件の里 第03話

第03話

 はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。はあぁぁっ。

 カラダ中が熱く脈打ち、歓喜の涙が止まりません。
(ああ……ああ……あああ……)
 生まれて初めて知る喜びが私を魂の底まで震わせます。

 んっ! んんっ! ぢゅっ! ぢゅぢゅっ! ちゅうぅぅっ!

 口の中で徐々に硬度を失い小さくなっていく肉の棒――【男牛様のミルク】の【注ぎ口】から【ミルク】の残滓を吸う私は、まるで赤ん坊に戻ったような安らぎに包まれていました。
 全身に感じるずっしりした重みも、獣じみた匂いも、今では全てが心地よく感じます。
(――いいの? 私、こんなに幸せでいいの?)
 小さく痙攣しながら、私は自分に問いかけます。

【んもおおおおーーーーーーー!】

 まるで私に応えるように【男牛様】が鳴き声を上げました。
(ああ……【男牛様】!)
 触れ合った素肌から直に伝わる満足げな響きに胸がジンと熱くなります。
 そうです。私の口を……いえ、私のカラダを気に入って下さったからこそ、あんなにもたくさんの【男牛様のミルク】を――溢れるほどの『悦び』を授けてくださったのです。
 一人の『女』として、私はこの上ない誇らしさを感じました。

 ごぽっ。

 小さな水音を立てて私の口から【注ぎ口】が引き抜かれます。
 それと一緒に全身に掛かっていた重みがスッと消えました。
(あ! 【男牛様】が……)
 キュン、と胸の中が切なさで満たされます。
 一体、どうしたのでしょう? ほんのついさっきまで恐怖と嫌悪の対象だった【男牛様】の事を、今の私は恋焦がれる相手のように離れ難く感じています。
 もっと肌を合わせていたい――まるで、父母の胸から引きはがされた幼子のように、カラダが【男牛様】のぬくもりを求め、震えています。
(どうしてなの? 私、どうしてこんな……)
 あまりの急な変わりように自分でも驚いてしまいます。
 でも、答えは明白です。それもこれも、全ては――

(欲しい……)

 きゅうううううっ!

 そう。たった今、たっぷりと飲み干し、心の底から満足したばかりだというのに、欲深な私はもう【男牛様のミルク】が欲しくてたまらなくなっています。
 まるで喉の渇きに耐えかねて海水を飲んでしまった愚かな水夫のように、飲めば飲む程、【男牛様のミルク】への渇望は激しくなっていくようです。

「あの、おうし……さま?」
「はーい。美弥お姉ちゃん、両足、高い高~い!」
「きゃあっ!」

 おずおずと【男牛様】に呼びかけた私の両足を、突然、麻紀子ちゃんが下からすくい上げました。
 全身の力を失ったままの私は全く抵抗出来ません。
 そのまま折り曲げた両足を胸の方に押され、自然と腰が浮いた体勢になります。

「ま、麻紀子ちゃん、一体何を……あっ! いやあぁっ!」
「はいはーい。お漏らしパンツはヌギヌギしましょうねー。ふふっ」

 スルッ。

「ダメよっ! 返してっ!」
「ポイっ!」
「ああっ!」

 なんて事でしょう。私は姪の手で『最後の砦』をあっさりとはぎとられてしまいました。
 もう身を覆う物は何もありません。生まれたままの姿で横たわる私に麻紀子ちゃんがはしゃぎます。
「うっわあぁ! すっごいモジャモジャ! お姉ちゃんて、見掛けによらずアソコは毛深いんだねぇ!」
(いやああぁ……)
 普段から密かに気にしている事を指摘され、恥ずかしさで頬が真っ赤に染まります。
 手を持ち上げる事すら出来ない私は、物珍しげな姪の視線から逃れられません。

「さて、それじゃ……よいしょ! よいしょ!」
「な、何してるのっ?! ねぇ、麻紀子ちゃん、何してるのっ?!」

 麻紀子ちゃんはまるで人形で遊ぶように、閉じていた私の両足を片足ずつ大きく割り開いていきます。

「やめてっ! ねぇ、お願い! 冗談はやめてちょうだいっ!」
「はーい。奥までパックリ! ふふふっ」

 私は両足をMの字に開かれ、一番恥ずかしい場所を余すところなく晒されてしまいました。
(ああ――どうしよう? どうしよう?!)
 生ぬるい風が敏感な素肌をくすぐり、全裸である事をいやが上にも意識させます。

「ま、麻紀子ちゃん! 今すぐやめないと……お、お姉ちゃん、怒るわよっ!」
「あははっ」
 必死に威厳を込めて叱ろうとするのですが、思わず声が震えてしまいます。
「んー。お姉ちゃんに怒られちゃうのはヤだなぁ。――じゃあ、私、ママのとこに帰るねっ!」

(えっ?)

「お姉ちゃんの服は、私が全部キチンと洗濯してあげるからねー」
 そう言って手早く自分のワンピースと私の服一揃いを拾い上げた麻紀子ちゃんは部屋を出て行こうとします。
「待って! ねぇ、麻紀子ちゃん! 服は置いていって!」
「♪~ モージャモジャパックリ お漏らしさーん」
 慌てて声をかける私を無視して、麻紀子ちゃんは鼻歌を歌いながらドアに手をかけました。

 カチャ。

 ドアの開く音に背筋が凍るような恐怖心が湧き起こります。

(置いていかれるっ!?)

