第3話 遼達、帝王学を学ぶ
【1】
「チュートリアル?」
先生のお股の鈴の音がチリンチリンと聞こえ始めてきたのとほぼ同時に、三原くんを除いた4人が4Dの方へと目を向けた。フルフェイスの未来っぽいヘルメットを被ったお兄さんはどう考えても見覚えはないが、人間ではないとすぐ分かる声はぼくが今日掘り出したあの4Dの物だ。
『ああ、チュートリアルだ。分かるだろ、あのメスを見てたら必要だって。
とは言っても、お前たちは使い方がほぼ完璧だから使用上の注意って感じで十分だろうけどな』
状況に対応できずおろおろしているぼく達とは違い、明らかに4Dは落ち着いて語っている。表情は見えないが、少なくとも全体的な仕草からはそういう印象を受けた。つまり、この状況を何とかすることができる手段を彼は持っているのだろう。大騒ぎになる前に事を収める道が見えてきたぞ。
「おい、遼!! 時任!! 伊府峰!! 南河原!! コイツ、もう着いちゃったぞ!! 何か『声』も効かないし!!」
そんな風にぼくが少し冷静になっていると、三原くんが先生……いやメス豚の三咲に引き摺られながら昇降口にやってきた。三咲はボタンがちぎれておしっこの染みらしき跡が沢山着いたワンピース姿で、股間の鈴を無様に鳴らしながら力強く外に出ようと歩いているようだ。ぼく達のすぐ目の前にまで来ている。
『お前たちはかなり『声』の使い方は上手い方だが、3つのミスを犯したのが今回の失敗を招いたんだ。
まず第一のミスは獲物の精神の強さに対して『声』を使いすぎたってコトだな。俺が脳を弄ったお前たちみたいに四次元に存在する第4の軸が認識できないモノは当然防御もできない。だから、お前たちみたいな特例を除くとその軸からの攻撃にはすごく弱いワケ』
4Dは三原くんが必死に引き留めている三咲に歩み寄り、背中側からその頭を両手で包み込む。その途端に三咲は痙攣してその場に崩れ落ちた。ボロボロの服を着て地面にうつ伏せの大の字になっているのでまるで死にかけのセミのようだ。
『第二のミスは前もっての準備をしなかったってトコだな。意思ってやつを無理矢理捻じ曲げれば歪みが出るし、ヒビが入ったりもする。お前たちや俺たち四次元人の使ってる『声』ってのは「相手の精神に力を掛ける」もので「相手の精神を改竄する」じゃないんだ。だから、人を操るときにはまずこうするんだよ。
今回はこのメスの精神がちょっと壊れてて上手く『声』が効かない状態だから、ダイレクトでやるけどさ』
コホンと咳払いを一つすると、頭をしっかり掴んだままの4Dのヘルメットがイルミネーションのように細かく点滅を始めた。
『精神の記憶領域を検索…………あーっと……コイツの一番幸せな記憶は……ああ、「母校のココで校医として採用された」時か。じゃあ、この時の幸福感を限界まで増幅して痛みや苦しみとリンクさせて……っと』
ブツブツと呟く4D。4Dが一言一言呟くたびに痙攣している三咲は白目を剥き、泡を吹いて美人が台無しになっている。
『良し、コレでコイツは苦しいことや痛いことがある度に人生の中で味わったこともない幸福感が襲ってくる体質になったぞ。お前らのいじめも苦痛から幸せにすり替えれたってワケだ。
こんな風に精神を弄ったり、仲良くなったりして『声』を受け入れやすくしておかないから今回のコイツみたいにおかしくなっちゃったんだよ。まあ、お前ら生徒に対してコイツは心を許したりしていたから完全に壊れなかったみたいだけどな。親密な相手であるほど精神に損傷を与えずに効きやすいんだ、コレ。』
そう言いながら4Dは三咲の頭を昇降口先の踏み固められた土に両手で髪を掴んで顔面を擦り付けた。グリグリと強く土を三咲の顔で削り掘っている。
『オラッ!! 起きろ!!』
どうやら気付けだったらしい。おしっこの跡も土で顔を拭いてもらったおかげで全部落ちたようだ。良かったね、三咲。
「ふあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
