奴隷の部屋

「ふうぅ、疲れたぁ」  夕方というにはもうだいぶ遅い時間に部屋に戻ると、バッグを投げ出してスーツを脱いでいく。  そして、テレビのリモコンを拾い上げた。 『…………犯人は犯行直後に車道に飛び込み、トラックにはねられて死亡

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ESP

「で、この麻薬はどこへ運ばれて誰に手渡すはずだったの?」  金色の髪の女性が、机越しに対面した男性に問いかける。  だが、男は何も答えない。完璧な沈黙を保っている。 「トム、貴方がちゃんと話してくれないから、わざわざ私が

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欲堂

「はいはい、いらっしゃい。よく来たねぇー」  扉を開けると皺枯れた老婆の声が狭い店の中に響く。  今にも切れそうな電球を使った、明かりの行き届いていない古ぼけた店。  明らかに価値は無いが年代物と判断できる古棚が所狭しと

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