他人史外伝 ガッコウデノイバショ

ガッコウデノイバショ

 単純だけど雑多な手続きだとか発注を済ませた僕は背伸びをすると、今度はパソコンに向かってプログラムを組み立て始めた。

 ああ、仕事中ですまないけれどこんばんは。僕は才賀。通称サイバー。ミドーやリキに能力を覚醒させた、まあ黒幕的存在かな。自分で言うと、恥ずかしいんだけどね。黒幕って。
 それに、元々黒幕って言うほど大した奴じゃないんだよ、僕は。

 親は財産を持ってるし学校の成績もはっきり言えばかなり上のほうだけど・・・生まれつき身体が弱かったんだよねー。余命何年って、宣告を受ける程じゃなかったけどそう長く生きられないだろうなって思うくらいには。
 そのせいかは知らないけれど、両親は僕が幼い時から関心をあんまり持たないようになった。誕生日もクリスマスも、もちろん子供の日も一緒に祝ってもらった覚えが無い。

 仕事が忙しいことを考えても、異常だよね? もちろん会話も無し。あっても、僕の成績について質問するぐらいで、親らしい所なんて見たことが無いんだ、僕はね。

 家は広いだけで僕の居場所は無い。なら、学校ではどうかと言うと・・・無いんだよね、居場所。頭でっかちで身体の弱い子供って、それだけで不利なんだよねー。これに家が金持ちって点がつくと、もう最悪。
 僕の通っている宙学校は、私立でそれなりの進学校なんだけど・・・いじめはもちろんあるし、素行のちょっと悪い生徒もいない訳じゃない。

 それで『人生ってつまらないな』と思いながらパソコンで遊ぶ毎日だった訳だけど・・・そこで『サイバー』の能力に目覚めたんだ。その後は分析の能力にも目覚めて、色々出来るようになったんだけど・・・やりたい事は出来なかったんだよね。

 僕のやりたい事は、もちろん両親と僕をいじめた連中への仕返し。僕にとってダメージが無くて、楽しい仕返しがしたかったんだ。
 それで僕のような『能力』を持つ仲間を集めようとして作ったのが、例のチャットメインのホームページ『能力開発室』だった。ちょっと他力本願だけど、自分に出来ない事は他人にやってもらわないとね。それに、僕自身仲間が欲しいって思いはあった。

 で、仲間を集めだしたんだけど、その途中で僕やリキ達の能力には成長性があるって事に気がついた。なら、僕にもその内他人を直接操作できる能力に目覚めるかもしれない。
 そう考えながら、最終的に僕は3人の仲間を集めた。リキ、ノイジー、そして最近仲間になったミドー。

 最終的にって言うのは、これ以上の仲間は必要としないって事。4人で協力すれば、大抵の事は出来るからね。仲間が多すぎても、いさかいの元になるし。
 ま、僕はちょっと変わった仲良しサークルの管理人以上の存在ではないって事さ。

 もちろん、僕が法で裁けはしないけれど重罪人だって自覚はある。リキやノイジー、ミドーが操作して人生を狂わした人達は、僕が3人に能力の事を言わなければ平穏無事に人生を生きていただろうからね。
 罪悪感は覚えないから、あんまり意味の無い自覚だけれど。

 っで、今何をしているのかと言うと・・・その楽しい仕返しの準備。両親にはもうしてあるから、僕をいじめてくれた学校の皆にね。
 いじめと言っても、テレビとかで聞く他のケースと比べて特筆して酷い事をされた訳じゃないんだけど・・・された方としては、つらくないはずが無いからね。

 それで準備をしている訳だけど、僕の新しい能力『ゲーム』は発動するまでに手間がかかるのが欠点。既存のゲームソフトを流用すれば、早いんだけど・・・まあ、僕は凝り性だからね。
 それで、仕返し様のゲームを作りながら色々準備している所なんだ。

 僕だけの能力だと、ちょっと不安だからミドーにも手伝ってもらってね。
 後、場所にも拘ったんだ。1人ずつ呼び出して・・・なんて面倒だからね。丁度、学校から近い場所にあったゲームセンターが潰れたから、そこを使う事にして色々改装して使い心地も良くしたんだ。

 それで仕返しする人数は・・・9人か。実際にはもっといるんだけど、僕のしようとしている仕返しに、不適格な人達も多くって。
「もう少しほしいんだけど・・・そう言えば、虐められている所を軽音楽部の部長とか見られたけど、助けてくれなかったんだっけ。
 ・・・助けてくれなかったんなら、共犯だよね~」

 そして、ちょっと理不尽な理由で仕返しする人数は10人に決まったのだった。

「今度、僕の親がゲームセンターの経営をする事になったんだけど、プレオープンに来ない? 豪華景品付のゲームもやるから、楽しいと思うよ」
 っと、そんな文句で僕は標的を集めていった。
 普通だったら、いじめている相手がそんな事言い出したら怪しむだろうけど・・・こいつらは僕をいじめてるって自覚が希薄だからね。それに、ミドーに僕の誘いに乗りたくなるって他人史で操作してもらっているから確実だ。

 僕の能力『ゲーム』の発動には、発動に条件が3つある。近くに媒体・・・ゲーム機はパソコンがある事、ゲームに僕が手を入れてある事。この2つはまだ良いんだけど・・・最後の1つは、ゲームをする事を了承した相手がいる事なんだ。

 『ゲーム』の最中に第3者を操作する事は出来るんだけど、そもそも『ゲーム』をしていなきゃ操作出来ないからね。だから、これで誘えるかどうかが肝心になってくる。
 誘えさえすれば、後はどうとでも出来る。・・・ミドーに、そっちの操作も頼んであるからね。

「へー、面白そうじゃん。でもまさか・・・金を取ろうなんて思ってないよな?」
 そう言って僕に凄むのは、同じクラスの里山浩次。ちょっと不良っぽい生徒なんだけど、この頃可愛いガールフレンドをゲットしたのを僕は知っている。

「もちろん取らないよ。ゲームセンターのゲームはメダルでやるギャンブルゲームだから、安心して楽しんでよ。
 彼女も誘ったらどうかな? 女の子の喜びそうな物も景品で出るからさ」
「そ、そうか? 気がきいてるじゃないか」

 次に誘った体育教師の小村先生は、渋い顔をした。
「教師がそんな所で遊ぶのは、良くないなぁ」
「そう言わずに、どうです先生? ちゃんと夕方には皆を帰しますし、それに先生がいれば皆はめを外しすぎる事も無いと思うんですよ」
「たしかに、生徒を非行から守るのも教師の務めだが・・・」

 この先生、熱心だけどそれは『教育』じゃなくて『締め付け』に、熱心なんだよね。しかも考え方が古くって、僕は怠けているわけじゃなくて生まれつき身体が弱いだけなのに、きつく当たるんだよねー。
 しかも、本人はそれを『愛の鞭』なんて思っているから、改善の余地無し。まぁ、唯一褒められるのはそのきつい指導のおかげで、顧問をしてる女子テニス部の部員が誰のお手つきでも無いって点かな。皆処女だしね。

