オイディプスの食卓 第18話

第18話 裸エプロンズ

 次の日の朝。
 朝食をいつものように終え、「一緒に学校行こう」と大騒ぎする花純さんに手を引かれ、家を出る。
 そしてここで、昨日は恥ずかしがった花純さんに手を離されたんだっけ。

「…………」

 しばしの沈黙の後、花純さんは手を離す。
 でも、昨日みたいに突き放したりはしなかった。
 
「行こ、お兄ちゃん」

 ちょっと距離を置いて、並んで登校する。
 花純さんはなかなかこっちを見なくて、僕もなんだか会話が思いつかなくて無言で歩いている。
 天気も良くて気持ちいい朝。姉(妹)との距離は今のところ50cmほど。付き合い始めたカップルみたいにぎこちなく、僕らは並んで登校する。
 
「……それじゃ、先行くね」

 校門が見えるくらいになった頃、花純さんは駆け足で去って行った。
 幼児期の彼女もいいけど、今のややデレ期な彼女もいい。
 しばらくはこの距離感を楽しみたいような気持ちになった。
 
 授業を受けながら、ここ数日の間でかなり変化した我が家のことについて整理する。
 場当たり的にいろいろな暗示をかけて回っている。調子が良いときはすぐその調子ににのってやりすぎてしまうのでが僕の悪いくせだ。忘れてしまううちに、今までみんなにかけた暗示の中で固定的なものをノートにまとめておこう。
 
 
 
・綾子さん(ママ)
 『僕のペニスを見ながら答えたことは、たとえウソでも自分の本音になる』
 『全身のうち何カ所かは強烈な性感帯。左乳首、右耳たぶ、左手薬指の指輪、右尻、クリトリス、膣奥』

・優惟姉さん
 『家族同士でオナニーを手伝うのは当然のこと(ただし「恥ずかしいこと」という認識はそのまま)』

・花純さん
 『僕の義姉ではなく妹。外では姉のふりをしているだけ』
 『現在の年齢は8才。僕が指定した年齢に変化する。一歩でも外に出れば14才に戻る』

・睦都美さん
 『家の中ではメイド服。下着の色は白』
 『キーワードで人形化する。人形状態のときは僕の言うことを何でも聞く』
 『その他、いくつかの行動をキーワードでプログラムされている。着替え、フェラ、オナホ化等』

・家族全員
 『花純さんの妹化、年齢変化』
 『睦都美さんのメイド化』
 『僕の部屋のプライベートバリア』
 
 
 
 こんなところだろうか。
 いろいろやりすぎてるから漏れもあるかもしれない。何しろ、いろんなことしてきたからな。
 文章にして気づいたけど、優惟姉さんには時々イタズラじみたことはしても、他の人ほど催眠術は使ってない。もともと家族関係が良好だから当然なんだけど。
 むしろ、他の3人に対してはちょっとやりすぎてる感じがするが、どうだろう。
 花純さんは、低年齢化と妹化で関係改善がされていってる手応えはある。綾子さんについても、まあ、明らかにやりすぎというか、関係改善というより私物化してしまってる気がするけど、親子としての絆もこれ以上ないくらいに深まっているので良しとしよう。
 睦都美さんについては、僕自身もどうしていいのか迷走している印象だ。というより、お人形さん扱いしかしていない。
 同居しているんだから彼女も家族として関係を考えるべきなのはわかっているんだけど、距離が測りにくいというか、まだまだ謎が多い人なので接近の仕方をよくわかっていない。一度、催眠で過去について聞いてみた方がいいかも。
 しかし自分では結構進展させたつもりでいたけど、家族関係の改善という意味ではまだまだ全然進捗していないな。
 まあ、そっちの方はそんなに焦ってはいないけど。前に一気に改善したときの気持ち悪さというか、座りの悪さったらなかったから。
 ゆっくりと関係を変えていく。必要があれば大胆な変革もやりながら、僕たち三沢家にとって最高の形を作り上げるのが催眠術の究極の使用目的だ。
 もちろんそれには、僕自身のセックスへの興味とか、女性として魅力的なみんなとの関係を構築していくっていう楽しみも含まれる
 仲良く楽しい家族の中には僕も含まれるわけだから、僕自身が楽しんじゃダメって決まりはないの。術師の特権みたいのは当然あって然るべきだからね。
 他にももっといろんなこと試してみたいなあ。

「催眠術を使えたらどんなことしたいかって? おいおい、たそがれ。おい、たそがれさんよ。お前って最近、発想が俺たちレベルにまで下がってないか?」

 昼休みの雑談にさりげなく話題にしたつもりなんだけど、悪友たちは意外なくらい食いついてきた。
 他の人ならどんなことするか、ちょっと聞いてみたかったんだけど、さすがにいきなりすぎたかな。
 
「まあ、僕なら当然、世界征服と完全平和の実現のために使うつもりだけど、君たちレベルの考えるようなことってどんなものかも参考までに聞きたくてね」

 でも単なる世迷い言だと思ってバカにして盛り上がってくれたほうが、みんなも面白がっていろんなアイディア出してくれるような気がするのでこの流れに乗ってみる。
 前髪をかき上げてカッコつける僕に、「おお……。さすがたそがれ、ウゼぇ」と嘆息を漏らして、「じゃあ」とばかりにみんな好き勝手なことを言って盛り上がる。
 
