放送委員は目立たない
ピンポンパンポーン
『お昼の放送の時間です。本日もいいお天気で何よりですね。皆さん、今日の昼食は、利き手とは逆の手で箸を持って食べてみましょう』
放送室。
特にこれといった特徴もない、やや子供じみた顔立ちの男子生徒──響ワタルは、マイクを持ってはっきりとした口調でそれだけ告げる。
出来る限り不自然な口調にならないよう、早すぎず、遅すぎず。小さすぎて聞こえなくてもいけないし、声が上ずったり震えたりもしてはならない。
そして一通り喋り終えると、マイクのスイッチを切ってどさりと椅子に座り込む。
「ふぅ……き、緊張した……」
わずか1分にも満たない放送にもかかわらず、まるで重労働の後のように喉がカラカラに乾き、呼吸が大きく乱れている。
大丈夫。手順や機器の状態は確認したがミスはない。ここまでも一歩一歩慎重に検証を重ねてきた。理屈の上では何も問題ないはずだ。
頭ではそう理解している筈なのに、胸の動悸が一向に収まらない。これは不安のためだろうか、それとも期待のためだろうか。
ワタルはぐったりと力が抜けたように放送室の天井を見上げる。機器の電源を切った今、部屋の中に響く音は彼の呼吸音だけだった。
「はぁ、はぁ……」
2分ほどそうして座り込んでいた後、ようやくワタルは顔を上げた。
いつまでもここで座っているわけにはいかない。昼休みの時間は有限なのだ。
それに、何かが起きているにしてもいないにしても、完全防音の放送室からでは校内の様子は分からない。
室内の掛け時計に目を遣る。12時08分。少年は覚悟を決めたようにゆっくりと立ち上がった。
放送室を出て扉の鍵を閉めながら、さりげなく周囲の様子を観察する。3階の廊下には、立ち話をしている生徒や食堂に向かうのであろう人影が数人目に入った。
やや奇妙な放送内容が全校に流れていたにもかかわらず、放送室から出てきたワタルの存在を特に気にかける人物は見当たらないようだ。ワタルは密かに胸を撫でおろす。第一段階は成功だ。
はやる気持ちを抑えながら、なるべく普段と変わらない足取りを心がけて食堂に向かう。
食堂の入り口の時計が示す時刻は12時12分。昼休み直後のピークもある程度落ち着きを見せ、券売機にはさほど並ぶことなくA定食の食券を購入できた。
窓口でアジフライとみそ汁を受け取り、小鉢の冷奴を手に取り、白飯を茶碗に盛り付けて、半分以上が先客で埋まったテーブルを眺めながら歩いていると、見知った顔が目に入る。クラスメイトのコウスケだ。
「やあ、コウスケ。……隣、いいかな」
「お、ワタル。最近、食堂来るの遅いんだな。もうすぐ食べ終わるところだぞ」
見れば、確かにコウスケの目の前のトレイは半分以上空になっていた。ワタルはコウスケの隣の椅子を引いて腰かける。
「ん。実は今学期から放送委員になっちゃってさ……。お昼の放送とかの仕事があるから、それが終わってからじゃないと食べられないんだ」
恐る恐る話題を切り出しながらちらりとコウスケの反応を伺う。コウスケは特に気にも留める素振りもなく食事の手を動かし続ける。
「へえ、大変なんだな。今日は仕事なかったのか?」
「ううん、さっき終わったところだよ。まあ、大して放送することもなかったからね。……もしかして、聞こえてなかった?」
「そういえば聞こえたような、聞こえなかったような……。そんなに大した内容じゃないなら忘れてるだけかも──っと、悪い」
「ううん、気にしなくていいよ……ところでさ、コウスケ」
「あん?」
ワタルは空になった茶碗を置いて、コウスケの前のトレイを見る。ワタルが隣に腰掛けた時からほとんど中身が減っていないようだった。
「コウスケって確か右利きだったと思うんだけど──どうして左手で箸持ってるの?」
「ん? ……ああ。昨日野球してたら右手を突き指しちゃってさ。今朝までは特に問題なかったんだけど、さっき少し痛み出したから念のため使うのを控えてるんだ」
