キャッチ
いよいよ日曜日を迎えた。僕はこの日、遠足を翌日に控える小学生のようにそわそわしていた。
日曜日はいつものごとく、朝家を出て紀子のマンションに向かう。
紀子のマンションには既に涼子が来ていて僕を紀子と一緒に迎えた。
「いらっしゃい、一也君。どうぞ、上がって頂戴」そう言うと紀子は僕にスリッパを薦めた。
隣に居るのが涼子だと思うが、僕は軽く会釈をしてリビングに入っていった。
「一也君、紹介するわ。こっちが、片山涼子。ほらいつも話ている、私の大学の友達」
「はじめまして、一也君。お噂はかねがね紀子から聞いているわ。ヨロシクね」
「どうも始めまして。前田一也です。先生からは、涼子さんのこといろいろ聞かせていただいています。どうぞよろしくお願いします」僕は落ち着いて挨拶を交わした。
涼子は紀子から聞かされていた通りの人物だった。確かに、美人で金持ちと言うのが分かる。
紀子も決して貧乏とは言えないし僕も普通の家よりは多少裕福と思っていたが、涼子はまさにブルジョワであった。持っている物から小物、アクセサリーまでいわゆるブランドを身に付けているしそれが妙に似合っている。最近の女子大生がブランドを漁って身に付けているのがあるが、どことなく違和感があったが、涼子はそれがなく、ごく自然な感じで着こなしていた。
まぁ、雑誌のモデルとは言わないまでも、涼子はそこら辺のモデル顔負けのスタイルと美貌を備えているし紀子とはまた違った魅力の持ち主であった。
それから、30分ぐらい僕達は雑談をしてパソコンの話になった。
「涼子さんって、今日の予定とかどうなっているんですか?」僕は、涼子に聞いた。
「うん、今日は紀子の所以外予定は入れていないけど、どうして?」
「いえ、別に・・・。ちょっと気になった物で、それに今日の話は先生の方でどこまでやりたいかはまだ聞いていなかったし、僕は今日は夕方までかかるつもりで来てたので構わないんですが、涼子さんの方に予定があるかなぁと思って、それだけなんですけど」
「そうね、私も今日はこれで夕方ぐらいまで一也君に付き合ってもらおうと思っていたから・・・」
「付きあってか、私も今日は予定がないから付き合うわよ」
「はい、そうですか。わかりました。ところで涼子さん、あなたはパソコンの方はどうですか?」
「私は、紀子と似たり寄ったりよ。それ程詳しくもないし、でも興味が無い訳じゃないのよ。どちらかと言えば紀子がやるんだったら私もやりたいなぁって思っただけ。それで、今回一緒させてもらったの。お邪魔だったかしら?」そう涼子は聞いてきた。
「いや、お邪魔だなんてとんでもないです。むしろ美人二人に囲まれて光栄です。それじゃ、さっそくパソコンの方に向かいましょうか?」
そう言って僕は、パソコンの方に向かうように言った。紀子は「こっちよ」と僕と涼子を書斎に案内した。
今回は涼子がどれほどの実力かが分からないということで、パソコンの前に涼子、その横を2人で挟み込むように僕、そして紀子が座った。
そして、1時間ほど経った後、僕はおもむろに涼子に尋ねた。
「疲れません?」僕は涼子に尋ねた。
「そうね、ちょっと疲れたかしら、休憩しましょうか?」
「そうですね。ちょっと休憩しますか。そうだ、涼子さん、疲れた時に気分をリフレッシュするいい方法があるんですが、やってみませんか?」
「そうだ、先生も一緒にやりません?」僕は紀子にも尋ねた。
「私も・・・、いいわどんなの?」紀子はうなずくと、涼子もこう答えた。
「それじゃ私も」
「じゃぁ、先生も涼子さんも、まず腕をすっと伸ばしてまず、体の緊張をほぐしましょう」
そう言って、僕は背伸びをして肩の力をがくっと抜いた。
「先生、ほら背伸びしてみて、肩の力をがくっと抜いてみて」紀子は何の疑いもなく僕の言う通りに従った。
「今度は、涼子さん」そう言うと、涼子は紀子の真似をして、背伸びをして肩の力をがくっと抜いた。
「そうそう、二人とも体の緊張を解いてリラックスした気持ちになって下さい」
そこで、僕は、涼子と紀子をパソコンから一旦離し、二人がイスを並んで横同士になるように座り直させ、さらに話し続けた。
「それでは、涼子さんの緊張具合を図るので、まず、腕を組んで下さい。両手を合わせて指をぴんと伸ばして中指だけを離して下さい。そして、その中指に意識を集中して中指をくっつけない様にして下さい」そう言うと涼子は、両手を合わせて中指をぴんと張りくっつけない様にして、その中指をじっと見詰めている。頃合いを見計らって僕は、涼子に催眠誘導をかけていった。
「先生も、涼子さんと同じように腕を組んで、そうそう、そして中指に集中してください」
「涼子さん、意識を集中していると頭の中がボーッとしてきて僕の言う通りに体が動いてしまいます。あなたの指はあなたの意志に反して次第にくっ付いていきます。自分では、どうしようもなくくっついていきます」涼子の指がピクピクとしながら中指が徐々にくっ付いていった。
紀子も同じようにピクピクさせながら中指がくっついていた。
「ほら、だんだんとくっついていく。もう自分の意志ではどうしようも無い。ほーら、くっついた」
僕は、涼子に意識を集中し、涼子のタイミングで声を掛けた。紀子はそれに合わせて涼子と同じように反応していた。
「涼子さん、まだ緊張していますね。もっとリラックスしなきゃ」そういいながら、僕は涼子に紀子の時に使ったペンダントを取り出し涼子にそれを持たせた。
「先生は、リラックスして横から見ていてください。では、涼子さん、このペンダントの先をじっと見ていて下さいね」そう言ってペンダントにそっとふれ、揺れを止めた。