「まずはセックス」
「身もフタもないね」

 同意はするけど。

「当然だろ。だって童貞捨ててからじゃないと何していいかわかんねぇもん」
「そう、童貞のままじゃダメだ。自分に自信が持てねぇし、誰にも相手にされないし、バスにも乗れねぇ。俺たちは野良犬以下だ」
「童貞ってそこまで迫害されてたんだ……許しがたい世の中だね」
「そんで童貞捨てたら、あとはヤリ捨て」
「わかる。片っ端から種付けしたいよな」
「俺、種付けの旅に出ると思う。半年くらいかけてチャリンコで日本一周しながらいろんな女を抱いて、そんでゴールしたら、今度はボテ腹の女たちとともう1回やるために2週目の旅に出るぞ」
「かっこいいよな、そんな人生」
「でも、セックスばっかりだといつかあきると思わない?」
「あきるまでヤれるってのが夢なんだろ。家にハーレムとか絶対作るし」
「ハーレムは絶対やるな。毎日裸エプロンだよ」
「裸エプロンいいよなー。そんで後ろから襲ってやりたい」
「襲うなよ、バカ。裸エプロンは観賞用だろ。おとなしく料理が出てくるまで、ゆっくりとコーラでも飲みながら眺めて待つんだよ。それが裸エプロンの正しい嗜み方だ」
「お前、大人だなぁ」
「今どきのヤツらは裸エプロンがギリギリだってことわかってないの多いからな。ギリギリであれは普段着なんだから、興奮してんじゃねぇよ」
「いや普段着じゃねぇだろ」
「ねえ、裸エプロンの他には何かないの?」
「それ以外にか? まあ催眠術だし、誤認とか常識変換とかのシチュにこだわるかな」
「なるほど。例えばどんな?」
「エロゲとかを参考にすっかな。女教師に素でエロ授業やらせるとか」
「いいよな。俺、フラスコに小便させてやりてえ」
「そしてそれを加湿器に入れてやったりな」
「お前ってそういうとき必ずハシャぎすぎなんだよ。加湿器は絶対やめろ。キレるぞ俺」
「もう少しソフトなので何かない? なんていうか、家でこっそり出来る程度のイタズラで」
「裸エプロン」
「それもう聞いた」
「あとは家具化とかかなあ」
「何それ?」
「女を椅子にしたりテーブルにしたりするんだよ」
「面白いの?」
「知るかよ。やったことねぇし。たぶん生温かくて気持ち悪ぃよ」
「俺、全裸の女たちにダブルフェラさせながらAVとか見たい」
「いいね、AVとか言っちゃうところがおっさん臭くて最高じゃん」
「でも待ってよ。それだと誤認とか関係なくない? というか催眠術じゃなくても、そういうこと出来そうな風俗ありそう」
「じゃあ、テレビリモコンが俺のポコチンで、スイッチが女の舌ってことにするのは? つまり俺の家電化」
「そういうのすぐ思いつくとこすごいと思うけど、あんまり楽しそうではないよね」
「蓮のツッコミが徐々に厳しくなってんな」
「初めてだな、コイツのこんな熱いとこ見るの」
「じゃあこうしよう。俺の全身のあちこちに「照明」とか「電子レンジ」とか書いておく。家中の家電のスイッチが俺で、女は俺がスイッチを押してやるまで、その箇所を舌で連打し続けないといけないってのは?」
「あ、確かにそこまで範囲を広げると楽しそうだな……忙しくなりそうだけど、面白いよ」
「おっ、蓮が食いついたぞ」
「こんなのがツボなのかよ」
「他には? 他に君はどんなアイディアを持っているんだい? 隠さずに全部出しなよ」
「まあ、基本的にトイレも風呂も扉は開けっ放しだな。もちろん女には閉じてるって誤認させてだ。俺の家で俺以外の人間にプライバシーなんて認めん。あと玄関では当然靴を脱ぐが、俺の家では下半身の服もパンティも靴に含まれる。『ただいま~』とか言いながら玄関でパンツ脱ぐんだ。脱いだ下着は俺が回収しといてやる。俺のやる家事はそれだけだ。あとは全部女任せ。俺の入浴も食事も女任せだ。食事は毎晩男体盛りで、俺がテーブルに乗ってやる。女どもは口を使って俺に盛られた飯を食う。ソースが欲しけりゃ俺のをコスれ。女たちが噛んだものはたまに俺に口移しで食わせろ。あと、俺って寂しがり屋のくせに一人寝じゃないと熟睡できない男だ。だから寝るときは抱き枕を使う。俺の萌え萌えキュンな抱き枕カバーコレクションの中に、リアルな女を一人詰め込んで寝る。喘ぎ声以外はもちろん喋ってはいけない。抱き枕になりきって、一晩中俺にねぶられろ。そんなとこだな」
「正直、君の発想力に嫉妬を感じるのは今日が初めてだよ……僕の脳に、君が住んでいればいいのに」
「なあ、蓮。確かお前って、催眠術で世界征服と完全平和を実現させたいんじゃなかったっけ?」
「いや、もちろんそのつもりだけど?」

 昼休みの中庭で妙に盛り上がってる僕たちを、花純さんはチラチラと心配そうに見ていた。

 その後、優惟姉さんからメールがあった。今日も図書館で勉強するから晩ご飯まで帰らないって。
 僕もそっちに行こうかと思ったけど、さっき悪友たちからいろいろと催眠術の使い方について刺激を受けたばかりだ。
 勉強は家でも出来る。だけど家族エッチは家でしか出来ない。そう、今日は複数人以上を交えての家族催眠エッチに挑戦していきたいんだ。
 なので、今日も悪友たちの誘いを断って真っ直ぐ帰ることにした。
 すると玄関先で、ちょうど出かけようとしている花純さんとばったり鉢合わせをした。
 
「あ、ちょっと友だちのとこ行ってるから」

 玄関の外なので14才バージョンである。
 ていうか、よそいきの服を着た花純さんを見るのは久しぶりだった。
 タンクトップとTシャツを重ね、その上に薄手のパーカーを羽織っている。そして下はショートパンツの白くて細い足が眩しく、カラフルな紐を通したハイカットのスニーカーがいかにもJCファッションって感じだった。
 思わずしげしげと見てしまう。花純先輩たその私服姿……いい。
 
「な、なに? どっか変?」

 パーカーの裾を伸ばして、花純さんは僕の視線を気にするみたいに身をよじる。ていうか、これだけ太ももをガン見してれば気になるに決まってるけど。

「ちょっとそれ、足を出しすぎじゃない?」
「そう? これくらい普通だと思うけど。可愛くない?」
「いや可愛いけどさ。でも、それだと男の子はみんな花純の足を見ちゃうと思うんだ。僕としてはそのへんが心配というか……」

 それぐらいの短さは僕も普通だと思うし花純さんに似合ってるけど、兄としてはどうしても妹のファッションに保守的になりがちだ。
 あまり露出の多い服は好ましくない。花純さんの太ももが不特定多数の目に晒されるのがちょっとイヤっていう、ただのワガママなんだけど。
 
