奴隷ノート

1.9月5日(月)

「あ、あの・・・・・・私と付き合ってくれない?」
「えっ!?」

 ガラにもなく顔を赤くして恥じらいながらそう告白した時、高橋君はたいそう驚いていた。そりゃそうだろう。2年になって初めて同じクラスになった彼とは、2学期になる今まで一度も言葉を交わした事すらないのだから。でも私は、さっき別れてくれと一方的に宣告した元カレにも見せた事のないような、小首を傾げる女の子っぽい仕草を作り上目使いにお願いしていた。

「お願い! ダメ・・・・・・・かな?」
「いや、もちろん、オッケーだよ。だけど感激だなあ。町田さんが僕の事を好きだったなんて」

――ううん、違うの! 別に好きでも何でもなかったのに、どうしてだろう? でも高橋君って、結構しゃべるんだ、真っ赤になっちゃって、カワイイ・・・・・・

 私は自分の事は棚に上げて、たぶん女の子と付き合った事などないであろう彼が、ひどく赤面して緊張している様子に、胸をキュンと締め付けられるような気分になった。これじゃまるで小学生同士の告白ごっこみいで、恥ずかしいったらありゃしない。でも、私の胸の高鳴りはもう治まる気配がなく、全然そんなガラじゃないのに、まるで純情な恋する乙女のように耳たぶまで紅潮して熱かった。

 高橋君に、お話があるの、と声を掛けた時から、いやもっと前からだ。今日突然私は、このクラスで一番大人しく目立たない彼の事が気になり始め、授業中もずっと少し斜め後ろの彼をチラ見しながら、ドキドキと胸をときめかせていたのだ。何でだろう? よく友達に男の子っぽい性格だとからかわれる私は、異性に対してこんな気持ちになったのも小学校の頃以来な気がする。

 それに正直言って、今日まで私が彼の事を好きになるなんてあり得なかった。私町田詩織はバレー部で、少し背が高いのが気になるけど、ルックスには結構自信がある。性格は自分でもサッパリしてると思うし、1年の時男子の少ない商業高校なのに何人もからコクられて、友達に羨ましがられたくらいだ。その中で最もカッコ良かったバスケ部の男子と付き合ってて、美男美女のカップルだなんて言われ、密かに誇らしく思ってたのに。

 対して高橋君の方は、メガネを掛けた無口でネクラな男の子。ブサイクではないけど、背は低いし少し太っている。何より男同士でも話してるのをほとんど見掛けないくらいで、女の子と付き合うどころか、口もまともに利けないんじゃないか、と思いたくなるような男の子だ。だから私にコクられて、嬉しそうにしゃべってくれた彼が意外で、カワイイだなんて後から思えばのん気な事を感じちゃったわけだ。でも仕方ない。彼があのノートに『町田詩織は僕の事を好きになる』なんて書いちゃったんだから。

「ねえ、一緒に帰ろうよ」

 付き合ってもらえる事になったのだから、それが当然だと思ったのだ。前の彼氏もお互いの部活が終わってから一緒に帰ろう、と言って来た事があったけど、あまり付き合ってる事を大っぴらに見せたくない私はそれを断っていた。でも今度は立場が違う。なぜか高橋君に猛烈に恋しちゃってる私は、自分から彼と一緒に帰りたいと願い誘ってみたのだ。

「部活に出なきゃ、町田さん」
「え、でも。高橋君って部活やってないんでしょ」
「図書室で時間潰してるから。ちなみに僕、文芸部だよ、一応」
「ふうん。知らなかったな」

 彼が所属している事はおろか、そんな部がある事すら知らなかった。でも、わざわざ私のために待っててくれるのか、と思って少し感激していると、高橋君はキモい事を言う。

「ホントは町田さんが練習する所、見てたいんだけどな。でもみんなからヘンタイに見られちゃうからね」

 そりゃそうだ。同じ体育館で練習でもしてるならともかく、用事もない高橋君が女子バレー部なんか見物してたら、ヤバいに決まってる。

「でも、白状すると、僕町田さんがブルマはいてるの見て、すごく憧れてたんだ。まあ、帰りにもっと話してあげるよ」
「うん。練習行って来る」

――それってマジ!? 恥ずかしい事言わないでよ、高橋君。ああ、だけど、彼が私のブルマ姿に憧れてただなんて・・・・・・

 そんな事、他の男子が口にしたら、キモイだけだろう。元カレが「ブルマ」なんて言いやがったら、張り倒してたかも知れない。私は練習からはいている「ブルマ」が嫌いだ。最近どんどんムチムチになってると自覚するフトモモが露出して、大き過ぎるのが悩みのお尻のためピチピチだ。男の子にとっては凄くエッチな眺めだろう。実際1学期にウッカリ教室に置きっ放しにしていた部活用バッグの中から、ブルマだけなくなってた事がある。持って帰って洗濯しようと思ってたはき古しのブルマを取られるなんて、恥ずかしくて誰にも言ってないんだけど、きっと男子の仕業に違いない。

 だから嫌で堪らなかったのに、高橋君にそんな恥ずかしい姿を見られる事を想像しただけで、私は胸がキュンと締め付けられるようなひどく悩ましい気分になってしまう。これが恋する乙女心なのだろうか? 彼が少々ヘンタイだって構わないではないか。そして困った事に、心ならずも好きにさせられてしまった高橋君は、少々どころじゃなく正真正銘のヘンタイだったのである。

 その日の練習は、問題の「ブルマ」を着用しただけで何とも甘酸っぱい気分に陥り、注意力散漫、動きも鈍く、コーチに怒られっ放しだった。頭の中は、今図書室で待ってくれてる高橋君と一緒に下校する事ばかり。どうしてこんなに彼の事が好きになったんだろう?

「手繋いで歩こうよ、高橋君」
「積極的だね、町田さん」
「ヤだ・・・・・・」

 待ちに待った大好きな高橋君との下校時間。自然にこみ上げて来た感情に任せて手を繋ごうとすると、そんな事を言われたので、私は恥ずかしくなり顔を上げられなくなった。いつもは一緒に帰るクラブの女の子達も、私を目撃してビックリしているみたい。それに元カレを含めた部活帰りの男子達も。うちの学校は高台にあって、ほとんどの生徒が下にある電車の駅から片道10分以上掛けて歩くのだ。行きは上りだから20分近く掛かるが、帰りはのんびりとそのくらい時間を掛けて帰るカップルを見かける。でもそんなの恥ずかしくて元カレとはNGだった私が、その長身の彼とはもちろん、私に比べても全然背が低く小太りの冴えない高橋君と手を繋いで帰宅しているのだ。みんなに注目されちゃうのも当然だろう。凄く恥ずかしいけど、いいのだ。だって大好きな高橋君と一緒なんだから。

「いや、ビックリしたよ。町田さんが本当に僕の事を好きになってくれるだなんて」
「私だって、どうしてかわからない」
「種明かししたげようか?」

 こうしてみんなに目撃されながら手を繋いで歩く嬉し恥ずかしの時間に、高橋君が打ち明けてくれた話はとても信じられないものだった。

「ノート?」
「うん。そこに書いた事は、何でも実現するんだ」
「ヤだそれ。名前を書かれたら死んじゃうとか」
「それはデスノートだろ。でも似たようなもんだよ」
「信じられないよ」
「じゃ、どうして町田さんは、こんなに僕の事が好きになったんだい?」

 もうすっかり時の経つのも忘れて、彼との話に夢中になってた私。オカルトに興味があると言う高橋君が、昔の黒魔術だか何だかの本を読み漁ってるうちに、物凄い力を持つそのノートを作る事に成功した、と言う明白な作り話も、冗談でしょ、とバカにする事は出来なかった。そして話に熱中し過ぎて、もう周りに誰もいなくなったと見るや、高橋君はさらに恥ずかしい告白をしてくれた。あのブルマを盗んだのは彼だと言うのである。

「町田さんの匂いが染み付いててさ」
「バカ!」

 そんなヘンタイ行為を告げる彼を、私はそう言って小突いたが、腹が立つより恥ずかしくて、彼に甘えてるのと変わらなかった。

「今でも持ってるよ。町田さんの匂いを嗅いだり、それでオチンチンを握ってシコシコしたら、僕すぐに出ちゃうんだ」
「この、ヘンタイ!」
「でもおかげで、ノートを完成する事も出来たんだよね。あれ、町田さん」
「もう、知らない!」
「待ってよ」

 高橋君がどんどん調子に乗って、エッチでヘンタイな事を言い出すもんだから、私はますます恥ずかしくなって耐えられなくなり、手を振りほどいて一人で帰ろうとしたのだ。でも、どうしてもそんなヘンタイな高橋君に腹を立てる事が出来ない私は、彼が慌てて後ろから追い掛けて手を捕まえられると、大人しく振り向いてしまう。だって好きなんだもの。やっぱり、彼が言う「ノート」は本当に凄い力を持ってるのだろうか? ケイタイ番号とメアドを聞かれて、もちろん交換する。それだけで、ますます彼と近付いた気がして、嬉しくなっちゃう私。

 その夜。親には勉強するとウソを付き、いやホントに勉強するつもりではあったんだけど、自分の部屋で机についてた私。いつものように勉強道具を出したのは形だけで、すぐにやる気がなくなってマンガを読んだり、ケイタイを弄ったり。気が付くとぼうっとして、高橋君の事を考えてしまってた。そしたらまるで想いが通じたかのようにケイタイにコール。

「町田さん、こんばんは」
「あ、高橋君」

 ううむ、こっぱずかしいくらい、高くてかわいらしい声色を作ってしまった。それだけで顔が熱くなる。

「あ、あの、町田さん」
「詩織って呼んでくれていいよ」
「え!? じゃ、詩織」
「ねえ、高橋君の名前は?」
「サトルだけど。覚悟の悟って書いて、サトル」
「サトル君なんだ」

 高橋君は電話なのに何だかオドオドしてて、あんな凄いノートで私を虜にしちゃったくせに、全然堂々としてない所が逆にカワイイと思った。そして下の名前で呼ばれると、とても嬉しい。恋しちゃってる筈なのに、困った事に彼の下の名前を知らない私は、それを聞いて意味もなくウットリしてしまう。どうしようもなく、おバカな恋する乙女だね、こりゃ。でも、ここまでは完全に私の方が主導権を握ってた。

「詩織」
「サトル君」
「僕、今詩織のブルマ持って、匂いをかいでる」
「ゲッ! マジで?」
「ああ。凄く、いい匂いだ。これが詩織の、アソコの匂いなんだね」
「ちょ、やめてよお!」

 女の子のはいてたブルマを盗んで、しかもその匂いをかぐだなんて、とんでもないヘンタイだ。お下劣にも程がある。なのに「ノート」の力のせいなのか、私はサトル君がどんなにヘンタイな事を話してもその声にときめいてしまい、電話を切る事も耳から離す事も出来ないでいた。

「僕は今詩織のブルマでおちんちんを握って、オナニーしてるんだよ。わかる? とっても気持ちがいいよ」

 私はやった事ないんだけど、「オナニー」の知識はあるし興味がないと言ったらウソになる。もちろん男の子がしてる所なんか見た事もあるはずないのに、サトル君が私のブルマでシコシコしてるのを想像してしまい、ズキンと胸が疼いた。彼の声も明らかに興奮してて鼻息まで聞こえて来るんだもの。

「今度は詩織がはいてるパンツをもらうよ。そしたらもっとハッキリ、おまんこのイヤラシイ匂いがして、凄く気持ちいいだろうな」
「バカな事言わないで」

 ああ。何でこんなエッチでヘンタイな言葉を聞いてやらなくちゃならないのだろう。どうしても彼の声に聞き惚れてしまう私は、搾り出すような声でそう返すのが精一杯だった。はき古しで私の汗が大量に染み付いているであろうブルマでエッチな事をされるのも耐え難いけど、パンツで何て、絶対にイヤだ! でもそれは考えただけで私の気持ちを揺さぶってしまう。だってそんなヘンタイな所も含めて、私は彼の事が好きでたまらないんだもの。

「バカだって? そんな口を利けるのも今のうちだからね。ああ、気持ちいいよ、詩織。もうすぐ出ちゃうよ、詩織っ!」

――出しちゃうのって、気持ちいいの? サトル君

 エキサイトしながら生意気な事を言い出すサトル君だけど、私の名前を呼びながら「出ちゃう」と訴える切羽詰まった彼の声を聞いてると、正直カワイイと思って何でも許せてしまう気分になった。こんなヘンタイ丸出しでイヤらしい男の子なのに。サトル君は本当に出してしまったのかしばらく会話が途切れ、その間私はもっとエッチな想像をして一人で赤面してしまう。私からブルマの次はパンツを奪い、それでシコシコしちゃうサトル君。ああ、何ていじましいんだろう。でもって、次はそんなヘンタイ行為じゃなく、本当にエッチをしちゃうんだ、と思うと嬉しくなってしまう。彼とはまだ手を繋いだだけで、キスした事もないのに、もうそこまで考えが発展してしまうのにはビックリだ。 

 白状しちゃうと私、バスケ部の元カレにせがまれて、一度だけエッチしちゃった事がある。でもその時は血が出て痛いばっかりで、ちっとも気持ち良くなかったし、こんな事二度とごめんだと思ってた。だからそれ以来、彼に求められても絶対イヤだと断って来たし、やっぱり彼の事はそこまで好きじゃなかったんだろう。でも今なら違う。どんなにヘンタイでも声を聞いただけでウキウキしてときめいてしまうサトル君となら、きっと気持ち良いセックスが出来るだろう。

「あー、いっぱい出してスッキリしたよ。詩織のブルマのおかげだ、ありがとう。でも今度はパンツがいいな。くれるよね? 詩織」
「・・・・・・・ヤだよ。そんなのヘンタイだし、恥ずかしいよお」

 思わずあげちゃってもいいかな? 何て気の迷いを持ってしまった私は、慌てて打ち消した。いくら好きな男の子でも、そんなのあり得ない。だけどサトル君は確信してるような口調で言う。いつの間にかオドオドした態度は消えて、彼との立場もすっかり逆転してたみたいだ。

「もうすぐ詩織は僕の言う事を何でも聞いてしまうんだよ。パンツをくれ、と言えば、その場でホカホカのを脱いでくれるんだ。だってノートに書いちゃったから。写メで送ってあげるから、何て書かれたのか、よく読んでみるんだよ」
「え、ちょ、ちょっと、サトル君!」

 思ってもみなかった展開に頭がついていかず慌てた私だけど、どんどん行動に移してしまうサトル君に言われるまま、立て続けに送られて来た画像に見入ってしまう私。一枚目を見た瞬間には、キャッと女の子っぽい悲鳴を上げてケイタイを落としてしまった。

――ヘンタイ過ぎるよ、サトル君。でも見ないといけないのよね

 それは彼氏でなければ立派な犯罪行為の写真だった。物凄くはしたなく胸をドキドキさせながら、拾い上げたケイタイの画面に見入ってしまうのもメチャクチャ恥ずかしかったけど、出してしまった直後らしい白濁液の滴るサトル君のおちんちんは、元カレのよりも小っちゃくてカワイイなんて思ってしまう。でもビンビンに固まってるみたいだ。元カレもだったけど、剥いたらしい皮がダブついてるみたいだったから、ホーケイって言うんだろうか? そんな事まで観察しちゃって、しかも凄まじく興奮を覚えている自分が信じられない。でもこれが、大好きなサトル君の一番大切な体の部分なんだもの。

 二枚目の写真は「ノート」のページを写していた。『町田詩織は僕の事を好きになる』と、昨日聞いた通りの言葉が書いてあって、ページに何か水でも掛かったかのように字が少しボヤけていた。そしてそのとんでもない理由は三枚目を見た時に理解する事が出来た。三枚目にはその小さなノートの別ページが開かれてて、そこにはたった今付着したばかりと思しき大きな水滴がベットリと文字を濡らしていたのである。そして、さっきよりもっとボヤけた文字がハッキリ判別出来た時、私は何だか妖しい戦慄でゾクッとしてしまった。

『町田詩織は僕のドレイになる』

――ドレイって何よ、ドレイって・・・・・・

 漢字が書けなかったんだろうけど、「ドレイ」でも「奴隷」でも、私にとってはひどく現実離れした、なじみのない言葉だ。でもいつどこで見たんだろう? 昔アフリカの黒人の人達が手足を鎖で繋がれて連行される、酷い場面が頭に浮かんだ。

「わかったかい、詩織」
「え、何が?」
「ちゃんと読めただろ。君はこれから、僕の言う事を何でも聞く奴隷になる」
「そうなの?」
「このノートに書いた文字は、僕が君の事を想いながら出したザーメンを掛ける事で魔力を持ち、実現するんだ」
「もう、ヘンタイなんだから。それに汚いし」

 自分でも何だかトボけた受け答えをしてると思ったけど仕方ない。だって本当にサトル君の「ドレイ」になる事の意味もピンと来ないし、何の実感もわかないんだもの。彼の言葉が本当なら、私はもう「ドレイ」になったはずなんだけど。でもサトル君はご満悦のようで嬉しそうに言った。

「信じてないんだろう? でも、さっき言ったように、僕が命令すれば君はその場でパンツを脱いで渡さなけりゃならない」
「あり得ないし」
「オシッコして見せろ、とか、ハダカになれ、とか命令するかも知れないよ」
「はあ? 出来るわけないじゃん」
「このノートの力が確かな事はもう証明されてる。2ページ分しか効き目がないんだけど、それで十分だね。ああ、ワクワクするなあ」
「好きにしたら」

 あまりに現実味のない話にだんだん白けて来た私は、そんな突き放した言い方をしてしまう。彼が精液を掛けて汚したノートなんかに、やっぱりそんな凄い力なんかありはしないのだ。だって私「ドレイ」になったはずなのに、こんなに彼に反発して生意気な口を利いてるんだもの。「ご主人様」だっけ? サトル君の事は好きだけど、そんな呼び方なんか出来っこないし。

「よし! これからこのノートを詩織のための『奴隷ノート』と呼ぶ事にしよう。嬉しいだろう、詩織」
「別に」
「じゃあ、さっそく命令してやるよ。よく聞けよ!」
「聞いてるよ」

――サトル君、私を「ドレイ」にしてそんなに楽しいの? バカみたい。でも子供みたいでカワイイ・・・・・・

 素っ気無い答を返しながら、自分の好きな趣味に熱中してるみたいに楽しそうなサトル君の声を聞いてると、何だか彼がいじらしくてこのオアソビに付き合ってあげてもいいかなと、思ってしまった。もしかしたら、これが「奴隷ノート」に操られてる事になるのかも知れない。だから私の次の言葉は本気だった。

「でも、絶対出来ないようなひどい命令はダメだよ」
「ひどいかどうかは僕が決める」
「私が泣いちゃうようなひどい命令しやがったら、一生恨んでやるんだから」
「何か、ドレイらしくないなあ。かわいくないぞ、詩織」
「いいんだもん。でも大丈夫だよね。だってサトル君も私の事好きなんでしょ?」
「えっ!? も、もちろんだよ」
「ブルマ盗んで、シコシコしちゃうくらいだもんね」

 わかり切ってる気持ちを確かめると、急にドギマギした口調になったサトル君に、私は勝った、と思った。これで実行不可能な命令なんか出来ないに違いない。ところが、私に口出しさせないよう彼が一気に口にした「命令」の内容には困ってしまった。

「命令するから黙って聞けよ! 今からオナニーしろ。そして明日の朝教室で会ったら、気持ち良かったかどうか、僕に報告するんだ。以上」
「ち、ちょっと、待ってよ!」

 私が余計な口出ししちゃったせいか、いきなり切られてしまった。私、オナニーなんてした事がないのに。正直にそう言って命令の撤回を求めようと彼にコールをしても、出てくれない。一方通行のメールを送っても意味ないし、どうしよう? と思ってたら、ママがお風呂に入るよう声を掛けて来た。変な電話してる時じゃなくて良かったよ。だって一応勉強してる事になってるわけだから。 

2.9月6日(火)

 次の日の朝。いつになく早く登校した私は、やっぱりこんな時間じゃ誰も来てないよね、とキョロキョロ辺りを見回しながら自分の教室に到着し、ドアを開ける。するとサトル君はもう待っててくれた。まだ朝7時前だと言うのに。「奴隷ノート」の事とか、人に見られちゃ恥ずかしいから登下校の時だけカップルとして会う約束してて、朝は出来るだけ早く会おうね、と約束はしてたんだけど、こんなに早くから待ってたんだと思うと、彼に猛烈に恋してる私の胸は甘酸っぱい気持ちでいっぱいになる。でも、これなら朝も一緒に下から歩いて来れば良かったな、と思い彼にそう提案しようかと考えながら、スタスタと近付き声を掛けた。

「おはよ、サトル君」
「おはよう。誰もいないから、いいか。僕の奴隷になってくれたんだよね、詩織」
「うん」
「じゃあ、昨日命令した事を言ってみて」

 どき。私は知らず知らずスカートの前を通学カバンで押さえる格好になっていたけど、その下がはしたなくキュンとなってしまった。
 
「したよ」
「何を」
「オナニー」
「気持ち良かった?」
「うん」

 あれでオナニーと言えるんだろうかと思いつつ、真っ赤になった私は素直に答える。彼からあのエッチな命令を受けた直後、お風呂に入っちゃうのは絶妙のタイミングだった。私は本当にオナニーの経験はなかったんだけど、胸やアソコを弄ると気持ち良くなるんだ、と言う基本的な知識や興味はもちろんあった。だからお風呂の中で実験しちゃったのだ。一応彼の命令だと言う大義名分もあったし。すると、近頃どんどん大きくなってるオッパイを揉んだり、乳首をイジイジするのは文句なく気持ち良かった。もちろん頭の中にはサトル君の顔を思い浮かべながらお乳をイタズラすると、とても幸せな気分になったけど、これだけじゃオナニーとは言えないと思った私は、勇気を出しておマタを刺激する事にもチャレンジしてみた。でもやっぱり直に弄るのは怖かったので、シャワーを加減しながら当てると、これはすっごく良かった。もう夢中になって乳首を摘みオッパイを揉みながら股間にシャワーを当てていた私は、たぶん生まれて初めて「イク」と言う感覚を知ったと思う。あんまり夢中になってて、いつまで入ってるの! とママに怒られちゃったくらいだったのだ。

 その後ベッドに入ってからも、初めて知った「オナニー」の快感が忘れられなくなった私は、ゆったりしたホームウェアの上からお乳を揉みながら、枕にアソコを擦り付けてしまっていた。頭の中には、こんな事しちゃイケない、と言う罪悪感が残ってたんだけど、サトル君の命令なんだ、と言うのが免罪符のようになってて、今度はハッキリと自覚して「イク」と口にした私。そのスパークした瞬間、全身がどこかへ飛んでいっちゃったような素晴らしさに私は呆然とし、それからあっと言う間に爆睡しちゃってた。

「詩織はエッチなんだね」
「サトル君が命令したんだよ!」
「パンツ濡れちゃったかい?」
「えっ!?」

 確かにオシッコが少し洩れちゃったようになった気がするけど、もちろん朝になってはき替えた。あまりの恥ずかしさに倒れそうになりながら、それも正直に告白すると、彼は少し気にいらないみたいだった。

「今度からオナニーして汚したパンツは、はき替えちゃダメだよ。そうだ! オシッコの後始末も禁止」
「何ソレ? このヘンタイ!」
「ヘンタイでも何でもいいよ。さあ、詩織のホカホカのパンツをもらっちゃおうかな」

 彼が満面に下品な笑みを浮かべながらそう言うと、運悪く他の女子生徒が登校して教室に入って来た。おざなりに挨拶を交わしたけど、私たちを見てビックリしてるみたい。まだ私とサトル君が付き合ってる事は、あまり知られてないのだ。でもサトル君は構わず催促する。

「さあ、早く」
「無理でしょ、明らかに」

 だって、彼女が興味深げにこちらを眺めてるのだ。ここでパンツが脱げるわけがない。

「しょうがないなあ。じゃ、トイレに行って来て」
「……サトル君。ごめん、やっぱ無理だよ。付き合ってらんない」
「おかしいなあ。やっぱり具体的に書かなきゃダメなのか」
「たぶんさ、1ページ目しか効かないんだよ」
「いや、そんな事はない。2ページ目だって……」

――アホクサ。やっぱどう考えたって「奴隷ノート」なんてうそっぱちだよね

 サトル君がぶつぶつ言ってるのを残して、私は特に行きたくもないトイレに向かう。便座に腰掛けてスパッツとパンツをずり下ろすと、その生地が少し湿っぽい感じがして、私は妙な気分になった。ただでも女の子の大事な部分に密着してるパンツは、恥ずかしい状態なのだ。いくら好きな男の子でも、こんな物を平気であげられる女の子なんかいないだろう。チョロチョロと出たオシッコの後始末も入念に行う。オナニーやオシッコの汚れをパンツに付けるだなんて、ヘンタイ過ぎて頭がおかしくなりそうだ。彼の命令でもそんな事はとても出来ない。つまり「奴隷ノート」の2ページ目は残念ながらまるで効いてないわけである。

 さて、朝夕以外はお互い恋人同士みたいなフリはしない事、と決めてたんだけど、すぐ斜め後ろに座るサトル君の事はずっと気になって仕方なかった。何だかしょげて元気がない気がするのだ。無口で大人しい彼だからいつも通りなのかも知れないが、これまで存在すら意識してなかっただけに良くわからない。別に彼氏に対して、と言う感じじゃなく、次の授業何だっけ? とかちょっとした会話を仕掛けても、モゴモゴ口ごもってまともに答えてもくれないの。勇気を出して、一緒に学食に行こうと誘っても、素っ気無く断られた。

――奴隷ノートの事、怒ってるのかな? 少なくともガッカリはしてるよね、サトル君。あんなに朝早くから張り切って学校に来てたのに

 だとしたらちょっと悲しい。私は少しだけ、あんな無碍に断ってしまった事を後悔したんだけど、出来ない事は出来ないのだ。学校ではいてるパンツを脱いであげるだなんて。でも、完全に塞ぎ込んでしまい、私が部活行って来るよ、と言っても無言で図書室に向かった彼の寂しそうな後姿には参った。せっかく付き合い始めたばっかりで、ラブラブじゃないといけないはずなのに。そして部活用のブルマに着替えてる時、私に悪魔、いや彼にとっては天使が頭の中でささやいたのだ。

――帰る時なら、パンツくらいあげたっていいよね

「サトル君、これ」
「えっ!?」

 一緒に帰るため暗い顔をして待ってた彼に、絶対他人にバレないよう雑用紙でくるんだそれを手渡してあげると、中を確かめたサトル君の顔はパッと明るくなった。

「やっぱりノートの力に間違いはなかったんだ」
「そうだね」

――バカみたい。でも、こんなに喜んでくれるなんて、嬉しいよ。そんなに欲しかったの? 私のパンツなんか

 サトル君はもう満面に笑みを浮かべて、一応他人には見られないようにしながら、嬉しそうに何度も何度も紙の中を確かめている。まるで欲しかったオモチャを手に入れた小学生のガキンチョみたいだ。だけど、人から離れて歩いてても、部活帰りの生徒達の視線は痛いほど突き刺さって来る。さっき部活が終わった後に脱いだばかりで、正にホカホカのパンツを彼氏に渡してジロジロ眺められる恥ずかしさは言語に絶した。何しろ汗だくで、とんでもないウェットな状態なのだから。

「ねえ、人が見てるからそんな物早くしまって。手を繋いで帰ろうよ」
「そうだね。詩織の、とてもカワイイよ」
「ウソばっかり」

 汗まみれのパンツは小学生がはくような何の飾りもない白パンツで、もっとカワイイのをはいて来るんだった、と私は少し後悔した。カワイイ、なんてお世辞を言われても、顔から火を噴きそうな恥ずかしさで、彼がそれをカバンに入れてくれると、私はしな垂れ掛かるように身を預け、しっかり手を繋いだ。すると私に密着されたサトル君はビックリした様子で、ふと顔を上げると彼もひどく赤面していた。

――私にこんなエッチな事させたくせに、凄く緊張して体が慄えてる。カワイイ・・・・・・

 それから後は2人共無言で、ゆっくりと歩いた。オドオドした緊張で慄えが止まらない彼の体のぬくもりをしっかりと感じた私は、話さなくても幸せを噛み締めていたんだけど、彼もそうだといいな。私以上に恥ずかしがり屋なのに離れようとはしないから、彼も嬉しいはずだ、と私は勝手に解釈して嬉しくなる。学校の帰りにみんなに見られながら、こんなにベタベタ引っ付いて歩くなんてバカップルもいい所だと思ったけど、構うもんか。彼の悲しそうな姿に負けてパンツをあげてしまってから、ますます想いは募るばかりで、溢れ出す愛しさに胸が張り裂けそうだった。そして他の生徒達より電車を一本遅らせるつもりで、同じ学校の制服がいなくなったと見た私は、彼を人の気配が乏しい駅舎のかげに誘った。

「ねえ、キスしよ、サトル君」
「せ、積極的だね」
「奴隷ノートのせいだよ」

 私は違うけど、彼はファーストキスなのだろう。ガチガチに緊張して固まっているサトル君を私の方がリードして唇を奪い、抱き締め合った。昨日まで全く何も感じていなかった男の子が相手なのに、驚くばかりの急展開だ。私がこんなに積極的になれるのは、やっぱりノートの魔力のおかげなんだろうな。

「今日もしちゃうんでしょ、私のあげたやつで」
「ああ。もっと具体的な命令に替えてからぶっ掛けてあげるよ」
「もう、エッチなんだから」
「ノートの2ページ目は破って捨てる」

 奴隷ノートは、サイズは小さいけど結構分厚そうだった。たぶん何十ページもあるだろう。と、言う事は新しい具体的な命令をもう何十回も受ける事になるのだろうか。そして「町田詩織は僕の事を好きになる」と書かれて彼が精液を掛けた1ページ目が本当に力を持つのは間違いない。でなきゃ突然訪れた彼への猛烈な恋心は説明がつかないもの。でも2ページ目にも、それだけの強い力があるのだろうか?