 全裸で身動きの出来ないまま、ここに取り残される――もし、カラダが動くようになっても、ここから裸で外に出なくてはいけません。
 まして――

「麻紀子ちゃんっ! お願い、待って!」
「……あ、そうそう。心配しなくても、村長さんに迎えに来てくれるよう言ってあげるからね」
(えっ?!)
「きっとねぇ、村長さん、すぐに助けに来てくれるよぉ」
「そ、そんな……」
 もし、あの小太りのおじさんに、こんな姿を見られたら――

「私ねぇ、分かるんだー。村長さん、お姉ちゃんの事、すっごく気に入ったみたいだから、きっと、すっごく親切に、すっごおおく『優しく』助けてくれると思うよぉ。くふふっ!」

(村長さんが……私を『気に入ったみたい』!?)

 ゾクッ!

 こちらを見下ろす麻紀子ちゃんの目が興奮でギラギラと輝いています。
 その表情から『もし、村長さんが今ここに来たらどうなるか』をはっきり理解しているのが分かりました。

「いやよっ! お願い、置いていかないでっ!」
「えー、だってお姉ちゃん、私の事怒るんでしょお? どうしよっかなぁ……」

 麻紀子ちゃんはこちらを小馬鹿にした表情でニヤニヤ笑っています。
(くっ!)
 年端もいかない子供にいいように弄ばれる屈辱感に私は思わず唇を噛みました。
 けれど、どれほど屈辱的でも、今この子の機嫌を損ねる訳にはいきません。
「お、怒らないわ。ごめんなさい。だから……ね? お願い、一緒に居てちょうだい」
「お姉ちゃん、さっきも『私の言う通りにするって』約束してたのになー」
「約束するわ! 今度こそ、絶対、麻紀子ちゃんの言う通りにします!」
「ふふふ……ホントにぃ?」
 麻紀子ちゃんは妖しく笑うと私の足元に座りました。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。ホントのホントに私の言う事聞いてくれるのぉ?」
(あっ!)

 サリッ。

 麻紀子ちゃんが私の茂みに指を絡めました。
「私ねぇ、ちゃあんとお姉ちゃんのコト考えてあげてるんだよぉ。それなのに、お姉ちゃんたら、ワケも聞かずに怒るんだもん。なーんか傷付いちゃうナー」

 サリサリッ。ツンッ! ツンッ!

「……うぅっ」
 恥毛を弄ばれ、小さくカラダが震えます。
「ご、ごめんなさい。考えが……足りなかったわ。謝ります。だから、お願い――許して」
「ふふふふふ」

(麻紀子ちゃん……)

 私はこの『小さな暴君』と化した姪に、怖れを抱き始めていました。
 カラダは何故か未だに全く自由になりません。
 このままだと――

「ねぇ、気がついてる? お姉ちゃん、臭いよ」
「……え?」
「さっき、お漏らししちゃったでしょ? すごーくオシッコ臭いの」

(……あっ!)

 そうです。麻紀子ちゃんの言う通りでした。生まれて初めて【男牛様のミルク】をいただいた感動のあまり、私は失禁してしまったのです。
「ねーねー、こんなにオシッコの匂いをぷんぷんさせてお外に出るつもりなの? お姉ちゃんたら、大学生のくせに恥ずかしくないのぉ?」
 あきれかえった口調で麻紀子ちゃんが尋ねます。
(うぅ……)
 頬がまた真っ赤に染まります。
「ご、ごめん……なさい」
 あまりの恥ずかしさに少し涙ぐみながら、私は懇願します。
「麻紀子ちゃん、お願い。シャワーを浴びさせてちょうだい」
「ん? それは無理だよ。ココ、お風呂場無いもん」
 さらりと言い放たれ、私は絶句しました。

(そんな――)

「ふふ。さあさぁ、お姉ちゃん、どうするどうするぅ? こんな臭ーくてキタナーい格好のまま、お外に出たい?」
「イヤ……よ」
 弱々しく答える私に、麻紀子ちゃんはニヤリと大きく笑いました。
「でしょっ?! じゃあ、やっぱり私に任せてっ!」

 ぐいっ!

「あっ! ああっ!」
 広げられたままの両足が、さらに限界まで押し広げられます。

(麻紀子ちゃん……一体、何を?!)

「さー、キレイキレイしましょうねー」
「あ、あの……麻紀子ちゃん? 私、あなたの言う事は素直に聞くし、絶対怒ったりしないわ。だから……お願い。これから何をするのか、教えてちょうだい」
 慌てて問いかける私に麻紀子ちゃんは肩をすくめます。
「ん? 聞いてなかった? オシッコ臭~いお姉ちゃんをキレイにするんだよ」
「でも『キレイにする』って……ひあっ!」

 べろんっ!

「な、何っ!?」
「もー、どうしていちいち驚くかなぁ? 【男牛様】だよ」
「えっ?!」

(……【男牛様】?!)

 べろっ。べろべろっ。べろんっ!

「ひゃうっ! そ、そんな……ああっ! そんなトコ!? ダメえええぇっ!」

 むき出しの一番敏感な場所を無遠慮な舌で舐められ、私は思わず悲鳴を上げました。
「さぁ。【男牛様】、しっかりキレイにしてあげてくださいねぇ。ふふっ」

【んもおおおおーーーーーーー!】

(ああぁ……)

 ぞくぞくぞくっ!

 麻紀子ちゃんの呼びかけに応える【男牛様】の声が、私の背筋を妖しく痺れさせます。

(私……また、舐められてしまうの? 【男牛様】に――)

 べろんっ! れろれろっ! にゅるんっ!

「あっ! あっ! いやぁ! やめて! そこ……ダメ! お尻、ダメエエェ!」
「あははっ、いい声! ほらほら【男牛様】、舐め残しがないように、ちゃあんとお姉ちゃんのナカまで舌を入れてあげて下さい」

 ぐいっ!

