後編
<火曜>
「桃花、起きなさい。」
ベッドの上から、指図する声。桃花の両目は不自然なほどパッチリと瞬時に開く。即座に眠りから覚まされていた。
「あれ・・・。お、おはようございます。ご主人様。今日も一日、よろしくお願い致します。」
ベッドに少しだけ這い上がらせてもらって、桃花は藍良の足の甲にキスをする。ずっと昔からこうしてきたかのような、自然でしっくりくる挨拶だった。お許しを頂くか、ご主人様から呼びかけられるまで、桃花は何度もキスを繰り返す。その動作の反復の中で、昨日の夜のことを思い出そうとしていた。昨日の晩御飯はサツマイモ。贋助様が器用に蒸して焼き目を入れた大量の焼き芋を、朝比奈一家は大量に食べるように命じられた。ニタニタその様子を見ていた贋助は修一郎の部屋から録音機材を持ってくる。お腹が張るまでお芋を食べさせられた響子ママと美人三姉妹は、オナラの音を贋助に録音されてしまった。どれだけ我慢したくても、贋助が一言命じるだけで、朝比奈家の美女たちはオナラが止められなくなった。体質も家系や家族の生活習慣の影響を受けるからだろうか。桃花たちの体質までもが、野間戸家のくだらない遊びのために弄られてしまっていた。雄人や藍良が笑い転げる前で、響子と梨沙、柚香と桃花はオナラの連発を録音されてしまった。両手でお尻を隠したり顔を隠したり、ピョンピョン跳ね回って逃げたのだが、贋助にマイクを向けられると、お尻を突き出して、はしたない音を録音させてしまった。恥ずかしくて顔から火が出そうな状態。もし本当に火が出ていたら、ガスに引火していたかもしれない。
野間戸一家が一人ずつ、たっぷり時間をかけて気分良く入ったお風呂に、朝比奈一家は全員一度に、10分だけ入ることを許された。湯船に浸かる前に、大慌てでお互いの体を洗いあっこする梨沙、柚香、桃花。父親の修一郎も遠慮がちに入って来たので、目を逸らしながら、イヤイヤ、父の裸に手を伸ばして洗ってあげた。
「もっと家族なんだから仲良く洗いっこしてあげてよ。パパさんのオチンチンもタマタマも、娘たちが交代交代で丁寧に洗ってあげて。パパさんは娘の発育具合を確かめながら、オッパイやお尻を良く洗ってあげてね。たまにはお互いの性感帯にちょっと悪戯するくらい、あってもいいよ。」
贋助の変態な命令を、無視することが出来ない三姉妹が、生理的な不快感を催しながら、実の父の股間を洗う。父は娘たちのオッパイやお尻を順番に洗う。時々お互い、遠慮がちに乳首をサワサワっと撫で合う。父の股間が固く変化してくるのを見て、桃花は震えた。結局、湯船には、5人同時に3分ほどしか入れなかった。ギュウギュウの湯船の中で、背中に修一郎の固いイチモツが押しつけられて、柚香お姉ちゃんは文句を爆発させていた。
夜の元・梨沙の部屋では、雄人、梨沙、柚香が昨日に引き続き、千本ノックのような連続ファックを繰り広げていた。最初は梨沙と柚香のうち一人が雄人とまぐわい、もう一人は体を休めるというのを交互に繰り返していたのだが、いつの間にか、あらゆる体位での3Pに変わっていた。桃花がお休みなさいの挨拶をしに「雄人様の部屋」を訪れて、足の甲にキスさせてもらった時には、お姉ちゃんたちは雄人とアクロバチックにまぐわりすぎて、蛇の玉のように絡み合っていた。どれが梨沙お姉ちゃんの足で、どれが柚香お姉ちゃんの腕なのかも一目ではわからないほど、くんずほぐれつ、結合していた。2人とも、桃花と目を合わせることすらしてくれず、歓喜の表情で悶え狂う。汗と体液が混ざり合って、3人の素肌をヌラヌラとテカらせていた。
桃花は「藍良様のお部屋」に戻ると、日曜の晩と同様、寝オチするまでの床オナニータイムが始まるのだった。日曜と違うのは、桃花に性感帯が1つ追加されていたこと。
「アンタ、何かエロいことをしてる間は、ベロが乳首並みかそれ以上の性感帯になるから。」
ベッドの上で少女漫画雑誌から目を離さずに、それだけ告げたご主人様。桃花は気がつくと裸のまま、絨毯に乳首と自分の舌先を擦りつけていた。頭の中がスパークするほどキモチイイ。ワニの歩行のようにして乳首とベロを絨毯の毛先にちょっと触れさせて摩擦を楽しんだり、もう少し体を浮かしたりして、擦れるか擦れないか・・・。自分を焦らすようなオナニー。・・・からの、一気に強引に体とベロをズルズルと絨毯でこねくりながら蛇行する、ダイナミックオナニー。気がつくと、桃花は涎をダラダラ零しながら、部屋のカーペットを掃除して回る、ルンバのような存在になっていた。股間からも愛液を垂れ流したり、定期的に潮を噴いたりしているので、部屋を汚して回る、逆ルンバだ。
今日も6時から、お庭で全裸エアロビクスか・・・。笑顔全開で・・ていうのが、また、恥ずかしいなぁ・・・。
桃花が昨晩の出来事を思い出したり、今日のルーティーンを思い浮かべて重い気分になったりしながら、藍良の足に接吻を続けていると、ご主人様が何かをポンと桃花の頭に投げてよこした。プラスチックかゴムの丸いモノが後頭部に当たった感触。確認すると、丸いプラスチックの中に液体が入った物体と、折りたたまれた白い紙がベッドに落ちていた。
「イチジク浣腸・・・。使ったことなかったら、説明書読みなさい。昨日、庭におトイレ作ってもらったでしょ。・・・早くしないと、兄貴が起きて、アンタを求めるかもしれないよ。」
「・・か・・浣腸? ・・・雄人様と・・・、何か、関係あるのですか?」
キョトンとした桃花は小首を傾げる。藍良は枕に再び体を沈めて、隣の大きなヌイグルミをギュッと抱きしめながら平然と言い放つ。
「アンタが今まで兄貴に犯されてない理由は、一昨日教えたでしょ。処女膜を破ると私たちが立ち去る時に、戻せないダメージを残したことになるから、一族のルール違反なの。でも、アンタのお尻の穴なら、兄貴が犯したってルール違反にはならない。エロバカの兄貴も、そろそろ梨沙と柚香と普通にヤルのに飽きてきて、悪知恵が回りだす頃だから、今のうちにアンタも最低限の準備をしておかないと、この家とか部屋が、酷い状態になっちゃうよ。」
桃花の心臓がバクバク言い始める。物凄く怖い事態ということだけは理解出来た。
「ど・・・どうすれば・・・いいんですか?」
「まずは腸の中、綺麗にしなさいよ。アンタの肛門はアタシの力で、普通よりも柔軟に伸縮するような体質に変えておいてあげる。浣腸にはもう薬液入れて、さっきまで、布団の中で温めてあげたから。オマケに性感帯にもしてあげちゃおっかな? ・・・そこまで準備しておけば、初めて雄人にお尻ヤラれる時も、そんなに辛くはないはずよ。わかったら、さっさとお庭のトイレで浣腸。いってらっしゃーい。」
「は・・・はいぃっ。」
階段をドタドタ走ってはいけないというのが、朝比奈家のルールだったが、今は野間戸一家が立法府だ(司法と行政も兼務しているが)。桃花は大慌てで階段を駆け下り、リビングから庭に走り出る。散歩の時間かと勘違いしたステファンが、犬小屋から顔を出し、舌を突き出していたが、構ってはいられない。桃花は慌てて説明書を読み込んで、庭のおトイレ(というか名札付きの穴)の前で四つん這いになると、震える手でお浣腸のキャップを外し、先っぽをお尻の穴に近づける。自分では見えないので、お尻の穴の位置を一度で当てることは出来なかったが、手探りで何とか先っぽを桃花の恥ずかしい後ろの穴に。慎重に、慎重に押そうとしたのだが、体質が変化しているのか、思ったよりもすんなりと穴が開いてプラスチックの容器を受け入れた。
「あぁっ・・・イイーッ。」
四つん這いのまま、思わず仰け反って声を上げてしまう。近くでステファンが、よく似たポーズで遠吠えをした。桃花が想像していたのは、痛みと怖気のような生理的嫌悪感。しかし、実際に桃花の体を貫いたのは、マグネシウムが発光したような鮮烈で真っ白な快感だった。
ご主人様・・・、性感帯にするのが、早すぎますぅ・・・・。桃花は3歳年下のご主人様が珍しくお情けで桃花のことを気遣ってくれたことに感謝しつつも、体質変化が一歩早かったことには不満を述べたかった。それにこの快感は・・・、かなり強すぎる。
お腹の中を綺麗にした桃花は、ルール通り贋助を大声で呼んで、寝ぼけまなこで髭をポリポリ? いている、この野間戸家家長にひれ伏してお尻の周りを洗ってもらった。
「この時期、朝は冷えるから、お風呂からホースつないで、昨日の残り湯をかけてあげるからね。」
贋助が優しく声をかけてくれるのだが、この人のことは本当にわからない。寒い庭でのおトイレを命じたのが、当の贋助ではないか。しかし怖いので、御礼だけを言って、リビングに入る。階段を下りてきた、雄人がそこにいた。意味ありげな笑みを漏らしている。
「桃花ちゃーん。今まで俺、君のお姉ちゃんたちとばっかりセックスしてたけど、そろそろ飽きてきてるんだよね・・・。あのさ、知ってる? 桃花ちゃん。」
野間戸雄人はホースを持ったついでに庭の芝に水撒きを始めた父親の贋助に挨拶もせず、男子の欲望全開といった笑みで人差し指を突き出してきた。
「お尻には、膜はないよね。ここなら、君を犯したって、セーフなんだよ。・・・俺、アッタマいいよな~。」
間一髪。藍良の気づきが5歳年上の兄、雄人を先回りしてくれた。雄人がクルッと円を描くように回すと、桃花の体は、有無も言わさず一人でに四つん這いになって、お尻を雄人へ向けて突き出してしまう。条件反射は、家風や躾が簡単に影響を及ぼす範囲だと、桃花は気づかされた。
「アソコがバージンなんだから、お尻が経験済みってことはないよね・・・。へへっ。俺本当は年上好みだけど、・・・桃花のアナルバージン。いただいちゃいまーっす。」
左右から腰骨を両手でガッチリ掴まれると、お尻の肉をムギュっと左右に開かれる。事前に何が起こるのか、藍良に教えられていたというのに、もの凄く怖い。桃花は目を固く瞑った。硬くて若い雄人のモノが、グリグリと桃花の中に、後ろから入ってくる。
「ぐっ・・・・、ぐぎぎぃ。」
「力、入れてちゃ、かえって痛いぜ。力抜いて、俺様を大人しく、受け入れなさい。」
「は・・ひ・・・。ご主人様を・・・桃花は・・・はぇ…・えええれれれれれれれれれれっ! ・あれれれれっ!」
アナルは朝比奈桃花の性感帯。幼少期から繰り返し指を入れてきた子のように、肛門の受け入れも締め付けもスムーズで痛みが少ない。そんな体質に塗り替えられた桃花の体は、初めての雄人の挿入でも強烈な快感を絞り出した。さっきの浣腸容器の先端よりも太くて長い分、快感も強くせり出してくる。
