「まったくもぉ。今日も休み?」
美波 佐和(みなみ さわ)はむぅと頬を膨らませて、誰もいない周囲を見渡した。
影の中に立っているだけでもじわじわと汗が滲んでくる気温。遠くから聞こえてくる蝉の声。
近くのグラウンドからは運動部の練習する声が聞こえる。
「今日もみんなさぼりかぁ~。あ゛ーっ、もうっ。幽霊部員ばっかだなぁっ!!」
はあ~と大きくため息を吐いて、佐和は武道場の横のドアへと入っていった。
パタンと閉められるドア。そんな佐和の姿をジッと眺めている姿があった。
この学校のプールは武道場の屋上に作られており、プールへと行くためには剣道場や柔道場の分の階を延々と続く階段を上っていくことになる。
「まあ、夏休みにまで部活なんて色気のないものより、彼氏との一時だよねぇ~。あ゛ーっ、アタシも彼氏欲しいよぉっ」
その階段を上りながら佐和はハアと先程とは違った意味でのため息を吐く。
微かに下の入り口のドアの締まる音が響いたが、そのせいで佐和の耳に届くことはなかった。
階段を上りきった佐和はプールの横にある更衣室へと入っていく。入った瞬間に対流のない空気が熱風となって佐和へと襲いかかった。
「うわぁ~。何この暑さ。窓開けないと」
ぽいっと鞄をロッカーの中に放り込むと、そそくさと窓へと近寄り、ガラリと勢いよく開く。その瞬間、窓に遮られていた外の空気と蝉の鳴き声が一斉に入ってきた。
外から入ってくる空気もそこまで気温が低くないが、それでも対流が起こり体感温度を下げていく。
「ったく、全然変わらないなぁ。さっさと着替えよ」
スカーフをとり、ファスナーを下ろしながら佐和は鞄を入れたロッカーへと歩いていく。入り口に背を向けて着替える佐和の後ろに男子生徒はそっと近づいていった。
上着を脱いで、次はスカートを脱ごうとしていた佐和の方へと手を乗せる。
「っ!?」
あるはずのない感触。いるはずのない人の存在に佐和は驚き、振り返る。振り向いた佐和の目の前には男子生徒の指があった。
「はい、体が動かない!!」
パチンと小気味いい音で鳴らされる指。断定的に告げられたその言葉はするりと佐和の中へと滑り込み、その体を支配した。
ふわりと空気を孕ませて、スカートが床へと舞い落ちる。
「な、何よあんたっ!?」
そこまで言って、自分が下着姿であることに気づいた。
「きゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
佐和がギュッと目を瞑り、悲鳴を上げた瞬間に男子生徒は強く閉じられた瞼の上へと手を重ね、再び強く断定する。
「はい、もう目を開くことは出来ない!」
「えっ、ちょっ、なんでっ!?」
動かない体、開けない瞼。自由にならない自分に戸惑いの声を上げる佐和の頭を手で押さえ、ぐるぐると回していく。
「ちょっ、やっ、なにすんのよっ」
「ほら、こうしてると気持ちよくなっていく。気持ちいいでしょう? どんどん力が抜けて、頭がぼうっとしていく。何も考えられなくなっていく」
「いや・・・・・なんで・・・・こん・・・・な・・・・や・・・・あ・・・・・」
ぐるぐると頭を回されていく内に佐和の体から徐々に力が抜けていく。脱力した佐和を後ろから抱きしめる様に支えて、その耳に佐和を縛る言葉を流し込んでいく。
「とても気持ちいい。こうされているのが気持ちいい。もう何も考えられない。ずっとこうしていたい」
「あ・・・・・あ・・・・・・きもち・・・・・い・・・・・い・・・・・」
ロッカーに背を預けながら、ずるずると二人は座り込む。そして、男子生徒は佐和の頭を自分の肩に預けさせた。
抵抗もせず、ことんと男子生徒の肩に佐和の頭が載る。完全に力が抜けきり、軽く開いた口からはあと息が漏れた。
