日本一の大隷嬢

「アレ? 無い‥無いぞ‥‥」

 朝の登校時、いつものようにクツ箱を開くと、そこにあるはずの物が無い。
 奴だ‥奴の仕業に違いない、犯人は分かっているのだが僕にはどうすることも出来ない。
 しょうがないので僕は来客用のスリッパを履いて教室に向かった。

 教室に入るとクラスの女子がこちらを見てクスクスと笑う、その中心に諸悪の根源「神出 麗羅」(しんで れいら)がいた。
 彼女は着席した僕の方に近付き、意地悪な笑みを浮かべ厭味っぽく言う。

「あら? スリッパなんて履いて、上履きはどうしましたの?」

 自分が隠したくせによくもいけしゃあしゃあと‥そう思いながらも僕は質問に答えた。

「朝来たら無くなってたんだよ、どこにいったのかな‥」

 この期に及んで何て気弱なんだ僕は! 何だか泣きたくなって来た。

「そういえば、耐えられない位臭くて汚い上履きがありましたので、ゴミ箱に捨ててしまいましたが、それってもしかしてアナタの物だったのかしら?」
「‥‥‥!?」

 僕は教室のゴミ箱までダッシュし中を覗いた。
 あった…ゴミ箱の中に見慣れた上履きを発見し取り出した時、彼女がまた余計な事を言ってくる。

「ちょっと! アナタまさか私のいる教室で、その臭い上履きを使うつもりじゃないでしょうね」
「あの‥え?」

 まだ終わらないのか、暗く沈む僕の心に、彼女はさらに追い討ちをかける。

「その上履きを舐めてキレイにすれば、履くのを許可しますわ」

 何と言う仕打ち、彼女には人の心が無いのか‥そう思いつつも追い詰められた僕は、やってはいけない事をやってしまう。

「マジで舐めてやんの」「うっわーキモーイ」クラス中の女子がヒソヒソ話をしながら笑う、男子連中は明日は我が身とうつむいたままだ。
 もう耐えられない! そう思った僕は泣きながら教室を飛び出した。

「クソッ! クソッ! チクショウ!!」

 あの女さえ居なければ、こんな惨めな思いをしなくて済むのに‥僕は殺したいほど憎いあの女の事を考えながらトボトボと家路についた。

「神出 麗羅」彼女はの日本最大の財閥「神出グループ」総帥の一人娘で、性格は高慢で尊大で超我が儘。
 でも有名な美人女優だった母親に似て実はかなりの美少女だったりする、スタイルも良いし胸も学園の中では大きい方だ。
 艶やかな黒髪のロングヘアをなびかせて歩く彼女はまさに日本のお嬢様といった感じで、だまっていれば目の保養に最適なのになぁと、彼女を見る度に思ってしまう自分が悲しい。

 クラス女子のリーダー格で、彼女が率先して僕を苛めに来るので、クラスの女子がそれに追随しているといった感じである。
 文句無しのA級戦犯であり、僕は一時期本気で彼女を拉致り殺す為に、行動パターンを徹底的に調べた事があったのだが、結局彼女には全く隙が無いので断念するしか無いのであった。

 帰宅して自分の部屋に入った僕は、泣きながら最悪な事を考える。
 我慢の限界だ、死んでやる! 死んで幽霊になって奴の枕元で「ヤゴヤゴヤーゴの子守唄」を唄い続けてやるぅ~。
 決心した僕は天井からロープを下げ台に乗る‥正にその時部屋のドアが開き、誰かが入って来た。

「音路(ねろ)、学校はどうしたんだ?」

 入ってきた人物は僕の兄であった。
 その瞬間ロープに首をかけた僕と兄の視線がぶつかる。

「に‥兄さん‥‥」「音路!! 止せ! 早まるな!」

 僕の姿を見た兄は、強引に僕をロープから引き剥がす。

「音路‥人生に絶望するにはお前はまだ若すぎる、一体何があった? 兄さんに話してみなさい」

 兄が優しく諭すように語りかけてくる。

「実はかくかく‥‥しかじか‥‥」

 僕は苛めの実態とその元凶について、知っている事を全て話した。

「ナニィィィィィ! 我が最愛の弟を苛めるとは、腐れマ○コ共め! 絶対に許さん」

 兄はまるで自分の事のように怒ってくれた。

「よし! 兄さんが奴等を懲らしめて来てやろう」

 そう言うと兄は颯爽と走り去ろうとする。

「ま‥待ってよ兄さん! そんな事したら兄さんが警察に捕まっちゃうよ!」

 すると兄は、何やら感動したような目でこちらを見ながら。

「兄を気遣うか、優しいな音路は‥」
「よし分かった、手荒な真似はしない‥約束しよう、神出とやらには自分の意思で苛めを止めるようにさせよう、全て兄さんに任せなさい」

