(28) 新たなる脅迫
鋭次にバラされないことを願いながら五日間が過ぎ、明日は約束の100万円を渡す日である。
銀行から帰った梨華は、部屋に入ると、テーブルの上に宅配便が届いていた。
先週の金曜日に届いていたのと同じ会社の宅配便だ。差出人はまた、”すもも銀行”となっている。この前の荷物よりは少し大きめである。梨華は、少し不安になった。
自分の部屋の鍵を閉めて、小包を開けてみる。すると・・・
「これはっ!! そんなっ!!」
梨華に新たな衝撃が走った。そこには、信じられないものがあった。
梨華は、夕食も食べた気もせず、重い足どりで部屋に戻ると、部屋の鍵を閉め、小包の中身を出した。そこには、綺麗なラベルのパッケージに入ったビデオテープと、写真集が入っていた。ビデオテープには、”美人銀行員 奴隷調教”と書かれており、サブタイトルとして、”あなたの言うことをなんでもお聞きします。”などと書かれてある。
ビデオを見ると、誓いのキスをした後、男の言われるがまま、いろんな事をさせられている。
抵抗せずに、されるがままに、いろいろな体位で交わっている。まさに、”奴隷調教”にふさわしい内容である。その上、帰る前には、お別れのキスをした後に、再度、鋭次とのセックスを望む姿が、二度にわたって、撮影されていた。
この恥ずかしい行為は、梨華もしっかりと覚えていた。
そう、これは先日の土日の時のものだ。隠しビデオカメラで撮られていたものであった。
もう一つは、ビデオだけでなく、写真集まで作成されていた。それは、とても綺麗に作成されていた。服を着ている姿から、下着姿、そして、ヌードまで、いろんな姿が綺麗に納められていた。ビデオテープのパッケージにもあった、いろんなシーンも全て入っていた。
そして、その中には、梨華に覚えのない銀行の制服姿までもが写っていた。また、銀行の制服姿の時はすもも銀行の名札が付いており、名札には、”西川梨華”と良く見えるように写真撮影がされていた。これにより、誰が見ても、すもも銀行の銀行員である事が分かる。
この写真集は、梨華にとって記念になるくらいの内容であった。
まさにプロ顔負けの出来映えであった。
そして、手紙が入っていた。
『親愛なる 西川梨華さんへ
野口鋭次 です。
明日はいよいよ、ビデオテープ代の100万円を持ってきてくれる日ですね。
楽しみにしています。
新しいビデオと写真集は、見ていただけたでしょうか?これは、あなたに差し上げます。
この件については、明日にゆっくりとお話しましょう。
それでは、明日の土曜日、朝10時に、この前のホテルの同じ部屋に来て下さい。
お待ちしております。 それでは。』
このように書かれており、手紙は終わっていた。梨華は、手紙を読み終えると、大変ショックを受けていた。明日、100万円を払えば終わりだと思っていたのに、新しいビデオや写真集までが作成されている。これでは、100万円では済まないのでは・・・
梨華は、大変な不安を抱えながら眠りについた。
(29) 濡れ続ける愛撫
「それじゃあ、行ってきまーす」
朝の9時すぎ、梨華は、母親にまた、ショッピングに行くと言って、自宅を出た。
そして、鋭次の待つシティホテルに向かうのだった。
コンコン。1919号室のドアがノックされる。
鋭次がドアを開けると、梨華を部屋の中に招き入れた。
「やあ、待っていたよ」
鋭次は、嬉しそうに、梨華をソファに案内する。
「何か、飲む?」
「いえ・・・結構です」
「そうか。じゃあ、やめておこう」
鋭次は、特に気にせず、淡々と話し始めた。
「あの・・・お金を持ってきました」
「ああ。ビデオテープの代金ね」
鋭次は、お金については特に関心を示していないようだった。
「それじゃあ、ビデオテープを売ってあげるとしよう。しかし、その前に見てもらいたいものがあるんだ」
そう言って、鋭次は部屋に備え付けのクローゼットから、何やら持ってきた。ソファの前のテーブルにそれらのものを置く。梨華の表情がみるみる変わる。
「そっ、それはっ!!」
テーブルの上には、昨日、梨華の家に送られた二本目のビデオテープと写真集が、10本づつ置かれていた。
「この前のビデオテープは、その代金と引き替えに、お売りします。しかし、今度は、この新しいビデオテープと写真集を買っていただきたいのです」
「そんな・・・」
梨華が、不満の声を出す。しかし、鋭次は、すぐさま言った。
「嫌なら、買ってくれなくてもいいんだよ。ただし、バラまかせてもらうからね」
「ああ・・・買うしかないんですね・・・」
「そういう事だ」
「いくら出せばいいんですか?」
「ビデオテープと写真集に書いてあったと思うが・・・」
それぞれ、一つにつき、10万円と書いてある。
「一つで10万円だから・・・200万円ですか!?」
「そうだ。しかし、それだけではないぞ!! わかるよな?!」
