第2章 夜も更けて、コンビニの店内は人気も無く静まり返っていた。蛍光灯の白い無機的な光が、什器や商品棚を素っ気無く照らし出している。店内スピーカーからは気の抜けたようなイージーリスニングのBGMが流れ、淀んだ時の流れを
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雄一がバイト先のコンビニに入って行くと、店内は閑散として静まり返っていた。
(いつまでこんなことをしてるんだろう)
心の中で呟く。小説家を目指して地方から上京したものの、十年近い挫折の年月が夢や野心をすっかりすり減らしてしまっていた。
(何か変化が欲しい。俺は変わりたいんだ)
AYATURIハンター 第1章
第1章 村田雄一がバイト先のコンビニに入って行くと、店内は閑散として静まり返っていた。もう夜も遅い時間で、客といえは雑誌棚の前で立ち読みしている若い男が一人いるだけである。レジも何故か無人で、店員の姿は見えない。静寂の
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