「ああっ!」
 細い指先が私の秘裂を押し広げました。
「だ、ダメよ! そこはっ!」

 ぬりゅっ。

「ひああああああああっ!」
 ヌメヌメとよだれにまみれた舌が、私の秘密の花弁をこじ開けていきます。
 ピンと突き出された舌先が入口をザラリとこすり上げると、電流が走ったようにビクビクとカラダ中が痙攣します。

 にゅるにゅる。ちゅぷっ。ちゅるるるっ!

「あっ! あうっ! はうっ! あああああっ!」
(舌が……ナカを――こねまわしてっ! ああ、スゴい!)

 なんて大胆で、そして、なんて繊細な動きなんでしょう!
 先程とは違い、【男牛様】への嫌悪感は全くありません。
 いえ。それどころか、汚れた私のカラダを直接【男牛様】の舌で清めていただいているのかと思うと、申し訳なさと一緒に激しい悦びがこみ上げてきます。

「どうしよう? わ、私……恥ずかし――あっ! あっ! お、おうし、さま……おうしさまあああぁっ!」

 ついに私は【男牛様】を大声で呼び始めました。
 愛しさが胸に溢れ、自然に涙がこぼれ落ちます。

(あああ! スゴいの! キモチいいのっ! 【男牛様】! 【男牛様】!)

「ふふ。お姉ちゃん、どう? 【男牛様】の舌は?」
「し……舌? あっ! あうっ! はうぅっ!」
 麻紀子ちゃんに尋ねられましたが、快楽にあえぐ私はろくに答えられません。
「【男牛様の舌はとっても気持ちがいい】――そうでしょ? ね?」

 ぴちゃぴちゃと淫らな水音が聞こえます。
 ああ、そうなんです。すごく恥ずかしいのに私は――

「え……ええ、気持ちい……んんっ! あああぁっ!」
「うんうん、そうだねぇ、お姉ちゃん。【男牛様に舐められるとすごく気持ち良い】ねぇ」

 麻紀子ちゃんはゆったりとした口調で私に語りかけます。
 何気ない一言一言がじんわりと胸に染み込んでいくようです。

「そ、そう……舐められ――ひゃうっ! き、気持ちぃ……ひいいっ!」

 もう全然言葉になりません。それなのに――

「うんうん、分かるよぉ。【男牛様の舌はすごくすごく気持ち良い】んだね? 【男牛様の舌は最高】だねぇ?」

 不思議です。どうして麻紀子ちゃんはこんなにも私の考えが分かるのでしょう?

「そ、そうよっ! 最高! ああ……最高なのっ!」
「うんうん、そうだねぇ。【男牛様のして下さる事は何でもすごく気持ちが良い】ね? 【天国】だね?」
「あっ! そ……そうよ、天国! 天国なのよおぉっ! あぅっ! あーーーーっ!」

 穏やかな口調で繰り返し尋ねられるうちに、頭の中がぼおっと痺れてきました。
 まるで『悦び』という名の底無し沼にじわじわひきずりこまれていくようです。

「ふふ。もうメロメロ。ママも【男牛様のミルク】を飲むたんびにお漏らししちゃうから、いつもそんな風に【男牛様】にキレイにしてもらってるんだよ」

(――えっ!? 京子義姉さんがっ!?)

 どきんっ!

 麻紀子ちゃんの何気ない言葉が、不意に私を陶酔から引き戻しました。
 なんだか激しく胸がざわめいています。

(『いつも』――って、京子さんたら、そんなに何度も【男牛様のミルク】をいただいているのかしら?)

 先程、麻紀子ちゃんと【男牛様】のディープキスを見せつけられた時に思い浮かべた『全裸の京子さんと【男牛様】とが絡み合う姿』がまた脳裏に甦ります。
 けれど、今はそれが『おぞましい』とは思えません。
 いえ――むしろ、胸の奥が羨望でチリチリと疼くのを感じます。

(毎回こうやって舐めていただいてるだなんて、そんなの……あっ!)

【んもおおおおーーーーーーー!】

【男牛様】が私の股間にうずめていた顔を上げ、大きく一声鳴きました。

「はーい。キレイキレイ終了っ!」
「えっ……そんな!?」

 高らかに宣言する麻紀子ちゃんに、私は思わず声を上げてしまいました。
「――おやおやぁ? どうしたのぉ、お姉ちゃん? ふふふふ」
 麻紀子ちゃんが、私の顔を覗きこみます。

(う……)

「お姉ちゃんのココ、もう、すっかりキレイになってるよぉ。これ以上、『う・し・さ・ん』におマタをナメナメしてもらう必要なんて無いんじゃないかなぁ?」
 ニヤニヤ笑いながら、私を見下ろす麻紀子ちゃんはすっかりイジメっ子の顔でした。
 今、【男牛様】ではなく“牛さん”と呼んだのも、絶対にわざとです。
「そ、そう……ね」

(『牛さんに、おマタをナメナメ』――ああ、私ったら、なんて事を……)

 急にたまらないほどの恥ずかしさがこみ上げてきます。
 そうです。幾ら素晴らしい【ミルク】を授けて下さるとは言え、【男牛様】は『牛』です――ただの家畜なのです。

(変よ……一体どうしてしまったの?)

 家畜の舌で秘所をねぶられ、大きな悦びの声を上げてしまった自分が信じられません。
 いえ。本当は今もまだ、『オンナの部分』が熱く疼いています。
 もっともっと【男牛様】の舌で舐め回されたい……これまで一度も味わった事の無い、気が狂うほどの悦楽の高みまで連れて行って欲しい――

 トロリ。

(あ――)

 カラダの奥から、蜜が滴るのを感じます。
(どうしよう? 濡れちゃう……溢れてくる――)

「ああーっ!」

 ドキンッ!