「涼子さんは、じっとしているからこのペンダントは揺れる訳無いですよね」こう言うと、ゆっくり涼子はうなずいた。「でも、僕は意志の力でこのペンダントを揺らせる事が出来るんです。それには、涼子さんの協力も必要です。涼子さんもこのペンダントの先をじっと見詰めてペンダントが揺れるイメージを心の中に描いて下さい。いいですね」そう言うと涼子はコクンとうなずいてペンダントに集中しているようだった。それを見ながら僕はこういった。
「ペンダントが揺れる。揺れる。揺れる。・・・」涼子の様子を見ながら僕は続けた。
「ほら、段々ペンダントが揺れて来ましたよ。ほら、揺れる。揺れる」涼子はペンダントに意識を集中している様で、眼をぱちぱちしながら、ペンダントをじっと見ていた。
横目で紀子を見ていると紀子は、涼子の持っているペンダントをじっと見詰めていた。
再び、僕は涼子に集中をして、誘導を続けた。
「ほら、ペンダントが段々揺れてきた。揺れが大きくなってきた。その揺れが大きくなって来るのと同時にあなたの体も段々と揺れてくる。左右に揺れる、揺れる。揺れる。・・・」
そう言いながら、紀子の時と同じように涼子に気が付かれない様にそっと肩に手を置き涼子の肩を左右に揺らし始めた。
「そう、ペンダントが揺れると同じようにあなたの体は左右に揺れます。揺れながらあなたは気持ちよくなってきます」今ではもう、涼子の体から手を放しているが、涼子はペンダントを持ちながら自然に体が左右に揺れている。再び、僕は紀子をちらっと見ると紀子も涼子の持っているペンダントに合わせて体が左右に揺れていた。
僕は涼子に「さぁ、体が揺れて来ると段々頭の中がボーッとして何も考えられなくなります。眠い。少し眠くなってきましたね。眠くなるにつれてあなたの体はもっと揺れてきます」
こう言って僕は涼子を深化させていった。この頃は紀子は非常にリラックスして体を揺らしていた。
再び、涼子を見ると、涼子の体はますます大きく揺れてきた。僕は、その様子を注意深く見守りながら頃合いをみはかって僕は、更に暗示を重ねていった。
「さぁ、今度はペンダントがぐるぐる回り始めました。ぐるぐる。ぐるぐる。ペンダントが回ると段々あなたの体も回り始めます。ペンダントに合わせてぐるぐる、ぐるぐる回る。回る、回る」
そうすると、涼子は今度は僕の手を借りる事もなく独りでにペンダントと同じく回り始めた。
「さぁ、ぐるぐる回ると、あなたは、さっきよりももっと何も考えられなくなります。今、あなたは自分で考える事が面倒で仕方ありません。そして、ぐるぐる回ると、気持ちよくなり、ずっと深い眠りに入ります。ぐるぐる、回る。回る。そしてふかーい、眠りに入っていきます」
横目でまた紀子を見ると紀子も涼子も二人とも体をぐるぐる廻し始めていた。
涼子も紀子も催眠深度が結構な深さに入ってきたようなので今度は、更に催眠深度を深める事にした。
僕は紀子に向かってこう囁いた。「紀子さん、あなたは深い所にどんどん落ちていきます。そして今度僕があなたの肩に手をおいてしゃべるまでリラックスして深い所をただよっていましょう。リラックスしていると非常に気持ち良く、何も考える気もしません。眠りましょう」
そう言うと紀子は体の力を抜いてイスに寄りかかりじっとした。
僕は再び涼子に言った。「さぁ、もう、眠いし、ぐるぐる回って体の力が徐々に抜けてきました。もう、ペンダントを持っている事はできません。さぁ、ペンダントが手から離れます」
そうして、涼子はペンダントを手からするりと落した。
「ペンダントが手から離れて、あなたの体の回転は止まります。そして後ろにすっと倒れます」
そう言いながら、僕は涼子の後ろに回り込み涼子が倒れて来るのに備えた。
「さぁ、倒れると体の力がすっと抜けて、あなたは体に力を入れる事ができない。そして、自分で考える事も出来ない。・・・。ふかーい、所にすーっと落ちていきます。何も考えられない。眠い、眠い。ふかーく眠りましょう」ここまで言うと僕は肩の力を抜いてリラックスした。
床に涼子が横たわっている。紀子はイスにもたれて完全に催眠状態に入っていた。もっとも、これまでの反復で紀子はものすごく催眠に対して反応が良くなっているし、僕の施術には特に敏感に反応するようになっている。紀子に対してはこのまま暗示を行ってもいつものように反応をするだろう。
今回は、涼子と紀子を同時に催眠誘導したが、これは僕の作戦だった。涼子一人よりも紀子と一緒にしかも、紀子も催眠にかかると集団催眠効果が現れ、通常一人の時よりも二人の方が催眠誘導に入りやすくしかも、紀子には以前に催眠誘導の経験もあり、今回の涼子の場合も紀子には事前に暗示を埋め込んでいた。
この他にもいろいろと安全策を埋め込んでいたのだが、その効果かどうか知らないが、見事にこの段階までは涼子の催眠誘導に成功した。
しかしながら、まだ、この状態での暗示はある程度有効だが、完全な深化をしなければいけない。
僕は、更に催眠深度を深めるために、弛緩法を繰り返し、涼子の催眠深度を深めていく事にした。
このプロセスも既に紀子で実行済みで、もくもくと作業を続けた。
床に横たわっている涼子に向かって更に暗示を与えていく。
「さぁ、あなたは次第に体に力が入っていきますが、まだ気持ちのいい状態のままで、自分で考えるのが面倒です。私が、あなたの肩に手を置くと腰に力が入って上半身が置きあがる事が出来ます」
「はい」そう言って、涼子の肩に手置き、涼子を床に座らせた。
