後編
翌朝、いつも通り定時一分前に登校した俺。廊下から教室の様子を眺める。
鈴は…、何やら眠そうで、目が心持ち充血している感じだった。
教室に入ると、鈴は一瞬こちらを見るなり、ハッとしたように目をそらした。
席に向かうついでに耳元で囁いてやる。
「放課後、教室で待ってろよ」
びくり、と身をすくめ、真っ赤な顔を背ける鈴を無視して、俺は席に着いた。
ちょうど先生が入ってきて(悲しいかな、男だ)ホームルームとなる。
「安藤」
「はい」
「乾」
「へーい」
…などと生返事を返しつつ、魔術、そして今後の方針について考える。
発情は、「えむしぃ魔術」の中では最も簡単な部類に属するらしい。
人間の、それも根本的な原理の一たる性欲を増大させることは比較的易しいとか。
次に覚えられそうなのが、単なる「機能停止」としての人形化の呪文。
コレはあまり俺の趣味ではないが、昨日のような出来事の対策に最適だ。
難易度的には、ジャンル分けすれば、発情<人形化<肉体操作<記憶操作<認識操作<人格操作<完全洗脳となる。
まあ、「様々な」シチュエーションでヤることが目的な以上、多人数への認識操作までを覚えれば十分なのだが。
何にしろ、今は慎重に動くべきだ。昨日逃げたのも間違いじゃない…はず。リスクが高すぎるのだ。
…考えたくもないが、術者の俺にかかっている対象補正を考えれば、性別に関わらず俺が襲われていただろう…。
思わず括約筋に力がこもる。ぶるぶる。
そして放課後。掃除を終えて(いや、サボって散歩してたが)図書室に入る。
とりあえず人気がなくなるであろう五時ごろまで時間をつぶすことにしたのだ。
「…誰もいないなぁ…」
ちょっと逡巡して、数学者と画家と音楽家の名前をつなげただけの本を手に取る。やっぱ分厚いな。
アキレスと亀がぶつくさやってる脇で水が下から上に流れていたりする本だ。けっこう面白い。
そうしてしばし、読書にふけっていると…。
「…何をお読みになっているのですか?」
「んっ」
顔を上げるとそこにいたのは…メガネさん。
「あ、読書中申し訳ありませんでした…。図書委員長の田宮由紀子です」
…ぺこりと頭を下げる仕草が可愛らしい。
セミロングのやわらかな髪と、ごく立派な、しかし決していやらしくない巨乳が印象的だ。
「ああ、いいよいよ。別にそう熱心に読んでたわけじゃないし」
「すみません…。今日は当番も私だけで、ちょっと寂しくて…」
本当に申し訳なさそうに謝る。
「ううん、いいんだって。それより、これ?
これはね、人工知能について扱った本だよ。やっぱり知らないかな」
「お恥ずかしながら、そういった本はあまり読んだことがなくて…。
面白いのでしたら、今度読ませていただきますね」
にっこりと笑う姿が、可憐な花を思わせる少女だった。
教室に戻る。扉を開けて中に入ると…誰もいない?
「うわっ」
不意に後ろから誰かにしがみつかれた。
「……」
「胸、デカいな」
「……ッ!!」
ガバッと身を翻す。…やっぱり鈴か。
ふんっ、と赤く染まった顔を背け、ついて来い、と言わんばかりに鈴は教室をゆっくりと出て行く。
こちらも無言で後を追う。行き先は…。
「ここは…?」
旧校舎二階の中程の部屋。周囲に人気は感じられない。
「…文芸部の部室よ」
たたずむ鈴はポツリ、とつぶやいた。
「あれ?…文芸部なんて、あったっけ」
「…一応部長なのよっ!…私一人だけど。だ、だから、す、するならここで…」
…もじもじとしている鈴を見ていると、どうにも嗜虐心がうずく。
「今日はやけに積極的なんだな」
そう言われて、ぎゅっと目を閉じ、握りこぶしを作る鈴。
吐き出すように、ぽつりぽつりと話していく。
「…私、アンタのこと、す、す、…好きみたいなの。
アンタのそばにいると、身体がすごく火照るの。昨日、あの後も…ずっと身体が疼いて…疼いて」
あ、そういえば弱にしたまま放置したんだっけ。
「ふーん、それで、何回オナニーしたんだ?」
露骨な言葉にさっと頬を染める鈴。
「そ、そんなことしてなんかっ」
「正直に」
「……七回」
ニヤニヤと優越感に浸りながら、いきなり鈴の胸を掴む。
「ぁんっ!」
まったく、もう出来上がってるじゃないか。
「スウリギルヴェ…ロマッ…{強}」
そのまま鈴を引き寄せ、背後からセーラー服に包まれた胸を揉みしだく。
「ぁふっ!んぅぅっ…!」
おお、さっきも思ったがなかなかの大きさ。
…とりあえず手近な椅子に座る。
「ほら、膝の上に乗れよ」
ぽんぽんと膝を叩くと、鈴は吸い寄せられるように倒れこみ、俺に背中を預ける。
セーラー服の中に手を突っ込んでブラをたくし上げ、下から持ち上げるように揉んでいくと、面白いように鈴は嬌声を上げた。