「珍しいじゃない。あんたが皆を誘うなんて」
「そうそう、誰とも遊ばないでネトゲとか家でやってそうな才賀君がさ」
「もしかして、皆と友達になりたいとか? 今更難しいんじゃない? それは」
 ・・・この女3人集まればかしましいの見本みたいなのは、口を開いた順に井上亜樹、木下香織、志中沙理。結構可愛いんだけど・・・性格が悪くって。他には愛想いいのかもしれないけど、僕には始終こんな感じなんだ。

「そんなつもりは無いけど・・・いやならやめとく? 両親が僕と同じ世代の子の感想を聞きたいって言っているから、出来たら着て欲しいんだけど」
「まあ・・・行ってもいいんじゃない? 別にお金取られるわけじゃないみたいだし」
「亜樹がそう言うなら、行ってみる? つまらなかったら才賀に文句言えばいいんだし」
「豪華景品って、本当に豪華なの? 見てみたら、ちゃちなのばっかりなんて落ちは無いわよね?」

 ・・・可愛くなかったら、問答無用で黙らせてやるのに。今に見てろよー。

「まあ、才賀さんが私を誘ってくださるなんて、感激です」
「あら、もちろん私も誘ってくださっているんですわよね?」
 っと、僕が誘うとお互いを牽制し合いながら返事をしたのは、演劇部部長の鳳凰院紗枝と、美術部部長の綾小路美世。2人ともお嬢様で、それぞれが部長を務める部員はそのまま彼女達の取り巻きと化している。

 っで、僕に2人とも好意的に見えるけどただ好意的って訳じゃない。ちょっと見たらわかると思うけど、この2人はお互いをライバル視してる。別に2人がライバル関係にあっても、別に僕に関係ないんだけど・・・2人が同じクラスで、しかも2人の席が僕の机を挟んだ場所にあるのが問題なんだ。

 僕が会社社長のお坊ちゃんだって事も災いした。2人にとって、僕は『魅力的な男子』じゃなくて『高得点な駒』なんだ。2人とも僕を取り巻きに入れようと色々誘ってくるんだけど・・・乗ったが最後だからね。今までのらくらと逃げていたわけさ。
 下心がなければ、美少女2人に囲まれて悪い気はしないんだけどね。

「それでどうかな? 鳳凰院さんと綾小路さんの友達も呼んだら楽しいと思うんだけど?」
「はい、もちろん行きますわ。きっと、皆さんも喜びますわ」
「私ももちろん遊びに行きますわ。・・・出来たら、着ていく服を見ていただけません?」
「あら、私の服も選んでくださいますわよね?」

 ・・・『分析』の能力がなければこの状態を楽しんでられたんだろうなと思うと、能力も考え物だね。知らぬが仏でいたかったもんだよ。

「・・・お前、何か企んでないかぁ?」
 っと、いきなり僕を疑ってきたのは赤井健介。こう見えて良い奴・・・なんて事は当然なくて、こいつはかなり悪い奴だ。僕からお金を脅し取る事なんて、一度や二度じゃない。まっ、逆に言えばお金さえあげていれば大人しいんだけどね。

 だけど・・・もちろん、恨んでいますとも。
「企んでるって言うか・・・ちょっと今月お小遣いが厳しいんだ。だからこれで勘弁して欲しくって」
「そう言う事か・・・ちゃんとその景品って奴は豪華なんだろうな?」
「もちろん。流行のアーティストのコンサートのチケットだってあるよ。もちろん、プレミア物の。
 お母さんや妹さん、お姉さんも一緒に来たらどうかな?」

 こいつ、どういう訳か母親と妹と姉は美人なんだよね。まったく、どうしてこんなごつい奴の親族が美人揃いなんだか。DNAの神秘だね。
「何でそこでババアとかが・・・まあ、いいかもなそれも」
 ・・・ミドーに操作頼んでおいて良かったよ。

「才賀君、先生よりもお友達を誘った方が良いんじゃないかしら?」
「俺もそう思う。って、言うか何で俺を誘ったんだ? 君と話したことも無いのに」
 僕のクラスの元担任の阿藤日香里先生と軽音楽部の部長森田恭平が、せっかく誘ったのにそう言いながら遠慮しようとする。

 日香里先生は、僕が宙学一年の時の担任で今は別の一年のクラス担任をしてる。・・・僕のいじめを無かった事にした・・・っと、言うか気づかなかったから今回は招待してみた。何より、先生って結構美人だしね。おっぱいも大きめだし。

 村田先輩は、前言った通りの理由で誘ったんだけど・・・先輩ってモテるんだよね。ファンの女子とかも多いし噂では彼女が何人もいるとか聞くし。あと、高校生の彼女もいるみたい。

「そう遠慮しないで。教育者の目から、アドバイスが欲しいって父が言っているんですよ。
 それに、先輩って顔が広いでしょ? ファンの子とか誘って来て欲しいんですよ。色々な人の意見を聞きたいんです」
 ちょっと無理があるかなと思うんだけど・・・。

「まあ、そう言う事ならお邪魔しようかしら」
「じゃあ、俺も何人かファンの子に声をかけてみるよ。ちょっと人数多くなっても良いよな?」
 っと、こんな様子で頷いてくれた。ミドーに後でお礼のメールを出そう。

 そして、待ちに待った仕返し当日の日。皆集まってくれて、問題無く仕返しが出来そうで僕は嬉しいよ。
 浩次はちゃんと彼女の美佳ちゃんを連れて来ている。うーん・・・ちょっとバカっぽいように見えるけど、可愛いから良いかな。
紗枝や美世も取り巻きをそれぞれ5人くらい連れて来てくれてる。もちろん全員女の子だ。演劇部と美術部の部員は殆ど女子だけなんだよね。どうしてそうなったかは知らないけれど・・・新しく男子が入るのは躊躇われるから現状が続いているみたい。今後もこの現状を維持してもらいたいもんだね。

健介は母親に妹、お姉さんに・・・あれはお姉さんの友達かな? 気の毒だけど、恨むなら僕に口実を与えた健介を恨んでねー。友達のお姉さんも綺麗だから、もちろん頂きまからねー。

 森田先輩は・・・すごいな。15人も女の子を連れてきたよ。ファンの子っていうよりは・・・皆彼女かな? 雰囲気からして。噂で複数のガールフレンドと付き合っているって聞いていたけど、まさかここまでモテるとは僕も思わなかった。僕の『分析』でわかるのは、対象個人に関してだけだから、付き合っている人数まではわからないんだ。

 後、亜樹や香織に沙理ももちろん来てる。日香里先生も来てくれて、何よりだ。小村先生と一緒でちゃんともって来て欲しい物を持ってきてくれたみたいだし。

「それでは皆さん、今日のプレオープンをお楽しみください。お帰りの際は、アンケートにご協力いただけると何よりです」
 そう皆の前で言うのは、父さんの会社のお偉いさん・・・じゃなくて、お偉いさんに見えるただのおじさん。就職センターにいるところを、日雇いのバイトにスカウトしたんだ。恰幅が良いから、スーツでも着せれば偉そうに見えるだろうと思ってね。

 プレオープンと言う事にしてあるこの仕返し場は、ギャンブル気分でメダルゲームを楽しめるように内装や筐体を揃えてある。スロットマシンにポーカーゲーム、競馬ゲームや単純な落ち物ゲームも揃えてある。ブラックジャックは無し。あれは、胴元に唯一勝てる可能性のあるゲームだからね。
 ちなみに、アルコールは出さないけどバーそっくりの喫茶スペースまで作ったんだ。我ながら凝り性だね。

