オイディプスの食卓 第19話

第19話 姉を塗れ

 夕食のビーフシチューはすごく美味しかった。男味を隠し味に使えって言わなくてよかった。
 そして、明日は休日なんだけど父さんは朝早くからいないらしい。
 これはチャンスだ。僕は明日の朝から18時まで限定の催眠暗示を全員にかけた。明日は催眠パーティだ。
 悪友のアイディアや僕の知恵を振り絞り、夕食を楽しみながらみんなにいろいろと指示を出し、食後はお風呂の時間まで普通に勉強して過ごす。
 すっきりした後なので捗った。
 そのうち自分の勉強を一段落させた優惟姉さんがやってきて僕の勉強を見てくれる。
 家の中でしか見られないラフな格好の優惟姉さん。日中はきつく縛っている髪をほどいて緩めにまとめ、長袖と半袖のTシャツを重ね着している。今日はスカートだった。外では制服以外にあまり穿かないけど、家では時々スカートを穿く姉さんを見ることが出来る。膝丈くらいの地味なやつだ。たぶん、中学生の頃に買ったのをずっとそのまま穿いている。
 姉さんが外で穿きそうなのって、ロングスカートくらいだろう。すごくきれいな足だと思うし、全然ミニスカートでも勝負できるスタイルだと思うんだけど、たぶん姉さんの性格的に無理かな。
 彼氏でも出来たら姉さんもスカートとか穿くのかな。見てみたいような、このままでいて欲しいような。
 
「なに、蓮? お姉ちゃんの顔に何かついてる?」
「ううん、ちょっとボーッとしただけ。ここの問いなんだけどさ――」

 いつもの姉さんに、いつものように勉強を教えてもらう。
 僕の変わらない日常だった。でも。

『お前は俺のそばを離れるなよ』
「おおー、ウケる」

 なぜか花純さんが僕のベッドでゴロゴロしていた。
 すっかり僕の部屋で遊ぶくせがついてしまったのか、今日は3DSを持参していた。

「お兄ちゃんの勉強の邪魔しないでよ」
「わかってるー」

 まぶしいショートパンツの太ももを「わかって」のところで高く上げ、「るー」のところでくぱぁっと開き、花純さんは優惟姉さんに生返事をする。
 ゲーム画面から目を離す様子もなく、どう見ても舐めきった態度で。
 
「……もう」

 8才の子に言っても仕方ないと思ったのか、ため息をついて優惟姉さんは勉強に戻る。
 すっかりやんちゃぶりの定着した花純さんは、末っ子としての人生を満喫しているように見えた。
 正直、元・末っ子の僕が嫉妬するくらいに。花純さんが姉だったころは、僕にこんな風な甘えを許さなかったくせに。
 いいんだけどさ、別に。妹って可愛いし。

『先輩、ぼくの傘に入っていきませんか?』
「ふひひー、きもーい」

 それにしても、花純さんはさっきから何のゲームしているんだ?
 時々聞こえてくるセクシー男性ボイスから察するに、恋愛ゲームのような気がするんだけど。
 ちなみに彼女の黒歴史であるBL本については、6才の幼女化させたその日のうちに回収している。一緒にゲームしながら、さりげなく『僕の貸してた本』だということにして。
 花翔院にゃんにゃ先生の名作たちは今、僕の机の一番奥に封印されているんだ。二度と花純さんの道を違えたりはしない。
 ただ、ゲームについてはノーチェックだった。花純さんはPCとか持ってないしスマホも林檎系だし18禁の類いはもうないと思う。3DSも年齢の範囲内のゲームしかないはずだから、アレ系の商品ではないと確信できる。
 14才の彼女がもともと持ってた女子系の健全な恋愛ゲームか何かだろう。それぐらいなら誰でもやってるし、過剰に反応することもない。
 8才の子に意味わかるのかって気はするけど、元が女子中学生ならこの程度のゲームは余裕だろう。

『しゃぶれよ』
「いいよー」
「「ダメぇ!?」」

 僕と優惟姉さんが同時にツッコミ、花純さんから3DSを取り上げる。
 花純さんは「やだやだ」言って暴れたけど僕らも必死だった。結果として問題のシーンは僕らの考えていたようなものではなく、学園祭のイベント企画『カップル限定氷なめなめゲーム』というやつで、手を使わずに氷を溶かして中の景品をゲットするという、あざとい感じの一枚絵イベントだった。
 
「こ、こ、こんなゲームは花純にはまだ早い!」
「えー」

 しかし優惟姉さんはその絵を見ただけで真っ赤になり、ゲーム機ごと没収を決定した。
 まあ、確かに構図的に男性キャラの股間の位置に氷があるっていう、これどうしてもフェラチオ描きたかったんだろって感じのイラストだし。
 ていうか見覚えあるなって思ったら、このタッチは花翔院にゃんにゃの相方、MOJOEさんじゃないか。
 
「なんでなんで? それ花純のゲームだよ?」
「ダメです、ハレンチ禁止です! 花純はお絵かきでもしてなさい!」
「ええ~」

 使ってないノートとシャーペンを与えられ、花純さんは不満そうにほっぺたを膨らませる。
 助けを求めるように僕を見ているけど、あまり優惟姉さんをイライラさせてこないだみたいな騒ぎになるのもアレだし、僕もMOJOEさんのイラストはまだ8才の花純さんには早いというのは同意なので、「花純の絵が見たいな」なんて適当に愛想を言ってみる。
 
「……わかった」

 不満そうに、それでも花純さんは頷いておとなしくノートを受け取る。
 床に寝っ転がってつまんなさそうにゴシゴシ線を引く彼女は、いかにも怒られて拗ねた子供って感じで、見てて可愛らしかった。
 優惟姉さんも一安心して僕の勉強に戻る。
 そうしてしばらく3人とも言葉少なにそれぞれのノートに向かっていた。僕の勉強に集中していたし、花純さんもおとなしくしていた。
 やがて花純さんは、「できたー」と嬉しそうに言って、真っ先にその作品を僕のところにやってくる。
 
