学校の校舎の裏。そこは古来より人目を避けた生徒達の待ち合わせや逢い引きの場所へと使われている。
綾瀬 晶はそこにいた。そわそわと落ちつきなく、きょろきょろと辺りを見回している。
人目を気にしながらも、待ち人が来るのを待つ。そんな姿がそこにはあった。
「あっ」
晶は嬉しそうな声を小さく上げて、顔を真っ赤に染める。
その視線の先には今まで待っていた相手の姿があった。
「待った?」
「い、いえ。今来たところです」
男子生徒の言葉に真っ赤な顔で大嘘を吐く晶。そして、そのまま俯いた。
そんな晶を見下ろして、男子生徒はにやにやと笑う。
「で? こんな所に呼び出して何の用?」
「え、あ、その・・・」
単刀直入な質問。その言葉に晶はもじもじと指を絡める。
「あ、そ、そう。今日はいい天気ですね」
そう言って見上げた晶の瞳に入ってきたのは灰色の空だった。
「あ・・・・」
「まあ・・・雨が降りそうって感じではないね」
その言葉に晶はさらに真っ赤に頬を染めた。深く顔を俯かせて、耳まで真っ赤になっている。
「で、なに?」
「え、えっと、その・・・あ、そう、そうだ。期末テストどうでした?」
「全クラスで後から1番」
「えっと・・・あの・・・す、すみませんっ」
晶は深々と頭を下げる。そんな晶を男子生徒は冷めたような目で見下ろしていた。
「で、何のようなの?」
苛立たしげに男子生徒は声を出す。その責めるような声の調子に晶は何も言えなくなってしまった。
じっと下を見つめて肩を震わせる。そんな晶の様子に男子生徒はちっと舌打ちをした。
「用がないなら、俺は帰る。まったく、無駄足をふんじまったぜ」
その言葉を残して、男子生徒はその場を離れようとする。
当然、晶はその気配を感じていた。
「あ・・・」
小さく声を上げたかと思うと、キュッと目を閉じて、覚悟を決めて眼を開いた。
「あのっ!!」
「んだよぉ」
面倒くさそうに男子生徒は晶を見る。そんな男子生徒のうざったそうな視線に晶は怯みつつも一気に想いを口にした。
「好きですっ! わ、私とつきあってくださいっ!」
その言葉に男子生徒はにやりという嫌な笑みを深くしたが、晶はその事に気付かなかった。
「いいぜ」
その言葉に晶は顔を綻ばせ、肩をホッと撫で下ろした。
男子生徒は晶の元へと戻り、くいっと晶の顎を持ち上げる。
2人はそのまま見つめ合う。晶は真っ赤な顔のまま男子生徒を見上げ、男子生徒は冷めた表情のまま晶を見下ろす。
どきんどきんと晶の心臓が大きな音を立てる。ふるふると睫毛を震わせて、晶は恐る恐る瞼を閉じた。そして、そのまま唇を前に突き出すようにする。
男子生徒はそれに応えるように顎から肩、そして晶の背中へと腕を回す。晶もそれを感じているのか、不安そうに身体をがたがたと震わせていた。
男子生徒はそんな晶を見ながら、そっと口をおろしていく。
「んっ」
そっとした、優しい口づけ。気持ちを昂ぶらせるだけの静かなキス。
長い長いその口づけから口を離す。
『キスをされると身体が疼いて仕方なくなってくるよ。晶がどんなにいやがっても身体はとても感じてしまうの』
聞こえない親友の声が晶の身体に染み渡る。晶の瞳はとろりと蕩け、その口は物足りなそうに小さく開く。
男子生徒は晶に応えるように再び口を近づけた。
「んんっ」
口を合わせ、そして、舌をつきだしていく。
再びのキス。だがそれは先程の物とは違い、荒々しい物だった。舌を伸ばし、晶の口を犯していく。綺麗に並んだ歯の上を舌で撫でる。その感覚で開いた間に舌を滑り込ませ、晶の舌へと絡ませる。ピチャピチャと唾液で音をならして、口蓋へと刺激を移行する。
「ふ・・・んっ」
晶はその舌の動きに翻弄されながらも、懸命にその身を委ねる。その貌を見れば、感じているのは明らかだった。
