僕はきっと強くなる。
 今みたいに、守られてばかりじゃない。
 僕が、みんなを守れるくらいの力を。

絆催眠 蒼依1

<蒼依1>  ――蒼依は僕たちの母であり、姉であり、全てを委ねられる存在だった。  ハイハイが出来るようになる以前より顔を合わせていた僕らだったけど、勿論最初から仲が良かったわけじゃない。  あの頃、僕達6人――いや、ま

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絆催眠 始4

<始4>  日曜日。  いつもなら6人全員でどこかへ遊びに行くところだが、生憎と今日はきいろがモデルのバイトのため、朝からいない。  遊ぶときは必ず6人以上で、5人以下で楽しむべからず――(ただし例外アリ)。  僕ら幼な

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絆催眠 始3

<始3>  健全な成長を阻害し、授業にも集中出来なくなるという理由で、うちの学園に朝練というものはない。  だから僕たち6人は、下校時と同じように、登校も待ち合わせをして一緒に行くようにしていた。 「おはよう……」 「お

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絆催眠 始2

<始2> 「おー、今年も大盛況だなぁ!」 「掘り出し物、いっぱいあるといいねー」 「はしゃぎすぎてあまり変なものばかり買うんじゃないわよ、きいろ」  日曜日。  僕たちは近所の公園で開催される、フリーマーケットにやってき

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絆催眠 始1

<始1> 「影浦(かげうら)君!」  背中から名前を呼ばれ、僕は後ろを振り向いた。  真っ赤な顔をした、見覚えのない女子が立っている。  ――いつも通りの光景。 「あ、あの、これ……」  彼女は震える声で、手に持っていた

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絆催眠 序

<序> 「返して、ねえ、返してよ」  肘をぴんと伸ばして、僕は手を掲げる。  だけど、僕より背の高いリュウヤ君が、僕と同じように腕を上に伸ばしている。  だから僕の手は、彼の握っている僕の筆箱に届かない。  ジャンプをし

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