「とても気持ちいいね。今君はとてもとても深いところにいる。そこは君の奥深く。君のとても素直なところだ。周囲は全て君。君の中にいるのだから、とても安心出来る。君の中にいるのだから、聞こえてくる声は全て君の心の声だ。君が望んでいることなのだから、従うととても気持ちが良い。さあ、深呼吸をしよう。吸って・・・・・・吐いて・・・・・・吸って・・・・吐いて・・・・・」
「すぅ・・・・・・・はぁ・・・・・・すぅ・・・・・はぁ・・・・・・」
「そう、深呼吸をすれば、どんどん気持ちよくなる。更に深く深く沈んでいく。さあ、口に出して言えば更に気持ちよくなる。気持ちいい、言ってごらん」
「は・・・・・あ・・・・・きもち・・・・・・い・・・・・・い・・・・・・」
更衣室に入ってくる蝉の鳴き声に容赦ない夏の気温。じわりと溢れてくる汗を拭い、男子生徒は言葉を続けた。
「いいかい。今からとても大事なことを言うよ。これはとても大事なことだから、心の奥底にしまっておくんだ」
「はい・・・・・だいじな・・・・こと」
朦朧とした意識の中、途切れ途切れの声で男子生徒の言葉を反復する佐和。その言葉を聞いているのかいないのか、男子生徒はそのまま言葉を続けた。
「美波。君の心の鍵は僕が持っている。僕の持っている心の鍵で開かれると、君はいつでもどこでもこの気持ちいいところへと、潜っていける。さあ、君は目を開くことが出来る。だけど、目を開いてもこの気持ちいい状態のまま、何も考えられないままだ。さあ、目を開いて」
「はい・・・・」
男子生徒は佐和が目を開いたのを確認すると、佐和の頭を立たせて前方を見える様にする。そして、ポケットから鍵を取り出すと、佐和に見える様に自分たちの目の前に翳した。
「さあ、これが君の心の鍵だ。これで君の心を開かれるといつでもどこでも、この気持ちいいところへと潜ってこれる。わかったね」
「はい・・・・・かぎ・・・・・・いつでも・・・・・・・もぐる・・・・・」
まるで木霊の様に佐和は男子生徒の言葉を反復する。
何度も何度も心で反芻する佐和に、男子生徒は更なる言葉を植え付けていく。
「今から三つ数えると君は目を覚ます。目を覚ました後、君は僕の言葉を全く疑わず信じてしまう。どんな無茶なことでも必ずその通りになる。どんなことでも本当のことだと思ってしまう。そして君はそのことを全く疑問に思わない。必ずそうなる」
「しんじる・・・・・そのとおり・・・・・うたがわない・・・・・ほんとうのこと・・・・」
「一、二、三、はいっ」
男子生徒は三つ数えて、パチンといい音で指を鳴らした。その音にピクンと体を震わせて、佐和は男子生徒の腕の中で目を覚ました。
佐和はぼうっとしたままでパチパチと何回か瞬きをしていたが、やがて、事態を把握し、男子生徒の体の中で暴れ出した。
「ちょっ、あんた何!? 何でここにいるのよっ!!」
バッと男子生徒の腕を払って立ち上がった瞬間、自分が下着姿だと言うことを思い出し、縮こまって体を隠す。そして、ぴょんと壁まで一気に飛びすさり、じろりと男子生徒を睨んだ。
その視線を受けても、立ち上がった男子生徒は余裕の笑みを浮かべたまま佐和を見ている。
「何笑ってんのよっ! ここは女子更衣室よっ! 出てけっ!!」
「何言ってんだ。俺はコーチなんだから女子更衣室にいるのは当たり前じゃないか」
さも当然の様にとんでもないことを言ってのける男子生徒。その言葉を聞いた佐和は目を見開いて、呆けた様に絶句した。
「コーチ・・・・更衣室にいるのは当たり前・・・・・」
ぶつぶつと男子生徒の言葉を反復する佐和。その瞳から怒りが徐々に消えていく。
だが、それと入れ替わる様に佐和の顔が羞恥で赤く染まっていった。