「今度は立ち上がる事が出来ます。1、2、3、はい」そう言って涼子を抱きかかえながら立たせた。
そして、更に続けた。「さぁ、体に力は入りますが、未だにあなたは自分で考える事ができません。そして、眠っています。眠っていますが、私の言う声は聞こえるし、あなたの体は私の言う通りに動きます。しかし、私の言う事を聞いていると気持ち良くなり、私の指示通り体を動かすとすごく幸せな気分になります。なぜだか分かりませんが、私の言う事に従いたくなります。私の言う事に従っていると幸せな気分になります」こうして、涼子も紀子同様に僕の命令を聞くのに心理的に抵抗が無くなるように暗示を与えていった。涼子は、軽く眼を閉じ何も言わずに立っている。
「さぁ、これから、あなたに指示を与えます。私が手をパンと叩くと私の言った通りに動きます。でも、すぐに今よりももっと深い眠りに入ります。さぁ、眼を開けて私の眼を見て下さい。私の眼からあなたは眼が離せなくなり、更に深い眠りに入っていきます。3つ数えて手をパンと叩きます。そうすると、今行った通りに成ります。1、2、3、ハイ」そう言って「パン」と手を叩いた。
涼子は、眼をすっと開け眼をぱちぱち瞬いたが、すぐに僕の眼をじっと見つめた。
「さぁ、あなたは、私の眼から眼が離せない。じっと見ているうちに私の眼に吸い込まれていく」
そう言ってすっと涼子の顔に指を突き出した。
「僕の眼を見ていると段々瞼が重くなってくる。重くなる。今度は、私の指先を見詰めて目が離せない。どうしても指先から目が離せなくなります」涼子の視線が僕の眼から僕の指先に移った。それを見計らい僕はさらに言葉を続けた。「でも、私の指先を見ているとさっきよりずっと瞼が重くなり、眼を開けていられなくなります。段々瞼が、落ちてきた。ほーら、眠くなる、眠くなる」涼子の瞼がひくひく動き、段々眠そうに瞼が閉じてきた。涼子の瞳が閉じるかどうかの所で僕は、後ろに回り込んで言葉を続けた。
「さぁ、瞼が完全に閉じてしまいました。もう眼は開けられない、そして、眠い眠い。ますます、眠くなってくる。眠くなると体の力も段々抜けてくる」僕は、涼子の後ろから頭を持って更に暗示を与えていった。
「私が頭をぐるぐる廻すと更に気持ち良くなって体の力が抜けていきます。これから3つ数えると体の力がすーと抜けて更に深い所に落ちていきます。1、2、3、はい」
そう言って涼子の体を後ろに引いてやると涼子は、僕の体に寄りかかるように全身の力を抜いて、後ろに倒れてきた。涼子の体をそっと、床に寝かせると、更に僕は、暗示をかけていった。
「さぁ、あなたは、すっかり体の力が抜けています。頭、肩、背中、腰、腕、お腹、太股、ひざ、足」
僕は、頭の上から順々に体の部位の弛緩の暗示を与えた。
「もう、すっかりあなたは、深い眠りに入っています。あなたの体は全然力が入りません」
そう言って涼子の様子を見た。
涼子は浅く呼吸をして、すっかり体から力が抜けているようだ。
とりあえず、第1段階は成功した。
僕は、涼子に対しても冒険を犯したくないので今回は、また涼子の催眠耐性と、被暗示性の高さの確認、更に催眠深度を深めていくための予備催眠ということで、涼子が通常嫌がるであろうことは、やらない様にする。涼子の味見は、後のお楽しみということで、今回は涼子の被暗示性を高めて今後の催眠誘導に持っていきやすい様に予備の細工を行うにとどめる事にした。
「これから、あなたの事に付いていくつか質問を行います。あなたは、正直にその質問に答えます。決してうそはつけないし、隠す事もできません。それどころか、質問に答える事が楽しくてしょうがありません。いいですね」
「こくん」と涼子は、寝ながらうなずいた。
「これから、あなたは返事をする時、わかったら『はい、分かりました』と答える事が出来ます」
そう言って涼子を見ながら「分かりましたね?」と尋ねると、涼子は「はい、分かりました」と答えた。
ここで、涼子に集中するために紀子をリビングで寝かせる事にした。
僕は、紀子の肩に手をやりこう囁いた。「さぁ、あなたは深い所で眠ったまま立つことができます。そして、僕が手を引いてあげるので、立ち上がってリビングに行きそこのソファーで再び深い眠りに入ります。僕が起こすまで、あなたは決して眼を覚ますことはできません。さぁ、立ちましょう」
そう言って僕は紀子の脇を抱えて立ちあがらせると、紀子は夢遊病患者のようにふらりと立ち上がった。
僕は、紀子の手を引いてリビングに行き、ソファーに座らせると、再び紀子に言った。
「さぁ、眠りなさい。僕が起こすまで君は眼をさまさない。眠る、眠る、眠る」
そう言うと、また紀子は全身の力を抜いてぐったりとソファーに寄りかかった。
僕は再び、涼子の方に戻った。
僕は涼子に暗示を与えるために、もう一度立ち上がらせ、紀子のベッドルームに連れて行くことにした。
「さぁ、涼子さん。あなたは、僕がまた3つ数を数えると眼を開けて僕の言う通りに動くことができます。でも、あなたは今と同じ状態で、まだ、自分で考えるのは面倒ですし、僕の言われるままに行動すると気持ちがいい。それじゃ、数を数えます。1、2、3、はい」涼子はゆっくりと眼を開けたがその眼にはまるで生気がなく、ぼーっとしている。
「さぁ、涼子さん、立ち上がって」僕はそう言って手を差し出すと涼子は手を取り立ち上がった。
「さぁ、涼子さん僕に付いてきて」そう言うと、「はい」そう言って僕に連れられてベッドルームに入っていった。