男子生徒の手が晶の胸へと伸びていく。制服の上からその胸を潰し、下からすくい上げる。その感覚に晶はピクンと身体を反応させる。
晶は驚きながらもその動きに身体を委ねる。
唇を離すと、晶の服をはだけて胸を露わにする。晶の胸はじっとりと汗ばんでおり、乳首はピンと勃っていた。
その乳房を口に含み、舌を這わす。もう片方の胸には指を這わし、晶へと快感を与え続ける。
「ああっ、んぅっ」
晶はその快感に乱されていく。あてどなくふらふらと宙を彷徨った手を男子生徒の頭に当て、愛しさと快感を求めて強く抱きしめる。
胸から伝わってくる快感に晶は天を仰ぎ、蕩けきった表情をうかべる。
男子生徒はくりくりと手で乳首を刺激し、反対側の乳首に歯を立てて刺激を与える。
「ひぁあ! ああああっ!!!」
突然の鋭い刺激に晶は大きな声を上げる。ブルブルと身体を震わせて、一瞬後固まった晶の身体から力が抜けた。
男子生徒は後ろへ回り、崩れ落ちる晶の身体を支えるように両手を胸と股間へと這わしていく。
先程とは違う、緩慢な刺激にびくんびくんと軽く身体を震わせて、晶は快感を貪っていく。
「お前のここはもう濡れているぞ。わかるだろ」
湿った下着の上から下着の中へと手を滑り込ませ、晶の愛液を絡ませていく。その手を晶の目の前へと見せつける。
「そんな・・・言わないでください」
「よく言うよ。こんなに感じる淫乱のくせに」
そう言って、男子生徒は再び晶の股へと指を滑り込ませた。つぷという音と共に柔らかい晶の中へと指は進む。ゆっくりとその指を動かし、同じくゆっくりと晶の胸を揉み上げる。乳首を潰し、くりくりと刺激を送る。
「あ・・・ひあぁ」
快感に翻弄され、晶は声が漏れるのを堪えきれない。僅かに開いた晶の口へと乳首を弄っていた指をねじ込み、口を蹂躙する。それと共に膣へと潜った指の動きを速くする。
水っぽい音が辺りに響き、それとともに晶の声も大きくなっていく。ビクンビクンと晶の身体が震え、キュッと瞑った瞼の間、眉間には快感に耐えるように皺が深く寄っている。
そんな晶を眺め、ニヤリと口だけで笑みを浮かべる。男子生徒はぐっと晶の中の責めを強くした。
くちゅくちゅとした小さな音だった水音がグチャグチャと大きな物へと変わっていく。晶の身体も大きく反応を変えていく。
「ひぅっ、ああっ、うぁぁ・・・」
男子生徒の指が中で動くたびに力が入り、その度に足の先や指がピンと張りつめ、ぴきぴきと晶の身体が固まる。上と下との相乗効果でさらに深い快感を感じていた。
「ほら、イケよ」
「ひっっぐぅぅっぅぅぅ!!!」
男子生徒は優しく囁くようにいい、晶のクリトリスを潰し、舌を摘み上げた。その刺激に晶は一層強く身体を固めて直後に脱力した。
男子生徒が解放すると、晶は男子生徒に寄りかかり、制服が汚れるのも構わず、ずるずると力無く座り込む。呼吸を肩で行い、視線は少し先の地面を見つめていた。
その視界を遮るように張りつめた物を前に出す。その意を理解できず、晶は男子生徒を見上げる。その表情は締まりがなく、その瞳はとろんととろけていた。
「今度はお前が俺を気持ち良くしてくれよ」
男子生徒の言葉に晶は顔を赤らめながらコクンと頷く。高価な陶器でも扱うような慎重な手つきでその張りつめた物に手を伸ばす。
触れた刺激にぴくっと張りつめた物が動く。晶は驚き、びくっと手を引っ込める。それでも気を取り直して、そっと、しかし今度はしっかりとその張りつめた物を掴む。
晶は恐る恐ると前後に手を動かす。ゆっくりとした晶の動きが男子生徒に緩慢な刺激を与える。
「う・・・もっと速く動かしてくれ」
その言葉に晶は手の動きを速くする。男子生徒の物の先から粘性の高い透明の液体が滲み出して、棒全体や晶の手に絡みつく。ニチャニチャという音が鳴り、肉棒の熱がどんどん高まっていく。それと共に肉棒は黒赤く染まっていき、毒々しい色になっていく。