「お兄ちゃん、ちょっとオヤジくさいよ。あたしこのパンツ気に入ってるのに」
「そ、そう? ごめん……」

 ムスっとした感じで言われて、気弱になってしまう。立場を逆転させたとはいえ、長年の力関係がまだ僕の意識にはあるので強くは出れない。
 花純さんは、足をぶらぶらさせて、ブツブツと文句のように口を開く。

「一応言っとくけど、今日は女の子しかいないし。あとこれ、こないだみんなと買い物行ったときに買ったやつだから、今日穿いてった方がいいかなって思っただけなの。みんなは似合ってるって言ってくれたしっ」
「そ、そっか。うん、そうだね、それ可愛いし――」
「……でも、寒いからやっぱ着替える」

 ぷいと背中を向けて、つかつかと玄関に戻っていく。
 機嫌悪くしちゃったかな? 余計なこと言って失敗だったかな、せっかく可愛いファッションだったのに。

「やっぱり14才の花純さんは扱いが難しいや……」

 ため息をついて部屋にカバンを下ろす。
 そして制服を着替えようと思ったところで、部屋がノックされる。

「お兄ちゃん、これならどーお?」

 8才の花純さんが、七分丈のジーンズを広げて立っていた。
 手に持っているだけで、穿いてない。花柄の下着姿のまま、ジーンズを僕に見せている。
 
「それを穿いてくってこと?」
「うん!」
「えっと……いいんじゃないかな?」
「おっけー!」

 正直、花柄パンツの方にしか目が行かないんだけど、さっきのショートパンツより遙かに肌保護面積の広いジーンズに僕は了解をする。
 花純さんはもそもそとその場でジーンズを穿き、「にひひ」と両手を広げて全身ファッションを僕に見せる。
 
「うん、可愛いよ」
「てひっ」

 上機嫌な花純さんはぴょんぴょんと飛び跳ねながら部屋に入ってきて、着替え中の僕にガバっとしがみついてきた。

「んふふっ」

 8才の子として無邪気に甘えているだけなんだろうけど、僕と身長の変わらない14才の体が密着してドキドキする。
 そして花純さんは、耳元に口を近づけ小さな声で言う。
 
「さっきの短いやつは、家の中でしか穿かないね? 外で穿いたら、お兄ちゃん心配しちゃうもんね?」
「え?」
「いひひー、お兄ちゃんのヤキモチヨガファイヤー!」

 ふって僕の耳に息を吹きかけ、嬉しそうに笑って花純さんは部屋を出て行く。
 すっかり怒らせてしまったと思ってたけど、8才の反応を見るかぎり、そんなに機嫌悪くないような。
 6才児よりも少しだけ女で、14才よりもずっと素直な8才の花純さんは、僕にとってはわかりやすくてありがたい。

 優惟姉さんも花純さんもいない。ということは綾子さんと睦都美さんしか家にいない。
 家族プレイをしていきたいと思ったばかりなのに、我が家の花である美人姉妹が2人とも欠席とは残念だ。
 でも、逆にそのおかげで濃厚なプレイが楽しめるコンビが残った。
 着替えを終えて下に降りると、綾子さんと睦都美さんは一緒にキッチンで夕食の準備を始めようとしているところだった。

「蓮ちゃん、晩ご飯は楽しみにしててね。今日はビーフシチューよ」

 綾子さんは上機嫌に振り返る。
 仕込みに時間はかかるが綾子さんの得意料理だという。今日は父さんも帰りが遅いらしい。
 最近の綾子さんは、父さんがいないときの方がのびのびしている。僕と肉体関係を持つようになってから。
 
「奥様、野菜はどう切りますか?」
「あ、タマネギは串にしてね。あとニンジンを――」

 ぷりぷりとお尻を揺らしながら、2人の大人の女性がキッチン動き回る。キッチンと母親とシチューは幸福の家庭の象徴だと僕は思う。
 しかも、それにプラス1の美女メイドまでいるなんて。
 エプロンの似合う彼女たちが台所仕事している様子を見ているのは楽しかった。
 そしてエプロンの定番といえば「アレ」じゃないかと思いだし、僕はすかさずコインを鳴らす。
 
 ――キィン!
 
「何してるんですか、2人とも。キッチンでエプロン着るときはその下は全裸。いや、メイドさんの場合はヘッドドレスと白い太もも丈タイツのみ着用可だって、こないだの国会で可決されたじゃないですか。与党も野党も仲良く全会一致でですよ。もうお風呂に入るとき裸になるのと同じくらいの常識なんです。さあ、早く脱いでください」

 催眠解除すると、はたと2人の動きが止まり、慌ててエプロンを外し始めた。
 豊かな胸を包む薄手のニットを脱いでいく綾子さん。メイドドレスのボタンを静かに外していく睦都美さん。
 全裸が常識と思い込んでいる彼女たちは、多少僕の視線を意識しながらも、今はこれが常識なのだからと服を脱ぎ払っていく。
 僕はキッチンテーブルに頬杖をついてそれを眺める。
 なんて美しい光景だろう。裸エプロンなんてオヤジ趣味だと思っていたのに、自然と顔がほころぶ。
 ぽろんと揺れる2人のおっぱいを眺めながら、心の中で僕の素晴らしい悪友たちにサムズアップした。

「こ、これでいいのかしら? なんだか、全部見えちゃってる気がして落ち着かないわ……」

 綾子さんの言うとおりだった。エプロンの脇からは乳輪のぎりぎりまで横おっぱいが見えているし、丈も股間を隠すギリギリだった。
 逆にどうして全部見えちゃってないんだよって、僕のオチンチンが落ち着かない状態だ。
 
「私なんて最悪のような気がしますが……」

 いや、睦都美さんは最高だろ。
 今日の彼女のエプロンは腰から下だけのタイプだった。形の良いお椀のようなおっぱいが潔く全開だ。
 ヘッドドレスと白タイツ。そして股間だけを隠す粋なエプロン。おっぱい。これがもうメイドの正装ってことでいいじゃん。
 互いの格好を見合わせて頬を染める大人2人。きれいで色っぽいのはもちろんだけど、なんていうか可愛いよ。萌え萌えだよ。

