 快感を得ていないから、美香は絶頂には至らない。しかし、俺の一物をぎゅうぎゅうと締め付けて腰を使って射精を促そうとする。・・・強敵だ。

「サイバー・・・難易度高すぎるぞ。いきなり処女なんて」
 俺が文句をつけると、才賀はペンと紙を俺に渡してきた。

「名前と生年月日は書いてあるから」
 ・・・イカサマOKなのか。なら、話は早い。
 俺は渡された紙に、素早くペンを走らせた。店内の時計で、現在時刻を確認するのも忘れない。

「はひいぃぃぃっ!?」
 それまで涙を流しながら、苦痛に満ちた悲鳴を上げていた美香が、突如艶のある声を出したかと思うとブルブルと腰を震わせながら、性器から愛液を噴出した。・・・絶頂に至ったのだ。

「ひぃっ、またイクっ!? またイッきますぅぅぅっ!」
 それからすぐに、また美香が絶頂に至る。
「いやぁぁぁっ! オマンコおかしいのぉおぉおぉっ! イクの止まんないぃぃぃっ!」
 そしてまたすぐに絶頂に至る。

 これは、一度絶頂に至ったから敏感になってイキやすくなったから・・・ではもちろん無い。俺が他人史で『御堂誠二と後背位でセックスをしている間は、五秒毎に絶頂に至る』と操作したからだ。
「・・・ペットはもう由里がいるから、するならおもちゃにしようかと思っていたんだよな」

 俺はそう呟きながら、処女だった証と大量の愛液でぬるぬるになった美香の膣に、ピストン運動を開始した。
「らひへぇぇぇっ、せいひらひてぇぇぇっ。マンコがぁ、マンコがイクの止まんなひのぉぉぉっ」
 呂律が回らなくなり、ほとんど失神しかけていても、変わらず腰を振る美香の膣内に高まった射精感を望み通り解放してやる。

 その途端、美香は糸が切れた人形のように崩れ落ちた。俺が射精したことで勝負が終わり、『ゲーム』による操作が切れたため本格的に失神したんだろう。
 しかし、それでも俺の他人史による操作は健在のようで、失神してもビクビクと腰が痙攣している。俺は美香が腹上死しない内に、慌てて一物を引き抜いた。

 それと同時に、ノートパソコンから俺の勝利を告げる電子音のファンファーレが響く。
「おめでとうございます。これであたしと美香は、あなたの『おもちゃ』です。あたし達の事は、穴付き肉人形だと思って、なんにでも使ってくださいねっ」
 ニコニコと、嬉しそうに笑いながら亜里沙美香の代わりに俺に言う。

「今からご使用になりますか?」
「・・・いや、今日はいい」
 そろそろ時間だ。ここで亜里沙を楽しみながら、残りの駒を決めても問題ないのだが、やはり横着せずにじっくりと選びたい。

「どうだった? ・・・って、訊かなくても満足したみたいだね」
「まあな。それよりこのソフト、まだ続きがあるみたいだが?」
 パソコンの画面には、『NXST?』の文字が躍っている。

「うん、続きは一応あるんだ。・・・今度、この『ゲーム』の能力を使って、僕の通っている学校で思いっきり遊ぼうと思っててね。それで色々なゲームを組み合わせようと考えてるんだ」
「へー。どんな遊びだったか、終わったら聞かせてくれよ」
 そう言いながら、おれは勘定を払うためにレジに向かった。・・・もっとも、払う金はサイバーから前に貰った物だから、奢られているのとほとんど変わらないが。

 昼下がり、ファミレスから出た俺とサイバーは、リムジンから降りて駒を捜していた。そこに下校途中の生徒数人が通りがかる。
 真紀と同年代の少年少女に、それより下の高学年のランドセルを背負った少年少女のグループだ。

「お、良いの発見」
 俺はその中の一人に目をつけた。いかにも清純そうな、真紀とは違ってお淑やかなタイプだ。隣の弟らしきまだ声変わりの始まっていないらしい少年と、楽しそうにおしゃべりしている。
「・・・サイバー、あれ」

 俺が目をつけた少女を指差しながら、サイバーに振り向く。サイバーは、俺が指差した方向を見ると、少女の名前を俺に教えた。
「西倉茜。生年月日は・・・」
 見かけより幼い年齢だったが、その時俺は深くは考えなかった。

 そして最後の駒を捜す頃には、日が暮れて当たりは薄暗くなり始めていた。
 俺達は、いわゆるいかがわしい通りをリムジンで進んでいる。・・・さすがに俺とサイバーだけでこの時間帯ここを歩いていると、補導されかねない。
「・・・あれなんか良いかもな」

 俺がそう言って指差したのは、茶色に髪を染めた小柄な少女だ。今風のコギャルと言う奴だろう。ロングの髪は染めている割にきれいで、ミニのスカートから見える脚もいい形をしているように見える。もちろんルックスも良い。
「いいの? あれで」
 だが、サイバーは眉間に皴を寄せて聞き返す。

 その理由は、少女がサラリーマンらしい中年と一緒に歩いているからだ。親子・・・なんて事はないだろう。
「気に入らなかったら、ゲーム終了後に引き取ってくれるんだろ?」
「・・・まあ、そうだけど。
 宮本奈央。生年月日は・・・」
 サイバーが教える名前と生年月日をメモしながら、俺はどんなゲームが明日から待っているのか、期待に胸を躍らせた。

< つづく >

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