――どっちでも同じ事だわ。だって、私サトル君の命令にきっと従っちゃうから。もう二度と彼の悲しい顔なんか見たくないし。でもこれって結局「奴隷ノート」に操られてるのと同じ?・・・・・・今日はどんな命令されちゃうのかな

 名残り惜しく彼と別れてから冷静に状況をまとめてみると、私はやっぱり「奴隷ノート」によってサトル君のドレイになっちゃったんだ、とわかり慄然とした。彼の事を嫌いにならない限り、命令の呪縛からは逃れられないのだ。それに彼の方も、絶対に不可能な命令を出して来る事はないだろう。彼が私を想ってオナニーし、ザーメンを掛けて実現させる命令だから、きっとエッチな代物に違いないのだが、たぶん今日みたいに、ちょっと勇気を出して、ちょっと恥ずかしさに耐えれば、何とかなる、くらいのものではないか。今日も自分の部屋でぼんやりとそこまで考えてると、あろう事か無意識に両手を胸と股間に忍ばせて、はしたない期待に体を熱くしてしまっている私がいた。何てこった。オナニーなんかした事もなかったのに。

『町田詩織はミニスカでイヤらしいパンツだけをはいて登校する』

 下手にしゃべると私のペースになってしまうと思ったのか、サトル君はこの日から奴隷ノートの新しいページに精液を掛けた命令を写メで送って来るだけになった。そしてその日の命令を見た私はすぐに理解して、自分が持ってる一番セクシーなパンツを探す。うちの学校の女子はもともとみんなミニスカだけど、スパッツなどをはきパンチラ防止には余念がない。いつもはいてる丈のスカートで生パンツだけなんて普通は考えられないけど、想像するだけで頭がクラクラしそうな程興奮を覚えた。こんな命令を考えたサトル君はやっぱりエッチだ。さっそくはいてみた、スケスケレースのセクシーパンツは、とても人には見せられないくらいイヤラシイ外見だったけど、ミニスカでこんなのチラリと見せちゃったら、サトル君は鼻血でも出して倒れちゃうかも知れない。他の人にも見られる危険はもちろん大だけど、私はもう彼に見せちゃうんだ、と言うつもりですっかり命令に従う気分になっていた。

3.9月7日(水)

「凄いね、詩織。そこまで短くして来るとは思わなかったな」
「サトル君が命令したんだよ。ああ、恥ずかしい・・・・・・」

 翌日の早朝、教室で会ったサトル君はいつにも増して過激なミニスカにして来た私を見て、本当に目を丸くして驚いていた。

「ノートの力は偉大だね」
「うん、きっとそう」
「両手を頭の後ろに回して、じっと立ってて」
「やっ、ヤだ! 何するの」
「写真を撮ってあげるんだよ」
「そんなっ! 恥ずかしいよ、サトル君……」

 人より長い事を密かに誇らしく思っている私の脚の前にひざまづいたサトル君が、ローアングルからケイタイカメラを構えると、私はあまりの恥ずかしさにくじけそうになったけど、彼に言われた通り手を頭の後ろに回してじっとしてる事しか出来ないの。だって彼が口にした言葉も「奴隷ノート」の命令と同じで、私を操ってしまう不思議な力を持つのだから。でも私は大好きなサトル君のエッチな命令に従う事が嬉しくてたまらない。

 そう、本当は操られてるんじゃないのは、わかってた。「奴隷ノート」の不思議な魔力で恥かしい命令を強要されてるなんて言い訳で、実はこの大胆極まりないスケスケパンツを露出して彼に見られたいと言う、はしたない願望が私の中に眠っていたのだ。でなければ、わざわざこんな過激なミニにまでスカートを上げてしまった理由は説明出来ない。彼がそこまで想定して命令してくれたわけではないのだ。いつの間にかサトル君がカメラ越しに向けて来る熱い視線を痛い程感じる股間が燃えるようにカーッとなり、ドクンと熱い滴りが体の奥から溢れて来るのを私は感じていた。

「言い付け通り、イヤらしいパンツをはいて来たんだね、詩織」
「イヤン……」
「もっと良く見せてよ。そうだ、自分の両手でスカートをめくってみて」
「ああ……」

 サトル君は私の露出願望を見抜いてしまったのだろうか、そんな命令を下して来た。私はワナワナと慄える両手でゆっくりとスカートをたくし上げて、世にも恥ずかしい下着を彼に見せ付けてしまい、その破廉恥さに頭がおかしくなりそうだった。

――もうダメ、私学校でこんな恥かしい事しちゃってる! 信じられない……

 モロに露出してしまったスケスケパンツを、サトル君は熱心にパチパチと撮影する。そして興奮して鼻息を荒げた彼は、サッと手を伸ばして来たのだ。

「アッ!」
「濡れてるんじゃないの、詩織のパンツ」
「知らない、知らない! ああ、恥かしいから触らないで」
「濡らしちゃってるからますますスケて、黒い毛まで見えちゃってるよ。どうして濡れてるのか白状しなきゃ、ずっと触ったままだぞ」
「……オシッコもらしちゃったの」
「ウソを付くやつは嫌いだな」

 ああ。凄まじい羞恥に絶えながら「オシッコをもらした」と偽りの告白をした私を、サトル君は許してくれなかった。彼に嫌われたら生きていけないくらい熱愛しちゃってる私は、本当の事を打ち明けるよりない。

「……オナニーいっぱいしちゃったし、見られて興奮しちゃったから」
「えっちな子なんだね、詩織は」
「イジワル」

 昨夜奴隷ノートのイヤらしい命令を目にしてから、私はもう興奮が治まらなくなり、浴室でもベッドの中でも覚えたばかりのイケない遊びを何度もしちゃったのだ。とりわけ風呂上りにさっそくはいて見たスケスケパンツは思った以上のエッチな外見で、すぐに妙な気分が盛り上がってしまった私は、自分の部屋で股間を机や椅子などの角に擦り付けたりして快感を貪り、ついには薄いパンツの生地越しにグイグイ手で揉む、直接的ではしたないオナニーまで覚えてしまった。それまで頭の中の知識でしかなかった、めちゃくちゃ気持ちいい「クリちゃん」と言うえっちポイントがどの辺にあるかもわかり、エロ下着でベッドに潜り込んだ私は、いつの間にか夢うつつにお乳を揉み乳首を転がし、もう片手で股間をまさぐりクリちゃんをイジイジして、本格的なオナニーに狂っていたのだ。頭の中にはもちろん愛しいサトル君の姿が浮かび、明日彼にこのエッチなスケパンツを見られるんだと思うと、ひどう興奮した私は何度も何度もイッテしまってた。そして朝起きて気付いたら、まるでオネショしたみたいに、パンツがグッショリ濡れてたの。

――サトル君が言ってたのはこの事だったんだ。彼ってヘンタイだから、こんな汚れたパンツを喜んでくれるんだよね

 ヘンタイ丸出しの彼の言動からして、私がこのビショ濡れのパンツをはいてるのを知ったら大喜びしてくれるに違いない。だから私はひどい羞恥を我慢してその冷たく濡れたパンツをはいたまま、スカートまで必要以上にガッと上げて家を出たのだった。早朝でまだあまり人通りがないとは言え、濡れたパンツのすぐ付近までスースー風が当たる過激なミニスカの頼りなさは圧倒的で、ほとんど下着だけで歩いているかのような錯覚まで覚えた私はしかし、物凄く興奮して体を熱くしてしまってた。そしてそんな発情した股間を大好きなサトル君の目に晒し、手でまさぐられたのだから堪らない。私は自然に彼の手をオマタで挟み付け、濡れたパンツをグイグイ押し付けるはしたない動きまで見せてしまってた。

――気持ちいいよ、サトル君。ああ、もっと触って

 だが私の告白を聞いた彼の手は無情にもサッと引っ込んでしまう。そしてさらにサトル君は、ほとんど用をなさない丈までスカートを上げてしまった私を諌めた。

「もういいよ、スカートを戻して。それに短か過ぎるから、いつもの長さにまで戻すんだよ」
「どうして?」
「他のやつらに見せないでくれ。詩織のパンツを見れるのは、僕だけでいい」

 その言葉で又、ズキンと感じてしまう私。通常のミニ丈までスカートを戻すと、激情に任せてサトル君に抱き着き、唇を奪っちゃった。彼は「人が来るよ」と及び腰だったけど、それだってスリル満点だ。もう有無を言わせず合わせた口を吸いながら、彼の手をミニスカの中に導き、もう片手はオッパイを触らせてあげた。オドオドしてる彼の手に、私の方からはしたなく体を擦り付けるとメチャクチャに気持ち良く、調子に乗った私は彼のズボンの上から股間を触った。もうこれは完全に痴女ってるね。朝っぱらから何やってるんだろう。でもそこで他の生徒が登校して来たので、私達は慌てて離れた。

 うちの学校の女子のスカートは普通の丈でも結構ヤバいくらい短めだ。そのためスパッツをはかずに過ごすのはひどく刺激的で、階段を上がる時どうしてもお尻を隠してしまい、他の子達から変に思われただろう。でもこのスカートの中は、私とサトル君だけのヒミツ。他の誰にも見られちゃいけないのだ。そう思うと胸がキュンとなり、トイレに行った時後始末の指が知らず知らずオナニーまがいの動きをしちゃってた。アソコを直に弄るオナニーなんか怖くて、絶対出来ないと思ってたのに、こんな簡単に目覚めちゃうとは。放課後部活に出る前に用を足した時は、とうとう意識的にフキフキしながらチョー敏感なオマメちゃんをイジイジして楽しんじゃってた私。これもサトル君の「奴隷ノート」のせいだ。エッチな命令のおかげで、私はどんどん嫌らしい女の子になって来ちゃってた。

 その日の下校時、言われたわけでもないのに紙でくるんだパンツを渡すと、サトル君はちょっと驚いていた。

「こんな事、僕命令しちゃいないよ」
「いいの。私の気持ちだから」

――そうだよ。私のえっちなお汁とおしっこと汗がタップリ染み付いた、メチャクチャに臭いパンツなの。私の臭いを嗅ぎながらドッサリ出して、「奴隷ノート」に掛けてね

 そんな事を想像し期待までしてしまう自分にもビックリだ。おかしなくらいオドオドして周りを気にするサトル君の手を強引に握ると、紙の中身を確かめもせずカバンにしまった彼は、ボソリと小声で言う。

「今、ノーパンなんだね」
「バカ。ヘンタイ」

 明らかに私の方がヘンタイなんだけど。サトル君は続けた。

「明日の命令はこれでいこうか」
「ノーパンって事?」
「いいだろ、詩織」
「・・・・・・うん」

 さすがに赤面してためらって見せるけど、実は嬉しくてそう答えてしまう。だけどサトル君は何てヘタレなんだろう。私の気持ちなんか確かめず、好きな命令を書いてしまえばいいのに。「奴隷ノート」の意味がないではないか。でも彼のそんな弱っちい所も私の母性本能をくすぐってしまう。サトル君はきっと童貞で、女の子の体に触る事はおろか、付き合った事すらない純情な男の子なのだ。ここは私の方がリードしてあげなくては。そんな不埒な気持ちまで抱いてしまう私は、余計な事を言う。

「あのさ、もっといっぱいエッチな命令書いてくれてもいいんだよ」
「そんなにいっぱいは書けないよ」

 例えば、単刀直入に「町田詩織は僕とえっちする」と書いてくれたらいい。そしたら喜んで彼にあげちゃう事が出来るのだ。だけどやっぱりサトル君は大人しい。今日も駅舎の横で唇を合わせたけど、さすがに周囲が気になって朝のように体をまさぐり合う事も出来ず、たぶんお互いに悶々とした気分のまま別れた。そして夜送られて来た「奴隷ノート」の命令に、私はドキドキワクワク、どんどん浅ましくなっていくオナニーを何度も繰り返し、パンツにベットリと染みを作っていったのだった。

『町田詩織は、オナニーで汚した下着を朝僕に渡し、ノーブラノーパンで過ごす』

4.9月8日(木)

 次の日早朝の教室で、狂おしいほど愛しいサトル君に会った私は、思い切って言ってみた。

「お早う、詩織」
「お早うございます、ご主人様」
「それって何かの冗談?」

 サトル君はなぜか自分の方がバツ悪そうに頭をかいて言ったけど、冗談ぽくはあっても私の方は真剣だ。

「冗談じゃないわ。だって私、サトル君の奴隷なんでしょ」
「そりゃそうだけど・・・・・・人前ではやめてくれよ」
「当たり前じゃない」

 全く何てヘタレなんだ。女の子の方が積極的に、このプレイ? を楽しみ気分を盛り上げようとしてるのに、もっと「ご主人様」らしくしてよ。でも私は、そんなかわいいサトル君が大好きなの。立場が逆でおかしいけど、私の方が奴隷らしくふるまって、彼をリードしてあげるのだ。そんなに時間はないのに、のんびりしててなかなか命令を下してくれない彼に焦れた私は、自分からガッとミニスカを持ち上げて、中を見せてあげる。

「ご主人様、えっちでイヤらしい詩織が、オナニーでたっぷり汚したパンツをご覧下さい」
「へえ、白じゃないのも持ってるのか」

 そりゃそうだ、小学生じゃあるまいし。純白のショーツなんて高校生女子ではむしろ珍しいくらいだけど、サトル君は私がはいてたパンツがブルーだっただけで、妙に感心していた。そんなの、どうでも良い事なのに。

「ご主人様、触って確かめ下さい」
「・・・・・・ひどいね、これは。オシッコもらしちゃったの?」
「いいえ。オナニーをやり過ぎたからですわ」
「何回くらいしたの?」
「もう10回近く・・・・・・ああ、恥ずかしいです、ご主人様」
「詩織は、そんなにえっちでインランだったんだね」
「はい。詩織はエッチな事が大好きで、ヘンタイな女の子・・・・・・あ、あ、気持ちいいです、ご主人様あ」

 さすがに興奮した様子のサトル君が調子に乗り、伸ばした手でブルーパンツの上からアソコを揉むように触って来ると、私はトロけるような心地良さと同時に、猛烈な羞恥が込み上げて来た。早朝とは言え、いつ誰が来てもおかしくない学校の教室なのだ。でも私は両手で持ち上げたスカートを下ろそうとはせず、それどころか昨夜からこしらえたオナニーによる恥ずかしい染みがベットリ付着したパンツを彼の手に押し付け、露出した太股で挟み付けながらアソコをギュウギュウ擦り付けて快感を貪ると言う、世にもはしたないふるまいを自然と行っていた。ほとんどサトル君の手でオナニーしちゃってるようなもので、素晴らしい心地良さが込み上げて来て、さらなるラブジュースが次々にわき出て彼の手を汚す。こうしてどんどん乗って来た「ご主人様と奴隷」プレイはエスカレートしていった。

「ご、ご主人様! パンツを脱がせて、受け取って下さい」
「よし、わかった」

 私の前に中腰でしゃがみ込んだサトル君が、両手で汚れたパンツをずり下ろしていくと、女の子の一番大事な部分が晒け出され、教室でこんな淫らな行為に耽っている自分が信じられなかった。凄まじいスリルで心臓がバクバクし、脚がワナワナ慄えて立っているのも辛いくらい、強烈な興奮に囚われていく私。

「オケケがボウボウだね、詩織」
「イヤッ! は、早く脱がせて!」

 性器が完全に露出した所で意地悪く手を休めたサトル君が、その部分をしげしげと眺めながらそんな言葉を口にするもんだから、私はもうたまらず奴隷口調を忘れて口走る。大好きな彼になら構わないどころか、ずっと見ていて欲しいくらいなんだけど、ジャングルみたいに毛深くて気にしているアソコの状態は恥ずかし過ぎる。バカみたいにオナニーばかりしてないで、ちゃんとお手入れしとくんだったと、詰まらない後悔が頭に浮かんだ。それに実際早くしないと人が来るからヤバいのだ。彼がグショ濡れのブルーパンツをさらに下ろしていくと、脚に触れる冷たい感触が生々しくて、これが現実に起きている事なんだと思い知らせてくれる。とうとう一番隠しておかねばならぬ女の子の部分を露出してしまった事で、私の全身に妖しい興奮がうねりのように込み上げて来て、頭がクラクラしおかしくなってしまいそうだ。そしてさらにはしたない欲求をハッキリと覚えた私は慄然とする。

――見てるだけじゃイヤ! もっと触ってよ、サトル君。それから私を抱いて!

 考えてみれば「奴隷ノート」の命令に従いパンツを汚すためオナニーをやり続けた私は、ずっと彼の事を思い浮かべ抱かれる事を望んで体を潤わせて来たのだ。剥き出しになったアソコが、ハッキリと目の前のサトル君を求めておののき、とめどなくジュクジュクと込み上げて来るえっちなオツユが溢れ出して、ツーと内股を伝い落ちた。でもヘンタイのくせにまだ童貞のサトル君は、もう私のアソコを見向きもせず、足首から抜き取った汚れパンツをクンクン嗅いで悦に入ってるの。ダメだこりゃ。そして私と違い、ビクビクしtげ始終辺りを警戒してるサトル君は、人が来る気配を教えてくれた。

「ヤバいよ、詩織。誰か来た」
「うん、わかった」

 慌てて私はスカートを戻し、サトル君はブルーパンツをカバンに入れた。朝の中途半端な時間で抱いてもらうなんて、ハナから無理なのだ。それにまだ命令が残ってる事に気付いてた私は、自ら任務を遂行すべく彼に言った。

「トイレに行って来るから待っててね」
「う、うん」

 他の生徒が入って来たために、いつものオドオドして大人しいネクラな男の子にすっかり戻ってしまったサトル君は、頼りなげにそう応じる。彼は自分が「奴隷ノート」に書いた命令の内容をわかってるのだろうか? ま、彼がどうであれ、私はそのイヤらしい命令を実行するよりないんだけど。

――うわ、コレって下以上にヤバいかも。私のおっぱいバンと張ってるし、チクビなんかピンコ勃ちじゃん

 カバンまで持ち込んで入ったトイレの個室で便座に腰掛けブラジャーを外した私は、ノーパンよりノーブラの命令の方がずっと刺激的である事に気付いてしまった。高校に入った今もなお着実に成長を続けてる胸の膨らみは巨乳と言っても良い大きさで、ブラをしなければユサユサ揺れてしまうだろう。薄い夏服セーラーのブラウスにこれは、さすがにヤバ過ぎる。

――でも、これが彼の命令なんだから、やるしかない・・・・・・えい、ついでにもっとエッチな格好しちゃえ!

 たぶんこれでみんなにも、私がひどくイヤらしい格好をしているヘンタイな女の子だとバレてしまうだろう。そう思うとますますアブない興奮でたまらなくなった私は、彼の命令をもっと効果的で刺激的なものにすべく、アンダーシャツまで脱いでカバンにしまった。サトル君には注意されたけど、スカートだっていつもより少しだけ上げちゃえ。こうして全裸に夏服のミニスカセーラーを羽織っただけと言う凄まじく破廉恥な格好になった私は、込み上げて来る欲情のまま指を使って激しく極め、溢れれ出て内股を伝うラブジュースをハンカチで拭わねばならない程だった。

 教室へ戻り、もう沢山登校して来てたクラスメイト達にバレないかとヒヤヒヤしながら、カバンから出したブルーのブラを手渡すと、たぶん思った以上にエッチな外見になってしまった私を見た彼が真っ赤になって動揺してるのがおかしかった。恥ずかしいのは私の方なのに。

「ねえ、私今日部活に出ない。一緒に帰ろ」

 歩けば勃起したチクビの形までスケちゃってる胸がユサユサと揺れ、立っただけで超ミニスカからアソコがモロに覗けそうになる、ノーブラ・ノーパンでの学校生活に私はメロメロになり、部活に出るなんてとても無理だった。まるで全裸で過ごしているかのような猛烈な羞恥が四六時中込み上げて来て、ジクジクと嫌らしいお汁を垂れ流し続けるアソコを休み時間毎にトイレで慰める私は、完全に露出狂のヘンタイになってしまった気分だったが、これも「奴隷ノート」のエッチな命令のおかげなのだ。サトル君に責任を取ってもらわなくては。

 いつもよりさらに多くの生徒達の注目を集めながらバカップルよろしく手を繋ぎ、小柄なサトル君に擦り寄って露出過多な制服姿を預けちゃう私。私の方がデカいし彼は窮屈そうだったけど、絶対嫌がってはいないと確信する。だって彼の股間もはち切れそうなくらいモッコリさせちゃってるんだもの。そして私は彼の家に行ってもいいかと誘ってみる。人目がなければ今すぐ襲い掛かりたい気分だ。サトル君の童貞を私が食べちゃうの、ムフフ。でも「奴隷ノート」で私をこんなに発情させながら、彼は乗り気じゃないみたいだった。

「ノートにあんな事して写メ送って来るんだから、自分の部屋あるんでしょ?」
「でも今日は母さん家にいるんだ。君の家じゃダメ?」
「男の子部屋に連れ込んだり出来ないよ」

 うちだってママもいれば、中学生の弟だっているのだ。結局ヤル気満々の私が彼の家に押し掛けて行く事になり、サトル君は電話を掛けて友達を連れて帰っていいかと許可を求めていた。

「スカートは普通に戻して、ブラジャーもちゃんとしてよ。母さん、僕が女の子を連れて帰っただけでも、ビックリするから」

 そんな事を言われるとひつんじゃいそうだったけど、駅のトイレで普通の女子高生の格好に戻ると一緒に電車に乗った。いつもは帰る方向が反対なので初めてだ。実はノーパンだったので普通のミニスカでもスリルがあり、混み合った車内で男の人の手が当たったら、などと考えるとドキドキした。でもサトル君と一緒なら平気だ。それどころか、ここで彼に触られたら、などとアブない妄想まで頭に浮かんでしまう。気弱でまだ女の子を知らない今のサトル君では到底無理だけど。

――私とエッチして上手になったら、今度触らせてあげるね。そうだ、「奴隷ノート」に書いてもらおう。「町田詩織は僕にチカンされる」とでも

 そしたらたぶん私はメロメロに感じまくって、電車の中で気をやってしまうだろう。そんな妄想だけでひどく興奮した私は全身に汗をかき、エッチなお汁が又内股をツーと滴り落ちるのを感じていた。

「こんにちは。同じクラスの町田詩織です。高橋君に勉強を教えてもらいに来ました」

 図々しく押し掛けた彼の家の玄関で、すぐに出迎えてくれたお母さんに、私は努めて明るく挨拶をした。やっぱり彼に似て小柄で落ち着き、とても優しそうな人だ。でもお母さんは話好きらしく、ここで沢山彼の事を教えてくれた。

「まあ、いらっしゃい。この子、こんなに大人しいから友達がいなくてね。どうか仲良くしてあげてね・・・・・・」

 母子家庭で一人っ子。お母さんはいくつかの仕事を掛け持ちし、勤務時間が不規則。今日は夜勤なので彼に夕食を作ってあげてから出勤するのだそうだ。サトル君は家の手伝いもよくするいい子だが、内気で大人しく人付き合いが苦手。小中学校ではイジメの対象になってたそうで、この学校でもイジメられてないかと、お母さんはいつも心配しているらしい。女子が圧倒的に多い商業高校だからそんな気配はなさそうなんだけど、もし彼をイジめる人がいたら私がとっちめてあげるからもう大丈夫だ。そんな彼の話を聞かされた私は、守ってあげなきゃ、と母性本能までくすぐられてますます愛しさが募るばかり。この想いは「奴隷ノート」のせいだとわかっていても、どうしようもなかった。

 すぐに彼の部屋に通され、お母さんがケーキまで持って来てくれたので、私は大いに恐縮する。「どうぞごゆっくり」とニッコリ笑ったお母さんの言葉が、そうではないとわかってても意味深に聞こえてしまったけど、さすがにいきなり彼を押し倒す勇気はなかった。まずはケーキを食べて、本当に数学を教えてもらう事にする。実は明日小テストがあり、私はいつもひどい点数で先生に怒られてる落ちこぼれなのだ。彼は男の子だし、小学校からつまづいてる私より出来るだろう。実際教えてもらうと、少しはわかった気になって嬉しかった。「ありがと」とお礼を言ってから抱き付き、チューしてあげる。そして体を擦り寄せ、彼の手を私の胸とノーパンのスカートの中にナビゲートした所で部屋にノック。慌てて離れるよりなかった。

 ケーキを片付けに来たお母さんに、もう遅いから、と注意される。確かに部活の終わる時間からさらに1時間近くたっており、そろそろ帰らないとヤバい。やっぱりお母さんがいる時じゃダメなんだ。彼に聞いてみると、明日はお母さんは夜遅くまで帰らないそうだ。絶好のチャンス。私は彼におねだりした。

「ノートに、町田詩織は僕とえっちする、とか書いてよ」
「あ、ああ」
「奴隷ノートに書いた事は必ず実現するんでしょ」
「もちろん」
「じゃついでに、私が数学のテストでいい点を取る、ってのも書いて」

 彼は困った顔をしてたけど、私は無理難題を言い残し、最後に熱烈なキスを交わしてから家に帰った。この後モヤモヤしてたに違いない彼も、私の汚れパンツを使って大量に出してくれたのだろう。その夜送られて来た「奴隷ノート」の命令は、いつも以上にザーメンまみれでボヤけていた。

『町田詩織は数学のテストで良い点を取って、僕とえっちする』

――やったあ! でもたぶんテストの方は実現しないよね

 私は正直な所、「奴隷ノート」2ページ目の効力を疑っていた。いつも彼がわざわざ見せてくれるから、私がその通りに実行しちゃってるだけなのではないか。でも数学はからっきしの私が良い点数を取ったとしたら、もう「奴隷ノート」は疑いもなく凄い力を持ってる事が証明されるのである。

5.9月9日(金)

「ご主人様、詩織にご奉仕させて下さい・・・・・・ホラ、こっち来て椅子に座ってよ」

 翌朝、今日は人が来る前にムフフな事をすませちゃおうと、教室で会うなりそんな口調でサトル君の前に正座した私。戸惑ってる彼を目の前に置いた椅子に座らせると、ズボンに手を掛けた。

「詩織、ヤバいよ」
「いいから、じっとしてて」

 奴隷である私に奉仕されるご主人様なのに、オドオドして辺りを気にし、私の手を邪魔しようとするサトル君。チキンな彼にも困りものだが、何と言っても童貞で、女の子にこんな事をしてもらうのも初めてなのだろう。いや、私だって初めてだけどさ。でも昨夜からモヤモヤして、彼のオチンチンを思い浮かべながらオナニーしちゃってた私は、もう本能的にこうやって彼を喜ばせてあげようと思ったのだ。だって私、サトル君の奴隷なんだもん。

――ウフフ、サトル君ったらこんなにおっきくしてる。詩織ちゃんが皮を剥いてナメナメしたげるね

 オドオドしてても朝から元気一杯な彼のペニスを摘み出すと、私は皮を剥いてウットリと眺める。少しおしっこの臭いがプーンと鼻についたけど、それにも又興奮してしまう私はやっぱりヘンタイだろうか。汚れを清めるつもりで、剥いた頭と胴体の間のミゾにチロチロと舌を這わせ、すぐにパックンチョとオクチに頬張った。彼の熱くて固くてビクビク脈動するモノが私の口一杯を満たし喉まで突いて来ると、息苦しさを覚えたけどそれが又気持ち良い。もう完全にヘンタイだなと思ったけどいいのだ。大好きなサトル君にどMな奴隷として調教してもらうんだから。一端口を離した私は、上目使いでおねだりしちゃう。

「ご主人様、詩織の頭を両手で持って、無理矢理しゃぶらせて下さい」
「こ、こうかい」

――あ~っ! 最高です、ご主人様あ! 詩織もオナっちゃいます、一緒にイッテもいいですか?

