誰が為に銃声は鳴る エピソード2「紺碧の女神」(後編)

エピソード 2 「紺碧の女神」(後編)

第2章

 ―――――町に帰りつくのもやっとだった。
 なるべくゆっくり歩くようにしたが大した効果は上がらなかった。何度達したかももう分からない。
 クリスはふらふらになりながらようやく保安官事務所に辿り着く。ベッドに身を投げ出すがその時にも胸やアソコが擦れ軽くイッてしまう。
「ああぁぁっん!」
 そして自分の声が出した振動によって、口の中も甘くびりびりと痺れる。まるで口内がヴァギナ、舌がクリトリスになったようだ。
(が、我慢、我慢するのよ。あんな奴の思う通りになってたまるもんですか)
 クリスは無理矢理眠ろうとする。疲れから眠気はすぐに襲って来たが、一時間もしない内に夢を見て目覚める。
 夢は必ず淫夢だった。逞しい肉棒をアソコに突っ込まれ、激しくイかされる。節くれだった男の大きな指がクリスの豊満な胸に深く埋められ、荒々しい愛撫を繰り返す。

 そのたびにクリスは嬌声を上げて飛び起き、ぐっしょりと湿った下着を取り替えねばならなかった。
 少しまどろんでは淫夢で起こされ、下着を換える。そんな事を繰り返している内にいつのまにか朝が訪れていた。
 ほとんど寝た気がしない。クリスはぼうっとした頭でなんとか目を覚まそうとブラックコーヒーを淹れ一口飲みショックを受ける。

「んんっ、あぁっ、・・・そんな・・・・」
 思わず泣きそうな声をだす。コーヒーは美味しくなかった。いや、味がどうのと言う以前に口に入った時点でそれはクリスにとって快感を与えてくれるものに変化していた。
 流し込まれた液体は口の中を蹂躙し、熱ささえも心地よい刺激に感じられる。
 パンを食べてみたが、結果はより悪かった。水より長く口の中に残り、咀嚼しなければならない分だけ得られる快楽も大きい。普段は全く気にならないくちゃくちゃという咀嚼音が今のクリスにはとても淫靡に感じられ、口内ではアソコを掻き回されクリトリスを弄ばれているような感覚を覚える。
「あっ、ああっ、んくぅっ、あはあぁぁん・・・」
 食事をしているとはとても思えない、淫らな声をあげながらクリスは絶頂を迎えるのだった。

 排泄も地獄だった。高潔でどちらかといえば潔癖なクリスにとって尻の穴で快感を感じることなどあってはならない事だった。しかしそのあってはならない事が起こっている。
「ああぁん!んああぁぁぁっ!・・・・はぁああぁ・・・・」
(お尻・・・お尻がこんなに気持ちいいなんて・・・・)
 がくがくと身を震わせながら、クリスは自分に助手がいなかった事に見当違いの感謝をしていた。

 何をしていても常に体全体から押し寄せてくるような甘い刺激がクリスを襲う。ちょっと服が擦れただけでも激しい快感を覚えてしまう。
 いつしかクリスはジュリアスの、かつての恋人の机の角に股間を擦り付けオナニーをしていた。
 いつもピカピカに磨いていた机の角に、彼女の秘所から漏れ出した液で作られた淫靡な染みが広がっていく。
(あぁっ、ご免なさい、ジュリアス。・・・でも、あっ、気持ちよくてぇ、あんっ、腰が止められないのっ、ご免、なっ、さっ、ああぁっ!)
 彼女は必死に恋人の顔を思い出そうとする。これは恋人が恋しくてやっている事だ。そんな言い訳で自分を誤魔化そうとする。
 しかし、頭に浮かぶのは何故かレックスの事ばかりだった。
(だっ、ダメよっ、あんな奴の、事なんかっ、考えっ、あっ、かんがえぇ、ああぁっ、ああああっ、イクっイクぅぅぅぅっっっ!!)
 恋人の仇の顔を思い出しながら深い絶頂に達したクリスだが、その顔は安らかな満足感に包まれていた。

