ファイル002<梓>
星蘭高校科学部・・・
ここは、科学分野のエリート集団として国内はおろか国際的にも名が知られている。
部内には校内でもトップクラスの自然科学、社会科学、人文科学などのエキスパート達が顔を連ねている。
その中でも、2年生の佐々木 誠(ササキ マコト)は自然科学分野の中の特に化学分野でのエース的存在であり、3年生や顧問教師からも一目置かれている存在だ。
しかしそんな彼にも、いやそんな彼だからこそ、お互いに肌の合わない敵対的存在がいるものであり、それがサッカー部3年の山下 俊介(ヤマシタ シュンスケ)である。
俊介はサッカー部のエースであり、先の全国大会で星蘭高校サッカー部を全国優勝にまで導いた立役者でもある。J1リーグ各チームのスカウトも獲得に動いており、多分このままプロ入り・・・というほぼ確実な噂も校内を駆け巡っている。
誠にしても、既に様々な大学や化学系企業からも声がかかっている程の人物で、俊介が体育会系有名人なら、誠は理数系有名人という対照的な立場である。
誠自身は自分の研究以外に、特に人間関係問題などには必要以上に興味を持たないので、俊介の存在もさほど気にはなっていなかったのだが、自己顕示欲とプライドの高い俊介にはそんな誠の存在が自分を軽視しているように思えて、同じエースの立場として鼻持ちならないらしい。
スポーツマンらしからぬことではあるが、俊介を取り巻く仲間内では誠に対して『単なるオタク野郎』『化学狂いの犯罪者予備軍(半ば間違ってはいない評価だが)』などの誹謗中傷めいた言動が頻発しているらしいことは、誠の耳にも人づてで入ってくる。
それでも誠はそんなことは意にも介さず・・・といった感じで聞き流していたが、彼の復讐心に火が付いたのは、2週間前のある出来事からである。
俊介には同じ3年生の相馬 梓(ソウマ アズサ)という彼女がいる。
梓はチアリーディング部のキャプテンであり、アイドル顔負けの美貌の持ち主なのである。また類稀なる運動感覚をも持ち合わせており、見事なプロポーションが柔軟且つ機敏に動いて様々なチアテクニックを披露する様は、まさに大衆を魅了するものがあった。
そんな学園アイドル的存在の梓とサッカー部のエースとのカップルが、校内でも羨望の眼差しで見られぬはずもなく、今年の文化祭では『ベストカップル賞』に輝いたのも当然のことであろう。
2週間前のある日、そのベストカップルと誠が偶然校内の廊下ですれ違った。
すれ違いざますぐ真後ろで、俊介が梓の耳元でささやきかける声が、耳のいい誠にははっきりと聞き取れた。
「なぁ、アイツ・・・今日も研究だぜ。やっぱキモオタだよな」
「アハハッ!俊介、ヤバイよ、聞こえちゃうって」
誠は振り返りもせず平静を装っていたが、これでも侮辱されることに対しての拒否感情を示すくらいのプライドは持ち合わせている。
今までは間接的な誹謗中傷であったため、ムカツク・・・とは思いながらも聞き流してはきたが、やはり直接至近距離でそれも彼女同伴で侮辱されたとあっては、彼の忍耐も限界に達するといったものであろう。
「おい、アンタ、確か山下さん・・・だったけ?俺に何か言いたいことでもあんの?」
「おっと、聞こえちゃった?わりぃわりぃ、聞き流してくれていいよ」
言葉では詫びているが顔には薄ら笑いを浮かべて、あからさまに小バカにした態度である。
「すぐ側で侮辱されて聞き流せる奴がいるかよ。俺がアンタに何かしたか?」
「いや、別にぃ。ただ、年下のくせに生意気な奴ってことにはムカツクけどな」
「ちょっと、俊介、やめときなよぉ」
梓も割って入ってきたが、別に中立の立場・・・という訳でもなく、キモイ奴と関わるなという意思がありありと感じられる、完全に俊介寄りの立場として仲裁に入ってきたのは明白であった。
些かの睨み合いが続いたが、その直後そこにサッカー部の3年生連中が4人ほど近寄ってきた。