「それじゃ、この格好でお料理しないといけないのね」
「はい」

 そして、ぷりんと僕に向けられる完熟桃2つ。その瞬間、僕のシロップ漬けにして缶に詰めるとこまでイメージ出来た。
 じゅるりと垂れてくるヨダレを拭う。キッチンで裸。裸でお料理。エロメディアでさんざん使い尽くされているシチュエーションのはずなのに、生で見るとやはりへんてこでスケベな光景で興奮した。

「どうしたの、蓮君。お料理しているとこ見てるの?」

 綾子さんがセクシーな背中ラインを描いて僕を振り返る。横おっぱいが白さが眩しく目に刺さった。急激な膨らみがエプロンと肌の間に空間を作り、柔らかな肌の上にターフを張ったみたいになっている。そして、つんと突っ張った布地には乳首のポジションが主張されていた。
 裸よりエロい。布一枚でここまでエロさって変わるのか。人間ってまだまだ可能性の宝庫じゃん。エロって無限じゃん。
 見とれている僕にニッコリと微笑みを見せ、「美味しいの作ってあげるね」と綾子さんは料理に戻る。食欲煽りまくりだ。ていうか、こんなにゴージャスな前菜をぷりぷり見せつけられたら我慢できなくなっちゃうよ。
 
「ミルクでもお入れしましょうか、蓮さん?」

 睦都美さん、おっぱいを見せつけながらの「ミルク」発言は、男子中学生にポイズンだって。
 僕はもちろん「お願いします」と言う。冷蔵庫前にかがむ睦都美さんのお尻の割れ目や、小鍋に牛乳を注ぐときのおっぱいの揺れや、僕の前にカップを置くときの下向きになった乳首の弾み具合やなんかを十分に堪能するために。
 そして楽しんだ。一連の動作を期待以上に美しくこなし、なおかつ僕の視線を若干意識するかのように胸を隠しがちにする睦都美さんは、普段はあまり見られない彼女の羞恥心も垣間見られて僕は満足だった。
 
「どうぞ」
「ありがとうございます」

 カップを置くと同時に、さりげなく素早くトレイで胸を隠す睦都美さんの頬はかすかに赤らんでいた。
 キッチンで全裸エプロンになるのはこないだから常識。ポイントは“こないだから”という部分だ。完全常識変換するよりも感情の揺れが態度に表れていていいと思う。このへんは好みの問題だと思うんだけど、このシチュエーションでは僕は「恥じらい」は合った方が良いと思うんだ。
 まあ、もっとも「恥じらいも感じないほど常識的」としたパターンも試してみないことには断言はできないのだけど。それは次回だな。

「綾子さん、僕も何か手伝おうか?」
「あら、嬉しい。でも大丈夫よ。睦都美さんもいるし――」

 ――キィン!
 
 是が非でも手伝わせてもらおう。
 裸エプロンは観賞用だと悪友なら怒るかもしれないけど、そんなのは現実の裸エプロンに手の届かない者の強がりだ。こんなに豊潤に実った果実なんて、誰かが支えてやらないと落っこちてしまうじゃないか。
 この手で賞味しなければならないという男の義務感に突き動かされるまま、僕はコインを鳴らしていた。
 
「料理の手伝いと言っても、やることはいろいろです。例えば、立ちっぱなしで緊張しているお尻を優しく撫でほぐしてあげたり、あるいはお尻をペロペロ舐めたり。そういった作業は男の子向けだし、僕のすることはだいたい料理のお手伝いです。僕は中学校の家庭科で最新のお料理のお手伝いについて学んでいます。僕のやることは現代料理界の常識ですので、疑問に思わず任せてみましょう。いいですね?」

 これで完璧だ。今から僕がどんなエッチなことをしても、料理の手伝いと言い訳すれば許される。
 だったら最初からエッチなことをやらせろって命令すればいいじゃんって話だけど、催眠術なんだから誤認も大事なんだ。
 僕のすることは料理の手伝い。エッチだけど、エッチのためじゃない。そう勘違いしていただく方が、よりエッチな気がする。

「それじゃ、2人とも立ち作業で大変だと思うから、お尻のマッサージするね」
「いいの? それじゃ、ちょっとお手伝いをお願いしようかしら。睦都美さんもいいわよね?」
「ええ、私はかまいませんが」

 綾子さんはぷりっと僕に剥き出しのお尻を突き出す。そして、隣の睦都美さんも彼女に合わせてお尻を並べる。
 熟女とお姉さんの美味しそうな桃2つ。熟れた果肉は甘い匂いをさせて僕を誘う。
 
「あんっ」
「…………」

 ぴと、と僕の両手がそれぞれのお尻に触れる。野菜の皮むきと水洗いをする睦都美さんのお尻を右手に、肉の下ごしらえをしている綾子さんのお尻を左手に。
 強烈な性感帯である『えっちポイント』の右尻に触れられて、綾子さんはビクンと体を反応させて甘い声を出した。
 睦都美さんは無言だった。料理に尻を撫でられるというのに、うちの鉄面家政婦さんは無反応だ。
 もっとも、彼女の場合は催眠術なしでセクハラしても無反応かもしれないけど。
 
「れ、蓮くん。そこはダメよ、ほら……あんっ、んっ、ダメってば」

 敏感に体を震わせる綾子さん。
 僕は、むにっと彼女の尻肉に指を食い込ませる。
 
「ダメ……ッ!」

 ビクン、ビクン。
 じつにわかりやすい反応を見せる綾子さんはセクハラのしがいがあって愉快だった。たっぷりとしたお肉の感触も、彼女が感じるたびにその下で痙攣する筋肉も、女性の体に触れる喜びを僕に実感させてくれる。

「…………」

 睦都美さんは、黙々と作業を続けている。
 ひょっとしてそのセロリをお尻の穴に突き立てても無反応なんじゃないかと思うくらい平常だ。
 彼女のすべすべした肌はとても指触りがいいんだけど、これでは僕のセクハラ魂が納得いかない。
 少し本気入れて触っちゃいますか。
 僕は綾子さんからいったん手を離して、両手で睦都美さんのお尻を撫で上げる。さらに、彼女のお尻の下にしゃがむ。
 