「おぉっ・・・調子イイじゃんっ・・・。まるで俺っちのチンチンを待っていたかのような締め付け具合とスムーズ受け入れ具合。俺たち、体の相性いいんじゃない?」
本当は妹の藍良が演出した相性の良さだが、兄、雄人は気づく様子もなく浮かれている。桃花は何か言葉を声に出したかった。何か意味のあることを考えていないと、全身が快感に押し流されそうになる。腰から体が蕩けて零れ落ちそうになる。何かを喋ろうとしているのだが、それでも考えがまとまらない。桃花は自分のお尻の穴に雄人のモノが挿入されたり引き出されたりする動きに合わせて、金魚のように口をパクパクと開け閉めしていることしか出来なかった。
「おわっ、締め付けが強くなってきた・・・。うぉおおっ、うぉおっし。」
最初は挿入をスムーズに受け入れられるように、柔らかく。やがて快感を貪るように締め付けを強める桃花のお尻の穴。それに対抗するように、必死でピストン運動を激しくする。桃花のお尻が銜えている雄人のモノが、また一段固く、太くなって桃花を責め立てる。
「ふぅうううううううっ・・・。ふぁあああああっ。」
頭をガクンガクンと縦に振って、髪を振り乱しながら桃花が喘ぐ。雄人がさらにモノを膨らませる。暴発する寸前ということが、初めての桃花には理解できない。このまま際限なく雄人のオチンチンが巨大化していったら、桃花は壊れてしまう。そんな恐怖をおぼえたところで、体の内部に押し入っている異物が爆ぜるような感触。桃花は本当に自分がおかしくなってしまったのかと感じていた。白い閃光のようなエクスタシーの放出。桃花の頭の中が色彩を無くすほど明度が上がり、全身がギュンギュンとひきつけを起こす感覚。股間から何か液体が弾き出された。
「あぁ・・・気持ち良かった・・・。あれ、お前もイッたの? ・・・初めてなのに、器用な奴だな・・。」
自分の欲望を少女の排泄器に好き勝手に注ぎ込んだあとで、雄人は桃花への興味が少し薄れたかのように、2階の自分の部屋へと戻っていく。プロポーションのメリハリでは柚香に、女性的な肌の柔らかさと豊満さでは梨沙お姉ちゃんにかなわない、桃花の華奢な体は、四つん這いから崩れ去って、お尻の穴から精液を、アソコからは愛液を垂れ流している状態のまま、打ち捨てられてしまった。
「・・・桃花。そろそろ朝のルーティーンだけど、立てる? ・・・性的刺激への敏感度を、ちょっと高めすぎたかな?」
藍良様がリビングに下りてきて、桃花の体にタオルをかける。放心しきった桃花が反応できずにいるのを見て、藍良が申し訳程度にウェットティッシュで桃花の下半身を拭いてくれた。
その日も、朝から全裸でスマイル100%という姿で、朝比奈家は庭でエアロビクス。それでも桃花や梨沙は体の特定部分を酷使されすぎたのか、腰が抜けて立てなくなったり、終始腰が引けた内股の姿勢になっていたりした。
朝ごはんはタライに残飯盛り合わせ。昨日の食材に生卵と青汁、辛子明太子が加わっていた。これも味は凄いことになっていたが、朝比奈家は飢えた獣のようにがっつく。タライを綺麗に舐めまわした後は、お互いの顔から胸元まで、飛び散った食材を舐めあい、全てを貪った。
この日も、柚香と桃花だけは学校に行くことを許される。柚香もオムツ登校は終わりにしてもらえた。しかし2人とも、新しいミッションを与えられて朝比奈邸を送り出されるのだった。
「桃花はブラチラと胸の谷間を、偶然を装って学校の10人の男子に見せてくること。」
「柚香はブルマやブラジャーを使わずにチアリーディング。20人の男子にそのことに気づかれること。」
登校時、桃花はいかにして自然に、ハプニングに見せて自分のブラや胸の谷間を見せるのか、思案に暮れていて、美空ちゃんのお話も頭に入ってこないほどだった。何より桃花の胸は、そのままで谷間がくっきり出来るほどにはまだ成長していない。上手に腕や手で寄せあげないと、谷間披露10人というのは難しいチャレンジだった。
そのチャレンジも、野間戸一家のご命令とあれば、必ず遂行しなければならない。桃花は懸命に知恵を絞った結果。お昼休みの時間に教室と廊下の雑巾がけを自ら買って出る。雑巾がけに熱心になりすぎて、自分の制服のスカーフが取れて襟元のスナップも外れていることに気がつかなかった、という自分なりの設定で、胸元を見せつつ、両腕の内側で胸を寄せて上げるように強調する。廊下を1往復したところで7、8人の男子の目に留まったようだ。もう1往復しようとしたところ、男子が仲間を呼んでいて、合計25名くらいに純白のブラジャーと、まだ成長しきっていない胸の一部を見られてしまった。15人も、課題より多くの男子に、ブラと胸元を見られた・・・。桃花は午後の授業中、ずっとダンゴ虫のように身を縮めて、机に伏しては、襲い掛かる恥ずかしい記憶や背中を刺してくる男子の視線に耐えていた。
柚香お姉ちゃんは、もっと困難に直面していた。男子に見られるより前に、女子のチームメイトが柚香のカラーブルマを履いていない、生パンチラや、弾みすぎる胸を指摘してくれてしまう。そのたびに柚香は「ブラのサイズが合わなくて苦しくて」とか、「ブルマ忘れてきちゃたけど、2年生キャプテンとして、そんなことで野球部の練習試合のチアを欠席できない」などと、苦しい言い訳を捻りださなければならなかった。結局、軟式野球部の春の大会を見据えた練習試合は、柚香たち、聖ジョセリン学院高等部チア部の陣取る一塁側で、信じられないエラーやイージーな走塁ミスが目立つ。塁審までしょっちゅう振り返って、大事な判定を間違える。グダグダな試合になってしまった。しかし球児たちはみな、幸せそうな顔をしていた。
家に帰ると、表札はまた変わっている。「ASAHINA」という大理石の表札の上には、「野間戸家、乗っ取り中」という仮表札。そしてその横には子供っぽい落書きで棒人間が後背位で繋がっている絵と、「ノットリ。カクカク・・・」と不謹慎な言葉が書き足されていた。
家の中に入ると、1階、両親のマスターベッドルームから、激しい喘ぎ声が聞こえる。玄関先で制服と下着を全部脱いで奇麗に畳んだ桃花が、恐る恐る両親の部屋をノックすると、「どーぞー」と野間戸贋助の声。ドアを開けると、両親の寝室はかなり大規模の改修工事が完了していた。キングサイズのベッドの真上に、滑車が取り付けられている。そこからママ、朝比奈響子が縄で縛られて宙吊りになっていた。痛々しく荒縄でボンレスハムのように縛られている母。両足は180°開脚した姿勢で足首から吊られていた。
「さすがパパさんは一級建築士。ママさんの体に均等に負担がいくような計算がされた縛り方。この亀甲模様も見事ですよ。」
今、この家の主として君臨している野間戸贋助は大きなベッドの中央で、両手を頭の下に組んで横になっている。ほぼ裸なのだが、スネ毛の濃い足の片方に、着古したような白ブリーフをひっかけている。首にワンポイントのおしゃれのようにチョーカーをつけているそのこだわりが、何かまた、気持ち悪さに拍車をかけていた。
「ありがとうございます。一応、いったん設計図を描いて荷重計算をしてから縛りました。」
2つの滑車から伸びた縄を両腕で持っている朝比奈修一郎は汗をかきながら答える。2つの滑車の半径の差で梃子の原理のようにして妻の体重を両腕でも支えられるようにしてあるようだが、それでもなかなかの重労働らしい。
「はい、・・・オーライ。オーライ。」
贋助が工事現場の誘導のように声を出すと、修一郎が少しずつ、掴んでいる縄を送る。すると宙に吊られている響子の女体が、ユラユラと下に降りてくる。ベッドではダラしなく寝そべる贋助の股間だけがガチガチにそびえ立っている。
「そうそう・・・そのまま下に・・。おうっ・・・。ナイスインッ。朝比奈ご夫妻っ。見事です。」
嬉しそうに贋助が、響子の右足をポンっと押し出す。半分ほどインサートされたままの状態で、その場で回転を始める響子の体。体が反転すると、桃花とママの目が合った。
「・・・あ、桃花ちゃん、お帰りなさい。・・・学校どうだった?」
両手を組んで高々と吊られ、全身は荒縄で亀甲縛り。両足大開脚で半分くらいまで夫以外の男と結合していながら、響子の娘に対する質問は、いつも通りのものだった。少し苦しそうだが、優美な笑顔も変わらない。
「ママ・・・それ、痛くないの?」
「ママが痛いかとか辛いかとかは、あんまり関係ないの。ご主人様が気持ちいいかどうかが、私たちの全てよ。ご主人様に喜んで頂けていると、ママ、痛みも恥ずかしさも、全部吹き飛んじゃうわ。・・・桃花ちゃんも、次、やってみる?」
「桃花、やるべきことを前にしたら、きちっと我慢が出来る子じゃないと、立派な大人になれないんだぞ。」
ママはいつものオットリとした雰囲気で、回転しながら桃花を誘う。パパは優しさと厳しさの混ざったような口調で、桃花を諭す。パパが手元で掴んでいる縄を小刻みに引っ張ったり緩めたりすると、ママの体がインサート状態のまま上下する。ママの股間からはアンダーヘアーがすべて剃られているので、粘膜の生々しい結合が、すべて丸見えになっている。
「アンッ、アンッ・・・。桃花ちゃんも、やったらいいと思うのに。」
「ほら、パパとママ。上手に協力して、ご主人様を喜ばせてるだろう。」
寝そべったまま、女体の重みからも自由な状態でモノだけピストン運動の快感を甘受している野間戸贋助は、桃花を見ながら、笑顔で小首を傾げた。桃花の反応を待っているようだ。
「わっ、私・・・。藍良様のお相手しなきゃいけないから、し、失礼しますっ。」
形だけ、贋助様の足の甲にキスをすると、すぐに離れてお辞儀をして、慌ててドアを閉める。大慌てで階段を駆け上がる桃花。藍良の部屋に駆け込むと、少しホッとすることが出来た。元、桃花の部屋だったこの部屋では、藍良様がクローゼットの衣類をひっくり返していた。
「あ、藍良様。ただいま帰りました。・・・チュッ。」
「・・うん。・・・えっと、・・これと、これかな? ・・・あ、顔上げていいよ。」
「はい、ありがとうございます。あの、ご主人様は何か、お探しですか? 桃花の気に入っていたお洋服は8着。一昨日の夜から雑巾に仕立て直して、お掃除に使わせて頂いていますが。」
「うん・・・。そう。その分を来週、アンタが買い直すお金を集めないといけないでしょ? ・・・アンタの使用済み下着とか、売ろうよ。前、言ったでしょ? ブルセラ。」
裸で絨毯の上に正座している桃花の笑顔がヒクッと引きつる。昔、学校の先生に、とても悪いことだと教えて頂いたことがある。そんなことをしてしまって、桃花は立派な高校生に慣れるのだろうか?