「俊介、どうかしたのか?・・・ああ、コイツともめてるわけ?なんなら俺たちで片付けておこうか?」
まさに多勢に無勢である。誠も年上のくせに多勢で威嚇する卑怯さに、玉砕覚悟で勝負を挑むほどのバカではない。体力的にも格闘経験的にもこの連中の方が勝っているのだ。
「大勢来たね。殴られるのもバカらしいし、今日は聞き流しておくよ」
そう言って身を翻して、急ぎ早にその場を立ち去った。
彼の後ろでは、『この意気地なし』とでも言わんばかりの嘲笑が沸き起こっていたが・・・。
しかし、誠はこれで泣き寝入りするつもりはなかった。
「(向こうが卑怯な形で威嚇してきたなら、こっちにも仕返しの方法はある・・・彼らには絶対に負けない術でな・・・)」
そう、誠は彼の持つ特殊技能、すなわち例の化学発明力によって仕返しするつもりになったのである。
それからの彼は夜な夜な一人研究室に篭り、ダークなマッドサイエンス研究に没頭した。
そしてそれから2週間後・・・誠の狂った研究は完成に達した。
誠は今回の仕返しの為に、なんと3種類の化学薬品を完成させたのである。
試薬1 薬品タイプ・・・GX00001(強制肯定ガス)
効果・・・ガスを吸引してから一定時間、全ての問いに対し、否定観念を持っていたとしても肯定発言しかできず、また肯定した通りに行動を起こす。
試薬2 薬品タイプ・・・DX00001(動的ダッチワイフ作用薬)
効果・・・脳の機能抑制に作用し、快感、苦痛などの感覚認知を含めた思考回路が一時的に麻痺する。特定周波数の特殊マイクを通じた指示にのみ忠実に反応するようになるが、それ以外の音声には全く反応しない。
試薬3 薬品タイプ・・・ZX00937(忘却性睡眠薬)
効果・・・ファイル1で使用したZX00936から派生した即効性睡眠薬。服用後5分以内に完全睡眠に入り、30分ほどで覚醒。しかし目覚めた際、入眠前6時間程の記憶は全て消去されている。
いよいよ実行段階になった。
誠はこの時の為に、同じ秀才仲間で彼のマッドサイエンス嗜好に興味を持っている写真部の須藤 真一と、鈴木 圭太を仲間に引き込んでいた。
彼らには今回のプロジェクトの大まかな部分は話を通してある。
そのプロジェクトとは、俊介の目の前で彼の了承のもと(強制的だが)相馬 梓のAV撮影というストーリーなのである。
「あの相馬 梓にそんなことができるのかよ」
この一念で、真一、圭太ともに、二つ返事でこのプロジェクト参加を承諾した。
この二人の撮影テクニックにかかれば、梓はさぞクオリティの高いAV嬢になることであろう。
決行の日は既に水曜日の放課後と決めてある。真一と圭太の入念なリサーチの結果、俊介と梓は、水曜の放課後に必ずデートをしているらしい。これは、翌木曜日にサッカー部とチアリーディング部ともに朝練習が休みだからであろう。
まぁ、それもこの二人が勝手にスケジュールを合わせただけのことであろうが・・・まさに職権乱用的な振る舞いである。
逆に、誠達にしてみれば、水曜日の放課後であればこの二人の家族や周りの人間達に、帰りが遅くなっても怪しまれることの無い安全日ということになるわけで、非常に都合が良いわけである。
そして、いよいよ水曜日になった。
校内のほとんどの部活動も終了し人影もまばらになり、辺りも薄暗くなってきた頃に、待ち合わせで合流した俊介と梓は、並んで校門へと向かう通路を歩いていた。
俊介はその先の壁に寄りかかっている人影に気がついて、一瞬眉をひそめた。
そこで待っていたのが、数週間前に遺恨を残した誠だったからである。
「ほう、オタク野郎の2年坊か。なんか用か?」
「相変わらずの人を見下した物言いだね。こっちはせっかく仲直りの印を持参したのに」
「は?なにそれ」
「いやいや、アンタらには、到底武力じゃ敵わないからね。これからも前みたいにアンタ
の仲間に囲まれたらと思うよりは、力のあるものの方に巻かれた方が得策・・・と考えるのが俺流なんでね」
