危ないやつら 第五話

第五話

■青山 ウシロ

 夜も更けてきた時間帯、俺は駅裏にある、オフィスビルの1階に居ました。

 もちろん、学生である俺がこのビルにいるのは理由があるんですが。このビルの4階に、でかい製薬会社の支社があるんですが、そこに勤めておられる方に用事があるんです。

 今回宮子ちゃんに頼まれた仕事は、その4階の間取りや部屋の構成を調べる仕事なんです。できたら、人数とか普段支部長さんがどこに居るのかも調べるんでしたっけかね。
 なにするのかは聞いてませんが、多分良くないことをするんだろうな、ってのは予想しています。

 とにかく、ちゃちゃっとやっちゃいますよ!
 こんなのは秘密兵器さえあれば、簡単にできる仕事!

 なんて張り切ってここに来たのはいいんですけど……あれから3時間収穫ゼロですよ! これはあかんですよ!

 いやー、このビルから出ようとしている人に片っ端から声かけてるのに、全然あたりがこない。中央の一番でかい出入り口でずっと張っているのにですよ!

 いや、女性ばかりに声を掛けている俺に原因の一端があることは否定しませんよ?
 でも、おそらく相手を操ることになるこの仕事、男に声を掛けるわけにはいかんのですよ。男を操るのは俺の美学に反する的なアレがあるし、男性の方だって、見ず知らずの男にメアド教えるのは嫌でしょ!? みたいな。

 いやしかし、そんなこといって会社の人は全員男だったり……
 いやいやいや、俺はあきらめませんよ。
 よし! 次はあのスーツをびしっと決めた、あの女性に声を掛けてみましょう。

 そう決意して、その女性に近づいてみます。
 この人は、端正な顔立ちで鼻が普通の日本人よりかなり高いのが印象的ですね。
 雰囲気は……なんとなくですがもともとポワンポワン気質なのを社会人になったので自重しているって感じですかね。
 ちょっと取っ付きにくそうな気がしますが一旦近づければ楽勝かな?
 まあ、失敗してもどうにかなるわけじゃないしとりあえずアタック。

「や、どうもお久しぶりです~」

 にこやかな笑みを浮かべながら話しかけてみます。

「え、私? ……こんばんは?」

 当然なんですが知らない人にいきなり声を掛けられて困惑してます。

「しばらくですね~、最近調子はどうですか? え、絶好調? さすがですね!」
「あ、あの~君誰かと勘違いしてない? 私たち初対面だと思うんだけど」
「なーにいってんですか、もう本当久しぶりだからって忘れるなんて酷いですよ」
「え…っと……いや、やっぱり知らない! ごめん、人違いだから」

 OLのお姉さんはそのまま早足で俺の前を抜けようとします。こりゃ初めは失敗かな?

「チッ、親しく話しかければ勝手に知り合いだと思ってくれるってのは都市伝説だったか」
「……は?」

 つい口から本音が!?
 俺の10m前にいっていたお姉さんがなんとも言いがたい形相でこっちを見ています。

「……あんまり大人を馬鹿にしないほうがいいわよ」

 うおお、すげえ威圧感が……
 これが大人のパワーか。

「す、すみません。いや、別に馬鹿になんてしてないですよ。そう、あれです! ただアンケート取りたくってそれでちょっと変化球気味のアプローチをしてしまったんです!」
「……ふーん、アンケートねえ。そういうのってこの建物の中でやったらまずいんじゃないの?」
「ま、まじっすか。別にちょっとそこのお店に入りませんか? →この絵画とかはいかがでしょうか? →おいおい姉ちゃんうちの女になに手だしとんのや? っていうのじゃないですよ?」
「そこまで警戒はしてないけど……アンケートって何を聞いてんの?」

 お、ちょっと態度が軟化してきましたよ。

「えっと、お姉さんって上の製薬会社で働いてたりします?」
「え、君なんでそんなこと知ってんの?」

 おっしゃあ!
 ようやくヒットですよ!!

