カルト学園狂躁曲!? 第一章

第一章:マドンナ体操部員とエロ男子・・・

 時は平成の始まったころ。場所は政財界の大物の坊ちゃん、お嬢ちゃんが多数集まる敬和学館。そのエリート学園を舞台にしたカルト教団と、その乗っ取りに抗う生徒とのエロティックハチャメチャバトルストーリーである。
 
 夏休みも間近に迫った放課後の事。文武両道をモットーに掲げるこの学校では、部活動も盛んだ。野球サッカーは全国大会の常連。そのほとんどが内部進学で大学まで進むか、それ以上高い偏差値の名門大学に進むかのいずれかだ。だが、どこの学校にもはみ出す輩はいるようで・・・。
 
 イケメンだが、チョイ悪兄ちゃん系のお調子モン、加々見俊は、体育館の片隅に「舎弟」という名の悪友、昭仁と達也を従えニマニマとだらしない笑みを浮かべている。視線の先にいるのは、桃色と白の艶やかなレオタードに身を包み、練習に打ち込む美少女、小越郁子だ。ボーイッシュなショートカットに涼しげな切れ長の瞳。それに、レオタの下で蠢くEカップの爆乳がトレードマーク。だが、四ツ井商事社長令嬢であり、学年委員長にして次期生徒会長候補という「お立場」もあってなかなかタカビーなお姫様だ。告られることはあっても、ことごとく男子たちを一蹴してきた。体操部のサブキャプテンとして夏の大会に向けてレッスンに余念がない。平均台の上でバク天を繰り返し、床に着地、ビシッとポーズを決める郁子は惚れ惚れするほど美しい。
「よッ、わが校のマドンナ!! 最ッ高にHなレオタ姿を見せてくれてありがと―ッ」
 男子たちから卑猥な歓声が沸く。その中心人物は無論、俊だ。そんな性欲盛んな男子の視線を軽蔑するかのように、つんとしたすまし顔の郁子はレオタ姿の瑞々しい肢体を見せつけるように軽やかに歩みよって怜悧な表情を浮かべたまま皮肉をかます。
 
「スケベな男子諸君! 大声援をあ・り・が・と♪ でも、いい加減、部活に行くなり、帰って寝るなりしたほうがいいんんじゃない? キミ達みたいなおちこぼれくんがいるってだけで、うちの学校の評判が堕ちるから」
 プライド高いが、相手のレベルに合わせたユーモアを持ち合わせることも郁子の頭の良さと人気の秘密だ。
「なぁ、こないだの事考えてくれたかよ、小越?」
「こないだの事?」
 郁子が怪訝な表情で小首をかしげる。
「俺と付き合うってことだよ」
 俊としては思いっきり気取りながらも、内心ドキドキ、清水の舞台から飛び降りる覚悟で「お付き合い」を申し出たのだが、郁子は美貌を歪めるようにしてぷーッと噴き出す。
「ああ、あの事!? 加々見クンッたらマジだったの? 信じらんない。きゃはは、まずは学内ニートを卒業して、次の中間試験で学年五位以内に入ったら、考えてあげる」
 と、お姫様からツレナイお返事。
「ああ~~、郁子を落とすには洗脳でもしなきゃダメか・・・」
「洗脳? 何言っちゃってるの加々見クン。そんなことできるわけないでしょ」
 俊の言葉に郁子は不思議そうな表情だ。彼の言う「洗脳」には、ある噂が絡んでいる。
 
「うちの学校の経営陣、この春に一掃されたじゃん。裏にヤバメのカルト教団がいるっていう噂だぜ。ほら、あのサリン撒いた凶暴な団体みたいなやつらなら、洗脳とか出来るんじゃね? その手法で、お前を洗脳しちゃって、俺だけの’信者’に、なんてさ」
「なーりーません!! 大体、キミじゃ何のカリスマ性もないじゃん。女の子が逃げていくことはあっても、信者になんてなるわけないでしょ」
 と唇を尖らせる郁子とやり取りしていると、体操部の顧問にして、一部男子には絶大な人気を誇る藤澤絵里先生のご登場だ。小柄だが、妙にナイスバディ。おっとりしたお嬢様風の外見と口調に萌える男子が増殖中だ。
「ほぉーらほら、そこ。練習中ですよ。小越さんはレッスンに戻って。加々見君はもう帰宅なさい。夏休みが始まったら、補修に出てくるのですよ」
 と、微笑んでカックンと小首をかしげる癒し系の仕草に、俊もデレデレだ。
「絵里センセーもイイなぁ~~。小越みたいにきょーぼーじゃないし。お高く止まってないしな~~」
 と目じりを下げる俊。その顎に、レオタ美少女の生足が食い込む。
「キミには節操っていうものが無いの!?」
 ちなみに、学園のマドンナさまは少林寺拳法の有段者でもある。

< To Be Continued >

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