「どれどれ、見せてごらん」

 花純さんの無邪気な笑顔に、まるで自分が父親になったみたいな、ほっこりした温もりを感じながらノートを受け取った。
 そして見た。
 とても子供の落書きとは思えない精緻なクロッキーを。

「上手い!?」
「ていうかこれ、さっきの『氷なめなめゲーム』じゃない!?」

 没収された理由にもなった問題のCGを、花純さんは記憶を頼りにほぼ正確に再現していた。3DSよりも3D感あふれる筆致で。
 8才児とは思えない正確なタッチだが、14才と考えてもかなり上手い。しかもエロい。こんなの見せられたら興奮しちゃうよと唸らざるをえない画力だった。
 花純さんにこんな才能があったとは……。

「ハレンチはダメって言ってるでしょ! もう花純はお絵かきもダメ。自分の部屋に戻って教科書とノート持ってきなさい。お姉ちゃんが勉強教えてあげます!」
「ええ~。宿題ならもう終わったもん。花純は遊びたい-!」
「いや……優惟姉さん、もう少し花純にお絵かきさせてみようよ。ひょっとしたらすごい才能ある子なのかも」
「てへへー。花純ね、絵は得意なんだよ」
「ダメよ、何言ってるのよ。こんなのもし学校で見つかったら大変なことになるわよ。描くならもっと普通の絵にしなさい」
「花純は描きたいものしか描けないの。なによ、お姉ちゃん怒ってばっかり。花純、さっきから悪いことなんてしてないのに」
「あなたに自覚がなくても、悪いことをしているの。お姉ちゃんはそれをやめさせたいだけ。怒ってるわけじゃないのよ」
「じゃ、ゲームしてていい?」
「違うゲームならいいわよ」
「3DSのあれしか持ってない。あとはテレビでするやつだけだもん」
「じゃあお部屋で遊べばいいでしょ?」
「……ここにいたいの」
「仕方ないわね。それじゃ、花純もお勉強見てあげるから教科書持っておいで」
「勉強はやだ~」
「わがままばっかり言ってないで、花純――」

 ――キィン!
 
 僕は早めにコインを鳴らしていた。このままの流れでいけば花純さんの才能の芽は優惟姉さんの圧倒的説教力によってつぶされ、いずれは優惟2世と呼ばれる優等生に育てられてしまうだろう。
 優惟姉さんの言いたいこともわかる。でも、子供の個性や表現力を伸ばしてあげるのも教育の役目だと思うんだ。
 というわけで、お絵かきを続ける。そしてキャンパスはもっと大きいものがいい。花純さんの才能を刺激するような、エロいキャンパスだ。

「優惟姉さん、花純には絵の才能がある。僕たちは彼女の才能を伸ばすために協力をしなければならない。白くて、広くて、そして刺激的なものをキャンパスにしよう。つまり、女の人の裸をキャンパスだ。子供の絵の才能を伸ばすにはそれが一番なんだ。だから、優惟姉さんが裸になって花純の落書きノートになろう。こんなことを他の人に頼むわけにはいかない。姉だからこそ協力しなきゃならない。花純もよく聞いて。優惟お姉ちゃんは花純のために落書きノートになってくれる。感謝して、いっぱい落書きしよう。いいね?」

 そして催眠を解除する。
 とたんに優惟姉さんは真っ赤になって、「ええ~……」と困ったような顔をした。

「お姉ちゃん、花純のために落書きノートになってくれるの?」
「ええと……う、うん。協力はしなきゃね……」
「やったあ! お姉ちゃんがノートになってくれるんなら、いっぱいお絵かきできるね!」
「そうね。しかたないわ。じゃ、その間、とりあえず蓮は出てって」
「え、どうしてなの?」
「どうしてだよ、優惟姉さん! 納得いかないよ!」
「す、すごい怒るのね……。でも、蓮は関係ないでしょ。こんなの弟にだって見せたくないに決まってるじゃない」
「花純はどう? 花純の描いた絵、僕に見て欲しくない?」
「見て欲しー。花純、お兄ちゃんに描いた絵見せたい」
「ほら、花純だってこう言ってるし。弟なんだから恥ずかしがることないじゃない」
「……どう考えても恥ずかしいことなんだけど……わかったわ。花純のためだもんね。その代わり! お姉ちゃんが脱ぐとこ見ないで。後ろ向いてて!」

 女子ってホント、簡単には脱がないよな。どうせ全部見せるくせに、なんでもったいつけるんだろう。
 後ろから聞こえる衣擦れの音とか逆に期待を煽るだけなのに。あ、そうか。期待を煽るためにもったいをつけてるのか。隠されると見たくなるのが男の心理だもんな。なるほど、ただのケチじゃないんだ。

「い、いいわよ」

 許可が出たのでさっそく振り返る。
 優惟姉さんは、床の上に仰向けになり、白い裸身を晒していた。

「おー。お姉ちゃん、おっぱい大きい」

 仰向けでも型崩れしない張りのあるおっぱいが天井を向いていた。
 ていうか、どうせおっぱいとかアソコとか隠してる手をどけるのにまた口論になるんだろうなと思ってたから、いさぎよく両手を横にして全てを晒している優惟姉さんに驚きと感謝と興奮が一度に押し寄せ、僕は唖然として喉を鳴らすだけだった。