何度か地面に顔を擦り付けられると、三咲は凄く気持ちよさそうな声を上げて目を覚ました。お酒を飲んでるみたいなとても幸せそうな表情になっている。水音と鈴の音がしているので、またおしっこを三咲が漏らしたようだ。地面に大の字に倒れたまま、セミロングの髪を4Dに掴まれて頭だけこっちを向かされている。
『おい、勝手に気持ちよくなってるんじゃねえよ!! 発情期のブタかてめえは!!』
4Dが三咲の頬を思いっきり平手で叩く。「ブリブリブリブリッ!!」っと三咲の尻から音がした。頭の中で幸せが溢れ出しているのだろうか、もう肛門を締める程度の自制心すら吹き飛んでいるらしい。それにしても、さっき保健室であんなに出したのにまだ出るのか………とりあえず何か南河原くんがうれしそうな様子なのは無視しよう。
『お前はこんな幸せを味わったことないよな? お前は俺とあいつらのおかげでこんなにも幸せになれてるんだぜ? 何か言うことあるだろ? あ?』
4Dは更に三咲の髪を掴んで左右に振った。普通なら痛みで嫌がるハズのそれすら三咲にとっては幸せらしく、完全に恍惚の表情になっている。
「みしゃきはしゃーわしぇでしゅ………いきててよかっちゃとおもひまひら……ありらとーごしゃいまひゅ………」
絞り出すような声で三咲はぼく達に心から感謝の言葉を述べた。つまり三咲の意識は取り敢えず喋れるくらいには回復したってことだ、心がどんな風に壊されていっているかはさて置いてね。これでひとまずは安心だ。
「で、3つめのミスってのは?」
「いやその前にどういう流れでこうなってるのか説明してくれ」
ぼくの質問に被せてくる三原くん。そういえばぼく達が4Dと遭遇した時点ではいなかったから微妙に蚊帳の外だったんだよね。ようやくそのことに気付いたぼく達はお兄さんの姿になった4Dを三原くんに紹介した。ごめんね
【2】
「精神燃料?」
ぼく達は三咲の車の中で4Dのチュートリアルの続きを受けていた。さっき三原くんに事情を説明してから、いい加減夜遅すぎるのでと三咲の家に移動しながらってことにしてもらったのだ。4Dがやりたがっていたので運転は任せている。
『ああ、精神燃料だ。大仰に精神力って呼んでもいいけど、実際のところはただの燃料だからな。ソレを取り込んで俺たち四次元人は生育している。
俺は本来その精神燃料を集める目的でこの三次元にいるんだが、ココはひっでえもんだ。物質的に満たされてるから人間の欲望とか感情だとかがトコトン弱くなってる。あんまりにも収穫量が少なくて、俺も体が維持できなくなった結果があの石みたいになるスリープモードの姿だ。満たされているから心がショボくなるってお前ら三次元の奴らは本当にケダモノだよ。』
相変わらずヘルメットを着けたままの4Dがやれやれと頭を振る。
「皆がそれなりのお金持ちになって満たされているのは仕方ないよ。人類がおよそ4000年前に石油文明から無限発条文明へと切り替わって以来、資源の不足なんてのが有り得なくなっちゃったんだもの。
その結果としてエネルギーという制限がなくなって資源しかない国はどんどん貧乏になり、技術力がある国がどんどん発展していっちゃったって社会科の授業で習ったよ。この国は後者でバンバン金持ちの国になったために政府から最低限のお小遣いがもらえるベーシックインカムの制度まで整備されてるとかもね。この車だって無限発条で作った電気で動いてるハズだよ」
無限発条(ゼンマイ)。石油が枯渇する枯渇すると連呼されつつも使われ続けていた旧西暦最後にして最大の発明品だ。複数の効率の良い発条と増幅器を組み合わせることによって発条が回る、増幅器で回転の力が高まる、別な発条がより多く回る……を繰り返して、半永久的に動き続けるという代物だ。発条と言っても、実際には効率がとんでもなく良い増幅器が本体なんだけど。小型の物でも1回回してしまえばよっぽど無駄遣いしない限りは両親と子供1人の3人家族が1年くらい余裕で暮らせる電力が作れるのだ。ある日突然ネットにその設計図が公開され、構造が原始的なので量産も非常に容易であったために産油国の妨害すら対応できないスピードで全世界に広まったと色々な歴史の本には書かれている。