「―――――でね、そいつが言う訳よ。お前、タイガー・リリィだろうって。失礼しちゃうよね、タイガーとリンクスじゃ全然違うっての。しかも名前も間違ってるし」
 椅子の背もたれの部分を前してに座りながら、レミィは可愛らしい顔をぷぅっと膨らませる。クリスと他愛無いお喋りをする為に保安官事務所に遊びに来たのだ。
「ふふっ、そうね」
 クリスは柔らかく微笑みながらも、自らの体を襲う快楽と戦っていた。感じている素振りを〝禁止〟された為人前では多少中和されているが、それでも体の奥底から響いてくる甘い疼きは収まる事は無い。
(ああっ!お願い、気づいてレミィ。、私の体、レックスに変にされてるのっ!)
 叫べるものなら叫んでいただろう。しかし魔弾の効果はそれを許さない。クリスは自分の見通しが甘かった事を思い知らされていた。
 町に戻れば何らかの対策を立てられるかもしれない。・・・そう考えていたのだが、実際には対策どころの話ではなかった。
「あー、楽しかった。仕事の邪魔しちゃ悪いし、そろそろ帰るね。じゃあまたね、クリス」
(待って!お願い!行かないでレミィ!・・・このままじゃ私おかしくなっちゃうっ、お願い、助けてっ!)
 クリスの必死の心の叫びも空しくレミィは帰ってしまう。そしてその姿が見えなくなった時、今まで押さえつけられていた性感が反動で一気に噴き出し、彼女は何度も何度も絶頂を迎えてしまうのだった。

 ―――――それから数日が過ぎた。
 日常生活の全ての行動が考えられない程の快楽に変わる。食事も排泄も、そして睡眠も・・・・・。
 淫夢は相変わらず続いていた。・・・そしてその相手は必ずレックスだった。
 彼の荒々しい手が胸を鷲掴み、しとどに濡れた秘所に大きく屹立した陰茎を挿入してくる。それだけでクリスは望外の幸せと喜びを感じる。
 彼の舌を求め、キスをして貰うたびにクリスは自分がどんどん生まれ変わっていくような気分を味わう。
 最近、ジュリアスの事を思い出す事はほとんど無くなっていたが、欲情に濁った彼女の心には大した問題とは感じられなかった。
「レックス・・・」
 その名を口にすると胸がじんわり温かくなる。そして彼が言っていた言葉を思い出し、口にしてみる。
「く・・くち・・マンコ・・・」
 口に出すと羞恥と背徳感で頭がぼうっとする。しかしそれは決して悪い感情では無かった。
(そ、そうよ、ただ気持ちよくなるだけなんだから、別に悪い事じゃないわ。なにか酷い事されてる訳じゃないし・・・)
 そう考えると一気に気持ちが楽になった。
 自分の中で適当な理由をでっち上げ、クリスはついに快感を受け入れてしまう。
「・・・ああぁん、レックスぅ、くちぃっ、クリスの口マンコもっとぺろぺろしてぇっ、ゆびつっこんで、ぐりぐりって思い切りかきまわしてぇっ!、だめぇ、もうだめなのぉっ!」
 それが夢なのか起きていながらの妄想なのかも分からないまま、クリスは悶え続けるのだった。

「バカ息子が家の金盗んで飛び出しちまったんだよ。保安官なんとか探してやっちゃくれないかねぇ?」
 中年の婦人の訴えを調書に取りながら、クリスは全然別の事を考えていた。
(オナニー、早く調書取り終えてオナニーしないと気が狂いそう!)
 婦人を言いくるめなんとか早く追い返し、扉に外出中の札を立てると、クリスは躊躇無く昼間の保安官事務所で自慰を始める。
 もう一日に何回自慰をしているのかクリス自身にも分からなかった。
 オナニーのしすぎでアソコが痛くなってくると、お尻の穴を、そうでなければ口の中、乳房。クリスは体中どこでもイク事が出来た。
 もうお尻の穴に対する忌避感も無い。
 食事はよく噛んでゆっくりと味わう。・・・その方がより強く快感を持続出来るのだから当然の事だった。
 当然、仕事は滞り勝ちになったが、そんな事どうでもいい。今は快楽を、より一層の快楽を得る事が重要だった。
 しかし何かが足りない。最近特に強く思う。
 ふと考える。
 淫夢に出て来るレックスのチンポ・・・・あれに実際に貫かれたどんなに素晴らしい気分だろう。
 クリスは何か大事な事を思い出した時のような表情をしてうっとりと微笑むのだった。