「そっか、お大事にね。……ご馳走様。先に出てるね?」
「おう、またな」
冷奴を崩さないように悪戦苦闘しているコウスケを尻目に、ワタルは平静を装いながら席を立つ。
視界の隅では他のテーブルの生徒たちが、懸命に左手で納豆を摘まもうと奮闘していたり、箸を置いてスプーンでご飯を食べたりしている姿が目に入る。
ワタルは横目でその様子を確認すると、早足にならないように気を付けながら食堂を後にし、人気のない廊下の角を曲がると、
「……よしっ!」
誰も見ていない廊下で小さくガッツポーズをした。
──間違いない。確実に、全てが自分の理論通りに進んでいる。
響ワタルが「他人の思考を操る」という嗜好に目覚めたのは、記憶している限り6歳の頃であった。
小児向けアニメのワンシーンでヒロインが不思議なアイテムによって操られて、嫌がるそぶりを見せつつも主人公にスカートをめくられることを許容してしまったり、裸は美の象徴だと思い込まされて一糸まとわぬ姿で空地を駆けまわったり、童話の筋書きに従って道行く旅人に衣服を一枚ずつ脱いで与えたりするシーンを食い入るように見つめていたものだ。
そんなワタルが、ややオカルトじみた番組や雑誌にハマり、「催眠術」や「マインドコントロール」といった言葉に憧れを抱くようになったのは無理らしからぬことだった。
毎日のように図書館に通い、怪しげな雑誌から一般書に始まり、時に専門的な学術誌まで読み漁る。とりわけ強く彼の興味を引いたのは、専ら「サブリミナル」と呼ばれる技術であった。
対象の無意識下に暗示を刷り込むことによって、命令されたという事実すら認識することなく、自らの意思だと思い込みながら植え付けられた暗示の通りに行動させる。
仕組みとしては、例えば映像の中のごく短時間の1コマに買わせたい商品の映像を差し込んだり、遠目には判別できないような保護色で性的な絵や単語を印刷することで購買意欲を刺激する手法が代表的なものだ。
この手法の最大のメリットは、TVや新聞などのメディアを通じてメッセージを送ることで、ごく広い範囲の大衆を、しかも本人たちに命令を受けたことを認識させることすらなく、思い通りの命令に従わせることが可能な点。
一部の文献によれば、このサブリミナル技術を用いて大衆を洗脳するための研究が米軍や秘密結社によって進められ、既に実用化の段階まで来ていると記載されているものまであった。
──だが期待とは裏腹に、数百冊に及ぶ調査の結果は残念ながら彼を落胆させるものばかりだった。
有効性を謳っているのは一部のオカルト雑誌や大衆向けの一般書で面白おかしく扱っているものばかりで、多少なりとも科学的な内容に踏み込んだ文献には、検証の結果として効果は誤差の範囲でしかないと切り捨てられているモノばかり。
当然と言えば当然のことだろう。
もし本当に米軍や秘密結社が実用化の段階まで進めているならばとっくにワタルも含めたほとんどの国民はその技術によって洗脳され、サブリミナル効果に関する書物など決して発行しないような暗示を受けているはずだからだ。
だが、この程度のことで諦めるほどワタルは物分かりの良い少年ではなかった。
実用化されていないということは、逆に言えば自分が第一人者となる余地が残されているということだ。
最初に試みたのは、かつて進められていたという研究の原典に当たることだ。それも、できるだけ多くの。効果を検証するためには、十分な数のデータがなければ話にならない。
効果なしと判断され切り捨てられた研究だけあり、元の論文をいくつか辿ることはそう難しいことではなかった。
国会図書館や大学を訪問し、あるいは専門家に連絡を取り、論文や参考文献の内容を辿れる範囲で漁る。
親にねだって買ってもらったパソコンを駆使し、海外のフォーラムにたむろすその手のマニアと片言の英語でコミュニケーションを取り、自分の持っているデータを元手に、相手の手持ちの研究データと交換する。
