セールスマン

 とある昼過ぎのマンションの前に、鞄を持ったスーツの男が立っていた。
 男はエレベーターを登り、マンションの一室の前に行く。
 マンションに入って以来、一人として住人を見ていない。この時間、住人は家にいるか、すでに出かけているかで、顔を会わせるような事が無いことは、男は知っていた。
 男はネクタイを締めなおし、インターホンを押す。
 インターホン越しに聞こえる、おっとりした柔和な声。
 この時間、この家に居るのは、結婚二年目の、まだ子供のいない女性ただ一人だということはすでに調べがついていた。
「あの、私、健康器具と化粧品のセールスをしております、斉藤と申します。本日は当社の製品を…」
 女性はセールスと聞き玄関を開けることを少し渋ったが、話だけと言うことで何とか男は家の中に侵入することができた……

「すみません」
 垂れ目がちの、髪の長い奥さんが俺を迎え入れてくれる。
「いえいえ」
 俺はお気になされずに、と言って女の品定めをする。
 おっとりとした、優しそうな女性。ふくよかな体型は、エプロンの上からでも肉付きがよく分かるほど。胸は大きく、腰周りが丸みを帯びた女性らしい体型だ。
 歳は28歳。名前は伊東和美。3歳年上の旦那と見合いで結婚。会社は寿退社し、今は専業主婦。結婚と同時にこのマンションには引っ越してきた。
 このマンションでは住人同士のつながりは薄く、ほとんどの人間は隣の住人がどんな顔かもよく知らない。和美もまたそのうちの一人だ。
 だから俺はここを選んだ。
「旦那様は今お仕事で?」
「ええ、まあ」
 これも調べてある。旦那は早くとも20時を過ぎないと帰ってこない。
「そうですか。いやぁ、男の人はこういうセールスが来ると、話も聞かずに追い返してしまうでしょう?それでどんなにいい商品でも、買い逃したりするんですよね」
 にこやかに話しながら、俺は腰を下ろした。
「話ぐらい聞いてくれても、損は無いといつも思うんですけどねぇ、そう思うでしょ、奥さん」
「ええ、まあ、そうかもしれませんね」
 柔和な笑顔で答えてはくれるが、いささか緊張はしているようだ。
「奥さん、こういうセールスって初めてですか?」
「ええ、そうですけど…どうして?」
「いえ、ちょっと身構えてるみたいですから。大丈夫ですよ、何も変なもの売りつけようと言うわけじゃありませんし、いらなければ断っていただいて、構いませんよ。話を聞いてもいらないと思えば、断っていただいて。そうすれば私もすぐ帰りますから」
「それなら…安心ですね」
 少しだけ和美の緊張が解けたようだが、安心させるためにもう一つ。
「ちょっとは安心しました?」
「ええ、少し」
「じゃあ、そんな奥さんに紹介するのはですね…」
 俺は両手を合わせ、和美に向かって突き出す。
「ちょっと、この手の中、よく見てもらいます?」
「はあ…」
 和美はよく分からないながらも、言われたままに合わさった掌の間を覗こうと顔を近づける。
 やはり調べたとおり、この女は気が弱く、断ることが苦手なようだ。
「中が見えますか?」
「いえ…暗くて、よく…」
 ポンッ!
