第二話 「秘蜜の歌」
くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ……。
「んっ……」
塾のテストを受けに行った日から続いているお風呂での一人遊び。イケナイ事だと思う。でも、何かほわほわして気持ちいいの。
身体を洗いながら、泡だらけでお股のポッチをこすりつける。
親指と人差し指でつまんだり、中指でこすったり、軽く潰したり。周りを弄るのも気持ちいい。
「はぁんっ」
大きな声を出したような気がして指を止めて辺りを見まわす。
ママにも気づかれてないみたい。ほっとした。
「くしゅんっ!」
あっ、いけない、風邪を引いちゃう!
シャワーを浴びて身体の泡を流して湯船に浸かる。
「ふぅっ……」
いつも気持ちいいんだけど、もっと……もっと先があるような気がする。
くちゅっ……。
ほとんど無意識に湯船の中でお股に手を伸ばした。
「はぁ……気持ちいい……」
くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ……。
「ん、んんっ……」
声が出そうになるのを必死で押さえる。
指が動くのが止められない。
「は、あっ……ふにゃあぁ~……」
視界がゆがみ、だんだんと暗転していく。ふわふわして、体が揺れているのが分かる。慌てて浴槽の縁に腕を引っ掛ける。
「だ、大丈夫!?」
お風呂の扉が開く。
ママだ。
「のぼせちゃったみたいぃ~……」
ぼふっ……。
わたしは自分の部屋のベッドに突っ伏した。
わたし、何をやっているんだろう……。
ベッドのサイドボードに乗っかった刀を持った四色の猫のぬいぐるみ付き目覚し時計をちょんっ、と指でつつく。
「ゆーきくん……」
片思いの彼のことを思い出す。
同じクラスの男の子。スポーツ万能ですっごくかっこいいの。他の男子は子供っぽいけど、ゆーきくんはすっごく大人って感じがする。
わたしも……ゆーきくんから見たら、子供っぽいのかなぁ……。
好きですって言えたら、ゆーきくんの彼女になれたら、どんなに素敵だろう……。
ゆーきくん……。
っと、いっけない、まだ明日の用意をしていないよ!
明日は理科・音楽・算数・道徳・体育……。体操服を持っていかなくちゃ。
ピンク色のランドセルに教科書を詰めながらも、ゆーきくんのことを考えていた。
明日は塾がある……。ゆーきくんとももう少し、仲良くなれるかなぁ……。
「ぴぴっ、ぴぴっ、ぴぴっ、朝でぅ、朝でぅ、起きるでぅ~」
目覚し時計の音が聞こえる。
う~……まだ頭がボーっとするよぉ・……。
ふらふらしながら、朝のおトイレに向かう。
こんこん……。ノッカーでおトイレの扉を叩いたけど、返事がない。わたしはドアを開けておトイレに入った。
扉のカギをかけて、ふたを開けて、パジャマのズボンとパンツを下ろして座った。
「ん……っ」
ちょろっ、ちょろちょろちょろちょろ……。
「はぁ……」
おしっこを出し終わると、トイレットペーパーでお股を拭いた。
「んっ!」
トイレットペーパーがお股のポッチに触れる。痺れるような甘い感じ。
次は直に触ってみる。
「ん、んんっ……」
お風呂じゃなくて、おトイレで一人遊びをした事もあるけど、朝からなんてはじめて。なんだか腰から下がふにゃふにゃする……。
お股の割れ目をなぞるように擦り、ポッチを揉みしだく。
「きゅぅんっ!」
お股からとろり、と透明な液体が溢れてきた。
「何?これ……」
初めて見る透明な液体。
粘り気があって、指と指の間を糸が引いている。
見ているとなんだか凄く恥ずかしい。
備え付けの小さな鏡を見ると、お顔が真っ赤になっている。
トントントン……。
びくっ!!