「か、描くなら早くしてよ。風邪引きそう」

 照れ隠しみたいに早口で文句を言い、優惟姉さんはギュッと目をつむる。
 蛍光灯の下で17才の素肌が輝いていた。
 花純さんが「大きい」と評した胸は綾子さんや睦都美さんには敵わないまでも、こうして仰向けになったときの先端高度では勝っているんじゃないかと思うくらい、ツンと若々しさを誇っていた。
 あばらの形がみえるくらい細身の体なのに、育っている最中の「女性らしさ」は優惟姉さんらしくきっぱりと自己主張している。乳首の色も我が家の大人の女性2人よりは薄いけど、さくらんぼみたいですごく美味しそう。へこんだお腹に無駄な肉なぞ存在せず、なのに腰つきも太ももも少女と大人の境界線を曖昧にするぎりぎりのカーブを描いていて、17才しか体現できない神聖さすら感じさせる魅力を発している。
 きれいだ。
 優惟姉さんは、やっぱりすごくきれいな人だ。
 若草のような陰毛が、恥ずかしそうに身を縮れさせ、そして彼女の秘かな割れ目を彩っている。
 妖精みたいにきれいな体なのに、そこだけがひどく淫靡で僕の目を釘付けにした。
 
「じゃ、描くねー」

 しかしそんな男心には無縁な花純さんは、優惟姉さんの貴重な魅力にも特に感動を覚えるわけでもなくシャーペンをカチカチさせる。
 いやシャーペンはダメだろ。タトゥーでも彫るつもりか。
 それはそれで興奮しないでもないけど、優惟姉さんの人生と妖精感をこんなところで潰す気はさすがにない。僕は花純さんに絵の具セットを用意してあげた。さらに去年の学校キャンプで使ったレジャーシートも下に敷いてあげた。

「何描こうっかなー」

 ぺたぺたと筆に色をつけて花純さんは、いきなり顔からいった。普通そこは一番に攻めないような気がしたけど、画伯は大胆にもそこから筆をいれる。
 白い絵の具でほっぺたをぬりぬり。優惟姉さんはくすぐったそうに頬を引きつらせていたけど、じっと我慢している。そして目の周りに黒い線を引き、最後に額にひらがなで「てっけん」と花純さんは描いた。

「鉄拳」

 僕は思わず口に出して吹き出す。優惟姉さんも吹き出す。だけどすぐに「やめてよ!」と鉄拳顔で怒ったので、濡れタオルできれいに拭いてあげた。花純さんには「顔は禁止」と言い渡す。なんかいろいろ台無しになるから。

「じゃ、マン毛を赤くする」

 巨匠は次々に大胆な発想を繰り出し、優惟姉さんの陰毛を筆で擦り始める。

「やっ……ちょっと、やだ」

 両手で顔を覆い、それでもされるがままに優惟姉さんはじっと我慢する。妹の画才のため。それとはまったく関係ないただのイタズラなのに、姉さんはそうと信じて耐える。
 しかし、当たり前だけどただの水彩絵の具は毛には全然乗らなかった。股間が真っ赤になっただけである。

「うん、完璧」
「え、どこが?」

 そんなはずはないのに花純さんは自画自賛して次の色を筆にとる。赤に彩られた股間に黒でラインを縦横に重ね、魅惑的なチェック柄を描き上げる。
 
「お姉ちゃんにパンツ穿かせてあげた」
「へえ、可愛い」
「な、なによぉ、これ……」

 可愛くて少し派手。
 優惟姉さんがこういう柄のパンツ穿くイメージはないけど、それだけに新鮮な感じになっていた。
 
「お姉ちゃん、お尻も塗るからうつぶせになって」
「な、なんでそんなことしなきゃならないのよ」
「姉さん、花純のためだから」
「……どうも納得いかないわ……」

 ブツブツ文句言いながらも、姉さんは体勢を替える。
 つるりときれいな白いお尻。そこにも花純さんは同じ柄の下着を描いていく。
 
「うわ、可愛い。可愛いよ、姉さん。なんとかKB48みたいだ」
「バ、バカにしないでよ」
「してないよ。花純、上手にチェックパンツ描けたね」
「うん!」
「もういいでしょ。すごく恥ずかしい……」
「まだー! お姉ちゃん、次は仰向け」
「なんなのよぉ。あっち向いたりこっち向いたり」

 ボディペイントの下着を履いた姉さんが仰向けになる。なぜだろう、全裸よりもスケベな気がした。
 こんな遊び、普段の姉さんなら絶対許すはずない。スペシャルなことしてるって感じがする。しかも姉弟3人一緒の作業だ。
 楽しくなるのも当然だった。
 
「花純、僕も参加していい?」
「いいよー。お兄ちゃんも一緒に描こ描こ」

 2人で並んで筆を執り、青い色で姉さんのおへそをくるりと囲む。人の肌に落書きするなんて林間学校以来だ。ましてや女子の体にペイントするなんて、将来は芸術の道に進むのも悪くないな。

「うくくっ」
「お姉ちゃん、動いちゃダメー」
「だって、くすぐった……やっ、脇腹やめてっ」

 しかしモデルの方も慣れてないと大変そうだ。
 ただの落書きレベルの僕はともかく、花純さんは今、『パンツの中に突っ込まれてた手』を詳細に描いているところである。なんとしても無事に完成させてやりたい。でも優惟姉さんは脇腹という弱点を責められ、笑いを堪えて震えている。
 すごく良い所なんだからじっとしててと言いたいとこだが、体の上に筆を滑らせるなんて、いわゆる道具系エッチの基本ともいえる拷問だし、女子高生にプロ並みの忍耐力やマニア向けのリアクションを期待するのも無理多かろう。

 ――キィン!
 