 突然、麻紀子ちゃんが大声を上げ、心臓が止まりそうになりました。
「な、何……麻紀子ちゃん?」
「せっかくキレイにしてあげたのに、お姉ちゃんのココ、もうヌルヌルになってるっ!」

(……うっ!)

「うわぁ! ナカからどんどんヌルヌルが出てくるよっ! あ! スゴいっ! ピンク色のビラビラが、うねうねヒクヒクしてる! なんかすっごくすっごくエッチ!」

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

 興奮した声を上げ、麻紀子ちゃんと【男牛様】が私の恥ずかしい場所を覗き込みます。

(いやああああっ!)

「お、お願い……見ないで……見ないでえぇ……」
 涙を流し弱々しく懇願する私に、麻紀子ちゃんが小さくフンと鼻を鳴らします。

「お姉ちゃん、ズルい!」

(……えっ?)

 麻紀子ちゃんの思いがけない言葉に私は耳を疑いました。
「私が……ズルい?」
「そうだよっ! すっごく可愛くて、スタイルも良くってさ! おっぱいもこーんなにおっきくてっ!」

 ぎゅっ!

「……あうっ!」
 不意に細い指で乳房を握りしめられ、軽いあえぎ声を上げてしまいます。
「おまけにこんなにエッチだから、ほらほら見てよ! 【男牛様】ったら、もうお姉ちゃんに夢中だよ!」

 ぶるんっ!

(……えっ!?)

 さっき、私の口から小さく萎んで抜けていった肉の棒――【男牛様のミルク】の【注ぎ口】が、先程にも増して雄々しく逞しくそそり立っていました。
「ね? 【男牛様】ったら、また、【男牛様のミルク】をお姉ちゃんに注いであげたくてしょうがなくなっちゃってるんだよ!」

(そう……なの? また【男牛様】が、私に【ミルク】を?)

 きゅうううっ!

 カラダの奥深くに悦びの震えが走ります。
 一度でもあの感動を味わった者なら、誰でも私と同じ反応を見せるでしょう。
 それほど【男牛様のミルク】は――

「ズルいズルいズルいズルーいっ!」

 癇癪を起こしたように麻紀子ちゃんが大声で叫びます。
「お姉ちゃんばっかり一人占めなんてズルい! 私だって飲みたいのにっ!」
(あ……)
 今さらのように私は、自分だけ【男牛様のミルク】をいただくのに夢中で、少しも麻紀子ちゃんの気持ちを考えていなかった事に気付きました。

「ごめんなさいっ! あ、あの……それじゃ、今度は麻紀子ちゃんが――」
「もうこうなっちゃったら、【男牛様】は私の事なんか知らんぷりだもん! いっつもそう! 私がどんなに一所懸命練習しても、【男牛様】ったら、すぐにママや他の女の人に夢中になっちゃうんだからぁっ!」

(麻紀子ちゃん――)

 可愛い姪が涙声混じりで叫ぶのを聞いて、私の胸は罪悪感で一杯になりました。
「あの……じゃあ、コップか何かで分けて――」
「【男牛様のミルク】は空気に触れたら、すぐ悪くなっちゃうのっ! コップなんかに入れたら、ホントの味が分からないでしょ!」
(あ――)
 確かにさっきそう言われました。『【注ぎ口】から絞り立てを直接飲むのが一番だ』と。
 そして今では私自身、新鮮な【男牛様のミルク】の素晴らしさを知っています。
 一度でもあの味を覚えたら、少しの鮮度の緩みも許せなくなるのは当然でしょう。

「お姉ちゃんはいいよね! さっきだって【注ぎ口】から直接飲ませてもらえて! 【男牛様】がこんなに夢中になっちゃったら、私なんかどんなに頼んでも全然飲ませてもらえないんだからねっ!」

「そ、それは……」
 とげとげしい言葉の裏に潜む絶望と悲しみに胸を打たれ、私は言葉を失いました。
 そうです。こうして【男牛様のミルク】を味わった後だと、麻紀子ちゃんの気持ちが痛いほどよく分かります。
 自分がどれほど尽くしても、振り向いてもらえない惨めさを、まだこんなに小さいこの子が味わっているとしたら?
 大人達があの奇跡のように素晴らしい【ミルク】を味わっている横で、指をくわえて見ているしかないとしたら?
(麻紀子ちゃん……)
 なんだかまるで自分の事のように胸が痛みます。

「私なんか……私なんかぁ……う、うううぅぅ――」

 ついに麻紀子ちゃんは顔を覆い、泣き出してしまいました。
「あああ……麻紀子ちゃん、泣かないで! 私に出来る事なら何でもしてあげるから! ねぇ、どうしたらいいの? 私が【男牛様】に頼めばいい? あ! そうだ! 口移しなら――」
「そんな事言ったってお姉ちゃん自分で飲んじゃうでしょ!? みんなそうだもん! ママだって最初はそう言ってくれたけど、結局、夢中で全部飲みこんじゃったもん!」
 両手で顔を覆ったまま、麻紀子ちゃんが叫びます。
(う……)
 言われてみると確かに、口の中に出していただいた【男牛様のミルク】を飲み込まずにいられるかは私も自信がありません。
 その素晴らしい味もさることながら、喉の奥までびゅくびゅくと激しく放たれるのです。麻紀子ちゃんの言うように、無我夢中で飲み干してしまうに違いありません。
「それじゃあ……どうしたら?」
 何とか力になってあげたいのに、良い方法がまるで思い浮かばず、私は無力感にうちひしがれました。

