3種の神器 第29章

第29章 紫さんの魂

 気がつくと俺は自分のベッドで寝ていた。狂ったように紫さんを、公子さんを、彩さんを犯し続けた記憶が蘇り呆然とする。
 右手に点滴の針が固定してあり、点滴台から大きな点滴が規則正しく落ちていくのが見える。あれからどうなったのか?
 あの性欲の暴走は魔力のせいなのか?俺が焦って旭さんに対抗しようと魔力を使いすぎた反動なのか?

 点滴が落ちるのを見つめながら考えているとドアが開いた。

「お目覚めですか?」

 紫さんが心配そうに俺を覗き込む。

「僕どうなったの?」
「びっくりしました。でも大丈夫ですよ」

 微笑んだ紫さんが内線のPHSを使って厨房に食事を頼んでいる。

「成樹様が目覚められましたから、食事をお願いします」
「公子さんは?彩さんは?」
「二人とも寝込んでます。ひどい事しちゃ駄目ですよ」
「紫さんは大丈夫なの?」
「あれから寝込んでましたがもう大丈夫です」

 話しているうちに望ちゃんがワゴンに食事を載せて入ってくる。

「成樹様!大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ちょっと体調を崩しただけですから」

 俺の代わりに答えた紫さんが給仕をしてくれての食事が始まる。こってりと濃厚なスープで煮込まれた雑炊を平らげると眠くなってくる。

「あれ?すごく眠い」
「ゆっくり休んでくださいね」

 望ちゃんも何か声を出したようだが、聞き取る前に俺の意識は途切れた。

 目覚めるとベッドの側の椅子に紫さんが座っている。部屋の明るさから朝だとわかる。

「お目覚めですか?今お医者様を呼びますから」

 メイド服のポケットから内線PHSを取り出して医者を呼ぶ。
 痩せた年配の医者が俺を診察し、連れてきたナースに注射を用意させる。

「さすがに若いですね。今日ゆっくり休めば大丈夫です」

 注射を打ったナースに点滴を外すように指示した医者が俺に話しかける。

「勉強も大事ですが、健康を損なっては受験できませんよ」
「はあ」
「では、好きなものを食べて体力を回復してください。栄養は食事から摂取するのが一番ですから」
「はい」

 点滴台を引きずるナースを連れて医者が出ていく。入れ代わりに紫さんがジュースを持ってくる。

「はい、グレープフルーツジュースです。念のために冷やしてませんけど」
「ありがとう」

 生ぬるいジュースではあったが乾いた喉にはとても美味しい。

「ゆっくり飲んでくださいね。すぐに食事が来ますから」

 言われる通りに残りのジュースをゆっくりと飲んでいると食事が届けられた。ワゴンを押してきた望ちゃんが心配そうに覗き込む。

「成樹様、風邪ですって?しっかり栄養を取って元気になってね」

 望ちゃんが付きっきりで給仕をしてくれ食事を終える。

「では学校行ってきますけど、ちゃんと寝てて下さいね」

 望ちゃんが出ていくと紫さんが湯気の立つカップを俺に手渡す。

「今日はブラックは駄目ですよ。カフェオレです」
「あ、ありがとう」

 砂糖の入っていないカフェオレは好みではなかったが、ゆっくりと飲む。

「今日も学校は休むと連絡してありますから」
「紫さんは?」
「私も休みました。大学は甲校ほど出席が厳しくないですから」
「ごめん」
「ゆっくりと休んで良くなってくださいね」

 飲み終えたカップを紫さんに渡して横になる。

「お休みなさい。成樹様」

 紫さんが布団をかけるとすぐに眠り込む。

 再び目を覚ますと夕方らしい。窓から見える景色が夕焼けに染まっている。部屋には誰もいなくて枕もとの小さなテーブルに俺の携帯と内線PHSが置いてある。携帯には和夏と美奈子からメールが来ていた。体調を崩して寝込んでいたと返信していると紫さんが部屋に入ってくる。