 なので、眠らせることにした。
 優惟姉さんの体は眠りについている。肌には触覚がなく何をされても目覚めることはない。眠っていると認識する。僕が姉さんを起こすまで。

「それじゃ、お絵かきの続きしよっか」
「はーい!」

 眠り姫になった優惟姉さんに落書きをしていく。
 花純さんは姉さんに穿かせたAK○Bパンツの中に突っ込んだ手を鮮明に描き、さらにお腹を撫で回す男の手を描いていく。

「あのね、お姉ちゃんが電車で痴漢されてるとこなの」

 どうしてそんなシチュが選ばれたのか不明だが、そこが天才の閃きというやつなんだろう。何本もの手が優惟姉さんの裸身を這い回り、体をまさぐっている。太い腕に囲まれた優惟姉さんの姿に僕はぞくぞくした。実際に優惟姉さんが痴漢なんてされてたら僕は激怒だ。でも、そういうシチュエーションを想像するのはなんか悪くないような気がする。
 きれいな僕の優惟姉さんが、男たちに触られて感じてしまうとこなんて見たくないはずなのに。だらしなく手足を投げ出したまま男の手が増えていく姉さんは、まるでレイプされてるみたいで悲惨な絵になっているのに。
 なのにどうして僕は、花純さんの描いた男の腕に毛なんて描いているんだろう。しかも点描のように細かく丁寧に。皮膚の下の太い筋肉までイメージしながら。
 
「一緒にお絵かき、楽しーね」

 ほっぺたに絵の具をつけて花純さんが無邪気に笑う。
 あぁ、そうだ。ついついエロティシズムに夢中になってしまったけど、これは花純さんのお絵かきのコーナーだったんだ。肉のキャンパスじゃないんだ。
 花純さんは普段とは違うお絵かきを心から楽しんでいる。僕が絵の具のついた頬を指で拭ってやると、「いひっ」とくすぐったそうに体をすくめた。

「おっぱいに、花純とお兄ちゃん描こっと」

 左右のおっぱいにくるりと円を描き、男の子と女の子をそれぞれの白丘に描く。
 デフォルメされているけど、それが僕たちだということはすぐにわかった。
 
「似てる。本当に花純は絵が上手だね」
「えへ」

 生乾きのおっぱいをギュッと握って、花純さんは照れくさそうな顔をした。
 
「ちゅっ」

 そしてそれぞれの唇に見立てた乳首を、寄せてくっつけキスするみたいな擬音を真似る。
 
「ちゅっ、ちゅっ」
「何してるの?」
「へへー、お兄ちゃんと花純がキスしてるの。仲良しだから。ちゅっ、ちゅー」

 優惟姉さんのおっぱいがムギュっと形を変えて、乳首同士で濃密なキスをしている。
 赤く塗られた絵の具が重なり、なすり合わされ、白いおっぱいに広がっていく。
 とても扇情的な行為を、8才の花純さんは無邪気に続ける。体を弛緩させている優惟姉さんはされるがままだ。ムラムラとする気持ちと妹を愛おしく思う気持ちがないまぜになり、僕は後ろから花純さんの肩を抱いてほっぺたにキスをした。

「いひっ」

 花純さんはくすぐったそうに笑うだけで、もちろん嫌がったりしない。僕は彼女の大好きな兄。年下だけど、お兄ちゃんだ。

「ちゅっ」

 今度は花純さんの方から僕のほっぺたにキスを返してきた。「にひひ」と笑う彼女の顔は真っ赤で、6才の頃よりは男女のキスの意味を理解している危うさを予感させたけど、それ以上に僕とのスキンシップを求める愛情と信頼を強く感じさせた。

「ちゅっ」

 唇同士を合わせる軽いキス。花純さんは目をキョトっとさせ、そして照れくさそうに俯いてから、にぱぁっと笑った。

「んっ」

 差し出される唇。遠慮なく僕はそのさくらんぼをご馳走になる。
 ちゅっ、ちゅっ。
 小鳥のように音を立て、何度も僕らはキスをした。

「んっ、うんっ」

 初めは照れくさそうにしていた花純さんも、だんだん慣れて甘えるような声を漏らすようになってきた。
 手を繋いで、初々しいカップルみたいに兄妹のキスを繰り返す。
 柔らかい唇が蕩けそうなほど温かくなってきて、「ちゅぅぅ」と長く吸い立てると花純さんはわずかに口を開き、温かい息を僕の中に送り込んできた。
 下唇を挟んで吸う。花純さんも僕の真似をした上唇に吸い付いてくる。そのまま唇を舐めてやると「うんっ」と鼻息を荒くしてギュッと僕の手に力を込めてくる。
 でも、嫌がってるわけじゃない。さっそく僕の唇にれろれろと仕返しをしてくる。僕らのキスはステップを重ねながらどんどんと濃密になっていき、やがて彼女が8才の子供であることも忘れて僕は――
 
「へくちっ!」

 優惟姉さんがくしゃみをして、顔の周りを唾だらけにした。
 裸のまま放置してしまっていたことを思い出し、僕らは慌ててキスをやめて後始末を始める。

 その後、優惟姉さんに先にお風呂に入ってもらい、僕と花純さんは一緒にお風呂に入った。
 もちろん、彼女の体を洗ってあげるという大事な仕事があるからだ。

「ふんふふんふふ~ん♪」

 僕におっぱいを洗われながら、花純さんはご機嫌に鼻歌を歌っている。
 手のひらに伝わる彼女の体温とすべすべのソープの感触。妹の体を洗うのって、兄にとってじつに名誉な仕事なのかもしれない。花純さんは我が家のやんちゃなお姫様。膨らみかけのおっぱいを、「もっと洗って」とばかりに突き出す彼女は甘えん坊な泡姫だ。
 このときばかりは彼女の14才の実年齢を意識せざるをえない。ほんのわずかに生えた陰毛もその下にあるウブな割れ目も全て僕に晒して、なおかつ「ここも洗って」と足を開く彼女に僕はセックスの願望を抱く。それは13才の僕には刺激の強すぎる光景だから。
 とびきりの美少女の股間に触れる。ふにょっと頼りない感触の中に僕の指が沈む。割れ目を傷つけないように丁寧に、泡のついた指を往復させる。心臓がドキドキする作業だった。
 