「睦都美さんはだいぶ凝ってるみたいなんで、ちょっと重点的にマッサージしてみますね」
「そうですか。よろしくお願いします」

 無表情にそう頷き、僕にお尻の穴まで見られながら、睦都美さんは黙って作業を続ける。
 白桃みたいにきれいな肌。優惟姉さんのお尻に似てるけど、睦都美さんの方がちょっと垂れ気味かもしれない。
 もにゅもにゅ、バレーのトス上げるみたいに持ち上げながら揉んでみる。幸せだった。太ももまでの伸びた白いソックスの上に、ビーズクッションのようにたっぷりとした質感。
 ガーターベルトもあった方がいい。あとでまた睦都美さんにコスチュームを要求しておこう。このお尻を支えるベルトが可及的速やかに必要だ。

「…………」

 睦都美さんは僕に好きに揉ませたまま夕食の準備を進めている。時々お尻を開いて穴まで覗いている僕のことを完全に無視している。
 だったら、もっとやってやる。絶対に睦都美さんを反応させてやる。
 僕は中学校の家庭科で最新のお料理お手伝い論を学んだ男。なので、このキッチンでは僕の言うことが常識である。

「それじゃ、味付けの方も手伝いますね。最近の味の基本は『さしすせにょ』です。最後の決め手はお料理の味付けをする女性の体。つまり女体の味が料理を決めるのです。なので、男である僕が2人の体の味を見て、味を調整したいと思います。いいですね?」
「よくわかりませんが、お願いします」

 睦都美さんの了解は取れた。
 なので、僕は料理の手伝いとして今から睦都美さんのお尻を舐めたいと思う。
 
「れろっ」
「ッ……」

 睦都美さんは何も言わない。
 ただ、ぞわっとお尻に鳥肌を立てた。

「ぺろっ、ぺろっ」

 かすかにしょっぱい肌の味。
 でもこの柔らかさと匂いが甘い感覚を引き起こす。

「ぺろ、ぺろ、れろぉ~、チュッ、チュッ、れろれろれろっ」

 舐めて、キスして、お尻の肉を広げて。
 時には甘噛みを交えて情熱的に睦都美さんをお尻を味わっていく。
 柔らかくてしょっぱくて、とても美味な女体だった。
 
「ン……」

 ピク、睦都美さんのお尻が震えた。
 かすかに、だけど確かな手応えがあった。睦都美さんは気づかないふりをして野菜を切り刻んでいる。でも僕の唾液でべとべとになったお尻は、さっきよりも少し緊張して固くなっている。

「チュっ、ぺろっ」
「んっ」

 キュッとお尻に力が入る。
 睦都美さんの手が一瞬止まり、そしてそれを誤魔化すようにリズミカルにまな板を叩く。
 感じたんだ。
 僕はあの睦都美さんを感じさせたんだ。
 
「ちゅっ、ぺろぺろ、あむっ、あむあむ、んっ、れろ、ちゅっ、ちゅっ」
「ン……っ、ん……は……」

 リズムを乱していく包丁。ますます激しくなっていく僕の舌。
 縮こまろうとするお尻を広げて、穴の周りをぺろぺろ舐める。美人のお尻はどこまで舐めても平気だ。睦都美さんのなら穴でも舐められそうな気がしたけど、念のためお風呂に入る前のはやめておこう。
 その代わり、皮膚の柔らかそうなその周辺を軽く齧ってやったりしてやる。
 ピク、ピク、睦都美さんのお尻が震える。チューって思いっきり吸い付いてやると彼女らしからぬ甘い声を――
 
 ダンッ!
 
 いきなり大きい音がしたので、びっくりして顔を上げる。
 綾子さんが、ステンレスのハンマーらしきものを振り上げているところだった。

「……そうよね、蓮君だって若い人のお尻の方が好きよねえ」

 ダンッ!
 肉叩きハンマーを牛肉に叩きつけ、綾子さんはボソボソと呟いていた。

「私のお尻なんて、もう若い人と比べたら全然魅力ないものね。味見しても美味しくないもんね。わかってるの。うん、ママわかってる。ちゃんと割り切ってるんだから……お尻だけにねッ」

 ダンッ!
 肉の繊維を断ち切るだけにしては妙に緊張感のあるスイングで、キッチンに強烈な打撃音を響かせる。
 睦都美さんのお尻の穴が、キュッと締まった。
 
「さ、さーて、アシスタントの睦都美さんのお尻はこのくらいでいいでしょう。次はいよいよ、メインの料理人である綾子さんのお尻を味見しましょうか」
「えっ、やだ、私のお尻なんて味見しなくてもいいってば。あん、ダメ、蓮君っ!」

 綾子さんのお尻の後ろにしゃがみ、むっちりしたお尻を持ち上げる。
 魅力ないわけないじゃないか。綾子さんのお尻は大好きだよ。肉叩きでぶん殴られるまでもなく、舐めたり噛んだりは余裕だ。

「ぺろぺろ、ちゅっ」
「あぁん!」

 ふにょふにょしたお尻に吸い付く。
 睦都美さんのよりも柔らかく、つきたてのお餅みたいな感触。吸ったり噛んだりしているだけで、敏感な綾子さんはすぐにアソコから匂いを発し始める。

「んっ、ちゅっ、れろれろ、ちゅ、ちゅぱっ」
「あぁん! んっ、んっ! ダメ、蓮ちゃぁん……」

 お尻のお肉が痙攣して、太ももが色っぽくよじれる。
 僕はその白い足を撫で回しながら綾子さんの体の味を堪能する。
 大人の余裕と包容力に満ちたこの体を中学生の息子なんかに翻弄され、そして喜びの蜜を垂らす彼女はとてもスケベで可愛らしい。
 いくらでも食べてあげたい。欲しがりなこの体を。
 でも、今日は1人にかかりっきりになっている場合じゃなかった。
 贅沢な我が家の家族構成を、思いきり楽しむって決めたんだから。

「睦都美さんもこっちへ。お料理の前にちゃんと2人の味見をしないといけませんから」
「そうですか」

 綾子さんと睦都美さんのお尻を並べ、キッチンに手をついてお尻を突き出すように言う。
 その2つの間に顔を埋めるようにして、交互にキス。

「あんっ」
「ん……」

 2人の声を聞きながら、キスしたり舐めたり、足を撫でてお尻を撫でて、そしてその肌に齧りつく。
 エッチな声を出して身をくねらせる綾子さん。
 控えめに声を漏らし、じっとされるがままになっている睦都美さん。
 最高に美人で色っぽい大人の女性たちを、裸エプロンにして同時にイジってるんだ僕は。