「きゃっ!」
 手の間から飛び出した造花に、和美は体を仰け反らせた。
「あはは。すみませんすみません、驚かせちゃって。ちょっとした冗談ですよ」
「も~、ビックリしたじゃないですか、斉藤さん」
 言いながらも、和美は笑いが止まらないようで、お腹を抱えている。
「いや~、最近手品に凝ってましてね。あ、これ売り物じゃないんですけど、差し上げましょうか?」
 俺は造花を差し出すと、笑いの止まらない和美が手を伸ばす。
 和美が花に手に取ったところで、俺が手を引く。すると、するすると花の茎が万国旗に変わり、和美の手と俺の手の間に広がる。
「あはははは。なんですか、これ~」
 これも和美のツボに入ったようで、ケラケラと笑っていた。
「いえいえ、すみません。ちょっと冗談が過ぎちゃって」
 俺は手品セットを鞄にしまう。
「あ、奥さん、ピアノとかやりませんよね?」
 鞄の中を見て何か気付いたように俺が聞く。
「あ、はい。それが…?」
「いや、間違えてメトロノーム鞄に入れてきちゃったみたいで」
 ポン、とメトロノームを置く。
「あ、これも手品か何かですか?」
 和美は何か期待しているようだが、残念ながら手品の行はもう終わりだ。
「いやいや、私だって手品見せに来たんじゃないですから。手品ばっかりしてたら、会社に怒られちゃいますよ」
「あははは。そうですね」
「売れ残ったやつが鞄に残ってたんでしょうね。売れないですからね、こういうの。いいや、動かしちゃえ!」
 冗談っぽくメトロノームを動かし、脇に置く。和美もその行動を一連の手品の行のように、面白そうに見ていた。
 もう和美は完全に気を許しているようだが、残念なことにこのメトロノームはただのメトロノームではない。
 まあ、それはおいおい分かることだが…
 さて、と俺は商売に入る。
「奥さん、最近お肌の調子とか気になりませんか?最近はオゾンホールの影響なんかで、紫外線量が増えてきてるんですよ?ちゃんとしたケアーをしないと、すぐに肌がぼろぼろに…」
 俺は写真や資料を広げながら、延々と肌のケアについて語る。
「体のラインなんかも気になってきませんか?家に居ると運動する時間も減ってきますからねぇ」
 肌のケアについて語った後は、体のライン、体重のことに話が及んだ。
 和美は「はい、はい」と時おり相槌を打ちながら、俺の話に耳を傾けていたが、しばらくするとゆっくりと体が左右にゆれるようになってきた。
 目の焦点が定まらず、虚ろな表情を浮かべている。
 これはそう、さっきのメトロノームの効果だ。
 俺はある日、実家の蔵を掃除したときに、桐の箱に大切に保管されていたこのメトロノームを見つけた。
 箱の中には御丁寧に、説明書が入っており、これが相手を催眠術に導入する道具であることが分かった。
 試しに家族に使ってみると、皆面白いように催眠術にかかった。
 それ以来俺は、このメトロノームを持って、セールスマンの振りをして女を捜すようになった。
 和美の様子を見て、俺はもう十分か、と最後の詰めに入った。
「いいですか、それらから逃れるには、私が今から紹介する商品と、エクササイズを行うのが、最良の方法なんです。私が紹介するのは、とても、和美さんにとってとても素晴らしいものなんです。だから、私を信じましょう」
 先程までの恐怖や、不安を煽る言葉が深層心理に滲みこんだ和美にとって、この言葉は効果的なはずだ。
「私が言ったことを、一月続けるだけで、和美さんは不安から解放され、幸せを掴めるんです!ただし、他言は無用ですよ。旦那さんに知られては、余計な金を、と解約されることは間違いありませんからね。男性はこういう話を信じませんから。しかし、私の提案は、和美さんと、家族に必ず幸福を運んできます。必ずです!ですから、決して、ひとかけらも疑ってはいけませんよ。どんな要望であっても、それは私が用意した商品であり、提案したエクササイズです。わかりますか?」
