好奇心は猫をも殺す 3

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 今日も学校は詰まらなかった。
 放課後まで黙々と授業を受けて、それで終了。
 代わり映えしない日常だった。
 1つ違うのは3人組から手紙で呼び出され、空教室に向かっているくらいだ。
 手紙にしたのは委員長対策だろう。
 流石の委員長も放課後の空教室の見回り等しない。
 そもそも委員長はその人気と能力の為、あちこちに駆り出されて忙しい。
 今日は救いの手は現れないのだ。
 太一は暗い気分で空教室を目指す。
 バックレる事も出来たが、それをすると後がもっとヤバくなるだろう。
 何事も被害を最小限にする。
 それが太一がいじめから学んだ事だった。

 空教室に着いて扉を開けると、もう3人組は待っていた。
「私達を待たせるなんて、いい度胸ね」
 桜井がムカついた表情で言う。
 他の2人も似たり寄ったりだ。
「ほら、早く今日の分を出しなさいよ」
「そうそう、こっちは予定があるんだからさ~」
 星野が言い、太一に近付くと襟を引っ張り教室の中へ放り込んだ。
 急な事に対応出来ず、太一は椅子にぶつかり、派手に転倒した。
「はははっ! ダッセ~」
 笑いながら、星野は後ろ手に扉を閉めた。
 そして太一に歩み寄ると、その腹を蹴り上げた。
「ぎゃっ!」
 突然の痛みに太一が悲鳴を上げる。
「お前、やっぱ委員長にチクッただろ?」
 星野が言った。
「ぼ、僕は何も……」
「嘘付けっ!」
 再び腹に蹴り。
 太一は転がった。
 盛大に付いた脂肪のお蔭でダメージは殆ど無い。
 が、精神的には大ダメージだった。
 何で僕ばかり……。
 悔しくて涙が滲む。
「あら? 泣いてるの~?」
 宮下がしゃがんで覗き込む。
「あははっ! 泣いてる~。キモ~い!」
 3人の笑い声が教室に響く。
 その時、太一の中で何かが弾けた。

『このままでいいのか?』
――良い訳無いだろっ!
『ならば見ろ』
――見る? 何を?
『お前が望む今を見ろ』

「僕が望む今……?」
「何ブツブツ言ってんだよっ!」
 何度目かの蹴りが太一の腹に当たる。
 が、太一はもう気にしていなかった。
 体を起こし、3人を見る。
「お? 何だ? やる気かよ」
 星野が挑発的なポーズを取る。
「顔は止めときなさいよ。委員長にばれたら面倒だから」
「そうだよね~」
 桜井と宮下も見下しながら言う。
「……もう止めにしない?」
 太一が言った。
 さっきまで這い蹲り泣いていたとは思えない、静かな声だった。
「あん? 何言ってんだ?」
「寝言は寝てから言いなさいよね」
 太一の変化に驚きはしたものの、3人は取り合おうともしない。
「……そう、なら仕方ないよね」
 言いながら3人に向かってゆっくりと顔を向ける。
「な、何だと言うの?」
 桜井がやや怯えた声で言う。
 こんな太一は始めてだった。
「皆、変わっちゃえっ!」
 太一の右目が明らかに人の物では無い物に変わった。
 その目を見た瞬間、3人の意識は途絶えた。