 そう言って兄はグッと親指を立てる。

「兄さん‥」

 今度は僕が感動した目で兄をみつめた。
 そうさ、兄はやると言ったら全人類が猛反対しようと絶対にやる漢の中の漢さ、でも‥。

「あの‥兄さん、彼女をどうやって説得するの?」

 あいつが人の言う事をまともに聞くとは思えない、僕は兄の立てるプランが気になってつい質問してしまった。

「説得などしない、まぁ見ていなさい、フッフッフッ」

 この時兄の表情を見て僕は成功を確信した。
 兄は本気だ、何年ぶりかに見る兄の本気の顔がそこにあった。

「音路よ、今こそお前に私の長年にわたる研究成果を見せてやろう、付いて来なさい」

 そう言って兄は車庫に向かう。

 そういえば兄は昔から魔術や呪術の研究を続けていたっけ、もしかして実際に魔法を使って彼女をどうこうしようと云うのだろうか?
 いくらなんでもそれは‥‥いや! 兄のやることに間違いなどあり得ない、兄が出来ると言ったら絶対に出来るのだ。
 かつて死ぬ覚悟までしたのだ、今は兄を信じて突き進むのみ、そう決心した僕は兄に続いて車庫へと向かうのだった。

 彼女の行動パターンはすでに解析済みである、僕は彼女に関して知っている全てをもう兄に話してある。

 彼女は基本的に車による移動がほとんどなのだが、塾が終わりピアノのレッスンに向かう時は、すぐ近所という事もあり徒歩で移動する、彼女を襲うチャンスはこのわずかな間しかない。
 だがそれなりに人通りのある場所なので、何かをすれば必ず目撃者が出る、そういう理由で僕は襲撃を断念したのであった。

 塾の終わる時間に合わせて目的地に来ると、運良くすぐに彼女が見つかった。

「いたっ! 兄さんいたよっ! あそこのスター☆リング学園の制服着てる奴」

 僕は少し興奮気味に彼女を指差しながら兄に報告する。

「よしアイツだな、音路を苛めるメス豚は‥ってすごい美少女じゃないか! これは面白くなってきた」

 兄は得物を狙う猫のような目をして、ゆっくりと車を寄せる。
 車を彼女のすぐ脇に停め、ウィンドウを開けた兄は即座に声をかけた。

「もしもしそこのお嬢さん」
「え? 何ですの‥アナタ‥‥」

 彼女はものすごく不審そうな顔をしてこちらを見つめる。
 いきなり知らない男性に声を掛けられたのだ、不審に思うのも無理の無い事かもしれない。
 ただ幸運だったのは、彼女の視線が兄に集中したおかげで、後部座席にいる僕は気付かれずにすんだ事であった。

 兄は銀色に光るナイフで自分の人差し指を切りつけ、血の付いた指の先端を彼女の額に押し付けた。

「ちょ‥ちょっとアナタ何を」

 兄は彼女の言葉をさえぎるように呪文を唱える。

「我が分身よ、この者の心を縛れ‥ЯラナイК!」

 呪文の詠唱が終わったとたん彼女の身体が硬直する。

「あ゛‥ああ゛っ‥‥」

 一瞬だけ苦悶の表情を浮かべた後、彼女の瞳から意思の光が消え、彼女の顔から表情が消えた。

「車に乗り、眠りなさい」

 兄が短い命令を伝える。

「ハ‥イ‥‥」

 命令に対したどたどしく返事をした彼女は、フラフラとした足取りで車に乗り込むと、即座に寝息を立て始めた。
 完全に熟睡している彼女の顔をまじまじと見つめながら、僕は感嘆の声を上げる。