 こういう所は、まずお金でメダルを買ってからゲームをするんだけど・・・ここは個人用に作ったカードを交換機に入れて、それで画面に出た物とメダルを交換してゲームをするって仕掛けなんだ。
 もちろんメダルと交換するのは・・・お金じゃ買えないものが殆どさ。

 そして、『ゲーム』の能力の媒体はもちろんこの仕返し場にある無数の筐体。じゃあ、ゲームスタートと行こうか。

 僕がカードを皆に配ったら、揃って怪訝そうな顔をされた。まあ、当然だよね。僕は最初から呼ぶ予定だった10人分のカードしか配らなかったんだから。浩次の彼女の美佳ちゃんや、紗枝や美世の取り巻きの女の子達、健介の家族とその友人、恭平先輩の彼女達の分も無し。彼女達はプレイヤーじゃないからね。

 それも僕が『メダルは誰でも使っていいから、カードで交換した人から貰って』と言うと、とりあえず納得してくれたみたいだ。まあ、ここでいきなり怒り出して帰るって事は無いだろうからね。ちゃんと景品を皆にも見せたし。
 もちろん、景品は言った通り豪華な物ばっかり。人気アーティストのコンサートプレミアチケットに、人気の新ゲーム機とソフト。高いギターにブランド物のバッグ。とりあえず、高くて皆欲しがりそうな物は一通り揃えてあるんだ。

 これは財力の勝利だね。浩次は彼女に良い所を見せようと張り切っているし、健介も妹に大きなテディベアをせがまれて引けなくなってる。恭平先輩はギターに目が釘付けみたいだね。小村先生は・・・あれ? ハイヴィジョンTVに熱い視線を送ってる。先生は高級外車だと思ったんだけどなぁ。

 その代わりに高級外車に・・・正確には高級外車のキーに熱い視線を送っているのが日香里先生。前分析したときは車が好きだって情報は出なかったんだけど・・・最近目覚めたのかな? 亜樹や香織はブランド物のバッグが欲しいみたい。・・・お前らじゃ、持っても似合わないって。
 紗枝や美世はお嬢様らしく冷静だけど・・・ここは取り巻きへの求心力維持のために、景品をゲットしたいところだよね。

 さて、まず君達がメダルと交換する物は・・・『このゲームをやめようとする気持ち』だ。これでメダルが100枚手にはいる。それと同時に・・・ゲームをやめられなくなる。もちろん、僕がやめればそれまでだけど、また誘えば皆喜んで参加するようになるだろうね。どんな状態でも。

 皆ギャンブル慣れはしていないみたいで、中々メダルを増やす事は出来ないみたいだ。え? 連れてきた女の子達はどうかって? もう『ゲーム』は発動しているからね。プレイヤー以外は応援したり、叱咤したりしてるだけで大人しいものだよ。

 そして皆もう1回交換機でメダルと交換。次に皆がメダルと交換するのは『制止する理性』で150枚。
 つまり、皆を理性の効かないギャンブル狂になってもおうと思っている訳さ。
 今度は皆ある程度コツを掴んだみたいだ。健介がテディベアをゲットして、お兄ちゃんの面目を保ってるね。後の皆は・・・ちょっと目標が高すぎるみたいだね。この分じゃ、目標景品をゲットするまで時間がかかるだろうね。

 だから、ちょっとサービスタイムと行こうかな。
「皆さんこれからサービスタイムですっ! メダルの必要枚数も高いですが、高倍率のスペシャルゲームをお楽しみくださいっ!」
 おじさんが高らかに叫ぶと、一回メダル100枚のスロットマシン台がせり出してくる。競馬ゲームも100枚からしか賭けられないスペシャル仕様にチェンジ。

 理性と言うブレーキが無い皆は、歓声を上げながらゲーム機にメダルを投入してる。この分じゃ、すぐに次の交換だな。とりあえず、僕は喫茶スペースで飲み物でも頼んでおこうかな。
 今からが本番だから、喉を湿らせて置かなきゃ。興奮すると、喉が渇いて嫌だよね。

 ジュース片手に戻ってくると、早速うるさいあの3人組が交換機に向かおうとしてる。・・・っと、思ったら僕に詰め寄って来た。
「才賀、あんたこれどういう意味っ!?」
 亜樹が指差してるのは、交換機の画面。そこには『口を自由にする権利  メダル300枚』と出てる。どういう意味も何も、そのまんまの意味なんだけどなぁ。

「僕に君達の口を自由にする権利を売り渡すって意味だよ。別に、やめたいならやめていいよ? それに、気に入らなきゃ、後で買い戻せば良いんだし」
 僕がそう言うと、ゲームをやめたくない3人は短く相談を始める。

「どうする? 才賀に口を自由にさせたら、キスとかされそうじゃない?」
「あー、舌とか入れられそうだよね。でも、メダル300枚は欲しいよね」
「いいんじゃない? 才賀ってそんなにかっこ良く無いけど、不細工じゃないし。キスくらいならされても」
 ・・・このアマ覚えてろよ♪ まあ、それもするつもりだったけどね。舌も入れようとか思ってたし

 とりあえず、3人ともメダルと交換したみたいだ。後は・・・小山先生は僕を注意しないのと引き換えにメダルを交換してる。これで体育の授業がやりやすくなるなぁ。サボり放題だし。あ、健介はこれから僕にたかれなくなったみたいだ。他の皆は・・・今まで稼いでたメダルを使っているみたいだね。
 お、浩次の奴全部スッちゃったよ。大穴一点買いなんてするから。逆に恭平先輩はギターをゲットっ! おめでとうございまーす。

 だけどゲームは続くんだ。景品はいくらでも追加できるからね。浩次は今度こそと交換機に向かい、恭平先輩は勢い付いて次は憧れのアーティストのプレミアチケット目指して、やっぱり交換機に向う。

「どうすっかなぁ」
「何悩んでるのよっ! 男ならバーンと賭けなさい、バーンとっ!」
 っと、相談してるのはその浩次とその彼女の美佳ちゃんだ。何を悩んでいるのかと見てみると・・・なるほど『美佳の処女 メダル1000枚』か。これはちょっと悩むよね。

 え? 美佳ちゃんが自分の処女をメダルと交換する事を勧めてるのはおかしいって? おかしくは無いよ。プレイヤー以外の人は、簡単に操作できるんだ。彼女達はプレイヤーがゲームをやり続けるのに、とても協力的になってもらっているからね。

「よしっ! 美佳ちゃんへのプレゼントのためだっ!」
 決断したみたいだ。うーん、男だね浩次っ! ・・・それはそれとして、ちゃんと頂く物は頂くけど。
「じゃ、美佳ちゃんスカートめくってパンツ下ろしてくれないかな? 早速処女を貰いたいからさ」
「いいわよ、でもバックでお願いね。浩次君の応援したいからさ」

 美佳ちゃんが腰を突き出してスカートをめくり、下着を下ろすと綺麗なお尻と殆ど陰毛の生えていないワレメが見えた。美佳ちゃんはまだ生えてないみたいだね。
「ちょっと、来てくれない? 君達の口で手伝ってよ」
 そう言って、3人組を呼ぶと・・・とりあえず3人に口を使って手伝ってもらうことにした。