論文に記載されている研究者本人に当たり、直接成果を見せてもらったり、申し訳ないが先生がよそ見している隙にこっそりといくつか写真に撮影したりもした。
そうして集まった膨大なデータ。それらを少し精査しただけでも、苦労して収集したのに見合うだけの成果はあった。
実験結果の中には、実際の人間に対してサブリミナル暗示を与えた結果、平均に比べて有意に高い確率で被験者の行動に影響を与えていた例もあったのだ。
それならば、なぜそれらの成果が実用化に至らずに切り捨てられてきたのか。
主な理由は二つ。一つ目は、得られた効果の大きさが小さすぎてとても実用レベルと言える代物ではなかったから。
もう一つの理由は、効果が得られた試験条件について、特定の法則を発見できなかったからだ。
だが、それは逆に言えば、充分なデータ数さえあればサブリミナル効果を引き出すための法則を導き出せる可能性があるということだ。
ワタルは早速、データの分析と整理に取り掛かった。とはいえ、手当たり次第に取り寄せたものであるため、その作業は困難を極めた。
何せ、対象群は当然として、試験の内容もそのアウトプットも分析手法も全く統一されていない上に、そもそも本物のデータかどうかの時点で信憑性が怪しいものまで混じっている。
そもそも、サブリミナルと一言で言っても、そのメッセージを乗せる媒体が画像や映像、音楽、あるいはヘッドギアなどを使った複合的な入力に至るまで実に多岐に渡るものだ。
これらを一つ一つ検証し、少しでも効果が期待できる手段を選別する必要があった。
データの検定手法を勉強し、手持ちの材料を信頼性によってグレード分けしたうえで、サブリミナルメッセージを与えた後の被験者の応答に一定の傾向が見て取れないかを確認する、地道な作業。
友達の誘いを断り、睡眠時間を削っての連日の検証作業の結果、残念ながら画像や映像といった視覚的な刺激を活用した試験のデータは全て有意な効果なしと判断せざるを得なかった。
失意の中、しかしワタルは一つの研究データ群の傾向を見て、その手を止めた。
特定パターンの音にメッセージを紛れ込ませ、被験者へと刷り込む実験。その実験結果の膨大なデータを苦労して分析した結果、本当にあるかないかの傾向が見て取れたのだ。
だが、これをもとに効果ありと判断するにはあまりにも時期尚早であった。成果を期待するあまり、単なる確率の揺らぎの中に自分が望む通りの幻を描き出してしまう、そのような研究者の例も枚挙に暇がない。
ましてや、手持ちのデータに現れている効果はごく僅かなものだ。仮に効果があったとしても、「『右足から歩き出せ』と命令をした被験者のうち6割に従わせることができる」程度では、全ての人間を思い通りに操るといったイメージとは程遠い。
膨大なデータ数にもかかわらず傾向分析に苦労した理由は、試験のインプット条件にあった。メッセージを乗せるための音波のパターンといっても周波数に始まり大きさや周期といった条件が煩雑を極め、同等の条件で比較可能なデータが非常に限られていたのだ。
そこでワタルが考えたのは、解析的アプローチの導入であった。
インプット条件をパラメータごとに分類し、それぞれのパラメータを軸とした多次元空間上に被験者の応答をプロットすることで多変数関数の構成式を予測する。
もちろんその道のりも一筋縄でいくものでは到底ない。構成則の設定のためには予めどのパラメータがどういった形で応答へと寄与するのか推測し、当たりを付ける必要がある。
例えば万有引力の例で言えば双方の質量や距離の逆二乗の積が効いてくることが分かっているが、今回の場合、多数のパラメータがどのような形で寄与するかも予測困難の上、時間微分や時間積分の影響まで考慮に入れると構成式のパターンは膨大に──
……え、説明が長いからとっとと結論に移れ?