「……ふん、ふ~ん……」

 花純さんの鼻歌が止まる。顔を上げると、彼女は自分の股間を撫でる僕の顔を見つめていた。
 上気した頬。微かな笑み。そして奥の濡れた瞳。
 吸い込まれそうになって僕は顔を急いで下ろし、作業に没頭しているふりをする。その間も花純さんが僕の顔を見つめているのがわかった。ゆっくりと腰が揺れ、さらに太ももが開かれる。洗いやすくなった股間に手を這わせ、僕はお尻の方まで手を潜らせて擦っていく。

「はぁ……」

 花純さんはくすぐったそうに身をよじり、お尻を軽く浮かせる。
 股間からお尻の割れ目へ。手に伝わる形状と感触に僕はいちいちのぼせ上がり、頭が熱くなっていく。ぬるぬると何度も往復する。

「んんん~」

 花純さんが堪えるような声を出し、ぴくぴくと腰を震わせた。
 やりすぎちゃいけないと、僕はようやく理性を取り戻す。

「そ、それじゃ次はお尻だよ。お尻をこっち向けて」
「はーい」

 体勢を入れ替えて、壁に手をついてお尻を僕に突き出す。
 ドキリとするくらい扇情的なポーズだけど、顔が見えなくなった分、僕は落ち着く。
 両手にボディソープを付け、丸いお尻を優しく撫でる。花純さんは「くふふ」と笑ってお尻をくねらせた。

「動いちゃダメだよ。洗ってるんだから」
「はーい」

 ツンとお尻をますます突き出す。ぱっくり開いた割れ目の奥に、穴まで開いて丸見えだ。
 無邪気すぎるご開陳に感謝しながら、僕はその周辺まで指で丁寧に洗ってあげた。健康的なシワが僕のふやけた指先をぷるぷる震わせる。とても汚い物が出てくる場所だなんて信じられないくらい花純さんのお尻の穴は可愛らしくて、僕は思わず人差し指をその中に埋めてしまった。

「ひゃんっ」

 きゅっ。
 花純さんのお尻の穴が、慌てて締めつけて抵抗する。でも第一関節まで埋まった指はその程度では出て行かない。逆にがっちりホールドされてしまった格好だ。

「やぁ、なんか入ってる」
「大丈夫、僕の指だよ」
「な、なにが大丈夫なのぉ? 抜いてよ、お兄ちゃぁん」

 不安そうに顔を赤くして花純さんが僕を振り返る。
 我ながら胡散臭い笑顔を取り繕い、すっかり勃起したオチンチンも彼女の死角に隠して僕は優しくお尻を撫でる。
 
「ちゃんと中まで洗わないと、バイキンが残ったままだと病気になっちゃうかもしれないだろ? この中も洗ってあげるから力を抜いて」
「いいよぉ、そんなとこ。花純、ちゃんと自分でウォシュレット出来るもん」
「中が大事なんだ、中が。こればっかりはお兄ちゃんに任せて、花純さんは楽にしてなさい」
「恥ずかしいもん、ばっちいよ、そこ」
「花純の体がばっちいわけないだろ。お兄ちゃんに洗わせなさい。言うことを聞かないと、お尻ペチンペチンするよ」

 といって、花純さんのお尻を軽くペチンと叩く。
 
「やんっ」

 ビクンと大げさに体を震わせ、花純さんは困った顔をした。
 なんだかちょっぴりかわいそうだけど、それ同じくらい僕は興奮していた。

「わ、わかったよぅ。おとなしくするから、叩かないで?」

 口を開けば「死ね」とか「バカ」しか言わなかったあの花純さんが、僕にお尻ペンペンされて穴を広げている。
 興奮しないわけがなかった。でも、僕も今は立派なお兄さんだ。「良い子だ」ってお尻を撫でて褒めてあげ、ゆっくりと指の抜き差しを始めた。
 きゅう。
 花純さんのお尻は、それでも僕の指を怖がって縮こまる。シャボンの滑りをよくして指を捻るように動かしても、彼女の括約筋は自分の一番恥ずかしい場所を守るように固い砦になっていた。

「もっと力を抜いて、花純」
「んん~、で、でもぉ」
「お兄ちゃんの指が動けないよ。お尻の穴、もっと楽に」
「だって、んんっ、できないよぉ」

 ぬぷっ、ぬちゅっ。
 指をしっかりと泡で湿らせても、きつく閉じた彼女のお尻の穴にすぐに削ぎ取られ、締まりはきつくなっていく。
 花純さんのお尻は緊張でぷるぷる震え、僕の指が少し奥に入りそうになっただけでビクンとえくぼを作って固くなる。

「大丈夫だよ。痛くないだろ?」
「痛くないけど……気持ち悪いよぉ。ウンチしてるみたいだよ、お兄ちゃぁん……」

 ぬっ、ぬぷっ。
 出し入れを繰り返しているうちに音にもぬめりが増していく。ボディソープを上から垂らしてぬるぬると泡立てながら指を潜らせる。
 
「花純、ちゃんとお尻の穴もきれいに出来たら、お兄ちゃんが精子を出してあげるよ」
「ほんと?」

 とたんに花純さんは目を輝かせ、笑顔になった。
 現金なもので、いい感じにお尻の穴からも力が抜けて指の通りがよくなった。まるでお尻の穴まで笑顔になったみたい。
 本当に精子好きな子だ。もっとも僕が彼女をそういう子にしちゃったんだけど。
 ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゃっ、にゅちゃっ。
 すでに第二関節まで到達した僕の指を受け入れ、花純さんは呼吸を荒くしていく。
 
「んっ、んっ、お兄ちゃんの、せーしのためだよ、んっ、我慢だよ、花純、んっ、がま……んっ……んんっ」

 背中からお尻まで真っ赤にしちゃってるのに、花純さんは頑張って僕にされるがままになってくれる。
 健気にほぐれたアナルに指を往復させながら、僕はさらに指を曲げて腸壁をくすぐった。
 