「こ、コーチ。コーチが女子更衣室にいるのは当然ですが、でも着替え中出てってくださいって言っているじゃないですかっ!」
たった一つの言葉から過去を遡って記憶を捏造する。そんな佐和に男子生徒は笑みを深くする。
「だから何言ってんだよ。俺はコーチなんだから着替えから確認するのが当たり前だろ」
「え・・・・あ・・・・当たり前・・・・あ、そ、そうですよね。コーチが着替えから私達を確認するのは当たり前でしたよね。何言ってんだろ私・・・・」
ポリポリと恥ずかしそうに頬を掻いて、佐和は立ち上がる。その姿には下着姿を見られているという思いなど微塵もなかった。
堂々と男子生徒の前を横切り、ロッカーに入れてある鞄の中から水着を取り出すと、佐和はそのまま着替えを続ける。
ぷちんと後ろ手にブラジャーを外し、ポロンと胸を解放する。そのまま、ひょいとショーツを脱いで、佐和は競泳用の水着を着た。そして、やや長めの髪を一本に縛ると、それを水泳帽の中に入れ、そのまま水泳帽を被った。
「さ、コーチ。行きましょう」
佐和はゴーグルを手に取り、すたすたと更衣室を出て行く。そんな佐和に苦笑して、男子生徒は後に続いた。
そして、バスタオルを壁に掛け、腰洗い漕を通ろうとする佐和を止める。
「待て、美波。今日は腰洗い漕を通らないでいい。今日のプールは十分に消毒されているからな」
「あ、そうなんですか? わかりました」
佐和は男子生徒の言葉に頷くと直通の通路を通り、プールサイドへとでた。強い日差しを受けて、佐和の肌が光を反射する。日に焼けた肌が健康そうに光っていた。
「じゃあ、まずは準備運動ですね」
「そうだな、その前に準備運動の準備をしよう」
「準備運動の準備? なんですか?」
小首をかしげる佐和。そんな佐和に男子生徒はコクンと頷き、そしてプールへと歩いていった。
「美波。お前は準備運動が何か分かっているのか?」
「え? 体操じゃないんですか?」
佐和の返答に男子生徒は首を振る。そして、プールの水に手を浸してから答えた。
「違う。水泳部伝統の準備運動はオナニーだ。オナニーで絶頂に達してからじゃないとプールには入れないんだ」
「ああ、そうでした。でも、気分じゃないし、どうすればいいんですか?」
「そのためにこれだ」
男子生徒はプールの水を片手で掬い、佐和の方へと歩いていく。そして、歩いてくる途中で殆ど零れてしまった水を佐和の体へとかけた。
「きゃっ」
「いいか、美波。水泳部員はプールサイドでプールの水をかけられると発情するんだろ。濡れた部分が熱くなってとても敏感になるんだ」
「はぁっ!」
ビクンッ!
男子生徒の言葉を聞いた瞬間、佐和の体が大きく震える。ガクガクと足が震えて、ハアハアと呼吸を荒くする。
ギュッと自分の体を抱きしめながら、内から湧き出る快感にとろけた表情で男子生徒をボウッと見ていた。
「ほら、早く準備運動をしろよ」
「あ・・・・ぅ・・・・・はぁ・・・いっ」
体を支えていられなくなり、ぺたんと座った佐和は熱い息を漏らしながら、胸に手を這わせていく。指の先が胸に触れた瞬間、ビクンと体を震わせた。
「は・・・・ぁ・・・・ぅ・・・・・んんっ」
水に濡れた部分を中心に這い回っていく佐和の指。その指の動きに合わせて、佐和の体が震えていく。
「あ・・・・ぁ・・・んぅっ・・・・ふ・・・・」
陸に揚げられた魚の様に口をパクパクさせる。体を走る刺激に甘い声を漏らし、ビクンと体を仰け反らせた。
「は・・・・く・・・・ふ・・・・・ぅん・・・・」
つつつと指が胸に、そして秘裂へと進む。水着の上からそっと刺激を加えていく。
「んっ・・・・ふっ・・・・・ぅ・・・・」
ビクッと体を震わせる佐和へと男子生徒が寄っていく。その両手にはプールの水が掬われていた。それを見て、佐和は期待と恐怖が入り交じった様な微妙な表情をする。