「でもアンタ。あんまり使用済み感たっぷりっていう下着を溜めてないね。・・・すぐに買い替えちゃうの? ・・・もっとなんか、リアルなシミつきパンティーっていう感じのものが、量欲しいんだけど。」
「あの、ママも清潔にしていないと病気になるかもしれないし、恥ずかしいことだからって言ってましたから、汚れが残ったり、くたびれた下着はすぐに買い替えて、捨てちゃってました。」
桃花の弁明に、藍良がため息をつく。
「仕方がないわね。・・・無いものは、作るしかないじゃない。とりあえず桃花、制服着てきなさい。」
「はいっ。かしこまりました。」
家の中でも、普通の服が着られる。ありがたい命令をもらって、桃花は玄関に駆け降りる。リビングのローテーブルに上がってレズビアンショーを繰り広げている梨沙お姉ちゃんと柚香お姉ちゃんの姿がチラリと見えた。ソファーの雄人様もご満悦の様子だ。雄人の姿を見た瞬間、桃花のお尻の穴がキュッと締まった。
下着と制服を着こんで、2階に戻る。藍良は修一郎が以前にのめり込んでいた、1眼レフのデジカメの使い方を確認していた。
「準備出来たみたいね。桃花は今から、女子中学生モデル。アタシがカメラマンよ。アタシの言う通りのポーズをとって、言う通りの表情を見せるの。やってるうちに楽しくなるから、緊張しないでいいのよ。」
「はいっ。桃花はモデルですっ。」
「まずは、清純で真面目そうな全身写真を10枚くらい撮るから、可愛い子ぶった、おとなしめのポーズ。・・・いいわね。」
フラッシュがたかれて、桃花の視界が真っ白になる。最初は眩しかったが、次第に気持ちよく、楽しい気分になってきた。
「ここから面倒くさいけど、そこに並べてある下着に順番に穿き替えて、スカートとか制服をめくってその下着を見せるポーズ。左から順番ね。」
悪戯っ子のような表情で、スカートの裾をめくったり、シャツをまくり上げたりして、順番に持っている下着をカメラの前で披露していく桃花。恥ずかしがり屋の性格のせいで、カメラの前ではぎこちない表情になることが多かった彼女だが、今日は生き生きとしていた。
「はい、こっから染みつきパンティーの量産モードに入ろうか。桃花、パンツ食い込ませて、オナニー始め。恥ずかしい液をベットリ、パンツに染み込ませていくの。」
カメラの前で、笑顔のままショーツを引っ張って、股間の形がハッキリとわかってしまうほどに下着の生地を食い込ませた桃花が、ショーツの上から、中から、様々なやり方で自分を慰め始める。フラッシュが何回も何回も桃花の体を照らした。
「んっ・・・んふんっ・・・。」
「・・・これじゃ、時間がかかってしょうがないなぁ・・・。じゃ、桃花。スピードアップのために、いつも通りの、床オナニー。舌も使って、這いずり回りなさいよ。オマケに、これも使わせてあげるわ。」
藍良が出してきたのは、ピンク色の細い棒状の玩具。スイッチを入れるとブーーンと振動音を立てながら、くねるように頭を振り始めた。
「アナルバイブ。アンタの新しい相棒よ。」
ショーツをずらして、お尻が半分出るような状態にして、アナルバイブを藍良が桃花のお尻の穴に入れる。はしたないほどに、恥ずかしいほどに、桃花のお尻の穴はスムーズに玩具を迎え入れて咥えこむ。桃花の視界が白黒になるほど、脳天で快感がスパークする。お尻にバイブを入れて動かしながら、ワニさんの歩き方のように、絨毯に両乳首と舌を擦りつけての、3日連続となる床オナニー。みっともないほどに愛液がダクダクと出て、あっというまにショーツをグショグショにしてしまった。ショーツを替えても替えても、次々とクロッチの部分からお尻の谷間近くまで、熱い桃花のエキスが噴出されて、太腿まで垂れてしまう。
「染みつきパンティー量産体制に入れたわね・・・。だけど、オナニー中の証拠写真は、後から撮りなおそっか。・・・この顔じゃ、エロ・ロリ客も、ちょっと引くかもね。」
藍良がデジカメのモニターの向きをひっくり返して、桃花に床オナニー中の自分の表情を見せる。桃花はその瞬間だけ正気を取り戻して、絨毯に突っ伏した。舌を伸ばして、寄り目ぎみになって、涎を垂らして快感にうち震えている、嬉しそうな美少女の顔。弛緩しきったその悶え顔は、色狂いのようで、とても見られたものではなかった。桃花はもう少し、まともな顔を保とうとするのだが、今日はお尻の穴でも機械が暴れている。新しい敏感無類の性感帯が加わって、桃花はもはや、自分の体と顔のコントロールなど、諦めなければならなかった。
見る間に、2ダースほどのショーツとブラジャーが、汗と涎、そして恥ずかしい液にまみれてシミになった。使用感を追加するために、桃花と藍良で両端を持って引っ張り、生地をくたびれさせたりもした。もう一度その下着を身に着けて、「証拠写真としてお見せできるような」、ほどほどのオナニー写真を撮りなおす。さっきベットリと恥ずかしい液を吸った下着を身に着けなおすと、冷たくなっていて、桃花の背中は鳥肌が立った。
「ほい、今日はお疲れ。アンタは一人で、いつもより長めにお風呂入ってきてもいいよ。・・・これだけの量、美少女中学生の染みつき下着を、証拠写真と一緒に売ること出来たら、ちょっとした財産になるでしょ。・・・写真の顔には目のとこ隠す線を入れてもらうから、大丈夫よ。・・・ま、どっちみちアンタの知り合いにこういうもの買う人とか、いなさそうだから、いいんだけど。」
藍良はご機嫌な様子で、桃花のパンツを数えている。お風呂にゆっくり入らせてもらえるのはありがたかったが、桃花の表情は浮かない。例え目線を入れても、桃花の制服は、近隣ではお嬢様校として名高い聖ジョセリンのものとすぐわかるデザイン。桃花は、騒ぎにならないことをただただ祈るしかなかった。
「アタシの機嫌のいいうちに、お風呂に行ったほうがいいよ。・・・今日はアンタをここのベッドで一緒に寝させてあげようかと思ってるんだ。」
絨毯ではなく、ベッドで寝られる。新聞紙ではない、フカフカの掛布団も・・・。桃花は喜び勇んで、お風呂に駆け下りた。
その日のベッドの中で、藍良はしきりに桃花の髪を撫でたり、頬っぺたを優しく摘まんだりした。桃花は少しだけ気になったが、疲れていたこともあり、柔らかい布団の中で、甘い眠りに落ちていった。ピンクでチェックのパジャマを久しぶりに着て、肌触りの大好きなお布団にくるまれて、本当に幸せな夜だった。
<水曜>
「・・・おはよーございまーす・・・。」
「やっぱ来たか・・・。・・・兄貴、朝から元気だよね・・・。」
どこから持ってきたのか、マイクとサングラスをつけた雄人が、藍良の部屋に入ってくる。後ろにはパッツパツのピチTとサングラスのみを身に着けた、梨沙お姉ちゃんと柚香お姉ちゃんもついて部屋に入ってくる。
「あ、おはようございます・・・。」
ご主人様たちの足にキスをして、ご挨拶しなければ・・・。まだ眠たい目をこすりながら、桃花が体を起こそうとする。
「アンタはこのまま、ベッドで寝てなさい。・・・寝たフリでもいいから、されるがままになっておいて・・・。兄貴もひとしきり悪戯したら、気が済むと思うから。」
藍良が面倒くさそうに布団の隙間からベッドを下りる。ご主人様の命令が染みこんできた感触を得た瞬間。上体を起こしかけていた桃花はバッタリともう一度布団の中に身を埋める。・・・寝たフリ・・・。桃花はまだボンヤリとしていた両目を、すぐにギュッと閉じた。
「今日は街で評判の可愛い子ちゃん中学生。朝比奈桃花ちゃんの寝室に忍び込んでまいりましたー。」
お姉ちゃんのスマホか何かで、動画を撮影しているらしい。桃花は今、パジャマを着られていることにホッとした。
「ではさっそく、桃花ちゃんの寝姿、見させてもらおうと思います。寝起き悪戯ガールズ、カモンッ。」
掛け布団が足元から、少しずつ捲られていく。素足にヒンヤリとした空気が触れた。桃花の両足の裏を、くすぐる指の細さからすると、2人の姉のようだ。
「くんっ・・・。」
笑いをこらえて、桃花が足を引っ込める。
「あれぇ? ・・・この子・・・。起きてるのかなぁ?」
雄人の声が、桃花の顔の近くに寄って来る。桃花は目を閉じたまま、眠っているフリをするしかなくなって、体の力を抜く。掛布団は完全に? ぎ取られてしまった。両手両足を大の字に伸ばされた。大きめのベッドの上で桃花は大人しく寝たフリを維持する。梨沙お姉ちゃんらしき手が、桃花のパジャマのボタンを襟元から一つずつ、外していく。桃花の顔は赤くなった。ティッシュで作ったコヨリらしきもので、鼻の穴をくすぐってくるのは、柚香お姉ちゃんだろうか? すぐにクシャミが出る。こんなくだらないことでも、撮影されていると思うと、恥ずかしかった。それでも、クシャミのあとでもまだ起きないふり・・・。
「じゃ、ガールズ2人で、御開帳させてあげて。」
「はい・・・、桃花ちゃん。御開帳でーす。」
優しかった姉2人の、声が揃う。桃花のパジャマは前から左右にはだけられてしまう。まだ小ぶりで成長過程の胸が、ヒヤリとする冬の空気に晒される。
「乳首が綺麗なピンクですねぇ・・・。家系ですかね。お姉さん。」
「そ・・そうです。・・・ほら・・・。私も。」
梨沙の声が、少しだけ恥ずかしさで上ずったようだった。布を捲る音。そして雄人の声は、またベッドに近づいてきた。
「可愛らしい寝顔に、可愛いオッパイと乳首。・・・ちょっと寝相は悪いですけどね。」
桃花の顔がまた、赤くなる。大の字に寝そべってパジャマが完全にはだけた状態になっているのは、自分の本当の寝相ではないのに・・・。
「桃花ちゃん。気持ち良さそうにおネンネしてますね・・・。乳首だけでも、起こしてあげましょうか? お姉さんたち。」
雄人が言ったあとで、ベッドが2人の人間の体重を受けて少しだけたわむ。同時に、左右の乳首を優しく舌で突かれた。
「ふっ・・・・。」
声を漏らしてしまうが、顔を左に向けて、必死に寝たふりを続ける桃花。尊敬する姉2人に、カメラの前で乳首をピチャピチャと舐められる。桃花は感じていることを隠そうと必死で唇を閉じていたが、鼻息が荒くなって、顔を左右に振ってしまう。その様子も、たぶんしっかりと撮られている。
「はい・・・。妹、桃花の乳首が、いま立ちました。」
姉に紹介されて、プクッと起き上がってしまっている乳首が、晒される。姉たちの唾液が、胸の先端から脇腹へとツーっと垂れていくのも、またくすぐったかった。