「う、うぅん」
 星野が目を覚ますと、裸になっていた。
 机に手を付く体勢で尻を突き出していた。
「何だこりゃ? 体が動かねぇ!」
 何とか動く首を捻って周りを見ると、横に桜井、宮下も同じ体勢で止まっていた。
「お、おい! 大丈夫か?」
 声を掛けると、2人は目を覚まし、置かれた状況に困惑した。
「何がどうなってますの?」
「や、やだ、どうして~? 動けないよ~」
 3人が混乱していると、後ろから声が聞こえてきた。
「おはよう、皆さん」
 その声は太一の声だった。
「てめぇ、何しやがった!」
 星野が怒鳴るが、太一は無視した。
「これまで一方的にいじめられてきたからね」
 言いながら右端の宮下の尻を撫でた。
「ひぃぃんっ!」
 それだけで宮下はイキそうな程の快感を感じた。
「おい! どうした?」
「大丈夫?」
 2人が声を掛けるが、宮下は答える余裕など無かった。
 動いていない、ただ触れているだけの手の感触だけで、とんでもなく気持ちいいのだ。
 呼吸が荒くなり、体も熱を持ったように火照ってくる。
「な……なにぃ……これぇ……」
「皆さんには変わってもらったんだよ。全身が性感帯になるようにね」
 太一が楽しそうに言った。
「そんなっ!」
「ありえませんわっ!」
 2人は否定したが、息を荒くして興奮気味の宮下を見ると嘘とも思えない。
「順番に可愛がってあげるから、少し待っててね」
 そう言うと、本格的に愛撫を開始した。
「ひぃぃぃっ! あぁあっぁあぁああぁあああっ! やぁあぁあん!」
 すぐに宮下は嬌声を上げ、ありえない快感に酔った。
 無論太一に女性経験は無かった。
 今行っている愛撫もたどたどしいものだったが、その効果は凄まじかった。
 ひたすら喘ぎ、快感に震える宮下を、2人は愕然としながら見るしかなかった。
 最早声も出なかった。
「もういいかな」
 言いながら宮下の下着を下ろしていく。
 すると、そこには滴る程潤った女性器が、くぱぁと開いていた。
「もう準備OKだね」
 言うと、自らも服を脱ぎ、ぎんぎんに勃起した肉棒を取り出した。
「宮下さんは処女?」
「は……はぁい……」
 弱弱しく答えが返ってくる。
 その目は次の快感に対する期待で満ちていた。
「お、おい! やめろっ!」
 星野が怒鳴るが、太一は無視した。
「じゃあ、入れるね」
 肉棒を性器に当てると、一気に貫いた。
「あぁっ! がぁっ! かはっ! ひぃぃぃっ!」
 余りの事に声が切れ切れに響く。
 宮下はその一突きだけでイっていた。
 破瓜の痛みすら、快感に摩り替わった。
 太一は初めての膣内の温かさに感動していた。
 こんなに気持ちがいいものなんだ……。
 次の快感が味わいたくて、太一は腰を振り始めた。
「ひっ! あぁぁぁああぁっ! ひぎぃぃいっ!」
 突かれる度に宮下はイッた。
 イッて膣内で肉棒を締め付けた。
 それが太一に快感を呼び、腰をますます振って打ち付ける。
 それが宮下に更なる快感を引き出し、快感のループで2人は昇り詰めていく。
 その様子を残った2人はただ見ているしか出来なかった。
「そらっ! そろそろ出すぞっ!」
 太一が言うと、宮下も合わせるように腰を振った。
「ばかっ! 中出しする気かよっ!」
「妊娠してしまいますわ!」
 抗議の声がするが、2人は気にしなかった。
 太一は勿論止める気は無いし、宮下も快感に狂っていて妊娠など気にならなかった。
「そらっ! 受け止めろっ!」
 太一が激しく腰を叩きつけ、中で精を放つ。
「ひぎぃぃぃいぃいいぃぃぃぃぃいいいいぃぃいぃぃぃいいぃぃっ!」
 高く声を上げ、宮下はイッた。
「ほんとに中出ししやがった……」
「そんな……」
 暫く余韻に浸っていたが、太一は肉棒を引き抜いた。
 ごぽっ、と音がして、赤い物が混じった精液が零れ落ちる。
「あぁ……私……どうして……」
 宮下の表情に変化が現れていた。
 まるで恋する少女の様に頬を赤らめていた。
「ねぇ~太一く~ん」
 媚びるような声を出し、潤んだ瞳で太一を見た。
「私、太一くんの事~好きになったみたいです~」
 体は動かないままなので、首を精一杯捻って太一を見る。
「何言ってんだ、宮下!」
「どうしたんですのっ!」
 2人は宮下の変化に驚愕した。
「簡単だよ。皆には膣内射精されると、僕を好きになるようになってもらったんだ」
 太一が楽しそうに言う。
 あのキモデブを好きに?
 2人が青ざめた。
「ねぇ~いいでしょ~? エッチな事いっぱいさせてあげるから~」
 その間も宮下が精一杯の媚を売り、太一を誘惑しようとしていた。
「ふ、ふざけるなっ! 誰がお前なんかを好きになるかっ!」
「そうですわっ! 冗談は顔だけにしなさいっ!」
「もぉ~2人とも邪魔しないでよ~」
 宮下が卑猥な笑顔で言った。
「2人も~太一くんに抱かれれば~、そんな事言ってられないよ~」
 その表情は普段から考えられない程妖艶だった。