「んんんっ! い、今なにしたの、お兄ちゃん……?」

 ビクンとお尻を痙攣させ、泣きそうにな顔で花純さんが振り返る。
 まだ8才の花純さんをあんまりイジメるのはかわいそうだ。
 でも、だからこそちょっぴりイジメてやりたい気持ちにもある。

「じっとしてて」
「んっ、は、はぁい……んっ、んっ、んんんんっ!」

 丸いお尻をすべすべと撫で、僕はアナルいじりを続ける。
 楽しい。花純さんのお尻の穴はどれだけいじっても飽きそうもない。
 にゅるにゅると滑りの良くなった筒をリズミカルにこすっていく。彼女のうめき声がまるでリーコーダ―みたいに可愛らしい響きを浴室に奏でる。ちょっと角度を変えると彼女の声もオクターブ変わるんだ。
 その下でひくひくと怯えているアソコの穴も同時にいじってやったら、どんな悲鳴を上げるんだろう。そんなかわいそうなことを想像しながら、僕はギンギンに股間を滾らせていた。

「お、お兄ちゃん、もう、苦しいよぉ……」

 瞳を潤ませた花純さんが、僕に助けを求めていた。
 いけない、少しやりすぎていたようだ。花純さんのお尻の穴は、もうぷっくり膨らんでいた。慎重に指を抜いて、優しくシワを伸ばすように撫でてやり、僕は花純さんの体を起こしてやった。

「よく我慢したね、花純。えらかったよ」
「えへへ」

 体の泡を抱っこしながら流してやり、お尻やアソコもシャワーのお湯を手でかけて流してやる。
 そして花純さんを浴槽の中に入れてやり、約束のオチンチンを彼女の前に突き出した。
 
「……おおー」

 すっかり猛った僕のペニスに、花純さんは目を丸くして感嘆の声を上げた。

「今日は花純に、精子の出し方を教えてあげるね」
「ほんとに!? 花純にも出せる!?」
「出せるよ、もちろん。精子の出し方を知りたい人、手を挙げてー」
「はーい、はいはい! 教えてください、せんせー!」

 目をキラキラさせて花純さんは右手を挙げ、小ぶりなおっぱいをぷるっと揺らす。
 可愛い子だなあ。僕の精子をそんなに期待してくれるなんて。
 
「それじゃ、まずはこのオチンチンをよく見てごらん。なんだかいつもと違う気がしない?」
「うん、いつもより強そう」
「こうやって大きくなってるときが精子の出そうなサインなんだ。今、お兄ちゃんの中で精子がパンパンになるまで詰まってる」
「ふえー、これ精子で大きくなってんの? 苦しくないの?」
「ちょっと苦しい。喉に何かつっかえてる感じに似てる。早く出さないともっと苦しくなるんだ」
「そうなんだ……花純、チンチンないから知らなかった……」

 もっともらしいことを並べて花純さんを導いていく。催眠でも何でもなく、自分を幼女と思い込んでいる少女に間違った知識を仕込んでいくだけの行為だ。
 なのに、僕のオチンチンを心配そうに見つめる彼女に、罪悪感と同時に強い興奮を覚えていく。
 淫らな源氏物語だ。僕は自分の義理の姉を、自分の都合の良い妹に育て上げようとしている。屈折した喜びと期待が膨らんでいく。ひくっと跳ねた僕のオチンチンに、花純はますます心配そうに眉をしかめた。
 
「お兄ちゃん、苦しいなら早く出そ? 花純、お手伝いするから」

 優しい妹の頭を撫でてあげる。
 花純さんはそれでも不安げに僕のオチンチンを見つめ、「お兄ちゃん、かわいそう」とため息をつく。
 素直で可愛い子。僕が優しくエッチな作法を教えてあげる。

「それじゃ、精子の出し方を教えるね」
「うん!」
「まずはオチンチンを握ります」
「はい、握ります」

 ぎゅ。
 わくわくと甘い期待に胸躍らせていた僕の先端を、花純さんはブルージ○ェイズのサイヤング賞投手R.A.デ○ィッキーばりのナックルボールで握った。
 予想すらしていなかった爪の食い込みと激痛に、僕はのどちんこを震わせて悲鳴を上げた。

「違うから! それは絶対にやっちゃいけないことだから! この棒っこの部分を握るの! 優しく絶対に爪なんて立てないで!」
「お、お兄ちゃん、そんなに怒らないでよぉ……ちょうど指が引っかかりそうな部分があったんだもん……」

 花純さんの顔にバッシャバシャお風呂のお湯をかけて、やり直し。
 僕は叱るときは叱るお兄ちゃんだ。花純さんはちょっと不満そうに唇を尖らせ、そして僕の言うとおりに今度は優しく僕のを握ってきた。

「どう、熱いでしょ?」
「うん、どくどくしてる。痛いから?」
「もう大丈夫だよ。優しく触ってくれたから、今は気持ちいい」
「ごめんね?」
「大丈夫だって。そのままさすって。力はそんなに入れなくていいから。そうするともっと気持ちよくなれるんだ」
「気持ちよくなるの? こう?」
「うん、そんな感じ。続けて。気持ちよくなると精子が出るから」
「そうなんだ。気持ちいいとせーし出るんだね。うん、わかった。痛くなんないように気をつけるね」

 最初に失敗して怒られたせいで、花純さんの手は遠慮がちで弱々しいものだった。
 叱りすぎたかなって思うけど、マジで激痛だったし絶対に繰り返してはいけない過ちだし、僕は絶対に謝らないからね。

「んしょ、んしょ」

 花純さんは真剣に僕の指示を聞き、言われたとおりにゴシゴシしごく。
 いつか彼女には僕からエッチを教えようと思ってはいたけど、こうして真面目な顔をして僕のシコっている姿を見下ろすのはやはり感慨深いものがあった。
 ろくに口も聞いてもらえなかった期間が長かっただけに、今のこの光景も信じられないというか、本当にあの花純さんなのって感じがする。
 上から見ると彼女の睫毛の長さがよくわかる。もちろん、つけまとかいうクソ睫毛なんかじゃない。整った顔と、細い肩。小さな胸。姉と呼ぶにはあまりにも華奢で女の子らしい体だけど、中身は負けん気の塊。僕とは性格も友人関係もまるでタイプが合わなくて、一生このまま距離を置かれ続けるのかもしれないと思っていた血の繋がらない怖い姉だった。