「さぁ、涼子さん、僕があなたの額に手を置くとあなたはまた直に、深い所に降りていって深い眠りに入ります。それは、さっきよりもっと深くなっています。さぁ、ねむりましょう」そう言って僕は涼子の額に手を置いて涼子をさらに深い眠りに誘った。
ベッドに涼子は横たわり全身の力を抜いて眠っている。完全にリラックスしている様だ。
また僕は涼子に言った。
「さっきも言いましたが、これから、あなたの事に付いていくつか質問を行います。あなたは、正直にその質問に答えます。そうですね?」そう尋ねると、涼子は「はい、そうです」と答えた。
「それに、あなたは決してうそはつけないし、隠す事もできません。それどころか、質問に答える事が楽しくてしょうがありません。いいですね?」「はい」そう感情のない声で答えた。
「それでは、質問です。あなたの名前は?」
「片山涼子」
「生年月日は?」
「昭和56年5月7日生まれ」
「あなたの年は?」
「二十歳です」
「あなたは、今、好きな人がいますか?」この質問には、紀子同様に多少時間がかかった。
やがて、「はい」と答えが返ってきた。
「それは、誰ですか?正直に答えて下さい」
「別に恥ずかしいことではありません。ここで聞いているのはあなた自身の別の声です」
「私の声はあなた自身の声、自分の声です。自分自身の質問だし、ここにはあなた以外には誰もいません。何を言っても問題ありません。さぁ、安心して言ってみましょう」
この暗示が有効なのは紀子の時に実証済みだったが、涼子の場合にも効いたのか、それ以降の質問にはスムーズに答えてくれるようになった。
いろいろ、涼子自身のかなりプライベートの事を聞き出し、今日の涼子を調教するための暗示を与えるネタを仕入れた。紀子の場合もそうだったが、調教する際にその人物の持っているポリシーやどうしても嫌なことは強要できない。もし無理矢理強要すると催眠から必ずと言っていいほど醒めてしまう。
これは、人間の防衛本能によるもので、仕方の無い物だ。しかし、かなりの催眠深度まで深めた催眠状態なら感覚支配はおろか、人格支配、いわゆる催眠による二重人格も出来てしまう。紀子はいわばこの催眠による人格支配で普段の紀子と、奴隷の紀子の二つの人格を持ってしまった。僕は、今回の涼子も同じように2つの人格を持ってもらうようにしようと思っている。普段の涼子と奴隷の涼子。紀子の妹分。
意外にも涼子は紀子と同様に奥手だった。普段のちゃきちゃきした性格や、サークルに対してのオープンな参加など実は、みんなとがやがややるのが好きで構ってもらわないと嫌だけど、かと言って自分の中に深く立ち入られるのは好きではない。実にわがままな性格だった。
しかし、お嬢様の割に、貞操概念はしっかりしていて、結婚するまでは絶対にCまで行かないと本気で考えてもいた。そう言う訳で、涼子も処女だった。
催眠誘導を始めてから既に1時間が経過していた。そろそろ、一旦涼子の催眠を解いて調教を始めた方がいいだろう。紀子と違って涼子には今日1日で人格支配まで行くような深い催眠に持っていこうと思う。
今までの経過を見て分かったことだが、幸い、涼子は紀子よりも被暗示性が高く、短時間で繰り返し暗示を繰り返してもかなりの催眠深度まで行けると僕は思っている。
涼子には、何としても今日中に紀子の妹分になってもらう。
僕は、そろそろ頃合いだと判断して涼子を覚醒させてはまた再度催眠誘導を行うように反復催眠で催眠深度を急激に更に深くするようにした。
それで、まず紀子を助手にして手伝わせる方がなにかと都合がいいと思い紀子を覚醒させる事にした。
僕は涼子を催眠状態にしたままベッドルームに残し、リビングに向かった。
リビングでは紀子がソファーにもたれて全身の力を抜いて寄りかかっていた。眠っているように見えるが実は深い催眠状態にあるので、僕は紀子に暗示を与えて覚醒させる事にした。
僕は、紀子の肩に手をおきこう語り掛けた。「紀子さん、あなたはこれから僕が3つ数を数えると目が覚めます。そして、その後すぐにまたいつものように催眠状態になり、僕がキーワードを言った時と同じ様に奴隷の紀子になります。そして、いつものように合い言葉を言いましょう。いいですね?」
「はい」紀子はそう意志のない声でそう答えた。「よろしい。では、1、2、3、はい」
紀子は、しばらく眼をぱちぱちしていたが、すぐにまた意志の感じられない眼になり、こう言った。
「わたしは、あなたの催眠のとりこです」
「紀子、ベッドルームで涼子が眠っている。でも、まだそれ程深い催眠状態ではないんだ。それで、紀子に協力してもらいたいんだが、紀子は今から僕が涼子に催眠を掛けている間中ずっと側にいて、涼子と同じように催眠にかかっている振りをしてもらいたいんだ。もちろん、その間はずっと紀子は僕のかわいい奴隷のままだし、もし涼子と同じように催眠にかかってしまっても構わないよ。でも、僕が紀子に対しただけ催眠を覚醒するように指示するまでは、君は決して催眠からは眼を覚まさないで、ずっと奴隷の紀子のままでいるんだ。いいね?」
「はい、ご主人様。紀子は涼子とご主人様のそばにいて催眠術にかかった振りをします」
「よし、それに紀子、僕は涼子の催眠を一旦解いた後、涼子は軽い貧血になっていたんだ。
だから、僕と紀子で涼子を紀子のベッドまで運んだ。いいね」
「はい、ご主人様。涼子が貧血で倒れたんでベッドまでご主人様と運びました」
「よし、いい子だ。それと、涼子が一緒の時はくれぐれもご主人様と呼ばない様に気を付けるんだ。じゃぁ、ベッドルームに行こう」