「全然知らないですけど……来年俺も入社したいかも!? なんて思っちゃってるんです。それで、先輩がから話し聞きたいな~とか思ったりな~んて」
「へ~私はそんなの全然しなかったけど、最近の学生ってそんなことまでしてるんだ…。ってその制服……君の学校って南?」
「まあ、一応いま南の二年生ですけど……どうかしたんですか?」
「うわ~なつかしい~。私も南だったんだよ。えっと6年前の卒業生」

 俺が後輩とわかりいきなり目を輝かせる。

「へえ、それじゃあ先輩ですね~」
「今ってまだ朽原って先生いる? 理科の実験ばっかりやる先生」
「朽原先生なら俺たちの担任ですよ。定年間近なのに未だに現役って感じです」
「ほんと~? あの先生私の3年の時の教師でさ、お世話になったんだよね~」
「ほうほう、朽原先生って6年前もいたんですね」
「ちょうど私が入学したときに南に来たの、懐かしいな~」

 お、この空気いけるんじゃないですか? むしろいけるべきでしょ。

「あの~、そこらへんの話も聞きたいんでどこか他の場所いきませんか? あ、勿論先輩におごらせたりしませんよ!?」
「んん~私も学校の話とか聞きたいかも。それじゃあ私がおごるから今の南の話とかきかせてよ」
「うは~さすが社会人、太っ腹」
「でしょ~それじゃあどこいこっか……っとそのまえに君の名前聞いてなかったね」

 うし! 今回はスムーズな仕事運びでした、丸。

「青山ウシロっす。友達からはオナモミ野郎と言われています。よろしくおねがいしまっす!」
「そっか、ウシロ君ね。私は垣乃美江、よろしく~」
「垣乃さんですか、まじで助かりましたよ~」

 さてと、とりあえずメアド聞いて、人の居ない場所いって……

 メアドが手に入ってからは、速攻でメール送って美江さんのマンションにつれていってもらいました。彼女は今年で24の入社2年目らしいんですが、景気いいみたいですねー。すごい高そうなマンションですよこれ。

「それじゃあ、ちょっと散らかってるけど、適当に座ってて」

 会話してみた感じ、悪い印象は与えなかったと思うのですが、念のため『青山ウシロはかなり気の合う後輩』と指示を送っておいたので、いい感じの笑顔で迎えてくれます。

「は~い、おじゃましますねー」

 散らかっていると言っていたとおり、かなり乱雑に服が放り投げてあったり、机の上にファッション雑誌が山積みになっていたりしますが、一通りの掃除はしてあるみたいで、ゴミはほとんどみつかりませんね。

 多分、仕事が忙しくて片付ける暇がないんでしょうね。
 しょうがない、俺が少しでもそういう生活のストレスを解消してあげなければ(欺瞞)

「よっと、それじゃあなにかとってくるけど、注文ある?」
「いえいえ、押しかけたのはこちらですのでお構いなく~」
「そう? じゃあ、適当でいいかな?」
「そんなそんな、熱いお茶が欲しいとか全然思ってないですよ?」
「う、うん。わかった、淹れてくるね……」
「そういえば、もうすぐお夕飯の時刻ですね。あ、いえいえ、まったく起きになさらず!」
「……ちょうど昨日の残り物があるから、それでよければ食べていく?」
「なんと、面目ないです。あ、ここにでているポテチを食べながら、待ってていい、ってことは…」
「…………」
「あれ? どうかしましたか?」
「いや…いいけどさ」
「あ、まさか食後のデザートのことを考えてくれていたんですか!? 俺選り好みしないので、なんでもOKですよ!!」