「あぁ、あんっ! あん、そこダメ、蓮ちゃん、あぁん!」
「……ん……ふ、ん……」

 2人のお尻を揉みながら、跡が残るくらいチュウチュウと吸う。
 これは僕のモノ。2人のお尻は僕のモノ。いつまでも残るくらいに歯を立てて噛む。レロレロと舐める。痛みと快楽を交互に与えて2人の反応を楽しむ。
 睦都美さんからも女性の匂いがしてきた。相変わらず表情には乏しいけど、少し赤みがかった頬が時々切なそうに火照っている。僕に内股をべろりと舐め上げられて、かすかに唇を震わせている。

「もっと味を知る必要がありますね。2人の中の味が重要です。ここをほじらせてもらいますね」
「あぁん!?」
「んっ!」

 アソコに同時に指を突っ込む。
 綾子さんのはすでにグジュグジュに濡れそぼっていて、すっぽりと僕の指を飲み込んだ。
 睦都美さんのは抵抗するかのようにギュギュッと締め付けてきたけど、入り口の一番きついとこを超えたらぬるりと指が全部入ってしまった。
 
「これも料理界の最新常識です。『さしすせにょ』の『にょ』は本当にマジで重要。だから奥まで味を知る必要があるんです。だから僕に任せて」
「は、はい、蓮ちゃん、あぁん!」
「本当ですか、それ。なんだか……んっ……んっ」

 指を軽く曲げ、ゆっくりと抜き差しする。
 綾子さんのはグチュリと蜜を垂らし、睦都美さんのはビクビクと震えて僕のを締め付ける。
 こんなにきつかったっけ。メイドオナホのときの彼女とは違い、きついくらい狭い場所だった。
 ぐちゅ、ぐちゅ、慎重に両者の中を比べながら感触の味比べをする。
 綾子さんの中は熱く感じるくらいで、指に絡みついてくる感触がまるでシチュー鍋だ。
 睦都美さんのは指の背に当たる部分がざらついていて、全体的に細いというか狭い。人形化してときと違って、まるで品を替えたみたいに反応が違う。キュッキュと身を縮めて侵入を締め付けるさまは海の生物を連想させた。
 
「あっ、あっ、いいっ、蓮ちゃんの味見、いいっ」
「ん、んっ……まだ、終わらないのですか……?」

 もう止められるはずがない。
 このキッチンでは僕がルールだ。彼女たちは食材だ。
 ここまで料理してしまったら、もう味見だなんて言っていられない。
 とびきりメインな2人の美人を、お腹いっぱい食べてやりたい。

「よし、味の決め手に何が足りないのかわかりました。それは男の味です」
「はぁ、はぁ、何それ、男の味って……?」
「さっきと言っていることが矛盾しているような気がしますが」
「何にだって隠し味はあります。汁粉に塩、カレーに砂糖を入れるようなものです。あなたたちはこのままでは女性的すぎます。美人で色っぽくてスタイルが良くて、女性として完璧すぎるんです」
「まあ、蓮ちゃんったら恥ずかしいわ……」
「それとお料理と何か関係あるんですか?」
「大ありです。つまり、女性として完璧すぎるゆえに味が一辺倒になりすぎだと。あなたたちにちょっと男の味を足してやると、ぐんと女性味が際立ちます。それによってあなたたちの作る料理も美味しさを増すんです。それがお料理界の最新常識。騙されたと思って、騙されてください」
「わかったわ、蓮ちゃんの言うとおりにする。どうすればいいのかしら?」
「では、さっきと同じ体勢で、今度はもっとお尻を突き出すようにしてください」
「こう?」
「睦都美さんも綾子さんと同じように」
「……はい」

 お尻がますます強調されて僕に差し出される。
 綾子さんの女性らしいたっぷりしたボリューム。
 負けず劣らず女性を主張する睦都美さんの桃尻。
 僕のギンギンに反り返った男性を晒して、今からこの美尻たちに味つけする男味を強調する。

「いいんでしょうか、こんなこと……」
「大丈夫、うちの蓮ちゃんは家庭科で料理を学んでいるのよ。あんなに立派な息子の言うことですもの。私たち女は、おとなしく彼に任せていればいいの」

 綾子さんに僕のを近づけると、期待に頬を赤らめてうっとりとため息を漏らす。
 隣で睦都美さんが不安げに見守る中、僕は綾子さんの中にずぼっと侵入する。
 
「あぁ~~ッ、本場イタリアンの味!」

 キッチンで息子に裸エプロンを着せられ、味見と称してメイドさんともども後ろから犯されるというイノベイティブなシチュエーションに、流されやすい彼女はあっという間に染まってイタリア人に失礼なこと言いながら絶頂に達する。。
 ぎしぎしとお尻を突き上げられ、隣で睦都美さんが見ているというのにだらしない顔をして、綾子さんはスケベな悲鳴を上げていた。
 
「あっ、あっ、あぁん! こんな、素敵なお料理があったなんて、あん! もっと、もっとママの味を見て、蓮ちゃん! ママを、ママを蓮ちゃんの味にしてぇ!」

 たぷたぷとお尻が波打ち、ゆさゆさとおっぱいが弧を描く。
 本当にいくらでも食べられそうな体だよ。
 
「あッ、あん! いいっ! 蓮ちゃん、いい! いいのォ!」

 このまま最後まで突っ走りたい。
 でも、今日は家族みんなで楽しむ日。僕は綾子さんの中から引き抜き、てらてらに濡れたそれを隣へ向ける。
 しかし睦都美さんは、身を引いてお尻を隠した。

「あの、私はやっぱり結構です。今日の晩ご飯は奥様の料理がメインですし」

 そう言われても、逆に僕がご馳走を取り上げられた気分だ。
 ぶるんとオチンチンがいきり立つ。
 
「いいえ、そうはいきません。料理は完璧じゃないといけないんです」
「あぁ……そうよ、睦都美さん。せっかく蓮ちゃんが私のお料理に協力してくれるんだから、睦都美さんもしっかり味わってもらってぇ」