「すごい! すごいよ兄さん! あの神出麗羅が兄さんの言いなりだなんて!!」

 そんな僕を見て兄は誇らしげに言い放つ。

「見たか音路、これが魔術の力だ」
「魔術の‥力か‥」

 この時僕はしみじみと兄のスゴさを実感するのであった。

 帰りの道中、兄は先程の魔術について色々と語ってくれた。
 兄の使った術は「血の契約」と呼ばれるもので、本来は手順が多く時間のかかる魔術なのだそうだが、効果を下げる代わりに儀式を徹底的に短略化した、言わばライトバージョンといえる物を開発したらしい。

 まず儀式用の特別な銀のナイフで自分の身体を切り付け血を出す(そのナイフ以外の物で切り付けても切った途端に血が穢れてしまうのでダメらしい)、そしてその血を相手の額に付け呪文を唱えるだけ。

 行程も呪文も驚くほど簡単なのだが、効果を下げてしまった弊害もある。
 その一つが効果時間の短さで、血が空気に穢され精気が失われると効果が切れてしまうそうだ。
 だから効果を持続させるためには数分おきに新しい血を付け続けなければいけないらしい。

 そこまで話を聞いた時、僕に電流走る、いわゆる閃いたというやつだ。
 この魔法を使い、彼女に普段絶対にしないような恥ずかしい事をやらせ、それを写真に収めれば、彼女を脅して言う事を聞かせる事が出来るのではないか!?
 僕は彼女が恨みがましい目で見ながら命令に従う姿を想像し、激しく勃起するのであった。

 家に到着後、兄は眠っている彼女の額に新しい血を付け命令する。

「起きろ、携帯電話でピアノ教室に体調不良で休むと連絡しなさい」
「ハイ‥」

 彼女は目を覚ますとポケットからケータイを取り出し、たどたどしい動きで操作した。

 この魔法のもう一つの欠点は、被術者のバ○オハザードに出てくるゾンビのようなスローな動きである。
 これは心を縛る血の力が弱い為に起こる現象のようで、今はこの欠点の改善法を研究中だそうだ。

「あ‥先生ですか?‥‥神出です‥‥はい‥今日は‥‥体調が悪いので‥‥お休みします‥‥‥」

 本当に体調が悪そうだ、これなら問題無く相手は納得するだろう。

「終わったか、車を降りて家の中に入りなさい」

 僕はおもしろいように兄の命令に従う彼女の後に続いて家の中に入った。

「音路よこれからが本番だぞ、今こそ本来の『血の契約』を見せてやろう」
「え?」

 僕てっきり恥ずかしい写真作戦で行くのかと妄想していた為、素っ頓狂な声を上げてしまった。

「何を呆けている、二人共来なさい」

「うん」「ハ‥イ‥」

 僕と彼女は同時に返事をし兄の後を追った。

 兄の向かった先は、案の定兄の部屋であった。
 兄はいつでも遊びに来なさいと言っているが、不気味なオブジェの宝庫となっており、非常に居心地が悪いので、進んで行く気にはなれないのだ。
 しかし今の僕は期待に胸を高鳴らせつつ、普段避けている兄の部屋へと入って行くのであった。

 部屋に入ったとたん、僕の浮ついた気分がふっとぶ、だめだ‥‥やっぱりいつ来てもここは‥‥つらい‥。

 壁一面は青黒く塗られ、日本語でも英語でもない奇妙な文字がびっしりと刻まれている。
 そしてこの空間を彩るのは見るに堪えない不気味な兄のコレクション達‥‥
 痛そうなトゲが内部に詰まった鋼鉄の処女と呼ばれる拷問道具、人間の頭蓋骨を使ったロウソク立て、人間の様々なパーツが入ったホルマリン漬け、等々‥。
 兄さん‥‥すごく‥‥つらいです‥‥。

 ビジュアルショックのあまり歩みの止まってしまった僕を他所に、兄と彼女は部屋の中央にある鉄製のイスに向かっていった。
 あのイスは兄が愛用している自慢の一品で、実際にアメリカで死刑囚を断罪してきた本物の電気イスらしい。
 もちろん電気関係の機能は外してあるが、受刑者を拘束する機能は健在だった。