「体調はどうですか?食欲はありますか?」
「うん。落ち着いたみたい」
「ではすぐに食事にしましょう」

 内線で食事を頼んでいる間にトイレに行く。紫さんが俺を支えようとするがしっかりと自分の足で立ち、歩ける。寝すぎたせいか頭がぼんやりするが放尿してから歯磨きする間に頭が冴えてくる。

「公子さんと彩さんは?」
「二人とも休んでいます。世話は三好さんと筒井さんが交代でしています」
「大丈夫?」
「二人ともショックを受けていますよ」
「二人に謝りに行く」
「食事を済ませてからにしてください」

 ちょうど未帆さんが食事を持ってきたので大人しく食事を取る。肉をメインにしたスタミナがつきそうなメニューで俺の好物ばかりだが公子さんと彩さんの事が気になって味がわからない。詰め込むようにして平らげて二人の部屋に向かう。
 よく考えたら従業員たちの部屋がどこなのか知らない。

「二人はどこ?」
「それぞれ自分の部屋です。ご案内します」

 3階建ての屋敷の3階に俺の部屋や祖父が使っていた部屋、そして客間がある。1階は食堂や広間になっていて、従業員たちの部屋は2階にあった。紫さんに導かれて公子さんの部屋に行く。紫さんがノックすると公子さんが返事をする。

「では私は遠慮しますので」

 紫さんが廊下を去っていく。

「成樹様!」

 俺が入っていくと公子さんが驚いて起き上がろうとする。8畳くらいのワンルームマンションのような部屋がセンス良く飾られている。

「寝ていて」

 俺は枕元に行き公子さんの顔を覗き込む。

「大丈夫?ひどいことしてごめんね」
「いえ、大丈夫です。成樹様は?」
「僕は大丈夫」
「よかった・・・」

 お互いに回復を告げると気まずい雰囲気になる。神妙な顔でじっと公子さんを見つめる。化粧を落としても整った顔立ちに見惚れて眺め続ける。じっと見え返していた公子さんの目から涙がこぼれてくる。

「ごめんなさい。成樹様のお相手が務まらなくて」
「いや、僕がどうかしてたみたい」
「ごめんなさい。ごめんなさい」

 泣きながら謝り続ける公子さんの頭を撫でる。

「明日になれば元気になりますから」
「無理しないで」

 魔力を使って公子さんを落ち着かせながら話を聞く。魔力を使い慣れてきたのか公子さんは落ち着き顔色も良くなってくる。

「嫉妬深くて、成樹様を独占しようとしてごめんなさい」

 それでも泣きながら謝り続ける公子さんにせがまれてキスをする。集中して魔力で公子さんの精神を安定させるようにしながらキスをすると穏やかな顔つきになって眠り込む。

(集中して魔力を使いながら体液を飲ませると効き目が強いのかな?)

 あどけない顔で眠り込む公子さんの涙を拭って部屋を出る。廊下の端で立っていた紫さんがやってきて彩さんの部屋に案内する。紫さんはノックすると

「では成樹様の部屋でお待ちしていますから」

 そう告げて戻っていく。

「彩さん。大丈夫?」
「あ、成樹様」

 公子さんよりは元気そうな彩さんが俺を迎える。パジャマ姿ではあるが起きていた。部屋の間取りは公子さんの部屋と同じだが殺風景というか、本棚に専門書が並び飾り気はほとんどない。
 暖めたミルクを飲んでいた彩さんの前には写真立て、眼鏡をかけた神経質そうな男と彩さんが笑って写っている。

「ごめんね。ひどいことをして」
「どうしちゃったんですか?成樹様らしくないでしたよ」
「どうかしてたんだ。本当にごめんなさい」
「中に出しちゃ駄目って約束したのに」
「ごめんなさい」
「多分大丈夫ですけれども、万が一妊娠したら成樹様も困るでしょう」
「はい」
「あそこ腫れちゃって大変だったんですから」
「大丈夫?」
「腫れは引きました」
「よかった」
「1週間は使用禁止って医者に言われました」
「ごめんなさい」
「週末のデートができなくなったんですから、もう!」
「ごめんなさい」
「絶対に中に出すのは駄目ですよ」
「はい、誓います」
「成樹様は口とお尻だけですよ。その他はは彼のものですからね」
「はい」

