第四話 さて、遊んでばかりもいられない。 この前、サボりすぎて危うくリストラ対象にされそうになったのでここら辺でひとつ、仕事を片付けて功績を挙げておかなければ。 トモノリが車を走らせた先は、ベンチャー企業が多く入っ
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外資系企業の第二営業部に勤める平社員斉藤トモノリは、ちょっとした催眠術師だった。
『せめて』というと必ず譲歩してもらえる催眠術を操る斉藤トモノリ。
彼の怠惰で、ずぼらで、楽しみに満ちた一日が今日も始まる……
せめてもの催眠術師2 第三話
第三話「給油と一緒に」 営業用の社用車に乗って、行きつけのガソリンスタンドへ。 まだガソリンメーターは結構残っているが、今日は忘れずに寄らなければならない。 「いらっしゃいませ、あっ……斉藤さん」 スタンドの店員の
もっと読むせめてもの催眠術師2 第二話
第二話 「あっ、斉藤さん来たのね。今日危険日の人って誰だっけ」 お腹が若干目立ち始めている妙齢の秘書課長が近くの部下に聞く。 「西沢さんじゃないかな……」 「えー」 その答えに思わず、不満げな声を出してしまったトモノ
もっと読むせめてもの催眠術師2 第一話
第一話 催眠術師駄目社員、斉藤トモノリの朝は遅い。取引先に直接行くという名目で、堂々たる朝寝坊である。 午前十時ごろ、ようやく出社するのだが、二階の営業課ではなく九階のトイレに向かう。 バリアフリーが徹底している外
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