 兄は彼女の額に血を付けながら次の命令を伝える。

「服を全て脱ぎ、このイスに座りなさい」

 命令を受けた彼女は、またゆっくりした動作で服を脱ぎイスに座った。
 制服の下から現れた、彼女の白くてしなやかな裸体を、僕は生唾を飲みながら見詰めた。

「これで準備は全て整った、音路に死を望むほどの苦痛を与えたこの女に、天国と地獄両方をたっぷり味わってもらうとしよう」

 兄が今までに見た事も無いような邪悪な笑みを浮かべる。
 正直天国は余計なのでは? と少し思ったが、兄の用意する天国はきっと普通の天国では無いに違いない、兄の顔を見ながら僕はそう確信した。
 
 僕の確信する顔を見た兄は、銀のナイフで今度は掌にキズを付け、その手を彼女の豊満な胸の谷間‥心臓の真上あたりに置き呪文を唱える。

「我が分身よ、この者の身体を縛れ‥ЯラナイК!」

 呪文の詠唱が終わった瞬間、ビクンと彼女の身体が痙攣する、又それと同時に、彼女の額の血が蒸発するように消えてしまった。
 
「う‥‥あ‥」

 心を縛っていた術の効果が消え、彼女が意識を戻したようだ。

「ちょ‥ちょっと何ですのアナタ達‥‥‥クズ音!! これは一体どういう事ですの? ここはどこなのです?!!」

 彼女は気味悪そうに周囲を見ながら、ヒステリーっぽくまくしたてる。

「クズ音! 答えなさい」

 と言って彼女が立ち上がろうとした時。

「動くな、イスに座っていなさい」

 兄が言うとたちまち彼女は座り、そのまま動かなくなる。

「な‥何ですの一体、身体が‥‥動きませんわ」

 彼女は驚愕の表情で兄を見つめ、必死に身体を動かそうとするが一向に動かない。
 心だけでなく身体にもかけられるなんて‥本当に兄の魔術は凄いな。

「気分はどうだね? お嬢さん」

 兄は笑いながら、人差し指と親指で彼女のアゴをつまみクイと持ち上げた。
 カッコイイ‥カッコイイよ兄さん! いつか兄さんみたいになりたい、その時僕はそう思った。

「アナタ、私に一体何をしたのです?」
「君にはこれから天国と地獄を味わってもらう」

 兄は質問には答えず、裁判官のようにこれから執行される刑のみを伝えた。

「う‥‥」

 僕の顔を見て彼女の顔が青ざめる。
 僕がいるという事は、普段の苛めに対する報復が目的なのは明らかだしね。

「フン! 好きにになさい」

 そう言いながらも、彼女は怒りのあまり真っ赤になった目で僕をにらむ(後でおぼえてなさいよ)彼女の目がそう語っていた。
 もう犯人は分かっているのだから、生きて帰れさえすればいくらでも復讐の方法はあるハズである、そう思うと今度は僕の顔から血の気が引いていくのであった。

 兄はまず動けないはずの彼女の手首と足首を拘束具で固定した。

「さて、まずはフェラチオからやってもらおうかな」

「‥‥‥!?」僕と彼女は最高のコンビネーションで絶句する。

「フェラチオをした事はあるかな? お嬢さん」
「そんなのある訳無いでしょう!」

 そりゃそうだ、神出グループ総帥の一人娘がそんな事する訳が無い。

「ククク…なら私が1からやり方を教えてやろう、安心しなさい」
「結構です!」

 即座にキッパリと言い放つ、こんな状況でも気の強いのは相変わらずだ。

「さて、そろそろかな」

 兄がそう言った直後、彼女の身体を呪縛していた血がみるみる蒸発していく。

「ガシャ ガシャガシャン!」身体の自由を取り戻した彼女はとたんに暴れ出す、だが手首と足首を完全に固定されているので、上半身を前後に揺らす事しか出来ない。
 それでも彼女は必死に、上半身とふくよかで形の良い胸を揺らしながらあがき続ける。
 そんな姿に僕は欲情し、激しく勃起するのであった。
 そしてそれは僕だけでは無かった。

 ズボンからギンギンに反り返ったスーパーマグナムを抜いた兄が彼女の眼前に立つ。
 兄のビッグマグナムを見た彼女がさらに暴れるが、兄はおかまい無しに血の付いた手を彼女の胸に伸ばす、そして柔らかそうな胸を揉みながら血で染め上げた。