「はい、ご主人様」そう言うと、二人で涼子が眠っているベッドルームに行った。
ベッドルームに行くと紀子には涼子の視線に入らない位置にいるように指示して、涼子に暗示を与えた。
「さぁ、良く聞いて下さい。涼子さん、今からあなたにあるキーワードを教えます。このキーワードは、普段あなたは覚えていません。心の奥底の中に無意識の状態で覚えています。普段のあなたは、決して思い出せませんが、私が、そのキーワードを言うと今のように深い催眠状態に入る事が出来ます。その時、あなたは、『わたしは、あなたの催眠のとりこです。』と言いましょう。そうすると、あなたは、今のようにすごく幸せな気分になれます。そうして、必ず、今のように深い催眠状態になります。それは、どんな場所でもどんな時でも必ずそうなってしまいます。それでは、キーワードを言います。『涼子は僕の催眠のとりこ』わかりましたか?」
「はい分かりました」涼子は答えた。
「それじゃぁ、私が、『涼子は僕の催眠のとりこ』というと、あなたはどうなりますか?」
「あなたが『涼子は僕の催眠のとりこ』と言うと、私はどんな時でも今のような深い催眠状態になって『わたしは、あなたの催眠のとりこです』と言います」そう、言った。
とりあえず、暗示はOKだ。これが、紀子同様に後暗示として有効かを実験してみる事にした。
「さぁ、今からあなたの催眠を解きますが、今まで私が聞いたりあなたに指示した事は全て忘れてしまいます。しかし、さっき言ったキーワードだけは、心の奥底で無意識で覚えています。でも、普段は忘れています。これから、5つ数を数えるとあなたは、気分良く目覚めます。1、2、だんだん眼が醒めてきて意識が戻ってくる。3、4、だんだん、はっきりしてきた。5。はい」涼子は、眼をパチパチして、はっとしたように気が付いた。
「ここは?」涼子は尋ねた。
「良かった。涼子、気が付いたわね」
「え?私どうしたの?」
涼子は何がなんだか分からないといった様子で少し動揺していた。
「涼子、あなた貧血で倒れたんで私と一也君とでここまで運んできたのよ。覚えてないの?」
「そう言えば一也君とリフレッシュするのにペンダントを見ているとなんだかボーッとなって・・・。それから、・・・、う-ん、思い出せない。でもちょっと気持ち良かったような気がする・・・」
「そうね。貧血になると血の気がすーっと引いて気持ち良くなることもあるそうだから・・・」
紀子は涼子に調子を合わせてそう答えた。
「ところで、涼子さん今は大丈夫ですか?」僕はそう尋ねると、涼子は「ああ、ありがとう、大丈夫よ」
そう答えた。
「そうですか、よかった。ところで、『涼子は僕の催眠のとりこ』・・・」
僕はそう言うと涼子は、すぐに眼を閉じて「わたしは、あなたの催眠のとりこです」と言った。
成功だった。紀子同様、涼子も僕の後暗示を受け入れ、キーワードによる催眠導入が可能になった。
僕は、ここで、さらに涼子に深い催眠深度に達するように反復催眠を掛けるようにした。
「さぁ、涼子さん眠って。ふかぁーく眠って。眠い、眠い。自分でもどうする事も出来ないぐらい眠い。さぁ、眠りましょう。ふかーく、深く、眠ります。そう、深い、深ーい。ふかーい。眠い。眠れ、眠れ」
僕は、紀子に合図を送り、紀子にも同様に催眠の深化をするようにした。
「さぁ、涼子さん、隣には君の友達の紀子さんも同じように眠っています。紀子さんもあなたの隣にいるので、とても心強いです。今からお二人にもっと深い所に行ってもらいます。でも、二人でいるので決して恐くありませんし、すごく幸せな気分になります。さぁ、二人ともふかーく眠りましょう」
そう言うと、僕はそっと紀子の額に手を置いた。
そうすると紀子は、すーっと眼を閉じて涼子の横で涼子と同じように脱力してベッドに横たわった。
「涼子さん、さぁ、起きてベッドの上に座ることができます。でも、起き上がって眼を開けてもあなたはこのままの状態で僕の声は聞こえますが、自分で考えることができません。僕の言ったことに従うことはできますが、自分では考えるのも面倒で、言われたことしかしません。いいですね」
「はい」涼子は抑揚のない声でそう答えた。「では3つ数を数えるとベッドに座ることができますが今の状態のままです。1、2、3、はい」そう言うと、涼子はのろのろとベッドに座りこんだ。
眼を開けてはいるが、その瞳の輝きは生気を失い完全に意志の力が感じられないそんな眼をしていた。
「涼子、君は今、紀子の部屋に来ている。ここには君と紀子以外には誰もいない。僕の声は聞こえるがこの声は誰がしゃべっているか気がつかないし、気にもならない。ここには、紀子と君だけだ。さぁ、涼子、あなたの眼は今から服が透けてみえる眼になる。あなたの眼には眼には見えませんが、服が透明になる眼鏡をかけています。ですから、これからあなたが見る物は服がすけて見えます。3つ数を数えるとそうなりますよ。1、2、3、はい」
「涼子さん、紀子さんの姿は見えますね?」「はい」「では、涼子さん、今紀子さんはどんな格好をしていますか?」涼子に尋ねると涼子は2、3度瞬いてこう答えた「紀子は下着だけで私の横で眠っています」
「そうですね。じゃぁ、ひょい。眼鏡をはずしましたよ。今度はどんな格好ですか?」
「はい、あら、今度はちゃんと服を着ています」「そうですか、わかりました」
「じゃぁ、眠ってください。また深い所に行って眠りましょう。眠い、眠い。眠りましょう」
僕は再び涼子を眠らせた。そして、催眠の深化をしやすい様にすることにした。