「…はい…」
 虚ろな表情の和美が、頷く。
 これで、これで和美は完全に俺の言うことを疑いなく、信じてしまうはずだ。
 俺はメトロノームを止める。すると和美ははっと我に返る。
「以上の話は、ご理解いただけましたか?」
「あ…は、はい。よく…」
 一瞬と惑ったような和美。だが、力強く頷いた。
「そこで、本日用意させてもらったのは、全身パックに、バストアップエクササイズ、小顔エクササイズ、ウェストを引き締めるボディエクササイズ、そしてそれらを補助する、補助スティックを紹介させていただきます」
「それは、どういったものなんですか?」
 不安心理を埋め込まれた和美が、それから逃れようと俺に縋ってくる。
「百聞は一見にしかずといいますし、本日はですね、無料体験をしていただいて、それから契約いただくかどうかお考え頂こうと。なにしろ、お高い商品ですので。それに、一回分お得ですよ?」
「あは。そうですね。お得ですね」
 嬉しそうに言う和美。
「ここではなんですから、まずは寝室へ案内していただいて、よろしいですか?」
「はい」
 俺の言うことは何でも信じてしまうようになった和美は、嫌な顔一つせず、旦那との愛の巣へ案内してくれた。

 7畳ほどのフローリングの部屋に、ダブルベッドが置かれている。和美が毎晩旦那と過ごしている寝室だ。
 このベッドで愛のあるセックスもするのだろう。
「では奥さん、まずはバストアップエクササイズを行いますので、服を全部脱いでください」
「服を、ですね?」
 和美は言われるままに服を脱ぎ、足元にたたんでゆく。
 上が黒のブラだけになると、次はスカートに手を伸ばした。
 ブラだけになった胸は、想像通りの重量感抜群の胸だ。
 すとんと、スカートが足元に落ち、それも和美は綺麗にたたんでゆく。
 そしてストッキングも同じように脱ぎ、上下揃いの黒の下着姿になった。
 和美はその下着にも手を掛ける。
 まずはブラ。ブラが外されると、抑えられていた胸が、はじけるようにぶるん、と大きく揺れる。形は崩れず、乳頭は綺麗なピンク色をしていた。
 そしてショーツ。するすると下げられ、黒い茂みが姿を現す。茂みに隠れて奥はよく見えない。
 脱ごうと片足を上げた瞬間を逃すまいと凝視するが、距離があったこともあり、その奥まではっきりと確認はできなかった。
 まあ、いいだろう。
「斉藤さん。これでいいんですか?」
 生まれたままの姿の和美が、目の前でにこやかに笑う。
 張りのある、白い肌。重量があるが、決して形が崩れる事の無い胸。引き締まったウェストラインに、丸みを帯びたヒップライン。
 そして足の付け根にある、秘密の場所。
 その体を前に、俺は「ほう」っと息を着いた。
「あの、何度かその場でジャンプしてもらえますか?」
「はい」
 裸の和美がジャンプするたびに、その大きな胸が上下にぶるんぶるんと大きく揺れた。
「こ…こんな感じですか?」
「ああ、はい。もう結構です」
 胸が跳ねる様子を楽しんだ俺は、背広に手をかけ服を脱ぐ。
「あれ?斉藤さんも服を脱ぐんですか?」
「ええ。必要なことなんですよ」
 不思議そうな表情を浮かべた和美だったが、そう言うと信じてしまったようで何も追求はなかった。
 服を脱ぐと、俺の怒張はまだまだ臨戦態勢には程遠い状態。
「奥さん。それじゃあまずバストアップエクササイズに必要な、エクササイズスティックを用意しなくてはならないので、ベッドに仰向けになってください」
「はい。分かりました」
 和美は言われたとおり、普段は旦那と二人で寝ているダブルベッドの上に、裸のまま仰向けになる。
 俺はその和美の上に跨り、まだ勃起していない己の怒張を見せる。
