(ナレーション)
20XX年、地球は危機に陥っていた。
突如襲来した異星人、シャイタン星人の大軍団。
地球側も激しく抵抗したが、シャイタン星人は、着実に地球の主要都市を攻略していきつつあった。
そのシャイタン星人を率いるのは、美しくも凶暴な女帝サーキュラ。
サーキュラの力は、時に巨大化して、単身で都市ひとつを落とすほどに強力で、また、地球側の、あらゆる兵器による攻撃も跳ね返してしまう不思議な力をも持っていた。
そして、ここは極東、日本。
日本の、その高い技術力に基づいたシャイタン星人への抵抗は、善戦といっても良いものであったが、やはり、他の地域と同様、苦境にあることに違いはなかった。
「長官!新兵器が完成しました!」
「なに?新兵器だって?泰三くん!?」
僕の名前は、作泰三(つくり たいぞう)、18歳。
昔は、やんちゃをした頃もあったけど、今は、スキップにスキップを重ね、この歳にして、ロボット工学や心理学をはじめ、7つの博士号を持つ天才少年科学者だ。
まあ、ちょっとした自慢だけど。
その天才少年科学者としては、この地球の危機を見過ごすわけにもいかないし、こうやって、技術的な面で対シャイタン星人への戦いに協力しているというわけ。
「はい、長官!対シャイタン星人用巨大ロボット、その名も、エムシーファイブです!」
「しかし、泰三くん、シャイタン星人、特に、女帝サーキュラには、こちらの兵器は通用しない。そのエムシーファイブには、奴らに効果のある画期的な武器でも搭載されているのかね?」
「ええ、これは、女帝サーキュラを相手にすることを目的に作ったものですから!」
「それで、サーキュラを倒す方法とは?」
「サーキュラを倒すのではないのです。サーキュラを洗脳して、こちらの側につけてしまうのです。」
「せ、洗脳?」
「ええ、それがこの、洗脳メカ、エムシーファイブの能力です!」
「……」
あれ、なんで黙っちゃうの、長官?
「……ところで、エムシーファイブというからには、つまり、5人でそれに乗り込むのかね?」
「いえ、僕ひとりです!」
「……?では、ファイブの意味は?」
「その方が、強そうじゃないですか!」
「強そう……かね?」
あれ?このネーミング、結構自信あったんだけどなぁ。
その時、ひとりのスタッフが駆け込んできた。
「長官!大変です!女帝サーキュラが、この日本で巨大化して暴れています!」
「なに!?……やむをえんか。泰三くん!!」
「はい!エムシーファイブの力、見せてあげますよ!」
そう言うと、僕は、格納庫の方へ走り出した。
僕はエムシーファイブに乗り、サーキュラが暴れている場所に向かう……いたぞ!
あれが……巨大化して、破壊の限りを尽くす女帝サーキュラ。
シャイタン星人の外見は、基本的には地球人とそう変わらない。浅黒い膚に入れ墨のような模様があることと、トカゲのような尻尾を持っていること以外は。
特に、女帝サーキュラは、地球人の基準から見ても、かなりの美人だ。
巨大化していても、その美しさは変わらない。むしろ、周囲を破壊する、その恐ろしさと冷酷さが、凄みのある妖しさと美しさを感じさせるくらいだ。
「ふははは!まったく、いつ見ても地球人てのはゴミみたいなもんだね!」
「待て!女帝サーキュラ!」
僕が乗ったエムシーファイブは、サーキュラの前に降り立つ。
「ん、なんだい?おまえは?」
「俺は!悪のシャイタン星人から地球を守る、正義の戦士エムシーファイブ!俺が来たからには、サーキュラ、もうおまえの好きにはさせない!」
き、決まった……。
「はん?なにを寝ぼけたことを言ってるんだい?」
「いや、おまえは俺には勝てない!なにしろ、おまえはもう俺の言葉には逆らえないんだからな!」
そう、これが、エムシーヴォイス!僕の声は、エムシーファイブを通して、催眠効果のある特殊な波長を帯びる。
サーキュラが、どんな攻撃を跳ね返すといっても、この声を耳にした時点で、もう、僕の勝利は見えている。
「おまえの声に私が逆らえないって?はっ!寝言は寝て言いな!」
「寝言かどうか確かめてみるんだな!おまえは、もう俺の攻撃を避けることも跳ね返すこともできない!いくぞっ!エムシービイイイイイムッ!」
「はんっ!こんな攻撃!……なんで!?くっ!体が!動かない!……しかしこんなビーム跳ね返してっ……ぐあああああっ!」
エムシービームをまともにくらって、サーキュラが悶える。
そして、がくりと膝をつくサーキュラ。
「気分はどうだ?サーキュラ?」
「あ、ああ…エムシーファイブ様……」
潤んだ瞳でこちらを見上げるサーキュラ。
勝った!ついに、地球人が女帝サーキュラに勝ったんだ!