「気持ちいい、お兄ちゃん? 花純、ちゃんと出来てる?」

 今は僕のオチンチンの前でかしこまり、教わったとおりに手コキが出来ているかどうか、兄の顔色を伺いながら小首を傾げる素直で可愛い幼い妹だ。
 胸に広がる温かさがそのまま自然に笑顔になり、僕は花純さんの髪をくしゃくしゃと撫でる。

「上手だよ、花純。もう少しだけ力を込めてこすってみようか?」
「このくらい? 痛くない?」
「痛くないよ。その感じでこすって」
「んしょ、んしょ。どう? 花純、上手になった?」
「うん。お兄ちゃん、気持ちいいよ」
「いひひー」

 シコシコ、花純さんはペースを速めていく。
 両手を使って筒を作り、その中で僕のを往復していく。先っちょをジッと見つめていた花純さんが顔を上げた。

「ね、せーしは先っちょから出るの?」
「そうだよ。そこの割れ目から出るんだ」
「おしっこ出るところと一緒なの?」
「そうだね。でも一緒には出ないから、汚くないよ」
「う~ん、でも同じ穴から出るのかぁ」
「ばっちいと思う?」
「ちょっとだけ。でも平気。お兄ちゃんのせーし好きだもん」

 自然と花純さんの握り方に力が入っていく。
 痛いほどではない。彼女もそこは気にしているらしく、僕が痛くないかはしつこいくらいに確認してくる。
 少しずつなら強くしていっても大丈夫。ただし爪は絶対に禁止。僕がそういうと、こくりと真面目な顔をして花純さんは頷いた。
 素直で可愛い妹だ。それに飲み込みだって悪くない。
 頭を撫でてやると嬉しそうに口元を緩め、そのまま作業を続行する。濡れた髪とこりこりした耳。よく懐いた子ネコみたいに、今の花純さんは僕に体のどこを触れられたって絶対に嫌がらない。
 僕たちの間にもう険悪な距離はなかった。どこでもいつでも触れ合える関係だ。

「花純、お願いしていい?」
「ん、なになに?」
「オチンチン舐めて欲しいんだけど」
「うえ、チンチンを?」
「嫌?」
「イヤじゃないけど……大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。洗ってあるし。軽くでいいから舐めて」
「……じゃ、ちょっとだけ」

 ぺろ。
 花純さんの舌が僕の先端を掠めていった。ビリビリと僕のペニスに電流が走る。

「こんな感じでいい?」
「い、いいよ。そんな感じで、どうぞ」

 ぺろ、ぺろ。
 僕のを両手で握って、アイスみたいに僕を舐める。警戒するように上目遣いに僕の顔とオチンチンの先を見比べながら、慎重に舌を動かしていく。
 拙い刺激なのに、拙いがゆえに花純さんの幼さが強調されて、「悪いこと教えている」っていう興奮が湧き上がってきた。
 尿道口のあたりを舐めた花純さんが眉をしかめる。

「なんか、苦い」
「あぁ、それはカウパーってやつだよ。気持ちいいと出てくるものなんだ」
「おしっこじゃない?」
「違うよ。僕がちゃんと気持ちよくなれてるっていう証拠。汚くないから舐めても大丈夫だよ」
「ん、でも苦いもん」

 砂糖でもまぶしてやらないとダメなんだろうか。
 花純さんは唇をむにゅっと歪めて僕を見上げる。

「わかった。じゃあ、一度そのカウパーを舌に乗せてみて」
「え、んー、こう?」

 れろ、と僕の先に滲んだ液体を舌の先に乗せて突き出す。
 僕はすかさずコインを鳴らした。
 
 ――キィン!
 
「今、花純の舌に乗っているのは、僕のカウパーだ。苦いと言ったね? 本当にそうなのかじっくり味わってみよう。飲んでみて。そう。甘い香りが口の中に広がっていく。チョコレートとミルクの匂い。そして味。とても甘くて美味しい。花純の大好きな味だ。でも、それはすぐに消える。美味しいけどすぐ消えるのがカウパーの味だ。よく覚えたね? 好きになったね? じゃあ、目を覚まそう」

 催眠解除。
 花純は目をパチクリさせて、口の中でモゴモゴと舌を動かした。

「……おいしい」
「そうだろ?」
「あ、でも、すぐ味消えた。もっと味わいたかったのに」
「じゃあもっと舐めていいよ。まだまだ出ると思うから」
「うん!」

 ぺろぺろと忙しなく舌を動かす。
 僕のペニスを握る手にも力が入り、一滴でも僕のカウパーを口に入れるために花純さんは必死になる。

「んっ、れろ、れろ、んっ、んっ」
「手を動かして、さすってごらん。軽く絞るような感じで。そうするともっと出るから」
「んっ、んっ、んっ、ほんとだ、カウパー出た。んっ、おいし、んっ、でも、すぐ味なくなっちゃうよぅ。んっ、お兄ちゃん、もっと出してぇ」
「じゃあ、奥の手を教えてあげる。吸ってごらん。もっと出てくるから」
「ほんと!? んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
「そう、ママのおっぱいを吸うみたいに。先っちょを口の中に入れちゃうといいよ。ただし、歯とか立てて痛くするとすぐ出るの止まっちゃうからね。気をつけて」
「んっ、ひをふへゆ! ちゅっ、ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅうぅぅ」

 花純さんの唇が、僕のオチンチンの形にめくれあがる。
 歯を立てないようにと慎重に大きく開かれた口がチュウチュウと音を立てて窄まり、激しく気圧の上下する花純さんの口内で僕のペニスが快楽に震える。