「これがエクササイズスティックです。奥さんの胸をこれから私が好きなように弄り、このスティックを使える状態にまで大きくします」
「それって、大きくなったら、どのぐらいの大きさになるんですか?」
 ややピント外れにも思えるような質問だが、和美は怒張がただの道具のように思っているのだから、単純に道具への興味として聞いているのだろう。
「それは、見てからのお楽しみ」
 俺は早速和美の、その大きな胸にしゃぶりつく。
「んはぁ」
 乳頭を口に含み、舌で捏ね繰り回すと、和美が甘い声を上げた。
 開いた胸は手で弄ぶ。感触を確かめるように掌で押しつぶし、また乳頭を扱き、いきり立たせ、指で弾くように弄ぶ。
 口を離すと、ピンと天井を向いたピンクの乳頭が自己主張をしている。それを俺は舌で転がす。
 唾液が胸全体を汚す。
 俺は再び胸を口に含むと、吸い上げながら胸を持ち上げる。
 そして口を離すと、ぶるん、と大きく揺れて、元の形に戻っていった。
「はぁん…はぁぁぁ…んぁ…」
 ぴちょ、ぴちゃ…と唾液で濡れる音に、和美の甘い吐息が混ざる。
 俺は両方の胸が唾液まみれになるまで、たっぷりとその感触を楽しみ、次の行動に移る。
「ほら、奥さん。スティックもこんなに大きくなって、準備万端ですよ」
 完全に臨戦態勢に入った自らの怒張を、和美の目の前に示す。
「はぁぁ。本当、すごく大きくなりましたね」
 胸への愛撫で感じたせいか、和美の表情はトロンと惚けたものになっていた。
「では、バストアップに移りますか」
 俺はベッドの縁に座り、大きく膝を開く。股の間には勃起し、ヒクヒクと脈打つ怒張。
 俺は股の間に和美を膝立ちで座らせた。
「それでは、スティックをその胸で挟んで、上下に扱いてください。その運動が胸の筋肉を引き締め、バストアップに繋がります」
「こ、こうですか?」
 たどたどしい手つきで、和美が胸で怒張を包む。
 軟らかいマシュマロに、怒張が包まれたような感触に、俺は天井を仰ぎ見た。
「あぁ~、そ、そう。そのまま上下に扱いて…」
「は、はい」
 ゆっくりと和美がパイズリを始める。
「おぅ…と、ときどき潤滑用に、唾をスティックに垂らしてくださいね」
「はい」
 動きを止めた和美の口から、たら~っと糸を引いた唾液が、怒張にめがけて垂らされる。
「あぁ、そうそう…それです。そんな感じ」
 く、ちゅく…ちゅく…唾液と、先走りの汁が奏でる、卑猥極まりない協奏曲が奏でられる。
「ん…くちゅ…」
 胸の間から先端を覗かせた怒張にめがけ、人妻が唾液を垂らす様もこれ以上ないぐらいにいやらしい。
 しかも、旦那といつも寝ている寝室でだ。
「はぁぁ…もっと、スピーディーに、リズミカルに、奥さん」
「はい」
 和美は腕や胸だけでなく、全身をリズミカルに上下させながら、奉仕を続ける。
「ん…ちゅば…くちゅ…」
 じゅっじゅっじゅっじゅ…と満遍なく唾液で濡れた胸が、湿った音を奏で続け、俺の射精感を高めていった。
「はぁぁぁ…お、奥さん、そ、そろそろ次に進みます!動きは止めないで聞いてください!」
「ん…はぁん…はい…」
 じゅっじゅっじゅ…
「私が『イク』と言ったら、スティックの先から、白い液体が…飛び出ます…そうしたら、なるべく全部、顔で受けるようにしてください!いいですね!」
「は、はい!」
 じゅっじゅっじゅっじゅ…
 私はなるべく多くの精子を和美にかけようと、先端に上り詰めていく欲望の塊を、少しでも長い時間押しとどめようと我慢を続ける。
 しかし、その我慢がそろそろ限界を迎えようとしていた。
「あ、あ、あ、お、奥さん!イク!!」
 その言葉を聞くと和美は、動きを止め、顔を自ら怒張の先端に持っていった。
