2のなな(2日目・夜) 乙女の天敵?
「涼、目、相当怖かったよ」
そう言って、少し冷ました麺を一気にすするあたしと、
「あ、やっぱり……」
苦笑しつつ、納得したように頷く涼。
9月半ばの日曜日の夜は、昨日に比べると少し涼しくて、過ごしやすい。だからかはわからないけど、このラーメン屋は外に人が並ぶほど込んでいた。涼によれば、ここは結構な有名店らしい。もっとも、思ったよりは早くラーメンにありつけたけど。
そんな中、カウンターでラーメンをすすりつつくっちゃべってるあたし達二人。ちなみに、あたしが味噌、涼が醤油。
「ほんと、一瞬マジで食べられるかと思った(ずずず)」
「……うわ~、返しづらいセリフだなあ……そりゃ、ある意味食べましたとも(ずるずるずる)」
「ぅぐっ……そういうこと言うなよ! こんなところで!」
「(ごく)都ちゃんがそんなこと言い出すからでしょうに(ずるるっ)」
店が狭いので、ひそひそ声で話すあたし達。お店の人が忙しく動いていて結構うるさいから、周りの人には聞こえないとは思うけど、こんな会話を誰かに聞かれたらたまったもんじゃない。
「……第一、僕、何を食べたか言ってないし?」
「………………」
ニヤッとあたしを見る涼。
おのれ。(ずるずるっ)
「おいしかったね」
「うん、なかなか」
結局、あたし達は混んでる店内に気を遣い、とっとと食事を終えて店を後にした。
昨日と同じように、とぼとぼと駅の方に向かって歩いている。
「さっきの話だけどさ」
「ん?」
「正直、結構抑え切れてないところ、あるかも、いろいろと」
答えようがないので、黙っている。
涼があたしの顔を見たので、あたしは続きを促す。
「信じてもらえるかわかんないけど、僕、本当はあんなに性欲強くないハズなんだよ?」
「ほんとかよ」
「ホント。でも……僕の思い通りに操られる都ちゃんを見ると、ものすごく興奮しちゃって……」
「ヘンタイ」
「う……反論できない。でも僕、操られてる都ちゃん見るの、大好き。都ちゃんも、操られるの好きなんでしょ?」
「ばっ……! お前こんなとこで言うな!」
「えー、好きじゃないのー?」
「……好きだけどぉっ」
「で、今みたいに真っ赤になって僕に反抗しようとする都ちゃんも大好き」
「……うー」
「結局、僕、都ちゃんなら何やってても好きなんだろうな、って思うよ。
都ちゃん、何やっててもかわいいし。……なんかベタ惚れかも」
「………………」
かああああぁぁぁぁぁっっ
「恥ずかしがる都ちゃんは一番かわいいなあ」
「うるさいっ!!」
「あはは、ごめんごめん。
でも、こんなだから、もしかしたら暴走気味かも。
……大丈夫? 迷惑じゃない?」
急に涼が、不安そうな顔をしてあたしに聞く。
……おまえなあ。あんなこと言われた直後じゃ、
「……迷惑じゃ、ないけど」
としか言いようがないじゃないか。
「よかった」
涼がほっとした表情をする。
……いやまあ、本当に、迷惑じゃない。
涼が気づいてないみたいだけど、あたしだって、実は、自分でもびっくりするほど……その、涼とするのが好きみたいなのだ。
いやもちろん、それは涼があたしにそうなるように催眠をかけたからだけどっ。
それに、本格的に二人でそういうことをするようになったのはつい昨日からなわけであって、きっとこういうことに新鮮味があるからだよ。うん。そうに違いない。
だから、そんなことは言ったげない。
「あれ?もしかして、まだ顔真っ赤?」
「……気のせい」
……今は、言ってあげない。
「う」
あたしがうめいて、
「ぐぇ」
涼が妙な声を出す。
ごろごろろ、ごとん。
重いものが転がるような音がして、ドアが閉まった。
食事が終わって、電車でホテルまで帰ろうとしたんだけど、時間が時間からだろうか、強烈な満員電車だった。あたしは満員電車に何回か乗ったことあるけど、これはやっぱりキツイ。乗った途端、一気に電車の端まで押し込まれてしまった。
「危なかった……」
と、あたし。
涼は……あ、あたしの後ろにいる。あたしのお腹のあたりに手があるからわかる。ということは、あたしに後ろから抱きついてる状態なわけか。
……何となく恥ずかしい。
「僕も、こんなに混んでるとは……」
「だよね、今日土曜日だし」
「うん……人身事故かなんかあったのかな?」
「どうだろ」
満員電車だから、もちろんひそひそと話す。それでも、涼の顔が耳元にあるから、聞き漏らすことはない。
ふぅ、と一息入れて、涼が言う。
「都ちゃん、大丈夫?」
「え、うん、大丈夫……ぁ……」
どくん。
いきなり。
いきなり、あたしの体の奥が、かぁっと、熱くなった。
うそ、これって……
何が起きたかわかってしまった。
あたし、まさか、……したくなって、きてる?