「亜樹は美佳ちゃんのワレメを舐めて。香織は僕にフェラ、それで沙理は・・・僕が美佳ちゃんの処女を貰っている間浩次にフェラしてて」
 そう言うと3人は口々に僕を「変態っ!」とか「鬼畜っ!」とか罵ったけど、逆らえず言う通りにしてくれた。当たり前だけどね。

 うーん、香織はあんまりフェラが上手くないみたいだね。亜樹は結構クンニが上手いみたい。理沙は何処かでやり方でも習ったのかな? 最初は彼女の前で遠慮していた浩次が、極楽気分でエントリーする競走馬の人形を眺めているよ。
 さて、もうそろそろ準備はOKかな? 僕は亜樹と香織に退いてもらって、美佳ちゃんの処女を頂くためにペニスを突き入れた。

「いたっ!! こっ・・・うじっ、君、がんばっ・・・あぁぁああぁっ! 激しいぃぃぃっ!」
 いやー、いいものだね処女って。リキやサイバーからお下がりを回してもらっているんだけど、やっぱり自分で手に入れた物は格別だよ。

 っと、どうやら浩次の賭けた馬は快調な走りをしているみたいだね。それはどうでもいいけど、そろそろ出そうだな。このまま膣に出しちゃっていいのかな、浩次君。
「よしっ! そのまま行けぇ―っ!」
 ああ、出しちゃっていいんだ。彼氏のお許しも出たし、じゃあこのまま・・・」

「やったっ! 勝ったよ美佳ちゃんっ!」
「うん、あたしもっ、う・・・れひぃよぉ・・・イッちゃうぅぅぅうぅーっ!」
 感極まって抱きついた浩次の腕の中で、美佳ちゃんは絶頂に至ったみたいだね。ドクドクと精液を美佳ちゃんに流し込んだ後、今度は亜樹達にフェラをしてもらって綺麗にしてもらった。

 トリプルフェラを受けてもう一回すっきりした後周りを見てみると、あれ? 恭平先輩まだ悩んでるよ。何を悩んでいるのかなと覗き込んでみると・・・。
「よしっ、春奈と喜子と美波恵を売ってメダル7500枚と交換だっ!」
 ああ、連れてきた女の子の内誰を交換するかで迷ってたのか。先輩の連れてきた女の子はどれも粒揃いだから、僕は誰でもいいんだけど、先輩の立場じゃ結構迷うよね。

「森田君ひどいっ! あたしまだ1回しかデートした事無いのに」
「そうですよ。それもただ振るんじゃなくて、ろくに話した事も無い男の子の彼女になれって言われても困ります」
 おっ、女の子の間から不満が噴出してる。まっ、当然だね。

「だから良く見てくれよ。彼女じゃなくて、『肉穴ペット・ザーメン処理器・奴隷メイド 以上の中から交換された者が選ぶ』ってあるだろ?」
「本当? ・・・じゃあ、あたしザーメン処理器になろうかな? それなら別に好きになる必要はないんだし」
「あたしは肉穴ペットかな。あの子結構可愛いし、ペットって事はあたしの事可愛がってくれるだろうし」
「うーん、私はどうしよう」

 っと、3人は不満を抑えて真剣に進路を考えはじめる。・・・どれもやる事は同じなんだけどね。
「ねぇ、もし交換になったらどうする? あたしは肉穴ペットになろうと思うんだけど」
「わたしは奴隷メイドかな? メイド服って可愛いじゃない。よろしくねー、ご主人様っ!」
 まだ交換されてない女の子達も、相談し始めている。皆ノリノリだね。

「・・・30番と27番と21番は交換したから、次交換するのは・・・」
 何だか不穏な呟きが聞こえた。って、言うか恭平先輩何人彼女がいるのさ? 何だか今になって恭平先輩が急に憎らしくなったような気がするよ。・・・ただの嫉妬だけどね。
 よーし、とりあえず今日連れてきた女の子達は皆巻き上げてやろう。

「才賀、これはどうにかならんのか?」
「小山先生? これって・・・ああ、これですか」
 小林先生の指差す交換機のモニターには、『女子テニス部のユニホーム決定権 メダル500枚』そのすぐ下には『女子テニス部員1人 メダル2000枚』と出てる。

「ユニホームの決定権はまだしも、部員はまずいんじゃないか? もうすぐ大会も始まるからな」
「まあ、たしかにユニホームはともかく、部員と交換は迷いますよね」
 ユニホームの方は貰っても、校内での練習の時にスコート禁止とかローター装着でやらせるだけだからね。さすがに公式試合でさせると、能力の限界が来そうだからやらないし。

「でも、何もバレー部を退部させろって言っているんじゃないんですよ、僕は。ちゃんと朝錬にも部活にも大会にも出てもらって構いません。・・・ちょっと授業中やそれ以外の時間に好きにさせてもらえればいいんです」
「だがしかし・・・」
「それにレギュラーから選ばなくたっていいんですよ。ほら、僕が持ってきてほしいって言った物を見せてくださいよ」

 そう僕に言われて小山先生出すのは、女子テニス部の写真つきの名簿。これこれ、一応学校関係者の情報は集めてあるんだけど、さすがに全部を把握している訳じゃないからね。必要になったら、写真で『分析』すればいいなんて認識のせいだね。改善しておこう。

「ほら、レギュラー以外にも可愛い子がいるじゃないですか。そういう子をくれればいいんですよ。この1年の菊池さんとか、2年の塩田さんとか」
「そうかぁ? まあ、それならいいか」
 渋々といった様子だったけど、納得して小山先生は大会に影響の無い部員を選んで交換し始めた。

 まっ、最終的には美少女で有名な阿部部長や泉副部長を貰いたいところなんだけどね。

「あのー、才賀君どうすれば良いかしら? もう私交換できる物は交換しちゃったのだけど」
「日香里先生、全部って事は・・・全部?」
「ええ、全部。私の口も胸もオマンコもお尻も、全部才賀君の物よ。後、授業中1回イクまでオナニーする事も約束するわ。それに、着る物も才賀君の言う通りでいいわよ」

 よしっ! これでうちの宙学教師の中で3本の指に入る日香里先生ゲットっ! っで、次は・・・。
「じゃあ、とりあえず僕の物になった先生の裸を見せてくれないかな? そうしたら次は何とメダルを交換したら良いのか教えてあげるよ」
「わかったわ。でも、先生より同じ年の頃の女の子の方が良いでしょう?」
 そう言いながら日香里先生は僕の前で服を脱いでいく。

 いやいや、先生も中々のものですよ。ちょっとぽっちゃりしてるけど、そこが大人の女の魅力・・・っと、オヤジ見たいな事言ってる場合じゃなかった。
「そのままオマンコとかお尻の穴を僕に見せて。そうそう、そんな感じ」
「それで、先生は次何とメダルを交換すればいいのかしら?」
 両手でオマンコを広げて見せながら、先生はそれが早く聞きたくて仕方が無いみたいだ。よっぽどあの外車が欲しいみたいだね。

「簡単だよ。先生が担任をしてるクラスの女子とメダルを交換すればいいんだよ。何枚と交換するかは、僕と相談だけどね」
 いやー、今までお下がりばかりだったから、必然的に年上ばっかりだったんだよね。だから、同世代とか年下の子とやりたいなって、前から思っていたんだ。・・・恭平先輩のおかげで、予想以上の数が手に入りそうだけど。