 どぴゅる、どぴゅぅ、と言う音が聞こえてきそうなぐらいの、大量の精子が、和美の顔を、髪を、体を汚してゆく。
 射精を終え、俺はベッドに体を預けた。
「あ、あの…これからどうしたら…」
 大量の精子が顔にかかり、目も開けられない和美が俺に助けを求める。
 頬を伝った、どろっとした液体は、ポタ、ポタと胸に糸を引いて垂れていた。
「それは大事なパックですから、指ですくって、顔や胸にたっぷり塗りつけてください。紫外線でダメージを受けた肌が回復しますよ。あ、飲んでも体にいいですから、指に付いたのは舐め取って下さい」
「は、はい」
 和美は言われたとおり、固まりになっている精子を指で救い、顔や、胸に薄く伸ばしてゆく。そして時おり、指先についた精子を、舐め綺麗にしていた。
 俺はベッドで横になりながら眺め、和美が先程脱いだショーツの、股にあたる部分で自分の怒張の後始末をしていた。

 しばらく精液を体に塗りたくる姿を観察した後、和美にはシャワーを浴びさせに行った。
 その間に俺は次の準備をする。
 寝室の外の廊下にビニールシートを敷き、その上に古新聞を敷く。
 そしてもう一つ、重要な道具の準備。
 準備を終え、少し時間を置いたところで、湯気を立てた裸の和美が、寝室に戻ってきた。
 乾き始めていた精液も綺麗に洗い流している。
「あの、斉藤さん。表の新聞は?」
 和美は不思議そうに開いたドアから廊下を見ていた。
「いや、次のエクササイズに必要なんですよ」
「あ、次は何をやるんですか?」
「小顔エクササイズなんですが、その前に、これを」
 俺は浣腸を和美に見せた。和美は少しばかり怪訝な表情を見せた。エクササイズに必要と思い込みながらも、どう利用するのか見当がつかないのだろう。
「今回私が紹介するのは、体を隅々から綺麗にするためのものでして。その為には体の老廃物の除去も必要不可欠になってくるんですよ」
「ああ。それで」
「はい。それに排泄物の色、形で健康状態も確認しますので、よく分かるように、あの廊下に置いた新聞の上で排泄はしてもらいます」
「あの上で、ですか…わかりました」
 和美は笑顔で了解する。これだけのことも、疑う余地はないらしい。
「じゃあ、ベッドの上で四つん這いになって、お尻を高く持ち上げてください」
 言われるままに和美はベッドで四つん這いになり、尻を高く上げる。
 俺は後ろに回り、臀部を掴み、大きく左右に開いた。
 その中央に隠すものが一つもない菊門が呼吸をするように、小さく開いては、閉じている。
 俺は同時に、その僅か下にある茂みも掻き分け、奥に潜む陰唇を確認した。
 シャワーなのだろうか、それともこれまでの行為で興奮したのだろうか、小さな水滴が見えた。
「あ、あの、斉藤さん、まだですか?さすがにちょっと、恥ずかしい…」
「何を恥ずかしがることがあるんですか、これはれっきとしたエクササイズの一環。恥ずかしがることなんてありませんよ」
「あ、ご、ごめんなさい」
 俺は菊門に、親指の先端を滑り込ませてみが、すごい圧力で押し返される。
「いっ!」
 痛みに、和美が声を上げた。さすがに無理そうなので、俺は諦めて浣腸を抽入した。
 ずじゅぅ~~
「あっあっぅ…」
 和美は異物が流れ込んでくる感触に、シーツを掴んで耐える。
「効いてくるまで時間がありますので、その間に小顔エクササイズを行います。すぐに排泄できるよう、廊下に行きますか」
 俺は和美を、廊下の新聞の上に座らせ、その前に腰に手を当て、仁王立ちになる。
 股の間の怒張が、ぶらんと和美の前で揺れる。
「では、今度はこのスティックを口に含んで、舐めてもらいます。口に含んで、離さないように舌を絡ませ、前後に扱きます。そうすることによって、頬の筋肉が鍛えられ、すっきりとした小顔になります」
「は、はい…」
 和美はお腹を押さえながら返事を返す。