 サトル君が私の後頭部を両手で掴んで自分の気持ちいいように動かし始めると、さっきよりずっと辛くなりアブない興奮は倍増した。そしてもう我慢出来なくなった私は、正座したミニスカの下と胸元に手を忍び込ませてオナニーを始め、彼が出すのと同時にイッテしまおうと頑張って気分を出した。するとクリちゃんとチクビがひどくコリコリに固まってて、下着越しに弄っただけでもメチャクチャに気持ち良い。サトル君は間もなく爆発を起こしたので、私は一滴もこぼさないつもりでゴックンしてあげながら、目論見通りエクスタシーに到達していた。

「ご主人様、詩織がえっちなお汁で汚したパンツでございます。どうか、お受け取り下さい」

 ブラは目立ち過ぎるのでやめたけど、本当に昨夜からのオナニーで私の体液が染み付いて汚れた花柄パンツを彼に渡し、私はノーパンのスリルを味わおうとする。別に命令されたわけじゃないけど、これはもう彼の奴隷として毎朝の日課にしてもらおう。

「え~ん、テスト出来なかった。きっと又赤点だよ、どうしてくれるの?」
「いや、だから、君の能力で不可能な事は実現しないよ。ノートにそこまでの力はない」
「そんなの言い訳だよ。責任取って」
「責任って・・・・・・」

 今日こそはいよいよとヤル気満々で乗り込んだ、お母さんも不在な家のサトル君の部屋。私は「奴隷ノート」の力が発揮されなかった事に文句を付け、彼を床に押し倒した。2ページ目は効果がない事のわかった「奴隷ノート」だけど、後半の命令は今から実現しちゃうのだ。私は、ぶっちゅう~、と音が出る程熱烈なキスで唇を奪うと、仰向けになった彼の上で体を反転させ、ミニスカの下のノーパンのアソコを顔に押し付けた。

「ナメて」

 朝の奴隷プレイとは立場が逆だけど、彼が童貞を卒業するまでは私の方が積極的にリードしてあげるのだ。でなきゃ、いつまでたってもエッチなんか出来そうにないんだもの。だけどホントは、彼に無理矢理エッチされちゃう方がいいな、などと朝の「ご奉仕」プレイですっかりどMに目覚めてた私は思う。それだって私が自分から求めたプレイなんだけど。でもサトル君が大きな私の下敷きになって苦しそうに呻き、たどたどしく口唇を使って来ると、大して気持ち良くなかったけどとても幸せな気分になった。お礼にズボンを下ろして、彼のもナメてあげる。するとまだ柔らかかった彼のモノは見る見る固く大きく膨らんで、嬉しくなった私はますます夢中でチュパチュパとおしゃぶりしちゃった。彼の方も相変わらずポイントはずれてるんだけど、一生懸命にアソコをナメてくれるので大満足だ。

「さ、おっきくなったから、エッチしよ」
「ちょっと待って」

 もう! あまり遅くなるわけにはいかない私は不満だったけど、彼はえっちに備えて用意してたらしき避妊具を着けてくれたのである。おバカでえっちしたいばかりの私に比べ、何て彼はしっかりしてるんだろう。そんな大事な事も見失ってた私は自分を反省すると共に、ますますサトル君にメロメロになっちゃった。そして彼がサックを装着したと見るや、私は床に押し倒し、狙いを定めてドッキングを敢行した。

――う~ん、こんなもんか。イマイチ気持ち良くもないね

 とうとう大好きなサトル君と一つになれたと言う感激はあったし、初めての時のような痛みも感じなかったんだけど、正直言ってそんなに快感は感じられず、アレ? と拍子抜けの感じがした。そして私が張り切って彼の上で腰を動かすと、少し気持ち良かったけど、ハッキリ言って単純な快感で言えばオナニーの方がずっと良い。でも最愛の彼のおちんちんをアソコでくわえ込んでるんだと言う充実した幸福感は何物にも代え難く、私は満足だった。それに彼の方が慣れて来たら、きっとどんどん良くなるに違いない。何と言っても本物の童貞と、処女同然な私のカップルなんだもの。初めからそんなにうまくいくわけはないよね。彼もあまり気持ちよくなかったのか、結局せっかくの避妊具も無意味だったみたい。

「ごめんね。手や口で出させてあげようか?」
「いいよ。後で出してノートに掛けるから」
「明日も会ってよ」

 帰り際正直に謝り、明日土曜日のデートを取り付けた私。やったあ! と叫びたくなるくらい嬉しかったけど、夜送られて来た「奴隷ノート」の命令を見た私はドキッとした。まるで私が隠してるエッチな願望をズバリと言い当てられたような気がしたからだ。

『町田詩織は、超ミニスカ・ノーパン・ノーブラで街へ行き、大人のオモチャを買う』

――あの格好で! しかも、大人のオモチャなんて・・・・・・

 それを想像しただけで私の中のエッチな血がざわめき、クリちゃんとチクビがピーンと勃起していくのがわかった。露出狂みたいなエロ制服姿で街を歩く恥ずかしさは、学校の比ではないだろう。しかも「超」ミニだと言う。風が吹いたらすぐにめくれて、アソコがモロに露出しちゃうのだ。シモの毛は処理してた方がいいだろうか? ヘンタイな彼ならボウボウのオケケを喜びそうだし、私だってもっと興奮しちゃうかも。そして「大人のオモチャ」はどんな物だか具体的にはわからないけど、サトル君が私とのセックスを気持ち良くするために考えたのに違いない。

――ああ、素敵な命令だわ。詩織、頑張っちゃうよ、サトル君。うふうん、いい~っっ!!

 もう自然と両手が股間と胸元に潜り込み、この所すっかりクセになった気持ち良い指弄りを始めてた私。上下でピンピンのオマメちゃんに触れると、頭がボウッとするほど感じてしまい、サトル君にあげるつもりのパンツに嫌らしい染みがジュンと滴って広がっていく。

 だが次の日のデートで、私は効力を疑っていた「奴隷ノート」の力を思い知らされる運命だったのだ。

6.9月10日(土)

「サトル君、メチャ恥ずかしいよお」
「だろうね。他の人達がみんな見てるよ」
「ああ・・・・・・い、イヤッ!」
「かわいいよ、詩織。恥ずかしがってるのが最高だ」

 翌土曜日バレー部の練習が終わるのを待っててくれたサトル君と一緒に駅までの道を下りる時、私はもう穴があったら入りたいような猛烈な羞恥に囚われていた。なぜなら彼に言われて、部活時の服装、つまり男子にとっては目の毒に違いない濃紺のブルマと白い体操着と言う姿だったからだ。みんなで外をランニングするならともかく、下校時に彼氏と手を繋いで歩く格好としてはあり得なかった。

――サトル君は恥ずかしくないの? こんなブルマはいた彼女なんか連れてて・・・・・・だけど今日の彼は何だか違う。堂々としてるもの

 もしかしたら昨日私とエッチして、曲がりなりにも童貞を卒業したのが大きいのだろうか。朝、部活が終わったらそのままの格好で来るようにと電話で命令して来た時から、人が変わったみたいにしっかりした口調で、逆らえない感じだった。校門で落ち合ってからも昨日までのオドオドした態度は消え、他の部活帰りの生徒達の視線を気にして真っ赤になって恥ずかしがる私と、これまでの立場が逆転してしまったかのようだった。うう、それにしてもこの格好は恥ずかし過ぎる。みんな私の頭がおかしくなったと思ってるんじゃなかろうか。私は彼の手をしっかり握り締めて折れそうになる心を支え、大きな体を縮めるようにして寄り添いながら、ひどい羞恥と興奮の中でも充実した幸福感を味わっていた。サトル君に猛烈に恋しちゃってる私は、ヘンタイなご主人様である彼に仕える奴隷だ。それにオドオドして弱っちかった彼にもっと「ご主人様」らしくふるまってもらい、私をエッチに辱めて欲しい、と言うのはこれまで密かに思っていた願いなのだから。人が変わったように堂々としているサトル君が頼もしく、お互いほとんど口を開かなかったけど、しっかり握り締めた手から彼の体の温もりを感じながら、私は「もっとイジめて」とエッチな奴隷らしく、はしたない期待に胸を疼かせていたのである。

「着替える所を見せてよ」
「えっ!? う、うん、わかったよ、サトル君」
「じゃなくて、ご主人様だろ」
「……はい、わかりました、ご主人様」

 小柄な制服姿のサトル君が昨日までとは違って大きく見えた。彼の堂々とした態度がそう見えさせるのだが、私とエッチして男の子になった事が彼に自信を与えたのだろうと思うと、凄く嬉しい。別人のように臆せず大胆になったサトル君は、何と男子トイレへと私を誘い、着替える所を見せてくれと言ったのだが、戸惑った私もすぐにOKしてしまう。そして彼に指摘されて奴隷言葉を使うと、何だか妖しい戦慄が込み上げて来た。駅を利用する見知らぬ人達が沢山いると言うのに、「ご主人様」サトル君に仕える「奴隷」気分に染まった私は、彼と2人だけの世界に彷徨い込んだかのように周囲が気にならなくなる。そして彼に手を引かれて、2人で堂々と男子トイレの個室に入った。

「やっぱり僕が見込んだ通りだね。詩織のブルマ姿は最高だよ」
「ありがとうございます、ご主人様」

 2人では狭い個室の中に立った私の、汗まみれの部活時の格好をホメられて、恥ずかしいけどとても嬉しい。昨日までとは逆に彼の方が唇を求めて来たのでもちろん応じる。サトル君が舌まで差し入れて私の舌と絡めて来ると、ずっとこのまま過ごしていたいような幸福感に包まれたけど、彼の手がブルマの中に入って来た。例によって昨日からのオナニーによるラブジュースと、部活でかいた汗がタップリ染み付いて気持ち悪いくらいに潤っているパンツを確かめられてるみたいでメチャクチャ恥ずかしかったけど、彼のもう片手が私の手を学生ズボンの中に誘うと、私はパンツの中をまさぐってしまう。するとサトル君のおちんちんはもうビンビンに熱く固まっており、胸がキュンとなった。

 それにしても利用者の多い駅の男子トイレにブルマ姿で忍び込み、彼氏とキスしながら互いの股間を弄り合うなんて、物凄いスリル。入って来る時も用を足している男性達の驚きと好奇の視線に耐えねばならなかったが、個室の中でも隣の個室や外の話し声や物音が聞こえて来るのだから。でもやはり今日のサトル君は頼もしく、唇を離し手も引っ込めてから命令してくれた。

「着替える前にご奉仕してよ。詩織がブルマでオナるの見ながら出してみたいんだ」
「わかりました、ご主人様」

 そうかすれた声で答えた私は、もう感激と興奮で目がウルウルだ。よく人からお人形さんみたいにパッチリして大きいとホメられる目をパチクリとしばたかせ、便座に腰掛けた彼の前にしゃがんだ私は、狭いのでお尻が後ろに当たってしまうのに苦労しながらズボンを下ろし、素敵なコチコチのおちんちんを摘み出すと、皮を剥いてからゆっくり味わうように口で頬張っていった。そして両手をブルマと体操着の中に忍ばせて、気持ち良い箇所に触れたかと思った瞬間に、ドンドンと大きなノックの音。彼は「入ってます」と怒鳴ったけど、スリルがあり過ぎて、頭がクラクラと痺れそうだ。

「一緒にイクんだよ、詩織」
「ングウッ!」

 オチンチンを頬張った私の後頭部をガッチリと両手で掴んだ彼が、さすがに声を落としてそう言うと、顔を前後に力強く動かしてくれた。喉まで突かれて息苦しく辛いけど、それが歓びに変わってしまうどMの私は、懸命に両手を動かして体を慰め、彼が口から溢れる程大量のザーメンを出してくれると同時に、強烈なアクメに貫かれていた。それから喉を鳴らしてゴックンと飲み干してあげると、吐いてしまいそうなくらい不味い液体が喉を通過していくと私の頭はさらなるアブない戦慄に麻痺してしまい、麻薬でも嗅がされたみたいにヘロヘロになった。

「気持ち良かったよ、詩織。どんどんエッチで上手になるね」
「あ、ありがとうございます、ご主人様」
「じゃ、ハダカになって、立ってごらんよ」
「はい」

 多くの人が使っている駅の男子トイレの中、ブルマ姿でオナニーしながら、フェラしてゴックン。そして今度は全裸になる。一度激しく極めて、少し冷静になって来た私の耳には外の物音が聞こえて来て、これは夢でなく本当に起こっている事なのだろうかと、少し非現実的な気分を覚えていた。慄える手で体操着とブルマを脱いだ私は、サトル君に献上すべく今日は水玉模様がお揃いの下着に手を掛ける。パンツの方はずり下ろす脚が濡れてテカテカ光ってしまうくらい、グショグショに汚れていて死ぬ程恥ずかしいのだけど、ヘンタイな彼が喜んでくれるのなら我慢出来る。

「ご主人様、詩織のえっちなお汁が染み付いたパンツとブラでございます。どうかお受け取り下さい」
「うわ、今日は又一段とクサイね。部活の汗が染み付いてるからかな」

 そんな事を言ってクンクンと嬉しそうに臭いをかいだサトル君は、それを持っていた紙袋にしまうと、私にまっすぐ立つようにと命令した。大人しく従う事が嬉しくてたまらない私だけど、こんなあり得ないような場所で全裸になる凄まじい羞恥で、心臓の音が聞こえるくらいバクバクしていた。

「隠さないで、両手は横だよ、詩織。すっごい巨乳だね」
「ありがとうございます、ご主人様」
「シモの毛はボウボウじゃないか。今度僕が剃ってあげようか?」
「お、お願いします、ご主人様」
「写真を撮ろう」

――ああ、やっぱり処理しとくんだった。恥ずかし過ぎるよ、これじゃ……でも、彼に剃ってもらえるなら、嬉しい

 「奴隷ノート」でサトル君の虜にされてしまったからだろうか。イヤらしい事も、ヘンタイな事も、彼になら許せてしまうどころか、それが嬉しくてたまらない自分に、私は少し驚いていた。今やっている信じられない恥ずかしい行為も決して嫌ではなく、彼の前で彼の命令に従い恥ずかしい姿を晒す事に、痺れるような快感を覚えてしまっていた。

「さあ、セーラー服を着て。スカートはギリギリのミニだよ」
「はい、わかりました、ご主人様」
「・・・・・・うわあ、こりゃマジでヤバイね。僕、鼻血が出そうだ」
「そんな事言わないで、ご主人様」

 私がどれだけ恥ずかしくイヤらしい格好をしてるのか、自分でもわかり過ぎるくらいわかってた。ノーブラの胸がユサユサ揺れるであろう夏服セーラーの薄いブラウスも凄まじくエッチだけど、立ってるだけで中が見えそうなミニスカはあまりにも過激で、しかもノーパンだなんてあり得ない。これではハダカとほとんど変わらなかった。いや、男の人にとってはかえってエッチに見えるのではなかろうか? 果たして「鼻血が出そう」と言ったサトル君はひどく興奮した口調で言う。

「ぼ、僕、もうたまらなくなって来たよ。もう一度しゃぶってくれない? 詩織。ここでエッチしようよ」
「はいっ! ご主人様」

 露出バカみたいな自分の格好がサトル君を大いに喜ばせ興奮させてる事がわかった私はとても嬉しくなり、喜び勇んで彼のモノを元気にしてあげようとオクチに含んでクチュクチュしてあげた。でもサトル君のオチンチンは既に十分立派に回復してたのだ。と、彼が紙袋からコンドームを取り出して手渡した。

「口で着けてよ」
「はい! ご主人様」

 何かもうメチャクチャに嬉しくて、声を弾ませてしまった。そしてドキドキしながら避妊具を装着し終えると、便座に座ったサトル君に抱き付いて腰を下ろし、今度は下のオクチでパックンチョと彼のモノをくわえ交わっていった。何しろほとんど隠す用途を放棄したような激ミニにノーパンだから、いとも簡単にエッチ出来ちゃうのだ。

「ああっっ!!」
「そんな大きな声出したら、聞こえちゃうよ」
「だ、だって・・・・・・す、凄いの、気持ちいいよ、サトル君」
「サトル君じゃないだろ」
「ご主人様・・・・・・ああ、いい、いいの! こんなの、信じられない」
「こんなエッチが好きなんだね」

 あんまり良くなかった初めての昨日とは大違いで、サトル君のオチンチンと繋がっただけで、ズウンと快楽の矢に貫かれたように強烈に感じてしまった。駅の男子トイレの中と言うスリル満点の状況もさる事ながら、やっぱりサトル君が男らしくふるまい、私を奴隷として扱ってくれるからだ。あまりにも気持ち良くて、エッチな声が出ちゃうのも我慢出来なかった。これを外の人に聞かれるかも、と思うとますますたまらなくなった私は、さらなる快感を求めて自分から腰をはしたなく動かし始めていた。

「こんな場所で興奮して勝手に腰を使い始めるとは、ヘンタイでエッチなんだね、詩織は」
「ご主人様! も、もうイッチャイそお!」
「イッテもいいよ」
「ヒイッ! そ、それ、駄目です! ああ・・・・・・」

 昨日は何も出来なかったサトル君は、両手で私のオッパイを弄ってくれたのだ。ブラウス越しでも彼の手が膨らみを確かめるように動くと、アソコがトロけそうに感じまくってたために、さらなる刺激は反則だと言いたくなるくらいの甘美な歓びに突き上げられて、加速した性悦に私は次のアクメへと驀進した。背中に回した両手でヒシと彼にしがみ付き、「イク」と告げようとした唇は彼が塞いでくれたけど、頭の中が真っ白になった私は激しく極め、体をピンと弓なりに反らしていた。

「イッタんだね、詩織」
「はい、ご主人様」
「僕はまだだから、続けよう。さあ、動いて」
「ああ……も、もう、たまりません、ご主人様あ!」
「こうすれば、もっといいかな?」
「ヒイイッッ!!」

 ああ、何て逞しいのだろう。昨日は結局イッテくれなかったサトル君に少し不満を抱いてしまったのに、今日は簡単にイカずこんなに私を楽しませてくれる彼がとても頼もしく思えるのだから、我ながら現金なものだ。トロけるような素晴らしいエッチを続けようと言われて、私はもう夢中でカクカクと腰を前後に揺さぶり快感を貪る。そして余裕綽々のサトル君が、ブラウスを完全にはだけて露出したお乳を優しく揉みながら、先端の乳首に唇を寄せてチューッと強く吸い上げるテクを見せると、私は又しても頭の中が真っ白になって弾け、大声で「イク」と叫びそうになる口を慌てて自分の手で塞がねばならなかった。

「又自分だけイッタの? 欲張りだね、詩織は」
「ご主人様あ! 私、もう駄目え、おかしくなりそお……」
「まだまだ、イカせてあげるから、おかしくなってよ、詩織」
「ああ……もう、もう、本当に許して下さい!」
「僕がイクまで終わらないんだからね。覚悟してもっとガンガンお尻を振るんだ」

 サトル君は逞しいおちんちんをガッチリと打ち込んで繋がったまま離してくれないので、快感の高みから降りる事の出来ない私の声はかすれ、自分でも嫌になるくらい色っぽく彼に甘えているようなものだった。そしてサトル君はまるで楔のようなオチンチンを支点にして、私の大きな体をグルリと回し、後ろから犯している体勢になる。

「両手を上げて首の後ろで組むんだよ」
「ど、どうして?」
「エッチな声が出るのを手で邪魔しないようにね。いいかい、詩織。人に聞かれたくなかったら、どんなに気持ち良くても、じっと我慢するんだ」
「わかりました、ご主人様あ」

 絶対我慢なんか出来っこない事はわかり切ってたけど、「ご主人様」に逆らう事は許されない。言われた通りに首の後ろで両手を組み合わせると、サトル君が相変わらずアソコに突き刺さる素敵なおちんちんで私をメロメロにしながら、紙袋から取り出した黒い布製の頑丈なガムテープを組んだ両手と首にグルグル巻きにしてくっ付けてしまったのである。少し息苦しいが窒息しそうな程ではない。でも自力では外せない程の拘束である事がわかると、私はそれまで覚えた事のない異様な興奮が込み上げて来て、体がブルッと大きく慄えた上に、いきなり嫌らしい声まで出てしまった。

「ああんっ!」
「ははは、詩織のおまんこがキュッと締まったよ。白状してよ、縛られると興奮するんだろ?」
「ご、ご主人様あ、そんな事、ない……あふうんっっ!!」
「ほらほら、意地張ってないで、お尻をガクガク動かしてごらん。僕をイカせなきゃ、いつまでもこのままだよ」
「あ~っ! ご主人様、いい~っっ!!」
「今のは、外に聞こえたぞ」

 彼の言う通りだった。縛られた事で興奮した私の体は完全に暴走を始め、勝手にサトル君のおちんちんをギュッと締め付ける動きが止まらなくなっていた。そうするともちろんさらに甘美な快感がグッと突き上げて来て、彼が優しく乳房を弄りながら耳元や首筋にレロレロと舌を這わせ始めると、私の腰はどんどん浅ましく動き出してしまう。我慢しなきゃといくら念じても、エッチなよがり声が自然と出てしまうのもどうしようもなかった。昨日まで童貞だったとは思えない程、自信を持ったサトル君の女の子扱いは上手で、たちまち火柱のように全身が燃え上がった私は、猛烈な勢いで3回目のエクスタシーに駆け上がり大声で叫んでしまったのである。

「い、いくうううっっっ!!!」
「よしよし、いい子だ。僕もタップリ出ちゃったよ」

 サトル君の言葉に心の底から幸せを感じた私は、彼が求めて来た唇を合わせると舌を絡めて貪り合う。ようやく出してくれた彼はオチンチンを引き抜いてしまったけど、愛する男の子が私と一緒にイッテくれたのは夢のような素晴らしさだった。

――今度は中に出してね、サトル君

 それは女の子の本能なんだろうか? 私は心の底からそう願い、いつかサトル君の子供を宿して産む事まで夢見てしまっていた。昨日初体験をすませたばかりなのに。「奴隷ノート」のせいではあっても、猛烈に好きな男の子にはそこまで望んでしまうのだ。

 だけどそんな幸福に浸っていられるのも束の間だった。さあ、行こう、と言われた私は困ってしまう。外にいる男子トイレを使っている人達の中に出て行くだけでもたまらない恥ずかしさだけど、まずは首に縛られた両手の拘束を何とかしてもらわなければ。

「ちょっと待って! これ外してよ、サトル君」
「サトル君じゃないと言っただろ」
「ご、ご主人様」
「詩織はドレイなんだから、よく立場をわきまえないと。そんな生意気な口を叩くようじゃ、甘やかしちゃいられないね」
「あ、あの、ご主人様。この格好はヤバ過ぎます。こんな私を他の人に見られてもいいのですか?」

――スカートを短くし過ぎたら、他の人に見られたくない、と言ってやめさせたのに。サトル君、一体どうしちゃったんだろ

 私はこの時までタカを括ってた。女の子と接するのが苦手で恥ずかしがり屋のサトル君だから、そんなに酷い仕打ちを仕掛けて来るわけはない、と。何しろ彼が大人し過ぎるから、私の方が積極的にドレイらしくふるまい、気分を出そうとしてたくらいなのだ。でもやっぱり今日のサトル君は完全に人が違ってたのだ。

「構うもんか。今日は徹底的に恥ずかしい目に遭わせてあげるよ。どうだい? みんなにこの格好を見られちゃうんだよ。どMの詩織なら、考えただけでもゾクゾクして興奮するんじゃないの?」
「そ、そんな事、ありません・・・・・・ああ、イヤです! 解いて下さい、ご主人様」
「お、いいね! 余裕こいてた詩織が真っ赤な顔して慌てててるの、めちゃくちゃカワイイよ」

 さっきまで本気じゃなかったけど、サトル君が本当にこのまま連れ出すつもりだとわかった私は愕然として、少々痛くてもいいからガムテープを引き千切ろうと力の限りもがいた。でも首が痛くなるだけでビクともせず、「ご主人様」サトル君は笑ってからかうばかり。これは冗談じゃなくヤバいんだと思うと、彼が言った通り凄まじい興奮が込み上げて来るのを覚えちゃってた私。そしてサトル君は紙袋の中から見覚えのある小さなノートを出すと開いて見せた。

「僕が変わったんでビックリしてるんだろう。秘密を教えてあげるよ。ホラ、読んでごらん。実は1ページ目を新しく書き換えてみたんだ」

 初めてお目に掛かる実物の「奴隷ノート」の1ページ目に書かれていた文字は、写メで見慣れたザーメンが掛かってボヤけた文字だった。

『僕は、僕の事を大好きな町田詩織のご主人様だ』

――確かに違ってる。でもこれって何か意味があるの?