「でも、そんな事しちゃって良いのかしら? 教育者として問題があると思うのよ、先生は」
 そうだなぁ、僕がいじめられている事に気がつかなかったり、生徒に向かってお尻を突き出して肛門を丸見えにしてる事の方が教育者として問題があると思いますよ、先生。

「そんな事無いですよ先生。これはゲームなんですから、楽しまなきゃ損ですよ。それに、交換された生徒が嫌がるようなら、先生が勝って僕から買い戻せば良いじゃないですか」
「それも・・・そうかしら? ええ、そうよね。じゃあ・・・」
 日香里先生はお尻から手を離すと、服と一緒に床に置いた荷物から自分が担任をしているクラスの出席簿を取り出して、僕に見せる。

「この大西さんってどうかしら? 無愛想でちょっとクラスにまだ馴染めていないけど、可愛い子でしょ。きっと才賀君ともお友達になれるわ。だって一年前の君と同じなんだもの」
 ・・・先生の当時の認識って、その程度だった訳か。無知は罪じゃないけど、無知を改善しないのは罪だよね。
 よしっ! これからも先生から毟り取るぞー。今年のクラスが終わったら、来年のクラスがあるしね。

「出来たら性格じゃなくて、この子はおっぱいが大きいとか、お尻がいい形をしてるとか、そう言う特徴で選んで欲しいんですけど」
「そう? でもごめんさないね。先生そういう所は見ないから・・・」
 まあ、教師の視線で普段からそんな目を生徒に向けていたらまずいしね。期待するほうが無理か。

 先生との交渉がどうにか終わった後、僕は健介に胸倉を掴みあげられていた。・・・しまった、当たり前すぎて僕に暴力を振るわないって項目を交換機に入れ忘れた。
「おい・・・お袋や姉貴や妹に、酷い事はしないんだろうな?」
「へ? いや、酷い事ってどんな事?」
 てっきり殴られると思ったんだけど、健介はそんな事を聞いてきた。

「そりゃあ・・・殴るとか、水商売をさせるとか・・・」
「健介、君僕が誰か殴った所見た事ある? それに水商売って・・・僕が金持ちのボンボンだから、君はたかって来ていたんでしょ」
 まあ、ちょっとSMっぽい事とかもするかもしれないけど、水商売で働かせるなんて事はまず無い。父さんの会社が倒産になっても、僕の株式や先物取引には影響ないしね。

 それに、もう少し僕が年を取ったら会社を設立したりも出来るしね。この世界が原始時代に帰らない限り、僕が経済的に困ることはまず無い。
「そうだな。・・・じゃあ、ちょっとそこで待ってろっ!」
 僕を乱暴に下ろすと、健介はくるりと向き直って家族+α会議を始めた。僕はもちろん健介の家族やその親友のお姉さんを貰うつもりだったんだけど・・・どうやらそれに関する相談らしい。

 さっきのは、そのための確認事項だったみたいだ。
「まずは、やっぱり母さんからよね。美冬も深雪も、まだまだこう言う事は早いから」
「何言ってるよ、母さんが行っちゃったら誰が健介や深雪なの面倒を見るのっ!? まずは私が行くわ。こう見えても結構大人なんだから」
「そうですよ、おばさん。って、言うか美冬はどう見ても大人にしか見えないんだから。まっ、経験豊かなこのあたし程じゃないけどね」

「何言ってるのよっ! 真理亜の経験豊かって片思いの経験が豊かなんでしょっ! 私と大差無いじゃない」
「あたしが行くよぉ。あたしが行ってもお家の事は大丈夫だし、あたしももう子供じゃないんだから」
「深雪、だからあなたは早いって・・・」
「あのさ、皆落ち着いて・・・」

『健介(お兄ちゃん)は黙ってなさい(て)っ!』
「・・・・・・・・・はい」

 うわ、すごすごと小さくなる健介なんてレアな物見ちゃったよ。学校の皆に教えてやりたいくらいだ。
 相談の方はますますヒートアップ。皆操作されやすい体質なのかな? 最初は誰が一番先にメダルと交換されるかの相談だったのに、だんだん誰が一番僕の好みかって相談になってた。まだ僕の物になった訳でも無いのにね。

 でも中々結論は出ないみたい。まあ、当然だけどね。張本人の僕が『誰か1人選べ』って言われても、迷うだろうからね。
「そうだっ! この才賀って子に選ばせればいいのよっ!」
 ・・・いや、だから迷うって言ってるのに。

 友達のお姉さん、真理亜さんは僕の前までやってきて、腰をくねらせて見せる。
「お姉さん達の中で、一番初めに欲しいのは誰か言ってみなさい? もちろんあたしよねぇ? ほら、お姉さんのお尻に触れて見たくない?」
「真理亜ずるいっ! ねえ、才賀君私のおっぱいもんでみたくない? あなたのオチンチンを挟めるくらい大きいんだから」

「あら、だったらおばさんのオマンコはどうかしら? 子供を3人も出産したけど、まだまだ現役よ。何ならお尻の穴も好きにしていいのよ? もちろん、外出しなんてケチな事は言わないわ」
「あたしっ! あたしだよねっ! お姉ちゃんやお母さんにしたい事、全部あたしにしていいんだよ」
「いや、そう言われても・・・僕としては健介君の意思をですね・・・」

『いいからさっさと選びなさい(んで)っ!』
「・・・・・・・・・はい」
 今度は僕がすごすごと小さくなる番だった。

 とりあえず、次で貰える保証の無い真理亜さんを貰う事にして事無きを得た。・・・女のプライド恐るべしって奴なのかな? これも。
「・・・才賀さん、ちょっとよろしいかしら?」
「・・・私からも、訊きたい事がありますの」
 おや、今度は紗枝と美世だ。・・・まさか、この2人もどちらか選べなんて言わないだろうな。

「このゲームはとても楽しいのですけど・・・」
「メダルと交換する物・・・どうにかなりませんか? 私、この女とこんな事は絶対したくありませんわ」
「それは私もですっ!」
 ああ・・・良かった。そんな事か。

「2人が嫌がってるのは、あれだよね? 他の物はもう交換したの?」
「もちろんですわ。私はこのはしたない女と違って、少し恥ずかしかったのですけど・・・才賀さんにならと考えましたの」
「あら、私よりも先にオマンコをメダルに換えたのはどなただったかしら?」
「そういうあなたは、まずお尻をメダルに換えたのよね?」

「話が続かないから、いがみ合いはそれまでにしてね。じゃあ、2人の身体はもうメダルに変えたんなら、たしか取り巻きの人達の身体は? たしか換えられるはずだけど」
 この2人の取り巻き・・・特に、いつも連れ歩いてる人達って、皆見目が良いんだよね。きれいな子を周りに置けば、それだけ自分が偉いって思ってるみたい。・・・その中の1人に加えられそうだった事は、誇ってもいいかもね。

「もちろん、紗枝様は私達の身体もメダルに変えられていますっ!」
「美世様がお身体を交換したのに、私達が交換しない訳がありませんっ!」
 っと、双方の取り巻きの代表者。うーん、上手く飼い慣らしているな。