「あはははっ、なにそれ、情けねー話だけど、まぁ、オタク君には都合のいい考えか。っで?仲直りの印って何だよ」
「これだよ」
そう言ったと同時に、誠はズボンのポケットから取り出した小型スプレーを、並んで立っていた俊介と梓に思い切り吹きかけた。
「うわっ!コイツ!何しやがる!」
「キャーッ!」
二人同時に驚きと戸惑いの声を上げたが、声を出せばその次には当然生理的な吸引活動に入るわけで、案の定、二人とも吹きかけられた<強制肯定ガス>を十分に吸い込んだ。
「テメェ!」
そう言うなり、俊介が誠の襟首に掴みかかってきた。
「俊介さん、手を離してそこにまっすぐ立ってください」
「お、おぅ・・・(!?・・・あ、あれ!?)」
今までの勢いはどこへやら、俊介は誠から手を離し、その場に立ちすくんだ。
「(お、おい・・・そうなってんだよ!何で俺がアイツの言うこと聞かなきゃならないんだ!・・・けど、うっ!身体が動かない!?)」
「やっと落ち着いてくれましたね。じゃあ、俊介さんと梓さん、二人揃って僕についてきてくれますね?」
「おう。(ちくしょう!何だってんだ!どうなってるんだよ、これは!)」
「はい。(えー?何で!?何で私はついてなんか行きたくないのに、返事してるの!?)」
ガスの効果により、強制的に肯定返事とそれに伴う行動をとらされている二人は、素直な返事とは対照的な複雑な表情のまま、誠の後を追うしかできなかった。
3人が向かった先は、以前紹介した科学部部室内の小部屋である。
ここには冷暖房設備、シングルベッド、トイレ、冷蔵庫など、短期滞在に適う設備が施され、また窓もなく、部室のドアロックと小部屋のドアロックをかけてしまえば、完全な陸の孤島と化す部屋なのだ。
その部屋に通された俊介と梓は、そこでまた再び驚くことになる。
何故ならば、そこには須藤 真一と鈴木 圭太が待っていたからである。
「何だ、お前ら!」
「お二人とも今晩は。相変わらず仲がいいですね」
真一がすっ呆けた返事を返す。続いて圭太が、
「いやー、今日は先輩方お二人の仲睦まじい姿を、是非カメラに収めさせていただきたいと思いましてね」
「な、何言ってるの!?」
たまりかねて、梓が叫んだ。その声に全く関心を持たないような素振りの誠が、
「では、こうしていても時間の無駄ですから、早速始めようか。では俊介さん、とりあえず、着ているもの全て脱いで裸になってください。アンタの裸なんか見たくはないけどね。でも場を盛り上げる為に協力してくださいね」
「おう」
返事と同時に、俊介は着ているものを一枚一枚脱ぎ始めた。
「キャーッ!俊介っ、ちょっ、ちょっと何しているのよ!」
梓の驚いている声に、屈辱と怒りの織り交ざった表情だけを返して、身体の動きは、着々と脱衣を継続させていく。
「(や、やめろっ!くそっ!何だよ!何で俺がこんなところで裸にならなきゃきないんだ!)」
そうこうしている内に、俊介は一糸纏わぬ裸体になった。
鍛え上げられた身体は見事だが、中央に付いている一物は大したことなさそうな代物である。
真一と圭太は、誠の研究成果に感心しながら、ニタニタと嘲りの笑みで俊介を見ている。
「では俊介さん、そこのコーナーの椅子に腰掛けて、用意してあるマスクを装着してください」
今や俊介は、本人の意思など関係のない操り人形である。本人の戸惑いなどお構いなく、誠の指示通りにしか可動しない従順な操り人形よろしく、コーナーの椅子に座り、医療用の酸素吸引マスクで鼻と口を覆った。
このマスクは、酸素と先に使用した強制肯定ガスを混合させた気体の入っているボンベに繋がっている。
これで俊介はガスの効果が途切れることなく、これからも引き続き操り人形で居続けなくてはならないのだ。
「俊介さん、これからは返事や感嘆などの声も含めて、一切の声を出さないでくださいね」