桃花が寝たふりを続けている間にも、雄人のふざけた撮影は続く。2人の姉が桃花の体勢を変えて、うつ伏せにさせたり、膝を立ててお尻を出させたり、雄人がサイドボードのアナルバイブを見つけて騒いだり(桃花は寝顔から火が吹き出そうだった)。姉2人に桃花の体を押さえさせながら、雄人が「寝ている」桃花のお尻の穴に、アナルバイブを突っ込む・・・と見せかけて、柚香のお尻に入れたり、その後で桃花のお尻に入れたりと、さんざん、好き勝手に弄ばれた。寝たままイッてしまった桃花の、まるでオネショをしたみたいな、「地図つき」シーツの上で、パジャマを足首と腕に申し訳程度に引っ掛けたままの、はしたない寝姿の前で雄人と、悪戯ガールズが記念の自撮りをして、早朝の企画はお開きとなった。
我慢の連続だった早朝の辻褄合わせを神様が考えてくれたかのように、水曜日の学校では、桃花は奇跡的に大きな恥をかかずにミッションを達成することが出来た。「男子20人の前で『チンコ』と言う」という指令だったが、桃花は自分の中では会心の切り抜け方を思いついた。美空ちゃんとおしゃべりしながら、大きな声で、「昨日、お魚を冷蔵庫に入れようとして間違えて冷蔵庫に入れて、カチンコチンに凍らせちゃったの」と話す。男子20人に達するまで、何度も同じ話を聞かせるので、美空ちゃんにはウンザリされてしまったが、比較的小ダメージで、桃花は学校から帰ってくることが出来た。
曇り空の下、家に帰ると、朝比奈家には、空前のペニスバンドブームが到来していた。響子も梨沙も、そしてほぼ同じ時間帯に帰ってきた柚香も、贋助お手製のフンドシを腰に巻いて、そこに色とりどりのペニスバンドを装着。お互いを犯しあって喘ぐ。桃花も贋助に手招きされると、どんなに逃げたくても、ついていくしかない。桃花は、ママに後ろからペニスバンドでお尻を犯され、口ではパパのオチンチンをしゃぶって親子で快感を貪りあうことを命じられた。父親のイチモツを口に入れるなんて、絶対にしたくなかったが、変態の贋助様がそれを見たがっているのだから、逆らうことなんてあり得ない。桃花はいやいや、修一郎のモノを口に入れて、舌を絡めた。舌先が痺れるように気持ちいい。こんな時でも性感帯が刺激されてしまったことに気がつく。後ろからはママが、一度自分の口に含んで唾液で濡らした人差し指を、桃花のお尻の穴にゆっくりと入れてくる。また頭がスパーク。もう体裁を整えることなんて無理だった。桃花は新しい2つの性感帯を同時に刺激されて、性感モンスターに変身する。気がつくと夢中で父のモノをしゃぶり、夢中で母に排泄器をペニスバンドで犯されて、至福の変態プレイに酔いしれていた。それを見ながら、贋助が満足げにお酒を飲む。雄人もケタケタ笑っている。雄人が変態親子プレイに興味を示してリビング中央に寄って来ると、それまでペニスバンドをシックスナインの大勢でしゃぶりあっていた、梨沙と柚香も四つん這いでついてくる。彼女たちはペニスバンド、フンドシ以外にも、首にペット用の首輪と鎖が装着されていた。雄人が歩くと、引っ張られて、2人も強制お散歩となる。
「やっぱこの家族、おもしれぇな、オヤジ。全員でファックさせようぜ。」
「パピーとして、出来るだけ息子の創造性は伸ばしてやりたいものだね~。」
雄人が桃花とパパとママに、変態3Pを一時中断するように告げる。放心したように絨毯にしゃがみこんでいた桃花を、梨沙お姉ちゃんと柚香お姉ちゃんが優しく手伝って腰を浮かせる。桃という字が丸で囲われた、ピンクのフンドシを腰に巻かれた。梨沙お姉ちゃんは笑顔で、桃花のフンドシの上から、忌まわしいかたちにデフォルメされた、ペニスバンドを装着させる。フンドシには小さな紐がいくつもあって、ペニスバンドは上手に固定される。贋助の変態的知性の結晶だった。
「お姉ちゃん、怖いよう・・・。私たち、帰ってこれないよ・・・。」
桃花がベソをかくような声で、梨沙お姉ちゃんに小声で話しかける。梨沙お姉ちゃんは、少し困ったような笑顔を見せて、首を横に振った。
「桃花ちゃん。今は何にも考えないでいいの。・・・どうせ逆らうことは出来ないんだから、いい子でいましょっ。」
「そうだよ。桃花。ご主人様たちに喜んで頂ければ、少しでも酷い目に合わずに済むんだから。」
耳元で囁くのは、柚香お姉ちゃん。独立精神旺盛で、気が強かったお姉ちゃんも、今は従順な性奴隷といった口調で妹を諭していた。
「ほい、みんな、準備は出来たな。じゃあまずは全員こっち。庭の方に体を向けて、前の人の腰を両手で掴んで、ぺ二バンを後ろからアソコにぶっこもう。前にいるのが桃花かオッサンの場合だったら、ケツの穴に押しこんでな。俺が手拍子するから、全員、掛け声を合わせて、後ろからハメよう。そら、イッチ、ニー、サン、シー。ニー、ニッ、サン、シー。」
「1、2、3、4。2、2、3、4」
朝比奈家の5人家族が、声を揃えながら、横一列に並んで、前の人の穴に玩具のペニスを押しこむ。修一郎は響子に自前の実物を挿入。響子は夫に侵されながら愛娘の梨沙をバックからファック。梨沙は自分よりも気が強くて背が高い妹、柚香を容赦なく背後から責め立てる。そして柚香はチアで鍛えた腰を卑猥にグラインドさせて、末っ子の桃花のお尻の穴にインサートした自分の玩具をグリグリと出し入れする。桃花はすでに、襲い来る快感と、姉に犯されているという背徳感のせめぎあいで、気を失う寸前だった。
「はい、ぺ二バン抜いて、逆向きになろうか。はい、新しい相手をハメてー。また、イッチ、ニー、サン、シー。ニー、ニッ、サン、シー。」
雄人の手拍子が始まると、さっき自分を犯していた相手に慌てて挿入をして、また腰を振ってしまう朝比奈一家。
「きょっ・・・響子。少し押し出しが強すぎるよ。」
父、修一郎が切羽詰まったような声を出す。尻の穴に異物を入れられることに、まだ慣れていないのだろうか。
「パパッ。娘たちも頑張ってるんだから、我慢しなさいっ。男でしょっ。」
8歳年上の、亭主関白だった夫を、後ろからペニスバンドで犯しながら、ママが吹っ切れたように?? りつける。桃花がこれまで見たことがない、両親の新しい関係性だった。
「桃花。もうちょっと、優しく出来ない?」
「体が勝手に動いちゃうの・・・。ゴメンなさい。・・・でも、柚香お姉ちゃんだって、これくらい激しかったよ。」
桃花も珍しく柚香お姉ちゃんに少しだけ反論する。今の桃花は後ろに誰もいないので、少しだけ余裕があった。梨沙お姉ちゃんを見ると、頭を大きく振って、快感に悶えている。綺麗にまとめられていた髪がすこしほつれて、頬にかかっている。こんな姿になっていても、なお梨沙お姉ちゃんは美しい。
「はい、反転~。1、2、3、4・・・。」
雄人が早くも少し飽きたのか、手拍子を速めていく。それに合わせて、朝比奈一家も腰を早くピストンさせる。前後の家族メンバーの汗が飛び散って自分の体にかかる。汗以外にも、涎や涙、そしてペニスバンドを抜き差しする際の体液が体にかかって、ヌラヌラと光っていた。梨沙が最初に、オルガスムに達する。続いて桃花。響子と、順番に果てていく。
「全員イクまで、やめちゃだめだぞ。ほら、2、2、3、4。」
かろうじて立っているような状態で、まだ腰を振り続ける梨沙、桃花、響子。柚香がエクスタシーに咽び泣いた後も、まだ修一郎がイッテいないため、家族の腰フリは続けられていた。
「もうっ・・・パパッ。早くイッテぇぇえっ。」
柚香が朦朧とした意識の中で、焦れて修一郎をなじる。父、修一郎は、アナルを侵される感覚の経験に乏しいせいで、イクのが一番遅かった。やっとパパがイッてくれた時には、イチモツから精子が飛び出て、リビングに飾ってある高い西洋画にかかってしまった。南仏のアルルに家族で旅行に行った時に修一郎が買った、高価な風景画だった。
「さて、息子の創造性を、さらに伸ばすヒントを、パピーとしても与えないといけないかな。せっかくだからパピーのこっちのムスコも使おう。・・・ファミリーバックファック。楽しかったですか? ・・・せっかくだから、朝比奈家のなかで一番最初にイッてしまった、ハシタナイ体の子に、お世話になっている野間戸家が、罰ゲームを与えてあげましょう。梨沙ちゃん。カモン。」
「・・・は・・。はひ・・・。」
ペルシャ絨毯の上で寝そべって呆けていた梨沙お姉ちゃんが、ご主人様のご指示を頂いて、慌てて膝立ちになる。贋助の手が、リビングのローテーブルを示す。梨沙は、ヨロヨロと立ち上がって歩いていくと、フンドシの紐を解きながら、テーブルの上に上がった。贋助様の求めるままに、四つん這いになる。贋助にはお尻を向けて、桃花たちには顔を向ける。
「アナルに入れさせてもらいますよ。・・・ズブリっと。パパさんのモノより僕のオチンチンは小さいから、良かったね。ほら、パンパン。パンパンパン。」
長女梨沙の、お尻の快感に悶え狂う表情を見せられて、桃花は居たたまれない。聖ジョセリン学院高等部の文化祭で、ミス聖ジョを2連覇した、自慢の姉。それが今、髭モジャのイヤラシイおじさんに、お尻を犯されて、咽び泣いている。首輪をつけた梨沙お姉ちゃんの顔は、今も綺麗で、これまでよりもオンナの色気が増したように見えた。
「ここでパピーは止めちゃいます。・・・梨沙ちゃん。普通のアナルファックで終わると思った? それだったら、これまで雄人と何回もやってきたでしょ? ・・・今のパピー。さっきからお酒を飲みすぎて、ちょっと催しちゃってるんだよね。」
「・・・う・・・嘘です・・よね・・・。・・・・ご、ご主人様? ・・・・雄人様? ・・・みんな・・・。誰か・・・・。」
梨沙が青ざめて、周りを見回す。助けを求めているお姉ちゃんに対して、何も出来ない。桃花。それでもひそかに、頭の中で1%か2%。桃花はこの罰ゲームを受けるのが自分でなかったことに、感謝していた。
「はい・・・シーシー。・・・・うおう・・・。このトイレ、温かいなぁ。」
「やだっ・・・で・・てる・・・。わたし・・・もうっ・・・あぁぁあああ。・・・嘘よ・・・。これ、絶対、・・・うそぉおおおお。」
目に涙を貯めて、首を横に振っている、お金持ちの美女。性格も良くて可愛くて、勉強も出来てヴァイオリンも上手な、梨沙お姉ちゃんは、四つん這いのまま。少し下腹部をプックリとさせていく。
「ふうっ・・・。ずいぶん出ましたね。・・・はい、罰ゲーム完了。・・・梨沙ちゃん。おトイレに行って、出してくれていいですよ。人生初だよね。お尻からオシッコだすのは・・・。人生、何事も経験ですな。」
スッキリしたように、オチンチンを抜いて、またソファーに座って足を組む贋助。梨沙は何も口にせずに、ヨロヨロと庭に面する窓に向かった。柚香と桃花が近寄って手助けしようとするが、梨沙は無言でその手を払って、一人でお庭の梨沙用トイレへと向かう。首輪の鎖がシャラシャラと引きずられて後を追っていた。