そんな佐和を見下ろして、男子生徒は掬ってきたプールの水を佐和の両胸と股間にチョロチョロと垂らしていく。
「ひぅっ!! ・・・・は・・・・・ぁ・・・」
瞬間、佐和の体がビクンと大きく震える。そして、ハアハアと呼吸を更に荒くして、凄い勢いで胸と秘裂を弄りだした。
「あああああっ・・・・いっ・・・・・いいっ・・・・」
佐和はビクビクと体を震わせながら、指の動きを速くする。男子生徒は濡れたままの手を佐和の肌に滑らせていく。
「は・・・ぁあああっ!!」
唐突に増えた刺激に佐和はピンと体を仰け反らせたまま、のたうち回る。
男子生徒はそんな佐和を抱き起こし、佐和の水着をずらして胸を露出させた。そして、その窮屈そうにしまわれていた胸を揉む。
ふにふにと男子生徒の手の中で形を変える佐和の胸。その動きは佐和に更なる快感を与えた。
「あっ、あっ、あっ、ああっ!!」
男子生徒の腕の中で体を震わせながらも、佐和も自分の体を弄っていく。
水着をずらして、既にしとどに濡れている秘裂へと自らの指を差し込んだ。
「ああああああっ!!!」
絶叫がプールに響きわたる。佐和は男子生徒の腕の中でビクビクと震えながら、秘裂へと差し込んだ指を動かしていった。
ジュブジュブと水っぽい音が空へと消えていく。指が動く度に佐和はビクンと体を震わせていた。
男子生徒は佐和の胸を揉みながら、佐和に言葉を重ねていく。
「美波。お前は今から三つ数えるとイッてしまう。ものすごく気持ちいい。必ずそうなる」
そう言って、男子生徒は更に佐和の胸を揉み上げる。
「一つ」
「あぁっ」
ビクンと佐和の体が震える。ハアハアと呼吸を乱しながらも、一心不乱に指を動かしていった。
「二つ」
「ひぅぅっ!」
ブルブルと体の震えが大きくなり、それと共に溢れてくる愛液の量が増加していく。
きゅきゅっと佐和の筋肉が収縮していく。内に快感をため込んでいる様でもあった。
「三つ」
「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
喉が潰れそうな絶叫を上げて、佐和は男子生徒の腕の中で絶頂を迎える。体はビシリと硬直し、ピンと足の先に至るまで伸びきっていた。
数秒の硬直の後、呪縛が解かれたかの様にガクンと脱力する。
そんな佐和を持ち上げて、男子生徒はプールへと近づいていく。
そして、抱きかかえている佐和を思いっきりプールへと放り込んだ。
ドバンという音と共に激しい水飛沫が跳ね上がる。
突然のことに佐和は驚き、藻掻きながらプールの中で立ち上がった。
「ちょっ、何するんですかっ!!」
男子生徒の行動に佐和は非難の目を向ける。その視線を軽く無視して、男子生徒は服を脱ぎ始めた。
「ちょっ、えぇっ!?」
突然脱ぎだした男子生徒に驚き、佐和は慌てて男子生徒に背を向ける。
男子生徒は脱いだ服に水がかからない様に離して置き、男子生徒はプールサイドに腰掛けた。
「おい、いつまでそっちを向いてるんだ。よく見ろ、ちゃんと水着はいてんだろ」
「え?」
男子生徒の言葉に佐和はそろそろと振り返る。その視界にはちゃんと水着を穿いた男子生徒の姿が見えた。
ホッと胸をなで下ろした佐和は自分が全身濡れていることに気が付いた。
「はっ・・・・・ぁっ・・・・・・ぅ」
ビクンと体が震える。一気に達してしまいそうな刺激が全身に流れ、プールの真ん中で痙攣しだす。
そんな佐和を見て、男子生徒はハアと大きくため息を吐いた。
「馬鹿、何を身悶えているんだ。お前らが発情するのはプールサイドで水をかけられた時だろ。お前は今プールに入ってるじゃないか。それに全身ずぶぬれだったらどこにかけられたかなんて分からないだろ」