 ひたすら謝り続けて彩さんは許してくれた。ヨシユキさんとの2ショットの写真を伏せた彩さんから俺にキスをして耳元に囁く。

「どうしても出したくなったらいつでも口でしてあげますから」
「いいの?」
「彼とは口ではしませんから」
「そうなの?」
「彼は私が初めてで、私に夢中ですから」

 部屋に戻ったが紫さんがいない。先に戻っていると言っていたのだが。
 居間のソファに座って落ち着き、考える。昨日の俺の状態はなんだったんだろう?今は充分に休息したせいで体調は戻っている。以前よりもいいくらいだ。彩さんとキスをしているときからペニスは元気ではあるが、昨日の様に性欲が暴走したりはしていない。
 ペニスを勃起させたまま彩さんと別れて平常心のまま部屋に戻れた。

「成樹様ー、コーヒーですよー」

 望ちゃんが元気良く部屋に入ってくる。珍しく髪を下ろし、眼鏡もかけていない。

「あれ?髪型は?眼鏡は?」
「成樹様が病気だから、元気になってもらうように成樹様好みにしてみました!」

 日々髪型を変え、コミカルな大き目の眼鏡をかけているが元々は美人顔な望ちゃんが髪を下ろすと大人びて見える。眼鏡を外すと切れ長の目が年齢以上に色っぽい。
 仕草まで大人っぽく俺にコーヒーを給仕した望ちゃんが慎ましく膝を揃えて向かいに座る。

「やだ、見つめないで下さいよ」

 しきりに照れる望ちゃんに見とれる。

「いや、きれいなお姉さまだなって」
「へへー、今日だけ特別なんだから」

 手を伸ばして引き寄せて唇を奪う。小柄な望ちゃんをすっぽりと包むように膝の上に抱き上げて唇を貪る。息も継がせずに唇を貪り続けると望ちゃんが真っ赤になって俺の抱擁から逃げ出す。

「はー、はー、息が苦しいよ」

 上半身は俺の抱擁から逃げ出したが、下半身は俺の膝の中。いきり立ったペニスが望ちゃんの小さなお尻に当たる。

「ね、今日はキスだけ、元気になったらまたね」
「えー、生殺しー?」
「だって病気なんだから、やん」

 2日近く眠った俺の体力は完全に回復して性欲の捌け口を求めている。昨日のように暴走こそしないものの興奮しきって鼻血がでそうである。右手が望ちゃんのおっぱいに、左手がメイド服にスカートの中に潜りこんでいく。

「あ、今日は駄目」

 充分な休息で体力ばかりか精神力、いや魔力も充足したようだ。集中するまでもなく魔力が働いて望ちゃんを魅了し、感じさせていく。

「駄目、望が我慢できなくなるから」

 駄目といいながらも望ちゃんはピンク色に頬を染めて上気し、色っぽく見つめながら俺に体を預けてくる。ブラの上からもはっきりと乳首の位置がわかるほど興奮している。左手の指先でショーツを触るとじっとりと湿り気を感じる。いつもの木綿ではなくすべすべした感触に指先が心地よく滑る。

「記憶が途切れてるんだけど、僕どうなったの?」
「あん、意地悪。私が帰ったら成樹様も川村さんも牧村さんも寝込んでました」
「誰が運んでくれたんだろう?」
「神崎さんだと思うけど、昨日は三好さんと筒井さんは外出してたから」
「僕70キロ近くあるから紫さん一人じゃ無理だと思うんだけど」
「でもメイドは誰もいなくて、神崎さんが登校する前に3人が倒れてたって」

