痴女怪盗インク 第一話

第一話 痴女怪盗インク、華麗に参上!!    教会の鐘が十二回、月夜の街に鳴り響いた。  犯行予告状に記された時刻を迎え、屋敷を警備する兵士たちは手にした槍を強く握り、そのときに備えている。  新人警備兵のリクも思わずご

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喫茶ヒプノ3

-3- 感謝祭 「おーい、注文ー!」 「はい、すぐ参りますー!」  広くないバー・ヒプノの店内を一糸まとわぬコンパニオンたちが慌ただしく走り回る。  今日は通常のゲームではなく、数か月に一度だけ開いている『感謝祭』という

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喫茶ヒプノ1

-1- ストリップ接客カラオケ  とある大都市の郊外の、前時代から残る寂れたアーケード街。  街灯は錆びて変色し、地面にはカップ酒と吸い殻が転がる。  これが他の場所だったなら、とっくに消滅しててもおかしくない惨状。  

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喫茶ヒプノ2

-2- 花婿探しダーツ大会 「ふぅむ……」  朝霞は催眠に堕とした女ふたりを見下ろしながら、次のイベントについて考えていた。  今日堕とした相手からいつも通りに個人情報を聴きとっている。  目の前にいる女性二人は穏やかな

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サイの血族 25

51 「あんたバッカじゃないの? 自分が言ってることわかってる?」  絵実が呆れた声で言った。  あれから隼人も気を失うように眠ってしまい、夜が明けて目を覚ました由美の悲鳴が全員を起こしたのだった。あわてて隼人は由美に「

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サイの血族 23

49 「すごい一日だったなぁ・・・」  ふかふかのベッドに座って隼人は心底疲れたように言った。  蒲郡にあるテーマパークに併設されたホテルに三人はチェックインした。いや、チェックインという言葉は正確じゃない。フロントで亜

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サイの血族 21

45 「あれまあ、どうしたんだい?」  泥だらけの服を着ている隼人を見て饅頭屋のお婆さんが言った。 「あっ、境内で足を滑らせちゃって。ちょっと休ませてください」  総門を出てホッとした隼人は疲れを感じてそう言った。「サイ

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サイの血族 20

44  二日間歩き続けた。  毒気が抜けたというか、すべてを亜希子に注ぎ込んでしまったというか、街行く女に心を奪われることなく隼人は吉野を目指した。単に疲れて欲望が起きなかったと言えばそれまでだが。  その間、隼人は「サ

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サイの血族 19

41  新しいアイテムを手に入れたと頭の中の声が告げていた。  しかし、どのようなものかは教えてくれない。そのときになったらわかると言うのだ。  どんな能力か楽しみになった隼人は歩を早める。梨花がくれたリストの中にあった

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サイの血族 18

39  空腹に気づいた隼人は後悔した。  行き当たりばったりで美香と彩を抱いてしまい前後のことを考えていなかった。もう時刻は夕方に近い。今夜の宿を確保しなければならないし、食事もしなければならない。でも疲れのせいか「サイ

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サイの血族 17

38  嫌な場面に遭遇してしまった。  昨夜、麻衣と過ごした時間が楽しかっただけに隼人はうんざりした気分になった。  あれから意識が戻った麻衣は初体験のことや、梨花との複雑な関係について、いろいろと話してくれた。姉妹のプ

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サイの血族 16

37  不思議な体験だった。自分の能力をも含めて世の中には裏というか底知れぬものがあるのだと思った。貴重な体験だが夢のようにも感じる。隼人は黙々と歩き続けた。  島田市に着いたのは日が暮れてだった。昔は東海道の要所として

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サイの血族 15

36  翌朝早く隼人は杏奈の家を出た。そうしないと長居してしまいそうだった。頭の中の声も「急げ」と告げていた。それに、もっと女を抱かなければ修行にならないらしい。隼人は島田というところを目指した。なぜなら梨花が渡したメモ

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