「・・・(畜生!声が出せない!・・・この変なガスのせいか、くそ!このオタク共!)」
今更原因が分かったところで、どうにもならないのである。改めて誠ら3人にはめられたことを悔やみ、恨むしかなす術がない。
「ちょっと!アンタ達!なんでこんなことするのよ!人を呼ぶわよ!」
梓がすごい剣幕で叫びかかってきた。
「おっと、梓さん、今日の主役はあなたですよ。そんなに興奮しないで。ハイ、そこにキョウツケ!」
「(!?)」
梓は誠の勢いのいい命令に、雷に打たれたようにビッと直立姿勢で固まった。
「梓さん、あなたもこれから俊介さんと同じように、言葉を発しないでくださいね」
「・・・(声が出ない!やだ!恐い!やめて!)」
部屋の中が一気に静かになった。とは言っても、俊介も梓も必死になって表情で抵抗を示しているのだが・・・。
その模様の一部始終を、真一がプロ顔負けのビデオカメラを担当し、圭太が照明機材を掲げて撮影している。
「では、梓さん。ちょっと注射をさせてもらうので、そのまま動かないでくださいね」
そう言って、誠は用意してあった注射針を梓の肘内側の動脈に打ち込んだ。
「(イヤーッ!!やめてっ!!)」
梓が音声にならない声を、表情一杯に込めた刹那・・・。彼女の身体が一瞬大きくビクンと痙攣したかと思うと、それまで必死に抵抗を示していた表情筋が、全ての活動を停止したかのように無表情となり、目線も瞬きこそするものの、遠くの一点を見据えるのみとなった。
「(おい!梓っ!どうしたんだ!クソッ!お前ら、梓に何をしたんだ!)」
傍らで俊介がこれまた身じろぎ一つせず、表情だけでその思いの全てを訴えていた。
よくあるレイプ映像だと、このシチュエーションでは、俊介は拘束されていて身動きできない・・・ということになるのであろうが、今カメラに収められている俊介は、一切の拘束などされていない。顔に付けているマスクのみ不自然だが、ただ自ら全裸で行儀良く椅子に座っているだけなのだ。
そんな俊介には目もくれず、誠は真一と圭太に、
「よーし、準備完了。これで計画通りに梓はラジコンダッチワイフだぜ」
「おおっ、やっぱお前、天才だわ」
この3人の会話に、俊介は耳を疑った。
「(コイツら、何を言ってるんだ!?ダッチワイフって・・・何をするつもりだ!)」
続いて誠は俊介が更に驚くべきことを語り始めた。
「じゃあ、撮影班、用意はいいか?メイキングシーンはこれまで。ここから本番撮影だぜ。主演、AV女優 相馬 梓。タイトル<ワタシの全てを見せてアゲル>の撮影開始だ」
「オッケー、バッチリいい絵を撮るぜ。合わせて俺たちの出番もよろしくな!監督!」
真一が息の合った返事を返す。
「(AV!?主演!?おいっ!ふざけるな!梓っ、お前どうしたんだ!)」
こんな突拍子もない話の展開に、全く動けないながらも慌てふためいている俊介をよそに、当事者の梓は、注射を打たれてから全くその無反応状態を崩していない。
誠はベッドの上に無造作に転がっていたマイクを取り、
「では梓、カメラの方を向いてカメラから目を離さずに、ブラウス、スカート、靴、ブラジャーの順に、色っぽく脱ぎなさい。ショーツとソックスだけの姿になるんだ」
そう命じられた梓は、表情一つ変えずに言われた通り、ぎこちないながらも少し艶かしく、カメラから目を離さずに、指示された順で服を脱ぎ始めた。
誠、真一、圭太ともに、これからいよいよ始るドラマへの期待に胸を高鳴らせて、固唾を飲んでその模様を見守った。
そう、先ほど梓に注射した薬が、<動的ダッチワイフ作用薬>である。
この薬の効果は前述したが、今さっき誠が使用したマイクを通しての声にのみ反応するように仕組まれている。そして、それ以外の一切の身体機能は自律的に作動させることが出来ず、感情、感覚全てが反応しなくなっている。すなわち、さわっても叩いても、梓自身は何も感じることが出来ないのだ。