梨沙がいつまでたっても庭から帰ってこないので、雄人が柚香と桃花に、様子を見てくるように伝える。贋助はまたお酒を飲んで、気分良く、いびきを立て始めていた。
柚香と桃花が庭を走って朝比奈家それぞれのおトイレまで辿り着くと、梨沙お姉ちゃんはそこから3メートルほど離れた芝生の上で、体操座りをして遠くの空を見ていた。心配した桃花が声をかける。
「梨沙お姉ちゃん。」
「・・・来ないで・・・。桃花ちゃんまで、汚れちゃうから・・・。」
「何言ってんの。ちゃんと私たちが手伝って、綺麗にするよ。」
「・・・そうじゃないの。私に触ると、・・・柚香ちゃんにもうつっちゃうと思うの。・・・私は人間お便器よ。近づくと、みんなも人として格が下がるわよ・・・。ゴメンね。こんなお姉ちゃんで。」
梨沙お姉ちゃんは遠くを見つめたまま、自嘲的な笑顔を見せた。柚香と桃花は、かける言葉が見つからない。
「朝比奈の家に生まれて、娘として恥ずかしくないように振舞って、2人の可愛い妹のお手本になれるように頑張って勉強もして・・・。色々我慢して、立派な淑女を目指してきたのに・・・。便所女になっちゃった・・・。アハハハッ。・・・あぁあ。こんなことなら、孝彦さんに求められたときに、恥ずかしいのを我慢して、もっと色々と許してあげれば良かったなぁ。・・・素敵な大人を目指して身を律してきたのに。お姉ちゃん、お尻にオチンチン入れられて、オシッコされちゃった。・・・それでね。・・・それが実は、・・・・・・・と~ぉぉおっても、気持ちよかったの。・・・もう駄目ね。人間アウトッ。・・・ダメだこりゃっ。ウフフッ。・・・ダッフンダッ。・・・コマネチッ。・・・オッパピーッ。な~んちゃって。」
笑い始めた梨沙は立ち上がって、おどけた表情とポーズで庭を跳ね回り始める。柚香と桃花は思わず2人で抱き合って、叫んだ。
「梨沙お姉ちゃんが壊れちゃったよ~っ。」
大声で叫んで、また強く抱き合う妹2人。その時、梨沙お姉ちゃんを止めに来たのは、ビニール袋を手に持った、藍良だった。
「しっかりしなさいっ。」
バシッ。バシッ。
11歳の藍良様が19歳の梨沙お姉ちゃんに往復ビンタを浴びせる。4発目くらいで、梨沙お姉ちゃんは体の力を抜いて、膝からガックリと芝生に崩れ落ちた。少し正気に戻った様子だが、まだ少し放心している様子のお姉ちゃん。柚香と桃花が駆け寄って、起き上がるのを助けた。梨沙お姉ちゃんは2人に「もう大丈夫」という視線を送ってくれるが、まだ時折、フラッシュバックのように放心して、「気持ち良かったの・・・」と何度も呟いた。
元・梨沙の部屋を開けて、ベッドに梨沙を寝かせる藍良と柚香と桃花。雄人も、部屋の模様を少し元に戻すのを手伝ってくれた。壁から大人の玩具やSM器具、セクシーランジェリーと各種エッチコスチュームを外して、梨沙が好きだった海の写真や犬のカレンダーを付け直す。部屋の様子や雰囲気が少しだけ元に戻ると、梨沙お姉ちゃんは安心してスヤスヤと寝始めた。
「オヤジ、本気で梨沙の心、ぶっ壊すつもりだったの?」
藍良が聞くと、兄の雄人は居心地悪そうに頭を掻いた。
「朝から上等な酒をグビグビ飲んでたから、酔っぱらってたんだよ。正気でルールを破るつもりはなかったと思うぜ。」
藍良は顔を逸らしてため息をついたあと、柚香たちに指示を出す。
「柚香は、もう少し梨沙の様子を見て、大丈夫そうだったら、自分の部屋に移って今日はそのまま寝なさい。兄貴はアタシの部屋に来て。桃花も一緒。いいね。」
「はいっ。ご命令のままにいたしますっ。」
柚香と桃花は背筋を伸ばして、フンドシ一丁のまま、きをつけの姿勢になる。イヤイヤ言わされているのではない。梨沙お姉ちゃんを何とか助けてくれた藍良様を、桃花はご主人様として心から尊敬し始めていたのだった。
「今日のことは、悪かったよ。俺もあそこまでオヤジがやるとは思わなかったからさ・・・。俺はただ、エロイことしたい、させたいだけなんだよ。」
藍良様の部屋で、雄人様が頭をポリポリと掻く。藍良は兄の方に顔を向けずに、白いビニール袋の中身を広げていた。おまけつきのお菓子を沢山買い込んで来たようだった。
「でも、兄貴もそのうち、親父みたいになるよ。・・・野間戸一族が定住の民とどれだけセックスしても、妊娠させることはないんでしょ? ・・・どんなに綺麗なお姉ちゃん、つかまえて、ハメまくっても、1週間後にはさようなら。結局、いつかどこかで偶然巡り合った、同族の女の人と、選択権無しにセックスしないと、子孫を残せない。そんな生活、繰り返してくうちに、性癖だって性格だって、もっともっと歪んでくるんだよ。」
「その歪みが外見にも出てきたのが、今のオヤジか。・・・藍良の運命だって、似たようなもんだろ? ・・・なんか、俺たち、ほんっと未来ねぇな。」
「・・・今を楽しむしか、ウチらにはないんだよ。」
箱を開けた藍良様は、少し表情を明るくした。
「ねぇっ。最近の食玩って、良く出来てんじゃん。本物の玩具みたいだよっ。・・・ちょっと、2人とも。遊ぶの、付き合ってよ。」
桃花には、ハイもイイエもない。雄人も、少し照れくさそうにしていたが、首を縦に振った。
「まぁ、今日はちょっと世話になったし、妹の遊びにも、たまには付き合ってやっか。」
食玩のフィギュアを家族や友達に見立てて、おままごとが始まる。桃花はフンドシも脱いで、空想上の家で飼われる犬になりきったり、バスに変身して、フィギュアたちを背中に乗せてハイハイで部屋を回ったりする。雄人も、16歳という年齢の割には、すぐにおままごと遊びに熱中して、ヒーローになりきった。桃花はバスから人間に、意識を戻してもらった時に、ふと、昔遊んだおもちゃのことを思い出す。
「たぶん屋根裏の納戸に、昔お姉ちゃんたちから譲ってもらった、シルビアファミリーの可愛いお人形と、ドールハウスがありますっ。」
藍良の目が輝く。納戸から桃花が段ボールを下してきて、中のシルビアファミリーDXセットを出した時には、手を叩いて跳ね上がるほど喜んでくれた。
「よいしょ、よいしょ。ハイキングというより、登山ね。これは。」
ウサギちゃんのお人形をよちよちと登らせながら、藍良が声色を変えて登山の演技をしている。
「そうなのだ。もうちょっとで頂上だ。すっごく景色が良いのだぞ。」
雄人がウサギちゃんを先導するように、オオカミおじいさんのお人形で駆け上げる。桃花はというと、裸で膝立ちになって頬っぺたは絨毯につけ、お尻を高く突き上げている。2人の可愛らしいお人形さんが上る、山になっているのだ。背中を人形の足がヨチヨチ上っていく感触はくすぐったいが、山の役なので、笑うのを我慢している。
「頂上に近づくと、地面がフワフワ、柔らかくなってきたね。・・・オオカミおじいさん。この山の名前は何ていうの?」
「うーん。そうだな。K2と言うんだ。・・・・ケツだけに・・・。」
「って、駄洒落かーいっ。」
人形が人形を飛び蹴りする感触。桃花のお尻の上で、シルビアファミリーが跳ねている。
「まぁまぁ、ウサコちゃん。登頂のしるしに、旗を立てよう。ほら、ここにちょうどいい穴がある。グリグリグリッ。」
「ひゃぁああんっ・・・・ご、ゴメンナサイ。」
「山が揺れる。地震だーっ。」
「急いで逃げるのよ。ほら、滑り降りましょう。スイーーーッ。」
桃花の背中を滑り降りる、2体のお人形。夜遅くまで、お人形遊びは続いた。
雄人がやがて、アクビをしながら柚香の部屋に戻る。「1回だけ、柚香にフェラさせてから寝る」と言っていた。桃花は、今夜も、藍良と一緒にベッドで寝ることを許してもらう。藍良はシルビアファミリーのお人形を両手に握りしめたまま眠りにつくと、寝返りをうったときに桃花の体を抱きしめた。
「・・・ママ・・・。」
小さな声で、藍良が寝言を言った。桃花は藍良様の髪の毛を撫でつけながら、優しく抱きしめて、眠りについた。
<木曜>
翌朝、桃花が目を覚まして1階に降りると、朝比奈家の他の面々はすでに降りてフンドシを脱ぎつつあった。梨沙も、もう大丈夫とばかりに、桃花に微笑む。早朝エアロビクスの時間。梨沙お姉ちゃんは何かが吹っ切れたかのように、スマイルもダンスのキレも増していた。
朝食はいつもの残飯ミックスinステンレスタライ。なのに、梨沙お姉ちゃんだけ、最後に贋助からプリンをもらった。
「梨沙ちゃんは、いいお姉さんだからサービス。」
梨沙お姉ちゃんのオッパイをなれなれしく両手でモミながら、贋助が気持ち悪い笑顔を作る。どうやら今朝、娘の藍良にこっぴどく叱られたらしい。梨沙の扱いだけが少し違う。柚香は自分にもプリンを、と求めて、けっきょく鼻から味噌汁を飲まされて悶絶していた。朝食の合間をぬって、桃花は梨沙に野間戸藍良様のお母さんの状況を聞いてみる。
「私も気になって、それとなく雄人様に聞いてみたの。そうしたら、お母様と弟さんがご健在みたいね。どうも最近は野間戸一族を受け入れる定住者の家の方でも、核家族化が進んでいるから、受け入れられる規模にするために、一緒に放浪する人数を絞っているみたいなの。贋助様と雄人様と藍良様は、お母様と弟さんと離れて、別々に放浪しているみたいね。」
学校での今日の桃花のミッションは、心なしか負担が軽い。「偶然を装って、男子5人にオッパイを押し付けること」。4限目までに達成できた。朝比奈ファンクラブのメンバーが、最後となる5人目の相手だったので、その男子は「つまずいて転んだ」桃花にオッパイをムニュっと顔に押し付けられたあと、感激で失神してしまい、保健室に運ばれることになってしまった。それでもミッション完了には違いない。
「ねぇねぇ、桃花ちゃん。私ね、また前の、秀銘高校の3年の男の人に、付き合ってって言われてるの。2回も断るのも、悪い感じがするし・・・。どうしよう・・・。」
美空ちゃんは、桃花の心の内をあまり斟酌せずに自分の悩みを打ち明ける。悪気が一切無いのが、彼女の特徴だ。
「美空ちゃんのタイプの人なの?」
「うぅ・・・ん。わたし、もうちょっとだけ、背が高い男の人の方が・・・。あ、でも、顔はタイプかも・・。ちょっと田舎っぽい感じで、素朴な男の子って感じで・・・。あ、あと、声は素敵。・・・でもなぁ・・・。わたしと合うかなぁ・・・。」
美空ちゃんがクネクネしながら迷いを打ち明けてくれる。
「いやじゃないなら、一度、試しに、お付き合いしてみてもいいかもしれないよ。・・・それで合わないって思ったら、ゴメンなさいしてもいいんだし。」
「えぇー。なんか、桃花ちゃん。積極的。・・・そんなこと桃花ちゃんから言われるの、ちょっと意外ぃ。」