「でも、他にもあったよね? それは?」
「それも換えましたわ。演劇部で何を上演するのかの決定権と発案権、脚本も衣装も演出も、全部才賀さんの自由です」
 よしよし、これでとってもエッチな紗枝達の演劇・・・いや、ショーかな。それを学校の皆に見せて上げられるな。年2回だった演劇部の上演も、これからは最低月1回は見せられるだろう。小難しい脚本も大道具も無し。ただ喘いでもらえば良いんだから。

「私も全て変えました。美術部での芸術活動の決定権に、私達を才賀さんの芸術執筆活動に役立てる事。これからは私達の身体が、才賀さんのキャンパスですわ」
 これで美術の時間が楽しくなるな。真理亜達をキャンパスにすると・・・やっぱり描きにくいな。そうだ、今流行してるかは知らないけれど、オブジェになってもらうのはどうかな? 『肉便器』とか『メス豚』とか。うん、それがいい。

「それじゃあ・・・仕方ないんじゃない? ゲームをやめたいなら良いけど」
「そんな事おっしゃらないで。そうだっ! この場にいない私のお友達ではどうかしら? まだまだ可愛い子がいますの」
「それなら私のお母様はどうです? 健介さんのお母さんなんかよりもよっぽど美人ですわよ。それに、まだまだ家の使用人だって・・・」

「それは次の機会にしてよ。嫌ならいいよ? やめても」
 僕がそう突き放すと、2人は渋々と言った様子で交換機に向かった。ごめんね、でもあれは君達に用意した最大の仕返しだから、どうしてもやってもらいたいんだ。がんばってー。

 その後もゲームは楽しく進んだよ。もちろん、僕はそれを眺めていただけだけど充分楽しめた。皆も楽しかったみたいだね。皆欲しかった物をあらかた手に入れられたみたいだし。
 浩次はまたまた美佳ちゃんへのプレゼントゲットっ! 僕はまたまた美佳ちゃんの身体をゲットっ! まあ、全部じゃなかったけどね。

 亜樹達3人はなかなか勝てないみたいだったけど、やっとそれぞれ景品を手に入れられたみたい。でも、浩次よりギャンブル運は無いみたいだ。3人ともメダルに換えられる物は全部メダルに換えて、やっとだったみたいだし。
 ついさっきもっとメダルが欲しいって言ってきたから、学校で一週間ある物の代わりをしてくれるならあげるよと言ったら3人とも頷いてくれた。どんどん学校生活が楽しくなって、僕は嬉しいよ。

 恭平先輩は、あれからさらに小波ちゃんや未樹ちゃんや鈴ちゃんや・・・とりあえず、連れてきた女の子の内半分以上をメダルに換えた。かなり貰ったけど、まだまだ優先度一桁台の子は温存しているみたいだ。恭平先輩と僕の女の子の趣味は同じじゃないから、そんなに1番の子や2番の子が欲しいわけじゃないんだけど・・・こうなると欲しくなるよね? それに恭平先輩は年上としかやってないみたいだから、実は処女の子もいるんだよね。

 まあ、先輩もしょせん宙学生だってことだよ。

 小山先生は欲しがっていた薄型テレビとDVDレコーダーをゲットできたみたいだ。でも、そのために女子テニス部員をマネージャーまでメダルと交換していたんじゃあ、勝ったとは言えないよね。隣で賭けてた日香里先生の裸が気になって、集中できなかったのかな。

 その裸の日香里先生も担任クラスの女子を全部交換して、やっと外車を手に入れられたみたいだね。・・・先生にやらせる事は決まっているんだけど、クラスの女子にさせる事は決まってないなぁ。やっぱり性教育の授業かな? 隣の男子でフェラやアナルセックスの練習とかをさせて、床上手な処女を量産するとか。でもそれなら、テニス部のみんなの方を使ってもいいかな? いっそ両方とも・・・。

 健介はあの後、さらにお姉さんをメダルと交換してた。早速お姉さんには真理亜さんと並んでオナニーショウをしてもらったんだ。うーん、いい物もらったなぁ。2人ともルックスもスタイルも良いし、処女だし。・・・真理亜さんは、ちょっと陰毛が濃いけどサービス精神が旺盛で僕が真理亜お姉さんのお尻に視線を向けたら、言われなくてもアナルでもオナニーをしてくれた。美冬お姉さんはうぶっぽいけどクリトリスが大きめで、愛液が多い体質みたい。
 お母さんと妹さんを貰うのが楽しみだね。

 っで、紗枝と美世は何をやっているのかと言うとあの最後までメダルと交換しなかった、ある事をしてもらっている最中。いやー、眼福だねぇ。
「んぅん・・・美世さん、こんなに色の濃い乳首を勃起させて、まったくいやらしい方ですわね」
「ああっ・・・紗枝さんこそ、大きいばかりで張りも無いぶよぶよしたおっぱいを押し付けて。そんなに私に愛撫して欲しいのかしら?」

 そう言いながら、二人は僕や自分達の取り巻き我見守る中で裸で抱き合ってお互いの胸を愛撫してる。2人が最後まで嫌がったのは、レズビアンショーを僕達の前で相手がイクまでする事。相手が自分とライバル関係にある相手だから、嫌がるのも無理ないとは思うんだけどね。

 ・・・ちなみに、2人はああ言っているけど実際は美世の乳首はちょっと色素が濃いだけで、紗枝のおっぱいは美世より少し大きいだけだから。口喧嘩しながら、レズプレイをしているんだよ。・・・言葉責めをしながらしていると思えば、見苦しい罵りあいも淫靡さの演出に変わるんだから面白いね。

 おっと、今度はシックスナインの体勢だ。お互いの性器に舌を這わせ始めてる。
「あら、だらしの無い上に汚いオマンコですこと。私に舐められて、気持ち良さそうにお汁をたらしていますわよ」
「あなたこそ私がクリトリスを舐めるたびに、お尻の穴をヒクヒク動かして。もしかして、クリトリスよりお尻の穴を舐めてほしい変態さんなのかしら?」

「ああっ、紗枝様・・・おいたわしい」
「美世様っ、おつらいでしょうに・・・」
 って、取り巻きの子達は言うけど・・・この先君達もおいたわしい目やつらい目にあうんだよー。それに、2人はそんなにつらくないんじゃないかな? 気持ち良さそうにしてるしね。攻めて感じてるのか、攻められて感じてるのか、いまいちわからないけど。

 『分析』してみると・・・どっちもか。サドっ気もマゾっ気もあるなんて珍しい。
 っと、そろそろ時間か。今の小山先生なら少し遅くなっても見逃してくれそうだけど、周りから『夜遅くになっても宙学生が遊んでいる』なんて目をつけられたら面倒だからね。
焦らなくても・・・時間はたっぷりとあるんだから。

「皆っ! そろそろ今日の『ゲーム』はお開きだっ! 次の『ゲーム』の日時は必ず知らせるから、それまでにメダルに交換する物を用意しておいてね」

 『ゲーム』をした日から、日曜を挟んで2日。僕は随分と居心地が良くなった学校で、授業を受けていた。
 もう中間試験直前だからね。ちゃんと勉強はしておかないと・・・って、皆気が散っちゃってそれどころじゃないみたいだね。まあ、今は中間試験にあまり関係無い授業なんだからいいんだけど。
「じゃあ安藤君、教科書を読んでくれるかしら?」
「はっ、はい先生っ!」
 指された安東君は、顔を真っ赤にして椅子から飛び跳ねるようにして起立する。