今、誠ら3人と彼氏である俊介の前には、カメラに向かって無表情で直立し、黒色綿生地に白のフリルが付いたショーツと、白のルーズソックスのみとなった梓がいる。
チアリーディングの激しい振り付けで鍛え上げられた肢体は、見事に引き締まっており、全ての筋肉が重力に反しているようであるが、唯一筋肉として発達せず、福与かな脂肪分たっぷりの乳房がやや重力負けをするかのように、突出している。
「うわー、梓先輩、エッチなパンツですねー。それ絶対今日のデート用の勝負パンツでしょう」
圭太が照明をことさら下半身に集中させて、卑猥なコメントを発した。
「(テメエら!やめろ!ふざけんな!)」
俊介はさぞ悔しく、恨めしいであろうが、何もすることが出来ない。
誠は、その俊介にさらに追い討ちをかけるようにマイクを通して、
「梓、じゃあ次は、彼氏の俊介さんの目の前に立って、いつもチアでやっているような腰振りを披露しなさい」
続いてこれはマイクを外して、
「俊介さんは、それを目を逸らさずしっかりと見てあげてくださいね」
そう指示された二人は、指示通りに動き始めた。
梓は俊介の目の前に立ち、器用に腰を左右に振り始めた。俊介は椅子に腰掛けているの
で、彼の目線はちょうど梓の下半身に置かれる。その俊介も梓の下半身から目を離さず、
しっかりとその腰の動きを凝視しているのである。
「(梓っ!やめろ!やめてくれ!)」
「ヒューッ!いい動きっすねー!梓先輩!エロい、エロい!」
カメラマン真一が、モデルにかける言葉よろしく褒め称える。
しばらくすると、そのエロチックな腰つきを凝視している俊介の下半身に変化が起き始めた。彼の一物が徐々にピクピクと反応し始めたのだ。
それを見逃さないカメラマン真一が、
「おっ、俊介先輩もエロっすねー、彼女の股間で勃起し始めましたね」
「(やめろ!やめてくれ!)」
そう念じても、身体は素直なものである。今や五分咲き程度まで勃起が進んでいる。
その俊介に誠が近づき、彼の顔に付いているマスクを外した。
今外しても、散々ガスを吸い込んだのである。しばらくはその効果は持続する。そして、再びマイクを通して、
「梓、じゃあ君のテクニックを見せてもらうよ。彼氏とディープキスを楽しんだ後、いつものようにフェラチオをしてあげなさい。いつものようにね」
もちろん、誠は彼らがどんな性交をしているかなど、事前に知っているはずがない。
“いつものように”と言ったことで、どんな反応をするのかに興味をそそられているのである。
果たして、梓は両手で俊介のアゴの辺りを包み込むようにして顔を上に向かせて、その唇を重ね始めた。ぎこちなさなどまるで無い、滑らかな慣れた吸い付きようである。
舌で俊介の口を割り、そのままその舌を彼の口腔内に侵入させ、舌を絡め始める。
誰も言葉を発しない小部屋の中に、ピチャピチャと唾液の絡む音だけが響き渡る。
今や、俊介の一物は完全に勃起状態である。
その一物に梓の口が移動した。フェラチオの開始である。
俊介の一物を小さな口で深く包み込み、啜り上げ、舐めまわす・・・一連の滑らかな口使いは、明らかにやり慣れた技を見せ付けていた。
「うおーっ!すげー!梓先輩のフェラテク、最高ですね!マジでAV女優って感じ!」
先ほどからトランクス一枚の姿で、そのトランクスの前に大きなテントを張った真一が、感じ入ったように感嘆の声を上げる。
見回せば、いつの間にか誠ら3人は服を脱ぎ、パンツ一枚の姿になっている。次への準備なのであろう。
「(うっ、ううっ・・・あ、梓・・・こんなところで・・・やめてくれーっ!)」
下半身の快感に苛まれつつも、苦渋の表情を続ける俊介。その模様は、全て照明に照らし出されて、最新鋭のカメラの中に収められていく。
カメラの映像の中には、仲睦まじいカップルの性交風景が次々と収められている。何せ、二人は傍目には誰からの束縛も受けていないのだから。