「僕自身がせっかくの奴隷ノートを使いこなせてなくて、バカだった。こう書けば、気の小さい僕だって、君のご主人様らしくなれると思ってね」

 自己暗示みたいなものだろうか。どんなエッチでヘンタイな事をされてもサトル君を好きな気持ちは強まる一方だから、奴隷ノートの1ページ目に強力な力が宿っているのは明らかだ、と、すれば彼が人が変わったように堂々として、「ご主人様」らしくなってくれたのも理由が付く。だけど彼にご主人様らしくしっかりして、イジめて欲しいと願ってた私も、気持ちは複雑だ。愛するサトル君の前ならどんな恥ずかしい格好も見せられるし、エッチなはしたない行為だって平気だ。でも他の人の前で、となれば、話はまるで別だ。

「さあ、さっさと行かなきゃ、かえって恥ずかしいよ」

 手を縛られてる私は、サトル君に個室のドアを開けられると、もうどうしようもなかった。私は火の吹き出そうな猛烈な羞恥で上げられない顔を伏せ、体を縮こませるようにして彼の後ろにピタリと寄り添った。モデルさんみたいだとホメられる長身の体が今は恨めしく、小柄なサトル君はあまり盾になってくれない上に、わざとなのかゆっくり歩くので、おしっこをしていた男の人達の驚きと好奇のイヤらしい視線が容赦なく突き刺さって来る。

――これ、どう見てもどヘンタイな女の子だよね、私

 そう思うとあまりに強烈な恥ずかしさで気が遠くなりそうだったけど、あろう事か半裸同然に露出してる体がエッチな反応をしてカーッと熱く燃え上がるのを感じていた。サトル君がからかった通りで、こんなのにゾクゾクと興奮してヘロヘロになってしまう私は、本当にどMのヘンタイなのかも知れない。体の奥から次々に熱いものが込み上げて来て、彼の後ろでヨロヨロと必死に歩く私の内股にツーとエッチなお汁が滴り落ちるのを感じると、ますますたまらなくなり、顔が上げられなくなった。

 ほうほうの体でたどり着いた駅のホームで並んで立ったサトル君は、周りに並んでる人がいると言うのに、声を殺しもせずとんでもない事を言う。

「もうちょっと混んでる時間なら面白かったのにね。そうだ今度奴隷ノートに書いたげるよ。町田詩織は痴漢に触られて感じまくってしまい、何度もイッテしまう、とかね」

 それは私も妄想した事ではあったけど、あれはサトル君に痴漢されちゃうつもりだったのだ。こんな触って下さい、と言わんばかりの格好で、本当に見知らぬ痴漢に触られたら、何て考えただけでも身震いがするほどおぞましい。でも「ご主人様」らしくなり過ぎて、超大胆なサトル君なら実行に移してしまうかも知れない。今だってどヘンタイで露出狂そのものの格好の私は、痴漢されても何の抵抗も出来ないのだから。だけどそんな恐ろしい妄想に囚われるほどに、私のイヤらしい体は何もされてないのにとめどなく燃え上がり、ドクン、と大きな音がしたような錯覚を覚える程大量のラブジュースがアソコから溢れ出して、おもらししちゃったみたいに内股を伝い落ちても何も出来ないのだった。

「さあ、アシを開いて。向かいのオジサンに見てもらおうよ」

――え、ウソお! そんな、信じられない

 到着した電車に乗り、休日なので結構空いてる車内で、対面型座席に2人並んで座ったんだけど、サトル君に耳元でそう囁かれた私は、すっかり厳しい「ご主人様」に変身してしまった彼の命令に泣きたくなった。だって空いてるとは言え、車内にはボチボチ人が乗ってるのだ。特に彼が「見てもらおう」と言った向かいの座席には、いかにも好色そうな小太りで眼鏡を掛けた中年男性が座ってて、エロエロの格好をしてる私の方に興味津々な視線を送って来てるのがわかるのに。

 だけどサトル君の命令は絶対に感じられる私は、脳髄が痺れるような露出の快感をハッキリと自覚しながら、ゆっくりと脚を開いてしまう。超ミニスカはほとんど役に立たないので、向かいのオジサンには私の毛深いアソコが見えちゃってるのではないだろうか。オジサンは私の事を見せたがりのヘンタイ露出狂女と思ったに違いなく、今や遠慮なく身を乗り出してジロジロとガン見してる。いやこの男性だけではなかった。ハッと気付けば、いつの間にかヘンタイ丸出しの格好で電車に乗り込んだ私を見つけた他の男性客達が、遠慮がちながら一斉に視線を集中させている事がわかってしまい、私は強烈な羞恥で心臓をグッと鷲づかみにされて生きた心地もせず、全身にワナワナと激しい慄えが生じていた。

――だ、ダメえ~っっ!! あ~っっっ!!!

 こうして大勢の乗客の注目を集めたと見るや、大胆な「ご主人様」サトル君は、何と私の体に手を伸ばして来たのだ。まず薄手のブラウスの上からノーブラの巨乳を優しく掴まれ、石のように固まった乳首をコリコリしながらゆっくりと膨らみを揉まれると、胸だけの愛撫で得られるとは信じられないような圧倒的な快楽の火花が頭の中で弾け、ハッキリ言ってこれだけでイッテしまいそうな程感じまくってしまった。ああ、私のお乳にはこんなに凄い性感帯が隠れていたのか。もう目がウルウルでほとんど開けていられず、血が滲む程きつく唇を噛み締めて嫌らしい声が洩れ、気をやってしまうのを堪えるので精一杯だった。

「ああっっ!!」
「みんな見てるよ。そんな声出しちゃって、恥ずかしい女だね」 

――ご主人様、許してえっっ!! そこダメ! ダメだったらあっっ!!

 おっぱいを弄られただけで素晴らしい心地良さにくじけそうになっている私が、続いてミニスカの中までまさぐられては最早なす術はない。諦めた私はギュッと固く目を閉じて、力を抜き脚をさらに緩めてサトル君の嫌らしい手のされるがままに身を預け、はしたないエッチな声が洩れてしまうのもどうしようもなかった。「奴隷ノート」の力なのか、昨日まで童貞だったくせに「ご主人様」サトル君の手指は実に巧みに私を燃え上がらせる。ノーパンだった事もあり、あっと言う間にクリちゃんを探り当ててしまった彼の指がクリクリとえっちな実を転がし、トロトロに蕩けてた膣口に、そして何と恥ずかしい尻穴にまで、ズブズブと指が打ち込まれて来ると、私はたちまちビクビクと激しく全身を痙攣させて海老反りになり、こんな衆人環視の電車の中で極めてしまっていた。と、サトル君がネロネロと耳元を嫌らしく舌で舐めながら囁く。

「大きな声が出せないから、死ぬ程気持ちいいんだろ? 今気をやった瞬間に、僕の指が食い千切られそうな程、ギュッとアソコもオシリも締まったよ。さあ、降りる駅までまだ10分はある。遠慮しなくていいから、どんどんイッチャッて」

 もう本当にダメだった。私は自分がどこで何をされてるのかわからなくなる程サトル君の指に感じ入ってしまうと、目を閉じて乱れまくり、結局都合5回もエクスタシーに昇り詰めてしまうと言う、恥知らずな痴態を晒してしまったのである。彼にエスコートされてフラフラになった体を起こして降車したんだけど、座席が大量に失禁してしまったみたいに濡れてたのが、死ぬ程恥ずかしかった。

「ご主人様! 本当にこのまま行くのですか?」

 降りた駅は普段あまり行く事のないこの辺りでは一番の繁華街で、大勢の通行人で賑わっている街を目にした私の脚は竦み上がった。露出過多なエロ制服も、首に両手を縛られた格好もヘンタイ同然で、しかもさっきまでサトル君にイタズラされてイキまくってしまった直後で脚がフラフラ、まともに歩く事すら覚束ないかも知れないのだ。

「奴隷ノートの命令を思い出してごらん。大人のオモチャを売ってるアダルトショップは、この通りをずっと行った先にあるんだ。逆らえると思うんなら、逆らってみれば良い」

――ああ、もう、いい加減にして!

 私はとうとう音を上げる。通りに面した駅舎の中にしゃがみ込んで体を丸め、恥ずかしい両手拘束を人目から隠そうとする。せめて彼がこの両手縛りを解いてくれなければ、テコでも動かない構えだ。こんな姿で大勢の中に出ていけるわけがない。でもサトル君はしゃがみ込んだ私をジロジロと見下ろして言う。

「そのスカートで座っちゃうと、詩織のイヤらしいおまんこが丸出しなんだけどな」

――大きな声で言わないで! でも、ああ、マジで見えちゃってるかも

 おそるおそる視線を下にやった私は愕然とする。こんなのあり得なかった。ジャングルみたいに濃いアソコの毛が丸見えになり、一番恥ずかしい女の子の部分まで少しのぞけてしまってるではないか。私は慌てて体を前傾させる無理な姿勢を取り、何とかその部分だけはガードしようとした。でもサトル君は辛辣だ。

「今度は大きなお尻が丸見えだよ」

 進退窮まった私は、結局立ち上がるよりなかった。しゃがみ込むと股間を隠す能力がゼロになってしまう超ミニスカと、首の後ろで両手をガッチリ拘束したガムテープが恨めしかったが、近くを通る人達が次々に好奇の視線を送って来てるのがわかると、おぞましい興奮が全身を突き上げ、大胆に露出した脚が激しく慄えて立っているのも辛かった。

「わかってるだろ、奴隷ノートには逆らえないって事。詩織はその格好で大人のオモチャを買いに行かなきゃいけないんだからね」

 そんなのまやかしだ。サトル君は私が逆らえない状況を作り出して無理矢理恥ずかしい命令を実行させ、それがノートの力によるものだと思わせているだけではないのか。私が彼に猛烈に恋しちゃってるのをいい事に、ノートの命令は絶対であると暗示に掛け、私を本当に操ろうとしているのだ。それを断ち切るためには、本当にとんでもない命令を下される前にどこかで頑張って抵抗し、「奴隷ノート」なんてただのこけ脅しなんだと証明して見せなければ。でないと、厳しい「ご主人様」に豹変してしまったサトル君は調子に乗って、取り返しのつかない酷い命令を下してしまうかも知れない。でもサトル君は私のそんな内心の不安もお見通しみたいだった。

「どうしても行きたくないんだったら、そこにそのままずっと居ればいいだろう。奴隷ノートなんか効果がないと思うんならね。その格好じゃ困るって言うなら、誰かに助けてもらえよ。ヘンタイな彼氏にこんな事されちゃったんです、とでも説明すれば?」
「待って!」

 ああ、やっぱりダメだ。サトル君が自信タップリにそう言い残して、振り向きもせずにスタスタ歩き去ろうとすると、私はたまらず後を追い掛けてしまう。こんな死ぬ程恥ずかしい姿で放置される事にはどうしても耐えられなかった。誰かに助けを求めるなんて出来るわけないではないか。そんな事が頼めるのは、ご主人様だけに決まっている。だって私は彼だけの奴隷なんだから。

「ははは、やっぱりノートに書いた事には逆らえないだろ」
「はい、その通りでした、ご主人様」
「そんなにすり寄って来るって事は、触って欲しいのかい?」
「……はい」

 結局負けてサトル君に追い付き、後ろから大きな体をベタッと預けると、サトル君が勝ち誇ったように言う。するとひどい羞恥はそのままだけど、ご主人様に大人しく服従する事のマゾヒスチックな歓びがドッと溢れて、もうどうにでもして、と言う捨て鉢な気分に頭を支配されて来た。だから彼が無遠慮にチョコチョコと胸やアソコを触って来るのも喜んで許してしまう。大勢の通行人に見られるのは恐ろしく恥ずかしいんだけど、サトル君の手が触れる箇所から強烈な快楽電流が流れ込んで、私はもう夢見心地だった。

「本物の催眠術ってさ、術に掛けられてるのがわかってるのに、結局言われる通りに動いてしまうんだって。でも本人は自分の意志で動いたんだと思ってて、本当は操られてたんだと言う自覚がないんだ。でも無意識だろうとなかろうと、同じ事だろう? だから詩織も、『奴隷ノート』に操られてるんだよ。それから逃れる事は絶対に出来ない」

 何と言う屁理屈だろう。でも「ご主人様」サトル君にイヤらしく体をまさぐられながら露出過剰な服装で歩いてるうちに、私はついそんな無理な説明を納得してしまってた。そう、私はノートの命令に操られる奴隷なのだ。だからどんなに恥ずかしくて嫌でも、この格好で大人のオモチャを買いに行くよりない。そう自分に言い聞かせ「辱められるかわいそうな私」を味わってるとどんどんおぞましい興奮は高まる一方で、いつしか私はエッチなちょっかいを出して来るサトル君の手に、自分から恥ずかしい箇所を擦り付けるヘンタイエロ女のようにふるまってしまってた。

――アン! もっとしっかり触って下さい、ご主人様。中途半端はイヤッ!

 でもそんな異様に高揚したエロ気分の私も、いよいよたどり着いてしまったアダルトショップの入口で、彼に命令されている内に冷水を浴びせ掛けられるような気持ちになった。

「お使いだよ、詩織。一人で奥のレジにいる店員さんの所に行って買い物して来るんだ」

 その店は私の予想と違い、一見するとよくあるディスカウントショップみたいな、明るく開放的な感じだった。でも店先に並んでいたのは見るのも汚らわしい、エッチな雑誌類で、以前の私であれば、それを確認したら足早にスルーして二度と近寄らないようにしただろう。休日とあって大勢の男性客でにぎわっており、中にはカップルも見掛けたがそれは少数派だ。店頭から店の奥までギッシリいかがわしい品物で埋め尽くされている様子の店をとても直視出来ず、耳たぶまで熱くして俯き立ち竦んでしまった私は、さすがにサトル君の手が引かれてホッとしたものの、男性客達の視線を盛んに集めてしまっているのに気付いて慄然とする。それでなくても長身で目立ってしまう私が、半裸同然のエロセーラー服を着て手まで縛られてるのだから、当然だろう。

「あ、あの、ご主人様。手を解いて下さい。これでは買い物に行けません」

 いかがわしいアダルトショップの店先なのだ。客の男達が向ける視線は、街中で通りすがりの人達とは明らかに違い、エッチでヘンタイな格好をした私をイヤらしい性の対象として、無遠慮にジロジロと舐め回すような容赦ないものだった。そんな中で「ご主人様」なんて言葉を使っちゃうのは凄くどきどきしてスリリングだったけど、中途半端に恥ずかしがらず、自分を貶める事で正気を保とうとする一種の防衛反応で口にしてたと思う。実際この言葉を発して自分はサトル君の奴隷なんだと再確認すると途方もない喜びに包まれて、他人の目線が気にならなくなり、自然と彼に身を擦り寄せ悩ましい声でお願いしていた。
 
「大丈夫だ。この封筒を口にくわえてレジまで持って行き、店員に渡すといい」
「ご主人様! そんな……」
「何か文句あるの?」
「いえ、ありません」
「この中にはお金と、買いたい物のリストが入ってる。詩織のために何ヶ月もバイト代や小遣いを貯めて来たんだよ」
「ありがとうございます、ご主人様」

 口に封筒をくわえて好色な男性客達の前を通り、いかがわしい大人のオモチャを買いに行くと言う、信じられない恥辱的な行為も、サトル君の命令なら受け入れてしまう。それどころか、私を想って長い間お金を貯めて来たと言う彼に、感謝の言葉まで述べてしまった。

「よしよし、いい子だ。ちゃんとお使いが出来たら、勝って来た物を使って目一杯えっちにイジめてあげるからね、詩織」
「……ありがとうございます」

――やっぱ大人のオモチャって、そんなエッチな物なんだ。ああ、もっとイジめて下さい、ご主人様!

 この異常な状況でそんな気持ちまで抱いてしまった私は全身に鳥肌が立つくらいのアブない興奮に包まれて、声をワナワナと切なく慄わせながら言葉を絞り出す。もう完全にどMである事を自覚した私は、サトル君にイジめられる歓びにどっぷりと漬かっちゃってたみたい。だけどサトル君は予想を上回る言葉を口にして、私は過酷な現実に打ちのめされた。

「僕は待ってるから一人でお使いに行っておいで」
「ご主人様、そんな!」

――今度こそ絶対にイヤだ! ああ、でも、逆らえないの?

 アダルトショップの店先でこんなやりとりをしてる長身で破廉恥な制服姿の私を、今や客の男の人達は興味津々で熱くエッチな視線を集中させている。私は最愛の「ご主人様」サトル君にイジめられる歓びに漬かって、この途方もない恥ずかしさを忘れようとしてたのに。彼が一緒に行ってくれないのに、「奴隷」姿で大人のオモチャのお使いだなんて出来るわけがないではないか。

「ご主人様、お願いです。一緒に付いて行ってくれませんか?」
「ははは、怖じ気付いちゃったのかい、詩織。でもダメだよ、これは奴隷ノートの力を確かめるための実験だからね。隣の公園で待ってるから」
「待って下さいっ!」 

 サトル君は何と私を店先に残して、サッサと立ち去ってしまう。さっきは彼の後を追うのが命令に従う事だったけど今度は逆で、必死で呼び掛けながら命令に背き彼のもとへ駆け出してしまおうとした私は、脚が動いてくれないのに愕然とした。

――ど、どうして? もう降参なのに。お仕置きされてもいいから、奴隷ノートの命令に背いた事を彼に謝って許してもらうつもりなのに。脚がどうしても動かない……

「お客様、中へどうぞ」

 ハッとして振り向くと、店員らしきエプロンをした若い男の人だった。口調は丁寧だったけど、ロンゲの髪を変な色に染め鼻ピアスなんかしてる、絶対関わりたくない感じの人で、ニヤニヤと嫌らしく笑ってた。

「ねえ彼女、ご主人様のお使いなんでしょ?」

 カーッ! サトル君とのやり取りを聞かれてたのだ。鼻ピアス男に猛烈な嫌悪を覚えて、逃げようと思ってもやっぱり脚が動いてくれない。口から封筒を吐き出して事情を説明をしようにも、それすら体が動いてくれず、私の頭はパニックに陥って全身から冷や汗が吹き出て来るのが感じられたが、同時に凄まじい興奮で体中の血が沸騰するみたいな気分になった。

――サトル君、お願い! 助けて、もう降参だよ! 奴隷ノートの命令って、ホントは私に暗示を掛けてるだけだよね? 本当に私には無理な命令なら、出来なくっていいんだよね!

「当店は抜群の品揃えでございます。さ、どうぞこちらへ」

 ああ、何と言う事だろう。必死に頭の中でサトル君に助けを求めても虚しいだけで、とうとう私の脚が勝手に鼻ピアスの案内で店の奥へと歩き出してしまった。

――ああ、な、何これえ!? 私絶対イヤなのに、サトル君に降参してるのに、脚が店の中に向かって行ってる! もしかして、私「奴隷ノート」に操られてるの?

 私は愚か者だった。何の興味もなかったサトル君を熱愛しちゃってる事実だけで「奴隷ノート」の力を信じるべきだったのに、彼の説明を疑い2ページ目には効果がないんだと勝手に思い込んでしまってた。サトル君は実験だと言ったけど、「奴隷ノート」の力が改めて証明されたのは、今どうしても店員に付いて行ってしまう自分の行動で明らかだ。それは初めて私が本当に「奴隷ノート」に操られてるんだ、と実感してしまった瞬間。でも気付いた時にはもう手遅れだった。鼻ピアスが下卑たニヤニヤ笑いを浮かべながら、私の耳元でイヤらしく囁いてもまるで反応出来ない私。

「それにしても、スッゲエえっちな格好じゃん。もしかして、ノーブラノーパン?」

 そんな事は命令に含まれてないはずなのに、コクリと素直に頷いてしまう。もう火傷しそうに熱い顔は少しも上げられず、じっと足下だけを見つめながらも、私の歩みはどうにも止める事が出来なかった。

「店長さん、この子がお使いだそうです」
「ほうほう、これは又何と言う……」
「封筒を見て欲しいみたいですよ」

 奥のレジに居た店長は、かなり年配のごま塩頭で度の強い眼鏡を掛けた、いかにも好色そうな人だった。ようやく口から吐き出す事の出来た封筒を店長に渡すと、その口が勝手にしゃべる。

「よろしくお願いします」
「ほほう、あなたは商業高校2年生の町田詩織さん。正真正銘の女子高生なんですか?」
「はい、そうです」
「いやあ、実はうちの娘も商業なんですよ。まだ1年生なんだけどね」

 サトル君のメモにはそんな私の個人情報まで書いてあるらしい。私の心はますます萎えそうになるけれど、このアダルトショップの店員さんたちにウソは付けなかった。「奴隷ノート」に書いてあった命令は絶対なので、大人のおもちゃを買うと言う目的を達する方向に、どうしても私の体が動いてしまうようだ。

「ご主人様の言う事は何でも聞く、エッチでイヤらしい奴隷だって書いてあるよ、詩織ちゃん」
「はい、その通りです」
「うひょお! マジっすか?」

 店長も鼻ピアス店員も急になれなれしい口調になって来たけど、口が勝手にしゃべってしまう。2人とも恥ずかしい露出制服姿の私にジロジロと舐め回すようなイヤらしい視線を浴びせて来て、私は生きた心地もしなかったけれど、同時に頭がおかしくなりそうなくらい強烈にうねるような凄まじい興奮に突き上げられてしまう。相手はサトル君じゃなく、見知らぬ男達だと言うのに。そして興味津々で店長の持つメモを覗き込む鼻ピアスが言った。

「買いたい品物が凄いッスね。手錠だの首輪だの……二穴バイブ付き貞操帯って、意味わかってるの? 詩織ちゃん」
「ご主人様が書いた事なので、よくわかりません」
「詩織ちゃん、ご主人様はこんな事も書いてるんだけど、本当にいいのかな? 品物は全部体に着けてやって下さい。お金が足らなければ、本番以外何をさせても構いません」
「はい、どうかよろしくお願いします」
「す、スゲえっすね! こんなカワイイ子が……店長さん、俺ここに書いてる商品集めて来ます!」
「じゃあ、少しサービスもしてもらいましょうか。こちらの部屋にどうぞ」

――ひど過ぎます! ご主人様。で、でも足が勝手に歩き出しちゃう……ああっ! た、助けて……

 もう口も体も全く自由にならず、「奴隷ノート」に操られているのだと言う事実を嫌と言うほど思い知らされながら、私は奥の事務所みたいな部屋に連れ込まれた。そして嫌らしい道具を装着され、お金不足でサービスしろと言われて、エッチな行為を強要されたり、恥ずかしい写真を撮られたりしたのだけど、私は少しも抵抗出来なかった。いくら心の中で悲鳴を上げて嫌がっても、体が勝手に動いてしまう。あまりの辛さにボロ泣きしてしまったけど、見知らぬ男達が相手だと言うのに体の方は恥ずかしいくらい敏感に反応してしまい、本格的な「大人のオモチャ」の威力をまざまざと見せ付けられてしまった。

 約1時間後ようやくエッチな買い物を終えた私は、再び口に袋をくわえさせられ、隣の公園で待つご主人様サトル君のもとへと帰されたのである。

「やあ、詩織。ちゃんとお使い出来たのかい?」
「は、はい……ああっ!」

 ここへたどり着くのも一苦労だったけど、ベンチに座ったご主人様の姿を見るなり、安堵感が溢れると同時に緊張が緩んだ私は、バランスを崩してウッとしゃがみ込んでしまう。すぐに駆け寄ってくれたサトル君は無遠慮にミニスカの中に手を入れて来た。

「ふうん、これが貞操帯かあ。やっぱ革製でも随分分厚くて頑丈そうだね。ワイヤーまでサイドに入って、勝手に切って脱ぐ事も出来ないわけか」

 そんな事私にはわからなかった。ガムテープで首に貼られてた私の両手は、ガムテープのようなチャチな物でなく、後ろ手にまとめて店で買った本格的な手錠をガッチリ嵌められていたからだ。さらに首にもチェーンのリードが付いた首輪を嵌められ、いずれも黒革と金属の物々しい外見で、完璧にヘンタイなプレイ中である事が丸わかり。私を屈辱的な奴隷気分で染めるのに十分だった。やはり黒革の貞操帯も短か過ぎるスカートから覗けちゃってるし、薄手のブラウスの下には乳房の根本を絞り膨らみを括り出すエッチブラまで透けて見えていた。こんな格好でアダルトショップの客の好色な視線に晒される中、逃げるようにしてようやくサトル君の待つ児童公園までたどり着いたのだけど、問題は破廉恥な外見だけではなかった。彼はしゃがみ込んだ私のミニスカに手を入れ、貞操帯の股当て部に触れながら言う。

「で、この中にバイブが2つも入ってるわけか」
「うん……ああ……」

 「二穴バイブ付き貞操帯」の実物を見せられた時、黒革パンツの裏地に大小の男性器を象ったバイブレータが生えているあまりにも卑猥でおぞましい外見に、私はサッと視線を反らして真っ赤になってしまったけど、「奴隷ノート」の魔力に縛られて逃げ出す事も抵抗する事も出来なかった。

「どこに入ってるんだい? 名前を言ってごらん」
「……アソコと、オシリ」

 休日の公園は小さな子供達が沢山遊んでいた。大きな木陰のベンチの付近は遊び場から少し離れてたけど、子供達や付き添いのお母さん達には丸見えだ。そんな場所で凄まじくイヤらしい格好のミニスカの中をまさぐられ、エッチな会話をさせられるなんて、アダルトショップの中以上に恥ずかしくて気が遠くなりそうだった。ところが厳しいご主人様サトル君は、容赦ない羞恥責めを仕掛けて来る。

「チンポを2本もくわえた気分はどう?」
「辛いの。お願い、外して」

 ニヤニヤ笑いの鼻ピアスが、ローションみたいな潤滑油? をタップリ塗った小型バイブの方を尻穴にニュルンと挿入して来た時のおぞましさと言ったらなかった。「奴隷ノート」に操られる私は、彼らに言われるがままに仰向けになり、自分で両膝を持ち大きく脚を広げて「貞操帯」を装着されたのだが、そこだけは絶対にイヤだと思い何とか尻穴をつぼめて挿入を防ごうと
しても、全く力が入らなかった。ノートの力がこんな所にまで及んでいる事を思い知らされた私は絶望的な気分に陥ったけど、凄まじい羞恥と屈辱を覚えながらローションの滑りを借りたバイブレータが、最も辛く恥ずかしい排泄の穴にズブズブと打ち沈められるに従って、ハッキリと妖しいエロティックな感覚が忍び寄って来てしまったのだ。その時鼻ピアスはヒャアッと素っ頓狂な声を上げて言った。

「この子スゲえっすよ、店長。アナルにすんなりバイブを受け入れて、気持ち良さそうな顔してるっす」
「ほほう。詩織ちゃんはご主人様にお尻の穴まで調教されてるんだね?」

 確かにサトル君にイタズラされてその部分も気持ち良い事はわかってたけど、小さくても本物ソックリのバイブなどを入れられて感じてしまうなんてあり得なかった。でも店長の問いに、違います、と否定しながら、私の背筋にはあり得ない尻穴からの快感がゾクゾクと込み上げて来て、そんな部分で感じるなんて、と言う嫌悪感をあざ笑うかのようだった。そして店長がアソコの方にローションを塗った大きい方のバイブを当てがいゆっくり入れて来ると、もうあまりの心地良さで否定の言葉を発する事も出来ず、アンアンとイヤらしい声を出すばかりになっていた。

