それまでと、祭りの後 面之五 亮太(天狐の面) 初めて見たときから、このお面を気に入っていた。 この里の神社の家に生まれた僕が、古くから伝わる祭りの準備を最初に手伝ったのは中学2年の時だった。 面引きの神事のための
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日本のとある山奥の里に、変わった祭りが伝わっていた。
里の人間全員が仮面を付け、仮装をして夜通し里を練り歩くその祭りは、まさに東洋のハロウィンとでもいうべきものだった。
仮装行列綺談 本祭 弐
本祭 弐 面之四 唯(尾裂の面) チン、トン……と鉦と太鼓の音が鳴り始めて、祭りに参加するために集まった人たちが動き始める。 夜中の10時過ぎに、それぞれにお面を被って時代劇みたいな衣装に身を包んだ大勢の人が蠢いてい
もっと読む仮装行列綺談 本祭 壱
本祭 壱 そして、いよいよお祭りの当日がやってきた。 「みな様、着付けのお手伝いをしますね」 晩ご飯の後で、私たちの部屋に帯刀の息子さんの奥さんが入ってきた。 「……あ、お願いします」 お祭りに行く準備をしようとし
もっと読む仮装行列綺談 祭りの宵
祭りの宵 「社長、本当にこの道で合ってるんですかぁ?」 「心配しないで、大丈夫なはずよ」 「いや、はずって……しゃちょお~」 ハンドルを握りながら、私は思わず情けない声を上げていた。 ただでさえ初めて走る道なうえ、さ
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