「さて次は桜井さんだね」
「ひっ!」
 逃げようと必死で体を動かそうとするが、全く言う事を聞いてくれない。
「無駄だよ」
 言いながら太一が尻を撫でた。
「んあぁぁああああっ!」
 それだけで凄まじい快感が襲った。
「では、楽しませてもらうね」
「お、お願い! やめてっ!」
 必死な形相で桜井は言った。
「いじめなんてもうしないからっ! 何でもするからっ!」
 その訴えを太一は笑顔で聞いていた。
「お願いよぉ……」
 とうとう泣き出してしまう。
「どうしようかな」
 太一が言うと、予想外の言葉に桜井は弾かれたように振り返った。
 が、そこに浮かんでいたのは余りにも深い悲しみの表情だった。
「僕が止めてって言った時、やめてくれた事があったっけ?」
「そ、それは……」
「無かったよね? 無かったよ! ただの一度もねっ!」
 その瞳から涙が零れ落ちていた。
「僕だって……僕だってこんな事したくなかったよっ! でも、そうさせたのは君達じゃないかっ!」
 太一は叫んだ。
 顔を涙に濡らしながら。
「だからね……もうやめるのは無理なんだよ……」
 言いながら桜井の身体に手を伸ばした。
「や、やめ――」
 言いかけたが、太一の手が容赦無く、桜井の肌を這い回った。
「ひぃぃぁあぁああぁぁあぁあああっ!」
 たちまち桜井は嬌声を上げた。
 今までのどんな快感をも上回っていた。
「どう? 気持ちいいでしょ?」
 まだ涙を流したまま、好き勝手に肌を愛撫した。
 それだけで桜井はイッた。
 イキ続けた。
「桜井さんは胸が自慢だったよね?」
 太一は豊かな胸を揉みしだいた。
 自慢の胸が、ぐねぐねと形を変える。
「ひぎぃぃっ! あぁぁぁあぁああっ! がぁぁあぁああああぃぃぃぁあああっ!」
 桜井は狂ったように喘ぐ。
 その様子を宮下は羨望の眼差しで、星野は恐怖に満ちた目で見ていた。
「もう、充分だね。入れるよ」
 宣言すると、一度出したにも関わらず、全く衰えていない肉棒を押し付けた。
「ひぃ?」
 桜井が一瞬正気を取り戻したかのように振り返った。
 しかし、その瞳もまた、宮下同様期待に満ちていた。
「そらっ!」
 一気に奥まで貫いた。
「ひぃぃぎぃぃぃぁぁぁあああああぁぁがぁぁああああっ!」
 桜井もまた処女だったが、破瓜の痛み等感じなかった。
 いや、全てが快感に置き換わってしまっていた。
 もう頭の中にあるのは快楽だけだ。
 それを分かっているから、太一も一心不乱に腰を打ち付ける。
「ひぃっ! がはぁ! あぁん! ひぎぃぃぃっ!」
 一突き毎に桜井はイッた。
 もう何度イッたのかも分からない。
 ただ、もっとイキたいという衝動に支配されていた。
 そう、もっともっと、どこまでも気持ちよくなりたい一心だった。
「そろそろ出すよ。君も僕を好きになるんだっ!」
 その言葉を聞いても桜井は恐怖を感じなかった。
――好きになる?
――別にいいわ。
――もっと気持ちよくしてくれるなら……。
「そらっ! 君もイッちゃえっ!」
 どくどくっ、と桜井の膣内に精液が流れ込んだ。
 子宮を満たし、それでも収まり切らず逆流する。
 その感覚が桜井を焼き尽くした。
「ぎぃいぃぃぃぁぁあああぁあぁあああぁっ!」
 絶叫した。
 魂からの叫びだった。
 その叫びが終わる時、桜井は自分が以前の自分では無い事を自覚した。
「あ……ありがとう……ございました……」
 桜井は振り返り、愛する人に礼を言った。