「さぁ、涼子さん。僕があなたの額に手をあてるとあなたは再び深い所に行きます。そして今のように深い催眠状態になります。いいですね?」「はい」そう涼子は答えた。
「さぁ、涼子さん。これから数を100まで数えてもらいます。そして、1つ数える毎に深い催眠状態になり、100まで数えると今よりもっともっと深い催眠状態になります。それじゃぁ、1から数えてください」
そう言うと、涼子は、「1、2、・・」とゆっくり数を数え始めた。
途中、途中で僕は涼子に暗示を織り込んで与えた。
「15」
「あなたは、ものすごく深い催眠状態になりました。でも、まだまだ、数を数えるとちょっとづつですが、もっと、もっと深い催眠状態になります」
「40」
「あなたはものすごく深い催眠状態になってきました。もう自分で考える事ができない。でも、僕の言う通りにするとすごく気持ちがいい。そして、幸せな気分になります。数を数え続けるとその感じが段々強くなってきてますます気持ちが良くなります。そして深い、深い所に行きます。さぁ、数を数えましょう」
そういう風に繰り返した。
涼子は80ぐらいで数を数えるのを止めた。僕は、どうしても眠くてしかたなくなったら数えるのを止めてもいいと言っておいた。ここまでくれば、かなりの催眠深度に達していると思うが、僕は、まだ、念の為に覚醒し、さらにもう一度同じプロセスを試して慎重に催眠深度を深めていった。
「さぁ、また、5つ数を数えると、涼子さんあなたは、眼を覚まします。でも、眼を覚ましても僕の眼からは眼が離せない。そして僕の瞳にすーっと引き寄せられる感じがして、また再び深い催眠状態に戻ります。さぁ、5つ数えます。1、2、段々眼が醒めてきた。3、すっきりした気分になる。4、ほーら段々頭がすっきりした。5、はい」涼子は再び、眼をパチパチさせたが、僕の眼をじっと見詰めて瞬きしなくなった。
そして、しばらく僕の眼を見ていると眼がすーっと閉じてまたベッドに眠った。
「さぁ、涼子さん、体の力を抜いて、リラックス、リラックス。さぁ、ふかーい所に行きます。そして深く眠りましょう。眠る、眠る・・・」涼子は、すっかり反復催眠のおかげで催眠状態に移行するのが上手になった。そして、今ではもう紀子と同じように人格支配をしても問題ないレベルに達していると僕は考えた。そして、僕は仕上げに再度催眠深化を施した。
「さぁ、涼子さん今あなたは、ベッドに横たわりながら眠っていますが、あなたの眼の前には大きなビルが見えます。あまりに大きなビルなので何階建てか分かりません。それじゃ、涼子さんそのビルを1階から順番に屋上に向かって数えて行きましょう。そして、あなたはその階数を数えるたびにあなたは、今よりより深い所に行って深い催眠状態になります。そうすると、あなたの右腕は、あなたの意志に関係なく自然と持ちあがっていきます。自然と持ちあがると同時にあなたの意識は深い所に沈んでいきます。そして、深くより深く、眠ってしまいます。さぁ、階数を数えましょう」
涼子は「はい」とまた意志の感じられない声で答えると「1階、2階、3階・・・」と数え始めた。
「10階」涼子の腕がほんの少し浮いている。
「さぁ、どんどん深い所に沈んでいく。でも、何も恐くはありません。幸せな気分です。とっても気持ちがいい。ふかーい、ふかーい所に行きます。さぁ、眠い、眠い。眠ります、どんどん深く眠ります」涼子に階数を数えるのを続けさせた。
「30階」
腕は、半分以上上がっている。
「さぁ、涼子さん、あなたはさっきより随分深い眠りにつきましたが、まだまだ深く眠ります。眠い、眠い。眠りましょう」「50階」涼子の腕はほとんど真上に上がっている。
僕は、頃合いを計って涼子に弛緩の暗示を与えた。
「60階」
涼子が60階まで数えると涼子の右腕は完全に真上に上がっていた。
しかし、指先には力がまるで入っていない状態でまるで見えない手で手首を持たれて真上に手を挙げさせられているような感じがしている。
涼子が70階を数えると僕は、涼子にこう言った。
「さぁ、君の右腕は君の意志とは無関係だが、急に重りが付いたように重くなった。重くなったので、もう腕をあげることができない。さぁ、腕の力を抜いて腕を下ろそう。そして今度は、その右腕はどんどん力が抜けて落ちていく。そして、力が抜けると同時に君は深い、深い催眠状態になっています。もう、腕は上がらない。落ちる」
そう言うと、涼子の右腕はすーっと下がり、ベッドに降りていった。ベッドに降りても脱力していて、心なしか左腕よりも深くベッドに沈んでいるように見える。
「さぁ、涼子さん、あなたは、ものすごく深い催眠状態です。僕の言うことを聞いて僕の言う通りの行動をとればとても気持ちが良く、そして幸福感が感じられます。僕の言う通りに動くととても幸せです。これから、あなたに暗示を与えます。その事は、普段のあなたは忘れていますが、心の奥底の無意識のうちにそれを覚えていて決して忘れません。ですが、いつものあなたはその事を忘れていることすら忘れてしまっています。いいですね?」
「はい」涼子は、そう答えた。
「さぁ、今からあなたは僕の奴隷として生まれ変わります。あなたはいつでも僕が『涼子は僕の催眠のとりこ』というと、今の様に深い催眠状態になって僕の奴隷になります。奴隷になると、『涼子は僕の催眠のとりこ』と言う事ができます。いいですね?」
「はい」涼子はそう言った。
「涼子、奴隷になったら、必ず『はい、ご主人様』と答えなさい。そして僕が確認をしたらその内容を理解したかどうか分かるように僕に対して復唱しなさい。いいね?」