フェラを続ける梓は、その柔軟性の高さを活かして座っている俊介に対し、自身はしゃがみこまずに、ヒップを一番高い位置にして、股関節から身体を二つに折るような態勢をとっている。ヒップ側から見ると、非常にエロチックな態勢である。
誠は、その彼女のヒップに絡み付いている黒いショーツに手をかけ、一気に引き下ろした。
次の瞬間、プリンッ!と音のしそうな位、張りのある見事な臀部が、今や彼女の身体に牙を向いた3人の狼達の眼前に曝け出され、その中央にさらに小振りの臀部よろしく、ぷっくりと二つに割れた秘境さえもその神々しい全容を顕わにしている。
そんなことをされても、梓は全く動じない。何も感じていないのだ。
「おおおおおっ!」
思わず真一と圭太は同時に感嘆の声を上げた。
学園アイドル的存在であった相馬 梓の全容が、今彼らだけの前で曝け出されているのだから、当然の反応だろう。
誠はそのまま彼女の足首からショーツを抜き取り、圭太に投げ渡した。
圭太はその裏地にむしゃぶりつくように嗅ぎ入っている。
「うおーっ、梓先輩の匂い、たまらないっす!」
圭太が匂いフェチであることは、誠、真一ともに既に知っていた。
「では、梓、フェラはそこまでにして、ベッドの上に仰向けになりなさい」
爆発寸前であった俊介にとっては生理的苦痛であろうことなどお構いも無く、フェラを
中断させ、梓をベッドに移動させた。
「(うぅぅ・・・くそ・・・お前ら、どこまで俺たちを嬲り者にするつもりだ・・・)」
俊介はここにきて、半ば観念した様相になってきている。
どうあっても今の自分は抵抗する術を持っていないのだということを、強制的に身体の方から脳に向けて教え込まされているような状態である。
「では、梓、ベッドの上で自分で膝を抱えて大きく脚を開くんだ。枕に頭を乗せて、股の間からカメラを見つめるようにして」
梓は淡々と言われた通りに行動する。
さっきまで後ろからのアングルで閉ざされていた秘境の二つの膨らみも、今カメラの前で大きくその中心までをも覗かせながら。
「そのまま手でオ○ンコを左右に広げなさい」
特殊マイクを通じて、卑猥な指示が次々と下されるが、梓はそれにも全く表情を変えずに応じてくれる。まさにラジオコントロールされているかのようである。
真一のカメラワークも堂に入ってきており、ローアングルから股間に接近してアップで秘境の全容をカメラに収めたり、と同時にしっかりと彼女の顔も織り交ぜたりと、入念なカメラワークである。
続いて圭太が取り出してきたのは、小型カメラに透明の半カプセル状のカバーが付いた代物である。
なんと、これを梓の体内に侵入させ、その体内映像も収めようというのだ。
まさにAVタイトル通り<ワタシの全てを見せてアゲル>なのだ。
その透明カプセル部分に入念にローションを塗り、それを彼女のオ○ンコに押し当て、一気に挿入した。
けっこう難なく侵入させたが、その瞬間も梓の表情が変化することは無い。
鮮やかなピンク色の世界が横に備え付けられているモニターに映し出されている。
「梓先輩、キレイですよー」
「これいいアイデアだよなー」
真一、圭太のコンビがそれぞれの感想を述べる中、俊介もその映像に見入っていた。
観念したと同時に少し落ち着きも出てきたのか、屈辱感と闘いながらも、初めて目の当たりにする自分の彼女の神秘世界への好奇心に、本能的に気が向いてしまうのであろう。
小型カメラを操作する圭太が、さらなる好奇心に駆られ、
「これってさ、アナルもいけるかなぁ」
「何も感じないから、別に平気だろ」
誠が素っ気なく答える。
「よっしゃ!タイトル通り、全てを暴露してもらおうぜ!」
真一も大乗り気である。
「(ア、アナル!?お前ら!いい加減にしろ!)」
さすがの俊介も、これには大いに異を唱えるが、声にもならない空しい抵抗である。
そうこうしている内に、その小型カメラは上の穴から下の穴へと移動を開始し、アナル入口へとたどり着いた。
「んじゃ、いくぜ」