「私を傷付ける事は出来ない」

 身体に新たな命令を伝える兄を、彼女は恨めしそうに睨みつける、顔立ちが整っている分憤怒の顔が恐ろしい。
 こ‥怖いよ兄さん。

「腹が減る、餓死しそうな位の空腹だ」
「はぅぅぅぅ~~~~」

「グギュルルゥゥ~~」彼女の腹部から空腹の合図が鳴り響く、一瞬彼女は赤面したがすぐに必死の形相でわめき出す。

「た‥食べ物! 食べ物! 何でもいいから何か‥何か持って来なさい! 早く‥うぅ‥はや‥く‥‥あぅぅ‥‥いや‥‥持って来て‥‥‥‥‥‥下さい‥‥」

 気丈な態度は最初だけで、最後は涙目になりながら懇願してきた。

「残念ながらここに食料は無い、ここで出す事の出来るのは私の精液だけだが、それでもかまわんかね」
「セーエキ‥セーエキでいいです! 早く飲ませて‥‥でないと私‥死んじゃうぅぅぅ‥」

 彼女は懸命に首を縦に振りながら、情けない表情で兄の精液をせがんだ。

「飲みたいのなら自分で出しなさい、まずはしゃぶるんだ」

 兄が自慢のマスドライバーを彼女の前に突き出す。

「ニク‥ニグ! ニグゥゥゥゥゥーーー」

 彼女は口をいっぱいに開き、兄の巨魂をノドの奥まで突き入れる。
 そしてまるで落下するギロチンの刃の様に、綺麗な白い歯が肉棒にせまる、だがその刃は肉棒に触れる直前でピタリと止まった。
 そう、兄の命令により、彼女は兄を傷付ける事が出来ないのだ。

「う‥‥あう゛」

 口内の肉が噛み切れず困惑している彼女に、兄は優しく語りかける。

「そんな方法じゃ精液は出ないぞ、言っただろうフェラチオを教えると‥言われた通りにやってみなさい」
「ふぁ‥い」

 彼女はさっきとは逆に、大事そうに兄の巨魂をくわえたまま返事をする。

「よしよし、それでは舌でペニス全体を舐めながら口をすぼめて前後に動かすんだ」
「ふぁい‥‥チュ‥クチュ‥‥レロ‥チュパ‥‥」

 兄のレクチャーを受けながらの奉仕が始まった。
 この次に鈴口・カリ・スジ裏などの急所を重点的に責める事を覚え込ませ、最後にはディープスロートも教えていた。
 命がかかっている彼女は、真剣な顔で兄の教えた通りの動きをする。

「ジュル‥‥ジュポ‥クチュ‥‥ジュル‥チュル‥」

 彼女は舌を別の生き物の様に蠢めかせながら、顔を大きく前後にスライドさせる、兄の表情にも悦楽の色が表れていた。

「そ‥そろそろ出るぞ、勢いがあるからむせないように気を付けるんだ」

 兄の言葉を受け、ラストスパートと言わんばかりに彼女の奉仕に熱が入る。

「出るぞ、全て受け止めるんだ、最高の味だぞ」

 言い終わるのとほぼ同時に兄の欲望が爆発した。
「ドク‥ドク‥ドクン」大量の精液が彼女の口内に放出され、その精液をゴクゴクと喉を鳴らしながら飲み込んだ。

「はぁ‥‥おいしい‥」

 彼女は至福の表情で余韻に浸りつつ、兄の肉棒に付着した精液も丹念に舐め取る。

「どうだ、美味しかったか?」
「はい‥とても美味しかったです」

 彼女はどこか気の抜けた表情で兄の質問に答えた。
 極限の飢餓状態で味わったのだ、不味いと思う事は無いだろう。

「私の精液は君の命を救った命の水だ、この世に命の水より美味い物は存在しない、最も高貴で貴重で美味しい‥それが私の精液だ」
「最も高貴で貴重で美味しい‥‥」

 何か暗示に掛かっている様な虚ろな表情で、彼女は兄の言葉を繰り返す。

「もっと‥‥もっと飲ませて」

 餓死の危機は回避したものの、まだ満腹にはほど遠いのだろう、彼女は一番のご馳走を兄にせがんだ。

「そんな頼み方では駄目だよ」

 兄に拒否された彼女は、動く上半身を目一杯に下げて再度お願いをする。

「お願いいたします、貴方様の命の水を、どうか私に分け与えて下さいませ‥‥」
「ウム‥上出来だ、私の精液の味をさらに教え込むとしようか」

 兄は頷くと、彼女に奉仕を許可した。
 この時彼女の心はほとんど折れているように思えた、兄の言葉通りに彼女が変わって行くのを見ていると、とても興奮する。
 そしてさらに彼女の改造は続いていく。 