晶の方も慣れたのか、ぎこちなかった手の動きは大分スムーズになっている。
「そう、その調子」
男子生徒は感じるままに顔を顰めて快感を受け止める。
ビクンビクンと肉棒は震え、男子生徒の感じた快感を表現する。そんな肉棒の先に晶は愛おしそうにキスをした。
「っ!!」
それが引き金となった。
晶の掴んでいる肉棒の先から白い液体が噴出される。熱を持ったその白濁は晶の顔へと降りかかる。晶の黒髪は所々白く汚れ、突然の状況に晶は呆けた貌をしていた。
男子生徒は晶の腰を引き上げ、校舎へと手を突かせる。
晶はその先にある自体を想像し、期待に胸を膨らませる。そんな晶の股間へと手を這わし、クチュクチュと晶の膣をまさぐった。その感覚に晶は悶え、背を反らせる。
男子生徒はその指を引き抜くと、指に絡みついた晶の愛液をぺろりと舐め上げると晶の膣へと肉棒を宛う。
「いくぞ」
「うん」
晶の声に緊張が走る。ゴクンと息をのみ、来るべき挿入の時を待つ。その瞬間はすぐに来た。
つぷ。
「っ」
晶はその感覚に思わず身体を硬くする。きつく閉ざされた肉の中をメリメリとこじ開けて熱い棒が突き進んでいく。
「ぅ、ぁ、あ・・」
中をこじ開け突き進む棒の感覚。その感覚に晶の声はどんどん大きく、甘くとろけていく。
「ああ」
そしてついに、男子生徒は晶の奥へと辿り着いた。晶の表情は喜びに満ちていて、とても幸せそうだ。
「お前の奥まで入ったのがわかるか?」
「はい・・・嬉しい・・・・」
その言葉に男子生徒はニヤリと笑う。
「本当に嬉しいか?」
「ええ、あなたと一つになれたもの。私、とても幸せ・・・」
恍惚とした貌で晶は言う。その瞳の端からは涙が零れ、頬を伝った。
そんな晶を嘲笑うように男子生徒は晶の耳元で指を鳴らした。
『晶はこの音を聞くと、暗示も催眠状態の時の記憶もそのままで元の晶に戻るんだよ』
今ここにはいない親友の言葉が頭を、骨を、体中を響き渡り、晶を地獄へと戻していく。
「いやあああああああああ!!!」
突然の大声。晶はその大声と共に中に入っているおぞましい物を引き抜こうと身体を動かす。
「動くな」
その声に反応し、ぴたりと晶の身体は動かなくなった。そして、男子生徒は動かなくなった晶の身体に絡みつき、身体に刺激を与えながら晶へと囁く。
「嫌ってなんだよ。さっき嬉しいって言ったじゃないか」
「っ、それぇはっ、あんたがっ・・」
体中から伝わってくる快感に途切れ途切れになる晶の声。動かないはずの首を無理矢理動かし、晶は憎しみの籠もった目で男子生徒を睨んだ。
「違うよ。分かってるだろ? あれはお前が自分から言ったんだ。俺はお前が俺を好きになるようにしかしていない」
その言葉に晶の敵意が鈍る。男子生徒の言っている事は本当だった。
「ほら、『思い出せよ』。さっきの事をさ」
晶の頭に先程の記憶が甦る。自分が言ってしまった言葉。自分がやってしまった事。そして、その時の自分の気持ち。
「気持ち良かっただろ? これはよ」
ドンという衝撃が晶を貫く。響いた重い衝動は晶のこころを蝕んでいく。
「やぁっ、あっ、いやっ!」
間断なく続く重く甘い響き。その感覚に否応なし晶は高められていく。晶は嫌々と首を横に振りながら、その感覚に背を反らせる。
「何が嫌なんだよ。一つになれて幸せって言ってただろ」
男子生徒のその言葉。それは晶にそのシーンを思い起こさせていた。
『ええ、あなたと一つになれたもの。私、とても幸せ・・・』
先程の自らの言葉、声、表情、心情。その全てが晶を襲い、そして決壊させた。
「うっ・・・」
晶はこみ上げてくるその感覚に咄嗟に左手を口に当てた。腹の中心から上へとこみ上がってくるその感覚。気持ち悪いその感覚を晶は必死に耐えていた。