「……ねぇ。お姉ちゃんは――ホントに、私を助けてくれるの?」

 両手で顔を覆ったまま、麻紀子ちゃんが静かに尋ねます。
「ええ! ホントよっ! 私、何でもするわ!」
 そうです。私に【男牛様のミルク】の素晴らしさを教えてくれたのはこの子です。
 さっきまで散々弄ばれていた事も忘れ、私はなんとか麻紀子ちゃんに恩返しをしてあげたい気持ちで一杯でした。

「そう。それじゃあ――お姉ちゃん、私の【ミルクの器】になってくれる?」

「え? 【ミルク】の……【器】?」
 耳にした単語が理解出来ず、私は聞き返しました。
「うん。【ミルクの器】」
 顔を覆っていた手を外し、麻紀子ちゃんは涙に濡れた真剣な瞳で私を見つめています。
「えと、それって……」
 きょとんとした顔付きの私に、麻紀子ちゃんは小さくタメ息をもらしました。
「里の女の人はね、みんなでお互いに【ミルクの器】になってあげるの。そうやって【男牛様】に気に入られなかった人や、上手く【ミルク】が絞れなかった人でも【男牛様のミルク】が飲めるようにしてあげてるんだよ」
「あ、そう……なの?」
(よく分からないけど、村の人が互いに助け合う制度――みたいなものかしら?)

「だからね、もしお姉ちゃんが私の【ミルクの器】になってくれたら、私も【男牛様のミルク】を飲めるんだけど……なぁ……」
 最後の方はうつむき、遠慮がちな小さく呟くような声になります。

(麻紀子ちゃん――)

 ギュウッと激しく胸が締めつけられます。
 そうです。私がここまで来たのも、結局はこの子のためです。
 今日は思いがけず色々とイジメられてしまいましたが、それでも、やっぱりこの可愛い姪っ子が大好きな私は心を決めました。
(良く分からないけど、ここの女の人がみんなやってる事なんでしょ? それならきっと私にだって――)

「分かったわ、麻紀子ちゃん。私があなたの【ミルクの器】になってあげる!」

「えっ! ホント? ホントにホント!? うわー!」
 麻紀子ちゃんは輝くような笑顔を浮かべ、寝転んだままの私に抱き付きます。
「美弥お姉ちゃん、大好きっ!」

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

「あっ、【男牛様】! ねーねー、今の聞いてたでしょ!? お姉ちゃん、私の【ミルクの器】になってくれるんだって! わーい、嬉しいなー! わーいわーいっ!」
 麻紀子ちゃんは起き上がると、今度は【男牛様】の首にかじりつきました。
(そう……そんなに嬉しいんだ。ふふ)
 無邪気な喜びように釣られて思わず微笑む私を指さし、麻紀子ちゃんが元気良く叫びます。

「さぁ、【男牛様】! お姉ちゃんのオ○ンコに【男牛様のミルク】をたっぷり流しこんであげてっ!」

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

(……え?)

 瞬間、世界の全てが凍りつきました。

            ■■■■

「えっ? あの、麻紀子……ちゃん?」
(今、何か……変な、事を――)

「あ、いっけなーいっ!」
 私の表情を見た麻紀子ちゃんは慌てた様子で口もとに手をやりました。
「そうだよねっ! ごめんなさい! “オ○ンコ”は女の子が使っちゃいけない『はしたない言葉』だったねっ! ホントにごめんなさい! 私、ママにもよく怒られるんだー」
 そして、神妙な顔付きで言い直します。

「えー、【男牛様】。お姉ちゃんの【下のお口】に【男牛様のミルク】をたっぷり注いであげて下さいな。【白くて濃ぉいミルク】をお姉ちゃんの子宮が溢れるくらい、ドクドク流し込んでください!」

(【下のお口】!? 子宮が――溢れるくらい!?)

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

【男牛様】が興奮しきった声を上げ、私に近寄ります。

「ひっ! ちょ、ちょっと待って! ……あ、いやっ!」
「よーいしょっと!」
 麻紀子ちゃんは私の上半身を起こすと、後ろからソッと抱きかかえます。
「うふっ。私の【器】――すっごく可愛くて、おっぱいもこんなに大きい、素敵な素敵な【ミルクの器】さん。いっぱーい【男牛様のミルク】を絞りとってねっ!」

 ちゅっ! ちゅっ! ちゅっ!

 麻紀子ちゃんが背後からやわやわと私の乳房を揉みしだきながら、首筋にキスをしてきます。
「あっ! やっ! ね、ねぇ……麻紀子ちゃん、コレって冗談よね!? そうでしょ? 私をからかってるのよねっ?!」
 自分でも全く信じていない虚しい言葉を、必死で麻紀子ちゃんに投げかけます。

(いやいやいや! お願い――神様、私を助けて!!)

「ん? 『からかう』って何が? 言ってるそのまんまだよ。お姉ちゃんはこれから【下のお口】が溢れちゃうくらい、たくさんたくさん【ミルク】を注いでもらうんだよぉ。ねー、【男牛様】?」

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

「そして、私はお姉ちゃんのナカにたっぷり出された新鮮な【男牛様のミルク】を飲むの。ふふっ!」
「まさか……そんなっ!」

 ああ。こんな人の道に外れた行為が許されていいはずがありません!

「麻紀子ちゃん、ダメよ! やめなさいっ!」
「……お姉ちゃん。約束――破る気?」

(……えっ!?)

 ドキンッ!

 麻紀子ちゃんの冷たい声に、心臓が跳ね上がります。
「『何でもしてくれる』って言ったのに……『私の言う事を素直に聞く』って言ったのに……ふぅん、そうなんだ。お姉ちゃん、嘘ついたんだ――私に」
「――ま、麻紀子……ちゃん?」
「そっかそっかぁ。お姉ちゃんたら――そんなに【豚さん】になりたいんだね」

 ゾクッ!