 兄は新たな血を彼女の胸に付着させる、彼女の抵抗は完全に止んでいたが、まだ拘束具は外さない。
 そして兄は彼女の身体に命令を下す。

「膣が痒くなる、膣の中全体が、子宮口も痒くて痒くてたまらなくなる、今まで味わった事の無い強烈な痒みだ」

 兄の言葉は彼女の身体にとって真実。
 すぐに彼女は苦悶の表情で呻き出した。

「か‥かゆい‥‥かユィィィィィィ~~~~」

 彼女は狂ったように首を左右に振りながら腰を懸命に擦り付ける。

「君の痒みを鎮められるのは、立派なカリ首を持つ私のペニスだけだ」
「う‥うぁ‥‥」

 彼女は兄の肉棒を熱っぽく見つめる。

「お‥お願い致します! どうか‥どうか貴方様の立派なカリ首を持つ逞しいペニスで、私の膣を掻き回して下さいませっ!」

 兄が何を言うまでも無く、彼女はどうすればいいかすでに分かっていた。
 恥ずかしげも無くおねだりした彼女は、媚びた目で兄を見ながら、兄の入れやすいように腰を浮かせる。

「よくぞ言った、君の望みを叶えよう、破瓜の痛みは痒い所を掻いた時の何十倍もの快感が押し流す、そしてさらに性的な快楽も加わる」

 彼女の膣はそんなに濡れていないようだが、かまわず兄は巨根を強引に捻じ込む。

「あ゛‥‥いだっ‥‥‥あひっ‥‥あふん‥」

 最初に痛そうな声を上げた彼女だったが、今はとても気持ち良さげである。
 痒くても手の届かなかった所をやっと掻いてもらって、夢見心地といった所か。

「あふぇ‥あっ‥‥あんっ‥」

 彼女の声に艶っぽさが混ざり始めた。
 もうすでに彼女の秘部は十分に潤っており、抽送を繰り返す兄の肉棒もテラテラと濡れ光っていた。
「ジュポッ‥ジュポッ‥ジュポッ」兄のピストン運動に合わせて水音が部屋に響く、彼女の声も段々と高くなっていった。

「あ゛っ‥‥う゛あ゛っっ‥‥あ゛あ゛っっっ‥」

 彼女は舌を突き出し、涎を垂らしながら激しく頭を振り、乱れ悶える。
 兄の言葉通り快楽に別種の快楽が上乗せされ、通常では昇れない高みまで押し上げられているのだろう。
 
「あう゛っ‥‥何か‥‥何か来るぅぅ‥‥」
「それが絶頂だ、私にしか与えられない最高の快楽だ、絶頂に達する時はイクと叫びなさい」
「ハ‥ハイッ!‥‥あ゛ぅっ‥はん゛っ‥‥ア゛‥イ゛ッ‥イグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ~~」

 彼女は自己の最深部から込み上げるような凄まじい絶叫を上げ、ビクンビクンと痙攣する。

「よ‥よし、我が精を受け入れよ」

 すぐ後に兄も達し彼女の中に精を放つ、二人の結合部からゴポゴポと恥液がこぼれ落ちた。
 汗と涙と鼻水と涎で顔中を濡らして、彼女は白目をむいて失神していた。
 そんな彼女に兄は次の命令を下す。

「目を覚ましなさい」

 瞬間彼女の身体が激しく揺れる、ほどなくして彼女が目覚めた。
 身体が意識の方を強引にたたき起こした、という感じだった。

「膣がうずく、もう一度あの快感と絶頂が欲しい、魂と身体が狂いそうなほどに私のペニスを求める」
「ああ‥‥欲しい‥はぁ‥はぁ‥‥欲しいです‥‥」
「だが私は隷属を誓わない者にこれ以後快楽を与える事は無い、身も心も魂も全てを捧げた者にだけ私は慈悲を与える」