 くねくねとお尻を揺らしながら、綾子さんはすっかり上気した瞳を濡らして僕に同調してくれた。さすがママ。
 睦都美さんはビショビショに濡れて勃ちあがった僕のオチンチンに眉をひそめ、「でも……」と口ごもる。意識のある状態で僕とセックスをしたことのない睦都美さんは、料理のためとはいえ僕をそこで受け入れることに抵抗を感じているようだ。
 だけどまだ2人とも僕の催眠下にいる。これは料理。ただの味見。なんでもないことだと綾子さんと僕とで睦都美さんを説得する。
 裸エプロンという恥ずかしい格好をさせられ、しかも雇い主の母子にセックスを迫られているなんて認識をさせずに。

「これはただの味見で、僕らは料理しているだけなんです。何も変なことはありません。最新の調理論だから、少し変に聞こえるだけです」
「……それは、わかっていますけど」

 キッチンの中では僕がルール。
 自分勝手な僕の理屈を睦都美さんは理解していく。たまに違和感を覚えても、一瞬とろんと催眠目になって僕の言葉を咀嚼し、彼女の中で正統な理屈として解釈してから飲み込んでいく。
 じつに楽な説得だった。やがて睦都美さんは、諦めたみたいな口調で了解してくれた。

「わかりました。では、どうぞ」

 つっとお尻を差し出される。
 やった。喜びに僕のオチンチンはまた跳ね上がった。

「それじゃ、失礼しますね」

 先端が睦都美さんのに触れる。「ン……」と睦都美さんが唇を噛む。
 入り口のヒダをオチンチンの先でかき分けると、くちゅっと軽い音がした。ちゃんと濡れてるじゃないか。
 さらに押し込んでいく。「ンン……」とくぐもった声を漏らし、ギュッと入り口が固くなる。ずっ、ぐぐっ。壁のようになっているソコを無理に押し込もうとしても、なかなか僕のは入っていかない。
 ぐっ。
 睦都美さんのお尻を開く。白い肌のかたまりの中で、唯一くすんだ色をしていた穴がシワを広げて口を開け、その中まで僕の眼前に晒される。
 
「あ……」

 彼女にしては珍しく動揺した声を出し、背中越しに振り返る。
 その瞬間を狙って僕は腰を突き出していた。

「あ、うぅ!」

 入った。
 裸エプロンメイドさんの膣の中に。
 唇をギュッと噛んで睦都美さんは体を小刻みに震わせる。キュウキュウと良く締まるアソコが僕を圧迫し、油断すると中へ出してしまいそうなくらいに刺激する。
 彼女の中にはもう何度も入っている。でも、睦都美さんにとってはこれが初めての僕の挿入になる。
 味見と称した誤認プレイが僕らの初めてのセックスになるんだ。
 彼女のきつい締めつけに負けないよう、腰に力を入れて出し入れする。

「うっ……んっ……」

 眉間にしわを寄せ、苦しそうに睦都美さんは僕を受け入れる。
 合意と言えるほどの合意もないままの、一方的な交わり。だけど彼女の中は女性としての反応もしていて、きつい圧力の中にも濡れた感触。
 先端に引っかかるようなゴリゴリした肌触りは、弛緩したメイドのオナホでは味わえないインパクトがあった。
 気持ちいい。オナホの睦都美さんよりも気持ちいい膣だ。

「ンッ……んっ、ンッ……」

 セックスしている。
 僕は家政婦の睦都美さんとセックスしているんだ。
 いつもの美人顔が苦痛に歪み、キッチンにしがみついてされるがままにお尻を揺らす彼女の姿はかなり扇情的だった。
 無理やり犯しているわけじゃないけど、れっきとしたレイプ行為であることは間違いない。
 犯しているんだ。無表情なのがちょっと怖いけど、美人で有能で、そして父さんの愛人であるこの人を。

「ンっ、ンっ、ンっ、ンッ」

 自然とペースが速くなる。
 睦都美さんの表情から険しさが消えていく。代わりに何かを堪えているような、決して不快ではない何かを表情に出すことを恐れているような、切ない顔をしている。
 ぬめりを増したアソコは出し入れがしやすくなってきた。苦しいくらいの締めつけはなくなり、だけど強めに絞ってくる圧力は変わらず僕をちょうどよく気持ちよくしてくれる。
 ざらざらした天井に当たるたびに先っちょがビリビリする。そしてそこをゴツンと突いてやるたびに、睦都美さんの細いウエストが踊るようにくねるんだ。
 セックスが気持ちよくなってきているんだ。
 男としての自信がむくむく湧いてくる。
 睦都美さんが、僕にセックスされて気持ちよくなってるなんて。
 
 でも、いつまでも彼女だけ愛してやるわけにもいかない。
 ぬるり。
 僕は睦都美さんの中から名残惜しく抜け出る。
 そして、隣で物欲しそうに見ている綾子さんの中に戻ってやる。

「あぁん!」

 綾子さんは仰け反り、僕を温かく迎え入れる。
 僕を待っている間も温度を失わずにいた膣は熱く僕のを抱きしめ、自ら動き出して快楽をえぐり出す。
 
「あぁっ、蓮ちゃん、気持ちいい! 気持ちいい! 蓮ちゃんのお味見、最高よォ!」

 一緒に腰を動かしで、パンパンと小気味よい音を立てる。
 綾子さんの中も締めつけはちょうどよく、すっかり馴染んだ感触で僕のをぐいぐい吸い込むようにフィットする。
 夢中になるしかなかった。僕らのセックスはいつも無我夢中だった。
 
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 そしてそんな僕らを、肩で息をしながら睦都美さんが見つめる。
 紅潮した頬。濡れた瞳。そして上下するおっぱい。
 睦都美さんのきれいな顔が、セックスを中断された切なさを無言で訴えているみたいで、その目に射貫かれたみたいに僕のオチンチンがビンビン反応する。
 
「あぁん!」
「あっ……また……ッ」

 綾子さんから抜いて睦都美さんへ。
 また抵抗するみたいに入り口を締め付けるけど、いったん僕のを受け入れてしまったソコはすぐ諦めて僕を迎え入れる。
 そして、握手するみたいにギュッと密着してくるんだ。
 