そんな無茶苦茶な論理に佐和の体の痙攣はピタリと納まる。そして、数瞬前まで佐和の体に流れていた快感は何処かへと霧散した。
「あ・・・・れ? そう、そうでしたよね? あれ? 私何やってるんだろ」
出たり消えたりする感覚と入れ替わっていく常識に戸惑う佐和。そんな佐和にプールサイドから男子生徒の声がかかる。
「ほら美波。さっさとこい。練習が始められないだろ」
「あ、すいませーん」
出たままになっていた胸を水着に戻すと佐和は男子生徒の腰掛けるプールサイドにすいっと泳いでいく。そして、次の指示を待つ様に男子生徒をプールの中から見上げた。
「息継ぎ・・・だな。今は口からだけで息継ぎをしているけど、鼻からも息を吸える様にした方がいいだろ」
「はいっ」
男子生徒の言葉に勢いよく頷く佐和。そんな佐和をにやにやと見下ろしながら、男子生徒は言葉を続けた。
「鼻で呼吸をする訓練にはフェラチオが良いんだ。フェラチオは知ってるか?」
「ふぇっ!?」
男子生徒の言葉を聞いて、佐和は顔を真っ赤に染める。その反応を見るだけで佐和がそれを知っている事は明白だった。
男子生徒はにやにやとしながら、佐和を促す。
「何変な声を出してるんだ。これは練習なんだぞ。練習なんだから変な事なんて何もないじゃないか」
「練習・・・・・練習・・・・そうですよね。練習・・・なんですよね」
かけられた暗示により、佐和の中の常識をねじ曲げていく。何回か男子生徒の言葉を反復した後、佐和は恥ずかしそうに頷いた。
「そう、練習なんですよね。わかりました」
これから自分がやることを想像して、頬を赤く染めながら佐和は男子生徒へと向かう。そして、水着に包まれた男子生徒の股間へと手を伸ばした。
そっと股間の膨らみに手を当てて、腫れ物でも触る様にやんわりと手を動かす。
濡れた手が男子生徒の水着に染みを作り、布越しの弱い刺激が、男子生徒へと流れていく。男子生徒のモノはその柔い刺激を受けて、徐々に力を増していった。
「どう・・・・ですか?」
「うん、気持ちいいけど、刺激が足らないね。じゃあ、フェラに行こうか。ほら、腰を上げとくから、海パンを下ろして」
「・・・はい」
男子生徒は腰を上げて、脱がし易い様にする。その間に佐和は男子生徒の水着の縁に手をかけて、水着を男子生徒の足から抜き取った。
そして、水着を男子生徒に渡し、佐和はじっと男子生徒のモノを見る
強く反り立ったその姿。そして、これから自分が行う行為に思いを馳せ、ゴクンと唾を飲み込んだ。
「ほら、練習なんだから、さっさとやる」
「・・・はい」
ぎゅっと目を瞑って覚悟を決めると、佐和は口を精一杯開けて男子生徒のモノを飲み込んだ。
「んぅ・・・うぇっ・・・・」
深く飲み込んでしまった佐和は呻き声を漏らしてしまう。
「頑張って吐き出さない様にね。これは鼻で呼吸する練習なんだから、口で呼吸しちゃ意味ないんだからね」
上からかけられる男子生徒の言葉に佐和はコクコクと頷きながら、頭を上下させていく。
「ん・・・ん・・・・・ん・・・・ん・・・・」
殆ど経験がないのか、ただ上下するだけの運動。単調な動きと、そして唾液が掻き回される音が二人の回りで鳴らされた。
「もっと舌を使って、アイスクリームを舐める様に。歯は絶対に立てないでね。ちゃんとこっちの顔を見てどこがいいかも確認するんだよ」
上から降ってくる男子生徒の指示。矢継ぎ早に降ってくるその指示にいちいち頷きながら、その指示をしっかりと実行する。
「あむ・・・・ん・・・・れろ・・・・ん・・・・」
「そう、そんな感じ。そのままパイズリにも行こうか。銜えたまま、胸を出して」
「ふぁい」
はむっと佐和は男子生徒のモノがうっかり抜けない様に奥深くまで飲み込む。そして、そのまま支えに使っていた手で水着の肩紐に手をかけた。