そう思っている間にも、身体の奥の熱がどんどん高まってくる。
そして、それが、あたしの身体をあぶり始めた。
顔がほてってきて。
胸のあたりがムズムズしてきて。
そして……あそこが熱くなってくる。
「……ふ……」
思わず、あたしが息を漏らす。
「どしたの? 都ちゃん」
涼の声が、心なしか熱を帯びて聞こえる。
「な、なんでもない……」
あたしは、とりあえずシラを切ることにした。
な、何で突然……こんなところで……
あたしは必死で脳みそを動かすけど、理由がわからない。
考えている間にも、あたしの意思を無視して、身体はどんどん盛り上がっていく。
恥ずかしくもないのに、ほっぺたが熱い。
身体から、汗が噴き出してくる感触がする。
あたしの胸は、もうなんだか「物足りない」感じがして。
そしてあそこは……もうすぐ「何か」が漏れだしてきそうな気がした。
だめ……こんなところで……がまん、しなきゃ、がま「…ぅっ……!」
突然の衝撃に、あたしの身体がビックリした。
慌てて、身体を見ると……
「都ちゃん、乳首、立ってるよ?」
「やぁ……っ!」
涼が、ブラとシャツの上から乳首を強くつまんでいた。
「都ちゃん、発情しちゃったの?」
ぶるぶるっ、と首を横に振る。小刻みに。
「じゃあ、何でこんなに乳首立ってるの?」
「し、しらないっ!」
「ちょ、あんまり大きい声出しちゃぁっ」
「ぁ……」
そうだった、ここは、電車の中だ。
窮屈な首を動かして周りを見ると……よかった、こっちを見てる人はいない。
「こんなところで発情しちゃった?」
「ちが、発情なんか、してなぁぅっ」
乳首、つままれた。
「息、荒いよ?」
「……ちがうもん……」
あ。
涼の右手が、下におろされた。
! シャツの中に入れられたっ!
「ぃやぁ……」
「大丈夫、誰も見てないから」
そういう問題じゃない。と、突っ込む前に、涼の手があたしの胸に到着する。
右手は、そのままあたしの胸を、ブラの上から包み込んだ。
ふにふに、と触ると、あたしの胸がムズムズする。
ふにふに、ふにふに。
ブラの上から、しかも強くない。
……あたしの身体は、もうそんな刺激では、満足できなくなっていた。
「どう、都ちゃん、直に触って欲しい?」
……あたしは、答えない。恥ずかしくて、答えられない。
黙っていると、涼は言った。
「都、おっぱいを直に触って欲しかったら、自分でブラのホック外してごらん。
触って欲しかったら、でいいからね」
ひ、卑怯者……っ!
そう思いつつも、あたしの身体は正直だった。
あたしの手が、あたしの意思に反して、動き出す。
窮屈な中、両手がそろそろと背中に回って……ゆっくりと、ホックに向かう。
「やっぱり、してほしいんじゃん」
「だめ……」
だめ、だめ、と呪文のようにあたしの唇が動く。
でも、ついに、あたしの両手はホックに到達して。
きゅっ、とつまんで、シャツの上からホックを外してしまった。
「よくできました」
「はぁっ……!」
ブラが外れて、涼の右手が乳首を直につまむ。
いつの間にか、涼の左手もシャツの中に入って、あたしの乳首は両方とも触られていた。
だ、め……このままじゃ、ほんとに、したくなっちゃう……!
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
すっかり荒くなった、あたしの息。
あたしはだんだん、頭が回らなくなってきて、涼に全部任せたくなってきていた。
気をぬくと、目を閉じて、快感をすなおに受け止めてしまいそうになる。
流されちゃダメ、と叫ぶ理性。
きもちいい、とつぶやく本能。
少しずつ、本能が理性を追いやりつつあった。
「都ちゃん、すごく気持ちよさそうだよ?」
「……だめ……きもちよく、なっちゃってるから……」
「もっと、きもちよくなりたい?」
「………………だめぇ」
なりたい、っていうのをなんとかこらえて、
「都、答えて」
「……きもちよく、なりたい……」
すぐ、言わされた。
「都は、僕に痴漢されて感じてるんだ?」
「……うん、チカンされて、感じてる……」
あしが、がくがくする。
あたしは、もう完全に、涼によりかかっていた。
「都、イクまでは立ってられるよ」
それに気づいた涼が、あたしにねんを押す。
「都ちゃん、おま○こも触って欲しい?」
「……それは、いやぁっ」
それは、カンベンして。
そんなことしたら、おかしくなっちゃう。
「ホントは、触って欲しい?」
「……わかんない、よぉ……」
こわい……の、かな。こんなとこで、さわられるのは。
「都、僕がお腹をなでると、だんだんおま○こが触って欲しくてしょうがなくなる」
やめ…………っ!