 それから後の事は思い出すのもイヤなおぞましい経験だ。出来る事なら、今すぐ頭の中から記憶を消し去ってしまいたい。私の体にはサトル君の残酷なリクエスト通り、店の商品である穴空きブラと乳首責めのリモコンローター、そして手錠と首輪が装着されて、胸と股間のバイブを動かされながら2人の男の汚らしいモノをしゃぶらされた。吐き気を催すほどおぞましく、サトル君以外の男性に奉仕するなんて死んでもイヤだと思っても、ノートの魔力で自由にならない体は大人しく受け入れてしまう。言われるがまま店長の精液まで飲まされた私は、ボロボロに泣きじゃくりながらあろう事か強烈なエクスタシーに貫かれていた。イヤでイヤでたまらないのに、イジめられるままに激しく反応して、バイブの振動などにひどく感じてしまう淫らな体を呪いながら、2人目の鼻ピアスのザーメン飲みには大量に胃の中の物を戻しつつ、さらに猛烈な勢いで気をやってしまった私。そしてようやく彼らから解放されても、淫らな調教グッズは体に密着し、手錠と首輪に拘束されたまま。惨めにも口に商品袋をくわえた恥辱的な格好で、ここまで歩かねばならなかったのだ。

「ホントに辛いだけかい? 正直に言ってよ、気持ち良くないの?」
「……少しだけ、気持ちいいかも知れない」
「アソコも、オシリも?」
「うん」
「詩織のスケベ」

――アン、イジわるう! ホントに少しだけなんだってば

 優しい口調で聞いてくるサトル君につい気を許し、素直に告白してしまった。店長と鼻ピアスに無理矢理奉仕させられながらリモコンバイブで昇り詰めてしまった悪夢のような体験から解放された私は、この公園にたどり着くまでの間、男達の好色と蔑みの視線、そしてガッチリ装着されてしまった二穴バイブ付き貞操帯の辛さを、イヤと言うほど味わわされていた。何しろ股間の前後を埋めて物凄い圧迫感を伝える男性器の形をしたモノが、歩くだけでズリズリと微妙に擦れてしまうのだ。とりわけ体の中の薄い粘膜越しに、2本のバイブが触れあってしまうのは強烈な刺激で、どんなに気を反らそうと思っても不可能だった。誓ってもいい。こんなおぞましい道具を着けられて平気でいられる女の子は絶対にいない。あまりの辛さに、何度その場でしゃがみ込んで泣きじゃくってしまおうと思った事か。大好きな「ご主人様」サトル君が待っててくれる、と言う心の支えがなかったら、きっと耐えられなかっただろう。

 そして初めは異物感と苦痛だけだった二穴バイブの感触が、公園に近付くに連れて慣れて来たのか徐々に変貌し、少しずつ良くなって来てしまったのには困ってしまった。もうすぐサトル君に会えると思ったからかも知れないけど、歩くだけでエッチな気分を出してしまうなんて私がどヘンタイそのものである事を認めるようなもので、ひどく恥ずかしい。でも次第に甘美なモノが込み上げて来るのが否定出来なくなり、ハッと思った次の瞬間にはズキンとお尻の穴からもハッキリした快感が走って私は狼狽した。そちらが感じてしまうと前よりずっと悩ましく、体の力が抜けてしまうようなマイナスパワーに満ちた心地良さだったけど、一度覚えてしまったその快感はもう二度と消えてはくれなかった。そしてアナルの快感には魔力があるみたいで、前にくわえさせられたバイブや、貞操帯の裏地に植えられてクリトリスをイヤらしく圧迫する突起、そして穴空きブラに括り出され先端にローターを貼られた乳房からも、一段と甘い感触が込み上げて来るようになってしまった。「少しだけ」彼にそう告白し、自分にもそう言い聞かせようとしていた快感は、本当は公園に入った頃からどんどん増幅して暴走を始めていた。だからベンチで待つサトル君を見た途端に、堪えていたものがプツンと切れてしゃがみ込んでしまったのだ。

「ところでさ」
「アッ!」

 私はサトル君に会えた安堵感で、つい「奴隷」である事を忘れ甘えてしまってたようだ。立派な「ご主人様」になった彼が許してくれるわけはなく、そんな私を咎めようと首輪のチェーンをグッと引っ張り上げた。苦痛で悲鳴が洩れたけど、マゾの血が騒ぐ私はその痛みを心地良く感じてしまう。

「さっきから口の利き方がなってないんだけど」
「も、申し訳ありませんでした、ご主人様」
「恥ずかしいお仕置きが必要だね」

 2人だけなら喜んで彼の「奴隷」として「ご主人様」と呼び、どんな命令でも喜んで従っちゃうんだろうけど、ここは休日で賑わう白昼の児童公園だ。何だろう? と不思議そうに見ている幼い子供達はまだしも、明らかに場違いな淫行に耽っている私達カップルを汚らわしいと思う目で見つめるお母さん達の視線が痛過ぎる。でも「奴隷ノート」のおかげですっかり「ご主人様」としての自覚に目覚めてしまったサトル君は、委細構わずに私を奴隷として扱い、首輪を引いて無理矢理立たせると、ベンチの後ろの大木に繋いでしまった。両手を手錠掛けされてる私は、これで立ったまま木に張り付けの晒し者にされたに等しく、あまりの羞恥でこれが現実の事とは思えないほどだった。なのにサトル君はさらに私を辱めるべく再び超ミニスカの中に手を入れ、モッコリ膨らんだ黒革貞操帯の股間部を撫で回す。その手の生々しさは、私にこれが夢でなく現実なのだと思い知らせてくれるかのようだった。

「それにしても貞操帯って、ピチピチに喰い込んでエロいよね」
「ご主人様、ダメです! 子供達が見てます」
「最近のガキはませてるから、こういうエッチなプレイなんだって、わかってるさ。悪い事してるわけじゃなし、構うもんか」

 ドキドキしながら見てみると、お母さん達はもちろんわかってるらしく、子供達に見ちゃダメ、と注意してるようだった。遠慮してこちらに注意しに来そうな人もいなさそうだし、警察に通報される事もないだろうけど、白昼堂々ここで私達がいかがわしいSMプレイに耽っているのはもうみんなわかってて、見て見ぬフリをしてるだけだ。こんなスリリングな状況の中、サトル君は大胆に「お仕置き」を仕掛けて来るらしく、身動きの取れない私は早くも猛烈に興奮して、全身にドッと冷や汗が吹き出て来るのを感じていた。

「ホラホラ、ここにチンポが入ってるの? それにおケツの方にもくわえてるなんて、詩織はひどいインランだなあ」

 嘲りの言葉を掛けながら彼の手が股間の前後を貞操帯の上から押し込むようにして来ると、恥ずかしい部分に入り込んだ「チンポ」をハッキリと自覚させられて、ズキンとおぞましい快感の電流が迸るようだ。サトル君の強引さに負けた私は、もう恥ずかしくて開けていられなくなった目を閉じ、快楽に溺れて現実を忘れてしまおうと体の力を緩めてしまった。

「オッパイの方はますます巨乳になっちゃったね。ええと、これがローターを動かすリモコンか」
「ハアッ!」

 両乳首に貼られたローターが小刻みな振動を始めると、それだけで素晴らしい戦慄が込み上げて、思わず声が出てしまった。拘束され晒し者になったおかげでひどく敏感になってるようで、まるでクリちゃんが胸に出来てしまったかのように心地良く、とても我慢出来ない私は、アッアッとえっちな声を発しながら、ユサユサとおっぱいを振り始めていた。

「貞操帯のリモコンはこれか。ボタンが3つあるね。Cって何だろ」
「ア~ッッ! そ、それダメ! も、もう、イッチャウウ!!」
「あ、クリちゃんのバイブか。これは効くよね」

 そうすぐに理解してくれたサトル君が弱い振動に落としてくれたので助かったけど、店で剥かれたクリトリスが密着するようセットされた、貞操帯裏地のイボみたいな突起のバイブレーションはあまりにも強烈だった。強振動のままなら、間違いなく我慢出来ず簡単にイカされてしまうだろう。ごく軽微に落とされた振動でも、頭の芯にまで響き渡るような痛切な心地良さが体中を走り抜け、私はミニスカの腰をワナワナと切なく慄わせ始めていた。

「Vってのが前の方だね」
「あん、イイ~ッッ!!」
「子供が見てるのにイヤらしいね、詩織は」
「だって、だってえ~!」

 一番嬉しい前部の男根型バイブが振動を始めると、はしたない快感を口にしながら、イヤらしく腰をゆっくりとグラインドさせてしまう。途方もない歓びで、もうアソコが蕩けてしまいそうなくらい気持ちがいいのだ。子供達やお母さん達に見られてると言う意識は頭の中にあったけど、気が付けばそれすらも興奮を倍加させてくれるに過ぎなかった。そして最後にもう一カ所、最も辛くて恥ずかしい部分の攻撃が始まると、私は我を忘れて大声を張り上げてしまう。

「ハオオオ~ッツ!!」
「やっぱり詩織はおケツが一番感じるヘンタイだね。僕、トイレで用を足して来るから、腰をガンガン振ってイキまくってもいいよ。これがお仕置きだ」

 実の所、大木の貼り付けにされたお仕置きの、その後の記憶はあやふやだ。ただ、1人だけ好奇心に負けた幼稚園くらいの女の子がやって来て「お姉ちゃん、何してるの?」と聞かれたのだけは覚えている。その子は慌ててやって来たお母さんに手を引かれて離れて行ったんだけど、リモコンバイブの強烈な快感が我慢出来ず、ガクガクと卑猥な腰振りダンスを踊っちゃってた私は、見知らぬ母娘の視線に晒されてますます燃え上がり、何と物凄い勢いで立て続けに何度も恥を晒してしまって、いつしか意識が飛んでいた。そういう死ぬ程恥ずかしい記憶だけが鮮明に残っている。

 気が付くと私は、サトル君に連れられて公園の男子トイレの中に入ってた。お下品に激しくお尻を打ち振りながらイキまくって人事不省に陥ってた私を、彼が何とか救出してくれたらしい。二穴バイブや乳首・クリ責めローターは全然軽いものに落とされてたけど、それでも私の全身には絶え間ないさざ波のごときエッチな戦慄がゾクゾクと込み上げて、ウットリと夢見心地に浸るには十分。何しろヨチヨチ歩きで脚を動かすたびに、アソコとオシリに突き刺さったおちんちん型がズリズリと中で擦れて、どうしようもなく気持ち良くなっちゃうのだ。店長と鼻ピアスが二穴バイブを挿入する時、滑りを良くするためベタベタと塗ってたクリームは高級な媚薬らしく、イヤらしくカーッと燃え上がってしまった私の体は、いつまでもムズムズと刺激を求めて疼くのを止めてくれず、アソコも、そして恥ずかしい事にお尻の穴までキュウっとバイブを締め付けてしまってた。特にいつの間にかお尻の方が前より断然良くなってて、ウンチをする汚い穴で感じるなんてヘンタイだから絶対にイヤだと思えば思うほど、どうしようもない快感がズンズンと背筋を突き上げて来てしまう。そしてお尻で感じちゃうとヘロヘロになって脱力感に襲われ、前のおちんちんバイブからも、乳首、そして最も強烈に感じるクリローターからも、より一層深い快感が体中に響き渡って来るみたいだった。

 個室の中で便座に腰掛けた彼は、オシッコしたばかりのおちんちんを取り出して、しゃぶれ、と命令してくれた。プーンと鼻につく排泄物のニオイがきつくて一瞬ためらった私だけど、それすら興奮をますます煽るばかりで、まるでエサを与えられた子犬のようにパクリと頬張ると、ハグハグと夢中でおしゃぶりしちゃってた。もちろん体に貼り付いた気持ち良い振動はずっと続いてるし、おかげで私は素晴らしい絶頂に導かれながらサトル君のおちんちんを味わう幸福に浸る事が出来た。三度目の絶頂が訪れた時に彼もドッとザーメンを放出してくれて、それをゴクリと喉を鳴らしながら飲み下すと、このままこの時が続いて欲しい、と心底願う程の幸福に私は包まれていた。

「詩織はどんどんヘンタイでかわいらしくなるね。僕のオシッコがいっぱい付いた チンポをしゃぶって、ザーメンを飲んで興奮したんだ。何度もイッチャウなんてイヤらしいなあ。ホラホラ、一滴残らずチュパチュパ、ごっくんするんだよ。お掃除フェラが出来なきゃ、一人前の奴隷とは言えないからね」

 ああ、何だろう? この幸せな感覚は。こんな薄汚い公園の男子トイレの中などで、首輪と手錠で惨めに拘束された私は、便座に座ったご主人様の前にひざまづき、悪臭ふんぷんたるオシッコまみれのおちんちんをしゃぶって、吐きそうなほどマズイ精液を飲まされてるのに。でもそのネバネバの液体が喉を通過すると、戻してしまいそうな嫌悪感を覚えるはずなのに、なぜかアブない興奮と快感が込み上げて来て、脳髄がジーンと甘美に痺れるような幸福感に浸ってしまう私。ブイーンと振動するローターにピンポイント攻撃される乳首やクリちゃんはもうトロけちゃいそうに心地良いし、トイレを我慢しているかのように正座した腰が切なくねり狂って、アソコと尻穴に入ったチンポ型バイブをギュウギュウ力の限り締め上げて、エッチな快感を貪ってしまうのも止まらなかった。もしもサトル君の熱くて逞しいモノがオクチを一杯に塞いでくれていなかったら、私はトイレの外にまで聞こえる大声で、イク、イク、と絶叫していたかも知れない。

 それから公園のトイレを出て、後ろ手錠で首輪を引かれながら次の目的地へ連れて行かれた私。まわりの人達の刺すような視線を気にする余裕もなく、サトル君が緩やかな振動を掛けっぱなしで止めてくれない、体に喰い付いたバイブレータから次々に迫くりあげる快感を堪え、歩きながら気をやってしまわないので精一杯だった。貞操帯パンツの下に生えた2本の人造ペニスには、すっかり馴染んでしまった前後ホールの恥ずかしい粘膜がギュッと絡み付き、歩くとヌチャヌチャと卑猥な音を立てているではないかと錯覚する程だった。そんな一触即発の超ヤバい状態にある私の脚はフラつき、時折ウッと立ち止まったり、しゃがみ込んでしまいたくなるのだけど、ご主人様サトル君がグイグイ引っ張る首輪が容赦なく首を絞め付けて来て、惨めな奴隷に堕とされてしまったと言う被虐気分を存分に味わわせてくれた。

 次の目的地はお昼を食べるため、大勢の人でごった返すファミリーレストランだった。拘束された奴隷姿で待っている間も、みんなの好奇と蔑みの痛い視線が容赦なく浴びせ掛けられて生きた心地もしなかったけど、食事が始まるとサトル君の羞恥責めはさらに私を狂わせた。両手を縛られてる私の口に、彼は食事を運んでくれたのだが、同時にリモコンバイブでいろんな箇所への刺激を上げたり下げたりされて、食べながら絶頂の恥を晒す羽目になったのだ。周りの人はバカップルみたいにアーンと口に食べ物を運んでもらう、破廉恥なエロセーラー服で手錠を掛けられた私をジロジロ眺めているし、こんな場所で
気分を出してはいけないとどんな念じても、クリちゃんやアソコ、そしてアナルを責めるバイブレータがウィーンと唸りを上げて強振動を送り込んで来ると、ひとたまりもなく簡単に昇り詰めてしまう。もう私はこのイヤらしい二穴バイブ付き貞操帯の虜になっちゃってたのだ。

 それからさらに街中を連れ回され、奴隷姿で恥ずかしい露出をしながら気をやってしまう歓びを嫌と言う程味わわされてから、彼の家に上がらせてもらった。そしてサトル君の部屋の中で待望のエッチ。手を縛られたままの私の貞操帯を脱がせた彼は、いろんな格好で犯してくれたんだけど、物凄くきつく締めてくるね、とおまんこの具合を褒めてもらった。彼はちゃんと避妊具を着けて何度か射精してくれたんだけど、私はむしろそれに不満を覚えてしまう。中に出してくれたらいいのに、と。ここでも狂ったようにイキまくってしまった私は正常な理性が崩壊して、まともな判断が出来なくなっていたのだろう。

 こうして夢のように素晴らしい、刺激に満ちた一日は過ぎた。それは、サトル君が本物の「ご主人様」として、私を「奴隷」として扱ってくれる事になった、運命の一日。そして又、効力を疑っていた「奴隷ノート」の魔力を思い知らされた一日でもあった。ああ、何て素敵な言葉なのだろう。

『僕は、僕の事を大好きな町田詩織のご主人様だ』 

 この一文が奴隷ノートに書かれている限り、私は卑しい奴隷として、ご主人様であるサトル君にご奉仕する至福を味わう事が出来るのだ。だって私は彼が大好きなんだから、どんな恥ずかしい事もイヤらしい事も、サトル君の命令ならそれを実行するのは私の歓びに変わる。もし彼が死ね、と言ったら、私は絶大な幸福感に包まれながら短い一生を終える事になるだろう。だから恐れる事は何もない。「奴隷ノート」に精神を乗っ取られた私は最強ではないか。

 そして私がサトル君の奴隷になった絆は、精神的なものだけではない。私の股間には二穴バイブ付き貞操帯がガッチリと嵌められたまま、ずっと過ごす事になったのだ。それだけではない。何と首輪もだ。頑丈な黒革と金属で出来たこの二つはサトル君が鍵を持ち、勝手に外す事は許されないのだ。隠す事の出来ない首輪は、家族や友達にはアクセサリーだと言い逃れをするつもりだったけど、鍵が掛かってて自力では外せない事がバレて、家畜のような首輪だとバレたら? と思うと凄く胸がドキドキした。だって私が彼の奴隷だなんて、誰にも知られるわけはいかないもの。これは二人だけの秘密。そしてこの首輪は、私が奴隷としてサトル君に支配されているシンボルみたいな物なのだ。

 隠す事の出来ない首輪が精神的な意味での彼への隷従のシンボルだとすれば、スカートの下に隠す事の出来る二穴バイブ付き貞操帯は、肉体を支配されている事のシンボルだ。アダルトショップで見知らぬ男達に装着された時は、死ぬほどおぞましく感じられた二本のバイブは、サトル君がリモコンでたっぷり楽しませてくれたおかげで、もうすっかり体に馴染み、帰り際彼の手で挿入されると最高に気持ち良かった。もちろん彼の生身のペニスには比べようもなかったけれど。

「これは僕だと思って、一日中アソコで締めて気分を出すんだよ、詩織」

 サトル君は私が気持ち良さそうに人造ペニスを呑み込んでいくのを見てそう言ったのだが、言われなくても私のはしたないオマンコは、自然にキュウッと締まってしまうみたいだった。おまけにアナルに入れられた細身バイブの方も、恥ずかしくなるくらい気持ちが良かった。彼の家を出て帰宅する途中、何度感極まって立ち止まったりしゃがみ込んでしまったかわからない。サトル君の命令だから前の方を一生懸命締め付けてる事もあったけど、アナル側の方がどんどん感じ易くなって、筒具を入れられてるだけで、甘い戦慄がヒタヒタと背筋を這い上がって来るようになってしまったのだ。歩くと前も後ろもズンズンと心地良くチンポ型バイブが体奥を突き上げて来るし、二本が薄い粘膜を隔ててズリズリと擦れる感触は凄まじく、快楽の電流が火花を散らして、股間から全身を駆け巡るみたいだった。おまけに超ミニスカセーラー服の私は、すれ違う通行人達の好色な視線にも晒されて、心臓がバクバクするくらい強烈な羞恥を覚えていたのだからたまらない。いつしか私の下半身はまるで火でも呑み込んだかのごとく、カーッと熱く燃え上がり、フラフラになったのだけど、恐ろしい事に振動しないバイブの刺激はどうにも中途半端で、簡単に達する事も出来ないようだった。

 そして私は家にたどり着くなりトイレに駆け込み、乱暴にオナニーを試みる。「イキたい」頭の中はそのはしたない願望で占められ、このままでは気が変になりそうだったのだ。でもほとんど用をなさない超ミニスカの中をまさぐっても、分厚く頑丈な黒革貞操帯は、サイドにワイヤーが入って指一本入る隙間もなく、上からトントン叩いたり押したりしても、もどかしさが募りばかり。ああ、オマンコとアナルとクリちゃんのピンポイントバイブ。この中の一つでもブイーンと動いてくれたら、すぐにでもイク事が出来そうなのに。

 私は口惜しさに唇をきつく噛むと、股間を諦めた手を穴開きブラからバンと露出した乳房に掛けた。優しく揉んだだけでも身震いする程気持ち良かったけど、やっぱりダメ。体がもっと強い刺激を欲しがってるのだ。自棄になった私は乳首にテープで貼られてた、もう振動しない役立たずのローターをブチッと乱暴にむしり取った。するとズキン! と痛みが走ったけど、それが凄くイタギモで、股間の前後が自然とキュッと締まり、快感が突き上げて来た。これだ、と解決策を見出した私は、まるで乳房を痛め付けるようにギュウギュウ力一杯揉み絞り、先端の乳首を捻り潰すようにして爪を立てた。すると涙がこぼれるくらい強烈に痛かったけど、同時に凄まじく興奮して心地良く、アソコとシリアナでちんぽ型バイブをへし折らんばかりにギュウギュウ締め上げながら、私は夢中で乳房を痛め付ける。するとついに体が弾けてくれて、私はウオオッ! と吠えながら、念願の絶頂に激しく昇り詰める事が出来たのだった。

――私、痛いのが気持ち良くて、イッチャウんだ

 それは今日一日で完璧にサトル君の奴隷に堕ちた私が、イヤらしいヘンタイでどMな女の子に生まれ変わった事を自覚してしまった瞬間だった。

――ああ、気持ちいい……おまんこもお尻の穴も乳首も、どこもかしこもトロけちゃいそうに、いいの……サトル君、サトル君、これがあなたのチンポなのね。思い切り締めちゃうよ、ああ~っっ!!

 その夜自分の部屋で、いつまでも興奮と体の疼きが治まらない私は、穴開きブラで絞り出した大き過ぎる乳房をギュウギュウと力一杯手でこね上げ、二本のバイブを股間の前後ホールで切なく締め付けるオナニーに励みながら、サトル君からの連絡を待っていた。乳首の先には洗濯ばさみを付けて千切れそうな激痛が走るのだけど、恐ろしい事にマゾに目覚めた私は苦痛が快楽に転化してしまう。おかげで彼の顔を思い浮かべ、彼のオチンチンを締めているつもりで、前後のイヤラシイ粘膜をバイブに絡み付けて力を入れると、イク事が出来るのだった。今日はもう何十回、気をやってしまっただろう? 数え切れないアクメに昇り詰めたと言うのに、まだまだウズウズと欲しがってる私の体は、正にインランと呼ぶにふさわしい。そして彼が送って来た「奴隷ノート」の命令を読んだ時、それを想像しただけで興奮が極まり「イク」と弾けてしまった私。

『町田詩織は、僕にシモの毛を剃られ、浣腸されて気をやる』

7.9月11日(日)~

 こんな具合にして、私の本格的な奴隷生活は始まった。毎日アダルトショップで入手したSMグッズを用いて、さまざまな恥ずかしくヘンタイな行為を強要されたけど、私はもちろん喜んで全て彼の命令を受け入れ、自分でも恐ろしくなるくらい完璧なマゾの女の子になってしまった。「ご主人様」サトル君の命令は、痛いのはほとんどなかったけど、恥ずかしいのや汚いの、そして気持ち良過ぎるのが沢山あった。それが彼の趣味なのだろう。学校では貞操帯の二穴バイブやクリバイブを動かされて、他のクラスメイトに悟られないよう気をやる調教が、来る日も来る日も繰り返された。反応を押し殺して達するのはとても辛かったけど、我慢すればする程より一層体の奥深い部分まで快楽が染み渡るみたいで、すっかり病み付きになってしまった私は、次第に彼がバイブを動かしてくれるのをドキドキと心待ちにするようになっていった。

 当てられて黒板の前に出る時はもうスリル満点。彼が必ずリモコンバイブでイジめてくれるからだ。クリちゃんやオマンコを責められるのなら何とか踏ん張って密かに気をやる芸当が可能になってたけど、アナルだけは駄目だった。ヘンタイでどMな奴隷らしくいつの間にか私はお尻の穴が最大の急所になっちゃってたみたい。アナルバイブがジーッと淫靡に慄え始めると、背筋をヒタヒタとおぞましく強烈な快感が這い上がり、クラスメイト達に向けてる私の高い位置にあるお尻がどうしようもない悦楽でワナワナと慄えてしまう。私は階段を上る時パンチラを防止するみたいにミニスカのお尻を手で押さえるんだけど、
授業中当てられて前に出てるのにそんな格好を見せてしまうのもメチャクチャ恥ずかしいし、すぐにパニックに陥る私の頭は
次々に込み上げる強烈なアナルの心地良さで次第に真っ白になっていく。

――お願い、お尻だけは駄目なの、許して……

 私は絶望的な気分になってチラチラと後ろに視線をやり、素知らぬ顔でリモコンを操ってるサトル君にSOSを送るけど彼が私が絶頂に達するまで絶対許してくれない事はよくわかってる。これから大恥を晒す事はわかってるんだけど、彼に甘えて見せ(もっとイジめて)とアピールしてるようなもの。私がオロオロして悶絶してるのが、サトル君は大好きなのだから。果たしてアナルバイブは一向に止まってくれる気配もなく、ブルッブルッと悪魔の快感を振り払おうとお尻を打ち振って却って恥ずかしい姿をみんなに晒す私は、次の瞬間途方もない歓喜の塊が這い上がって来て、ヘナヘナと脚が萎えてその場にしゃがみ込む。ウッと手で口を押さえるのは、「イク」と叫んじゃうのを防ぐため。

「どうした、町田!」
「と、トイレ……」

 心配して声を掛ける先生にそう誤魔化して退場する時、凄まじいアクメの余韻で私はヨチヨチ歩きしか出来ない。ミニスカのお尻をしっかり手で押さえる無様な格好で。

 貞操帯が恐ろしいのはバイブで責められる事だけではない。彼に管理されて自力ではトイレを使う事が出来ないのだ。学校で催して来たら、サトル君にお願いするよりない。他に誰も来ない離れた場所の男子トイレに連れ込まれ、一緒に個室に入って貞操帯の鍵を外して貰う。そして彼にジロジロ眺められながら排泄するんだけど、死ぬ程恥ずかしいのにとても嬉しい、どMな私。どんどんヘンタイな女の子に堕ちていく私のために、いつしかこの排泄プレイの時は、後ろ手錠を嵌められる事になった。後始末は優しいご主人様のサトル君任せ。初めは紙で拭いてくれるだけだったけど、そのうち汚い部分を舌と唇で舐めてくれるようになった。もちろん私は感激で全身をおののかせながら、何度もイッテしまう。毎日何度も極めてしまう私だけど、一番お気に入りで満足度の高いアクメだ。お返しに彼のオチンチンにご奉仕させてもらう事もある。ザーメンをゴックンするのは当たり前だけど、時々私の口を便器代わりに使ってくれるようになった。オシッコを飲まされても幸せな気持ちになっちゃう私は、とんでもないヘンタイだと思うけど、サトル君には敵わない。彼は部屋で私を抱く時定期的に浣腸してくれて、
ウンコの後始末まで舌と唇でやってくれるのだから。

 一日中嵌めている貞操帯の二穴バイブを外してもらい、サトル君に抱いてもらう時は正に至福だ。四六時中イキまくってても、彼のペニスはもちろん別格。無造作に挿入されるだけで、私は脳が焼かれるような強烈極まりない歓びを覚える。全身全霊をぶつけるように思い切り彼を締め上げるから、出し入れするのも苦労するみたいだけど、軽く数回ストロークされるだけで、私は絶頂に達する事が出来る。サトル君は慎重で必ず避妊具を着けてるけど、二、三回は出してくれる。ああ、中に出してくれたら、きっと素晴らしいのにな。一緒にイク事が出来たら天にも昇る心地良さに違いない。それが今の私の、唯一の不満だ。