「なんかクリスってさぁ、最近色っぽいよね」
 レミィが軽い調子で尋ねてくる。
「うふふ、そうかしら?」
 奥ゆかしいクリスはてっきり否定してくるものだと思って、それをからかう用意までしていたレミィは妖艶な瞳に真っ直ぐ見つめかえされ、思わずドギマギしてしまう。
「う、うん、前から色っぽいのは色っぽかったけどさ、最近なんか特に・・・あ!もしかして好きな人が出来たとか?」
 男女問題とか色恋沙汰などには滅法疎いレミィだが、さすがに今のクリスの匂いたつような牝のフェロモンは感じ取る事が出来た。
 そしてレミィはクリスにもし好きな人が出来たら全力で応援するつもりだった。
 クリスが助手を雇わないのは、ジュリアスとの思い出を忘れられない為だという事を知っていたからだ。
(私も人の事は言えないし、こんな事言ったらジュリアスに悪いけど、死んだ人をいつまでも思い続けてそれでクリスが幸せになれないのはなんか違う気がする)
 そう思ってレミィは言う。
「ねぇ、どんな人なの?今度紹介してよ。あたし応援するからさ!・・・クリスの選んだ人に間違いなんてあるはず無いし」
 
「そうね、まだ分からないけど・・・紹介出来る時が来たら紹介するわ」
「ええ~~、何それ~」
 レミィは不服そうだったが、クリスは別の感想を持っていた。
(レミィ、あなたは私がレックスの事が好きって言ったら一体どんな顔をするのかしらね・・・・・。でもこの気持ちはもうどうしようもないの。ご免なさい、レミィ)
 そしてクリスの思考は霞がかかったように淫猥な方向へ流れていく。
(レックスは私にいろんな事を教えてくれたわ。初心なあなたは知らないでしょうけど、お尻の穴ってとっても気持ちいいのよ。指を三本位入れてくりくりって動かすと、気持ちよすぎてすぐイッちゃうの。しばらく起き上がれないくらいよ。・・・それに今、私は口の中をオマンコみたいにして貰ってるの。食事してるだけでイけるなんて、素敵な事だと思わない?)

 レミィが帰ったその日の夜、ついにクリスはレックスの所に向かった。一人馬を駆りオークランド牧場を目指す。馬には横向きに座る。そうでないとせっかくの服が破れてしまうから・・・。

 乗馬の振動で何度も達しながら、ようやくオークランド牧場に着く。
 牧場には鬚ヅラの大男が見張りをしていた。クリスの姿を認めると、心得ていたように牧場のかつての経営者の邸宅に顎をしゃくる。
 近くに寄ってみると、邸宅の一室がランプの灯りでぼんやりと光っているのが見えた。
 軋む扉を開けて中に入るとインディアンの少女が蝋燭を持って立っていた。・・・・・確かユーナとか言ったかしら。クリスは考える。
 少女は怒りとも悲しみともつかない表情を浮かべ、無言で屋敷の奥へ歩き出す。
 クリスも黙ってその後に着いていったが、廊下のあまりの埃っぽさに思わず咳き込んでしまう。
 廊下の一番奥、勝手口に近い扉の前で少女は立ち止まり、クリスを見る。そこからはもう表情を読み取る事は出来ない。
 クリスが静かに扉を開けるとそこに彼女が心から会いたかった男が待っていた。

 この部屋は比較的掃除が行き届いていた。
 部屋の中に粗末なベッドがあり、そこにレックスが腰掛けている。
 クリスの姿を認めると唇の端を吊り上げ皮肉げな微笑をつくって言う。
「そんな格好で来たって事は、やっぱり遊びに来たみてぇだな」
 そう言われるのも無理は無い。クリスは黒のナイトドレスに薄手の外套を羽織っただけの姿だった。
 透き通るような白い肌に黒のナイトドレスがよく映える。胸元は大きく開き彼女の豊満な胸を殊更に強調していた。
「・・・そういう事になってしまったみたいね」
 本当は今すぐ飛びついて、きつく抱きしめて欲しかった。レックスの姿を見ただけで、イきそうなのだ。
 しかし、クリスは自分の中の最後のプライドにすがり、精一杯の虚勢を張る。