 そこまで言うと先輩は、梅干でも食べたような渋い顔でこちらを見つめる。

「君…彼女いないでしょ」
「何故それを!?」

 結局おかわりをして、満腹になるまでご馳走していただきました。
 いや~なんか催促したみたいで悪かったですかね。

「ごちそうさまでした! や~ほんとうに図々しくてすみません」
「本当だよ…」

 口元を引きつらせて、なんとか笑顔を浮かべている。
 命令したのは、俺のことを気の合う後輩と思うことだけだから、そろそろ堪忍袋の限界かもしれないですね。

「でも、本当に美味しかったですよ。垣乃さんってお料理上手なんですね。よく言われるんじゃないんですか?」
「そ、そう? あんまり人に食べさせることないから、褒められたことないんだけど…」
「なんと!? それはもったいないですよ。こんなに美味しい料理が作れるのに彼氏の1人いないなんて」
「あ、ありがとう…ってなんで彼氏いないの知ってるの!?」
「え…本当にいないんですか……」

 思わず体を引いてしまいました。

「なんで、君に引かれなきゃいけないのよ!」
「いや…まあ、24歳ならまだまだ……ですよ?」
「大きなお世話過ぎるよ!!」

 顔真っ赤にして、叫んだら、早足でキッチンの方に行ってしまいました。
 からかいすぎましたかね?

 まあ、これでだいぶ交流を深めた所ですし、お次はエロの時間ですよ。
 こちらがかなり厚かましくしても、先輩だからといことで温情のある対応を頂いていたのですが、今度の命令はそれをさらに突き詰めて、『どんなずうずうしいお願いでも我慢して聞いてくれる』というような命令文を作ってみました。
 これをポチッ、と送信して。

 あとは、先輩のが戻ってくるのを待つだけですね。あ~、テレビ見ながら食べるポテチは美味しいですねームシャムシャ。ソファが柔らかくて気持ちいい! これはついついだらけてしまいますね、ゴロゴロ。

「人の家でリラックスしすぎでしょ!?」
「うわっ!? もどってくるのはやい!?」

 おもわず、ソファから転げ落ちてしまいましたよ

「も~びっくりさせないでくださいよー」
「びっくりしたのはこっちだよ!? なんでそんな図々しくしてられるのよ!」
「あっはっは。居心地がよすぎてまるで我が家のように思ってました。そういえばここ先輩の家でしたね、てへへ」
「君、碌な大人にならないよ…」
「いや! 先輩が優しすぎるからついつい、気を使うのを忘れてただけで、普段はこんなんじゃないデスヨ?」
「少しは気を使いなよ!! 初対面でしょ!?」
「あ、あはは」
「そんなんじゃ学校でも迷惑ばっかり掛けてるんでしょ? だいたいさあ…ブツブツ」
「いやいや、これでも学校では謙虚な美少年でとおっていて」
「特に君ぐらいの女の子って、そろそろ外見以外のところも重視し始めるんだよ? そんなんでさあ…ブツブツ」

 さ、さすがに我慢の限界だったみたいですね。
 俺と目を合わせずに、ひたすら呟いてる人になっちゃいました。

「しっかりしないと絶対にもてないんだからね? 私が学生だったときは…ブツブツ」

「あの~、お怒りのところ恐縮なのですが、ちょっとお御髪をお借りしていいでしょうか?」
「だから私は…へ? 髪ってどういうこと?」
「食欲満たしたら、性欲が沸いてきちゃったんで、ヌいてもらっていいですよね?」
「なっ!? …うぅ…よくないけど…いいよ」
「それじゃあ、失礼しますね…っと」

 息子を取り出して、先輩の前に堂々と晒す。すでに臨戦態勢にはいっていたので俺の体と綺麗な直角を描きました。
 先輩は、俺のグロテスクかつ雄雄しい肉棒をみて、逃げたそうな顔をしましたが、どうにか髪留めを外して、俺のモノに長い髪を巻きつけてくれました。

 俺が髪で扱いてるのを横目に、「この前美容院行ってきたばっかりなのに…」とかぼやいています。
 さらさらとした髪が肉棒に巻きついて、擦れると、俺の敏感な部分にスゥーと効いて、これは…ありがたい。
 特に髪の毛は女性の命っていいますし、それを汚すっていうのは言いようのない征服感に襲われますね。
 あまりに気持ちよかったので、おもいっきり発射してしまいました。