そういう前に、涼の手がおなかをなでる。
なでなで
なでなで
だめ、こわい……
なでなで
なでなで
そんなことしちゃ……
「都、触って欲しくなったら、触って欲しい、って自分で言ってよ」
なでなで
なでなで
むずむず、しちゃう……
なでなで
なでなで
きもちよくなりたく、なっちゃう……
なでなで
なでなで
がまんできなく、なってくる……
なでなで
なでなで
さわってほしく……
なでなで
なでなで
さわって……ほしい……
なでなで
なでなで
「さわって……ほしい……」
「ん」
涼が、いう。
あぁ……涼に、かえられちゃったぁ……
かえられるの、きもち、いいよぉ……
「都、自分でジーンズのボタン外して、ジーンズ下に落として」
あたしは、なにもかんがえずにボタンをさわる。
はずして、そのまま、手をはなす。
あしにひっかかりながら、ジーンズはひざのしたまでおちた。
あしをうごかして、したまで、おとす。
「触ったげる。頑張って、声我慢してね」
……チカン、して……
「ふ……っ」
ショーツのうえから、さわられる。
きもち、いい。
「ふ……ぅ……んっ」
おま○こ、かんじちゃう。
「おま○こ、気持ちいい?」
「……きもちいぃ……」
「都ちゃん、電車の中で、下半身ショーツだけになって、感じてるんだ?」「……はずか、しい……」
「『スイッチ、オン』」
「くぅぅぅっっっ……!」
きもち、いいっ!
はずかしくて、いいっ!
「都ちゃん、電車の中であえぎ声出したら、恥ずかしいよね?」
「ぁん! あんっ! もう、がまんできないよぉ! あああっ! きもちいぃっ! ちかん、きもちいいっ! うあああぁ! こすって! じかにこすってぇ!」
にちゃっ
「ああん! いい! いいっ! きもちいい! おま○こ! きもちいいのぉ! なかにはいって! ずぽずぽしてるっ! だめ! すぐいく、すぐいっちゃうっ!」
「いいよ! そのままイッちゃえ!」
「ああぁ! そこもっ! そこもいじってぇっ! びりびりして、きもちいいのぉっ!」
「ここはクリ○リスだ! クリ○リスって言ってごらん!」
「ああああぁあぁっ! クリ○リスいくっ! おま○こいくっ! ああだめいく! いくっ! いっちゃうぅっ! ……ふあああああああああぁぁああっっ!!!!」
「『ラストカードはあなたに』」
「…………ぅえ?」
……え~と?
あれ、ここって……
「あれ?」
「ちなみに、ホテルのベッドだよ?」
あたしが聞く前に、涼が答える。……涼は、もう裸だ。
「…………どういうことだ?」
「睨まないでよ、都ちゃん」
大体わかってきた。
「……催眠だな?」
「当たり」
ちっくしょぉっ! またやられたっ!
「都ちゃんが『痴漢』されたのはあそこ」
そういって涼は、部屋の角を指さす。
……あ、ジーンズが落ちてる。
「相当興奮してたでしょ」
「してないっ!」
「その割には、あえぎ声が大きかったみたいだけど?」
「……知るかっ」
「もしかして都ちゃん、露出狂の気(け)もあるんじゃ?」
「おまえふざけんなーっ!」
「え、違うの?」
「違うに決まってんだろっ!」
「じゃあ都、さっき痴漢されたの、もう一回よーく思いだしてごらん?」
「あ……」
そう言われた瞬間、あたしの脳裏にはさっきの光景がよみがえる。
『だめ……』
口でそう言いながら、乳首こすられて……きもちよかった……
腰、がくがくになって……
電車のなかで、涼にいじられて、あたし、発情して……
声、がまんして、カラダ、あつくなって……
自分で、ショーツ丸出しにして……涼のゆび、おねだりして……
みられるかも、しれないのに……
『……きもちいぃ……』
おま○こ、さわられて……
いっぱい、こし、ふって……
もっと、さわって……
はぁ……はぁ……
「都、また発情しちゃった?」
「……えっち、したい……」
だめ……
ちくび、ビンビンにたってきて……
おま○こが、じんじんしてくる……
おま○この中……こすってほしい……
「どう、露出狂かも?」
「わ……わかん、ない……」
「でも、淫乱なのは間違いないよね。
思い出すだけで発情しちゃって、腰振って」
「……いじわる……」
「してほしい?」
「して……」
「おねだりは?」
「……涼のお○んちんで、みやこのおま○こ、イカせてください……っ」
「ショーツ、脱いで」
「ん……」
こしを上げて、ショーツをおろす。
うわ……びちょびちょだぁ……
はずかしい……
「ん……っ!?」
あ、……キス、された……
へぇぅ……とける……
「入れるよ」
「うん……!」
すぷぷっ
「うぁぁあぁっ」
あぁ……おま○こ、よろこんでる……!