「俺は別に無理にとは言わないぜ?遊びたかったらユーナにでも遊んで貰いな」
 その言葉にクリスは驚愕し、胸が締め付けられる。
(ど、どうして?彼が私をこんな風にしたのは私を抱く為じゃないの?)
「わ、私を抱くんじゃないの?」
 焦りから思わず心の声をそのまま口に出してしまう。
「無理にとは言わねぇって言ったぜ?二度言わせるなよ・・・・・三度目はねぇぜ」
 レックスの瞳が冷たく光る。・・・その瞬間クリスは全てを理解した。

(・・・・そうね、勘違いしてたわ。・・・・・彼が私を抱きたいんじゃない、私が彼に抱かれたいのよ)
 もうプライドなど無い。一秒でも早くレックスに抱かれたい、今クリスはその事にしか興味が無かった。
「失礼しました・・・・。もし良かったら私を抱いて頂けませんか?」
「ジュリアスのクソ野郎の事はいいのかよ?」
「彼の事はもう過去の思い出です。今、私が一番大切なのはあなたです・・・」
 熱っぽく潤んだ瞳で自分を見上げてくるクリスに満足したように、レックスはいきなり彼女の口をキスで塞ぐ。

「~~~~!!んぅっ、あはぁっ!」
 レックスの舌がクリスの唇をこじ開け、その口内を蹂躙する。それだけでクリスは激しく体を震わせながら絶頂に達してしまう。
 唾液のやり取りをし、舌を絡ませ合う。レックスが唾液の糸を引きながら口を離した時、クリスは腰から崩れ落ち立てない有様だった。
「気持ちいいか?クリス」
 やわやわとクリスの胸を揉み首筋に舌を這わせながらレックスが囁く。
「あっ凄く、凄く気持ちいいですっ、ああっ」
「何でそんなに感じると思う?」
「ああぁん、あなたにぃ、体を作り変えて貰ったのとぉっ、はぁっ、あなたが好きだからですうぅっっ!」
 体をわななかせながら、クリスは答える。
(そうよ、レックスの事が好きだからこんなに気持ちいいんだわ。好きじゃない人に触られてもこんなに感じる筈ないもの)
 混濁した思考はそれこそが正しい事のようにクリスを捻じ曲げていく。

「お前処女じゃねぇよな?」
「あっ、すっ、すみません!あ、あの、あなたにもっと早く出会っていれば・・・・」
 処女じゃなかったら抱いて貰えないのだろうか。
 クリスは恐怖におののく。この状態でほって置かれたら自分は気が狂ってしまう・・・。
 
「別に構わないぜ。俺はそういうのは気にしねぇんだ」
 心からほっとするクリスにレックスは続ける。
「ただせっかく俺の女になるんだ、最初位は初めての場所を使ってやる。・・・ケツの穴だ。文句はねぇよな?」
 何だそんな事か。クリスは安堵する。もちろん使って貰えるならどこの穴だって構わない。
 それどころか初めての場所を好きな人に使って貰えるなんて、なんて幸せなんだろう。
「はい、クリスのお尻の穴、可愛がってください・・・」
「おしりのあな、じゃねぇ、ケツマンコだ。・・・・分かったら俺によく見えるようにケツを開いて高く上げろ」
「あっ、ご免なさい、ケツマンコです!私のケツマンコどうかよくご覧になって下さいっ!」
 クリスは尻をレックスの方に向けると、両手で尻肉を左右に引っ張りながら出来るだけ高く掲げる。
 既に秘所はお漏らしでもしたように蜜を膝まで滴らせ、肛門は何かを待ちわびるようにヒクヒクと淫靡に蠢いている。
 レックスに見られている事の興奮で秘裂からさらなる愛液が溢れる。
(はぁああぁん、もうだめぇ、見られてるだけでイきそうっ)
 堪え切れない衝動とともにクリスは叫ぶ。
 