 別に怒っている訳でも、先生が怖い訳でもないよ。なんたって、今日の授業は特別に日香里先生にしてもらっているんだから。
 しかも今日の日香里先生は、魅力200パーセント増し。着ているのはもう少しで全部透けて見えちゃいそうな薄いキャミソールに、超ミニのスカート。もちろんノーブラでノーパンだよ。

 いやー、朝高級外車に乗って出勤する先生も目立っていたけど、この格好で出て来た先生を見たときのみんなの反応って言ったら、見ていて笑えたよ。皆どんなに驚いても、『ゲームの結果』とか言えば納得させられるしね。

「ちょっとゆっくり読んでね。先生、その間にやらなきゃいけないことがあるから」
 日香里先生がそう言った瞬間、男子は身を乗り出して日香里先生に熱い視線を向ける。その視線を受けながら先生はなんと、教壇に登ると生徒に向かってスカートを捲りあげた上に股を開いて、大股開きでオナニーを始めた。

 ちゃんと授業中に一回はオナニーをしてイクって約束は、ちゃんとしているみたいで結構。
「ああぁ・・・だめぇ、そんないきなりぃ・・・」
 先生―、妄想が口に出てますよー。おかげで安藤君の音読が聞き取りづらくなるけど、皆元々日香里先生のオナニーショーに夢中だから、気にしないけど。

 でも、実は先生だけに視線が集中しているかって言うと、そうでもない。僕の使っているノートに視線を向けているクラスメイトも多いんだ。何故かって言うと・・・。
「亜樹、ちょっと書きづらいからもう少しじっとしてくれないかな?」
「そ、そんな事言われたって・・・」

 亜樹は歯切れ悪く応えるだけだけど、まあ無理も無いかな? なんたって今彼女は僕のノートの代わりになってもらっているんだから。
 亜樹達が最後にメダルと交換したのは、『一週間僕のノート代わりになる』って条件。ちなみに、香織と沙理の2人はもう書く所が無くなっちゃったから、後ろで待機してもらってる。

 え? 僕はもちろん真面目に授業を受けてるよ。今も、黒板に書かれた事をノートに写しているんだから。卑猥な落書きなんて、もちろんしてないさ。・・・そういう事は、放課後の為にとってあるんだ。

「才賀君、先生今担任しているクラスの家庭訪問を始めたの。次のゲームが始まるまでに、交換できる人を探しておくわね」
 にっこりと、教室から出る時にそう話しかけてくる先生。・・・そっか、女生徒の家族まではチェックしてなかったな。自分からそんなに積極的に動いてくれるなんて、日香里先生は頑張り屋さんだね。

 授業が終わって昼休みになったけど、昼ご飯を食べる前に僕にはする事がある。亜樹達に書いた事を、紙のノートに書き写すことだ。・・・まさか3人にこれから風呂に入るなっ、なんて不潔なこと言えないからね。でも、自分でするのは手間だから・・・。

「誰か、僕のノートに書き写してくれる男子はいるー?」
 そう訊いた瞬間、日香里先生を追かけて行った生徒以外の男子の殆どが手を上げた。皆同年代の異性の身体に興味があるみたいだね。僕はその中から3人選ぶと、書き写してくれるように頼んだ。

「ちょっと、そんなところ見ないでよっ!」
「触んないでよっ! 才賀に触られるのだって嫌なのにー」
「ちょっと、そこにかいてある事全部もう書いてあるじゃないっ! 何時まで見てるのよっ!」
 亜樹や香織、沙理はそう言うけど・・・書けるだけ書いたからね。おっぱいやお尻にはもちろん、大陰唇や肛門の周りまで・・・全部書いた。だから、指で広げないと書き写せない所もあるんだよ。

「才賀っ! 次のゲームで絶対あたし達の身体を買い戻して見せるから、楽しみにしてなさいっ!」
「乙女に恥をかかせた罪は重いんだからねっ!」
「覚えてなさいよ、この鬼畜エロガキっ!」
 って、後ろで言ってるけど・・・あの3人、次は何をメダルと換えるつもりなんだろう? 誰か友達に当てがあるのかな? 無かったら僕を様付けで呼ぶとか・・・そうだっ! 僕への愛を叫びながら処女喪失のセックスをみんなの前で披露するって言うのはどうかな? 僕の事を馬鹿にしていた3人にしてみれば、ただ犯されるよりつらい仕打ちだよね。

 良し、3人にはそれまで処女のままでいてもらおう。

「あら、才賀さん私を見に来てくださいましたの?」
 っと、言うのは食堂へ続く廊下でオブジェと化してる美世。彼女とその取り巻き計6人は、M字開脚で壁に固定されてる。誰かと誰かの相合傘とか、書きなぐったような誰かへの罵倒とか、公衆便所にありそうな品の無い落書き付でね。

 タイトルは『便女』。今なら、セックス以外は全部・・・お嬢様とその取り巻きのオマンコのビラビラの長さやクリトリスの大きさ比べや、おっぱいの大きさや柔らかさ比較。さらにはフェラの腕前比べまで無料で出来る。休み時間は人だかりが出来るくらいの人気スポットだよ。

 いつもやると美世達が授業を受けられないから、今日は仕返し成就記念って事で特別展示なんだ。次に展示するのは・・・文化祭かな? やっぱり。それとも、僕の誕生日やクリスマスに屋敷で飾ろうかな? うん、それがいい。今まで誰にも祝われた事が無いかったから、その分今年は派手に行こう。

「あら、誰かと思ったら才賀さんと美世さんじゃありませんの?」
 っと、向こうから来たのは取り巻きを引き連れた紗枝だ。格好は普通の制服姿だよ。今はまだ部活動の時間じゃないからね。

「才賀さん、放課後演劇部の練習を見学なさいませんか? 才賀さんが脚本を書いた『痴女の舞』、私も皆さんも張り切って練習していますのよ。少なくとも、こんな汚いを観賞するよりは、裕福なお時間が過ごせますわ」
「うーん、ちょっと今日は・・・」
「聞き捨てなりませんわねっ!」

 僕が遠慮する前に、紗枝に美世が噛み付いた。・・・ちなみに、『痴女の舞』って言うのは、ただのストリップとその後のオナニーとレズビアンショーの事だから。試験前にそんなに凝った物は出来ないからね。これ以上は。

「このオブジェを発案したのは才賀さんですのよ? それを馬鹿にするなんて・・・もしかして、マスターベーションとお友達との弄り合いで、頭の中まで痴女になってしまったのかしら? 何ならここでお脱ぎになります? 今なら、私達の引き立て役くらいにはなれましてよ」
 言うねー。昼休みなのにここに集まってる男子が、美世の言葉に期待して色めき立っているよ。

「あら、私は才賀さんの発案についてではなく、あなたに対して言ったのですわ。どんな芸術も、素材が悪ければ色褪せてしまいますものね。そう言えば聞きましたわよ。朝から随分と人気者になったそうですわね。皆さん、あなた方の汚いグロマンコが珍しくて仕方が無いみたい。
 そう思いませんこと、皆さん?」
 うーん、火花が散ってるなぁ。僕はその隙に食堂に脱出しよ。

