其の三 紅沫崩墜 荒野で三人が向かい合っている。 「全くもって単純な奴等だな、アーン?」 「貴様・・・」 三人の表情は様々である。余裕たっぷりに笑う者、顔を紅潮させ歯ぎしりする者。そして何かを考えこむような者。 「ホ
もっと読む「時代劇」
邪剣士帖 其の二 双華繚乱
其の二 双華繚乱 美濃部狂八は遊女屋の帰り、ホクホク顔で通りを歩いていた。 (いや~大した金になったな~) 相好を崩しながら七十宝(約二千万円)が入った財布を撫でている。昨日、仇討ちに来た女を思う存分楽しんだ後、売り
もっと読む邪剣士帖 其の一 淫牙怨報
其の一 淫牙怨報 一人の浪人が河川敷で佇んでいる。彼の名は美濃部狂八。武家社会においては無名だが、闇社会ではそこそこ名は通っている。彼はそこで『邪剣士』と呼ばれている。由来には幾つかの理由があるのだが、最大の原因は武士
もっと読む