第二話
ふざけるな!それは俺の名前じゃないか!
『ん?そうだぞ、俺はお前だ。そして催眠術師。なにもふざけちゃいない』
「存在自体がもうふざけてるんだよ。もういい、頼むから加奈と静香さんを元に戻してさっさと消えてくれ」
『うわっ、もう全然頼んでねーな。つうか、もったいなくないか?まあいいや、今度お前と俺が入れ替わったとき気が向いたらな、どっちにしろこの状態では無理だわ。それから消えろって方は俺に言われてもなー。キーワードを言って俺を起こしたのはお前だろ?』
「キーワード?なんだそりゃ」
『いやいや、お前こそふざけんな、俺を発現させるキーワードだよ、それ言わなきゃおれは出てこねーよ』
「いや、知らないけど」
『ははは、馬鹿だこいつ。ん?ってか後催眠暗示なんだからおまえが知るわけないのか。うん、じゃあ無理だね。それがないと俺がまた表に出ることも出来ないんだわ、残念!』
「それって、逆に言えば、俺が俺の知らないキーワードを言えば、どこだろうがまたお前が発現しちまうってことじゃないか」
『いや、もう本当にその通りなんだよ、宮本のおやっさんはどうするつもりだったんだろうね、まあ、一応フォローすると、俺が表に発現できるのは30~40分が限度みたいだぞ。大して深く設定したわけでもない俺を、十年以上後に完全に定着させるのは、いかに大催眠術師マンション宮本でも無理だったらしい』
「マンション宮本って、あのインチキ詐欺師がか?」
『・・・・お前まであんな報道に騙されるなよ。この俺の存在が何より彼の能力の証明。そうだろ?』
「そんなことはどうでもいい。つまり、あのときの催眠術のせいでお前は生まれたってことか。・・・なんでいまさら」
『そりゃ、おまえが「大きくなって」かつ「キーワード」を言ったからだろ。言っとくけどキーワードは俺も知らないぞ、おれはあのときの「にわとり」と同じなんだ。あのにわとりが自分のキーワードを知るわけがないだろ?まあせっかくなんだから仲良くやってこうぜ、兄弟』
「できるか!早く二人を戻していなくなれ」
『おまえさぁ、人の話聞けよ。 ・・・・それにお前は、本当にそれでいいのか?』
「どういうことだ?」
『何べんでも言うが俺はおまえなんだ、俺に対して変な見栄なんてはる意味なんて全然ないんだぞ。俺はお前がどこにエロ本を隠してるかも知ってるし、どんなタイプが好きか、どのページがお気に入りかまで知っていて、それは俺の趣味でもある。』
「何を言ってる?俺が望んでいたことだとも言うのか?おい!聞いてるのか!」
くそっ、・・・・・また返事がなくなった。俺が静香さんや加奈子があんな風になることを望んでいた?
そりゃ二人を始めて見たとき、俺は上がってしまってまともに目を見て話すことも出来なかった。
でも血なんてつながってなくとも今は二人は家族だ。
「ねえ、何で無視するの?」不意に妹が声をかけてくる。「ああ、ごめん」反射的に謝る。
加奈子が怒ってる場合、俺が悪いことのほうが圧倒的に多いのだ。
「早くバイブ入れてよ、・・・恥ずかしいんだから。」
そういって、その手にあまりに不釣合いな毒々しい赤のバイブを俺に手渡してくる。
「な、なあ、今日は学校休まないか?なんか・・そう!なんかお前熱っぽいぞ?」
「全然平気だよ、このくらい。大体、来週からはもうテストだもん。行かなきゃ。」
おれが反論できないでいるうちに、加奈子はゆっくりとショーツを半分くらいまで下ろし、再びスカートをめくる。
愛液で薄い毛がはり付いてしまうほど加奈子のあそこは濡れている。
「お願い。・・・早く入れて。」顔を真っ赤にさせながら小さな声で妹が言う。
『俺はおまえ』
さっき奴が言ったことが頭の中でぐらんぐらん回る。
俺のモノは正直に反応し、心臓が痛いほど鼓動する。
確かに俺は心のどこかで望んでいたのかもしれない。・・・・・もう抗うことは出来なかった。