「わっわっ、ちょっと! 顔にかけないでよ!」
「いや~、気持ちよかったですね。先輩の髪はそこらへんのオナホより断然気持ちいいですよ」
「まるで嬉しくないよ!!」
「まあまあ、今度は先輩がやってくださいよ」
「一応聞くけど…なにすればいいの?」
「みさきさんの手と髪でおれの息子を気持ちよくさせてください!!」
「う~やだよ~。やりたくないよ~」

 と、口では言ってますが、体の方は俺の股下に跪いて、髪を肉棒に再び巻きつけています。

「うわ…髪がベトベトする…服にも付いちゃったし…」

 さっきはまったく遠慮しないで飛び散らせちゃったので、色々なところにザーメンが付いちゃいましたね。めんごめんご。

「せっかくですし、パンティで息子を拭いてくれていいんですよ?」
「なにがせっかくだよブッ飛ばすぞ!!」

 怒りながら、パジャマを腰から一気に降ろして後ろに投げつける。
 綺麗な生足をなんとか隠そうとしていましたが、結局ショーツも脱ぐ必要があるので、あきらめて下を全部脱いでくれました。

「パ、パジャマは着ててもいい…よね?」
「いいですけど、後でもっと汚れますよ? (スマイル」
「脱いだままでいいよ…」

 さっきまで穿いてた温かい下着を、俺の息子に丁寧にかぶせ、精液を綺麗に拭いてくれる。
 怒っていても、結局は優しいところが素敵です!

「ヤダー、なんか大きくなってる…」

 ついつい、息子も興奮してしまったようですね。

 ショーツで汚れを拭いてもらった後は、いよいよ本番の髪コキ。
 細く冷たい指先が俺の熱をこもった肉棒に触れるたびに、ビクンビクンとなってしまいます。

「動かすなー、人が折角やってあげてるんだから、これ以上面倒なことさせないでよー」
「イヤン! 先輩の髪気持ちいいです~~~!! らめえっ! 感じちゃうう!!」
「その口調やめろ~。うう、きもいよー」

 そういう先輩も、さっきからお姉さん口調崩れてますよ。

 文句ばかりの言葉とは裏腹の、熱心な奉仕のお陰でそろそろ2回目の絶頂が来そうな感じです。

「髪がざらざらしてきもちいいのおおお!! でちゃう、でちゃうのおおおお!!!」
「うっさい!! さっさと出して終わらせてよ!」
「イぐううううう、イっちゃいますううううぅぅ……あ、出たのは全部飲んでください」
「ふざけんな!!!」

 結局「まずいよ~、吐きたいよ~」とか言ってましたが、全部1発で飲んでもらいました。

「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」
「なんか疲れてませんか? 息切れが激しいですよ? そろそろ、歳なんじゃないですか?」
「怒り疲れたんだよ! そろそろ遠慮しなよ!」
「え、俺セックスしたくなってきちゃったんですが」
「きちゃったんですがじゃないよ!」

 文句を言いながら、壁によりかかってこっちにマンコを突き出してくる。

「ふふふ、体は正直ですね!」
「もう…いいや…。したいならさっさとしよ…」
「でも、俺さっきので萎えちゃってるんで、ちょっとその格好のままケツでも振りながら待ってて下さい」
「……ろす」

 その後息子が回復するまで、ジュース飲みながら、携帯弄ってました。
 先輩はその間ずっと、壁に腕かけてお尻を振ってました。

「あれ!? 先輩なんでそんなことしてるんですか!? 馬鹿みたいですよ!?」
「おまえがなあ……おまえが…」

 呪いでもかけてきそうな先輩と、めでたく3回もセックスしちゃいました。
 まあ、最後のほうは動くの面倒臭かったので、先輩に全部やってもらったんですがね。

「いや~気持ちよかったですね~。先輩はどうでした?」
「どうもこうもないよ! 疲れただけだよ!」
「え~、それにしてはエッチなお汁がいっぱい飛び散ってますけど。やっぱり先輩づらしててもベッドの上じゃ一匹のメスにすぎないんじゃないですか?」
「君…絶対いつか刺されるよ」
「じゃあ、その前に先輩の家に通いつめますね!」
「2度とくんな!」