「あんっ、んっ、あっ、あっ、うっ、あんっ」

 二度目の挿入で、彼女は甘い声を出した。
 乱れる綾子さんの姿に触発されたのか、少しだけ大胆に彼女の声を聞かせてくれる。
 僕は強く腰を打ち付ける。睦都美さんの声は可愛かった。「メイドオナホ」としか言わせたことのない口から、こんな小鳥みたいな声が出てくるなんて、僕は不意打ちの萌えにますます興奮した。
 
「あっ、あっ、あっ、あっ、つ、強い、です、あっ、あっ、あん、あぁっ、あぁぁぁっ!」

 腰が止まらない。
 きつくて、ざらざらも気持ちよくて、最高の膣だ。
 綾子さんのだってもちろん最高だけど、睦都美さんのは睦都美さんので性格の違う気持ち良さがある。
 すごい。女の人ってここにも個性があるんだ。初めて知った。
 いろんな人とセックスしないと、わからないことっていっぱいあるんだ。
 睦都美さんの声が泣き声になっていく。堪えていた気持ちよさを泣き顔にして、睦都美さんはシンクにしがみつく。
 
「も、もう許してください、勘弁してください、あっ、あっ、お願いしますぅ!」
 
 ビリビリきた。
 耳から入ってくる睦都美さんの悲鳴。そして彼女の乱れた泣き顔。
 父さんが彼女を抱いていた夜を思い出す。
 四つんばいにして乱暴に抱いていたことを。そして、睦都美さんがそれを泣きながら喜んでいたことを。
 睦都美さんはセックスで男に屈服したいんだ。自分を男より下に置きたいんだ。
 だって彼女の膣は、喜びのシャワーのように愛液を零して僕のをますます締めつけてくる。
 それがふだんは氷のように表情を変えない彼女の本性。中学生の僕にまで隷属してしまうセックスの癖。
 男を狂わせる性癖だ。睦都美さんにそんな顔されて懇願されれば、どんな草食系だって獰猛になるに決まってる。
 僕は角度を変えて、上に突き上げるようにして腰を押し出す。

「あぁぁぁっ、お許しを! それ、お許しをぉ!」

 そんなこと言ってくる癖に睦都美さんは自らお尻を突き出し、『もっとください』とねだるように押しつけてくる。
 彼女のような美人にそんな痴態を見せられて応えないやつはいないだろう。僕は強く何度も突き上げる。そのたびに睦都美さんは淫らな声をだして「許してください」と泣く。

「はぁ、はぁ、あぁ……」

 綾子さんは息を乱してそんな僕らを見つめている。
 わかってる。僕がママのこと忘れるはずないじゃない。

「あぁぁぁ、来たわぁ!」
「ン、はぁ、はぁ、はぁ……」

 睦都美さんから綾子さんの中に。
 一気に奥まで飲み込んで、綾子さんは逃がすまいと必死に締めつけてくる。全部が包まれる安心感と強い刺激に、僕はちょっとだけ綾子さんの中に漏らしてしまう。
 
「あっ、あっ、蓮ちゃん、もっと、もっと味わって! ママの味、蓮ちゃんの味といっぱい混ぜ合わせてぇ!」

 ぐちゅぐちゅとかき混ぜるたびに綾子さんは腰を痙攣させ、感極まった声を出す。
 僕とのセックスを世界一喜んでくれる人。エッチな体を全部僕のセックスに使わせてくれる最高の母親。
 彼女の愛情を全身で受け止めながら、僕は乱暴にお尻に腰をぶつける。
 綾子さんは僕が何をしても喜んでくれるに決まっているから。
 
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 睦都美さんが、僕と綾子さんの顔を交互に見ながら、唇を軽く噛んでいる。
 2人の美人に求められる至福。もちろん、これがただの味見だってことは忘れていない。
 でも、彼女たちは完全に『セックス』に夢中になっていた。催眠と同じくらい強烈に、セックスの快楽で僕の行為を受け入れてくれていた。

「ン、ンンっ、あぁ、また、あん! もう、ご勘弁をっ、あぁ!」

 綾子さんから睦都美さんへ。
 ビクンビクンと痙攣して睦都美さんは膣を震わせる。綾子さんに負けないくらいソコが熱くなっていた。
 そして自らお尻をピンと上げ、僕を迎え入れる角度を作ってくれた。そんな睦都美さんの媚びに応えて、思い切り突きまくってやった。
 
「あぁっ、あぁっ、強すぎます! 強すぎます! もう、お許しください、私、壊れてしまいます!」

 2人とも最高だ。裸エプロン最高だ。
 どんどん高まって我慢ができなくなっていく。ひょっとしたら2人の中に軽く射精もしてしまってるかもしれない。
 でも、そんなことを心配している余裕もない。
 もう出る。すごい出る。
 フィニッシュは、もう2人の裸エプロンに僕のをかけてやりたいって、それしか思い浮かばない。
 
「座って! 僕の男味を出すよ! 2人のエプロンにたっぷり染みこませるから、そこに広げて!」
「はい!」
「こ、こうでしょうか?」
「くぅっ……ッ!」
「あ、やんっ!」
「熱いのが、エプロンに……」

 綾子さんの胸がはみ出たエプロンと、睦都美さんの腰に巻いたエプロン。
 吹き出る精液をそれぞれのエプロンにぶっかけ、べっとりとシミを残して僕の射精は終わる。

「はあ、はあ、これで味つけは終了です……あとはまあ、普通に料理してください」
「わかったわ……隠し味はもう必要ないのね?」
「このまま料理するのは大変そうですが……しかたありませんね」

 心地よい余韻に身も心も脱力する。
 テーブルによりかかって息を乱す僕に、ふと綾子さんと睦都美さんの視線が集中する。

「そういえば……」
「大事なことを見落としてましたね」

 綾子さんがハタと手を打ち、睦都美さんも何か察したように立ち上がる。
 そして睦都美さんが壁に掛かったサンリ○オ系のエプロンを手に取り、綾子さんは僕のズボンを脱がしにかかってきた。

「キッチンに入るときは、裸にエプロンが正義の法律ですものね」
「奥様、このフリルがふんだんに付いたキテ○ィちゃんのエプロンが蓮さんにはお似合いかと思いますがいかがでしょうか?」

 ――キィン!
 
 僕がこれまでにない速さでコインを鳴らし、彼女たちの暗示と記憶を取り消したことは言うまでもないだろう。

< 続く >

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