 浣腸され、彼の口唇で後始末される事で、完全にお尻の歓びにも目覚めた私は、そちらで彼と繋がるアナルセックスも覚えた。私のアソコも、オクチも、お尻の穴まで、全て彼のものだ。いつでも自由に使ってもらって、私は幸せに浸る。貞操帯の二穴バイブは少し大きくしてもらい、前の方には、何と彼の実物で型取ったモノを入れてもらってる。これで離れていても、彼に繋がって犯され、支配されている気分を味わう事が出来るのだ。ああ、何て素晴らしいんだろう。私は幸福の絶頂にいる気分だった。

 だけど、そんな幸福な奴隷生活が一月近くたった時の事だった。駅で別れる時、サトル君が妙な事を言った。

「詩織さ、実は奴隷ノートの残りページ、後少しで終わっちゃうんだ」
「そうなのですか、ご主人様」
「ああ。これまでみたいに細かく命令してあげられなくなる」
「そんなの、関係ありません。詩織に直接命令して下されば、何でも」

 同級生の彼氏なのに「ご主人様」と呼び敬語を使ってしまうのも、全く違和感を覚えなくなっていた。そして私は奴隷ノートの残りページを気にする彼が不思議でならなかった。確かに毎日、明日はどんな恥ずかしくて気持ちいい事を命令されちゃうんだろうとワクワクドキドキしながら、彼からのメールを待つ楽しみはなくなるだろう。でもノートの1ページ目が残っている限り、私が奴隷でご主人様がサトル君である事実には変わりがない。今となっては「奴隷ノート」の力を疑って、書かれた事が実現してしまうのはノートのせいなんかじゃない、と思ってた自分が滑稽に思える程なのだ。具体的な命令をいちいち細かく書いてくれなくても、ご主人様の言葉に従わないわけがないではないか。このまま一生、サトル君に奴隷としてお仕えするのだと、私はもう固く決心している。それなりの年齢になれば結婚してもらい、子供も作って幸福な家庭を築く。ノートの魔力で守られた、私の彼への愛情は変わる筈ないし、サトル君の方も私を愛してくれる事は間違いない。何しろ、彼が私の事を想って出したザーメンにより発動した「奴隷ノート」の言葉によって、私達は固い絆で結ばれたのだから。

「でさ、最後に試してみたい事があるんだけど、いいかな?」
「もちろんでございます、ご主人様」
「後悔したって、知らないよ」
「え?」

 私はこの時サトル君が考えてた事に全く思い至らず、無邪気に受け答えしていた。ただ妙に意味深な事を言う彼に怪訝な思いを抱いただけで。別れてからもずっと考え込んでしまった。何か、とても出来そうにない、とんでもない命令をされちゃうのだろうか? いや、でもノートに書いてもらっても数学でいい点が取れなかったように、私の能力を超えた不可能な事は実現しない筈だ。だけどそこまで考えた所である事にハッと気付いた私は、次第に恐ろしくなって来た。

――例えば、ハダカで学校へ行く、なんて出来ないわけじゃないよね

 そう。この1月あまり、サトル君の前では口にするのも恥ずかしいような、さまざまな恥辱行為を演じて来た私だけど、
他の人に晒し者にされるような命令は、ほとんどなかった。あの、大人のオモチャを買うために、アダルトショップの店員2人に辱められた日が、唯一の例外と言って良いくらいだ。学校で朝のご奉仕が終わったら、過激な超ミニスカは普通のミニに戻す。彼の方が、破廉恥な格好の私を、他の生徒に見せたくないようだ。リモコンバイブでかわいがられて恥を晒すのも、
彼に言われて絶対他人にバレないよう頑張っている。でもサトル君が最後に悪戯心を起こして、私の痴態をみんなに晒す事を考えたとしたら? 彼と二人だけの時の恥辱行為を人に知られるくらいなら、死んだ方がましなくらいだけど、ご主人様の命令には絶対に逆らえないのだから……

 だけどそこまでネガティブな思考に陥っていた私は、もうすでに体に馴染み一体化した感さえある、貞操帯の二穴バイブを思い切り締め付けると、気分が落ち着いて来た。もちろん恥ずかしいエッチな快感を覚えるのもあるが、前のバイブはサトル君のモノを象った素晴らしい「おちんちん」なのだ。アソコの粘膜の襞一枚一枚までキュウッと絡み付けて彼の形をしたモノをしっかり締め上げて味わえば、まるで彼に抱かれているような幸せな気分が込み上げて来て、私の不安はスッと柔らいでいく。こんなエッチな形ではあるけれど、大好きなサトル君がいつも一緒にいてくれるのだ。何を恐れる事があるだろう。

 こうして一抹の不安を抱えながら、いつものように自室で、私はサトル君からのメールを待った。気持ちを落ち着かせるためにも、私のアソコは彼の形のバイブをきつく喰い締め、連動してお尻の穴も締まるので、ホームウェアの下半身はビッシリと心地良い淫らな快感で痺れたようになっている。さらに胸元をはだけ穴開きブラからバンと張り出した乳房の頂点の実に左右とも洗濯挟みを取り付けていくと、激痛と同時に妖しい快感も迸って、素晴らしく充実した気分を味わう事が出来た。これなら、どんな酷い命令が下されても大丈夫だ。心の準備は出来ている。どMの私であれば、むしろ興奮のあまり気をやってしまうかも知れない。

 でも私は甘かった。彼から送られて来た写メは想像もつかない衝撃的なものだったのだ。まさか、こんな事を彼が考えていただなんて。いつもは一度が送られて来るだけなのに、数回に分けてやって来た1回目の写メには、見覚えのある文字列が。「奴隷ノート」の1ページ目だ。でもよく見ると、一個所二重線で消してあった。

『僕は、僕の事が大好きな町田詩織のご主人様だ』

――好きって文字が消してある! そんな、まさか……

 それに気付いた私は、彼が試したみたかった事の予測が付いてしまい、頭をハンマーで殴られたようなショックを覚えた。
それはどんな破廉恥な命令より残酷な仕打ちだ。果たして、さほど間を置かず送られて来た2枚目には、「好き」の二文字が消された代わりに「嫌い」と書かれていた。

――やめてえっっ!! それだけは許して、サトル君っ!

 私はその文字の書き換えの重大さに、心中で絶叫した。これまで私がサトル君を「ご主人様」と定め、「奴隷」として仕えて、どんな辱めにも喜んで応じて来たのは、彼が大好きだと言う前提があっての事だ。彼が「大嫌い」なのに、同じ仕打ちを耐えなければいけないとしたら、正に地獄だ。まだこの文字列にはザーメンが掛けられていないので、悪い冗談である事を祈りつつ、私は必死で彼のオチンチン型をへし折らんばかりに喰い締め、乳首の洗濯挟みを乱暴に弄って痛め付ける。いつも彼からのメールで興奮した私が行っている、ヘンタイチックなオナニー方法だけど、今日はいつもより強烈なアクメがすぐにやって来た。が、いつもなら快楽の余韻をウットリと夢見るように味わっている筈なのに、その直後から猛烈な罪悪感と嫌悪感に襲われてしまった。

 こんなヘンタイ丸出しのイヤらしいオナニーに耽ってしまうなんてあり得ない。ハッと気付けば乳首が凄まじく痛いだけ。何てバカな事してるんだと思って洗濯挟みをすぐに外し、乱暴に床に叩き付けていた。

 そして同時にアイツから送られて来たメールには、文字にザーメンを掛けた後が。ああ、何て下劣なヘンタイ野郎なんだ!
あんなノートなんかで私の心を弄びやがって、自分はヘタレで何も出来ないくせに、男の風上にも置けないヤツだ。絶対に許せない! 私はアイツに着けられたおぞましい奴隷の証である黒革貞操帯を本気で外そうと試みたが、サイドにワイヤーの入ったそれはビクともしない。まあ良い、それはもうわかってた事だ。アソコと尻穴に入ってるバイブレータが気色悪く、剥かれたクリちゃんに密着した刺激イボも悩ましいが、何とか我慢して過ごそう。これまで、こんなオモチャで妙な気分になってたのがバカみたいだった。アレは愛する男性に着けてもらったからこそ、気持ち良くなってしまっただけであって、大嫌いな男に無理矢理着けられた道具なんかで、女の子が気分を出す事は絶対あり得ないのだ。明日アイツに会ったらすぐに鍵を外してもらおう。これは完全に犯罪ではないか。アイツが抵抗するなら警察に申し出て、突き出してやる! こんな事されて黙って泣き寝入りするほど、私だってバカじゃないのだ。

 仕方ない、せめてこの悪趣味でイヤらしい穴空きブラだけでも外してしまう。ところが黒革ブラを脱ごうとした私は愕然としてしまった。どうしても手が動いてくれないのだ。これは私が自分で着けた物で着脱自由な筈なのに。

――そう言えば、アイツが、これは奴隷のユニフォームだから、ずっと着けておけ、何て命令しやがったな。と、言う事は……
   まさか……

 少し冷静になって考えた私は、アイツが書き換えた「奴隷ノート」の1ページ目に操られている事を再確認して絶望的な気分に陥る。

『僕は、僕の事を大嫌いな町田詩織のご主人様だ』

 つまり私がアイツの奴隷である事実には変わりがないのだ。好きであろうと嫌いであろうと関係なく、私はアイツの奴隷として隷従しなければならない。だからアイツに着けておけ、と命令されたこの穴開きブラを脱ぐ事が出来ないのだろう。アイツはこの一月足らずの間に「ご主人様」として私に多くの命令を下して来たのだが、それに逆らえない事が証明された私は泣きたくなった。何だって大嫌いな男に支配されて命令に従わねばならないのだ。明日まで待つ必要はない。すぐに警察に連絡だ。アイツが施した酷い仕打ちの証拠は、今私の体に厳然と装着されているではないか。

 だがしかし。携帯を握り締め、ボタンに掛けた私の指はどうしても110と押す事が出来なかった。どうにもならない。「奴隷ノート」の力を疑い、昨日アイツがうそぶいた「後悔したって知らないよ」と言う言葉にもたかを括ってた私は何と愚かなのだろう。気が付くと、情けない事にウッ、ウッ、としゃくり上げて、涙で頬を濡らしていた私。そしてそんな私を嘲笑うかのように、アイツからさらなるメールが届く。昨日までなら、一体どんな命令が書かれてるのだろうと、胸を弾ませ喜び勇んでチェックしたメールも、今となっては悪魔からのメッセージに等しい。だけど口惜しい事に、これを無視する事も許されず、私の体が勝手に動いて携帯画面を開き、汚らわしい精液まみれの文字列に見入ってしまう。

『町田詩織は、僕の犬になって公園を散歩してえっちする』

――フン、何が「犬」だ、いい加減にしろ、この変質者め! 人の気持ちを勝手に操るサイテーの鬼畜野郎が!

 でも私はアイツに絶対逆らう事が出来ない。そう思うと目の前が真っ暗になって、もう大粒の涙がボロボロこぼれ落ちて来た。

「詩織ー、お風呂に入りなさい」

 母さんだ。私は涙を拭き、二穴バイブ付き貞操帯と穴開きブラのおぞましさに耐えながら、浴室へと向かう。中でも必死に貞操帯を外せないかと苦闘するが、やはりどうにもならない。穴開きブラの方は脱げる筈なのに、手が動いてくれない。ますます自分の置かれた状況が絶望的である事を思い知らされ、胸が潰れる思いだった。

8.9月30日(金)

「やあ、詩織。 お早う」

 翌日の早朝。いつものようにまだ誰もいない教室でアイツと落ち合った私は、無言で憎い眼鏡男をにらみ付けた。(お早うございます、ご主人様)などと、口が勝手にしゃべってしまう事を恐れていた私は、少しだけホッとする。少なくとも言葉だけでは抵抗する余地があるようだ。

「……気易く呼ばないでよ、このヘンタイ!」
「ハハハ、いいよ、いいよ。口先だけでもその調子で抵抗してごらん」
「な……」
「詩織って何やってもイヤがらないからさ、たまにはイヤがってる君をイジめたら、楽しいだろうなと思ってね」
「どういう趣味してるのよ、アンタ! 今すぐ、このイヤらしい仕掛けを外して! 警察に訴えるわよ、こんなの犯罪なんだから!」

 口先だけの反抗だと見透かされ、遊ばれてるだけだとわかってはいたけれど、自由に話せる事に勢い付いた私は、感情に任せてアイツを罵倒した。昨夜から「奴隷ノート」に行動を規定される自分の無力さを嫌と言う程味わわされて来たのだ。今朝だってそうだ。人の気持ちを好き勝手に弄ぶ、こんなサイテー野郎になんか会いたくないと思っても、いつもの時間になると体が勝手に動いて学校に来てしまった。しかも、その服装はアイツを喜ばせるだけの過激なミニにノーブラで、奴隷として、アイツに奉仕させられる時間だと言うのに。せめてアイツに恨み言の一つでも述べないではいられないではないか。

「イヤらしい仕掛けって何だい? 僕の前に来て、見せてくれ」
「わかってるくせに。見ないでよ、このヘンタイ!」

 ああ、やっぱり駄目だ。アイツに掛けられた言葉通りに体が反応して動いてしまう。余裕タップリ椅子に座っているアイツの前に立った私は、慄える手でノーブラの胸をはだけ穴開きブラに括り出された乳房を露出させながら、見ないで、と矛盾に満ちた言葉を発していた。

「詩織のオッパイ、一回り大きくなったんじゃない?」
「見るなって、言ったでしょ! とにかく、早くこのイヤらしいブラを脱がせて!」
「でも、詩織はこの穴開きブラ、気に入ってるんだろ?」
「バカ言わないで。イヤに決まってんでしょ、こんなの!」
「それにしちゃ、ココが喜んでるみたいだけどね」
「うるさい! アーッッ!!」

 無遠慮にしげしげと舐め回すように見つめるアイツの前で、私は直立不動で巨乳を見せつけるがごとくに立ち、両手はアイツの邪魔をしないよう自動的に背中で組んでしまって、テコでも動いてくれそうになかった。悔しいけど、それはアイツの前で
奴隷として振る舞う私の基本姿勢。手錠を嵌められた事もあったんだけど、慣れるともう自分で手を組み使えなくしてしまうのがクセになってたのだ。口でどんなに文句を言ったところで、毎日さんざんしつけられた奴隷としての習慣が蘇り、私の行動を縛ってしまうのでは、まるで勝ち目はない。背の低いアイツがやおら立ち上がり、両手指でツンツンと左右の乳首を突いて来ても、悲鳴を上げるだけで逃げようともしない私。

「コリコリだけど。 ホントにイヤがってるのかい?」
「やめて! その汚らしい手を放してよっ!」
「あのさ詩織。大きな声出して人がやって来たら、困るのは君だと思うけど」
「ウッ! やめて、ああ、やめてよう……」

 痛い所を突かれてしまった。自分から服を脱いでエッチな行為に耽ってる私が、人に助けを求めるのも自殺行為だ。
情けなく小声で訴えるしかない私を尻目に、すっかり女の子扱いに上達してしまったアイツの指が石のように固まった両乳首を軽く摘むと、ますます充血して淫らな気分が忍び寄って来てしまう。

――コイツにイヤらしい事されて、感じてしまうなんてあり得ない事なのに!  ああ、だ、駄目だ……キモチイイ

「いくら文句を言ったって、体は正直なんだな。詩織は奴隷だから、ご主人様にかわいがられたら、気持ち良くなって歓んでしまうんだね」
「ち、違う……気持ち良くなんか、ない……」
「強情だね。じゃ、オッパイをもみもみして、乳首を吸ってあげようか」
「バカな事はやめて!」
「感じちゃうのが恐いのかい?」
「アンタなんかに、感じるわけないでしょ!」
「感じないんなら、そんなに慌てる事ないと思うけど」
「ああ、もう、好きにしたら!  このヘンタイ」
「じゃあ、好きにさせてもらうよ。 5分間、モミモミ、チュパチュパしてあげよう。それでイカなきゃ、そのブラジャーを脱いでいいよ。ホラ、そこに正座して胸を突き出してごらん」
「イクわけないでしょ、このバカ! ああっ!」

 遊ばれてるだけだと思っても、抵抗を口にしないではいられなかった。それに5分間乳房を愛撫されただけで、実際に気をやってしまうとは思えない。いくらアイツとのプレイに溺れて淫らに変えられた私の体だと言っても。女の子の体が嫌いな相手に簡単に反応する事はないのだから。だがそんなタテマエは、アイツの前にしゃがんで正座の姿勢を取った途端に挫けそうになり、私は悲痛な声を上げていた。それは奉仕をさせられる奴隷の格好だが、もう一つ辛い現実が私の体に襲い掛かって来たのである。

「ハハハ、ご奉仕の格好になると興奮するのかい? そんな色っぽい声を出して」
「そんなんじゃないわよ、このバカ、ヘンタイッ!」
「わかってるんだよ。詩織のおまんことお尻の穴がくわえてるチンポが、
 擦れて気持ち良くなったんだろ?」
「ち、違う……」

 悔しいけど図星だった。しろ毎朝繰り返された奉仕プレイの時、私がどんな気持ちになって乱れてしまったのか、
コイツは全て知ってるのだから。二穴バイブを前後ホールに突き刺されてる私にとっては正座はどうにも堪らない悩ましい姿勢なのだ。イヤらしい筒具の先端がそれまでにない鋭さで、アソコと尻穴の奥深くをズン! と突き上げて来るのだから。

 こうしてどうしようもなく正座の身を慄わせてしまう私の乳房に、アイツの両手がソッと被せられて来た。ゾクリ。股間の悩ましい刺激に気を取られ、ガードが緩んでしまった乳房に触れるアイツの手は憎らしいくらいソフトなタッチで、私の体に悪寒に似た戦慄が込み上げて来る。私は唇をきつく噛み締めて、エッチな声が出てしまうのを堪えようとした。

「ウンッ!」
「どうしたの、やけに色っぽい声を出すじゃない。詩織って、嫌いな男にオッパイをちょっと触られたくらいで、気分を出しちゃうのか」
「そんなわけないでしょ! 気持ち悪いだけよっ!」
「強がり言っちゃって。かわいいよ、詩織」
「ば、バカ……」

 必死で否定しても、体の方はすぐに挫けそうになってしまってた。「奴隷ノート」に縛られた私の体はまるで自由にならず、
手錠を掛けられてるわけでもないのに背中で組んだ両手は少しも動いてくれない。二穴バイブに股間を突き上げられる辛い正座の姿勢ではだけた胸を突き出し、穴開きブラからバンと張り出した乳房をコイツの汚らわしい手に委ねてしまう。これじゃまるで「おっぱいをモミモミして」とおねだりしてるみたいなのに。そして嫌になるくらい上手に乳房を両手に包んだアイツが、
耳元に嫌らしく息を吹きかけながら「かわいいよ」などとささやき掛けて来ると、又してもゾクリ、と甘美な悪寒が走る。それだけで目が潤んで開けていられなくなった。

「もう感じちゃったの? 気持ち良さそうに目をつむっちゃって」
「ち、ちがう……」
「そうかな? 乳首がどんどん勃って来てるけど。詩織って、こんな風に回しながらモミモミされるのが好きじゃなかったかい?」
「ひ、卑怯よ、そんなのっ!」

 悔しいけど毎日重ねて来た濃厚なエッチのおかげで、コイツは私の体の弱点を知り尽くしてしまってる。それどころかコイツの手が触れて来ただけで私の乳房は歓びでざわめき立ち、先端の乳首に芯が通ったかのように見る見るそそり勃ってしまうのも、どうしようもない。そしてその手がゆっくりと動き始めると、私は思わず「卑怯」だと訴えずにはいられなかった。だってそれは、こんな風にされると一番気持ちが良い、と私自身がコイツに教えてしまったやり方だったから。

「どうしたの? 真っ赤な顔して」
「気持ち悪くて、鳥肌が立ったの! それより5分我慢したら良かったんでしょ! 早く、このイヤらしいブラを外してよっ!」

 大嫌いな男のおぞましい手に触られて気持ち悪いのは確かだった。でもそれよりはるかに込み上げて来る快感の方が圧倒的で、私は泣きたくなった。アイツはホンの軽くやわやわと膨らみを揉みしだいているだけなのに、指がグリッと喰い込んで来るたびに、恐ろしく効果的に体が淫らに燃え上がって来る。こんなに乳房の感度が良くなってしまったのは、穴開きブラに根元を括られて充血しちゃってるからだろう。何しろ普段から乳首がツンと勃って戻らず、服に擦れて妙な気分になってしまうのだから。

「何言ってるの、まだ一分もたってないよ」
「そんな! う、ウソよっ!」
「まだ降参するのは早過ぎるよ、詩織。お乳モミモミをもっと楽しまなきゃ、ホレ、ホレえ~」
「フウンッ!」

 信じられなかったけど、薄目を開けて教室の掛け時計を確かめるとアイツの言った通りほとんど針が動いていなかった。
コイツに恋してる時はエッチしてても時間があっと言う間に過ぎたのに、嫌いな男に辱められるとこんなに時が経つのが遅いのか。私は再び唇をキッと噛み締めて声を我慢する。もう下手に抵抗を口にしようものなら、イヤらしくよがり泣いてしまいそうだ。

「奴隷のくせにやせ我慢するなんて生意気だぞ。命令してやろう。気持ちいいのに、声を出さないようにするのは禁止だ。ソレソレ、えっちに泣いてみてよ」
「ああっ! いい、いい、いいよおっっ!!」

 私の口から勝手にエロ声が迸り出て、ますます気分が盛り上がり、もうギブアップ寸前だ。

「5分間我慢出来たら、このブラを外すんだったね。駄目だったら、どうするつもり?」
「好きにしたら、いいでしょ! ああっ! あふうんっっ!!」
「後1分だ。そろそろお待ち兼ねの乳首を吸ってあげなきゃね」
「駄目っ! 絶対ダメえ~っっ!!」

 アイツの汚らわしい手に乳房を揉まれてるのに、アンアンとイヤらしくよがり泣いてしまう私。ハッと気付くと、正座の腰が中腰に浮いて勝手にグラインドし、股間の前後に埋められたおぞましいモノを締め上げて、無意識に快感を貪ってしまってた。
こんな状態で乳首を吸われてしまったら……

「ウヒイ~ッッ!! イク! いくううっっ!!」
「やれやれ、呆気なかったね」

 顔を近付けたアイツが左右の乳首をチロチロと舐めてから、唇を被せチューッと強く吸い上げると、私の頭は強烈な快感で真っ白になり、あっと言う間に体が弾けて、イク、と告げるのも我慢出来なかった。

「約束だからね、そのブラは着けたまま過ごすんだ。それからついでに、この薬を塗ってみよう」
「ば、バカな事はやめてっ!」

 アイツが持ち出して来た見覚えのある薬剤入りボトルを見て私は声を引きつらせる。それは、あのアダルトショップで初めてて二穴バイブを挿入された時に使われた、女の子をエッチな気分にさせるいかがわしいローションだ。塗られた箇所がひどくムズムズして、居ても立ってもいられなくなる恐ろしい効果がある事は、十分に経験ずみである。

「今日は放課後、詩織には犬になってもらう。なるべくエッチな犬になるよう、体をしっかり疼かせておくんだ。君は負けたんだからね、罰として自分の手で塗るんだ。乳首と乳房全体にまんべんなく。ズルをしたら許さないぞ」

 ズルなんてしようがない。「奴隷ノート」の魔力に囚われた私は、コイツの言う通りに動いてしまうのだから。ボトルを渡された私は、恐ろしいローションを手に振り掛けると、恥ずかしいくらい石のようにコリコリに固まった乳首に塗り込め、薄く伸ばしながら乳房全体にもなすり込んでいった。初めはスーッとして決して嫌な感触ではなかったが、すぐに体に浸透していく感じがわかり、早くも何だかジワジワと熱っぽくなって来た気がする。

「放課後まで絶対触っちゃダメだよ。今日学校じゃオナニー禁止」
「そんな事するわけないでしょ! この、ヘンタイ!」
「どうしても我慢出来なかったら、おっぱいモミモミしてえ、って僕におねだりするんだ」
「あり得ないし! もういいんでしょ、服着るわよ!」
「よし、じゃあブラウスを着て」

 情けない事に、口では悪態を付く事が出来ても、私はコイツに言われなくては服を着る事も出来ないのだ。そしてセーラーブラウスを着ても、薄い夏物の生地から巨乳と頂点の実が透けて見えるエロい格好からは逃げられない。媚薬をタップリ塗ってしまった乳首が服に擦れるのが、ゾクリといつも以上に艶めかしい感触を伝えて来て、私の体に又も悪寒が走った。

「さあ、今度は下にも塗ってもらおうかな」
「な、何、ソレえ!」
「下の方が肝心に決まってるじゃない。まだ時間はタップリあるし」

 恐ろしい事にまだ20分も経過していなかった。他のクラスメイト達が登校して来るまで十分過ぎる時間が残っている。

「仰向けになって、アシを大きく開いて。赤ちゃんがオムツを変えてもらうような格好だよ」

 うう。どんなに口で抵抗しても、体の方は勝手に動いてしまう事を思い知らされた私は、もう無言でその体勢を取った。そして貞操帯の鍵を外して、喰い込んだ股当て部を引きはがしながら、アイツはとんでもない命令を下して来る。

「バイブは自分の手で吐き出してごらん。前も、後ろも、だよ」

 物凄い恥辱に胸を締め付けられながら、私はアソコに入り込んだコイツの持ち物の形をしたイヤらしいバイブから、ソロソロと引き出していく。

「あ……あ、あ、ああっ!」
「うひゃあ、ベトベトで湯気まで立ってるよ。エッチな声まで出して、 よっぽど、僕のチンポ型が気持ち良かったんだね、詩織」
「なわけあるか!」
「でも、女の子って、入れる時より出す時の方が気持ちいい、って聞いたけど」
「死ね!」

 からかわれて乱暴に口答えしても、私の体はコイツに操られてるも同然だし、悔しい事にコイツの憎らしい言葉は否定出来なかった。ゆっくり抜き取る時、あり得ない快感が込み上げ、思わずコレを出し入れしたい、と悪魔の誘惑に駆られた私は
愕然とした。さっきの命令も生きていて、イヤらしい声が出てしまうのも防ぐ事は出来ない。

「お尻はもっと感じるんでしょ。さあ、よがりながら出してごらん、詩織」
「うるさいっ! 黙ってろ、ヘンタイッ! お、おああ…おほおおっっ!!」
「さっきより声がデカイぞ。マジでお尻が感じるの? やっぱ、詩織の方がヘンタイじゃないか」

 嫌だ嫌だと思っても、勝手に動く手がアナルバイブに掛かり、ゆっくり引き出していくと、悪態を付く余裕もなくなった私は、
腹の底から絞り出すような歓喜の悲鳴を上げていた。

「よし、何とか抜けたね。楽しませてくれたチンポを、オクチでイヤらしくしゃぶってごらん」

 アイツが貞操帯から外したバイブを顔に突き付けて来ると、本当にベトベトで湯気が立っている。私は自分の体液で汚れたバイブなどを口に含んでしまい、おぞましさに吐き気が込み上げて来たけど、勝手に口が「イヤらしくしゃぶって」しまってた。

「さすがにチンポ狂いのインラン詩織はオクチ使いが凄いね。後で本物をしゃぶってもらうけど、こりゃあすぐにドッピュンだな。よしよし、今度はコッチだ」

――イヤだあっっ!!

