グノーグレイヴ2 エピローグI

[エピローグI]

 握出は宇宙に投げ捨てられていた。理想郷も消え、新世界も崩壊した握出に返る場所はなかったからだ。握出は不老不死になった。だから宇宙に投げ込まれても死ぬことはない。だが、この世には握出以外、誰もいない。
 時と供に流される運命に身を委ねるしかない。

「『まったく、酷い人生です』」

 誰かに言う必要はなく、ただ一人でぼそっと呟いた。

「『まったく思い通りにならない』」

 生涯とは思い通りにならないこと。人間なんてそんなもの。幸せとは結局、妥協の末にある削れた岩石みたいなものだ。

「『……それでも』」

 握出は新世界で出会った家族たちを思い出していた。

「『ツキヒメはもういない、ポリスリオンももういない、ジャッジメンテスもいない』」

 拓也が生みだし、如何なる真実があろうと、握出の前では双子で三姉妹の正義の使者――

「『フォックステイルもいない、センリもいない』」

 小動物のように愛らしく懐く正義の使者も、秘書として皆の将来を案じる正義の使者も、――

(……)

「『ブリュンヒルドもいない……ガストラドゥーダ様もいない……――みんな、いない』」

 握出と身を結んだ初めての妻も、その子供も、みんないなくなってしまった。
 握出にとって社長がいなかったつまらない世界も、かけがえのないものが確かにあったのだ。
(……タ)

 それに気づけた。無駄なことなど何もない。嫌な人などどこにもいない。拓也の産んだ新世界は握出を含めて全てを受け入れていた。
 なんて不運。世界とは出会いなんだと、人間より先に知っていた。そして、拓也の産んだ『アンドロイド』たちも知っていた。唯一人、拓也だけが気付けなかった……。
 これじゃ握出も上司失格だ。
 宇宙に漂う握出ももう上司じゃない。特別ではなく、一人の人間として願いたい。

「『会えなくて、つまらない』」

 この宇宙を終わらせたい、と。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

――ドタン
 宇宙が抜けた。重力に落とされた握出の身体は、床に強く叩きつけられた。

「イタタ……。これは、どういうことですか?」

 握出がゆっくり身体を起こすと、それは旧世界に住んでいた自分の一軒家だった。そして――、

 『マスター!』

 正義の使者たちが握出に抱きついてきた。
 消えたはずの正義の使者がどうして、家に帰ってきているのか握出には分からなかった。

「みなさん!!?いつ家に戻ってきたんですか――?」

 状況が把握できない握出。ブリュンヒルドが微笑んでいた。

「マスターが、私たちが『いない』って、言ってくれたのではないのですか?」

 確かに言った。宇宙で漂いながら一人事を呟いた。だが、それで蘇ったということは――

「『亡き営業部長の座―ウソエイトオーオー―』。そういうことですか……私の言ったことは皆、嘘に――」

 全てを言う前にツキヒメとポリスリオンが二人で握出の口を塞いだ。

「言わないで!私たちはいつでもマスターと一緒です」

 正義の使者の居場所は握出の元に集結した。いや、正義も悪もこの家の中には関係ない。平穏、平和な日常にこそ、人は皆集まるのだ。
 握出はガストラドゥーラを抱きしめた。

「『嬉しくない。離れてほしい。別れたいです。皆さん大っ嫌いです』」
 『マスター!!』

 ツキヒメ、ポリスリオンが抱きついてくる。いつも来ている戦闘用の服を解除して、幼いながらも小さく膨らんだ乳房を握出の顔に押し付けている。再会できたことを喜ぶ姉妹は、握出からの愛を求めていた。握出もその可愛い乳首を交互に咥え、二人は同じ顔で喜んでいた。

「ん……マスター……ペロペロ……」
「こらっ、これは童のだ。センリはあっち行くのだ!」
「二人とも、仲良くしてください」

 センリもフォックステイルも一緒に握出の逸物をフェラしている。小さな舌が二つ握出の逸物を味わうように舐めている光景に、ブリュンヒルドも微笑ましく眺めていた。

「マスター……私も、愛してください」

 ジャッジメンテスが衣服を脱ぎ棄て、握出の前に立つ。ツキヒメ、ポリスリオンが握出を興奮させ、フォックステイル、センリがいきり立たせた逸物を、ジャッジメンテスが咥えこむ。

「ああああ!!!マスター―――ありがとう、ですぅ!!」

 初めてジャッジメンテスは握出の逸物を味わう。握出の太さは今までの人よりも断然大きく、ジャッジメンテスの膣内で暴れていく。
 多数で犯されるよりも、握出一人に犯された方がジャッジメンテスは感じていた。

「うひゃああああ!!マスター、い、イクウウウウ―――!!!」

 ジャッジメンテスが最初に逝った。だが、握出の体力は限りなく残っていた。もう衰えることもない。愛娘たちを満足させることなど握出にとって訳はない。

「マスター……私も……」
「童も……」
「握出さま……」
「早く入れてよ、マスター!」

 次は自分とばかりに急かしてくる娘たちに握出だけではなく、ガストラドゥーラやブリュンヒルドも微笑んでいた。

 悪魔と言われた人物も、その後の生活は一人の人間。大きく見れた他の人とそれほど大差のない一つの生涯。
 快楽の女王、天邪鬼……。それはきっと、今の握出が生みだした分身そのもの。きっと彼女たちも今の光景を見て笑ってくれているだろう。
 握出がこれから生きる世界は、裕福じゃないがきっと幸福が広がっている。
 グノーグレイヴが消えた世界は澄み渡る青空が広がっていた。

 『うひゃああああ!!!イクウウウウウ―――――!!!!!』
 『うひゃひゃひゃ!!皆さん、疲れましたね。休憩しましょうか!?』
 『は、はい……もっとしてください、マスター!!!』

 仲良く過ごす一つの家族、それは一つの困難を乗り越えた先に――

「絶望の先に歓喜がある」

――ガストラドゥーラが今の光景を見て笑っていた。

< 了 >

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