気の遠くなるほどの試行錯誤や検証作業の果てに、ワタルは音波パターンと被験者の応答に関する多変数関数の予測式を高い信頼性で導出することに成功した。
そして、その予測式を評価した結果、以下の仮説が得られた。
『ほとんどの場合において、音波を活用した暗示の刷り込みは、全く効果が期待できないか、ごく弱い効果しか期待できない。
ただし、ごく特定の周波数や強弱のパターンを組み合わせた音波を用いた場合のみ、局所的に被験者に対して強いサブリミナル効果を期待することができる。』
この仮説にワタルがたどり着いたのは、実に12歳の夏の出来事であった。
さて、サブリミナル技術の実用化に向けた第一歩を踏み出したワタルだったが、理論段階から実用段階へと移行する上で大きな壁にぶち当たった。
ワタルの仮説が正しければ、被験者にサブリミナル効果を与える上で満たすべき条件は2つ。
1点目は『特定パターンの音波──便宜上、ワタルは『催眠音波』と名付けた──に命令文を乗せて、スピーカーやイヤホン等を通じて被験者に聞かせること』。
そして2点目は、『命令を受けていることを被験者が意識していないこと』。
1点目は比較的些細な問題である。音質の向上やステレオ音声の採用によって効果の改善は期待できるが、極論安物のスピーカーやメガホン、あるいはテープレコーダー等でも充分である。
むしろ問題は2点目。催眠音波単体でも命令に従わせる効果はあるが、最大限の効果を発揮するためには、命令を受けたという事実を被験者が気付いていない必要がある。
そもそも効果以前の問題として、命令されたという事実をターゲット本人が認識していては、もはやサブリミナルと呼べる代物ではない。
被験者が命令を耳にしながら、その命令を受けた事実を認識してはならないという、ある意味で矛盾した命題をいかにして達成するか。
──そこでワタルが目を付けたのが、放送委員の日課となっている『お昼の放送』だった。
実のところ、放送委員の仕事はこの『お昼の放送』を流すだけのものであるにも関わらず、全く希望者のいない不人気役職であった。
『日常的な気付き事項や連絡事項を全校生徒に対して放送する』という名目で設置されたは良いものの、重要な連絡事項などは当然ホームルームでプリントを配って周知するため、制度だけが残っているものの実態的には何の意味もない、形骸化した業務の典型。
誰が好き好んで、貴重な昼休みの時間をつぶしてまでもはや誰も注意を向けすらしない放送を流したがるというのか。
──そう、放送を利用して、全校生徒を洗脳しようと目論む人物でもない限りは。
計画の第一段階である、放送委員に就任するというプロセスは驚くほどあっさりと成功した。何せ、全校生徒の中で立候補した生徒はワタル一人だったからだ。
前委員からの引継ぎが終わり、ワタル一人でお昼の放送の内容を自由に流せるようになってからは、仮説の検証を進めるための準備は整った。
まずは、催眠音波を使わずに、『校庭の花壇に花が咲いた』とか『今日はフランス共和国の独立記念日』といった、特に何の役に立たず、誰も興味を持たないような情報を数日間流し続ける。
その後、多くの生徒が放送の内容に興味がなくなる頃合いを見計らい、催眠音波に乗せて『お昼の放送の内容は全く注目する必要がない無駄な情報である』という情報を徐々に生徒たちに刷り込んでいき、生徒たちの認識からお昼の放送の存在自体を消していく。
その際に、お昼の放送が始まる合図として、放送の冒頭に「ピンポンパンポーン」というチャイムの音を流すようにした。これはパブロフの犬と呼ばれる効果の応用で、チャイムの音をお昼の放送と関連付けることで「チャイムの後で放送される内容を聞く価値はない」ということを生徒たちの深層心理に刷り込むことを目的としたものだ。
この段階まで完了し、もはや全校生徒の誰もがお昼の放送の存在を意識の彼方に追いやり、放送自体も単なるノイズとしてスルーされるようになった頃に、実用化に向けて実験の次の段階が動き始める。
直接的な命令を催眠音波に乗せて与えることで、全校生徒たちがそれに従うかどうかを確認するのだ。
とはいえ、いきなり大胆な命令を放送するわけにはいかない。この催眠音波にどの程度の効力があるのか、ワタルにとっても未知の領域である。
ましてや、予め与えておいた『お昼の放送の内容には全く注意を向ける必要がない』という暗示すら全員に効いているとは限らない。
そのため、最初の方で与える暗示は『5時間目の開始前に5分前行動で席に着くように』『礼をする時は上体を45度以上曲げること』といった無難な命令から始めて、生徒たちがどの程度それに従っているか、また放送内容を怪しんでいそうな人物がいないかを確認するにとどめていた。