 アナルバイブの方を見た私は嫌悪感でサッと顔を反らし、心中悲鳴を上げてしまった。

「ハハハ、ちょっとウンチが付いてるね。自分が出したんじゃないか、キレイにしてごらん。はい、あ~ん、よしよし、いい子だ……」

 駄目だ、どうしても言われるままに口を開け、排泄物で汚れたバイブをくわえて舐めしゃぶってしまう。アイツが後頭部を掴んで無理矢理感を演出すると、本物の屈辱と口一杯に広がる汚物の味と臭いで、戻してしまうかと思った私はしかし、それと引き替えに凄まじい興奮でジーンと脳髄を痺れ切らせていく。それはザーメンを飲まされるのと同種の妖しい感覚で、いつしか私はクチュクチュと熱心に口を動かし、舐め取った排泄物をゴクリと喉を鳴らして飲み下す事に、マゾヒスティックな歓びを覚えてしまってた。

「さあ、クリちゃんの皮を剥いてヌリヌリだよ」
「ヒイッ! あ、あ、ああんっっ!!」
「そのまま、もう片手は指二本で奥まで塗ってごらん」
「ああ~っ! いい~っっ!!」
「これじゃオナニーしてるのと変わらないね」

 汚れたバイブ舐めでアブない薬でも嗅がされたかのように妖しい気分に染まってしまった私は、アイツが指示する通りにローデョンを局部に塗り込めながら、はばかりなく快感を訴える声を張り上げていた。えっちな声を我慢してはいけないと命令されてるので、どうしようもないのだ。そしてとうとうアナルの奥まで指を使わされ、アイツにたっぷりエロ声を聞かせてしまうと、改めて黒革貞操帯を嵌めて鍵を掛けられた。

「さあ、ご奉仕だよ、詩織」
「……(はい、ご主人様)」

 私はそう言わると再びアイツの前に正座して、潤み切った目で傲慢な男を見上げる。毎朝の習慣で思わず(ご主人様)と言いそうになった言葉は呑み込んだけど、モッコリさせているズボンの膨らみにどうしても見入ってしまう。アイツはもうわかってるだろう、と言わんばかりの態度で、それ以上しゃべらずアシを少し広げて座っているだけだ。

――こんな男なのに……
   何も言われてないのに

 だがどんなに心で抵抗しても、私はコイツのズボンの前を下ろし、プルンッとバネ仕掛けのように飛び出した肉塊に魅せられてしまう。まるでお預けを喰らった挙句にエサを与えられた子犬のようだった。慣れ親しんでしまった、すえたような濃い体臭が私を陶然とさせ、いつしか夢中で包茎の皮を剥き、トイレの後始末をしていない小用の臭いにますます興奮してしまう。
もう我慢出来ずにむしゃぶり付くと、私は自然と両手を背中に組み、アイツは後頭部に手をやって顔を動かし始めた。ひどい屈辱感を覚えるが、催す筈の吐き気は込み上げず、憎い男の体臭と小便の混じったおぞましい臭いは、私を興奮させてしまうばかり。こんな男のペニスなんか噛み切ってしまえ、と本気で思っても、そんな動きを口がしてくれる筈がなく、それどころか熱心にチュパチュパとしゃぶり上げてアイツを歓ばせてしまうのだ。

 その上毎朝のご奉仕ですっかり順応してしまった私の口は、もはや性器に等しく、肉体的な快感まで覚えてしまう。逞しい肉棒で満たされると歓喜に慄える口腔はさしずめワギナで、夢中で絡み付かせるだけで快感の火花が散る舌はクリトリス。
そして亀頭に突かれてズキンと苦痛混じりの絶大な歓びが迸る喉奥は子宮口と言ったところだろうか。唇をすぼめ舌を絡め付かせて情熱的にストロークしていると、憎い男のシンボルがググッと体積を増しておののき、粘液の発射が近付いている事がわかってしまう。アイツが言った通り、数分と経ってないのにもう我慢出来ないとは、サイテーの男だ。

――イヤだあっっ!!

 心の中で悲鳴を上げても、もう私の体は私のものではない。ジュバッジュバッと積極的にアイツの弱点を責める口の動きは止まらず、程なく、おぞましい白濁液がドバッと大量に噴出してしまう。こぼれそうになる液体を吐き出したくても口は反対の動きをして、ジュルジュルと喉奥まですすり上げて集めると、肉棒にこびり付いた残滓まで逃すまいと、ミゾの間まで舌を這わせて丁寧に舐めとり、ゴクリと飲み下していく。

「よしよし、気持ち良かったよ、詩織」

 ようやくご奉仕を終えて、アイツが口を解放してくれても、私は口を利く事も出来ず、麻薬に冒されたような気分で、恨めしく眼鏡男を見つめるばかりだった。

 こうしてアイツにノートを書き換えられた恐ろしい1日が始まったのだが、放課後までの学校生活も辛くて長い苦行だった。
胸とアソコに強力な媚薬を塗られ、どんなに体が疼いてもオナニーは禁止。たったこれだけの事が私を大いに悩ませたのだ。

 朝無理矢理奉仕させられた時既にジーンと熱っぽく感じてた感覚は、1時間目の授業中にムズムズと痒みを伴うイヤらしいものに変わり、クリトリスと乳首と言う上下の感覚の塊がムックリと膨らんで、石のようにピンと固くなったまま戻らない。そしてその敏感な突起を中心に何ともやる瀬ない疼きがジワジワと広がり、何だかたくさんのエッチな虫にたかられてるような気分になった。授業が半ばを過ぎた頃、いつの間にか生汗をビッショリとかいていた額をハンカチで拭い、ドキドキしながらその手をミニスカの中に忍ばせた。もちろんアイツに言われなくても、授業中にオナニーなんか出来るわけがない。内股に滴る汗を拭くためだが、こんな勘違いされるような行動を取るだけでも恥ずかしいし、私を観察してるに違いないアイツの視線がひどく気になった。内股にハンカチを当てると、思った通り異常にたくさん汗をかいていたが、それは黒革貞操帯がイヤらしく喰い込む部分に近付くとひどくなり、私はズキンと妙な気分になってしまう。これはただの汗ではない。明らかにアソコを疼かせてる私がはしたなく滴らせてしまったエッチなオツユが洩れてるのだ。それがわかると、必死で無視しようと思っていたムズムズがどうにも耐えられなくなった。

――うああ、もう駄目、我慢出来ない!

 こうして汗を拭くだけのつもりだったハンカチを持つ手が、いつしか貞操帯の上から疼き上がるアソコをギュッと押さえていたのだけれど、分厚い革パンツは意地悪くて、押しても叩いてもほとんど効果的な刺激を与える事が出来なかった。でも刺激イボに包まれた剥けクリが少し擦れてくれて、わずかな快感がツーンと走り、それだけでも慰めになる私は、夢中で貞操帯を弄るのがやめられなくなっていた。

 そうしていると今度は穴開きブラから括り出されたノーブラの胸の疼きが耐え難くなり、恥を忍んでもう片手を乳房にやろうとしたのだが、どうしても手が動いてくれない。手をやりさえすれば剥き出しのオッパイにはすぐに刺激を与える事が出来る筈なのに。思いあまって机に突っ伏し、ムズムズと疼き上がる乳房を擦り付けようとしても、やっぱり体が言う事を聞いてくれなかった。アイツのオナニー禁止命令が見えない力となって私を縛り付けている事がわかり、慄然とするばかりだった。

――こんなの、絶対耐えられない! 頭がおかしくなってしまう

 何しろまだ1時間目なのだ。休憩時間になるや否や、私は憎いアイツの席にダッシュして、こう告げるよりなかった。

「トイレよ! お願い、早く!」
「もう我慢出来なくなったの?」

 学校では貞操帯を嵌められてまともにオシッコも出来ない私は、アイツに頼んでトイレを使う決まりになっていた。アイツが大嫌いになってしまった今日、排泄を見られて後始末までされるなんて死ぬほど嫌だったけど、背に腹は代えられない。それくらい媚薬に狂った私の体は切羽詰まってたのだ。

 ところがアイツはどこまでも底意地が悪かった。アイツの目の前で凄まじい恥辱に耐えながら貞操帯を外された腰を下ろし、チョロチョロしか出ない小水を無理矢理絞り出しても、そのまま貞操帯を戻そうとされたのだ。

「後始末しろよっ!」
「それが奴隷の口の利き方なのかい?」
「うっ……後始末して下さい、ご、ご主人様」

 悔しいけどトイレの後始末を自分でしてはいけないと命令されており、今どさくさに紛れてアソコを弄ろうとしても、手が動いてくれない。いつもはおぞましい事に、アイツに後始末をされてるのだ。それも、舌と口で。

「詩織は、嫌いな男にアソコを舐めさせるのかい?」
「……構わないわ、お願い、早くう!」
「イヤだね。詩織がションベンしたばかりの汚いオマンコなんか、舐められるもんか」
「だったら、自分で後始末させてよ!」
「そんな事したら、詩織はオナっちゃうだろ? 正直に言ってよ、オナニーしたいんだって」
「そうよ! オナニーしたいの、オナニーさせて、お願いいっ!」
「だんだん、インラン娘の化けの皮が剥がれて来たね。でも駄目だ、もっと我慢してとことんイヤらしい犬になるんだよ、詩織」
「イヤあっっ!!」
「どうしたらいいか、もう1時間じっくり考えてごらん」

 アイツは冷酷にそう言うと、そのまま貞操帯を嵌め鍵を掛けてしまった。2時間目、私はますます気の触れそうな体の疼きで頭を痺れ切らせながら必死で考えて、次の休み時間トイレでアイツにおねだりしてしまう。

「ご主人様っ! 詩織のえっちなオマンコを舐めて下さいっ!」
「しょーがねえなあ」
「アーッッ!! 気持ちいいーっっ!!」
 
 アイツが便座に腰掛けた私の股間に顔を埋め、妙に遠慮がちに舌をアソコに入れて来ると、私はいつもより一層素晴らしい心地良さに我を忘れ、大声を張り上げてしまっていた。

「もっと舐め易いように、自分の指でマンコのビラビラを広げて」
「は、はい!……あん、そ、ソコお~っっ!! もっと、もっとお! 奥も舐めてえ~っっ!!」
「詩織って、ホントに僕の事嫌ってるの?」
「いいの! もっとナメナメして、お願いいっっ!!」

 顔を見ただけで吐き気がするほど嫌いな筈なのに、自分の指でアソコを開いて見せ、アイツの顔にグイグイと汚れた局部を
押し付けて舐めさせてしまう私は、ほとんど錯乱状態だったようだ。

「クリちゃんを剥き出してみて」
「ウヒイ~ッッ!! イク! イクウウッッ!!」
「バカ、外に聞こえるだろ」

 自分の指で性器を開き、頂点のクリまで剥いてしまうと、まるで内蔵まで露出して見せているような猛烈な興奮に襲われ、
舌がチョロッと感じ易い実に触れただけで、私は頭が真っ白になってスパークし、ドッと何かの液体を噴出してアイツの顔に掛けていたようだ。

「ひでえな、詩織。せっかくションベンマンコを綺麗にしてやったのに、人の顔にオシッコを引っ掛けやがったな」
「ち、違う……」
「まあいいや。やっぱり詩織は、僕の事をどんなに毛嫌いしても奴隷なんだね。心は嫌っても、体の方は僕を恋しがって、
 ウズウズさせてたってわけだ。このインラン、ヘンタイ女め!」
「ひどい……」

 溜まってたモノをアイツの顔にまで吐き出してしまうと少し理性が戻り、私は恥辱に胸を痛め唇を噛む。こんな卑劣な男にいいように弄ばれて、イヤらしく乱れてしまう自分が情けなくて涙が出て来た。だが、アイツがさあ行くぞ、と腰を上げ去ろうとすると、私はさらなる屈辱に身を堕とさないではいられなかった。

「待って!……あ、あの、オッパイを揉んでくれませんか……ご、ご主人様。それに出来たら、オ、オシリノアナもお願いします」

 媚薬のせいで恐ろしく疼いていたのはアソコだけじゃなかったのだ。とりわけ、ノーブラで小山のように膨れ上がりズキズキと脈動してる感じの乳房はもう限界だった。貞操帯でガードされた股間と違い、手を伸ばせばすぐに悩みが解消出来そうなだけに、余計に始末が悪い。なのにオナニー禁止命令のためにどうしても手が動いてくれず、机や壁に擦り付ける最終手段さえ封じられている私は、本当に頭がおかしくなってしまいそうだったのだ。

「ハハハ、よっぽどエッチが好きなんだね、詩織は。大嫌いな僕におねだりするなんて、あり得ないだろ。でも、もう遅刻するから、次の休憩まで我慢して」
「イヤッ! イヤだあ! 我慢出来ないいっっ!!」
「わがままはそこまでだ。さっさと服を戻して、教室に戻る事」
「ああ……この鬼っ! 悪魔っ! ヘンタイッ!」

 気が触れそうなほど強烈に疼き上がっている乳房と尻穴を持て余して、酷なアイツを罵り、ここでサボってやるんだと思っても、個室を開けられてしまうと、黙って乱れた服を直し、サッサと先に立ったアイツの後を付いて行ってしまうよりなかった。いや、もうハッキリと「奴隷ノート」に支配され操られている体が、私の意志を無視して勝手に動いてしまう。無数のイヤらしい虫にたかられて食い荒らされてるみたいな疼きはひどくなる一方で、ズキンズキンと痛みまで覚え、一歩も歩けないと思っても
ひとりでに歩いてしまうのは、誰かに体だけ乗っ取られてしまったかのごとき恐怖の経験だ。その上辛い感覚だけは私のもので、これでは本当に発狂してしまいそうだった。

 こうして私は次の休憩時に乳房を、昼休憩に入ってすぐの時には恥ずかしいアナルを、と猛烈な嫌悪と屈辱に涙しながらアイツに頭を下げて、苛烈な欲情を発散してもらわねばならなかった。そして昼食後落ち合った時には、とんでもないおぞましい仕掛けを施されてしまう。

「詩織のイヤらしいおまんことアナルは、やっぱりチンポをくわえたくてたまらないんだろ?」
「う……そうよ! こんなの、もうイヤッ!」

 一旦解消されたからと言って媚薬の効果が去ってくれるわけではない。すぐに又ジワジワといたたまれない痒みを伴った疼きがぶり返して、物理的に手が出せない貞操帯の中の股間と、命令に縛られて触れられないブラウスの下の乳房が切なく刺激を求めて悲鳴を上げていた。

「じゃあ、こう言ってよ。おチンポちょうだい、って」
「……言えばいいんでしょ、このヘンタイ! おチンポが欲しいの、おチンポちょうだいっ! お願い、ご主人様…」

 この股間にピッチリ喰い込む貞操帯に下に、昨日までは2本のペニス型バイブレータが仕込まれていたのだ。その存在感は正に圧倒的で、そこにあるだけで私を満足させてくれた。何もしてなくても男の人に、いやハッキリ言えばアイツにエッチされてる感覚。実際前のバイブはアイツのモノを象った本物ソックリの「チンポ」なのだ。ちょっと体を動かせばズキンと感じ、歩くと二本が中で擦れてほとんどオナニーしてるに等しい快感が迸って、ブルンブルンとお尻を打ち振り気をやってしまう事もあった。そしていつしか私は、四六時中無意識に二本のバイブレータをきつく締め上げて歓びを貪るのが、クセになっていたのだ。アイツがリモコンで快楽振動を送ってくれば、どんな状況でも激しくアクメに達しないではいられなかった。前でも、後ろでも。

 今となってはその刺激が欲しくて堪らないのは、悔しいけどアイツに指摘された通りだった。媚薬で狂わされた体が必死で「チンポ」を求めて疼き上がり、休憩時間恥を忍んでアイツに慰めてもらうくらいでは、もうこの強烈な焦燥感の解消には間に合わない。もう目の前の男が、私をこんな体にしてしまった、憎んでも憎み切れないアイツだって構わなかった。私はプライドをかなぐり捨てて「チンポが欲しい」とはしたないおねだりを口にして、アイツに頭を下げていた。

「ようやくエッチでインランな、犬にふさわしい詩織になって来たね。今日のお散歩用に、素敵なチンポを用意して来たよ」

――ボコボコの大きなおちんちんが二本繋がってる! これを入れられると言う事は、まさか……う、ウソおっ! これで散歩にって、あり得ない

「犬」になって散歩する、と言う非現実的なイメージが頭に浮かぶ。もちろんハダカで、四つ足になり、その股間には大きなペニスがブラブラと……ハダカや四つ足なんて事はないだろうけど、ミニスカをはいた女の子が、男の子のモノをぶら下げてるだけでも、十分に破廉恥で屈辱的過ぎる。ところがそのチンポが卑猥なのは外見だけではなかったのだ。

「入れ易いように、オクチにくわえてチュパチュパするんだ。僕のモノだと思って」

 誰がお前なんかに、と思っても、命令されて従順にその片側をパクリとくわえ込んだ私は、自然とアイツのモノをイメージしながらくちゅくちゅと口を動かしてしまう。男の人はアイツしか知らないのだから仕方ない。その二本繋がりの人造ペニスはアイツより一回り太く、ボコボコしてると思ったのは、柔らかいボールみたいな物体がたくさん胴体に埋まってるみたいだった。

――これがアソコの中に入ってゴシゴシ擦ってくれるんだ。嬉しい……

 アイツの粗チンを象ったモノでないだけでも幸運ではないか。もっと太くて女の子を喜ばせるボコボコ付きのを入れてもらえると思うと、つい嬉しくなった私は、憎いアイツに差し出されてるのも忘れて情熱的に口を動かし、その刺激の強そうなイボイボに胸をときめかせていた。

「これは凄いスグレモノなんだよ。ホラ」  

 そう言ったアイツが、私の口がおしゃぶりしてるのと同じ形らしい、反対側を手で握ってしごくような動作をすると、私はビックリした。胴体に埋まった無数のボールがジーッとバイブしながらゾワゾワと蠢き始めたのだ。

「外側に露出させてるチンポを刺激すると、これをくわえた詩織まで気持ち良くなっちゃう、ってわけ」

 そして唾液まみれになった双頭バイブをアイツは私の口から吐き出させたのだが、口の中が痺れてしまうほど激しい振動と、ボールの蠢きだった。こんなモノを入れられたら、もう堪らないだろう。貞操帯の中のアソコがはしたない期待でヒクヒクおののき、ジュンと熱いものが溢れて来たのがわかる。アイツが貞操帯を解錠して脱がせ、ソレを当てがって来ると、もうパクパクと物欲しげに開いていた私のアソコは簡単に呑み込んでいく。アイツより逞しい「チンポ」が挿入されていくに連れて、メリメリとアソコが抉られて中を一杯に満たされていき、脳を焼かれるような強烈な快感が迸った。

――スゴ過ぎるよ、コレえ! 私、もうダメ……

 想像以上に凄まじい挿入の感触に言葉も失った私だけど、これはまだ序の口に過ぎなかった。双頭バイブの片側を完全に私のアソコに埋めてしまったアイツは、何本も繋がった奇妙な形のチェーンを持ち出すと、根元付近に繋げて腰に巻いた。どうやら外れないよう固定するためらしい。

「お尻にも欲しいよね」
「はい、お願いします」
「じゃ、こっちもチュパチュパ」

 燃えるように疼いていた女性器に慰めを与えられた感激で、生意気な口も利けなくなった私は、続いて差し出された細めの「チンポ」を口に含んで積極的にしゃぶり始める。今度は反対側にフサフサで巨大な毛筆みたいなのが付いていたけど、これも含んだだけで奇妙な気持ちになるくらい刺激的な刻みが入っており、アナルに入れられるのだと思うと恥ずかしいくらいドキドキしてしまった。そしてアイツが「毛筆」をギュッと握って引っ張ると、全体が激しく慄えながらくねるのだ。

「これは犬のシッポになる。詩織はシッポを掴まれると気分を出す、イヤらしい犬になるんだよ」
 
 このおぞましい「シッポバイブ」も、どうしようもなくウズウズして刺激を求めていた私の尻穴はアッサリ受け入れてしまい、挿入が深まるに連れて、前後を満たされる快感に私は気もそぞろになってしまった。これも腰のチェーンに連結され、便座から浮かして中腰になってた私のお尻をアイツがパンと叩いて、出来上がり、と言うと、フサフサのシッポみたいな外見となったようだ。

「よし、それじゃスカートを戻して。僕と仲良く手を繋いで教室に戻る事」

――イヤだ、コレ、恥ずかし過ぎるよ

 命令には逆らえない私は、教室へと戻る廊下を歩きながら、あまりにも恥ずかしい外見になってしまった事に気付いて愕然とした。

「ハハハ、前も後ろもモッコリしてるよ。エロ過ぎて見てるだけで鼻血が出そうだ」

 他の生徒たちがジロジロと注目しているような気分になり、とりあえず前の大きな膨らみを両手で押さえて歩いても、焼け石に水だ。アイツが他人に聞かれないよう耳元で囁いて来ると殺意すら覚えたが、手を繋いで帰れと言う命令に体は勝手に従うだけ。おまけに念願の股間の欲情を満たしてもらった歓びは素晴らしく、せめてもとアイツをきつくにらんでやったつもりが、
ウルウルと悩ましい目で見つめてしまっていた。そして教室に戻る直前、アイツが耳元で変な命令を吹き込んで来た。

「席に着いたら、ずっとチンポを握り締めて過ごすんだ。ただし、手を動かしちゃいけないし、勝手にイクのも禁止」

 5時間目の始まる直前で慌てて入った教室。腰を下ろした途端に、「シッポ」が潰されてアナルバイブが軽く振動を始め、
イッテはいけない、と言う命令にいきなり挫けそうになる。そして周囲を気にして強烈なスリルに胸を押し潰されそうになりながら、ミニスカの中に手を入れて「チンポ」を握り締めると、こちらも胴体のボールが振動を始めて、前後の淫靡な刺激で私はたちまち淫らな血を沸騰させ始めていた。

 本当は女の子とまともに口も利けないヘタレのくせに、悪知恵だけは働くアイツらしい、イヤらしい命令だった。握り締めさせられた「チンポ」と押し潰された「シッポ」に連動して股間の前後で微妙に振動するバイブレータが淫らな二重奏を奏でるのだ。憎いアイツの手管で、こんな機械なんかに感じたくないと言う拒絶感は、授業開始後5分も経たない内に雲散霧消した。
アイツとのプレイですっかり淫らに開発されてしまった私の体が、強力な媚薬で疼かされ焦らされた挙げ句に与えられた快楽なのだ。どんなに嫌だ嫌だと心で拒否しても、下半身を蕩かせ全身に響き渡って来る圧倒的な快感の前には屈服するよりなかった。

 ところがここでも又、アイツの命令が私を苦しめる。「勝手にイクのも禁止」これは物理的な意味のみならず私の心まで呪縛してしまうのか、こんなに気持ち良いのに、いつまでたっても絶頂が訪れてくれない。全身に横溢するエクスタシーは強烈にわだかまって出口を求め、どんどん昂ぶっていく一方で恐ろしいほどだった。夢のような心地良さに浸っていられたのも初めのうちだけで、授業も半ばを過ぎた頃から、私の全身はおこりに掛かったように激しく慄え始めていた。水から上がって来たかのように、滝のような大汗が体中を滴り落ち、おぞましい疑似ペニスを握った手は離す事も動かす事も出来ずワナワナと
慄えるばかりで、それによって与えられる軽微な快楽振動は、私の官能を高めるばかりで決してとどめを与えてはくれない。
もしこの手が少しでも動いてくれたなら、私のアソコの中でジーッと慄えて中途半端に官能神経を炙りたてる沢山の柔らかい刺激玉が、一斉にゾワゾワと蠢いてすみずみまで気持ち良く擦り上げ、私を天国に導いてくれるのに違いないのだが。

――イキたい! もうイヤだ、こんなの。頭がおかしくなっちゃう!

 椅子に腰を下ろして「シッポバイブ」を作動させ、「チンポ」を握り締めてしまった瞬間から、強烈な恥辱と引き替えにどうしようもなく迫くり上げる性の歓びで、私はここが授業中の教室である事など頭の中から吹き飛んでいた。とても授業に集中するどころではなく、何かしゃべっている先生の声もまるで頭に入らない。情欲にけぶる目はボウッと中空をさまよい、おそらく真っ赤な顔でだらしなく半開きの唇から舌を出してハアハアと息を荒げている私は、正に犬畜生そのものだった。アイツのおかげで、私は「イキたい」としか考えられない、イヤらしくて浅ましい「犬」同然の女の子に変えられつつあったのだ。

 5時間目が終わると又、人気のない離れたトイレに連れ込まれた。いや正確に言えば、フラフラになった私はアイツにすがり着くようにして連れて行ってもらったのだ。汗みずくの全身がワナワナと慄えて止まらず、すっかり脚も萎えてまともに歩く事すら難しい状態だったのだから。

「チンポ握りは気に入ってくれたかい?」
「イヤッ! イヤッ! お願い、イカせてえっっ!!」
「詩織は、授業中にちんぽをシコシコしてイキたいのか?」
「うんっ! シコシコする!」

 もう自分がいかに破廉恥な言葉を口走っているかと言う歯止めも利かず、私は憎いアイツに、チンポしごきオナニーをさせてくれと、必死におねだりするばかりだった。

「じゃあチンポを握って、前屈みになり、お尻を突き出すんだ」
「うああ~っっ!! いい~っっ」
「どんだけチンポが気持ちいいんだか。声デカ過ぎだよ」
「だ、だってえ! お願い、シコシコさせて! シコシコするのっ!」

 ここに来る間は当然股間から手を離していたのだ。疼き上がる焦燥感はますますひどくなり、再び「チンポ」を握って
心地良いバイブレーションがさざ波のように流れ込んで来ると、私はエッチな声を張り上げるのも我慢出来ない。もう薬物中毒患者の禁断症状みたいなものだ。すると、今度はアイツが私のお尻からピョコンと突き出したイヤらしいアナルバイブに繋がる「シッポ」をムンズと掴んだ。

「うおお~っっ!!」
「コッチも凄い感じぶりだね。気に入ってくれて良かったよ」

 悔しいけどアイツの言う通りだった。「シッポ」を掴まれてアナルバイブが動きを再開した瞬間、私はあまりの心地良さに吠えていた。でも、こんなに気持ち良いのに、やっぱり女の子の求める絶頂は訪れてくれそうにない。アイツの命令がブロックしているのだろう。

「イキたいの?」
「イキたいっ! お願い、シコシコさせてよおっ! もう駄目、気が狂っちゃう!」

 いつの間にか、この手の中のおぞましい「チンポ」をシコシコとしごけば、アクメが味わえるのだと条件付けられていた。私は必死でそのはしたないおねだりを口走る。

「じゃあシコシコするのと引き替えに、浣腸してやるよ。いいね?」
「い、いいよ……だから、お願い、早くうっっ!!」
「浣腸が始まったら、シコシコしていいからね」
「ね、ねえ、イッテも、イッテもいいの?」
「いいよ。イキまくっちゃいなよ」

 もう「浣腸」がもたらす悲惨な結末も、アイツが何を企んでるかも、薄々感づいていたけれど、気にしている余裕はなかった。「チンポ」をシコシコして、全身にわだかまるこの気が狂いそうな欲情をパーッと発散出来さえすれば、もうどうなったって構わない。そんな気持ちに陥っていた。

 いよいよアイツが貞操帯を解錠して「シッポバイブ」を引き抜き、代わりにイチジク浣腸を当てがって来る。私は今か今かと「チンポ」を握り締めた手をスタンバイさせており、チュルチュルと気色悪い浣腸液の注入が始まると同時に激しく手を動かしてスパークした。

「凄いね詩織。もう5回もイッチャッタね。浣腸も終わったし、もうやめるんだ」
「イヤッ! もっと、もっとお!」

 鼻声でめちゃくちゃ色っぽくおねだりしても、アイツの命令は絶対で、私の手は「チンポ」を放してしまった。

「続きは公園で犬になってからだ。どうせ次の授業なんか出られないだろ。早退してしまおう」
「ウンッ!」
「詩織は僕の事嫌いじゃなかったの?」
「えっ!?」
「イカせてもらって、好きになったのかい?」

 意外な問い掛けに、私は色欲にボケた頭を整理する。浣腸などと言うおぞましい仕打ちを受けながら、狂ったように「チンポ」をしごいてイキまくってしまった私は、悪魔に魂を売り渡してしまったのだろうか。この上まだチンポ弄りをアイツにおねだりしてしまうなど狂気の沙汰だった。ここで立て直さなくては、私は本当に身も心もこの鬼畜野郎の奴隷に堕とされてしまう。
幸い私を狂わせるイヤらしい「チンポ」から手を放す事が出来たのだ。私は精一杯理性を奮い立たせてアイツを睨み付けると、吐き捨てるように言った。

「じょ、冗談じゃないわ。嫌いに決まってるじゃない、このヘンタイッ!」
「でも、散歩には付き合ってくれるんでしょ」
「どうせアンタの命令なんじゃない! 私が逆らえない事知ってるくせに、いい加減にしてよっ! 私はアンタなんか大嫌いなのに、無理矢理付き合わされてるだけなの! わかった?」
 
 さすがに5回も極めてしまうと冷静になり、私は憎いアイツの前で自分がいかに恥ずかしいマネを晒してしまった事かと、胸が潰れそうな思いになり、同時に猛烈な反発心が蘇って来た。だけど捨てぜりふのように吐き捨てた言葉は悲しい事に現実だ。あの「奴隷ノート」の呪いが掛けられてる限り、私はこの男の言いなりになるよりない。

「こんな事させて何が面白いのよっ!」
「面白いねえ。商業高校バレー部のアイドルで、みんなの憧れだった町田詩織がこんなヘンタイ女だったなんて、誰かが知ったら大騒ぎだろうなあ」

――うう……コイツ、絶対許さないからな。いつかぶっ殺してやる!

