放送委員は目立たない ~若奥様侵略編~
「ふふ、忙しいところわざわざ来て頂いてありがとう、響さん。どうか自分の家だと思ってくつろいでね」
「ワタルで構いませんよ、立花社長。それにしても、まさかクラスメイトの立花さんがあの世界的な音響メーカーの社長の娘さんだとは思ってもいませんでした」
「うふふ、こちらこそ、アオイって呼んでくれて構わないわ。いつも、うちのミドリの面倒を見てくれて本当にありがとうね」
大手音響メーカー『タチバナ』の代表取締役社長、立花アオイは目の前の少年に対してニッコリとほほ笑みつつ、値踏みするようにその全身を観察する。
娘のミドリから話を聞いた印象ではどんな偏屈かと懸念していたが、予想に反して押しが弱く与しやすそうな少年ではないか。
少し気の毒な気もするが、我がタチバナ社の発展のためにこの少年には役に立ってもらうとしよう。アオイはひっそりとほくそ笑んだ。
……
立花アオイ。その天才的な経営手腕と開発センスによって、わずか32歳にして世界有数の音響メーカーとしての確固たるブランドを築き上げた、今を時めく敏腕経営者である。
その波乱万丈の生い立ち、そしてイノベーティブにしてチャレンジングなクリエイティビティ溢れるスピリッツは、よく「まるで特に深く考えずに書いたエロ小説の設定のようだ」と評される。紹介終わり。
そんなアオイにとって、家族との夕食の時間は業務から離れて心身をリフレッシュするともに、家族との交流や団欒のための貴重なひと時でもあった。だからこそ娘のミドリにも、必ず夕食の時間までには家に帰るようにと口を酸っぱくして伝えているのだ。
「ねえ、お母さん。実は少し聞いてほしいものがあるんだけど」
「あら、どうしたのそんな改まって、珍しいわね」
ミドリが少し言いにくそうな表情で話しかけてきたのは、そんなある日の夕食後のことであった。手の中には、親の顔よりもよく見た、タチバナ社が誇る売れ筋の高性能ヘッドホンが抱えられている。
「ううん……そんなに改まった話でもないんだけどさ、ほら、お母さんって普段から会社のこととか考えないといけないから、疲れが溜まってるでしょ? 実は、その……クラスの友達が趣味でヒーリング音楽を開発してくれてね、部活が終わった後に試作品を聞かせてもらったら嘘みたいに運動の疲れが取れてすっきりした気分になったから、データの入ったCDを分けてもらったの。それで……もし良かったら、お母さんも試してほしいなって思って」
「ふふ、ありがとう、優しいのね。じゃあ、せっかくだしお言葉に甘えちゃおうかしら」
ここ暫くは反抗期に入っていたこともあり、夕飯を一緒に食べていてもろくに会話もせずにさっさと自室に戻っていたというのに、今日はどういった風の吹き回しなのだろう。まあミドリのことだ、どうせ後で、買ってほしいものがあるとおねだりでもされるのだろう。全く、昔は本当に素直で可愛かったのに。
学校の出来事などを楽しそうに逐一報告してくれていた小さな頃のミドリの姿を思い出してしまい、アオイは小さく苦笑した。もちろん、いつまでもあの頃のままでいられても困る。子供にとって、親離れするために必要な成長過程なのだから。
たとえ打算に基づいたものであっても、娘からの気遣いがありがたくない筈もない。アオイは表情が緩みそうになるのを抑えながら椅子に腰かけ、ミドリからおずおずと差し出されたヘッドホンを装着する。
「う、うん……ありがと……ごめん、ね」
小声で謝罪の言葉を囁きながら、立花ミドリはプレイヤーの再生ボタンを押した。
……
「えっと、これでいいかな……お母さん、目を覚まして?」
「ん……ううん……」
小さな声を上げながら、アオイは目を開けた。気付くと、ヘッドホンが耳から外されている。時計を見ると、先ほどヘッドホンを手渡されてから15分ほど経過していた。
「ん……あら? 私……寝てた……?」
「ううん……多分、ヒーリングミュージックの効果で、軽くトランス状態に入っていたんだと思う。そうやって心身ともにリラックスさせることで、疲労を回復させるんだって……どうかな、効果あった?」
もちろん、これは真っ赤な嘘。実際にプレイヤーに入っていたのはヒーリングミュージックなどではなく、催眠音波とともにワタルが予めいくつかの暗示を仕込んでおいたものだ。
「そう言われてみれば……なんだか疲れが取れて、頭の中がスッキリしたみたい……。ミドリ、これを作ってくれたお友達に、今度お礼を言っておいてくれる?」
大きく伸びをして、肩をぐるぐる回しながらアオイが答える。お世辞などではなく、なんだか普段より体が軽くなったような実感があるのだ。