 いや~、楽しい夜でした。
 でも、もう調査とかする気になれないので、明日また話を聞かせてくださいね、先輩。

■蓬原千尋

「ふぁ~、暇だ」

 学校帰り、俺は大きな欠伸をしながら帰宅していた。

(バイトがなくなると、マジで暇だな…)

 千尋は普段学校が終わったら、バイト先のカフェでウェイトレスをやっていた。といってもそのバイト先は宮子が一人で買った店で、俺たち4人の趣味でやっている店なので、正直利益は度外視で好き勝手にやっている。
 学生の分際で、本業なんぞと言っていいのかはわからないが、利益を出しているのは、宮子が持ってくる仕事の方だ。
 どっから拾ってくるのか知らないが、あいつの仕事は相当金が入る。仕事の内容は様々で、ボランティアとか人探しとか、掃除とか、時々殺し屋まがいのことをすることもある。
 年中人手不足の仕事なのか、仕事が欲しくなったらいつでもとってこれるようで、宮子は俺たちが暇をしていると思ったら、こういった仕事を運んでくるのだったが

「今週の週末まで全員適当でいいですよ。日曜日に仕事入りますが、早紀がこれないみたいなので、お店のほうもお休みしますね」

 なんて言われて、おかげで週末までの予定がなくなってしまった。何してろっていうんだか…

 暇つぶしを考えながら帰宅する。

「帰ったぞー」

 そういえば、どこにも寄らないで、まっすぐ帰るのは久しぶりだと気づく。

「あれ? お兄ちゃん!? おかえりー。どうしたの、今日早いねー」

 元気な声をあげて、妹の弥生が顔をだす。さすがに、姉のほうはまだ帰ってきてないみたいだな。

「バイト無かったからな。週末まで暇だから、帰るの早くなるかもしれねえわ」
「おー、そうなんだ。それは嬉しいなあ」
「なにが?」
「何って、最近バイトばっかで全然家にいなかったじゃん。ちょっと寂しかったんだよ?」

 そりゃ悪いことしたな。

「そんなに喜ぶほど嬉しかったか?」

 いわれて、自分のにやけ顔に気づいたらしい。

「ちょっとだけっていってるじゃん!」

 なぜか大声でどやされる。

「ね~、お菓子まだ? あ、大変そうなら手伝うよ!」

 2階からかしましい声が聞こえる。

「誰か来てるのか?」

「うん! 友達の由貴ちゃんって子。っていうかお菓子取りにいくつもりだったんだ。お兄ちゃんちょっと手伝ってよ」

 答える前に、階段を駆け下りてきた弥生に、手を引かれながらリビングまで連れて行かれる。

「はい、これとこれと、あとジュースもお願い」

 返事もしてないのに、次々と腕の上にお菓子が重なっていく。

「女2人でこんなに食う気かよ…」
「ブー、おんなの子のお茶会には口出し禁止ですー」

 口元で、人差し指を使って、バッテンマークを作る。
 …なんでだよ。

「ほら、上って、上って」

 せっつかれながら階段を上る。

「おまたせー。遅れてごめんね」

 部屋には、弥生と同じ制服を着た、女の子がいた。名前は…由貴だったか?

「わっ、かっこいいー! 弥生のお兄さんですよね!? いつも弥生が自慢してくるからすぐわかっちゃいました! いや~これは弥生も自慢するわ~」
「ちょ、ちょっと、由貴ちゃん」

 あわてて止めようとする弥生

「なるごど、なるほど。スタイルとルックス満点で、しかも妹のお手伝いをなにげなくしちゃうとは」

 こちらを品定めするように、全身を観察される。
 ついつい、こちらも由貴を見つめ返す。茶髪にくっきりした眉毛が印象に残る。ポケットからは携帯のストラップが柳みたいにはみ出している。まあ、今時の子…なのか?
 目がぱっちりと開いて、真正面を見ながらどんどん近寄ってくる、人懐っこい子みたいだな。
 弥生の友人らしい、いい子なんだろうな。