「あっ、才賀さん何処へっ!?」
「お待ちになってくださいっ!」
 2人が次のゲームでメダルに換える物については、もう大体当たりがついてるからご飯を優先させてもらおう。
 残りの部員に家族に使用人に、上手くしたら使用人の家族も。それを全部メダルに換えても、来年の新入部員や部のOBも期待できるから、2人は僕のゲームのお得意さんになってくれそうだよ。

 食堂で僕は普段普通に日替わり定食なんかを食べるんだけど・・・今日は特別な料理を特別な給仕に食べさせてもらうんだ。もちろん、注意しそうな人はあらかた『ゲーム』で黙らせてある。・・・手抜きのソフトを使ったから話さないけどね。

 食堂の一角を貸し切って僕が席に着くとメイド服を着た元恭平先輩の彼女達で、現奴隷メイドの女の子達が僕に裸エプロンで給仕をしてくれる。その中には、生まれたままの姿の美佳ちゃんも混じってる。彼女はメイドじゃないんだけど、ちょっと特別に頼んだんだ。

 いやー、良いもんだ。裸の女の子に囲まれてるのはもちろんだけど・・・何より食堂にいる男子達からの羨望の眼差しが、心地良いったらないね。今まで空疎にしか感じなかった食堂が、今は高級レストランより居心地が良く感じるよ。
 食事の準備が整っていくのを、女の子達の身体に触れながら楽しく待っていると・・・美佳ちゃんのお尻に手を伸ばそうとした途端、美佳ちゃんに手を叩かれちゃったよ。

「ちょっとっ、ここには触らないでよっ!」
 顔を真っ赤にして怒り出す美佳ちゃん。普通の反応だと思う? 違うんだよ、これが。
「触るんだったらオマンコやおっぱいにしてよねっ!」
 っと、お尻隠して前を隠さずの美佳ちゃんは言ったのでした。そう、美佳ちゃんは僕の食事の準備をしながら片手は常にお尻を隠してるんだ。

「あんたが手に入れたあたしの身体は、オマンコとおっぱいと・・・つまりお尻以外の全部なんだから、お尻は触らないでっ! 言っておくけどオチンチンで犯していいのも、オマンコや口におっぱいだけなんだから。お尻の穴以外ならどんな事でもしていいけど・・・」
「じゃあ、後背位でセックスしていいのかな?」

「ダメッ! お尻に触れちゃうじゃないっ! オマンコでセックスする時は、正常位だけっ!」
 うーん、別に僕はアナルセックスが大好きなわけじゃないんだけど・・・こんな風に言われると、ぜひともやりたくなるんだよね。

「じゃあ、次のゲームで浩次がメダルに換えるまで、楽しみにとっておくよ」
「フン、今に見てなさいよ。浩次君が必ずあたしを買い戻してくれるんだから。あたしの友達も、浩次君に協力してくれるって言ってくれてるし」
 うん、せいぜいがんばってねー。僕も応援しているよ。

「ご主人様ぁ、お腹すいたぁ」
「早くあたし食べたいな」
 そう言いながら僕の足に頬ずりしながら甘えた声を出すのは、肉穴ペットになった恭平の彼女だった女の子達。彼女達は、裸に首輪だけって言う、実にペットらしい格好をしてもらってる。

「そうだね、じゃあ皆料理を食べようか」
 僕の声で、皆目の前の料理にかぶりつき始めた。途端上がる艶のある喘ぎ声。
 何で喘ぎ声が上がるのかって言うと、実は料理のお皿はザーメン処理機になった女の子達を使っているからだよ。
 つまり、女体盛りが今日の昼ご飯なんだ。

 ああ、でもザーメン処理機の女体盛りは肉穴ペットや奴隷メイド用で、僕が食べる皿は他にあるんだ。
「才賀くーん、甘―い真理亜お姉さんのクリーム和えを早く食べてぇ~」
「あら、ダメよ真理亜。デザートは食後でよ。才賀君、まずお刺身の美冬お姉さん造りから食べましょうね」
 甘そうな生クリームとフルーツで飾られた真理亜お姉さんが甘そうな声で誘惑して、それをたしなめた深雪お姉さんが、お刺身の乗った腰をくねらせる。

 そう、僕が食べるのは健介のお姉さんとその親友を使った女体盛り。じゃあ、いっただきまー・・・。
「才賀、食事中悪いが・・・」
 いざ食べようとした僕にストップをかけたのは、小山先生だった。

「・・・なんです先生? どうかしましたか」
「いや、お前が女子テニス部のコーチをやってくれる事になったから、少し暇になってな」
 ああ、そうだ。放課後は女子テニス部の皆に練習させなきゃいけないんだっけ。・・・中間試験前だから、サボろうかな。

「それで、来週から女子水泳部の顧問も兼任することになった。・・・もちろん、次のゲームに使うつもりだ」
「水泳部の顧問にっ!? 前の顧問の先生はどうしたんです?」
「それは・・・・・・・・・・・・持病が悪化されて、田舎に帰るそうだ」
 ・・・何かやってたのかな? あの先生。盗撮とか? でも、それで僕が最終的に得をするならまあいいか。

 では改めてと、僕が食事を始めようとした瞬間・・・すごい勢いと剣幕で健介と恭平先輩が僕に向かってくるのが見えた。
「才賀っ! 次のゲームは何時だっ!?」
 まず僕の肩を掴んで、恭平先輩が大声で訊いてきた。・・・先輩、つばが飛ぶんですけど。

「見ろっ! メダルに換える物も揃えてあるっ!」
 バラバラと、写真を数十枚も僕に見せる先輩。うわ、全部女の子の写真ばっかりだ。
「だから早くゲームをやらせてくれよ~」
 ・・・能力が効きすぎちゃったかな? 何だかゲーム中毒になっちゃってるように見えるんですけど? 女の子を僕にくれるのは嬉しいんだけど、このままだとまずいから後で先輩にだけ緩めておこう。

「えー、ひっどーい恭平君。あたし達を買い戻してくれないの? 恭平君のザーメン処理してみたかったのにぃ」
「もう、いいわよ。才賀君に飼ってもらうから。才賀君、あたしを幸せにしてね?」
「ずるいっ! あたしも幸せにしてもらいたいなぁ、ご主人様」
 女の子達の方は、わりとあっさり僕に乗り換えてくれた。・・・恭平先輩、僕が言うのもなんだけど・・・もう少し人と人との絆ってものを育んだほうがいいと思うな。

「才賀っ! 必ず姉貴と真理亜さんを取り返すからなっ!」
 おっ、健介の方は普通に奪還宣言かな? さすが家族思い。

「姉貴や真理亜さんは俺と違って人望があんだよっ! 姉貴達のダチにも協力してもらって、必ず買い戻してやっから、楽しみにしてろよっ」
 俺と違ってって・・・自覚があったんだね、健介。
 それはともかく、言われた通り楽しみにしているけどね。健介の家族やその友達を器にして、フルコースを食べてみたいと思っていたところだからね。

 フルコースなら、前菜や肉料理も欲しいな。・・・それより先に、大きなテーブルを用意しなきゃダメか。

「いやー、学校って楽しいところだね」
 でも、試験勉強はしないとね。なんたって・・・試験の成績も『ゲーム』なんだから。

< つづく >

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