 後ろにいる麻紀子ちゃんの顔は見えません。
 けれど、背後から、とても冷たく張り詰めた気配が伝わってきます。
 そうです。この子は今、心の中で何かを決めようとしています。
 とてつもなく恐ろしい結末をもたらす“何か”を――

「待ってっ!! 麻紀子ちゃん!」
「ん?」
 思わず呼びかけてしまいましたが、私の頭の中は真っ白です。必死で話の継ぎ穂を探します。
「えと……ど、どうしてなの!? どうして、その……お腹のナカに?」
「えー、あったりまえでしょ、そんなの!」
 呆れきった口調で麻紀子ちゃんが答えます。
「【上のお口】だとみんな我慢出来なくてそのまま飲んじゃうし、空気に触れると味が悪くなっちゃうじゃない? だからお腹のナカなんだよ。それに……あ、そうそう、【男牛様のミルク】は普通のミルクと違って『人肌の温度の時が一番イキが良い』んだって!」
「イキが――良い?」
「そうだよ。それにね、【男牛様のミルク】を【下のお口】に授けていただくのは【上のお口】で味わうのとは全然違うスバラシサなんだって! 里の女の人はみんな言ってるよ、『とっても素敵でカラダ中が悦ぶのがわかる。【ミルクの器】になって本当によかった』って。いいなぁ……私も早く【下のお口】で飲めるようになりたいなぁ――」
「全然違う、スバラシサ……カラダ中が、悦ぶ――」

 きゅううぅっ!

(あああっ……何っ!? 一体、何なの!?)

 カタカタカタカタカタカタッ!

 麻紀子ちゃんの言葉に、小さくカラダが震え出しました。
「な、何……コレ? わ、私、一体――あっ!」
 慌てる私を麻紀子ちゃんが後ろからギュッと力強く抱きしめます。
「――あはっ。なぁんだ。ホントはお姉ちゃんも欲しがってるじゃない」
「えっ……何? 欲しがってる? 何の事っ!?」
「ふふふふふっ。分かってるクセに」
 妖しく笑う麻紀子ちゃんは背後から右手を伸ばすと、ソッと私の下腹部に触れました。
「あっ!」
 熱い手でした。触れた指先から、じんわりとぬくもりが伝わっていきます。まるで目に見えない触手が伸びていくようにお腹のナカに熱さが広がっていくのが分かります。
「分かるでしょ? ココに授けてもらうんだよ――【男牛様のミルク】を」

 ゾクゾクゾクッ!

 背筋を電流のようなものが走りました。

(ああ、何……コレ?)

「さっき、【上のお口】でたくさんたくさん飲んだから知ってるよねぇ――あのスゴい勢いでココの奥、一番キモチ良いところめがけてビュクビュク出していただけるんだよ――アツぅい【男牛様のミルク】を」

 きゅうううんっ!

「――あああっ!」
 麻紀子ちゃんの言葉に応えるように、カラダの奥に激しいうねりが生じます。

(ダメよ……そんな……私――)

 けれど、どんなにアタマで否定しようとしてもカラダが覚えているのです――あの感触を。

「白くてコッテリ濃ぉい【男牛様のミルク】がドクドク流れこんで、子宮の一番奥までアツぅくなっちゃうんだよぉ。お姉ちゃんのカラダがシアワセでヒクヒク震えると、ナカのヌルヌルネバネバが絡み合って――」
「い、いやああぁ……言わないで……もう言わないでえぇ――」

 耳もとで優しく囁く麻紀子ちゃんの言葉が、私を内側から変えていきます。

「ふふ。ホントは気がついているんでしょ? どんなに【上のお口】が嘘をついても、【下のお口】は正直なんだよ。絶対、嘘がつけないんだから。さ、【男牛様】にお願いしよ、お姉ちゃん」
「麻紀子……ちゃん」
 揺らめき崩れかかるココロをなんとか押し留めようと私は必死で抗います。

「ダメ、よ。それだけは許して……それだけは――」

「――ふうぅん」

 ドンッ!

(あっ!)

「じゃあ、もういいよっ!」
 私を突き飛ばすようにして立ち上がった麻紀子ちゃんは大きな声で言い放ちます。
「こんな【ミルクの器】、もう要らない! 私、ママにお願いするもん!」

(えっ!?)

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

 麻紀子ちゃんは悲しげな鳴き声をあげる【男牛様】を優しく抱きしめます。
「ごめんねぇ。せっかく【男牛様】がその気になってくれたのにねぇ」

「ま、麻紀子……ちゃん。あの――」

 もはや、こちらを全く無視して麻紀子ちゃんは【男牛様】と会話を続けます。
「だけど、代わりにウチのママならいいでしょ? ね?」

「待っ……て――」

「【男牛様】、ママの事大好きだもんねー。きっと、同じくらいたくさん【ミルク】を――」
「麻紀子ちゃん、待って!!」
「――あぁん?」
 必死で呼び止めた私を麻紀子ちゃんは汚物でも見るような冷たい視線で見下します。
「なぁに? 【豚さん】」

(ああ……そんな――)

「えと、その……」
「言いたい事があるなら、今すぐハッキリ言ってよね! 私忙しいの。これから村長さんに『おマタをヌルヌルにしたハダカの【豚さん】が待ってますよー』って言わなきゃいけないし、なんか今、大切な時期らしいママに【ミルクの器】をやってもらえるか聞かなきゃいけないし! さぁ、一体何なの?」

 ゴクリ。

「や……やるわ」
「はぁ!?」
「私、麻紀子ちゃんの【ミルクの器】をやります!」
「はっ! 【豚さん】、イヤなんでしょ? 【下のお口】じゃ【男牛様のミルク】を飲みたくないんでしょ? イヤイヤなら別にやらなくていいよ」
「ち、違うの! 素直になれなくてごめんなさいっ! 欲しいわ! 私の……その、【下のお口】に【男牛様のミルク】を――」
「ふぅん。勝手にすればぁ。じゃあね、【豚さん】!」

(……ああっ!)

