意識及び無意識の状態での精神掌握能力について No.01

00. はじめに

 このレポートが誰かに見られるということは、恐らくこの実験の関係者である夢野都または内野家の者に知られているということだろう。勿論、片方だけがこっそり情報を持っておくという可能性は低いと思う。なので、二人で読んだうえで、自身の【能力】をどうするか考えて欲しい。

 また、このように娘と姪を実験台にするという非行を行ってしまったことは、申し訳なく思っている。もしこの実験のせいで、悪いように人生が進んでしまったのならば、私は一生をかけてその罪を償わなければならない。

01.記載方法

・二人が持つ実験によって得た精神掌握能力は、まとめて【能力】と記す。また、【能力】以外でも、二人の【能力】に関わる普通名詞は、すべて【】をつけてある。

・筆者の精神掌握能力との差を分かりやすくするために、筆者の精神掌握能力を【】なしで命令と記し、二人の【能力】使用時に行う相手への命令を【命令】と記す。

・二人への実験の際、一部音声を記録できた。「」内は二人の発言である。また、そこに私の説明が追加で挟まっているっこともある。

02.実験目的

 この実験の目的としては、過去に一度成功した実験を同様に他人に対しても可能なのかを調べるために、または安全に施行できるかを確認するために行うものとする。

 そもそも、ここらで表記される【能力】というものは、精神掌握能力、一般に言うなれば、『マインドコントロール』と呼ばれるものである。他人の思考をジャックし、自分の思い通りにさせるというものである。詳細についてはまた後で見ていくものとする。

03.実験対象者

 No.01 夢野都

  筆者の娘。性格は控えめであり、自ら行動を起こそうとしない。しかし、時々鋭い箇所もある。

 No.02 内野真知子

  筆者の姉の娘、要するに姪。性格は都とは対照的に活発で、何事にも積極的に参加する。しかし、都の側に居るときはかなり鈍い。

04.実験概要

・彼女らをそれぞれ適当な日時に拉致、【能力】の付与のための人体改造を行う。

・【能力】付与後の肉体的および精神的な異変を観察、それに対する対処法を施行する。

・また、異変がなくなり次第、【能力】の詳細について実験を適宜行う。そこで異変が発生した場合には対処法を施行する。

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