二の腕の途中まで下ろされる水着の肩紐。ゴムで押さえつけられる腕に挟まれて、押さえつけられていた胸がポロンと姿を現した。
「よし、そのまま俺のモノを挟んで動くんだ。流石に無理だろうから、口は放してもいいけど、これは鼻呼吸の練習なんだから、少しでも銜えられるようだったら、ちゃんと銜えるんだ」
コクンと佐和は男子生徒のモノを銜えたまま頷く。そして、更にプールサイドに体を寄せて、解放された胸で男子生徒のモノを挟み込んだ。
代わりに佐和の口が男子生徒のモノが離れる。佐和は自らの乳房で挟み込んでいる男子生徒のモノへと唾液を垂らして、前後へと動く。
しかし、水中の佐和が前後に動くためには、佐和はプールサイドに捕まらなければならないので、胸を押さえ込むことが出来ず、男子生徒にはたいした刺激にはならなかった。
「あ~。そっか。動くのに手を使わなきゃならないのか。う~ん・・・・仕方ねぇなぁ。もう一度、フェラに行こうか」
「はい」
佐和はコクンと頷くと、顔を寄せて男子生徒のモノを口内深く飲み込む。ぬめりという感触。先程の男子生徒の言葉を守り、佐和は男子生徒のモノを舐め上げていく。
「ん・・・あむ・・・・・れろ・・・・はむ・・・・ん・・・・」
ねっとりとした舌使いで男子生徒のモノを舐め上げる佐和はジッと、男子生徒の貌を見つめながら、頭を前後に動かしていく。
ピクンと男子生徒の反応する場所があれば、そこを重点的に、男子生徒に言われた通り、口を放さない様に刺激を与えていった。
「そう、その調子・・・・」
男子生徒は佐和の頭を掴んで、前後へと早く動かす。ジュブジュブという唾液の掻き回される音は速度を増し、それに比例する様に男子生徒の快感も増えていく。
「んっんっんっんっんっんっんっんっ」
じゅぶじゅぶと唾液が攪拌される音が漏れる。男子生徒は徐々に近づいてくる限界に耐えながら、佐和の頭を動かしていった。
「あっ・・・・くっ・・・・・美波っ、口に出すから零すなよっ」
ぎりっと歯を食いしばりながら呻く様に言う男子生徒。その言葉に佐和は口を話さずにコクンと頷き、そして、その刺激が引き金になった。
「でるっ! ・・・・・っ!」
「んんぅっ! うぇっ、ん!!」
男子生徒は力一杯佐和の頭を引き寄せて、その口内へと射精した。
ビクンビクンと震える男子生徒。喉深くまで突き込まれたモノの感覚、そして、その先端から勢いよく飛び出して、喉へと叩きつけられる白濁液の感覚に佐和は吐き出しそうになる。それを必死に耐えて、佐和は射精が終わった男子生徒のモノから口を放した。
つうと、口の端から白濁液が顎へと伝っていく。顔にその筋を残したまま、佐和は男子生徒を見上げた。
ハアハアと荒い呼吸をしたまま男子生徒は佐和を見下ろし、声をかけた。
「ちゃんと零さず受け止められたか? 口を開けて見せてみろ」
男子生徒の質問に佐和はコクンと頷く。そして、くぱぁと口を開き、舌に乗せてある白濁液を男子生徒に見せつけた。
「よし、じゃあ、次の練習にいくぞ。だが、その前にそれを飲み込んでおけ」
男子生徒の言葉に佐和は頷き、口を閉ざして喉を動かした。コクンコクンと喉が動き、佐和が白濁液を飲み込んでいる様を見せつける。
その間に男子生徒はちょっと横にずれて、プールへと入っていった。そして、佐和の後ろへと回り込み、出たままになっている胸に手を這わせた。
「んっ、やぁっ!」
突然の刺激に驚いて、佐和は体をくねらせる。嫌がる佐和を抱きしめ、男子生徒はその耳元に絶対の言葉を滑り込ませた。
「これも練習なんだ。水中でセックスをすると、キックの練習になるんだ。これは練習なんだ。だから嫌な事なんてない」
「れん・・・・・しゅう・・・・れん・・・・・しゅう」