鋭次は、意味ありげに、梨華を見た。梨華は鋭次の言いたい事が、だいたいわかっていたが、とりあえず聞くことにした。
「どうすればいいんですか?」
「そうだなあ・・・今日の夕方の5時まで、俺の言うことをなんでも聞いてもらおうとするかな?」
「わかりました」
梨華は、観念した。
「それでは、誓いのキスをしてもらおうか。”可愛い梨華ちゃん人形”」
鋭次にキーワードを言われた途端に、梨華に目がとろーんとなり、鋭次の催眠奴隷になっていった。
そして、梨華は、自分から鋭次にキスをしたのであった。
「良く出来たね。それでは、まず約束のこの前のビデオテープ10本だ。これは、梨華の物だ。好きにするといい」
「はい・・・」
梨華は、あまり嬉しそうではない。このビデオテープを持って帰って、どう処分すればいいのか、考えていた。そこで、鋭次の助け船が出た。
「このビデオテープを1本貸してもらえるかな」
そう言うと同時に、鋭次はビデオテープを1本、片手に取り、少し大きな装置を部屋の角から持ってきた。
「よく見ておくんだよ」
鋭次は、そう言うと、ビデオテープをパッケージから取り出し、装置のスイッチを入れた。
グオングオンと、激しい音がする。梨華が何かと、見ていると、鋭次は、ビデオテープをその装置に入れた。ガチャガチャと激しい音がしたかと思うと、少しすると、音は小さくなった。そして、装置の下の部分に、細かくなったビデオテープがあった。その装置は、業務用の破砕機であった。ビデオテープのプラスチックの部分は、完全に破砕され、バラバラになっており、テープの方もみじん切りになっていた。続いて、鋭次がパッケージを入れると、それもバラバラに破砕された。
「すごいだろう?!」
鋭次は、なぜか得意げに、梨華に言った。
「この装置を使えば、あっという間に、証拠も残らないくらいにバラバラになるよ。 そのビデオテープを処分するのに、貸してあげようか?」
鋭次が続けて言う。
「いいんですか?」
梨華の肩の荷が、少し無くなったような気がした。
「ああ、いいよ。いくらでも、使っていいよ」
鋭次が、そう言うと、梨華は残りの9本のビデオテープを次々と、破砕していった。
「それでは、夕方まで、可愛がらせてもらうとするかな」
残りのビデオテープを全部、破砕したのを見て、鋭次は梨華に向かって言った。梨華は、もう完全に観念していた。鋭次のされるままになるしかないと思うのであった。
薄いブルーのワンピース姿の梨華の背後に回り、背中のファスナーを下ろす。梨華は少し声を出しかけたが、抵抗はしなかった。ワンピースが脱がされ、続いて、ストッキングも脱がされた。ブラとパンティだけの姿になり、鋭次は梨華にベッドに行くように言った。
鋭次は、自分もトランクス一枚の姿になり、ベッドで上向きになっている梨華に抱きついた。そして、梨華の身体にキスの嵐を浴びせた。梨華は、何か鋭次に愛されているような気がして、悪い気はしなかった。
そうしているうちに、梨華のブラとパンティも、いつの間にか、外されていた。鋭次もトランクスを脱いでいた。鋭次の愛撫は、梨華の身体全体に行われた。
鋭次得意の”濡れ続ける愛撫”が始まった。
「梨華は、お前は、これから、オマンコが濡れ続けることになる。そして、自分から、俺に”抱いて下さい”、”セックスして下さい”と、言うようになる・・・」
鋭次が、そのようになると言う。
「そんなこと・・・」
梨華は、本当にそんなことになるのか、不安であった。もし、濡れたとしても、自分からそんなことを言うとは、思ってもいなかった。
しかし、鋭次の愛撫が開始される前に、梨華には、恥ずかしい催眠術がかけられていた。
鋭次に見つめられ、梨華の目がとろーんとなると、恥ずかしい暗示をかけられた。
『梨華、お前は、俺が今から行う愛撫を、とても感じる事になる!!』
「はい・・・鋭次様・・・」
『俺に愛撫をされると、オマンコが濡れ続ける事になる!!』
「はい、鋭次様・・・」
『俺に、クリトリスを指で摘まれると、セックスのおねだりをするんだ!!』
「はい・・・鋭次様・・・」
「俺が今から行うキスを受けると、今言ったことが、身体に刻み込まれる!!」
「はい、鋭次様・・・んぐっ!! んーー!!」
梨華に、強制的なキスが行われた。梨華には、知らない間に、恥ずかしい暗示がかけられてしまっていた。
「それじゃあ、可愛がってやる!!」
鋭次の愛撫が始まった。最初は、意識しているせいか、気持ちがいいくらいだったが、だんだんと声が出始めてきた。乳首を摘まれたり、耳たぶを舐められたり、下半身のヘアをそっと撫でられたりと、そう大した事ではない、優しい愛撫であったが、いろいろな行為をされる度に、どんどん声が出て、感じてしまうのであった。
下半身は、完全に濡れてしまっていた。どうして、こんなに感じてしまうのだろう?