「……さて、と」
 太一は残った最後の1人、星野へと目を向けた。
 星野は太一を見ていたが、その瞳には絶望しか浮かんでいない。
 それもそうだろう。
 親友2人が変えられていくのを、目の前でまざまざと見せ付けられたのだから。
 そして自分もそうなってしまうと分かっているのだから。
 全てを諦めた目を見て、太一は考えた。
「皆、動いていいよ」
 その途端、3人の体が自由に動くようになった。
「太一く~ん」
「太一っ!」
 宮下と桜井が太一に擦り寄ってくる。
 まるで甘える猫のようだ。
 残った星野は膝を付き、項垂れていた。
 逃げ出す気力も無いようだ。
「ほら、友達が落ち込んでるよ。2人で元気付けてあげなよ」
 太一が言うと、2人は最初きょとんとした表情をしたが、すぐに納得して頷いた。
 太一から離れ、星野に擦り寄って行く。
「な……なんだ……よ」
 星野が弱弱しく抵抗するが、何の意味も無かった。
 星野の目に映る2人は、さっきまでつるんでいた友人では無かった。
 最早別人に映っていた。
 2人はにこやかに笑いながら星野に絡み付くと、星野の肌を優しく愛撫し始めた。
 まるで最初から分かっているかのように、的確に星野の弱い所を攻める。
「ひぃっ! や、やめっ! あぁあん! やめろっ! ぎぃっ!」
 星野が堪らず嬌声を上げる。
 体は自由になっても、感度は上がったままだった。
 宮下と桜井は見事なコンビネーションで、星野を昂らせていく。
「どうですか~? 気持ちいいでしょ~?」
「そうですわ。もっと感じてくださいな」
 ついさっきまで処女だったとは思えない、風俗嬢も顔負けのテクニックだった。
 無論2人がレズだった訳では無い。
 太一によって変えられてしまった2人の、新しく植え付けられた能力だった。
「や……あっ……やめ……んぅん……」
 星野から抵抗が消え、快感に飲まれるのに大した時間は掛からなかった。
 抵抗しても無駄だと諦めている所為もあった。
 2人に胸や性器を愛撫され、吸われる度にはしたない声が漏れる。
 もうすっかり蕩け切っていた。
「太一、もういいですわ」
「準備おっけ~ですよ~」
 そう言うと、2人は星野の足をそれぞれ持ち、左右に大きく広げた。
 そこはもうすっかり潤っていた。
 星野は涎を垂らし、されるがままになっていた。
「そうだね。そろそろ僕の出番だね」
 太一は星野の股の間に入ると、ゆっくりと挿入していく。
「あぁっ! あああぁぁぁあああっ! ひぃぁあああっ!」
 星野が大きく声を上げた。
 表情は淫蕩に蕩けているが、太一を見る目は絶望と諦めに染まっていた。
 それはある種の快感を太一にもたらしていた。
「ほら、君ももうすぐ仲間になれるよ」
 太一が気味が悪い程の優しい声を出した。
「はい~、また3人で仲良くできるね~」
「これからも仲間ですわ」
 太一に続いて2人も言い、星野の乳首に吸い付いた。
「ひぎぃぃぃぃっ!」
 星野は快感を感じながら、心では違う事を感じていた。

――どうしてこうなったんだろう。
――私何か悪い事したっけ?
――2人が私の知らない人になっちまった。
――私ももうすぐ変えられちまう。
――いやだ。
――いやだ。
――いやだいやだいやだいやだいやだ。
――いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。
――私は私で居たいんだ。

「無駄だよ」
 まるで心の叫びが聞こえたかのように太一が言った。
 星野の目が恐怖に見開かれた。
「言っただろう? 僕もしたくなかったって。自業自得だよ」
「そうだよ~。自分達だけ~良い思いするのはズルイよね~」
「大丈夫。すぐに太一の事が好きで好きで堪らなくなって、他はどうでもよくなりますわ」
 2人が左右から笑顔で言う。
 星野の知らない笑顔で。
 もう耐えられなかった。
 星野の精神は限界だった。
「辛そうだね。すぐに楽にしてあげるからね」
 そう言うと、太一は腰を激しく振りラストスパートを駆けた。
 せっかくの玩具を壊す気は無かった。
「ひっ! ああっ! ぎぃぃっ! ひぃがぁああぁぁぁあああぁああっ!」
 圧倒的な快感に星野は舞った。
 何もかも快感に流され、何も考えられない。
 自分の全てが快感に消えてしまいそうになった時――。
「ほら、いくよっ!」
 膣内に勢い良く精子が流れ込んできた。
「――――――――――――――――――――っ!」
 その瞬間、声も出せない程星野はイッた。

 そして気付いた。
 自分の中にあった絶望や諦めや恐怖が、もうすっかり消えている事に。
 あるのは太一への狂おしい程の愛、そして圧倒的な幸福感だった。
 その余りの素晴らしさに、星野は生まれ変わった気分になった。
 いや、確かに生まれ変わったのだ。
 もう、以前の星野はいない。
 新しい自分を星野は誇りに思い、幸せな快感に気を失った。
 目の前で笑う、愛しい人の顔を目に焼き付けながら……。

< 続く >

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