【豚さん】という言葉の意味は未だによく分かりませんが、麻紀子ちゃんが私を見捨てようとしている事だけはハッキリ分かりました。
「待って! お願い! 私にやらせてちょうだい! 麻紀子ちゃんの【ミルクの器】をやらせてっ!」
「へえぇ」
 すっかりこちらを見下した態度の麻紀子ちゃんは軽く肩をすくめます。
「それが人に何か『お願い』する時の態度なんだぁ。ふぅん、オ・ド・ロ・キ」

(……う)

「じゃあね」
「あ、待ってっ! 待って下さいっ! お願いします! どうか私を麻紀子ちゃんの【ミルクの器】にして下さいっ!」
「…………」
 こちらに冷たい視線を向け、黙ったままの麻紀子ちゃんに私は心底すくみ上がります。
 そう。今、この瞬間、私の全てを握っているのはこの子です。
 ここで麻紀子ちゃんに見捨てられたら、もう後が無いのです。
 後はただ『地獄』が待っている――何の根拠もありませんが、それだけはハッキリと分かりました。

「お、お願いです! 置いていかないでっ! 何でもします! どうか……私をあなたの【ミルクの器】にっ! お願いします! 助けて、麻紀子ちゃんっ!」

 ――ふぅ。

 タメ息を一つ洩らした麻紀子ちゃんが、やれやれといった様子で肩をすくめます。
「そうやって、最初から素直になればいいのに」

(あああっ!)

 安堵の波が全身を浸しました。
(良かった……私、もうダメかと――)
 なんだか涙がこぼれ落ちそうです。

「ほらほら、ぼさっとしてないで早く自分から【男牛様】にお願いしてよ! “【男牛様のミルク】を下さい。美弥のオ○ンコにドクドク流し込んで下さい”って!」
「は……はい」

【もおおおおおおおーーーーーーー!】

 こころなしか喜んでいるような調子で【男牛様】が鳴き声を上げます。
(【男牛様】――)
 キュン、と胸の奥が甘く痺れます。
 変です。頭ではおぞましい事と分かっているのに、私のカラダは期待に震えているのです。

(いやいやいや! どうしてなの? 一体、どうしてこんな事に!?)

 山奥の小さな村の一軒家で、生まれたままの姿で横たわり、『家畜』に淫らなおねだりをする――こんな狂った状況をいつしか受け入れ始めている自分に驚きます。

(でも――しょうがないの。今はこうしなきゃ――)

 どれほど淫らな事でも、どんな恥ずかしい事でも、今は自ら進んで受け入れなくてはいけないのです。

「お……【男牛様】?」
 呼びかけると【男牛様】は、四つん這いでのそのそと私に近付いてきます。

 ぶるんっ。ぶるるんっ。

(スゴい! 【注ぎ口】があんなに――)

 お腹の方にまで反り返った雄大な【注ぎ口】が、【男牛様】が一歩進む度に、ゆさゆさと揺れます。

(これから、アレを……あんなスゴい【肉の棒】を入れていただくのね? 私の……私の――あああっ!)

 きゅううううううんっ!

「お、【男牛様】っ!」
 突然カラダの奥深くから湧き上がった衝動に従って、私は口を開きました。

(ああ……私、言ってしまう。あんな恥ずかしいお願いを……人として許されない最低の行為を――)

 ほんの一瞬の躊躇いを振り払い、私は言葉を続けます。
「わ、私に【男牛様のミルク】を下さいっ! 私の……私の――」

 その殺那、私の顔を正面から覗きこむ【男牛様】と目が合いました。
 ネットリとした視線が私の視線と絡み合い――

 ゾクゾクゾクウゥッ!

(あああああああああああああああっ!)

「オ○ンコ! 美弥のオ○ンコに、【男牛様】のアツい【ミルク】をドクドク流し込んでえええええぇ!」

【んもおおおおおおおーーーーーーー!】

 じゅぶりっ!

「きゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

(何……コレ!? ああああああ、何なの?! 何なのコレええええぇっ!)

 ――それは『熱さ』でした。
 ――それは『衝撃』でした。
 ――それは『大きさ』でした。

 熱く、堅く、そしてはちきれそうなほどパツパツに膨らんだ大きな『肉のカタマリ』――それが私を串刺しにし、カラダのナカを一切の隙間無く、ぎっちりと埋め尽くしています。

「ふふふ。お姉ちゃん……どぉ?」
「あ、ああ、ああああ、あああああああ――」

 私はただ痴呆のように口もとをわななかせる事しか出来ません。
「あははっ! 大変みたいだねぇ。でもね、お姉ちゃん、実はまだ始まってもいないんだよ」

(――えっ?)

【んもおおおおおおおーーーーーーー!】

 ずるっ。ずるるっ!

「ひ、ひいいぃ!」
 カラダの一番奥深くまで埋め込まれた太い『支柱』が引き抜かれようとしています。
 ゴツゴツとしたいびつなカタチの“ソレ”は先端がキノコの笠のように広がっていて、私のナカをゴリゴリとえぐりながら、移動していきます。
(あ、あああぁ――)
 敏感な部分を埋め尽くした熱く大きなカタマリが引き抜かれると、とても言葉で言い表せないほど切ない気分になります。

「やっ! いやいやいや! ダメなの、ソレ。抜いたら――」

 ずんっ!