現在では石油はプラスチックなどの原料と旧西暦仕様のガソリン車を特に金持ちな人たちが乗り回すのに浪費される程度の安い資源だ。普段は鉱石の採掘設備の設計を専門にしているぼくのお父さんとお母さんが中東で設備を作っているのも金持ちのリクエストによるもので、出てきた石油もそういう道楽の用途にばかり使われるらしい。
『あー、やだねー。そういう社会ってヤツはやだねー。
だからお前たちにはそういう感情とか欲望とかを全開にして貰いたいワケよ。俺が本来の人型でいられるのも、お前らがやりたい放題やってたお陰でこの車を今運転しているメスからゲットできた莫大な精神燃料を手に入れたからだし。
でも、お前らの3つ目にして最大のミスはソコだよ。安定性がないってトコ。ブレーキがないから獲物をぶっ壊してしまうって支配者としては失格だぞ。っと言う訳で、以上でお前らへ教えるべき支配者の心得、つまり帝王学はおしまいな』
そう言いながら、深夜でロクに車も走っていないのにしっかりと信号待ちをする4D。三咲の精神からドライビング能力をコピーしたために安全運転の習慣も移ったのだろう。
『ところで、どうだ? 童貞じゃなくなった感想は?』
信号待ちで丁度良かったとばかりに4Dはぐるりとこっちに顔(ヘルメットで見えないが顔であろう部分)をこっちに向けた。少なくとも彼の視界が人間と同じであるなら、ぼく達と犯されている三咲が映っているはずだ。
「そうだねぇ……散々いじめられてたから女がちょっと苦手だったんだけど、もうそんなこともないな。女に対しての優越感まであるよ。」
ぼくはうんうんと頷いた。三咲の車は遠足とかで体調を悪くした生徒を横たわらせたまま回収できるように結構大きいワゴンタイプを選んで買ったと以前に三咲自身から聞いた。まさに校医の鑑だね。お陰で移動もぼく達が三咲を犯しながら出来ると来たもんだ。まさに家畜の鑑だね。
そう言う訳で、保健室からキーの入った三咲のカバンとついでに三原くんの見付けた保健の教科書を回収したぼく達は今ソレに書かれているセックスのやり方を三咲の体で教わっている。ぼくはさっきから精液を三咲のヴァギナに注ぎ込んでいるし、南河原くんと時任くんはヴァギナの代わりにお尻の穴とお口にそれぞれおちんちんを挿し込んでいる。ぼくの体はまだまだ子供で三咲の体は大人だからイマイチサイズが合わない。ユルユルのがばがばだ。三原くんはさっきまで三咲を何とかしようとしていた所為で疲れているらしく、もうぐっすりと寝ている。伊府峰くんはスマホで何かを調べては三咲の耳元で『声』を使って囁くを繰り返しやっている。
「おごっ……ぐぇっ……アハッ………」
三咲は苦しいのも痛いのも幸せに変換されるためにもう幸福感で満たされて抵抗の意思すら見えない。逆に痛みを求めて自分の体を手で叩いたり、つねったりまでし始めた。完全に廃人に見える。4Dは使える手駒としてコイツを元の生活に戻すために精神を分割して、普段の人格と今の人格とをぼく達の命令で切り替えられるようにするのが土日の目標だと言っていた。三咲を使って色々と試そうとはしていたが、4Dの様に先人が分かりやすい目標を出してくれるのは助かるね。そう考えつつの3回目の射精。ちょっと疲れたのでひとまずおちんちんを三咲から引き抜いた。ついでに三咲の腹を思いっきり殴る。
「いっいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
その凄まじい痛み、つまり今の三咲にとっては凄まじい快感が脳を侵食して絶頂へと導いた。伊府峰くんのスマホからの情報ではコレがイくと言う事らしい。
楽しい。
本当に楽しい。
支配するっていじめるって実に楽しい。
あの名字の通りに牛みたいな胸をしているババアもクラスのメスガキ共もこいつと同じように出来るのだと思うとまた興奮しておちんちんが固くなってきた。三咲の緩いヴァギナにぼくはおちんちんをまた突っ込みながら、あいつらを家畜にしたいと強く思っていた。
< 続く >