そう言って、圭太がカメラを持つ手に圧力をかけ始める。
さすがに処女のアナルはきついらしい。梓自身は全く何も感じていないが、生理的硬さが当然ある。
しかし、痛みを感じない相手に手加減は無用かのように、その硬く閉ざされた門をついに圭太の力が押し開いた。
「おおお、すっげー!アナルの中ってこんなになってるのかぁ」
まるで、生物か何かの実験のようにモニターに食い入る狼3人。
18歳なりかけの恥らう乙女にとって、絶対に見られたくない、ましてや通常世界では、見せる機会も無い体内の恥部が、この狼達の目に焼き付けられているのだ。そして、それは今後保存状態によっては永久的に残される映像記録として撮影もされている。
映像の中には、当然乙女には耐え難い屈辱であろう、微量の排泄物までもが映し出されているが、当の本人は澄ました顔で、遠くの一点を見つめたままである。
俊介はというと、これまた狼の一員になりかけているのだろうか・・・心の中の正義感ではやめろ!という衝動に駆られるものの、実際に取っている行動は、股間を屹立させたまま映像に見入っているのだ。
「はぁ、いいもの拝ませてもらったよ。なぁ、誠、そろそろ見物から味見に移ろうぜ」
せっかちな圭太が誠を催促する。
「そうだな。では、梓、脚はそのままで、両手は頭の後ろに持っていきなさい」
彼女に自ら股間を開いて雄を誘っているようなポーズをとらせ、
「じゃあ、味見は俺から行くからな」
親分特権だとも言うような図々しさで、誠が梓に覆い被さった。そして、既に先ほどのローションで滑りがよくなっているオ○ンコに、一気に熱い一物を挿入すると同時にマイクを通じて、
「梓、オ○ンコで俺の一物をしっかりと締め付けなさい」
彼女は無反応でもしっかりとその要求に応えようと行動する。
「うお!これは最高だ、さすがに鍛えられてる身体だな」
「マジかよ!早く俺にも回せよ!」
狼達の惨い会話が小部屋内にこだまする。
「(おい!誠!やめろ!それだけはやめてくれ!)」
俊介の空しい心の叫びもよそに、誠の一方的な激しいピストン運動が続き、
「うっ!だめだ!!」
その声とともに、梓の体内に誠の熱い滾りが一気に噴出された。
中での射精は計画段階では躊躇われたが、この撮影中に誠が梓の手帳を盗み見たところ、彼女は自分の生理日をしっかりと記録する習慣を持っており、一応今日は安全日であることが確認された為、計画変更と相成ったようである。
その後、真一、圭太ともに狼の餌にありつき、3人とも梓の体内にその侵入の痕跡を残すことになった。
「いやー、いいAVが撮れたな。っていうか、梓先輩、かなりいい女だぜ。またお相手お願いしたいよ」
味をしめた真一が名残惜しそうにそう語った。
今、誠以下3人の目の前には、最後の薬<忘却睡眠薬>で、眠りについた俊介と梓が、きちんと服を着せられて、誰もいない校庭のベンチに並んで座らせられている。
あと15分もすれば目覚めるであろうが、起きた後は入眠前6時間分の記憶が全て失われているのだ。
撮影に要した時間は3時間程度。十分である。
今ごろ、梓の股間から溢れ出した3人分の侵入の痕跡が、彼女のショーツに染み込まれていっているのであろうが、それに疑問を持ったところで、何も思い出せないのである。
俊介にしても、地獄の3時間であったであろうが、起きれば夢の記憶としても残っていない。
多少鬼畜感も残るが、まぁ、結果オーライということで狼3人衆も納得をいかせることにしたようである。
これからも、誠らインテリ集団と、俊介達体育会エリートとの確執が続くのだろうが、そうなればまた最終的に餌食になるのは、彼ら体育会エリートとその周りの女性達なのである。
今や誠、真一、圭太・・・3人のチームとなったマッドサイエンス軍団が、次の行動を起こす時は、いつになるのであろうか。そして、そのとき狼達の餌食となるのは誰なのであろうか・・・。
< つづく >