だが、無常にも男子生徒の責めは続く。後ろからそれを助長するように送られる重い衝動。その感覚に耐えきれず、晶の口は開いた。
「うえぇ、うえぇぇぇぇっ」
びちゃびちゃと土の上に落ちていく吐瀉物。それは紛れもなく、晶の喉を、口を通り、晶の腹から押し出された物だ。男子生徒の責めと共に晶の吐瀉は続いていく。
「えぅっ、うぇっ、おぅえっ」
ずんずんと突き立てられるのに従って、短く途切れ途切れになる吐瀉。気持ちよさと気持ち悪さ、晶はその両方に苦しめられていた。
「吐いてやがる。そんなに俺のモノは嫌だってことか?」
「えぅ・・・うぇぇ」
晶の口から吐瀉が治まる。その表情は憔悴しきって、いつもの姿はまったく見えなかった。
ここぞとばかりに男子生徒のストロークが速くなる。胃袋の物を全て出し切った晶はその快感に引き上げられるだけだった。
「ひぐぅ!! あぅっ、ああっ! やぁっ!」
ずんずんと晶の中を突き抜ける快感。その快感に晶は舞を踊らされていた。汗と涙が辺りに舞い散り、ぎゅっと目をつぶった晶は折れそうなくらいに背を反らせる。
「もっとだ。もっと。お前はもっと感じる」
男子生徒が晶にそう囁くと晶の反応が著しく変わった。一突き毎に晶は止まり、奇妙な声を上げていく。それはもはや良く聞き取れず、声というより咆哮といった方が正しい。
晶の瞳にはおよそ意思という物が欠けており、その目の端からは涙が零れ、薄く開いた口からは吐瀉物の代わりに涎が垂れていて、悦んでいるような、苦しんでいるような、判断に苦しむ貌をしていた。
男子生徒が腰を動かすたび、晶は絶頂へと導かれ、そして休む間もなく次の絶頂へと引き上げられる。晶の心臓はもの凄い勢いで稼働し続け、血中のヘモグロビンは肺で取り込んだ酸素を体中の細胞へと運んでいく。
「いいか、あと10回突いたら、お前は最高に気持ち良くなる。そして、目覚めた時にはいつもの晶に戻るんだ」
男子生徒はそう晶に囁くと、腰の動きを速くした。
先程と同じ衝撃が晶に響く。だが、それは回を増す毎に強く、深く響いていった。
「あがぅ! がぁっ! うぁあっ!」
晶の声が校舎裏に響く。
「あああっ!! あぐぅっ!! ひぐぅっ!!」
何度も頭をぶんぶんと振り乱す。
「あ゛ぐ・・・がぁ゛・・・え゛ぐぅ・・・」
ぷるぷると背を反らし、ぎゅっと目をつぶったまま快感に苦しんでいく。
最後の一回。男子生徒は大きく抜けきる直前まで腰を引く、そして、一拍の間の後、勢いよく晶の中へと突き入れた。
「~~~~~~っ!!!!!」
晶は声にならない音を上げ、折れそうなくらいに背を反らせる。ぎゅっと膣内が絞り込まれ、その刺激に男子生徒は白濁液を晶の中へと解きはなった。
ドクドクと晶の中へと注ぎ込まれる白濁。その一瞬後に晶の身体から力が抜けきり、前のめりに倒れていく。その勢いでずるりと肉棒が抜け、晶は股間から白い液体を垂らしながら、自らの吐瀉物の上へと倒れ込んだ。
それから30分後、晶は目を覚ました。疲れ切った身体を起こし、辺りを見回す。そして、状況を認識しなおした。
汚れた制服。股間の精液。喉の痛みに髪の毛にこびりつく精液と吐瀉物の臭い。そして、先程の記憶。
その全てが晶を責め、晶はそれを受け止めるしかない。
晶は立ち上がると、制服を拾い上げて辺りを見回す。辺りに人がいないのを確認すると、近くの水道へと走っていった。
蛇口を開くと、流れ出した水で汚れきった自らの身体を洗い流す。
晶は自らの悔しさ、惨めさに強く歯を噛みしめて、ぎゅっと閉じた目の端からは大粒の涙が零れ落ちる。肩がひっくひっくとしゃくりあげ、小さな嗚咽がやがて激しい慟哭へと変わっていく。
流れる水をそのままに、その音をかき消すように晶は大声で泣き叫んだ。
< 了 >