「お願いしますっ。わっ、私のケツマンコ使って下さいっ!いっぱい気持ちよく、あっ、して下さいぃ!!」
 絶叫と同時にレックスは剛直を肛門に突き入れる。
 クリスは自分の意識が一瞬で別世界へ飛んで行ってしまったような気がした。
「んああっあっ、あひぃぃっ、ああぁっ、はあっ!」
 一突きごとにクリスはイっていた。レックスが腰を突き出し、入れた陰茎を引き抜く。
 そのずるずるとした感触は指やありあわせの棒などとは比べ物にならない。
(あぁっ、しあわせぇっ、きもちいいっ、すごく、きもちいいのっ・・・気持ちいい・・・・きもちいい・・・・キモチイイ・・・・・・・)
 クリスは頭が真っ白のなっていくような恍惚感を感じていた。
(・・・私、このまま死んでもいい・・・・)
 本気でそう考えていたクリスをレックスの言葉が少しだけ現実に引き戻す。

「どうだ?あのクソ野郎と俺のチンポどっちがいい?」
「あっ、もちろんっ、あなたの方がっ、んっ、何百倍もっ、あぁんっ、きもちっ、いひですぅっ!はあぁっ、あっ、比べ物になんかっ、なりませんんっ、あああぁぁっっ!」
 絶頂を繰り返しながら欲情に蕩けきった声音で必死に答える。
(本当にどうしてもっと早く彼に抱かれなかったのかしら。死んだ人にいつまでも操を立ててもっと大好きな人を恨んでたなんて・・・・バカみたいだわ・・・・)
 クリスの答えに満足したようにレックスは腰のストロークを速める。
「ああぁっ、あひぃっ、ああっ、あっ、んあっ」
「出すぞ。俺の愛を腹一杯受け取ってくれよ」
「あはぁ、出してぇ、レックスの・・・・レックス様の愛、たくさん出してくださいぃ!」

 びゅるるっ、どくぅっ、どくっ

「あはああぁぁぁぁぁん!!・・・・・はあぁ・・・」
 肛門に大量の精液が流し込まれた瞬間、クリスは今までで一番の深い絶頂を味わう。
 その快感は余りに強すぎて、もうこの世界には帰っては来れないのではないかと彼女に思わせる程だ。
 そしてその射精でクリスは自分がやっと身も心もレックスの物になった事を感じ、幸せに涙するのだった。
(嬉しい・・・・。レックス様・・・私はあなたを心から愛しています・・・・・)

 レックスは自分に背を向けて腰を抜かし、まだヒクヒクと痙攣している美人保安官を興味なさそうに見つめると、脱ぎ散らかしてあったガンベルトから魔弾の銃を取り出す。
「魔弾№.6<洗脳>」
 そして意識朦朧としているクリスの後頭部に弾丸を躊躇無く撃ち込むと、自分にとって都合の良い暗示を与えていくのだった・・・・・。 

エピローグ

「・・・ここで、ですか?」
「嫌なのか?」
「いいえ、私はご主人様の忠実な牝奴隷です。ご主人様の命令なら、どんな事でも喜んで従いますわ」
 クリスは陶然とした微笑みをレックスに向けると、保安官事務所のかつて自分の恋人だった男の机に登り、大きく股を広げてしゃがむ。
 ズボンはおろか下着も着けておらず、濡れた秘所が愛液で濡れててらてらと光っているのがよく見える。
 クリスはそれを全く隠そうともせず、レックスにもう一度媚びた微笑みを向けると宣言する。
 
「それではご主人様、クリスがいやらしくオシッコする姿ご覧になって下さいね」
 そう言うと下半身に力を込める。
「ん・・・んぅ・・・・」

 シャアアァァァァァァ・・・・・・・

 ややあってクリスの秘裂から黄金色の液体が勢いよく流れ出した。
 それはかつての恋人の机に染みを作りながらどんどん広がり、端からこぼれ落ちると床にぴちゃぴちゃと淫靡な水音を響かせる。
 その音に興奮したのかそれともレックスに見られているからか、彼女の顔は淫欲に染まり小さな喘ぎ声を漏らしている。