「だから、私はおにいちゃんのこと自慢なんてしてないって」
「なんて言ってますけど、いつも教室でお兄さんのことばっかり話すんですよ? なんとか言ってあげてくださいよ」

 由貴のからかいに一喜一憂、表情を変える弥生。微笑ましい光景だな。

 そう思ってたのに、手が勝手に由貴の頭のほうに向かってしまう。

 なでなで

「わわわ、お兄さんになでられちゃいました!?」
「ちょっと!? お兄ちゃん何やってるの!?」

 2人の反応をスルーして、手のひらに力をこめる。バチバチッと一瞬電流が由貴の体に流れ込むが、本人はまったく気づかず、何かを口走っている。

「わー、わー、弥生のお兄さんに、私のほうが妹としてふさわしいって認められちゃいました!」
「ち、ちがうから! 私のほうが妹にふさわし…いやいや、そうじゃなくて!」

 そのまま、弥生の頭にも触れて電流を流す。

「ぎゃー! お兄さんに裏切られました!」
「や、やっぱり私のほうが妹に!?」

 2人とも、しばらく騒いでいたが、俺は特に説明せず笑って誤魔化すことにした。

「ふふふふふふ」
「何笑ってるんですか!!」

 なんか、最近行動があいつに影響されてきたな…

 ちなみに、俺は『条件付け』という能力を持っている。文字通り相手に条件を付けて、操ることができる。例えば、歩くときに絶対にしゃがんで歩くとかな。
 ただし、一つだけ制限があって、俺が直接相手に触れなければならない。詳しいことは知らないが、俺の能力は体から静電気くらいの電気を生み出して、それに命令を乗せて相手に送り込むらしい。
 だから、宮子みたいに遠距離では使えないが、まあ便利なほうの能力だと思う。
 便利すぎて、さっきみたいに簡単に使ってしまうのが玉にキズではあるが…

「で、結局さっきのは何だったんですか?」
「えーと、あれだ、えーと…」
「いや、まあ、弥生も落ち着いて、もういいじゃん。なんかお兄さんも年下の可愛い女の子の頭なでたい気分だったんですよね」
「まあな」

 由貴から助け舟が来たので、適当に同意しておく。

「んー? なんか隠してない?」

 目を細めて、こっちを見つめてくる。

「ばれたか。実はさっきのはチャクラの向きを確認したんだ。弥生のチャクラは時計まわりだったぞ」

「は?」
「え?」

 2人から真顔で見つめられる。

 心底、いわなきゃよかったぜ…

 誤魔化しながら、お菓子を食べろと言ってみる。
 弥生はまだ納得がいっていなかったが、由貴に促されてなんとか抑えてくれた。
 やばいな、こいつ最近鋭くなってきてる気がすんぞ。能力使うときは気をつけよう…

「ほら、お菓子食え、お菓子」
「ありがと、でお兄ちゃんいつまでいるの?」
「なんか問題あったか?」
「こっからはガールズトークですよー」
「別にいいだろ」

 構わず、弥生のベッドに腰をかける。
 何を言っても無駄と思ったのか、弥生も座ってお菓子を食べ始める。
 弥生と由貴はスナック菓子の袋を開けると、そのまま前屈みたいに体を倒して、スカートの中に手を突っ込む。

「2人して、すげえ格好だな」

「ああんっ、しょ、しょうがないじゃないですか。私、お菓子を食べるとき、ついつい全力でオナっちゃう『クセ』があるんですから」
「弥生なんていいじゃんか。私なんて、お菓子を食べるとき、お尻でオナニーしちゃうんだから」

 とかいいながら、前かがみのまま、片手でオナニー、もう片方の手でスナック菓子を食べている。

 というわけで、今回は2人に『クセ』を埋め込んだ。条件は色々だが、お菓子を食べるときはおかしなことをしても気づけないようにした上で、勝手に体が動いてしまうように設定したのだ。
 今日のお菓子は多いから、全部食べる頃には相当とんでもないことになってるだろうな。