 中肉中背の紫さんが俺をベッドまで運ぶのはどう考えても無理だ。俺は考え込んで望ちゃんの胸や股間をまさぐっていた指が止まっている。快感に悶えていた望ちゃんが息を整えて俺の抱擁を振りほどいて逃げ出す。

「駄目。昨日倒れたばかりなんだから」

 まだ顔が赤い望ちゃんが俺を嗜める。手持ち無沙汰になった指を見ると望ちゃんの愛液に濡れている。

「駄目!」

 気がついた望ちゃんが慌ててポケットからハンカチを出して指を拭いてしまう。丹念に俺の指先を拭っている望ちゃんを捕まえて抱きしめる。

「あ、駄目。今日は駄目です」
「キスだけ」
「あん、ホントにキスだけ?」

 そう言いながら望ちゃんから唇を寄せてくる。自然と舌を絡ませあい、俺の唾液を美味しそうに飲み干していく。息が苦しくなった望ちゃんが唇を離して荒い呼吸を繰り返す。息が落ち着くと再びディープキスを繰り返す。
 望ちゃんの小さな舌が俺の口の中を舐め回しては唾液を吸い取っていく。お互いに夢中になってキスをしていると俺のペニスが一段と元気になって抱きかかえた望ちゃんの太ももに当たる。激しいディープキスをしているせいで望ちゃんの身体が揺れ動き、太ももがペニスを刺激する。

「もう駄目、我慢できなくなっちゃうから」

 名残惜しそうに望ちゃんが離れていく。

「ね、良くなったらしましょう。成樹様」
「うー」

 不満そうな俺の顔と盛り上がったパジャマの股間を交互に見た望ちゃんが赤くなる。

「あの、あのね。口でするから。それで我慢して」
「えー、望ちゃんに出したいよ」
「私も我慢するから、ね。お願い」

 思い切り望ちゃんのお○○こに出したくはあるのだが、昨日の性欲の暴走が紫さんとのえっちから始まったのを思い出して不安になる。俺が黙り込んだのをOKととったのか望ちゃんがパジャマとトランクスを下げる。

「うわっ」

 最大限に勃起したペニスを見て望ちゃんが驚くが、両手で根元を押さえながらフェラを始める。

「望の口にいっぱい出していいから」

 望ちゃんの小さくて短い舌が亀頭をぺろぺろと舐めはじめる。性欲は旺盛だが、昨日のように暴走することはない。小さな口を精一杯空けてペニスを頬張った望ちゃんのフェラが心地よい。ときおり解いた髪が俺の内ももをくすぐる様に触れるのも快感を盛り上げていく。
 口に含んだままちろちろと舌先が先っぽをくすぐられているうちに射精したくなってくる。俺の股間に跪いて顔を振る望ちゃんの頭をやさしく撫でると望ちゃんが心得たように顔の動きを大きく、早くしていく。

 くちゅ、ずぽっ、くちゅ、ずぽっ

 熱心にフェラを続ける望ちゃんも興奮してきて匂いが立ちこめてくる。自分で慰めたいのを我慢して俺の欲望を優先してくれているのが伝わってくる。

「出すよ」

 短く告げると望ちゃんの舌が亀頭を舐め回しながら吸い込んでいく。

「ん!」

 ちょうど鈴口をつついていた望ちゃんの舌を押し流すかのように大量の精液が望ちゃんの口の中に吐き出されていく。

「んっ、んっ」

 目をぱちぱちさせながら望ちゃんが零さないように飲み込んでいく。大量の精液が長く出るので息が続かなくて小鼻を膨らませて呼吸をしながら飲み込んでいく。
 何回も鼻で息をして全部飲み込んだ望ちゃんがペニスから口を離す。

「ぷはー、すごい量」
「気持ちよかったよ」
「これで我慢してね、成樹様。望も我慢するから」
「んー、もう1回は駄目?」
「駄目!」

 ぺろぺととペニスを嘗め回してから、未だに元気なペニスをトランクスに押し込んだ望ちゃんがウインクをして帰ってしまう。

 まだ満足しきったわけではないが、性欲が暴走することはなかった。名残惜しさよりも安心感にほっとする。冷め切ったコーヒーを飲んでからトイレに向かう。書斎を通って寝室に行き、トイレに入ろうとするとベッドの上に紫さんが正座している。