そして、放送で与えた命令に対して偶然では済まされないレベルで生徒たちが従っていることを何日かかけて確認した上で、ようやく実験は最終段階に入る。
──それが、先ほど流した『利き手とは逆の手で食事をさせる』命令である。
明らかに日常的な行動とは離れた、かつ全校放送としては不自然な内容の指示。
もし通常時にこのような放送を流せば、誰も従わないことは当然として、多くの生徒たちから奇異の目で見られてしまうことは避けられないだろう。
だが、結果は今しがた自分自身の目で確認した通り。
ワタルは、賭けに勝った──いや、自分の導き出した推論が正しかったことを、その身をもって証明したのだ。
興奮冷めやらぬワタルが、一人になれる場所を求めて戻ってきたのは、先ほど後にしたばかりの放送室。
内側から鍵をロックして、ようやく人心地ついたかのように大きく息を吐く。
自分の左胸に手を当てると、未だに鼓動がバクバクと高鳴っているのが感じられる。
完璧だ。多くの生徒が自分の命令に従い、かつ、放送の内容は誰の記憶にも残っていない。米軍や秘密結社すら成し遂げられなかった、サブリミナル技術の実用化が、今自らの手によって達成された。
そしてこの段階まで来ることができれば、ある程度大胆な内容の命令でも遠慮なく仕込むことが可能だ。何せ、どんな命令を放送しても誰もその内容を覚えていないのだから。
ワタルはごくりと喉を鳴らすと、装置の電源を入れてゆっくりとマイクを握りしめた。
──翌朝。
「きゃぁっ!?」
「やだっ、もう!」
門路通りのあちこちで、黄色い悲鳴が響き渡る。
通学路の途中にある、長さ200メートルほどのこの道路は正しくは「かどじ通り」と読むのだが、実のところその正式名称で呼ぶ生徒はほとんどおらず、もっぱら音読みで呼ばれることがほとんどであった。
理由は簡単。
この通りのあちこちに点在している通風口からは常時風が吹き出しており、その上を通る女子たちのスカートの中の空間を詳らかに晒そうと、虎視眈々と待ち構えているからである。
当然、女子生徒たちも馬鹿ではない。スカート姿で通風口の上を通る危険性は女子同士のネットワーク等で充分に周知されているため、普段ならばこのいやらしい罠にかかって男子たちの目を喜ばせるのは、一部の新入生やよほどのうっかり者くらいのものだ。
だが、この日だけは違っていた。
今日という日に限り、この道を通りかかる女子たちの多くが、何故か通風口の近くに差し掛かるタイミングでぼんやりと他のことを考えてしまったり、友人とのおしゃべりに夢中になってしまったり、あるいは通風口を迂回して歩くのが急に面倒になってしまったりして、そのスカートの中の光景を周囲の男子生徒たちに提供してしまうのだ。
おまけにどうした巡りあわせか、普段ならスカートの下にスパッツなどの重ね穿きを怠らないガードの固い女子さえも、幸運な……もとい不運なことに、寝坊してしっかり対策する暇がなかったり、スカートの中が蒸れるのが無性に気になったりして普段よりも無防備な状態で登校してしまっていたのだ。
そのため、本来ならば厳重に守られているはずの、彼女たちの下半身を包む可愛らしい下着は、何にも遮られることなく男子たちの衆目に晒される結果になってしまった。
結果として、女子たちがこぞって何かに導かれるかのように通風口に足を踏み入れては男子たちの目の保養を提供してしまうこの現象は、『モンロー通り連続パンチラ事件』として密やかに学校中で噂されることとなった。
< 終わり >
リニューアル初投稿お疲れ様でぅ。
みゃふは相変わらず遅いでぅw
放送委員は目立たない。早速読ませていただきましたでよ~。
あまりにも前置きが長いので二話に渡ってなにかするのかと思ったらモンローさせるためだけにやったという、ある意味すごい無駄遣いw
まあ、設定的にこれからいくらでもいろんな事できるんでぅけどw
それにしてもワタルくん、たったの六年で1からはじめてほぼ完成にこぎつけるとか天才でぅね。しかもまだ学校教育が始まって間もない頃からというのがすごいでぅ。年齢を考えると取り寄せた資料に出てくる単語は日本語ですら全て辞書にかぶりつかないと理解できないだろうし。まさに好きこそものの上手なれでぅね。ワタルくんの行動力と集中力に脱帽でぅ。
っていうか、ネットでの接触はともかく、直接会いに行ったりもしてるんだから、相手方は会いに来たのが小学生とかからかわれたと怒ったり、門前払いされたりはしなかったんだろうか?