ぬぷっ
「おくまで……はいったぁ」
「都ちゃん、シャツ邪魔だから、脱いじゃいな」
あたしは、言われたとおりにシャツをまくり上げる。
よい、しょっ……
「ぁ……ん」
おま○こが、こすれる。
「ブラも」
「ん……」
ブラも、かたから外して……
「ついでに、靴下も脱いで」
「……むずかしいよぉ……あんっ」
ぬごうとすると、おま○こがうごいて、きもちよくなっちゃう。
でも、がんばって……
…………
よし、これで……
「うあぁっ! あんっ! はぁぁっ!」
「ご褒美」
涼が、うごいた。
きもち、いい。
「僕、都ちゃんを完全に裸にしてセックスするのが一番好きかも。
何か、都ちゃんが動物になったみたいで」
「うぅ……」
「セックスしか考えられない、いやらしい動物」
「ち、ちがぅもん……」
「都ちゃん、セックス嫌い?」
「……だいすきだけど……あぅっ! んぁっ!」
また、ごほうびだ。
「今日は3回セックスしたけど、もっとしたい?」
「うん、もっとぉ……はぁあん! セックス、したいっ!」
「都ちゃんも、すっかり淫乱になっちゃったね」
「あたし……インランに、なっちゃったぁ……ぅああああっ! くあぁあっ! きもちぃぃいいぃ!」
「都ちゃん、それ、窓のところにいる流さんにも言ってあげな?」
「ぁ……え……!?」
あたしは、涼の言葉に反応して窓の方を見る。
……流っ!
「流! なん……くああああっ!」
だめっ!
「あん! あん! ふぁあ! くああ! やぁっ!」
だめぇ……流が、いるのに……
「あぁ! あん! あん! ぁあ! あああぁあん!」
あたま、しろくなっちゃう……っ
「流さんが、見てるよ?」
「だめぇ……みないでぇ……!」
流は、にこにこしてる。
はずか、しい……
「……都、流さんに『おま○こ気持ちいい』って教えてあげな?」
「や……流、おま○こ、気持ちいい……ああああぁぁ!」
言ったら、ずんずんされて。
あたま、すぐ、まっしろ。
「都、もっと自分が淫乱だって教えてあげなよ」
「だ……流ぇ……ん! あたし、涼と、セックスしてるぅっ! あぁっ! かぁっ! セックス! きもちいいっ! みられてるのにぃっ、がまんできないよぉ!」
おま○こ、ずぽずぽされると。
とけて、なんにも、わかんなく、なっちゃう。
「おま○こ、こすられるの、いいっ! あぁん! いいのぉっ! あたしぃっ! セックス、だいすきだよぉ! きもちいいっ! あああぁぁ! ちくびも、かたいのぉっ! カチカチなのぉっ!」
ああぁ……あたま、まっしろだよぉ……
「やああぁっ! 涼に、ずんずんされて、あたしいきそうっ! いっちゃうのっ! あたし! いくよぉっ! 流ぇ! いくぅ! いくぅうううううぅぅううううううう!!!!」
ぶるぶるぶるるぅっ!
「うっ! 僕もイクぞ!」
「あぁだめぇっ! だされると、またいっちゃっ! あぁっ! いくっ! またぁっ! いくううう! ぅあああああああああああああああっっっ!!!!!!!」
ぶしゅぅぅぅっ……
「……」
「……」
「……すごいね」
「……うるせぇ」
「……潮吹「うるせうるせうるせぇっ!」
ニヤニヤして問い詰める涼と、力業で逃げようとするあたし。
「都ちゃん、やっぱり感じまくってたじゃん」
「黙れっ! 二回も催眠にハメやがってっ!」
そう。言うまでもなく、さっきの「流」も催眠だった。
で、その流に見られて、あたしは……
「いいじゃん、気持ちよかったんだし」
「そーいう問題かっ!」
「……いやまあね、ネタばらしすると、『心の奥では催眠ってわかってるから安心できる』ってしといたんだよ。
朝みたいに、泣かれたら困るし」
……へぇ、そうなんだ。
「でも、ここまで感じるって……」
「だからぁっ」
「……都ちゃんの新しい性癖発見」
「違うって言ってんだろーーーーーーーーーっっっ!!!!」
< つづく >