「あれ?紫さん」
「先に帰って待っていますと言いましたのに」
「寝室にいるとは思わなかったから」
「私を待たせておいて小笠原さんと・・・ひどいです」
「ごめん」
「・・・お風呂の用意してあります。寝たきりだったから汗がひどいですよ」
「あ、うん」

 トイレで用を済まし風呂場に入る。頭からシャワーを浴びて汗を流すが粘りつくような汗はシャワーだけでは落ちない。

「失礼します」

 バスタオルを巻いた紫さんが入ってくる。ブラの方紐が見えるということは下に下着をつけている。

「座ってください。成樹様」

 俺を座らせた紫さんが俺の髪と身体を洗っていく。固めのスポンジが粘りつく汗を流していく。勃起したままのペニスを洗うときに柔らかいスポンジに変えられて全身を洗い終える。そっけなくペニスが洗われて全身の泡がシャワーで洗い流される。

「まだ心配ですからお湯には長く入らないでくださいね」

 俺をおいて紫さんが風呂を出る。言われたとおりにすぐに風呂からでると濡れたバスタオルを換えた紫さんが俺の髪や身体を拭き取っていく。手渡された下着とパジャマを身に着けてベッドに向かう。シーツや布団が交換されていて清潔な香りがした。

「はい、どうぞ」

 紫さんがスポーツドリンクを持ってくる。

「ありがとう」

 冷やされていないスポーツドリンクは甘みが強かったが風呂上りの喉には心地よい。飲み終えたグラスを紫さんに返す。

「成樹様。よろしいですか?」

 ベッドサイドのテーブルにグラスを置いた紫さんが俺の隣に座る。気がつくとブラの方紐が見えない。胸元で留めたバスタオルの下には何も着ていないようだ。相変わらず元気なペニスをもてあましていた俺は手を伸ばしてバスタオルを剥ごうとした。

「あの、お話が終わってから」

 毅然とした表情で紫さんが俺を見つめる。伸ばした手を拒まれ、情けない気持ちで下を向くと盛り上がった自分の股間が見えた。

「成樹様。3種の神器の力には慣れました?」
「!?!?」

 神器のことを知っているのは祖父と俺、別な継承者である旭さんだけのはずだ。

「驚きました?」
「知ってたの?何故?」
「あら、私は成樹様の遠縁で成樹様のお爺様とは以前から知り合いでしたから」
「でも、他の人には教えない筈だけど」
「ええ」

 小さく頷いた紫さんが話し始める。祖父の妻、つまり俺の祖母に面影の似ていた紫さんは祖父に可愛がられていたのだが、紫さんの父が事業に失敗して没落。一度は銀行に渡った紫さんの家などは祖父が買い取った。そして他の親族にはそれぞれ生活が成り立つように手配した祖父だが、紫さんだけは手元に引き取った。そして紫さんが俺より4歳上であることを残念だと言ってまだ甲校生だった紫さんに俺の子供を生めと告げた。

「成樹様と私の間の子供に買い取った神埼の家を継がせるとおっしゃいました」
「結婚しないで子供だけ?」
「成樹様が望むならば結婚してほしいとおっしゃいましたけど」
「・・・」
「私が成樹様と結婚せずに子供だけ生むことを選びました」
「紫さんはそれでいいの?」
「はい。成樹様の子供を生んでから別な人と結婚します」
「そんな・・・」
「ごめんなさい。でも、私だけを愛してくれる人と結婚したいんです」
「でも紫さん大学生だし」
「成樹様は厨学生ですから子供は認知しなくて結構です。神崎の家だけ再興してください」
「でも」
「成樹様のこと好きです。一生忘れません。でも浮気されるの嫌なんです」
「ごめん」
「いいです。私のわがままですから。でも、私には3種の神器の魔力は使わないでください」
「うん」
「私が妊娠するまでは好きにして結構ですから」
「・・・うん」
「ところで不思議に思いません?」
「何が?」
「私は成樹様の僕なのに、私が3種の神器の事を知っていたのがわからなかった事が」
「そういえば・・・」
「後で教えてあげます」
「後で?」
「私はもう僕じゃありませんから。私から成樹様を誘うんです」