「すげえ食べにくそうだな」
「そ、そりゃあ食べにくいですけど…あんっ、クセなんだから固いこと言わないでください」

 自分でやらせといてなんだが、よくクセで納得できるな。

「そうなのか?」
「そうなんですよー。きゃっ、前から気をつけてるんですけど、お菓子食べてると勝手にお尻の穴ほじっちゃうんですよー」

 そういいながらどんどんケツをあげていく由貴。クセだからといいながら躊躇なく、指を出し入れしている。
 2人ともケツをあげすぎているせいで、スカートの上からラインが見えてしまっている。っていうか由貴はスカートが短いから、普通にケツの穴まで見えている。

「あ~、由貴ちゃん、お尻上げすぎだよ。スカートめくれちゃってるよ」
「え~、弥生だって見えそうじゃんー。それにお兄さんしかいないんだから気にすることないって」
「そうなんだけどさー」

 笑いながら、お菓子&オナニー。途中から疲れたほうの手を変えてもう片方の手でオナニーを続行する。2人とも手が愛液で濡れてたり、黄ばみが付着していたりしたが、気にせずにお菓子をほおばり続けた。

「あー、もう食べ終わっちゃうね…あっ」
「わ~、さすがにペース速すぎたかも…きゃんっ!」

 食べ終わると2人同時に達する。体がビクッと跳ねて、若干目が惚けている。

「っと、それじゃあお兄ちゃん、ちょっと失礼するね」
「あ、私もー。お兄さん前失礼しますね~。よいしょと」

 2人そろって、俺の前に移動してくる。

「さて、じゃあお兄ちゃん、さっさとだしてよ」
「だすって何をだよ」
「そりゃあ、当然お兄さんのチンポですよ~」

 平然といってくる。

「え~、なんでだよ」
「なんでって、私お菓子を食べ終わった後、チンポ舐めちゃうクセがあるんですからしょうがないじゃないですか」
「えへへー、私もお菓子たべたら、ザーメン勝手に飲んじゃうクセがあるんですよ~。お兄さんが出してくれなかったら、力ずくで襲っちゃうかもしれませんよ~」

 冗談めかして喋っているが、2人とも俺の股間に目が釘付けになっている。早く俺の息子を見たくてしょうがないといった顔だ。

「んじゃ、俺は何もしないから適当にしゃぶれよ。あ、なるべく気持ちいい舐め方はしろよ?」

 そういって、息子を取り出す。

「わー、もう大きくなってる。舐めやすそう!」

 膨れ上がった、俺の息子を見て弥生は嬉しそうにはしゃぐ。

「おお、お兄さんの大きいですね~。すごいです、すごいです!」

 由貴も好奇心満々といった風な声をだす。
 誰と比べて大きいとか言ったのは気にしないでおくぜ…

「あんまりジロジロ見んなよ、はずいから」
「はいはーい、じゃあ失礼しますね、パクッ」
「あ、由貴ずるい。私も…えいっ」

 2人は肉棒の先端に、両側から顔を寄せて、亀頭に舌を伸ばす。
 舌の感触が気持ちいいが、ただ舐めまわすような動きなので、性的な気持ちよさはそれほど沸いてこない。
 まあ、いきなり2人でしゃぶらせようとしても無理があるか。

「ちゅぱ、ちゅぱ」
「ぺろ、ぺろ…」

 さっきまでは姦しかったが、しゃぶり始めると、すごい集中し始めて、いきなり静かになってしまう。

 そのうち、チンポを舐めなきゃいけないと思っている、弥生のほうがだんだんと顔を近づけてきて、肉棒の先端を全部口に収めてしまう。
 弥生は俺で経験があるので、口のなかで俺の肉棒をバキュームのように吸引したり、舌の先を割れ目に入れたりと、俺が気持ちよくなるような工夫をしてくれる。
 対して、由貴の方は、こういったことは初めてのようで、弥生が亀頭を占領してしまうと、何をしていいのか分からないようだ。
 よかった、チンポを見慣れている中学生は居なかったんだな…