「はい、ご主人様」
「よろしい、それじゃ、3つ数を数えると君は僕の奴隷に生まれ変わるんだ。1、2、3、はい」
涼子は何もなかった様にぼーっとしている。
僕は涼子に聞いた。
「涼子、お前は僕の何だ?」
「はい、ご主人様。私はあなたの奴隷です」そう答えた。
これで、僕は晴れて二人のご主人様になった。
僕はお祝いに、紀子で遊ぶことにした。
俺は紀子を起こす事にした。僕は、紀子の肩に手を置いた。
「さぁ、紀子さん、あなたはこれから3つ数を数えると、自然に目が覚めます。自然に目が覚めますがあなたは、いつものように僕の奴隷になっています。1、2、3、はい」そう言うと、紀子はこういった。
「わたしは、あなたの催眠のとりこです」
「紀子、これから涼子をお前の妹分にしてあげる。良く見ておきなさい。これから、涼子の催眠誘導は一部紀子にも手伝ってもらうことになるからね。いいね」
「はい、ご主人様。良く見ておきます」
紀子を可愛がる前に涼子と紀子に新しいキーワードを教えることにした。
と、言うのも今のキーワードはひとりひとりが対象なので二人同時に催眠状態にするには非常に不弁なキーワードなので僕は新たにもうひとつ二人にキーワードを与えることにした。
僕は、紀子と涼子の額に手をおいた。とたんに二人は深い催眠状態になった。
「さぁ、二人とも良く聞いてください。これからあなたたちに新しいキーワードを教えます。そのキーワードを聞くと、あなたたちは、いつでもどんな時でも今のように深い催眠状態になります。そして紀子はいつものように淫乱な催眠奴隷に、涼子も催眠奴隷になります。そして、催眠奴隷になった証拠に紀子は、『わたしは、あなたの催眠のとりこです』と言うし涼子も『わたしは、あなたの催眠のとりこです』と言うことができます。二人に同時に僕が、『あなたたちは僕の催眠のとりこ』というとすぐにそうなります。わかりましたね」
そう言うと、紀子と涼子は同時にこう答えた。「はい、ご主人様」そこまでは、揃えて答えたが、後はそれぞればらばらで答えているので理解しているという事は分かったが、各人が何を言っているのか分からないので僕は新たにもう一つ指示を付け加えた。
「僕が、二人に指示をする時はかならず、一人ひとり答えなさい。僕が特に指示しない限り涼子は紀子の後に答えるんだいいね、分かったね?」そう言うと、紀子は「はい、ご主人様。まず私が返事をしてその後に涼子が答えます」そう言い終わると、涼子は「はい、ご主人様。わたしは紀子の後に答えます」
そう答えた。
「よろしい、それでは、今言ったことは、二人とも普段は忘れていて心の奥底の無意識のうちに覚えておくんだ。そして、僕が、『あなたたちは僕の催眠のとりこ』と言うと今のように催眠状態になるんだ。わかったね?」
「はい、ご主人様。私は普段は忘れていますが、ご主人様が『あなたたちは僕の催眠のとりこ』と言うとすぐに催眠状態になり、『わたしは、あなたの催眠のとりこです』と言います」そう紀子は答えた。
そして、涼子も「はい、ご主人様。私は普段は忘れていますが、ご主人様が『あなたたちは僕の催眠のとりこ』と言うとすぐに催眠状態になり、『わたしは、あなたの催眠のとりこです』と言います」そう答えた。
僕は、さっそくこのキーワードを確かめておこうと二人を覚醒させることにした。
「さぁ、二人とも眼を閉じて」そういって二人の額に手をあてた。ふたりはすーっと眼を閉じた。
「さぁ、二人とも、良く聞いてください。これから二人を起こしますが、今まであった事はすべて忘れてしまいます。これは、紀子には既に教えていますが、涼子さん、あなたはこれからも催眠を解かれたら、催眠中に起きたことや聞かれた事なんかは全て忘れてしまします。これは、僕がこれからいちいち涼子さん、あなたに言わなくても自然に催眠中の事は忘れてしまいます。でも、僕が、いつものように心の奥の無意識のうちに覚えておくように言ったことは、普段は忘れてしまいますが、必ず無意識のうちに覚えておきます。そして、その時言ったことは必ずそうなります。いいですね?」「はい、ご主人様。私は催眠中にあった事は全て忘れてしまいます。でも、ご主人様が無意識のうちに覚えておくようにと言ったことは必ず無意識のうちに覚えていて、決してわすれません。でも、普段のわたしはその事を全く覚えていません」
「よろしい、紀子もいいね」
「はい、ご主人様。私も涼子のいった通りにします」
さぁ、催眠中の事は忘れますが、僕がこれから言うことはその忘れた催眠中の出来事の代わりに君たちが体験したことです。これは、催眠から覚醒した後で、本当にその事があったと記憶しています。
それに、細かい所はあまり気になりません。それにそんなことはすぐにどうでも良くなります。疑問点なんかは忘れてしまいましょう」そう言って僕はふたりの催眠中の偽の記憶を植え付けた。
「それでは、二人を起こしますが、目が覚めた後、時間は僕の言った時間になっています。時計を見てもその僕がいった時間で間違いがない様に見えます。それじゃぁ、二人とも3つ数を数えると目が覚めます。1、2、3、はい」
目が覚めると、二人とも何でベッドルームにいるか不思議そうにしたが、僕が、さっき涼子さんが貧血で倒れていた。という記憶を与えていたので、二人ともその記憶を無意識に補完していた。
それに、細かいことや、疑問点なんかはすぐに忘れて気にしないという暗示が効いているので、ふたりとも、「そうね」と言って納得した。
「ぼくは、ああ、もうお昼の12時ですね」と声を掛けた。