正直、完成したのが高校の終わりとか大学院に進んでからとかでも全然不思議じゃない所でぅ。
放送委員のお昼の放送って放送委員が好きなCDを持ち寄り適当に流すものだと思ってましたでよ。地域差、世代差はあると思うんでぅけど。ティーにゃんのところでは淡々と事務報告をするような感じだったのかな?
創作系であるラジオとかは昼食の関連もあって現実的ではないと思うんでぅけど。
たな、はいつになったらできるんでぅかね?(それはみゃふが言われることだ)
であ、次回作も楽しみにしていますでよ~。
>みゃふりん
感想ありがとうございますー!
>あまりにも前置きが長い
ええ、今回はMCメソッド確立までの過程に8割以上を注いでおります。
実のところ、「サブリミナルを使って意識下に暗示を刷り込むMC」って一度やってみたかってんです。
それでやらせることがモンローかよ! というのが子供らしさですがw
>それにしてもワタルくん、たったの六年で1からはじめてほぼ完成にこぎつけるとか天才でぅね。しかもまだ学校教育が始まって間もない頃からというのがすごいでぅ。年齢を考えると取り寄せた資料に出てくる単語は日本語ですら全て辞書にかぶりつかないと理解できないだろうし。まさに好きこそものの上手なれでぅね。ワタルくんの行動力と集中力に脱帽でぅ。
>っていうか、ネットでの接触はともかく、直接会いに行ったりもしてるんだから、相手方は会いに来たのが小学生とかからかわれたと怒ったり、門前払いされたりはしなかったんだろうか?
まあ、レベルとしては本職の学者を超えてしまっていますからね。
論文書いた人も、実際に会ってみるまでは熱心な子供の話し相手になってあげるくらいのつもりだったのでしょう。きっと。
>放送委員のお昼の放送って放送委員が好きなCDを持ち寄り適当に流すものだと思ってましたでよ。地域差、世代差はあると思うんでぅけど。ティーにゃんのところでは淡々と事務報告をするような感じだったのかな?
うちもCDとか流してましたねー。地域差もあるとは思いますがw
マジレスすると、それだとストーリー的に不人気役職にならないですからね。
ではでは!
読ませて頂きました。
振り返ると、段取り部分でだいぶ尺をとってはいるのですが、催眠方法の確立の話も楽しく読めますし、少しずつ効果を確認していくのもリアリティがあって良いですね。エンディングのオチも一服の清涼剤、という感じで好ましく読みました。
>二重螺旋さん
感想ありがとうございますー!!
ちょっと段取りでだいぶ尺を取りすぎたかもしれません。
ただ、一度こういうの書いてみたかったというのもあり、楽しかったです。
頑張って試行錯誤しながらMC装置を作り出す主人公、なかなか見かけないので。
旧校舎の除虫以降の作品って「催眠」にかけることに特化していてエロ要素は鳴りを潜めてる感じなんですよね
(放送委員は目立たないに関してはもう少年誌レベル)
まぁMC小説ではあるのでしょうが官能という部分で見ると単純に残念な代物になってるといいますか・・・・・
旧校舎の除虫でファンになったので今後も今の様なスタンスを続けるようでしたら残念でなりません。
>なこ様
わーい、感想書いていただいてありがとうございます!
>旧校舎の除虫以降の作品って「催眠」にかけることに特化していてエロ要素は鳴りを潜めてる感じなんですよね
旧校舎の除虫がかなりの例外ですね。あれは、みゃふさんの「学校シリーズ」をパク……インスパイヤして設定や展開を真似ております。
そういう意味だと二次創作だから書けた内容というか。
えち表現がちょっと苦手なので、普段は最大でもポロリ程度止まりの微エロしか書けないんですよね……
>旧校舎の除虫でファンになったので今後も今の様なスタンスを続けるようでしたら残念でなりません。
でも、旧校舎の除虫を気に入っていただいて本当にありがとうございます!
いや正直、あの作品は自分の中で初めてエロに手を出してみたものの、あまり反響がかんばしくなかったこともあって、
結局書きやすい微エロに戻ってきてしまったんですよね。
なので、あの作品の感想を頂けたのは本当にありがたいです。
しばらくは今のスタンスを続けると思いますが、今後もいいネタが思い浮かんだがエロ書いてみようと思います!