男子生徒の腕の中で佐和は呟く。徐々に力が抜けていくのを確認し、男子生徒は再び胸へと手を這わせていった。
「んっ・・・・」
男子生徒の手の中で、佐和の胸が形を変えていく。ピクンと体を震わせて、佐和は快感の混じった声を漏らした。
「あ・・・・はぁっ・・・・ぅ・・・」
こりこりと既に勃起している乳首を刺激する。そして、もう片方の手で佐和の秘裂に触れていった。
ピクンと佐和の体が震える。この先にある快感を期待しているのか、頬が赤く染まっていた。
男子生徒はつつつと水着の上から佐和の秘裂をなぞっていく。その指の動きに合わせて、佐和の呼吸が荒くなっていった。
「ふ・・・・・んんっ・・・・・ぁ・・・・はぁっ・・・・」
「ふふっ、準備は良さそうだね。ほら、これが美波の中へと入っていくんだよ」
男子生徒はいきり立ったままのモノを佐和の股間へと擦りつける。その感覚に佐和は体を震わせた。
「はぁ・・・い・・・・・」
男子生徒は熱い吐息を吐きながら頷く佐和の手を取り、そっと自分のモノへと導いた。そして、佐和の耳へとそっと囁く。
「さあ、ちゃんと手を添えて。僕は水着をずらさなきゃいけないから、美波が自分で入れていくんだ」
「ぁ・・・・・・はぃ・・・・・」
佐和が男子生徒のモノを手に取ったのを確認して、男子生徒は佐和の水着に手をかける。
そして、秘裂を守る下の部分をくいっとずらし、秘裂を露わにする。
プールの水が佐和の秘裂を冷やし、ピクンと体を震わせた。
「さあ、美波。入れてみようか」
「・・・・ぁ・・・・・ぃ」
ぬめりという感覚が男子生徒のモノを包み込む。佐和の手に導かれ、男子生徒のモノは佐和の中へと入っていった。
ビクンと佐和の体が震える。佐和はハアと熱い吐息を漏らして、入り込んできた異物を歓迎した。
うねうねと男子生徒のモノを飲み込んでいく佐和の秘裂は敏感に男子生徒のモノを感じ取る。
「ぁっ・・・・はぁっ・・・・・んんっ」
「とても気持ちいいよ。美波」
そう言って、男子生徒は佐和の胸を揉み、ズンと腰を突き上げる。
プールの水が秘裂の中へと入っていき、その冷たさと体の中を走る快感に佐和は体を震わせた。
「あああっ!」
ズンズンと男子生徒は腰を動かす。水の抵抗があるのでそれほど早く動かすことが出来ないが、徐々にしかし着実に佐和の中に快感を伝えていった。
「ああっ、あぅんっ、はぁぁっ、あむんぅ」
叫びそうになる佐和の口に男子生徒は指をねじ込む。そして、指で佐和の口内を蹂躙した。
唾液が男子生徒の指に絡みつき、クチュクチュという音を立てて攪拌されていく。その動きに応える様に佐和も舌を動かしていった。
「んっ・・・むぅっ・・・・ふっ・・・・んんっ・・・・」
腰の動きに流されて、佐和の体が前後する。
ふにふにと男子生徒の手の中で佐和の胸が歪み、佐和に快感を送っていく。
「んっ・・・・んぅっ・・・・むぅっ・・・・・」
体の中に走っていく快感にビクンと佐和の体が震える。佐和の秘裂もうねうねと男子生徒のモノを逃がさない様に後から後から飲み込んでいく。その中の感触が男子生徒に言いようもない快感を与えた。
「くっ・・・ぅ・・・・・ほらっ、美波も動いてっ」
「ふぁっ・・・いぃっ・・・」
男子生徒の言葉に佐和はコクンと頷くと、プールサイドに体を寄せて自分からも動き出した。
「んんっ・・・・ふぅっ・・・・ふんっ・・・・・ぅんっ」
ばしゃばしゃとさざ波が立ち、二人の間を巡っていく。
ズンと秘裂の奥を突かれる度にビクンと体を震わせ、佐和は体を仰け反らせる。
キスをねだる様に口の中に差し込まれた指を絡め取り、プールの縁にしがみつきながら力一杯体を前後させた。
うねうねと閉じていく佐和の秘裂は中に差し込まれた男子生徒のモノをキュッと締め上げる。