お友達の美空ちゃんは、パッチリとしたお目々を見開いて、驚く。桃花は、そんな美空ちゃんのリアクションこそ、意外に思えてしまった。
「だって、普通の男の子なんでしょ? ・・・別に、美空ちゃんに無理やり変なことさせたり、しないんだったら、普通にお付き合いしてみて、どんな人なのか知ろうとしても、そんなに困ったことにはならないんじゃない?」
「でも・・・デートして・・・、すぐに、チューとか、求められたら・・・。困っちゃう。美空、恥ずかしいじゃん・・・。チューの時、自分でどんな顔してるのか、わからないし。キャーっ。どうしよう。」
美空ちゃんが顔を覆う。勢いで桃花は肩をポカポカ叩かれた。いつもだったら笑ってお付き合いできる、美空ちゃんのノリに、今日だけは桃花はついていけずにいた。
美空ちゃんのボーイフレンドが、どんな男の子だったとしても、美空ちゃんにフンドシの他は裸で生活することを強いたり、お庭でおトイレさせたり、両親とエッチさせたりはしないだろう。ましてや、急に美空ちゃんのお尻の穴にオチンチンを入れて、オシッコをしたりはしないはずだ。だったら、デートでキスを求められるくらい、何だというのだ? 桃花は、まるで空から舞い降りた天使に、天国の退屈さを散々愚痴られているような、シュールな気分になってきた。
不意に我慢できなくなって、両手を机につけ、立ち上がる。
「ゴメンね。美空ちゃん。私、今日早退することにする。ちょっと体調が悪いの。多分、明日もお休みするって、先生にお伝えしてもらえるかな?」
「え? ・・・桃花ちゃん、大丈夫・・・。桃花ちゃーん・・・。お大事にねぇ~。」
心配そうに声を背中にかけてくれる、お友達の美空ちゃんに感謝しながら、桃花は下校の準備に取り掛かっていた。
「お願いしますっ。梨沙お姉ちゃんよりも、私たちに、もっと変態なことしてください。させてくださいっ。」
土下座している桃花と柚香の声が揃う。柚香お姉ちゃんは、一足先に帰ってきていた。やはり、仲良し姉妹だ。同じことを考えていた。そう思うと、桃花は嬉しくなった。
木曜の午後と金曜日に学校をお休みしたくらいは、後からキャッチアップ出来る。それよりも、今までずっと自宅で桃花や柚香の分まで体を捧げてきた、ママや梨沙お姉ちゃんに恩返しがしたかった。
「うーん。困ったねぇ。計画変更かぁ・・・。ママさんは今、人妻宅配ソープにお出掛けしてもらってるんだよね。だから、午後はみっちり梨沙ちゃんと・・・って思ってたんだけど、どうしよっかな?」
母、響子が風俗で勤務中という話は、初めて聞いた。どうやら、修一郎が精子をかけたリビングの絵画が、修復に思ったよりもお金がかかるらしく、響子が体を売って稼いで、今週末までの原状復帰に役立てるという必要が生じたらしい。修一郎も預金をおろして、競艇で勝負をかけさせられているそうだ。
「うーん。今日は梨沙ちゃんとのワンワンプレイのために、メイクまで終えたのに・・・。ちょっと困ったなぁ。」
腕組みして、思案している贋助。その前で土下座していた柚香と桃花を、梨沙が隙をみつけて呼び起こした。
「柚香ちゃん、桃花ちゃん。・・・ちょっとこっちに来て。」
天井に顔を向けながら、思案している贋助を横目に、3姉妹がリビングの端でヒソヒソ話をする。梨沙の顔は犬の顔に似せたメイクというかフェイスペインティングがされていて、まるで犬が人の言葉を喋っているようだった。
「柚香ちゃん。桃花ちゃん。逃げて。・・・昨日から、ずっと伝えたかったのだけれど、・・・野間戸家の人たちの行動パターンがもう一つわかったの。昨日、藍良様がコンビニにお菓子を買いに出かけていたでしょ? 一昨日は野間戸家の人たちは誰も家を出なかった。大人の玩具屋さんにもブルセラショップにも、私がお使いに行かされたの。月曜日には贋助様がパチンコに行っていたわ。どうしてそんな動きになると思う?」
「わかんない。曜日に関係あるの?」
「私、野間戸家の人たちがあまり嘘をつかないって感じていたから、思い切って雄人様に聞いてみたの。とっても激しいエッチの後だったから、多分私に答えてくれたことさえ、覚えていないと思うけれど・・・。あの人たち。雲が太陽を遮っている間は、日中でも外を出歩けるけれど、そうでない間は、逗留している家の敷地から出ては行けないみたいなの。」
真剣な顔つきで、犬メイクのお姉ちゃんが喋る。柚香お姉ちゃんも頭の中の知識をフル活用して考えていた。
「それって、やっぱり天孫降臨説とかと、繋がりがあるルールなのかな? 国譲りで高天原から降りてきた神様たちの頂点って太陽の化身、天照大御神でしょ?」
「そうかもしれないわね。基本的には、逗留中は外出も不可っていう決まりも、雲が出ている間だけは、捻じ曲げても大目に見てもらえる。そういう運用で、彼ら一族は現実との落としどころを見つけてきたの。今日は綺麗な晴れ・・・。今、私があの人たちの気を引いている間に、急いで家から逃げ出して、彼らの声が届かないところまで辿り着けば、貴方たちは助かるわ。」
「・・・私、家の近くではいつも、頭の中でもご主人様って呼んでるのに、学校では雄人様のこと、頭の中で呼び捨て出来てたのが、不思議だったんだ。やっぱり、家から遠ざかると、野間戸家の力の強制力も弱まるのかな。」
三姉妹のヒソヒソ話は、贋助様が近づいてきたところで、中断する。
「うんっ。決めました。野間戸パピーは、貴方たち3人の姉妹愛に感動しましたっ。」
見ると目が潤んでいる。意外と瞳が綺麗で、それもまた、気持ちが悪かった。
「今日は、3人のピュアな家族愛と自己犠牲の精神に負けたということで・・・。計画を変更して・・・。」
柚香お姉ちゃんと桃花が生唾を飲み込む。・・・ひそかな期待は胸に秘めていた。
「3人とも。ワンワンプレイに参加してもらうことにします。・・・良かったね。望みがかなって。」
「あ・・・はぁ・・・。ありがとうございます。」
「う・・・嬉しいです・・・。やった・・ぁ・・。」
胸にほんの僅かな期待として秘めていた、「心を打たれた贋助が3人とも、今日は変態プレイから解放する」という、都合の良すぎるシナリオは、あっさりと消えてなくなった。野間戸贋助が、どこから持ち出したのか、プラスチック製の小さな笛を口にくわえて、ピーッと鳴らす。犬メイクの梨沙と、制服と下着を脱ぎ捨てた柚香と桃花が、舌を突き出し、ハッ、ハッと口で荒い息をしながら、四つん這いで庭を駆け回る。
ピィッ。
もう一度笛を吹かれると、3人は慌ててご主人様の前に駆け戻って、裸でオスワリをする。一言、指示を受けるだけで、チンチンも3回まわってワンも、綺麗に動きが揃う。生まれてから今まで、ずっとこうして躾けられてきたかのように、動き方が体に染みついてしまったからだ。
「じゃ、僕が今から君たち雌犬ちゃんたちと交尾をするわけだけど、その前に、一匹。この家にはワンワンの先輩がいるよね。彼にも混ざってもらわないと、失礼だよね。」
舌を突き出して、想像上の尻尾を振るようにお尻をプリプリさせながらも、梨沙、柚香、桃花は嫌な予感に背筋が寒くなる。庭の端から、年老いたセントバーナードが、ノッシノッシとやってきた。
「僕、贋助と、こちらはステファン君。オス犬は2匹。本当は雄人を参加させると、オスメスのバランスが取れるんだけど、今日はずっと、2階で妹と玩具遊びをしてるから、しょうがないね。君たちメス犬3匹は発情期真っ只中だよ。1匹足りないオス犬に対して、精一杯の発情アピールをして、交尾を求めてね。それじゃぁ、人間ドッグ、交尾パニックの巻。はじまりはじまり。」
贋助様が両手を桃花たちに向けて、指を一本ずつユラユラさせながら話すと、桃花は心の底からその言葉が真実だと信じ込む。桃花はメス犬で、今は発情期の最高潮だから、交尾のことしか考えられない。愛犬ステファンのオチンチンを見るだけで、股間からオツユが垂れてきた。お姉ちゃん犬の柚香と争って、ステファンに飛びかかる。先にステファンが乗っかってくれたのは、桃花の背中だった。嬉しいっ。柚香お姉ちゃんはよく、ステファンのお散歩の順番が来てもサボってしまうから、ステファンは私の方が好きなんだ。私と交尾したがってくれてるんだ。桃花は勝ち誇って、姉に対してフォン、フォンと吠え立てる。柚香お姉ちゃんは、一瞬歯を食いしばったが、すぐにステファンを誘惑するように、桃花の横に這いつくばると、ク~ン、ク~ンと媚びるようにお尻を振って、愛犬の気を引こうとしていた。
犬メイクの梨沙と野間戸贋助は、芝生の上に寝そべるように重なって、嬉々として交尾を始めている。お互いに腰をパンパン打ちつけあいながら、アオーン、アオーンと遠吠えする。ご近所にも聞かれていると思うが、梨沙はそんなことを一切気にしない。ひとしきり女性器に贋助の精液を注ぎ込んでもらったあとは、膝をさらに開いてお尻を突き出し、お尻の穴に誘い込むような動きまで見せる。舌を突き出して振り返る梨沙の目は、完全に欲情していた。
桃花、柚香、そして梨沙。順番に愛犬のステファンにアソコの中に獣の精をぶちまけられる。お礼にステファンを仰向けにして、順番にオチンチンと足の肉球をしゃぶりつくして奉仕してあげた。そこに贋助も混ざって、ハメあい、しゃぶりあう、犬の乱交が始まる。気がつくと桃花は贋助に後ろからお尻を貫かれながら、柚香のアソコを開いて舌を押し込んでいた。最後は気持ちよさを全員で遠吠えで表現。ステファンも贋助も、一緒に気持ちよさそうに喉を鳴らしていた。
夕方になる前にリビングに戻ろうというのは、贋助の配慮。女性は体を冷やすと色々とトラブルの素だから、と優しく背中を押して、梨沙と柚香、桃花を家の中に誘ってくれる。桃花は、「では犬の精液を体の中に放出されるのは、女性にとってトラブルの素にはならないのか」と問いただしたかったが、聞くだけ無駄だと思って、黙っておいた。
部屋に戻ると、3姉妹のくすぐりあっこ大会。3人がまず順番に、贋助のオチンチンを口で愛撫して、元気にさせ、やがて口の中から溢れるほど、オチンチンから噴出された、男臭い精液を口に含んだままにさせられる。一体、このオジサンはどれだけの精液を毎日作れる体になっているのだろうか。桃花も涙目になるほど喉の奥までオチンチンを突っ込まれたあとで、口一杯にザーメンを出されて目を白黒とさせた。頬を膨らませた3姉妹が、裸のまま立って向かい合う。全員、体からステファンと贋助の体や精の匂いが立ち上っていた。
「じゃ、時間無制限でくすぐりあっこのバトルロワイヤル。最後までお口のスィーメェンを出さずに我慢できた子には、素敵なご褒美がありますよー。」