「きゃあああああああああああああああっ!」

 入口付近まで引き上げられた『支柱』が、不意にまた落下しました。
 まるで城の城門を破る破城槌のように、加速度をつけて一番奥――私の敏感すぎる場所に当たります。

「ああ……あああ……ああああぁ――」

 惚けたように口もとから涎を垂らし、あえぐ事しか出来ません。
 ほんの二突きばかりで『私』という城はあっさりと陥落してしまったのです。

 ずるりっ。

「あ! ひ……ひいいぃ! いや! いやいやいや! いやああああっ!」

 ずずんっ!

「きひいいいいいいいぃ!」
 
(――壊れるっ! 私、壊れちゃううぅっ!)

 私が理解した時にはすでに遅く、【男牛様】は次第に【注ぎ口】を上下するスピードを増し始めていました。

 ずるりっ! ずんっ! ずるずるっ! ずずんっ!

「いやああっ! いやいやいや! あーーっ! イグっ! あーーーーーーーーっ!」

 それはある意味単調な攻めでした。
 テクニックなどまるで弄さず、ただひたすら巨大な肉の棒を出し入れさせる。
 けれど単純な分、それが私のカラダのナカに生み出す衝撃と熱量は恐ろしいもので、私はもうそれだけで半狂乱でした。

 ずんっ! ずんっ! ずずんっ! ずんっ! ずずんっ!

「いひゃあっ! らめえええっ! もお、いやらろおおおおっ! おぐっ! わらしの、おぐがああああっ!」

「ああっ、お姉ちゃん――スゴいっ!」
 頬を赤く染め、興奮しきった様子で麻紀子ちゃんが私の顔を覗きこみます。
「ね、ねぇ! どうなの? 気持ち良いのっ!? 天国なの?」
 まだ毛も生えていない、ツルリとした自らの秘部に指を当て、チュクチュクと激しくこすり立てながら、麻紀子ちゃんが尋ねます。
「ねぇ、そうなんでしょ!? あっ! あああっ!」

「らめえぇ……も、もぉ、ゆ、許してえぇ……死んぢゃう――わらし、死んぢゃうのおおぉっ!」
「そんなにキモチいいのね?! 死んじゃいそうなくらい気持ちいいのねっ? ああ……にくらしい! うらやましいいぃっ!」
 ギュッと力強く乳房が掴まれます。
「あうぅ――」
 けれど、もはやそんな刺激でさえ、今私を襲っている快楽の前では嵐の中のマッチ棒の灯りのようにちっぽけなものでした。

 ずんっ! ずんっ! ずんっ! ずんっ! ずずんっ!

「いやいやいやあぁ! イッぢゃう! らめえぇ! わらし、またイッひゃううぅぅ!」
「もうすぐだよ、お姉ちゃん! きっと、もうすぐ出してもらえるからね! 【男牛様のミルク】! ほらほら、おねだりしてっ!」

(【男牛様】の――【ミルク】!?)

 きゅうううううっ!

「ああああぁ、出してえぇ! 【ミルク】出して! おうしさまぁ! わらひのナカに――美弥のオ○ンコに【ミルク】いっぱい出してええええええええええっ! ああ、イグっ! イグイグイグっ! わらし、またイグウウウゥ!」

【んもおおおおおおおーーーーーーー!】

 ひときわ激しく打ち付けられた【注ぎ口】が、ぐりぐりと子宮口に強く押し当てられ――

 びゅくんっ!

(――熱いっ!)

 びゅくんっ! びゅくんっ! びゅくんっ! びゅくんっ!

「あっ! あっ! あっ! あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

 たまらなく熱いほとばしりが私の奥深くでドクドクとしぶきます。

(ああ、飲んでる! 私のっ! 私の子宮が……飲んでるっ!)

 じゅわっと下腹部全体に広がるぬくもりに、例えようのない幸福を感じます。
【男牛様のミルク】をカラダで受け止める悦びに、ブルブルと全身が震えます。

(【男牛様】! 【男牛様のミルク】! あああああああっ!)

 ポロポロと涙が溢れ、止まりません。
 この世にこれほどの『悦び』があっただなんて!
 私は自分が如何に愚かな人間だったのかをようやく悟りました。
 そうです! 『オンナである事の悦び』とは誰かの【ミルクの器】となり、溢れるほどの【男牛様のミルク】――【男牛様】の【愛】を注いでいただく事だったのですっ!

【んもおおおおおおおーーーーーーー!】

 ――一体、どれほど経ったのでしょう? 数秒? それとも数世紀?
 満足気な声をあげた【男牛様】が、ふわふわと幸せの中を漂う私からようやく身を離しました。

 ずるりっ。

「ああっ! もったいなーいっ!」

 ちゅっ! ちゅっちゅっ! ぢゅうううううぅっ!

(あっ! はああああっ!)

「だ……ダメよおぉ。私、イッちゃったばかりなのよぉ。カラダ中、敏感になっちゃってるのよぉ……」
「うるさいなぁ! 【器】は黙ってて!」
 弱々しく呟く私の秘裂にむしゃぶりついた麻紀子ちゃんが、勢い良くずるずると【男牛様のミルク】を吸い上げ味わいます。
「ああ、美味しいっ! 美味しいよ、美弥お姉ちゃん!」

(そう……なの。良かったわ。たくさん……お飲みなさい)

『赤ん坊に授乳する母親の気分』というのは、ひょっとしてこういうものなのでしょうか?
 私は姪に【男牛様のミルク】を吸わせながら、ただうっとりと幸せの余韻に浸っていました。

< 続く >

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