「くっ・・・ぅぅっ」
佐和の震えが移った様に男子生徒の体も快感に震えていく。ギリギリと歯を食いしばって快感に耐えながら、男子生徒は佐和の耳へと口を寄せた。
「美波っ。お前は中に出されるとっ、イッてしまうっ。必ず、そうなるっ。わかったなっ」
「んんっ・・・・・・んんっ・・・・・」
男子生徒の言葉に佐和はコクコクと頷く。しかし、そんなことを確認せずに男子生徒は佐和に快感を送っていった。
ふにっと胸を握りつぶして、硬くしこった乳首をこりこりとつまみ上げる。そして、ズンと佐和の秘裂を深く突き上げた。
「んんんっ!! ・・・ふぅっ!」
ビクンと仰け反る佐和。ブルッブルッと体を震わせながら、快感を貪る様に必死に腰を振る。
冷えたプールの水と熱い愛液が秘裂の中で混ざり合い、奇妙な温度で二人の秘部を包んでいく。
うねうねと動く佐和の膣。ビリビリと背筋を走る快感が、男子生徒を限界へと押し上げていった。
「ぅっ・・・・くっ・・・・・でるっ!!」
ズンと佐和の奥深くまで突きこみ、男子生徒は射精した。
ビュクビュクと佐和の秘裂の中に吐き出される白濁液。その感触に佐和の秘裂がキュキュッとしまっていく。
「んっ!? あ、あ、あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
突然増した快感に佐和は絶頂へと持ち上げられる。大きく背を仰け反らせて数秒硬直した後、ビクンビクンと体を震わせて佐和は一気に弛緩した。
ハアハアと荒く呼吸をする佐和の中から男子生徒はモノを引き抜く。秘裂から白濁液がプールの中へと流れ出すのも気づかずに、佐和はプールサイドへと寄りかかった。
そんな佐和を尻目に男子生徒はプールから上がり、壁に掛けてある佐和のタオルで体を拭く。そして、脱いだ服を着ると、佐和をプールサイドへと引き上げた。
プールサイドにゴロンと転がり、荒い呼吸のまま空を見上げた佐和の視界の中心には男子生徒とその手に持った鍵があった。
男子生徒が鍵を回す。
「あ・・・・・・・・」
それを確認した瞬間、佐和の意識は自身の中へと埋没していった。
「聞こえますか?」
「・・・・はい」
男子生徒の言葉に佐和は答える。意志も感情も感じられない抑揚のない声に頷き、男子生徒は言葉を重ねていった。
「よく聞くんだ。今から話すことは全て本当のことになる。わかったね」
「はい・・・・」
「今から五分後。佐和は目を覚ます。その時、美波は今あったことを憶えていない。今日は一人で部活に精を出した。水着がはだけているのは休憩にプールサイドで横になっていた時にオナニーをしてしまったからだ。美波以外誰もここにいなかった」
「私・・・・・一人・・・・部活・・・・・一人・・・・・オナニー・・・・一人・・・・・」
ぶつぶつと呟く佐和を確認し、男子生徒はプールから去っていった。
蝉の合唱が辺りに響く。その合唱の中、きっかり五分後、佐和は目をさました。
「ん・・・あ・・・・・わた・・・・・し・・・・」
ぱちぱちと目を瞬かせ、体を起こした佐和は自身の違和感に気づいた。
茫然とした頭を動かし、その違和感の部分を確認してする。そして、今あったことを『思い出した』。
「きゃぁっ!?」
慌てて胸と秘裂を隠し、佐和は辺りを見回す。そして、誰もいないことを確認すると、隠したままそそくさと水着を直した。
「だ、誰にも見られてないよね・・・・プールだし・・・・私・・・・こんな・・・・・」
頬を赤く染めたまま佐和は立ち上がる。そして、ハアとため息をついた。
「もう上がろう・・・・溜まってんのかなぁ・・・・」
佐和は体をもじもじとさせたまま、ふらふらとシャワーへと歩いていった。
< 了 >