なぜここだけ、精液のことを英語読みで、発音良く呼んだのかはわからない。とにかく、贋助が仕切るゲーム。そう思うと昨日の梨沙お姉ちゃんの悪夢を思い出さずにはいられない。桃花も柚香も梨沙も。ここは姉妹のことをおもんばかって手加減なんて絶対出来なかった。「スタート」とコールがあった瞬間、桃花と梨沙お姉ちゃんはインスピレーションで感じあっていた。一番体力があって、運動神経が良い柚香お姉ちゃんに、両側から掴みかかって、脇の下をくすぐる。コンビネーションプレーで姉と妹から責められるとは思っていなかった柚香が、体を押さえ込まれて足をドタドタさせる。ムー、ムーと首を左右に振っているが、桃花はくすぐりを容赦したりしない。桃花にとっては、昨日の朝、寝たふりをしている間に、柚香お姉ちゃんにコショコショされ続けた、仕返しだ。やがて柚香お姉ちゃんが白い粘液をプーっと噴き出してしまう。ガッツポーズをとった桃花の顔に、オジサンの体液がピチャっとかかる。喜びは、確実に半減した。
今度は、梨沙お姉ちゃんと桃花が向かい合って決勝戦にのぞむ。お互い、脇を取られないように、肘をコンパクトに保ちながら、組み合う・組み合わないという緊張の出だし。梨沙お姉ちゃんの目を見ると、ゴメンなさいね、という表情で小さく頷く。その直後、お姉ちゃんの表情が本気になる。桃花に一気に押しかかって、両手を掴む。桃花は倒されながらも、瞬時に両脇を締める。足の裏も見せないように。ブリッジのような体勢でお姉ちゃんの体をひっくり返そうとした。それを、計算していたかのように、梨沙お姉ちゃんは桃花の肘から手を離して、桃花の股に手を伸ばした。桃花が足を閉じようとする前に、指を妹のお尻の穴にまで伸ばす。グリッ。お姉ちゃんのほっそりとした綺麗な指が、桃花の汚くて恥ずかしい穴に押し入ってくる。桃花の全身から力が抜ける。
「ふはっ・・・。はめっ・・・。ずる・・・ぃ・・・。」
駄目と言おうとした、桃花。お姉ちゃんに、右手でアナルを責められたまま、左手で脇をくすぐられる。もう、何も抵抗出来なかった。反射的に、噴き出して、口からめいっぱい、贋助の精液を梨沙お姉ちゃんの美貌に吹きかけてしまう。汗でやっと犬メイクが落ちた、お姉ちゃんの顔は、今度は精子にまみれる。梨沙お姉ちゃんは嬉しそうに、膝立ちで大きなガッツポーズを決めて天を仰いだ。
「優勝者は梨沙ちゃん。おめでとうございまーっす。ご褒美は、僕、野間戸パピーとの本気ディープキス3時間をプレゼントです。心の底から愛をこめて、2人っきりで愛と唾液をバケツ何杯分も交換しましょう。・・・今日は特に、罰ゲームとかありません。また娘に蹴られちゃうからね。」
最初に脱落していた柚香お姉ちゃんが、小さなガッツポーズ。逆に優勝者の梨沙お姉ちゃんは、すでに体重が3キロほど落ちたかのように、ゲッソリとした表情をしていた。
野間戸家の父親が「アースッ」と好きな決め言葉を口にしながら、両手を前でグッと組む。すると、口をゆすいで体を拭いてきたばかりの梨沙お姉ちゃんは、ウルウルした目で贋助様の胸元に飛び込んでしまう。街で評判の美人が、髭モジャで気持ち悪いオジサンの体にしがみついて、腕を絡めて、嬉しそうに唇を尖らせる。梨沙お姉ちゃんは、幸せそうだった。チュウチュウと口を吸いあって、ベロを絡めあう、格差カップル。2人はキスを続けたままで、リビングを後にして、贋助のベッドルームに雪崩れ込んでいった。
「ね、桃花・・・。お姉ちゃんがお昼に行ってた話。結局、逃げるチャンスはのがしちゃったけど、・・どう思った?」
「ん・・・私たちが逃げても、梨沙お姉ちゃんは、ママは、・・・あとパパは、もっと酷い目にあっちゃうかもしれないんだよね。」
柚香お姉ちゃんは、口をゆすいで顔を洗ったあとで、洗面所で桃花の体を拭くのを手伝ってくれる。2人で身だしなみを整えて、フンドシを締め直しながら、相談する。
「それはあるけど、明日からで言うと、あと3日だよ。もしその3日の間に、あんたの身に本当に酷いことをされそうだったら、私と梨沙ネェが気を引いている間に、あんた、晴れ間を見計らって、逃げなさいね。」
「そんな・・・、私だけ・・・なんて。」
柚香お姉ちゃんは、両手で桃花の頬を包んで、顔を近づけてはっきりと言う。
「あんたまだ、中学生なんだよ。朝比奈家に何があっても、桃花だけは汚されたくない。みんな絶対にわかってくれるよ。」
お姉ちゃんは桃花の両肩に手を乗せたあとで、膝をついて、桃花のフンドシの前掛け部分がねじれているのを直してくれた。
桃花は生唾を飲んで、自分で決心をするように頷いた。
「お姉ちゃん。・・・実は一つ、お願いがあるの。・・・雄人様の・・・、元・梨沙お姉ちゃんの部屋で、インターネットを使いたいの。私がネット使ってる間、雄人様と藍良様のお遊びに、お付き合いしてもらえるかな?」
<金曜>
「ご主人様・・・。藍良様・・・。おはようございます・・・。」
桃花が声をかけると、藍良様は寝返りをうつ。今日は、時々小雨がパラつく曇りの日と、ネットの天気予報では言われていた。
「ん・・・んん・・。」
寝返りをうった後でゴクリと唾をのんで、顔のポジションを直しながらまだ眠ろうとする藍良様。両手は今日も、シルビアファミリーのお人形を握りしめていた。桃花は藍良様の両足に、強めにキスをする。鬱陶しそうに、藍良様の足が、桃花のオデコを蹴る。
「ご主人様、・・・ご主人様。起きて頂けませんか?」
桃花がなおもお願いすると、面倒くさそうに野間戸藍良が目を開いて、ゆっくりと体を起こす。
「なんなの・・・。一体。」
不機嫌そうに桃花を睨む藍良様。桃花は震え上がりそうだったが、懸命に強気を保って笑顔を作る。
「今日は、私たち、3人と藍良様と、雄人様とで、遊びに行きませんか? ・・・玩具で遊ぶのも楽しいですが、もっと楽しい。子供がみんな、大好きな場所があります。今日は平日だし、一日中晴れないっていうから、きっと空いています。思いっきり遊べると思うんです。」
「・・・は? ・・・」
少しずつ、意識がはっきりしてきた、3歳年下のご主人様に、桃花は懸命に提案する。絶対に楽しい。そう信じ切って話をしないと、疑り深いご主人様は、すぐに、そっぽを向いてしまうかもしれない。
「どこ行くっていうのよ。・・・アタシら、どうせ何買ったって、出て行くときには何も持ち出せない運命なのよ。・・・それに今さらアンタたちと仲良くしたところで・・・。ちょっと、聞いてるの?」
桃花は学習机の上に、伏せてあるフォトスタンド。藍良様が部屋に入ってきて、最初に伏せたものを手にして、ベッドサイドまで持ってきた。
「ここです。子供はみんな大好き。デイジーランド。みんなで遊びに行きましょうよ。」
藍良は一瞬、目が見開かれて、顔がパァッと輝く。・・・そしてすぐに、慌てていつもの不機嫌そうな顔を作る。ソッポを向いた。しばらくの沈黙。
「・・・ちょっと、兄貴と話す。」
藍良様が本気で駄々をこねると、野間戸家の男たちはかなわないということが、ようやくわかった。今日は早朝のエアロビもキャンセル。一番手先の器用な梨沙お姉ちゃんが、藍良様の髪を綺麗に梳かして、大きめの赤いリボンを結ってあげる。意外なことに、藍良様にピッタリのサイズで可愛らしいワンピースは、柚香お姉ちゃんのクローゼットから出てきた。
「私のキャラに合わないって10歳の頃から着ないでいたけど、一度これ着て可愛いとこにも行ってみたくて、ずっと取ってあったんだ」
藍良様の身支度が進む間に、桃花がネットでアトラクションごとの待ち時間を調べて、理想のルートを検討する。贋助やパパ、ママにも一緒に行くかと聞いたが、大人たちはそれぞれにやることがあるようだった。贋助様は急に、音楽の編集作業に没頭している。相変わらず変態だが、妙にアーティスティックな部分のあるオジサンだった。パパは今日は競輪に行くらしい。「昨日の競艇は最終レースで結局マイナスになっちゃったから、今日、取り返さないと」と言っている。ママは、今日も人妻宅配ソープに行くと張り切っている。「ママ、生まれて初めて、お外で働いてお金を頂いたの。お仕事の内容はとても人様には言えないけど、昨日はとっても充実していたから、今日も贋助様にお願いしたの」と目を輝かせている。娘としては、働き続けるなら絶対に違う仕事にして欲しいと願ったが、今日のママはキラキラしているとも思ってしまった。
デイジーランドは小雨の降るお天気の日でも、いつも夢の国として桃花たちを迎え入れてくれる。藍良様の顔も、そして雄人様の顔までも、パァーっと華やいだ。メリーゴーランド、ティーカップ、デルタクルーズにビッグクリフ・マウンテン。梨沙お姉ちゃんも柚香お姉ちゃんも、子供に戻ったかのようにハシャぐ。桃花は雄人様と藍良様の腕を取って、3人で次のアトラクションまで駆けた。パレードの場所まで歩く時、すれ違ったカップルが一言、「今の女の人たち、みんな綺麗で可愛い・・。超美人4姉妹だよ」と言っていたのが、桃花の耳に入った。桃花は藍良の様子を伺う。藍良様は、しばらくキョトンとした表情のままでいた後で、急に顔を真っ赤にした。
パレードに感嘆したあとで、キャラクターグリーティングスポットへ移動する。少し並んだ後、マイキーマウスを中心にして、梨沙お姉ちゃん、柚香お姉ちゃん、桃花、そして藍良様、雄人様の5人が笑顔で写真に写る。最高の一日だった。
・・・はずだったが、少しずつ、雄人様が飽きてくる。やはり16歳の雄人様は、ファンタジーなキャラクター以上に、女性に興味があるようで、行列待ちの間にも、ちょっとずつ、梨沙お姉ちゃんや柚香お姉ちゃんのお尻やオッパイへのタッチが増える。ゴンドラでレールの頂点に行くまでには、雄人様の命で、梨沙と柚香が服を捲り上げて、オッパイを雄人様に舐めさせているところを、設置されているカメラに撮られてしまった。あとから、キャストの方に厳しめに叱られてしまった。
「そろそろ、帰りましょうか?」
桃花の提案で、デイジーランドを後にする時にも、風船を手にした藍良様は、何度もランドの方を振り返っていた。雄人様はついに我慢出来なくなる。梨沙お姉ちゃんのお小遣いでシティホテルで休憩させてもらう。部屋に入ると、梨沙と柚香と桃花は、急いで服を全部脱ぎ捨てる。3人で雄人様に熱烈なご奉仕をした。若い雄人様の性欲は、2人のアソコと桃花のお尻に放出しただけでは収まらず、梨沙お姉ちゃんのオッパイと柚香お姉ちゃんの胸に白くて若い精を引っ掛けたところで、ようやく落ち着いた。その間もずっと藍良様は、お土産に買った熊のヌイグルミに、嬉しそうに話しかけていた。家に着くと、遊び疲れたのか、藍良様も、雄人様もあっけなく眠りについてしまった。
<土曜>