 兄の言葉を聞いた彼女は、媚びを目で表情で身体で表現しながら、躊躇う事無く言い放つ。

「誓います、私‥神出麗羅は貴方様に身も心も魂も全てを捧げます、だから‥‥どうか‥どうか御慈悲を‥」

 それは紛れも無く、彼女の本心からの願いであろう、兄に全てを捧げる事を彼女は希望した。
 兄は満足そうに頷くと。

「これより『血の契約』を執り行う」

 何だか厳かな口調になり、声高らかに宣言した。

 すぐに彼女の拘束具を外し、部屋の隅にある赤黒いシミの付いた台の上に寝かせる。

「ああ‥‥早く‥御慈悲を‥」

 そして兄は銀のナイフを、潤んだ瞳で兄を見つめる彼女の額に突き刺す。

「‥!?」

 もう何を見ても驚かないだろうと思っていたのに‥僕はまたしても絶句した。

「ガリッ‥ゴリッ‥ゴリッ‥」そして兄は器用にナイフを操りながら、額に文字の様な物を刻んでゆく。
 不思議な事に額を削られている彼女は、痛がる所か恍惚の表情で虚ろな目を彷徨わせていた。

 額の作業が終わると、今度は自分の手で強くナイフを握り締めた。
 兄の手から大量の血がボタボタと彼女の上に降り注ぎ、兄と彼女の血が混ざり合い、その血がみるみる彼女の額に吸い上げられてゆく。
 それと同時に兄の出血も止まりキズが塞がっていく、大量の血を吸い上げていった額のキズも、血が無くなると同時に消えてしまった。

 どうやら儀式は終了したようだ、兄は少し疲れたような、やり遂げたような顔をして中央のイスに腰掛けた。

 儀式の後しばらく動かなかった彼女が、ゆっくりと上半身を起こす。
 兄を見る彼女の瞳はとても澄み切っていて、見ていて吸い込まれそうだった。
 台から起き上がった彼女はしっかりとした足どりで兄の元へ向かう、そのただ歩くだけの動作一つ一つが優雅で気品に満ちていて、思わず見とれてしまう。

 そして彼女は兄の下に跪き下僕の挨拶をする。

「主様に下僕としてお仕えするのにふさわしい存在となるため、只今新生致しました」
「契約に基づき汝に名を与える、汝の名はパトラーシュ、我汝に下僕となる事を許す、パトラーシュの魂ある限り我に仕えるが良い」
「はい、私パトラーシュは、主様に永遠の隷属と絶対の忠誠を誓い、魂ある限りお仕え致します」

 兄に絶対服従の下僕に生まれ変わった彼女は、とても幸せそうな表情で隷属を誓い、深々と頭を下げた。

「さて今日はパトラーシュの誕生祝いだ、たっぷりと可愛がってやろう、さぁ準備をしなさい」
「主様‥うれしい‥‥失礼いたします」

 兄の前で膝をつきズボンから丁寧に一物を取り出すと、舌で舐めながらゆっくりと口に含んだ。

 全て問題の解決した僕は、魔術への強い興味を胸に兄の部屋を出る。
 パトラーシュはとても素敵で魅力的だったが、この時の僕は彼女ではなく魔術の持つ魅力に心底惚れ込んでいた。
 いつか僕も兄さんみたいに魔術が使えるようになってみせる、僕は心の中でそう誓った。

 
 これ以後、彼女による苛めはピタリと止んだ。
 今は大人しく、しおらしくなった麗羅さんを見ながら、神出麗羅ファンクラブの同志達とニヤけている。
「血の契約」を受け入れてパトラーシュになってからの麗羅さんは、正に理想の和風お嬢様と言った感じで、一躍学園の人気トップに躍り出たのであった。 
 そんなこんなで、とりあえず僕に平和な学園生活が戻って来たのである。

===2年後===

 ここはある結婚式場。
 純白のウェディングドレスに身を包んだ麗羅さんはとても綺麗で、僕は感動してしまった。
 タキシードをしっかり着こなす兄さんもすごく格好良くて、このカップルの弟になれる僕はとっても幸せ者だと思った。

「主様‥私の全ては主様の物、どうか御自由にお使い下さい」
「フフ‥‥それでは遠慮無く使わせてもらうとしよう」

 美しい奴隷と神出グループの財力を得た兄は、三年後アジア最大の魔術結社を作り上げる‥‥。

 晴れて社会人になった僕は、その後も兄から教わった魔術で色々と悪さをするのだが、それはまた別の物語。

< おしまい >

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