「誰が寝言を言ってるだと?何様のつもりだ、サーキュラ?」
「あああ!も、申し訳ございません!エムシーファイブ様っ!」
必死になって、こちらに取りすがるサーキュラ。
「申し訳ないと思うのなら、態度で示してもらおうか」
僕は、手許のボタンをひとつ押す。
すると、エムシーファイブの股間から、疑似ペニス…要は巨大バイブだけど…が飛び出す。
もちろん、本物そっくりの感触を持った特殊素材でできている。
なんで、正義のメカにそんなものが付いてるんだって?
いやいや、そんなの気にしない気にしない。
「あ、ああ……」
サーキュラは、うっとりとエムシーファイブの巨大バイブ、名付けてエムシーバイブを眺め、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
「はんっ!ああああっ!え!エムシーファイブ様っ!」
エムシーファイブのボディに手をかけて、エムシーバイブをアソコで飲み込んでいくサーキュラ。
「ああっ!んんんっ!なんて!固くて!大きいの!」
サーキュラは、恍惚とした表情で腰を動かす。
「んぐぐぐっ!んはっ!ああああああっ!」
僕がスイッチを操作して、エムシーバイブを動かすとサーキュラの喘ぎ声が一段と激しくなる。
サーキュラの巨大な尻尾がブルンブルンと振り回され、近くのビルをなぎ倒す。
蕩けた表情で体を動かす、モニターいっぱいに映るサーキュラの痴態……おかげで、僕のあそこもカチンコチンだ。
「あ!あああっ!エムシーファイブさまぁっ!」
腰を揺すりながら、サーキュラはこっちに胸を押しつけてくる。
僕は、ロボットアームを動かして、サーキュラの胸をつかむ。
「ああ!そんな乱暴なっ!で!でもっ!その荒々しさがステキよっ!」
サーキュラは、頭を大きく振りながら喘ぐ。
ていうか、ロボットだから、繊細な動きはできないに決まってるだろうが!
僕は、スイッチを動かして、サーキュラの胸を揉み、エムシーバイブの動きを強める。
「あ゛あ゛あ゛ーッ!わっ!わたしッ!もうっ!」
サーキュラは涎を垂らしてガクガクと体を震わせる。
……そろそろ頃合いだな。
「サーキュラ、俺の奴隷になると誓うか?」
「は!はいいいいぃっ!」
「俺の奴隷になり、俺の言葉には全て従うと誓うなら、おまえの中に出してやる」
「なります!わ゛!わ゛だしはッ!エムシー!ファイブさまの!ど!どれいにっ!なります!だがら!くださいッ!」
「よし、よく言った、サーキュラ。望み通り、おまえの中にくれてやろう」
僕は発射ボタンを押す。
すると、催淫効果と洗脳効果のある薬品をブレンドした、熱々の疑似精液がサーキュラの中に注がれる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーッ!えッ!えむしーっ!ふぁいぶさまああああああッ!」
サーキュラは、エムシーファイブのボディをがっしりと抱き、体をビクビク震わせる。
「あ…あああ……」
体の力が抜けたのか、ズルズルと地面にへたり込むサーキュラ。
よし、これでいい……。
僕は、コックピットから降り、大きく喘いでいるサーキュラのもとに近寄る。
サーキュラの体は、まだ巨大化したままだが、問題ない。
どうせ、今のこいつは僕の奴隷だ。
「おい、サーキュラ」
「はああぁ……ん?なんだい、おまえは?」
「貴様、ご主人様に向かってなんて言い草だ!?」
「ご主人様?何を言ってるんだい?おまえみたいな地球人のガキなんか知らないね」
「な!サーキュラ!おまえ!ご主人様のことがわからないのか!?……うわ!なにをするんだ」
サーキュラの巨大な腕が伸びてきて、僕の体をつかむ。
「ああもう、ゴチャゴチャとうるさいガキだねぇ。私のご主人様はエムシーファイブ様なんだよ。おまえなんか、どっか行っちまいな!」
「う、うわあああぁっ!」
サーキュラが、僕の体を空に向かって思い切り放り投げる。
「ああ、エムシーファイブ様……この星の虫けらどもなんか、私がさっさと駆逐して、エムシーファイブ様に捧げます。そして、エムシーファイブ様が、われらシャイタンの皇帝になってください……」
うっとりとエムシーファイブを見上げて、甘ったるく囁くサーキュラ。
しかし、その声はもう僕には届かない。
「こ、こんなはずでは~ッ!!!」
おそらく、時速100キロは超えているであろうスピードで空に投げ出された僕が、意識を失うのにそう時間はかからなかった。
(ナレーション)
そう、作泰三の敗因は、サーキュラを洗脳することにこだわりすぎたことと、サーキュラの痴態が見たいという、スケベ心があったことである。
エムシーヴォイスでサーキュラを無力化できるのだったら、サーキュラが攻撃を跳ね返すことができないようにしておいて、物理攻撃をかけてしまえばすんだことであったのに。
20XX年、かくて正義は敗れ去った……。
< おわり >