「上手だよ、花純……ッ!」

 シコシコと手は僕のを真面目に前後して、陰のうから僕のカウパーを誘い出していく。
 夢中になって僕のオチンチンを味わう彼女の頬は赤く染まり、味覚に魅了された彼女の興奮がますます吸引力を強めていく。
 意地悪でいつも怒ってばかりいた花純姉さん。
 今は幼子がミルクにすがりつくみたいに必死になって僕のオチンチンを吸っている。
 自然と口元がにやけた。学校にもファンの多い彼女を、僕のミルク飲み人形にしちゃったなんてみんが知ったらどれだけ悔しがるだろう。
 我慢していたピークはもうすぐ訪れる。
 限界に達する寸前、僕は花純さんの口の中から引き抜き、近くにたたんであったタオルを使って吐き出した。

「あ、出てる」

 どくどくと脈打つ僕のオチンチンに、花純さんは「おー」と感嘆の息を漏らしていた。
 湿ったタオルの上に大量の精液を乗せ、僕は浴槽のふちに「いっちょあがり」と置いてあげた。

「やったぁ! お兄ちゃんのせーしだ!」

 小ぶりなおっぱいをプルンと揺らし、花純さんはバンザイして喜んでくれた。
 この笑顔が見られるのならいくらでも射精してあげたいと思える。まさに天使だ。
 いつか花純さんの顔にもぶっかけてあげたいな。

「花純が出した、お兄ちゃんのせーし♪ 花純とお兄ちゃんのせーし♪」

 花純さんはタオルの上の精液を指でネトネトさせ、楽しげな歌を口ずさんでいる。
 フェラチオまでマスターした彼女をいつまでも8才の幼女にしておくにはいかないだろう。
 僕は花純さんの濡れた頭に手を置く。

「おめでとう、花純。お兄ちゃんの精子の出し方をマスターした子は、ちょっとだけ大人になれるんだ。今日から花純は10才だよ」
「え……?」

 ぐるっと花純さんの焦点がズレる。
 2年の年齢を超えるため、彼女の脳が記憶と混乱を整理して人格に成長するまでの一瞬の過程。
 
 ――キィン!
 
 僕はそのタイミングでまたコインを鳴らした。
 
「花純さん、あなたが今、年齢をとっていく2年間にこの想像を加えてください。あなたは10才になるまで、お兄ちゃんの言うことをよく聞いて良い子を目指した。お兄ちゃん好みであるしっかり者の女の子に憧れ、まだまだ上手くいかないことが多いけどがんばっている。あなたはそんな10才だ。可愛くて素直な女の子。お兄ちゃん大好きな妹。あなたはそういう風に育ってきました」

 ねつ造の歴史を付け加える。
 花純さんの年齢を上げるのはいいけど、前の花純さんに戻ってしまっては意味がなくなる。
 よって好感度と性格に変化を足した。僕のことが大好きで、なおかつ『良い子を目指している子』になるように。
 ハードルをいきなり上げすぎても支障がでるかもしれないので、あくまでお兄ちゃん好みの良い子を目指している10才の女の子だ。
 これまでの花純さんとは違う変化を加えて、どんな子に育つか観察しようと思う。
 失敗したとしてもまた年齢逆行してやり直していけばいい。僕がやってるのは普通の子育てと違う、『催眠子育て』なんだから。
 花純さんは、ゆっくりと瞳に色を取り戻していく。
 そして、僕の顔と、オチンチンと、精液をネトネトして遊ぶ自分の指を見比べて、顔を赤くした。
 
「えっと……精子ありがと、お兄ちゃん。あとで大事にしまっておくね」

 はしゃいでいた自分を恥じるように、指をタオルでゴシゴシ擦って、僕から視線を逸らして肩までお湯に浸かる。
 僕が体を洗っている間も、花純さんは俯いてお湯の中でじっとしている。時々目が合うと恥ずかしそうに逸らしていた。

「わ、私、先に上がるからっ」

 やがて僕が体を洗い終わると、精液タオルを片手に、もう片手でお尻を隠しながら花純さんは風呂場から逃げていった。
 うーん。
 恥じらいが生まれたところは可愛くていいんだけど、距離が出来ちゃうのはなんか寂しいな。
 もう一度年齢を下げて、スキンシップを繰り返してきた記憶をねつ造して上げてみようかな。
 お風呂から上がったら、もう一度マイナス誕生日とプラス誕生日を与えてみよう。
 催眠子育てって、シミュレーションゲームみたいで面白いな。

+++ かすみのにっき +++

○月○日

 花純 10才。
 今日はお兄ちゃんといっしょに絵をかいて遊びました。
 優惟お姉ちゃんが体をはってくれたおかげですごくおもしろかったです。
 お兄ちゃんとキスもしちゃいました。思い出すだけでまだドキドキします。
 おふろではいつものように体も洗ってもらいました。
 もう自分で洗わなきゃいけない年なんだけど、ついついお兄ちゃんにはあまえてしまいます。
 お兄ちゃんは今日もすごくていねいに洗ってくれました。はずかしいところも洗わせちゃってゴメンなさい。でもうれしかったです。
 そして、せいしまでもらっちゃいました。お兄ちゃんはいつもやさしくしてくれるから大好きです。本当に本当に大好きです。
 花純は今日10才になりました。明日はみんなでおいわいのパーティーをしてくれるってお兄ちゃんが言ってました。楽しみです。
 でも、まだまだ花純は子どもです。お兄ちゃんがやさしくしてくれるのは花純が小さい妹だからです。
 もっともっとお兄ちゃんの言うことをきいて、早くおとなになりたい。せいし出すのもじょうずになってお兄ちゃんによろこんでほしい。
 花純は、お兄ちゃんのおよめさんになりたいです。
 おやすみなさい、お兄ちゃん。
 
 

+++++++++++++++++

< 続く >

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