「由貴さ、あんまり経験ないだろ?」
「え、その~、いや~。お恥ずかしながらこういったことは、初めてなもんで」
「んじゃ、手でしごいてくれる?」
「えっと、しごくって……この部分を手でやればいいんですか?」
「んー、もうちょっと下の、そうそう、そこらへん。んで手をあてたらゆっくり上下に動かしてみて」
「うおお、あっつい……こ、こんな感じですか?」
「おお、いい感じ。結構気持ちいいよ」
「あ、でも、これじゃあお兄さんのザーメン飲めないじゃないですか?」
「弥生に飲ませてもらえばいいだろ、な?」

 ずっと、肉棒をしゃぶっていた弥生が、ほっぺたにチンポをあてながら頷く。

「なるほど、それじゃあ続けますね」

 射精した後、出てきた精液を弥生は全部口に貯めて、由貴に口移しで渡してやる。由貴も必死に精液を飲もうとするが、少し床にこぼれてしまい「にゃはは、失敬、失敬」と照れ隠しを口にしながら、恥ずかしそうに床に落ちた精液を舐め取った。

 その後も、変なクセがついてしまった、弥生と由貴のお菓子会は続いた。

 ジュースを飲むとき、由貴は『セックスしながら思いっきり腰を振ってしまうクセ』で、ジュースも愛液も撒き散らしながら、弥生と談笑を交わしていた。
「私処女だったのに、こんな風になるとは思いませんでしたよ~」とかいいながら、自分からショーツを太ももに掛けて、俺の上に跨って腰を振っている。

 弥生の方も、ついつい『ジュースを飲むときは、自分の愛液とミックスしてしまうクセ』のせいで、下着をつけたまま、がに股でコップを下に置いて、激しいオナニーを俺と由貴に見せ付ける。
 自分が飲むための愛液を、ぐちゃぐちゃに垂らして、その後下着に吸われて分を、絞ってジュースと混ぜ合わせる。

「由貴ちゃんのアソコすっごいことになってるよ~」

 笑いながら、俺たちのセックスを眺めていたが、自分のほうも顔を真っ赤にしてオナニーに励んでいた。

 チョコレートを食べる時は『人肌でオッパイでじっくりとかして、オッパイに塗って食べてしまうクセ』のせいで、2人ともブラジャーのフロントを脱ぎ捨てて、薄い胸の谷間を必死に寄せて、チョコレートを溶かそうと摩擦を続ける。

「もおー、溶かしにくいなー」
「弥生の胸って、小さくて溶かしにくそうだもんねー」
「ちょっと待って…由貴ちゃんとそんなに変わらないよね」
「ふふふ、そいつはどうかな。実は最近高度成長期なんだよね」

 胸談義をしながらも、胸をグリグリと動かして、チョコを溶かす動きは止めていない。

 さすがに、自分の胸を舐めるのは2人では無理だったようで、お互いの胸にべっとりとつけたチョコは、お互いに舐めあうようにした。
 俺が新しく、『胸を舐めるときには全力で相手を気持ちよくさせてしまうクセ』をつけたせいで、2人ともチョコを舐め終わる頃には足元がびしょびしょになっていた。

「はあっ、はあっ。なんかお菓子食べるだけで、すっごい疲れちゃったね」
「はあっ、はあっ。ね、なんかすっごい疲れたよね!?」

「あ、はい! お兄さんに会えて嬉しかったです」
「まじで? じゃあ俺の妹になるか?」
「わー! 喜んで!!」
「お兄ちゃん!! 由貴ちゃん!!」

 弥生がマクラを投げてきたので、ドアで防いで退散する。
 俺が運んだお菓子はまだ結構残っていたが、まあ若いんだしなんとかなるだろ、無責任に考えて条件を解除せずに俺は部屋に戻った。

< 続く >

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