「ちょっと、そこのぼうや」
 声のしたほうを見ると見るからに怪しげな黒いフードを被った老女がじっとこちらを見ていた。
「ぼうやにいいものをあげよう。こっちへおいで……」
 鈍い銀色をした金属の鍵を老女が差し出した。

人形の館

「じゃあ、今日の授業はここまで」  退屈な授業の終わりを告げる鈴が鳴り、担任である初老の教師がそのままホームルームを続ける。  それを適当に聞き流し、僕はぼんやりと斜め前の席の女子を眺めていた。  二ノ宮 縁。それが彼女

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