ドアがノックされた。
「麻奈ぁ、まだかぁ?」
あ、パパ。
「すぐ出まぁす」
わたしは急いで右手とお股を拭くと、慌てておトイレを飛び出した。
給食が終わってお昼休み。次の時間は体育だから、着替えなくちゃいけない。
体育はC組D組合同で、女子はD組で着替えるから、わたしたちC組の女子は隣のクラスに移動する。
男子はサッカーで女子はハンドボール。
白に赤のラインの入った体操服と、赤に白のラインの入った短パンを持って隣の教室に入ると、もう皆着替え始めていた。
教室の隅のほうで着替えをしている女の子、ランちゃんの姿が目に入った。ランちゃんはD組なんだけど、毎日のように遊んでいるお友達。
「あれ?ランちゃん、ブラジャーしてるんだ?」
ランちゃんはちょっとぽっちゃり系で明るい女の子。でも、おでぶって訳じゃないんだよ。前は体重とか凄く気にしていたみたいだけど、最近はそうでも無いみたい。
「うん、最近少しだけど胸が大きくなってきたみたいだから、スポーツタイプのブラを付けてるの。膨らみ始めは大切にしなければいけないんだって」
「そうなんだ……」
わたしは自分のシャツの隙間から胸を覗いて見る。
ぺったんこ。
うぅ……。ゆーきくんも胸のおっきな子が好きなのかな……。
なんかくやしい……。
「えいっ!」
むにっ!
わたしはランちゃんの胸を思いっきり揉んだ。
「ひゃぁっ!なにするのよ~!」
「ブラジャーなんかうらやましく無いもん、それそれ!」
「きゃはははは、くすぐったい、やめ、やめぇ~……」
ブラの隙間から手を突っ込んで、撫でるように揉む。男の子はいないからこれくらいいいよね。
「何バカな事やってるの?休み時間終わるよ」
あ、アオちゃんだ。アオちゃんはボーイッシュでスポーツ万能。時々男女ってからかわれるけど、アオちゃんは気にして無いって。
でも、そう言った男の子はアオちゃんにとっちめられちゃうから……やっぱり気にしてるんじゃ無い?
「ほら、早く着替えないと」
あ、わたし、まだ着替えてなかったよ。
はふぅ、なんだか凄く疲れちゃった。
男子のサッカーの授業に気を取られててちっとも集中できなかったし。
男子の体操服は白に青のラインの入ったシャツと、青に白のラインの入った短パン。色違いだけど、ゆーきくんとお揃いの服を着ているんだーっ、って思うとどきどきしちゃって……。
今までそんな事考えたことも無かったんだけどなぁ……。おかげで二回もボールを顔面にぶつけちゃった。
でも、やぁっぱり、ゆーきくんはかっこよかったなぁ~。
がらっ。
わたしは教室の扉を開けた。
「うっわ~っ!!なんだ!?お前!!」
え?え??え!?
ああっ!!ここ、自分の教室だぁっ!!まだ男子皆着替えているし、わたしもまだ着替えて無いよぉ。
慌てて扉を閉め問うとしたけど、ふと前を見ると、ゆーきくんが着替えていた。
太くは無いけど、運動部で鍛えた筋肉のある腕、セクシーなうなじ、むちむちとした太もも、真っ白なブリーフ……。
「あ、あ、あ……ごめんなさいっ!!」
わたしは慌てて扉を閉めると廊下を走り出した。
どきどきする。さっきのゆーきくんの姿が目に焼き付いて離れない。
わたしはおトイレに駆け込むと、カギを閉め、パンツごと短パンを下ろした。
くちゅ、くちゅ……。
急にお股がジンジンして、弄りたくなっちゃったから。
くちゅ、くちゅ、くちゅ……。
とろとろとした液がどんどん溢れてくる。
「はぁんっ!!」
わたしは無意識に出した声にびっくりして辺りを見まわす。凄くドキドキする。でも、指が止まらない。
体操服の裾を咥えて噛締めると、お股を弄るのを続行した。
頭の中に浮かんでくるゆーきくんの裸。ゆーきくんのおちんちんも想像して、いやらしいポーズもさせてみる。
ゆーきくん、かわいいっ!ゆーきくん!ゆーきくん!ゆーきくん!!
頭の中がゆーきくんで一杯になる。ゆーきくんがわたしにキスしてくれる。ゆーきくんが私のお股を触ってくれる。
ゆーきくん、かわいいっ!ゆーきくん!ゆーきくん!ゆーきくん!!
いつのまにかわたしは左手で胸を弄っていた。
「んっ、んんっ!!」
何か……何か来るっ!!
びくっ、びくっ、びくっ、びくっ……。
頭の中がはじけてスパークする。体中から力が抜けて、動けない。何?これ……。何?今の……。すっごく気持ち良い……。
動けない……沈んでいく……気持ちいい……。
今日は塾があるんだった……行かなくちゃ……帰らなくちゃ……。
< 続く >