「浣腸がしっかり体に回りきるまでは、出そうになっても我慢してください。なに、エクササイズに集中すれば、多少の便意はごまかせますから」
「は、はい。がんばります…」
 ちゃぶ…
 和美は怒張を掴むと、口に咥えた。
「おぉぉ…」
 思わず俺は声を漏らす。
 形を確認するように舌を全体にねっとりと絡ませ、頭をゆっくり前後に動かす。
「口をすぼめて、吸い上げるように」
「んふい」
 まるで大きなナメクジに怒張を愛撫されているような感覚に、ムクムクと勃起し始める。
 怒張を咥えた和美の顔は、まるで間延びした口からペニスが生えているようだ。
 和美は便意を忘れようとするかのように、一心不乱に頭を上下する。怒張は瞬く間に、和美の唾液でぬらぬらとてかりはじめた。
「あぁぁぁ、いいですよ、その調子です、奥さん。次は先端を咥えて、先っちょを舌でちろちろと舐めてください」
「ふぃ」
 言われたままに奉仕をする和美を前に、俺は歓喜に震える。
「あぁぁぁぁ!そ、そう!はぁぁ、じゃ、じゃあ、俺の顔を見ながら舐めてくれ」
 余裕をなくしたせいで口調がセールスマンのものではなくなってしまったが、和美は気にしていない。上目遣いで俺を見ながら、奉仕を続ける。
 たまらず俺は和美の胸を掴んだ。掌に、ずっしりとした重みが伝わる。
「んんんっ」
 和美は体をくねらせたが、奉仕は止めない。それをいいことに俺は乳頭を掴み、くりくりと捏ねた。
 やがて和美の奉仕が奏でる「じゅっちゅじゅっちゅ」と言うような音の中に、ぐるぐるといった大腸の動きが活発になる音が混じり始める。
「ふぁいほふはふ!ほ、ほふ…」
 和美が怒張を咥えたまま助けを請う。
「も、もう少し我慢してください!」
「んふぅぅん!」
「口をすぼめて、イチモツを吐き出さないよう我慢して!!」
 俺は和美の頭を掴み、腰を振りたくる。
「んぐぅぬん!!」
「も、もう少しで出るから!出されたら全部飲むんだぞ!体にいいんだから!!飲んだら、糞していいぞ!!」
 喉奥を突くように俺は腰を突き入れる。和美はえづくような様子を見せながらも、必死にそれに耐える。
「あ、あ、あ!い、イク!飲め飲め飲め飲め!!」
 俺は喉奥に怒張を突き入れ、湧き上がった大量の精液を流し込む。
「んぐんんん!!」
 ごく、ごくと数度喉を鳴らし、その精液を胃に流し込む和美。
 それは射精を終えると、さっと和美の後ろに回り、かがむ。脱糞の瞬間を見るためだ。
「さあ、奥さん!出して出して!!」
「ん~~」
 ぶりぶりぶりぶり…
 菊門が大きく開き、黒いグロテスクな糞がひり出される。
「あ…あぁぁぁ~~…」
 フェラチオのときに垂らした涎が、和美の顔を汚した。
「はぁ…はぁ…」
「大きいのが出ましたね~。今日の体調はいいみたいですね、奥さん」
「はぃ…そ、そうですか…?」

 便はトイレに流し、シートと新聞はビニール袋に密封し、捨てた。廊下には消臭剤を撒き、臭いを消す。
 そして俺は今、寝室のベッドで、ウェットティッシュを使って和美の尻を綺麗にしていた。
「はぁ…ん…」
 ウェットティッシュを人差し指に撒き、菊門にねじ込む。
「奥さん、さっきは大丈夫でしたか?」
「え、ええ…でも、すごく辛かった…斉藤さんも、ちょっと怖かったし」
 入り口辺りに侵入した人差し指をくねらせながら、言い訳を捜す。
「すみません…どうもときどき熱くなる癖があって…これからも時々そんな風になるときもあるかもしれませんが、怒ってるわけじゃないですから、怖がらないで下さいね」
 なるべく優しい口調で話す。
「でもほら、少し頬の肉が引き締まった感じがしませんか?」
「ええ、確かに、なんだかそんな気が…」
 そんなはずないのに、俺の言葉を疑う事のできなくなっている和美は、簡単に信じてしまう。