 バスタオルを解きながら紫さんが俺にキスしてきた。
 俺を押し倒した紫さんは俺の顔全体にキスの雨を降らしていく。俺の舌を絡め取り手をおっぱいへと導く。柔らかくさわり心地の良いおっぱいが俺の手の中で弾む。すでに硬くなっている乳首を摘むと強く舌を吸ってくる。

「んっ、んー」

 指の力を強くしていくと俺の太ももにお○○こを擦り付けてくる。キスを中断した紫さんが甘い声で痛みを訴える。

「強すぎです。潰れちゃう」
「でもすごく感じてるけど」
「・・・」

 紫さんのお○○こが擦り付けられたパジャマは愛液で濡れてしまった。

「魔力使ってないのに」
「意地悪」

 いつも表情を崩さない紫さんが可愛く拗ねて俺の唇をふさぐ。キスをしながら俺の手をおっぱいからお○○こへと導いていく。

 ぴちゃ

 太ももに伝うほど愛液が溢れた場所に指先が届く。クリちゃんも乳首と同じくらい固くなってはっきりと指先に存在を主張してくる。指の腹で撫でると面白いように紫さんの身体が弾む。調子に乗って親指の腹でクリちゃんを撫でながら人差し指と中指をお○○こに入れて中をかき回す。強く俺の舌を吸って耐えていた紫さんが顔を上げて喘ぐ。

「あ、あ」

 今にもイキそうなのを耐えている。俺も指の動きを止める。耐え切ってほっと息をついた紫さん。うっとりと快感に身を委ねていた紫さんが再び俺の唇を求める。

「きゃっ、駄目!イク」

 俺は紫さんのキスをかわし、右手の親指でクリちゃんを撫でながら人差し指と中指でお○○この中をかき回す。左手で乳首を摘みながらもう一つの乳首を咥えて舌先で転がす。
 いったんイキかかったのを堪えたばかりの紫さんは激しく俺の指先を締め付けながら再び絶頂へ駆け上がる。今度は俺の愛撫が止まらないので堪える間もなくイッた。
 射精を堪えた俺にもたれかけながら紫さんが微笑む。古風な純日本風の美貌が妖しく笑う。

「約束通り私には魔力を使いませんでしたね」
「え?」
「今度は私の魔力で成樹様を楽しませてあげます」

 俺の第6感が紫さんの一重の瞳から放出される魔力を感じ取る。

「これって?」
「大丈夫です。私は成樹様の僕ですから。安心して」
「紫さんがもう一つの神器の魔力を?」
「あ・と・で」

 俺の唇を塞いだ紫さんが唾液を流し込んでくる。味覚とは別に第6感が紫さんの唾液を味わい、紫さんの意識、いや魂が感じ取れる。
 俺は幸福感に包み込まれながら自分の意識が拡散し、俺と紫さんを傍観するように感じ取る。熊野成樹という個、そして自我はしっかりと体に残りつつもより大きな、濃密な俺の自我が、魂が俺と紫さんを俯瞰している。
 俺の体が、紫さんの体がお互いを求め合い、お互いに快感を高め合っていく。自分の快感を体で、そして紫さんの快感が魂に響くように、染みるように俺の魂が感じ取る。

 紫さんの魂が俺の魂を包み込もうとしてくる。
 俺の魂も紫さんの魂を包み込もうとする。

 ふわっ

 俺の魂がもう一回り大きく膨らんで紫さんの魂を包み込んでいく。

< つづく >

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