鋭次の愛撫が、上手いのだろうか? それとも、自分が感じやすい体質なのだろうか?
梨華には、分からなかった。 そして、時々声を出して言っていた。
「あっ!! そこは・・・そこは、だめっ!!」
鋭次は、梨華が感じる所ばかりを愛撫していた。枕元にあるメモをちらっと見る。
そこには、10行ほどの項目が書かれていた。乳首を摘む。耳たぶを舐める。
ヘアをそっと撫でる。それは、梨華の性感帯のリストであった。前回、梨華を可愛がった時に、性感帯を聞き出していたものである。普通であれば、自分の弱点である性感帯を男性に教えるなんてことはありえない。しかし、その時は、強い強い催眠術をかけられていたので、梨華は、正直に自分の弱点である性感帯を次々と答えさせられていた。
その時のメモを見ているのである。これが、”濡れ続ける愛撫”の正体であった。
性感帯を次々と責められ、いつしか梨華の下半身の所のシーツが10センチくらいの染みが出来ていた。
「あーあ。こんなになっちゃって・・・」
鋭次が、わざとらしく言う。そして、一番の性感帯のクリトリスを指で摘む。
梨華の表情が、一段と切なくなり、恥ずかしい暗示が心を支配するようになった。
「あんっ!! もう、許して!! お願い、入れて。入れて下さいっ!!」
梨華が、耐えきれなくなって哀願した。
「なにを入れるんだ?」
「鋭次様のおチンチンです」
「つまり、俺に抱いて欲しいわけだ」
「はい。梨華を、梨華を抱いて下さい」
「”セックスして下さい”と、言えたら、抱いてやるよ」
「そんな・・・いじわる・・・」
恥ずかしい言葉を言わされようとしている。女性から言うには、恥ずかし過ぎる言葉である。
しかし、鋭次が、摘んでいる所をクリクリすると、すぐに梨華は観念した。
「鋭次様。お願いです。梨華とセックスして下さい。お願いします」
「よく、そんな恥ずかしいことを言えるな!?」
「ああ・・・鋭次様が、おっしゃったのに・・・焦らさないで・・・」
「そうか。そんなにセックスして欲しいのか。それなら仕方ない、してやろう。 さあ、足を自分から開くんだ。よしよし」
「あんっ!!」
鋭次の20センチ砲が、梨華に深々と刺さる。濡れているので、難なく奥まで入る。鋭次が腰を動かすと、梨華は鋭次に抱きつき、あっという間にクライマックスに昇っていった。
その後も梨華は夕方まで鋭次にたっぷりと可愛がられた。今回は前回に比べると従順になっていた。
ビデオテープと写真集という弱みを握られているので、抵抗しても無駄だと割り切っていた。
また、お別れのキスと言って、この事を誰にも相談出来ないように記憶を操作し、後は取り引きの話をした。
「ビデオテープと写真集の代金の200万円は、次の土曜日に、この部屋に持ってきて下さい。 その時に、ビデオテープと写真集をお渡ししましょう。それでは、また」
「わかりました」
梨華は、返事をして、帰っていった。
しかし、梨華にとって、200万円という金額は、大金であった。梨華は、銀行に勤めて2年目であるが、前回の100万円と合わせると、貯金のほとんどが無くなってしまうことになる。これ以上は、梨華は支払う能力は無かった。そして、鋭次は、”銀行の金を横領してはいけない。サラ金などで、金を借りてはいけない。”という強い暗示を梨華にかけているので、そういう事も出来なくなっている。結局、梨華は自分の貯金を出す以外に方法はなかった。だが、それもこれで無くなってしまう・・・
梨華は、今回の200万円を払えば、もう終わりになるだろうと思っている。
しかし、梨華は一つ、気付いていない事があった。それは、どのようにして、2本目のビデオテープが作成されたのかという事だ。この部屋に隠しビデオカメラがあると言う事に気付いていないのである。そして、今回も・・・
< つづく >