 2人だけ早退して学校の下の坂を下りる道すがら、あまりに恥ずかしい仕打ちに、私はアイツに対する憎悪をいやましに
膨らませていた。私の左手はベロンとミニスカをめくり上げておぞましい「チンポ」を露出させ、右手はそれを誇示するかのように握り締めている。誰が見ても完全なヘンタイだが、この格好で歩けと言うのがアイツの命令だった。

「こんな事させるのは、公園でって言ったじゃない!」
「もっとチンポをシコシコさせてくれっておねだりしたのは、詩織の方だろ?」
「あれは……頭がおかしくなってたのよっ!  向こうから人が来てるじゃない、もうやめさせて!」
「いいじゃん。あのオジさんに目の保養をさせてやれよ」
「ア、アンタは、私の事が好きなんでしょ! 好きな女の子を知らない人に晒し者にしてもいいの?」

 他の生徒達はまだ授業を受けている時間だし、誰にも会わずにすむ事を期待してたのだけど、途中で見知らぬ男性がこちらに向かって来る所に出くわしてしまった。こんな恥ずかしい格好はやめなきゃと思っても、スカートをめくり「チンポ」をそそり勃てて見せる手は寸分も動いてくれず、再びイヤらしい甘美な感触でジーンと痺れて来た脚もどんどん歩いてしまう。アイツが私のミニスカ姿をみんなに見せる事を嫌がった事を思い出した私は、思い直してくれないかと訴えてみたが、冷酷な「ご主人様」に変貌したアイツはもう昔のアイツではなかった。

「僕の方が恥ずかしくなって来たから、先に行っとくよ。おっと、後に付いて来ちゃ駄目だ。詩織はあのオジさんにお願いして、
 恥ずかしいヘンタイぶりをしっかり見てもらう事。以上」
「あ、ちょっと待ちなさいよっ! く、くそう……」

 何てヤツだ。私を放ってどんどん早足で歩き去ろうとするアイツを、慌てて追い掛けようとしたが、足が自由に動かない。ヘンタイ露出狂そのものの格好もそのままで、見知らぬ男性と接近するに従って私は恥辱のあまり、本当に頭がおかしくなりそうだった。

「あ、あの、すみません」
「は、はい。えっ!?」

 私が声を掛けると、暑いのに背広を着込み頭の薄くなった初老の男性は、ギクッとして足を止めた。そして私の凄まじい格好を見て、サッと目を反らしてくれたのに、口が私を裏切って勝手にしゃべってしまう。

「お願いです、私のオチンチンをよく見て下さい。私、ヘンタイなんです」

 目を背けてくれた男性が理性的で、そのまま立ち去ってくれたら、と言う願いも虚しく、足を止めたその人は私の下半身にイヤらしい視線を送って来ているのがわかる。手足を完全に操られている私は、自由になる首を思い切り背け、(見ないで!)と心の中で叫んでいた。あちらの方を向きながら、これ見よがしにあり得べからざる男性器を露出させているヘンタイ女子高生を、どんな気持ちでこの男性は見ているのだろう。彼の視線に晒されて気が遠くなりそうだったが、残酷な口と手が私をさらなる恥辱の極みに突き落とす。

「オナニーしてイッテみせます。よく見て下さい」

 同時に「チンポ」を掴んだ手がシュルシュルとしなやかに動いて、胴体の凸凹に刺激を加えると、アソコに喰い入った部分の刺激玉がゾワゾワと蠢き、一気に私の体はエキサイトしてしまう。世にも恥ずかしい状況は嫌でも私を恐ろしく敏感に反応させてしまい、たちまち感極まった私が「イク」と口から絞り出しながらしゃがみ込んでしまうと、ようやく男性は立ち去ってくれたのだが、ハッと顔を上げるとアイツが眼鏡の底にニヤニヤ笑いを浮かべて立っていた。

「スゲえヘンタイぶりだったね、ハハハ」
「うるさいっ! こんな事させて、一生恨んでやる!」
「まだまだ、もっと恥ずかしい事が待ってるんだから、この程度で弱音を吐いてちゃ駄目だ。さあ、公園まで歩くよ」
「公園って、どこの公園よっ!」
「すぐそこの公園に決まってるじゃない」
「う、ウソ……あんな所でなんて、アンタ、ホントにバカじゃないの!」

 まさかと思って聞いてみたが、やはりアイツが私を「犬」にして散歩させようと企んでいたのは、学校から駅まで降りる途中にある児童公園だった。通学路にあるのだから、そんな場所でいかがわしい行為に耽っていたら、みんなのいい晒し者ではないか。カップルの人達だって、恥ずかし過ぎてここだけは避けるような場所だ。だから私は、アイツを「バカ」と罵ってやったのだ。

「詩織がエッチな犬になった晴れ姿を、学校のみんなに見てもらおうよ。これで町田詩織はますますみんなの大スターだ」
「やめろ! やめろ! そんな事したら、アンタだってタダじゃすまないんだからね」
「さあ、もう無駄口はいいから、さっさとスカートをめくって、チンポを握って歩くんだ」

 公園までまだ少し道のりがある。仕方なく、その死ぬほど恥ずかしい格好で歩かされながら、せめてもの願いを口にした。

「あ、あの、この手だけはやめさせてよ!」
「チンポを握っとくだけじゃ不満なの?」
「バカッ!」
「さっきみたいに、シコシコしたいんでしょ」
「なわけあるかっ! このヘンタイッ!」
「公園に着くまで我慢我慢」
「恥ずかしいのよ! もう、もう、こんなの耐えられないよ……」
「ウソばっかり」

 演技でなく本当に涙を流して見せても、アイツはお見通しだった。一体私の体はどうなってしまったのだろう? トイレで5回気をやり、オジさんの前でも絶頂に達してしまったのに、「チンポ」を握ってしまう事でブイーンと加えられる緩やかなバイブレーションが、際限なく私の官能を燃え上がらせ、次から次からエッチな欲情が込み上げて歯止めが利かない。歩きながらオナってしまうなんて正真正銘のヘンタイだから出来るわけがないのだけれど、このまま「チンポ」を握らされているとシコシコと弄りたいと言う淫らな欲求が募り理性が崩壊しそうで怖いのだ。だけどその手を放す事を許されたのは、結局公園にたどり着いてからだった。

「まだ誰もいないね」
「向こうに子供がいるよ!」
「ガキなんか、気にしない、気にしない。さっさと犬になってよ」
「子供達もいるし、そのうちみんなやって来るのに、絶対無理!」
 
――アレ? 操りが解けたのかも……

 おぞましい「チンポ」を握らされ、スカートをめくって誇示する事がやめられなかった手がなぜか動いて、ミニスカの下に疑似ペニスをしまい込む事に成功した私は、もしかしたら「奴隷ノート」の効力が切れてしまったのではないか、と淡い期待をしたのだが。

「やっぱここでは無理なんだよ。諦めな、このヘンタイ!」
「ちょっと待った」

 自由に動けると思った私は、思い切ってアイツに背を向け、逃げてやろうと歩き始めた。でも、待て、と言われた途端に足が
固まってしまう。

――駄目だ、体が動かない

「わかったぞ。詩織は犬になるのが具体的にどうする事なのか、わからないんだね。教えてあげるよ」
「うわ、バカ! 言わなくていい」
「奴隷のくせに、僕から逃げられるとでも思ったのかい?」
「やめて……お願い、ここでは許してよう……」
「ははは、泣いちゃった。かわいいなあ、詩織は」

 ホンの少し、解放されたかも、と期待してしまった後で、やっぱり無駄だとわかった絶望はより深く、私はもう込み上げる感情が押さえ切れず、涙がボロボロと頬を伝って落ちていた。

「犬は服なんか着てないよね。まずスッパダカにならなきゃ」
「やめて! ああ、やめてえ……」

 知らない人が見たら奇妙な光景だったろう。私は自分でセーラー服を脱ぎ捨てていきながら、誰かに対して「やめて」と泣きついていたのだから。でも体を操られている私にとって、その言葉は真実の訴えだった。

「犬にするにはもったいない、キレイなハダカだね、詩織」
「うるさいっ! ああ、ああ……」

 とうとう股間のイヤらしい「チンポ」と「シッポ」を固定した貞操帯だけの全裸になった私は、最後の反発心を振り絞ってアイツを怒鳴り付けたが、もう耐えられなくなって泣きじゃくるばかりになる。でもアイツは情け容赦のかけらもなかった。

「犬は四つ足で歩くんだよ。いい物を着けてあげようね」

 ウッウッとしゃくり上げるように泣きながら、体が勝手に動いて四つんばいになった私の首に、アイツは鎖の着いた本格的な革製の首輪を嵌めて来た。それがキリキリときつく喰い込んで来る感触はしかし、ゾクリと私の中の何かを揺り動かしてしまい、リードをグッと引かれるとハッキリと妖しい興奮を覚えてしまった私は慄然とした。

「さあこれで、君はかわいい僕の飼い犬だよ。名前はしおりんだ。しおりん、鳴いてごらん」
「わんわん」
「よしよし、いい子だ。ヒトの言葉を使っちゃ駄目だよ、しおりん」
「わんわん」

 ああ、何と言う事だ。私の口が勝手に滑稽な「犬」の鳴きマネをしてしまい、アイツに念を押されてしまうと、本当にヒトの言葉が話せなくなってしまった。その上、憎いアイツによしよしと頭を撫でられると妙に心地良くて、甘ったれた気分になった私は「ご主人様」に身を擦り寄せるように動いてしまう。体ばかりか心まで「犬」に作り替えられようとしているのだ。まだこの男に対する憎悪は心の中に残っているが、体の方が屈服してしまう事によって、そのうち何も感じなくなってしまうのかも知れない。

「さあ、お散歩だよ、しおりん」

 アイツにリードで首輪を引かれた私は、四つんばいでヨチヨチと歩き始める。「犬になって散歩する」と言う奴隷ノートの文言が完璧に実現してしまい、涙でボヤけた目で歩かされる公園の地面を見つめていると、非現実的な気分に囚われて来た。

――うう……これはきっと悪い夢だわ。こんな事が本当である筈がないもの

 私は人間だ。だから四つ足で歩くのはとても辛い。それに女の子だ。なのに、この股間でブラブラしてる大きなおちんちんと、フサフサのシッポは何なのだ。困った事にこの二つのエッチな物体は、私のアソコとお尻の穴に喰い入っており、ヨチヨチとよろけながら歩いていると体の中でズリズリと擦れ合って、オナニーしてるみたいに気持ちいい。

 スタイル抜群で、顔だって色白美形の自信がある人間の女の子町田詩織が「しおりん」と呼ばれる浅ましい犬畜生になっているなんて、現実の事ではあり得ない。こうして死ぬほど恥ずかしいのに気持ちいい散歩が続くうちに、私の人間としての理性は次第に薄れていった。

「さあさあしおりん、いい子だね。ご褒美におスペしてあげよう」
「わんわんっ!」

 アイツが足を止め「おスペ」と称して「チンポ」とムンズと掴むと、私の口からは自然と犬の鳴き声が迸り出る。公園の少し先には、3人の小さな男の子達が遊んでいたけれど、あまりの心地良さで気にしている余裕もなかった。 

「わお~んっ!」
「イッチャッタんだね、しおりん。シッポを掴むとイチコロか」

 さらにアイツの手がフサフサの「シッポ」とグッと掴むと、アナルバイブまでブイーンと唸りを上げて襲い掛かり、前以上に強烈で我慢しようのない淫密な快感で、私はもう一たまりもなく恥を晒して吠えていた。しかも「犬」になったと言う条件付けのせいか、「わん」と言う犬の言葉で極めてしまうのは、私をますます妖しい気分に陥らせ、本当に人でない動物に変えられてしまったような錯覚さえ覚えて来た。

「さあしおりん。大好きなご褒美だよ」

 お尻の快楽に屈服して果ててしまい、四つんばいの体勢を維持するのも辛い私が涙でけぶる目を上げると、アイツがズボンのチャックを下ろす所だった。そして私にとってはもうおなじみの、ビンビンになった包茎ペニスを掴み出したアイツは、その汚らわしい肉塊で私の頬をピシャピシャと叩く。こんな唾棄すべき鬼畜男の、最もイヤらしく汚穢に満ちた上に、包茎の皮を被った情けない男性器なのに、エッチで浅ましい「犬」に変えられてしまった私は物欲し気に凝視してしまい、頬を叩く熱くて固い感触にあり得べからざる感情を呼び覚まされていた。

――コレが欲しい

 同じ形で股間に仕込まれた振動体にも、女の部分を無意識にキュウッと絡み付かせて締め上げてしまい、連動してアナルバイブまで尻穴が喰い締める。すると下半身が溶けてなくなりそうな愉悦が生じ、こんな男のペニスになど絶対欲情してはいけない、という理性が着実に壊されていった。残ったのは、チンポを見れば見境もなく発情して欲しがってしまう、理性のかけらもないメス犬に堕ちてしまった私である。

「オクチをアーンして、アーン」

 おぞましい勃起ペニスを見せ付けながらアイツが言うと、私は嬉しくなってバカみたいに涎をこぼしながら口を大きく開けていた。コレは大嫌いな男の持ち物なのだと言う嫌悪感はどこかに吹き飛び、もうエサを与えられる犬のような気分だ。そしてアイツは、その口の中にあろう事かジョーッと小便を放出し始めた。生暖かく気色の悪い汚れた液体が、たちまち大きく開けた口にたまっていくと、あまりに非現実的な感触に私のわずかに残された理性が跡形もなく砕け散っていくようだった。

「ゴックンしてよ。はい、おかわり」

 体の動きを操られている私が、アイツの指示通り喉を鳴らして飲み下すと、さらに次の小便が注ぎ込まれる。こんな事が繰り返される間に、当初感じていた猛烈な嫌悪感は次第に薄れ、憎い男の汚い排泄物を飲まされながら、私は甘美な興奮すら覚えてしまっていた。的を外れた小水で顔や上半身もベトベトに濡れたが、二穴バイブをくわえさせられた貞操帯の脇から滴り落ちるエッチ汁で下肢ももうおもらし状態である。いつの間にか腰が勝手にグラインドし、緩やかな振動を喰い締める快感を貪っていた。

「ああ、スッキリしたよ、しおりん。もっとスッキリ出来るように、おしゃぶりしてご奉仕しておくれ」

――イヤだあ!

 自動的に注ぎ込まれる小便と違い、今度はコイツのおぞましい男性器を自分から含み口を使わないといけない。だが心の抵抗も虚しく、すっかり「ご奉仕」に慣らされている私は、言われるままにアイツの肉棒を頬張ると、クチュクチュ音まで立てながらしゃぶり上げてしまう。こんなモノ噛み切ってやる! と頭に浮かぶ凶悪な衝動も、「奴隷ノート」に体を支配された私には実行不可能で、それどころかこの男が喜ぶとわかっているテクニックまで発揮してしまう私。

 今しがた出したばかりのオシッコの残滓がたまってる肉傘と胴体の継ぎ目のミゾを清めるかのごとく舌で丁寧になぞってしまうと、喜んだアイツは肉棒をビクビクとおののかせ、ムクムクとますます巨大化させる。先端がグッと喉奥を突き上げてむせてしまうのが辛いのに、それすらマゾに染められた私にとって慄える程の興奮を煽るばかりだ。これ以上続けたら間違いなくアイツは爆発してしまう! なのに完全に私の意志を裏切って動く口は全体を強力に吸引してジュバッジュバッと卑猥な水音を響かせながら激しくスパートを掛けた。

 ブシャッ!

 本当にそんな音がしたような錯覚を覚えるほど大量の精液が口中にぶちまけられ、酷い汚辱や猛烈に込み上げて来る吐き気と戦いながら、私の口はそれすら集めてゴクリと飲み下してしまう。するとあろう事か「ご奉仕」に対する嫌悪感を妖しい興奮が凌駕して、私の頭はジーンと甘美に痺れてまともに働いてくれなくなった。

「しおりん、シーシーは?」
「わんわん」

 ああ、何と言う残酷な成り行きだろう。裸で過ごしているうちいつの間にか差し迫っていた尿意を尋ねられた私は、「ヒト」の言葉を忘れてしまったように「わん」と犬の言葉でしか話せなくなっていた。

「じゃあ、向こうの大きな木まで行こう」
「わんわんわん! わんっ!」

 そこには砂場があって、小さな男の子達が三人遊んでいた。だけどイヤだと言うつもりでワンワン吠えても伝わらず、アイツに首輪を引いて促された私の体は、ヨチヨチと四つ足でそちらに向かってしまう。そして砂場の向こうにある大木の前まで連れて行かれると、男の子達がビックリして「犬」になった私を見つめて来ていた。

「しおりん、シーシーだよ、シーシー」

 もうあまりの恥ずかしさでこれが現実の事とは思えなかった。アイツが四つんばいの私の体を抱えるようにして、木に向かい片脚を上げさせると、条件反射のようにすぐさま決壊した私の股間からは、シャーッと勢いよく木に向かって小水が噴き出した。おぞましい「チンポ」が嵌ったままだから、方向が全く定まらず辺り一面を水浸しにするばかりか、私の体まで無惨に汚れて強烈な恥辱感が煽られる。こうして無様な「犬」となって、小さな男の子達にまで見られながら脚上げオシッコを晒していると、私の中で何かがガラガラと音を立てて壊れていくようだった。

「よしよし、いっぱい出たね。いい子だ、しおりん。ウンウンは? ウンウン」

――信じられない! 私もう駄目、ヒトじゃなくなっちゃったんだ……

 オシッコをしている時にギュルギュルと腸が鳴り、浣腸のせいで大きい方の便意も迫っていたのはわかっていた。四つ足に戻った私の「シッポ」を掴んだアイツが大便の排泄まで促して来ると、おぞましいアナルバイブが強まって、どうしようもない快感に責められる私は、激しくお尻を打ち振ってしまう。同時に浣腸液によってパンパンに張っていた下腹部から一段とハッキリ不穏な音が響き、ブリッブリッと不潔な破裂音と共に、私のお尻からボタボタと茶色い汚物の排泄が始まっていた。ここでついに最後まで残っていた私のヒトとしての理性が失われたようだ。

 こうして魂の抜け殻のようになった私は、この後アイツの言葉も、仕打ちも、どこか違う世界からのものであるかのように、非現実的な不思議な気分で受け止めていた。

「目と口を縛って隠してやろう……よし、これで誰だかわからないぞ。ただのヘンタイ女だ」

 目を隠し口に噛ませて来たのは、私とアイツの下着だったようだ。そしてそんな酷い格好で私の首輪を大木に繋いだアイツは、どこかへ去ったのか全く気配が感じられなくなった。取り残された私は辛い四つ足の姿勢を崩そうと思っても体が動かず、どこかへ逃げようと歩けば、首を容赦なく絞められて、パニックに陥っていく。

 砂場で遊んでいた男の子達は帰ってしまったのだろうか。声も気配もしなくなったが、恐ろしい事にもうじきうちの学校の下校時間の筈だ。どこからともない遠くから、高校生達と思しき物音や明るい話し声が聞こえて来ると、私は生きた心地もしなくなった。小さな公園だから、砂場の奥に裸の女の子が「犬」になり、四つ足で木に首輪で繋がれているのも丸わかりだろう。果たして興味を持った生徒達はぞくぞくと集まって来たのである!

「何、コレエ~」
「ヤダ~、ヘンタ~イ」
「これマジキチじゃん。パネえよ」
「キモチワル~イ」
「女みたいだけど、チンコとシッポをはやしてるぜ。触ってみろよ」
「ヤダよ、ヤバそうじゃん、コレ。マジで」

 私は魂の抜け殻になってたつもりだったけど、生徒達の残酷な一語一語は全て聞こえていたし、グサグサと心に突き刺さって来た。でも心の容量を超えてしまったのか、次第に何を言われても気にならなくなって来たのだ。だって私、犬なんだもん。四つ足の裸で首輪を繋がれてても、おかしくないよ。大きなおちんちんブラブラさせて、お尻からはピョコンとフサフサのシッポが出てるの。カワイイでしょ。オシッコもウンチもこびり付いたままだけど、犬がそんな事気にしなくたっていいよね?

 どのくらい時間が経ったのだろう。もう辺りに人の気配も物音もしなくなった。こんな静寂はおかしい。本当にここは学校の帰り道にある児童公園なのだろうか? もしかしたら、私は本当に気が狂ってしまったのかも知れない。商業高校バレー部の華で、みんなの憧れの的だった私なのに、あんな酷い男に好かれてしまったために、こんな惨めな運命に堕とされてしまうとは。アイツが恨めしい。呪い殺してやりたいほどだ。何と言っただろう、あの眼鏡男の名前は?

 そこまで頭が回った時、私の中でおかしな心理変化が起こった。間違いない。今度こそ本当に私は発狂してしまったのだろう。

――「サトル」君だ! 私の大好きなご主人様だよ。ねえ、どこに行ってしまったの? 早く助けに来てよ、サトルく~ん

 う~ん、何て皮肉な気の触れ方なんだろう。私の身も心もズタズタに引き裂いた、あんな鬼畜男の事が又好きになってしまうなんて……頭のネジが一本外れてしまったとしか思えない。気が狂ってからでは手遅れと言うものだ。

 と、その時私の「チンポ」にソッと手が触れて来た。こんな勇気ある行動を取れるのはサトル君に違いない。その手がゆっくりと動くと、ウィーンと静寂な中にわずかなモーター音を響き始める。内蔵刺激玉が心地良く慄えながらゾワゾワと蠢いて、妙に生々しい快感が込み上げ、私は狂気の世界でエクスタシーに押し上げられていった。さらに「シッポ」をグッと掴まれた瞬間、頭の中が真っ白になった私は、激しくスパークした。それも一度ではない。二度、三度と立て続けにだ。

 それから「目隠し」に手が掛かる。すると目の前に現れたのはやはり。枯れ果ててた涙が再び盛大にボロボロとこぼれ落ちて、ぼやけた視界にもハッキリとわかった。辺りは真っ暗で公園の薄暗いライトの中に、愛しい眼鏡男の顔がボウッと浮かび上がったのだ。

「サトル君! え~ん、ひどいよ、こんなの、バカバカ!」
「ごめんね、詩織」

 なぜか「犬」の呪縛も解けていた私は、立ち上がってサトル君に抱き付き、バカバカ、と彼の肉厚な胸を叩いていた。もちろん本気で怒っているわけじゃない。大好きな彼が助けに来てくれて、私は窮地を救われたお姫様みたいにこの世の幸福を感じていたのだから。

『町田詩織は僕の事を好きになる』

 彼が見せてくれた「奴隷ノート」の1ページ目は、一番初めのシンプルな言葉に戻っており、たった今掛けたと思われる精液で滲んでいた。

「私がこんなひどい目にあってるのを見ながら、出したんじゃないでしょうね?」
「いや、実は……そこのトイレで隠れて見てたらスッゲえ興奮しちゃって」
「もう! このバカ、ヘンタイ! ヘンタイッ!」
「ところでさ、奴隷ノート、後1ページだけになっちゃった」
「当然、私に書かせてくれるんでしょうね」
「やっぱ、そう来るよね」

 サトル君もそのつもりだったんだろう。もう彼の奴隷ではなくなった私は、ただひたすら大好きな恋人に戻ったサトル君に、ちょっと強く要求した。

『高橋悟は私の事を好きになる』

「芸がないなあ、一緒じゃん」
「じゃ、もっと書かせて」

 高橋悟は私と結婚して、子供を二人作る。高橋悟はいい会社に入って、お金持ちになる。高橋悟は絶対に浮気しない。高橋悟は……

「どんだけ無理なお願い書いてるの?」
「え~っ!? アンタ浮気するつもりなの」
「いや、だから結婚とか、まだ早いんじゃ……」
「いいからっ! よし、エッチしよ、サトル君! そこのトイレでねっ!」
「詩織の方がヘンタイじゃないか……」

 この場で彼を押し倒したい衝動に駆られたが、よく考えると私は貞操帯だけの裸だ。サトル君を無理矢理トイレへ引っ張っていき、貞操帯を外しウンチとオシッコをキレイにしてもらってから、便座に座らせた彼に私は抱き付き、結合を果たす。そして激しく腰を動かしていると、彼が情けない声を出した。

「も、もう駄目だよ、僕出ちゃう」
「いいの! 出しちゃって」
「マジかよ……」

 あんなに毎日エッチしちゃってたけど、中に出してもらうのは初めてだ。私は困っているサトル君を見てサディスティックな快感を味わいながら、搾り取ってあげるつもりでアソコを強烈に収縮させ、まだ残ってた彼の精液を出させる事に成功する。

「ふふふ~ん、見ててよ、サトル君」
「うわ、こりゃマジでヘンタイだね」
「アンタに言われたかないわ」

 その直後床に置いた「奴隷ノート」の最後のページに向かって、私は腰を下ろすと、指でアソコの中の液体を掻き出していく。ほどなく、私と彼の体液が混じった液体が『高橋悟は私の事を好きになる』の文字にしっかりと振り掛けられていた。

「ね、ねえ、お願いだ。早く服を着て!」
「どうしたの急に?」
「君がそんな恥ずかしい格好してるなんて、耐えられないよ!」
「ヘンタイな彼女って、嫌いなの?」
「ぜったい、イヤだあっっ!!」

――もう遅いよ、サトル君。ヘンタイ同士、仲良くしようね

 私はそれを着てもなお相当恥ずかしい、超ミニスカセーラーを身に着けながら、知り合った頃みたいに真っ赤になって恥ずかしがるサトル君を心の底からカワイイと思っていた。

< おしまい >

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