しょうがないんだと自分に言い訳しながら、俺は今、バイブを加奈子の体内に沈めている。
せめてなるべく痛くならないように。
「んはぁ、んっ!、んっ、はぁ、はぁ」
しゃがみこみ、スカートの中に入っている俺に、加奈子の吐息と必死に洩らさまいとしている細いあえぎ声が聞こえる。
俺はその吐息に合わせてゆっくりとバイブをさらに奥まで入れる。
さほど大きくはないバイブは、かろうじて加奈子の中にそのほとんどが埋もれる。
そして一瞬のとまどいの後、加奈子はバイブの上からショーツをはき直す、切なげな吐息がもれる、リモコンをその脇に挟み、ゆっくりと自分でスイッチを入れる、濡れたショーツのせいでピンクに変わったそれは無慈悲に、そして当たり前に動きだした。
「ひゃ!んんっ」こちらに身を少しかがめた加奈子が震える。軽くイッたのかもしれない。
「ありがと、・・・・じゃあ行って来るね。兄貴も遅刻するよ?」ふらふらとそのまま玄関に向かう。
学校など、もうどうでもよかったが、「ああ」と生返事した後、急いで制服をとりに二階へ向かう。
少なくとも学校までの道のりはほぼ同じなのだ。ゆっくり歩いて20分、加奈子はあれを自分で外すことも出来ない。
階段を駆け上がり自分の部屋に着く。
半開きのドアを開けると湿った熱風が自分を通り過ぎた感覚を受ける。
そこでは静香さんが激しくお尻のバイブを手で動かしながら悶えていた。
「ああーーーあひぃ、くぅんぃ、んはぁーー」
半狂乱の状態であえぎとも叫びともつかない声を出し、もう片方の手であそこをくちゃくちゃと音が出るほどいじくり、びしょびしょに濡れたあそこから落ちる愛液が床を濡らしている。
立ち尽くす俺に気づくと、涙を流し俺に訴えかける。
「ひゃあ、ぁあーごひゅじんさま、だめっ、だめなんです。お、お尻、気持ちいいのにだめなんです、奴隷はごひゅじんさまのおち○ぽじゃないとイケないんですぅ」
「お願いしますお願いします、もう駄目なんです、このままだと静香は狂ってしまいます。おち○ぽくださいぃぃ」
静香さんは言っている最中もバイブを動かす手をやめない。
一連の朝の刺激に加え、一度も射精していないおれのモノは、はちきれんばかりに勃起していて、パジャマ越しのそれを、静香さんがよだれをたらしながら見ている。
いや、コレは本当に静香さんなのだろうか?
おれが無言で下を脱ぐとたちまち破顔し、「ありがとうございます、ありがとうございます」と心底うれしそうに繰り返しながら、ご主人様の気が変わらない内にと、ようやくバイブを動かす手をやめ、両手であそこを広げ、目線を上げて俺を見つめる。
おれは無言のまま、静香さんに自分のものを突き刺す。
なにかしゃべろうとしても、声が震えてしまって言葉になんてならないだろう。
「ひあゃぁぁーあああーー!」
入れた瞬間、静香さんは最初の絶頂に達する。けっしてうまくなんてないだろう俺の一刺し、一刺しに静香さんは今まで以上の声で喘ぐ。
「ああぁぁだっ、駄目!またイっク、ひぃぃ」
おそらくは催眠によってイケなくされていた体は、リミッターがはずれた今、絶頂を繰り返し続ける。
「ああぁぁぁぁーひゃぁくっぁぁああ」
5分としないうちに俺も絶頂を迎え、静香さんも最後で最大の声をあげる。
俺が静香さんの胸を汚す。
静香さんはもう動く気力もなさそうだが、呼吸の為に上下する胸によって、床に落ちる俺の精液に小さく声を上げ、残念そうに見つめている。
一発抜いちまったら、こんな俺にも罪悪感が生まれたのか、部屋にいることがいたたまれなくなり、服とカバンをひったくると、部屋を飛び出す。
「ご、ごひゅじんさまぁ、いってらっひゃいませぇ」
未だ悦楽の消えない声で幸せそうに静香さんが言う。
・・・・・おれは振り返らず、目を閉じて、ゆっくりとドアを閉めた。
< 続く >