「それに胸だって、張りが出てきたでしょう?」
 和美の胸を鷲づかみにして、捏ねる。
「はぁん…そ、そう言えば、小顔エクササイズのときも揉んでいましたけど、何か理由が?」
「ああ、私は胸に張りを与えるツボってのを心得てますから。今揉んでるのだって、そのツボ押さえてるんですよ?」
 俺は適当な嘘をついて、乳頭を摘む。
「はぁん…だ、だったらずっと揉んでてもらおうかしら?」
「そうですねぇ…」
 和美をベッドに押し倒し、上に覆いかぶさり、胸に吸い付く。
 ちゅばぁ…
「本当はバストアップのときだけなんですけど、奥さんにならサービスしますよ」
「はぁぁん…あ、りがとうございます…」
 切なげに眉を顰める和美。
 そろそろ俺も回復してきた。最後の仕上げと行こう。
「じゃあ、このコース最後のエクササイズをしましょうか」
 俺は和美をベッドに寝かせ、大きく足をM字に開けさせる。
「最後はウェストラインを引き締めるエクササイズ。ここに…」
 俺は陰唇を指でなぞる。
「スティックを挿入し、体の中から綺麗にする液体を流し込んで終了です。大体の人は、これはすごく気持ちいいって答えます。ですから気持ちよかったら声を出しても構いませんからね」
「はい。わかりました」
 大股開きのまま、和美は笑顔で答えてくれた。
「じゃあ準備として、ここの肉をしっかりほぐしますね。じゃないと、怪我の元ですから」
「はい。お願いします」
 俺は和美の股に顔を突っ込む。茂みを掻き分け、陰唇を確認する。
 まだ余り使い込まれていない、ビラビラの少ない陰唇。
 大陰唇をつまみ、左右に開く。色素の薄い、サーモンピンクの肉。それを目前に息が荒くなる。
 俺は中指にたっぷり唾をつけ、中に挿入する。
「はぁぁん!」
 和美が身をくねらせる。
 俺は内壁をかき回すように、人差し指の第二関節を動かす。
「はくぅん!あぁぁん!」
「奥さん…旦那さんとセックスはどのくらいしてますか?」
「んふぅん…な、なんで、そんなことを…ぁん」
「奥さんの体調を確認するためにも、必要なことなんです」
 じゅっじゅっじゅと、指の抽送を繰り返す。
「はぁん…あん…ひ、一月に…一、二度ぐらぁんいぃ…はぁん、いい…最近は、ぁん…してないけど…はぁん」
 なるほど。最近は御無沙汰か。
 指を一旦抜き、舌を這わせる。
「はぁぁん!いぃ!斉藤さん!!」
 舌を尖らせ、中に進入させる。空いた手で、皮の上からクリトリスと思われる場所に振動を加える。
「は、はぁぁぁん!い、いいです、斉藤さん!!」
 トロトロした愛液が置くから奥から溢れ出す。
 一旦口を離し、クリトリスを剥く。
「はぁん!」
 剥かれた衝撃か、和美は一際大きな声を上げた。
 俺は剥いたクリトリスを舐め上げる。
「はくぅぅぅん!はひぃぃぃん!!」
 クリトリスから口を離したときには、口の周りが愛液でべとべとになってしまっていた。
 和美は腰を浮かせ、前後にグラインドさせて更なる刺激を求めている。
 俺は一回イかせてから味わおうと、二本の指を捻じ込ませた。
「はうぅぅぅ!!あぅん!」
 膣の内壁を掻き回し、空いた一方の手でクリトリスに振動を与える。
「はぁん!ぁん!あん!」
 和美は腰を浮かせ、愛液を飛び散らせている。
「ダ、ダメ、イいっちゃうぅぅぅぅ!」
 和美は弓なりに体を反らせ、果てる。
 俺は愛液でべとべとになった指を舐める。しょっぱい味が口内に広がる。
「奥さん、もう十分に解れましたし、最後のエクササイズと行きましょう」
「あっ…」
 女を犯そうと硬さを取り戻した怒張が、開いた陰唇に当てられると、和美は小さな声を上げた。
「行きますよ。準備はいいですか?最後はとても、気持ちいいですよ」
「は、はい…来て…下さい…」
 くちゅ…じゅぼぉぉぉぉ!