紀子は「そうね、ちょうど12時ね。お昼にしましょう。私作るから二人ともリビングで待ってて」
そう言った。
涼子は、「サンキュー、紀子」そう言ってベッドから起き上がり「さぁ、一也君リビングで待ってよう」
そう話して歩いていった。
部屋の時計は、3時30分になっていたが、二人には12時ジャストに見えたんだろう。よしよし、ちゃんと感覚支配の後催眠も効いているようだ。
僕は、二人の後について行きベッドルームから出る際に二人にこう言った。
「あなたたちは僕の催眠のとりこ」二人はすぐに催眠状態になりその場に固まった。
「わたしは、あなたの催眠のとりこです」まず、紀子がそう言って、その後すぐに、涼子もこう言った。
「わたしは、あなたの催眠のとりこです」
「よし、紀子、今から昼食を作ってくれ。僕と涼子はベッドルームで待っている。それで、僕が呼ぶまで紀子は食事の準備をして待っていなさい。何かあったら僕が紀子の事を呼ぶから」
そう言うと、紀子は、「はい、ご主人様。急いで昼食をご用意いたします。ご用がありましたら、呼んでください。ご主人様が呼ばれるまで私は食事の準備をして待っています」そう答えた。
「よし、それじゃ涼子、ベッドルームに戻るんだ」「はい、ご主人様」
涼子はそう言ってベッドルームに戻ってきた。
「涼子、これからお前を可愛がってやる。ただ、お前はまだ、俺の奴隷になったばっかりだからどういう風に俺にご奉仕しなければいけないかが分からないと思うからそれは、この後、紀子のしている事を良く見て勉強するんだ。わかったね?」
「はい、ご主人様。私は紀子がご主人様にご奉仕するのを見て勉強します」
「よろしい、涼子。奴隷はご主人様に奉しするのが何よりもうれしい、幸せなことだね。そだよね」
「はい、ご主人様。奴隷はご主人様にご奉仕するのが何よりも大好きです」
「そうだ、涼子。それに僕が涼子に命令すると涼子は喜んでその命令に従うよ。そして僕の言う通りにやるとすごく気持ちがいい。そしてすごく幸せな気分になる。いいね?」
「はい、ご主人様。ご主人様のご命令を実行すると私はすごく幸せな気持ちになります」
「よし、涼子。ご褒美に涼子を可愛がってあげよう。涼子は、これから僕にされることは何でも気持ちが良くなってしまう。たとえ僕が涼子のほっぺたをぶったとしてもそれは涼子にとってとても気持ちのいい事に感じてしまう。僕がやることはそれがたとえ激しい痛みでもその激しい分だけ、涼子の快感は気持ちのいい物に感じてしまう。僕がやることはすべて快感に変わってしまうんだ。さぁ、涼子、服を脱ぎなさい」
そう言うと、涼子は、服を脱ぎ始めた。
「恥ずかしがることはない。涼子は僕の命令の通り実行するとすごく気持ちがいい。幸せになれるんだ」
そう言うと、涼子は何も躊躇せずに服を脱いだ。
さぁ、下着も残らず脱いで裸になってベッドに横になりなさい。
そう言うと涼子は、下着をすべて脱いでオールヌードになり、紀子のベッドに横たわった。
僕は、涼子の横に寝て涼子をそっと抱き寄せるとキスをした。
涼子には、そのキスは今まで感じたことのないような甘いキスだったようで、それだけで、下半身が疼いてくるようだった。そして、涼子の形の良いオッパイを鷲掴みにして、僕は乱暴にしごいた。
涼子は僕に手荒くされればされるほど、感じているようで、完全に暗示通りに痛覚が快感に変わっていた。
涼子は2,3分僕の手荒い愛撫を受けると涼子のオマ○コはまるで、洪水のように愛液で潤っていた。
これは、紀子よりお汁が多いな、ふと俺は思った。僕は、キスをして、片方の手を涼子の股の間に移動した。
そして、濡れている涼子のオマ○コに僕の指を入れて思いっきりかき回した。
涼子は、「ひいぃーっ」と悲鳴なのか喘ぎなのかわからない声を上げて僕の指を自分のオマ○コの奥まで入れるように体をひねった。
そこで、僕は、自分の服を脱ぎ、ポケットからコンドームを取り出すと、すばやくコンドームを自分の息子にかぶせて涼子に侵入していった。
涼子は、今いままで感じていた快感のおそらく何倍もの快感を感じていた。催眠による性感度のアップと僕から受ける行為は、全て快感に変わり、ロストバージンの痛みすら快感に変わっていた。
つまり、涼子も紀子同様、僕とのセッ○スで、おそらく処女では味わえない最上の快楽を味わったのだった。
そして、僕は、また紀子同様に、涼子もこの催眠奴隷でいることの快感を覚え込ませるために、涼子がエクスタシーを迎えて放心状態になった時に再度催眠暗示を与えた。
「涼子、お前は僕の奴隷でいる限りこの快感を得ることができる。でも、他の人間と仮にセッ○スしたとしても決してこれほどの快感は得られない。それに、この快感と同時に君は奴隷でいることの幸福感で満たされている。さぁ、口に出して言いなさい。『私は一生あなた様の奴隷です。一生ご奉仕させていただきます』と」
そう言うと、「はい、ご主人様。私は一生ご主人様の奴隷です。一生ご奉仕させていただきます」そう言った。
これで、涼子も紀子同様に完全に俺の奴隷に生まれ変わった。
さぁ、これからが忙しくなるぞ、なんせ今までの倍の量の調教が必要になるからな。
涼子を奴隷にする儀式が終わって、僕は涼子に言い僕の物をフェラできれいにさせながら僕は、紀子に声を掛けた。
「紀子、食事の準備は終わったか?」
「はい、ご主人様。もう少しで終わります」
そう答えてきた。僕は満足げに頷くと、涼子に命じてフェラチオを終わらせ、服を着て食事を食べにリビングに向かった。
< 続く >