「今日は、何をして遊びますか?」
嬉しそうに尋ねた桃花に、藍良は少しだけ残念そうに微笑んだ。
「明日、ここを出て行くから、今日はうちの家族の後片付けの日なの。桃花が一人で遊んでて。」
「え? ・・・あと・・片付け? ・・・待ってください・・。あぁ・・。」
藍良様の後を追おうとしたが、命令を頂いてしまったので、一人で遊ぶしかない。今更ながら、シルビアファミリーで一人遊びを始めてしまった。桃花が懸命に声色を変えて、お人形遊びに興じている間に、野間戸一家は早々と起きだして、1階から掃除を始める。旅立ちの前日は、一家総出でお片付けをするのが、野間戸家の決まりらしかった。
パパとママのマスターベッドルームから、滑車や荒縄、SM器具が片付けられていく。お庭の5つの穴は埋められる。表札は直されて、リビングの絵は修繕に出された。朝比奈家が身に着け続けたフンドシもまとめられる。大人の玩具もリビングのローテーブルに並べられる。
「全部捨てます?」
大人の玩具の処分を贋助から聞かれて、朝比奈家の人々は、「せっかくなので」、「捨てるのはもったいない」、「環境に悪影響が」と口々に言って、1人1つずつだけ、玩具を手元に残していくことにした。桃花も、アナルバイブだけは学習机の棚の奥に、しまわせてもらった。
野間戸贋助は桃花たちに自作のMDを「良かったら」と手渡す。なんでも、以前朝比奈家の女性陣がサツマイモを貪り食べさせられた後で、でオナラが止まらない体質に変えられた時に、録音された響子と梨沙、柚香と桃花の様々なオナラの音を編集したり音程を加工したりして、「レット・イット・ビー」の曲にしたという。昨日、一日がかりの作業となった、力作らしかった。・・・今どき、MD・・・。聞ける環境が限られそうなのだが、どのみち、絶対に聞くことはないだろうと思われたので、気にしないようにした。
綺麗に掃除されていく朝比奈家。少しでも、寂しいという感傷を持ってしまったような気がして、桃花は必至で頭を左右に振った。やっと平穏な、日常が帰ってきてくれるのだ。その夜は、桃花はまた、藍良と一緒にベッドで寝た。藍良は朝まで、シルビアファミリー、熊のヌイグルミ、そして桃花の二の腕を離さなかった。
<日曜>
今日は曇りのち、晴れという予報が出ている。野間戸一家は、雲が空を覆っている、朝のうちに朝比奈邸を後にすることにした。
「桃花ちゃんのお洋服も買いなおした後でも、収支はだいたいトントンですね。じゃ、これで失礼しようかと思います。はい。」
野間戸贋助はペコペコとしている。雄人もさっさと履きつぶした、スニーカーに玄関先で足を入れる。藍良も、何も言わずに家を出ていこうとした。
「藍良ちゃん。ちょっと待って。これ。見て欲しいの。」
桃花は、柚香お姉ちゃんのスマホに映る、遊園地の写真を見せた。デイジーランドで、マイキーを中心に、みんなで撮った記念写真。そこに映っている藍良も雄人も、眩しそうな笑顔で収まっていた。それをみた藍良が、一瞬、切ないような表情になる。
「私たち。何にも持っていけないから。・・・その写真も、捨てちゃっていいよ。」
「うんん。これ、ネット上のサービスに保存しておくね。そのサービスサイトのアドレスと藍良ちゃんたち専用のアカウント、パスワードをメモしたから、これだけ頑張って覚えてよ。記憶を持っていくことは出来るでしょ?」
「お嬢ちゃん、悪いけど、わたしら、記憶を持って動いたところで、インターネットの情報なんて、気軽にアクセス出来ないんですよ。固定電話も、回線工事も、プロバイダー契約も出来ないから、ネットに繋がれないんで・・・。」
「おじさん。それ、いつの話をしてるんですか?」
いつもオットリとしていた朝比奈家の末娘が、大人に口答えをする。姉たちも驚いている。
「私、短い時間だけど、インターネットで色々、勉強しました。今の時代。住所が定まらない人たちでも、勉強したり、技術を手にしたり、資格を取ったりして、仕事を持つことが出来ます。カフェとか、図書館とか、場所を選らばずに仕事をしてる人たちだっているんですよ。」
「でも、俺たち。何も持ち歩いちゃいけないんだ。思い出だけでいいよ。そこそこ、楽しかったし・・・。」
玄関のドアの前で、雄人が野球帽を被って振り返る。桃花が藍良を見ると、目が少しだけ潤んでいた。それでも相変わらずソッポを向いて、つまらなそうな顔をしている。
「この写真と藍良ちゃんのフリーメールアドレスのアカウント。私の新しいメールアドレス。全部保存した場所があります。『クラウド』っていうサービスです。日本語でどんな意味かは、藍良ちゃんが自分で勉強して、調べてほしいな・・・。」
桃花がそう言ったのに、贋助が独り言のように口をはさんでしまった。
「・・雲・・・。雲いずるうち、野間戸一族は盟約の枠を僅かにはみでて、活動することが出来る。・・・これは、お嬢ちゃん一人で、考えついたことなのかい?」
見上げると、野間戸贋助はこれまでよりも一気に年老いたように見えた。
「私、そのクラウドっていうのを使えば、どこにいても、さっきの写真。また見ることが出来るの?」
顔を上げて、桃花に近寄る藍良。桃花と藍良、2人の肩に、梨沙が手を乗せた。
「写真を見るだけじゃないわ。ゲームのデータや好きな音楽を保存したり、ネット上のお金を貯金したり、それを使って勉強したり、工夫すれば、お仕事だって出来ると思う。アカウントを持ってやり取りすることで、1週間ごとに、オシャレなお洋服をネット上の誰かと交換して、次の場所に郵送してもらったり、お友達や恋人を作って情報を保管しておくことだって、出来るかもしれないわね。」
「野間戸一族・・・。数千年の漂泊の歴史を、・・・桃花が変えてくれるの?」
藍良の目から、キラキラしたものがポロっとこぼれた。桃花は、藍良の手をギュッと握る。
「変な運命だよねっ。野間戸家のルールに乗っ取られていなかったら、私は、朝比奈家のルールでは、インターネットを触ることも出来ていなかったはずなんだから・・・。」
藍良と桃花が抱き合う。3歳年下の元ご主人様が、こんな華奢な体格だったのかと、桃花は今更ながら驚いた。
<2ヵ月後>
「桃花ちゃん。もう春が近いんだから、絨毯をしまいましょ。・・・ちょっとこの絨毯、綺麗じゃないと思うし・・・。」
ママがおっとりと桃花を諭すが、桃花は顔を赤くしてイヤイヤする。
「この絨毯は・・・、色々、使い勝手がいいから、まだしまわないのっ。」
「もうっ・・・野間戸さんのお宅は、最低1年は同じ場所に戻ることはないんだから、変なことは、全部忘れましょうよ・・・。」
「ママだって、まだ下の毛は剃ってるくせに・・・。」
「こっ・・・これは、パパも、嫌いじゃないみたいだし・・・。」
母子の会話は、昔よりも活発に、隠し立ての無いものになっていた。
野間戸家の力では記憶は操作出来ない。そのせいで朝比奈家の人々が心や体に刻み込まれた快感の記憶だけは、倫理観や行動が元に戻ったあとでも、完全に消え去ることはなかった。
野間戸家が出て行って、1ヵ月もたたないうちに、ムズムズした欲求不満を抱えた娘たちと両親は、家族会議で新しい決め事を作った。1週間のうち6日はいつもの朝比奈家の習慣とルール。残りの1日、日曜日だけは、野間戸家がいた頃の生活習慣を復活させることにしたのだった。日曜日の早朝は、お庭で全裸エアロビクス。朝食はお行儀もなにも、全て忘れてタライから裸で夢中で犬食い。大人の玩具を駆使して、おもいおもいのオナニーに耽溺した後は、全員一列に並んで、ペニスバンドで連結して腰をグラインド。桃花のお尻も一度は柔軟性を失って年頃の女の子のお尻の穴に戻っていたが、かすかな、性感帯だった頃の記憶を辿りよせつつ、徐々に拡張を進めていくことが出来た。柚香お姉ちゃんは日曜日はオムツで過ごす。パパとママは立場を1時間ごとに交代する、仲良しSM夫婦。梨沙お姉ちゃんと桃花は、お尻に入れると気持ちいいものを紹介しあって、日曜を過ごす。
「桃花ちゃんね・・・。お姉ちゃん、孝彦さんが留学から帰ってきたら、もう一度、お付き合いを、今度は私から申し込もうと思うの・・・。それで、孝彦さんに、お尻にオチンチンを入れてもらって、オシッコして欲しいってお願いしようと思うんだけど、急にお願いすると、びっくりされちゃうかな?」
「うん・・・。絶対に、急には言っちゃ駄目だと思う。・・・少しずつ・・・、少しずつ、孝彦お兄ちゃんを誘導しないと、駄目だよ。梨沙お姉ちゃん。」
「そう・・よね。・・やっぱり。・・・欲望の対象だと思ってたら、突然、汚物入れみたいな扱いになった・・・・。あの時の墜落感が、忘れられないの・・・。また、味わえるのは、まだしばらく後になりそうねぇ。」
ウットリとした表情で、陶酔したように語る梨沙お姉ちゃんは、相変わらず綺麗だった。野間戸さんち・・・。また来てくれてもいい・・かな・・、と桃花は考えた。
ピンポーン。ピンポーン。
日曜の夕方に、朝比奈家のチャイムが鳴らされる。誰かと思い、とりあえず服を羽織って、朝比奈家が玄関先に集結する。柚香お姉ちゃんのフォルムは、オムツのせいで下半身がポッコリしていた。
「失礼します。野間戸宮子と申します。こちらはうちの末息子の雄聖と申します。」
「うっす。俺、精通直後のエロ狂いなんで、よろしく。」
野間戸家を名乗る奥様は鈴を束にして持っていた。
「あ・・・あのっ・・・。雄聖君。今はね、クラウドっていうサービスがあって・・・。」
桃花が藍良に伝わった話を、もう一度、弟君にも伝えようとすると、弟君は横柄にそれを遮る。
「あ、俺、ネット云々、興味ないんで、いらねっす。何せ精通直後で反抗期バリバリなんで、・・・ただ単純に、好き勝手やらせてもらいます。シクヨロ。」
「あの、主人からも、こちらのお宅では主人、長男、長女が大変お世話になったって、聞いているのですが、今回、たまたま私たちもこちらでご厄介になることになってしまいまして。よろしくお願いいたします。ちなみにワタクシも、今、前衛芸術にハマっておりまして。街頭のゲリラパフォーマンスなどに、皆様もご協力頂けますと嬉しいです。本当に1週間、いろいろとご迷惑をおかけすると思います。申し訳ございません。」
桃花は思わず、玄関先にへたりこんでしまった。
「やっぱりイヤーッ。帰ってくださ~いっ!」
朝比奈家の末娘の叫び声の大きさは、頑丈なつくりの朝比奈邸が揺れるほどだった。野間戸宮子さんは、ウンウンと物分かり良さそうに頷きながらも、鈴の束を突き出す。もうすぐ春。朝比奈家の野間戸家が同居する1週間が、朝比奈家の都合は無視したまま、もう一度始まろうとしている。
< おわり >