 クリスは腰を何度か振り水気を切ると、心配げにレックスに尋ねる。
「ご満足頂けましたか?ご主人様」
「ああ、まあまあの見世物だったぜ。・・・・褒美が欲しいか?」
「あぁっ、ありがとうございますっ。クリスにご褒美下さいませっ」

 机から降りると出来るだけ扇情的に上着のボタンを外し、口でレックスのジーンズのチャックを器用に開け、愛するご主人様の分身を取り出す。
「それではクリスの淫乱なオッパイとお口で、たくさんご奉仕させて頂きますわ」
 とろんとした瞳でレックスの一物をその豊満な胸に挟み込む。
 <発情>の魔弾は解除されていたが、クリスの体は一度覚えこまされた快楽を忘れる事は無かった。
 今もレックスのモノを挟んだだけで体から汗が噴き出し、心は喜びに震える。
「あっ、凄いっ、んっ、ああぁっ、クリスのっ、オッパイっ、凄く、きもちっ、いひですぅっ!」
 口からは自然に悦びの声が溢れ出す。

 出来る限り全身を使い胸を上下にグラインドさせながら、窮屈そうに谷間の先端から顔を出している亀頭をいとおしげにチロチロと舐めていく。
(ああっ、ご主人様にご奉仕するのって何て気持ちいいのかしら。・・・・・ジュリアスどこかで見ているかしら?今、私はあなたよりもっともっと大切なご主人様にご奉仕出来るのが嬉しくてしょうがないの。天国かどこかで私の幸せを見守っていてね)
 滑りを良くする為に涎をたらし、自分で押さえた左右の胸でレックスの陰茎を擦り上げながらクリスはそんな事を考えていた。

 ビンビンに硬く尖った乳首がお互いに擦れ合うとクリスの秘裂からは愛液がとめども無く溢れ出す。
「はああぁっ、あんっ、ああぁぁん」
 既にクリスはイきそうだったがご主人様より早くイくわけにはいかない。必死に耐える彼女にレックスが告げる。
「そろそろ出してやる、有難くいただけよ?」
「はっ、はいぃっ、クリスの口マンコに、いっぱい精液出して下さいっ」

 どくっ、どぴゅうっっ、どくぅぅっ

 クリスは大量の精液を飲み下しながら、天にも昇るような絶頂と満足感を味わっていた。
 なぜなら魔弾の力によってクリスの好物はレックスの精液になっていたからだ。
(んっ、あぁぁん、ご主人様の精液ってやっぱり最高だわ・・・・・・これに比べたらコーヒーなんて泥水ね・・・・)

 
 尿道に残った自分の大好物を一心不乱に吸い出しているクリスにレックスは語る。
「・・・オークランドで鬚のデカブツを見ただろ?ちょいと洗脳して部下にしてんだが、ま、いなくなっても構わねぇ野郎だ。・・・・あいつにちょっとした暗示いれてお前の町に送りこむ」
 クリスは黙って聞いていた。
「お前はそれをレミィに捕まえさせろ。その後保安官事務所にのこのこ来やがった所を待ち伏せる。・・・・お前の役目はレミィがおかしな行動をとろうとしたら全力で阻止する事だ」
 聞き終えたクリスはにっこりと微笑む。
「畏まりました。ご主人様の仰せのままに致しますわ」
 クリスにはレミィを裏切っているという意識は全くなかった。それどころか自分はレミィの事を想って行動しているという確固たる信念があった。
 
(レミィこれはあなたの為なのよ?ご主人様の命を狙うなんて許されない事だし、それに牝奴隷にして頂ければ復讐なんて考えなくてもよくなる)
 そしてクリスはそれで誰しもを虜にしてきた、慈愛に満ちた微笑みを浮かべる。
(あなたが早くご主人様の牝奴隷になる日が楽しみだわ。そうしたら二人で愛しいご主人様にいっぱいご奉仕しましょうね・・・)

 クリスが切り開いた未来・・・それは彼女にとって希望と光、そして悦びに満ちあふれていた―――――。

< 完 >

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