「はっ、くぅぅぅん!!」
「お、おぉぉぉぉ!!」
 正常位の体勢で和美を犯す。
 和美の内壁は俺の怒張を愛撫するかのように蠢いている。
 これが名器というやつなのだろうか?貫いた余韻に浸ってじっとしているだけで搾り取られそうな感触だ。
 俺は慌てて腰を動かす。
 こんなのを目の前に相手をしないなんて、ここの旦那は馬鹿だな。
「お、おぉぉ、い、いいぞぉ…」
「はぁん!ぁん!もっと、もっと突いて突いてぇぇ!!」
 和美は俺に合わせて腰を動かし、より奥へと刺激を求める。
「そう!そうやって腰をもっと動かして!!」
「は、はぃ!!」
 和美が疲れるたびに、大きく上下に揺れる胸。俺はその胸に手を伸ばす。
「はぁん!さ、さいとぉさぁん!いぃ!すごくいぃです!!」
 体勢を変え、バックから突く。
 ぱんぱんぱんと肉と肉がぶつかる音と、湿った音が共鳴する。
「はぁぁん!お、奥まで!奥まで届いてるぅ!」
 夢心地のような時間。だがそれもやがて限界を迎える。
 欲望の塊が怒張の先へ先へと溜まってゆく。
「和美!イくぞ!イくぞ!膣にぶちまけてやるからな!!」
「はぁぁん!!キてキてキてぇぇぇぇ!!」
「うぉぉぉぉぉ!!」
「は、っくぅぅぅん!!」
 俺は怒張を一番深くまで差し込み、精液を全て子宮に流し込む。
 俺の射精と共に和美も果てる。
 どくどくと、最後の一滴まで子宮に流し込み、俺は和美から離れる。
 和美の陰唇から、どろりとした精液がこぼれだしていた。
 俺は疲れた和美の前に回りこむ。
「さあ、終わったら、使った道具は綺麗にしてください。口で綺麗にするんですよ」
「はぁい…」
 和美は何とか上体を起こし、硬さを失ったイチモツへ、舌を這わせた。
 ぴちゃ、ぴちゃと事後処理の音が小さく聞こえる。
「さて、後始末をしながら聞いてください。これが一つのセットになっていて、月曜から金曜まで、一月間毎日行います。一日2万円で、一月セットだと、30万円。それを今はサービス期間として、5万円のキャッシュバックがつきます」
 俺は適当な値段を並べる。高額な金額を聞いた和美は迷い始めた。
 深層心理に植えつけられた不安と恐怖。しかしそれを取り払うには少々高額すぎる金額だ。
「ちょっと高いですか?」
「はむぅ…ちゅば…はい…ちょっと、さすがに…」
 そこで俺は一つ提案をする。
「それでは、こういうのはどうですか?奥さんが一月間体験するコースをビデオで撮影する。これは他のお客様に、私たちの商品を紹介するためのプローモーションビデオです。こちらに出演していただければ、代金は3万円までお値引きできます」
「3万円?たったの?」
 これには和美も驚きの声を上げた。そりゃそうだ。最初の提示学の10分の1の金額だ。
「顔を出すのが嫌かもしれませんが、商品を紹介する方にしかお見せしませんし、奥様を見てこの素晴らしい体験をしていただける方が増えるかもしれませんよ」
「どう…しましょうか…」
 まだ悩む和美。もう一息だ。
 俺は和美に覆いかぶさり、背中越しに胸を揉む。
「あぁん…」
「バストアップのサービスしますから。たった三万円で、この張りのあるお肌も維持できるんですよ?」
「…そう…ですね。それじゃあ、契約します」
「よし、それじゃあ契約ですね」
 俺はシェイビングクリームと安全剃刀、そしてビデオを用意する。
「それは?」
「契約書は、マン拓で印をしてもらいますから、これから下の毛の処理ですね。毛の処理から印を押すまで一部始終は、ビデオに撮影させていただきます。契約したという証明のためにね」
 手書きの契約書には、契約期間内は俺の求めに応じること、俺の許可がない限り契約期間中男との性交は禁止などが書かれている。
 和美はその契約内容を快諾し、陰毛を剃り、マン拓で契約書に印をした。
 そしてその光景は、ビデオカメラに鮮明に録画された。

 契約後一月間、俺は旦那のいない昼間に和美を犯し続けた。
 その様子はビデオに全て録画され、そのビデオを売って、俺は生活の糧にしている。
 和美との契約期間を終えた俺は、再び獲物を探し歩いていた。
 そんなある日、俺は街中で声を掛けられた。声の主は和美だった。
「お久し振りです、斉藤さん」
「ああ、奥さん」
 視線を和美のお腹に目をやる。
 目立つぐらいに大きくなったお腹。
「お子さんですか?」
「ええ、あの後すぐに」
 和美はにこりと笑う。
 和美は旦那との間の子供と信じているが、当然そんなはずはない。
 俺はすぐに和美と別れ、再び獲物を探し始めた。

< 終 >

1件のコメント

  1. U馬さんの作品はみんな好きなんですが、なかでもこのサラリーマンは短編ですっきりとしていて無駄がなくオチまでが完成されている作品だと思います。
    大変刺激を受けました。
    自分もこんな作品を書いてみたいと思う秀作です。

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