「はぅっ…!んぁっ…!」
「乳首がしこってるぞ。やらしいなあ鈴は」
ぴん、と左の乳首を弾く。
「あぁんっ!」
ビクッと震えた隙に、右手をスカートの中に持っていく。
「おいおい、こんなに濡らしてんじゃねーか」
無遠慮にショーツの中に手を突っ込み、濡れそぼる秘所をひっかき回す。
「あっ、ダメ…んぁっ!あふぅっ!はぁんっ!」
クリトリスをこねくり回す。
「あふぁ…あぁっ…!はぅっ!ぁんっ!」
「どうした?これだけでもうイキそうか?」
胸をぎゅっと掴む。
「やぁんっ!イ…イクっ!イっちゃうっ!」
…簡単にイかれちゃ面白くない。ぱっと手を離した。
「あんっ!はんっ!…んぅ…っ?」
イく寸前で止められ、物足りなそうにする鈴。
「ん、じゃ次はお前の番だな」
尻をぽん、と叩いて膝の上から立ちあがらせる…が、へなへなと崩れ落ちた鈴。
「おいおい、大丈夫か?…ほら、咥えてみろよ」
学生ズボンを下ろし、ナニを露出させる。
鈴は、ひざまずくような体勢に抵抗を感じている様子だったが、発情している以上、肉棒の魅力には勝てない。
「ん…んぅ…ほ、ほぅ?」
パクリ、と口に含み、舌で舐めだした。
「そう。噛むんじゃないぞ」
ぺたんと座りこみ、夢見るような顔でナニを頬張る鈴。実に煽情的だ。
「んっ…はむっ…ぬちゅっ…むぬ…」
…うーん、やっぱりあまり上手くない。まあ、当然か。
とりあえずこっちも思いっきり臨戦態勢だし、このぐらいにしといてやるか。
「よーし、まあいいや。ほら、立って」
ぐいっと強引に立たせ、今度は対面するように膝の上にまたがせる。
「自分で入れてみろ」
鈴ももう我慢できないのだろう。俺のナニを握って自分の股に当て、自ら腰を沈めた。
…っ!キツいっ!
「んはぁぁぁっ!んぅっ!」
根元まで入りきると、鮮血が滴り落ちた。
…痛みなんて感覚は今の鈴にはないだろうが。
「…動くぞ」
鈴の腰を掴み、ゆっくりとピストン運動を始める。
「はんっ!はんっ!ぁんっ!ぁんっ!」
ビクビクと鈴の中は痙攣しっ放しだ。絶頂に達しつづけているのか。
片手で胸も揉みつつ、遠慮なく腰を動かして行く。
「あっ!あああぁんっ!きもちいいっ!きもちいいよっ!」
…まずい。…鈴の中は想像以上にキツく、俺の方ももう限界だ。
「鈴っ!出すぞっ!」
「やっ!ひぅっ!んっ!ああぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」」
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
ぐったりとしている鈴を尻目に、後始末をする俺。
…よいしょ、ティッシュを捨てておしまいかな。
お、目が覚めたか。…こっちを真剣な眼差しで見据えてくる。
「深夜…」
「ん?」
「私のこと、好き?」
…なんだ、そんなことか。
「ああ、好きだぜ」
はっと目を見開く鈴。
「…よかった…」
…だがさて、そんな鈴に一つ言っておかねばならない。
当面の足がかりとして、鈴を活用するために。
「…ところでな、俺は魔法を覚えたんだ」
「……え?」
理解不能、と言った顔でこちらを見る鈴。
「人を操る魔法。今はまだ発情させることしかできないけどな。
…昨日からお前に使ってた」
「…何…それ…私を…操って…?」
「契約でな、こうしてヤラなきゃ俺が殺されることになってる」
真顔を作る。
「安心しろよ。…鈴のこと、ホントに好きだから」
斜陽の下、真摯な言葉と共に鈴を抱きしめた。…こういうのは演出だ。
「……」
「ウソじゃない。お前の心の中までは操ってないし、操れないよ。
…お前が欲しかったんだ」
「…バカ…」
ぎゅっと、鈴も俺にしがみついた。
「…呆れた。そんなことしたら怒られるのも当たり前よ」
「うーん、そうだよなぁ…」
「全く、しょうがないわね。…腹だたしいけど、協力してあげる。
…明日からゴールデンウィークだし、休み中、家に誰か呼んであげるから」
「すまん鈴、サンキュ」
「ふんっ、その三ヶ月とやらが終わるまでだからね」
「…………」
そんな俺たちの帰る姿を見つめる一つの影があったことを、まだ、この時の俺は知らない…。
< 智に働けば角が立ち、情に掉させば流される。乾深夜の淫靡な日々は、まだまだ…続く? >
今後の方針について、簡単に注意点を。
※非エロ話はありません
※バトルはありません
※寝取られなどの鬱展開はありません
※多人数でのHも大いにありますが、主人公以外の男を絡ませることはありません
※非処女及び年上の登場については未定です
以上をご了承の上、今後もご愛読下さると幸いです。ありがとうございました。