どんな音楽だったのかが全く思い出せなかったし、そもそもヒーリングミュージックで意識を失うなど聞いたこともない話だが、不思議なことにそのことに対しての疑問は全く湧かなかった。
「うん、分かった……ちゃんと効果あったって伝えておくね」
「ふふ……それにしても、少し乾燥してるせいかしら、なんだか喉乾いちゃった。麦茶ってまだ残ってたっけ?」
アオイはテーブルの上のグラスを手に取り、冷蔵庫を開くと、ラベルの貼られたペットボトルを取り出す。そしてスムーズな動作でペットボトルの中の琥珀色の液体をとくとくとグラスに半分程度注ぐと、一気に飲み干した。
ごきゅ、ごきゅと液体が喉を通る音がリビングに響いたのち、とん、とグラスが小気味の良い音を立てながらテーブルに置かれる。
「ぷはーっ、生き返ったー! それじゃ、お母さんは明日も仕事があるから先に寝ちゃうね。おやすみ」
「う、うん……おやすみなさい」
ミドリは申し訳なさそうな面持ちで、寝室に向かう母親の後姿を見送った。
……
「……お母さん、冷蔵庫の中のめんつゆをグラスに注いで、一口で飲み干してた。……飲み終わっても、何も気づかなかったみたい」
翌日の昼休み。あまり人気のない校舎の屋上で購買の焼きそばパンを齧りながらミドリは報告した。互いに、普段から昼食は一人で食べるタイプだったため、学校内で作戦会議をするにはこのタイミングが一番都合がよかったのだ。一方のワタルはメロンパンを頬張りながら答える。
「そっか、とりあえずは行動や味覚への干渉は問題なく作用してるみたいだね。だとしたら、仕込んである本命の暗示もちゃんと効いてくれていると思うから……一番の問題は、ミドリのお母さんが会社内でどの程度の発言力を持っているかだね」
「その点は、大丈夫だと思う……お母さん、思い立ったらすぐに行動に移すタイプで社内では通ってるみたいだし……お母さんの鶴の一声で始まったプロジェクトなんて年に何件もあるから、1週間もあれば社内で話を通して貰えるんじゃ、ないかな」
子供のように喜んでいるワタルとは裏腹に、ミドリは複雑な表情。
自分が通う学校をワタルに支配させるために自分の母親を洗脳しようとしている、明らかにこれは人道に反した行いなのだ。
にもかかわらず、この作戦によってワタルによる学園支配計画が何か月も早まるということを考えると、ミドリは自分の心中に反して、とめどない誇らしさすら湧き上がってきてしまうのを抑えられないのだ。
「そういうことなら、あまり大きく動くのも目立つし、とりあえずお母さんからの動きがあるまでは暫く静観かな……。もし、お母さんから設備導入の話を持ちかけられたら、手筈通りにね」
「う、うん……」
どうか、お母さんが冷静な判断力を発揮して、暗示の内容に抗ってくれますように。あるいは、会社の人たちがお母さんのことを止めてくれますように。
ミドリは、内心でそう祈ることしかできなかった。
……
「お母さんね、実は最近いいこと思いついちゃって! ほら、うちの商品って比較的高級志向だから、プロとか法人相手の取引は多いけど、なかなか若い人たちまでは浸透してないでしょ?
その状況を改善するために、若い人をターゲットに展開しようって動きは前から社内で検討してたんだけど、ブランド価値の維持を考えるとなかなか学生が手を出しやすい価格には下げられなかったのよね。
だから、手始めとして学生が身近に感じてもらえるように、学校とモニター契約を結んで学内の放送機器にうちの製品を導入してもらうのはどうかなって方針で会社で話を通したの!」
「へ……へぇ……」
興奮してまくし立てる母親に対して、ミドリは鳩が豆鉄砲でも食らったような表情でそう答えるのが精一杯だった。
無理もない。何せ、屋上でワタルと今後の相談をした、まさにその日の夕食での出来事なのだから。
「といっても、もちろんまだどの学校に導入するかの検討は始まってないんだけどね。もちろん社内でもある程度動いては貰うけど、私個人としても、一般的な学校で使われてる放送機器の環境とか使用状況とかを勉強しておこうかなって思うの。
それで、実はミドリにちょっとお願いしたいことがあるんだけど……やっぱりこういうことって、実際に現場で放送機器の扱いに携わってる人の声を聞くのが一番なのよね。
だから……もしミドリの知り合いで、日常的にそういう機器を扱っている人──例えば、放送委員の人とかがいたら、悪いけど紹介してもらえないかしら?」
ミドリは高鳴る鼓動を気取られないように意識しながら、シチューを掬いかけたスプーンを置いた。
「う、うん……いるよ、一人だけ」
……
「ふふっ、じゃあワタルさん。遠慮なく上がってね」
ミドリと共に客人をリビングまで案内しながら、立花アオイは思わぬ幸運に小躍りしそうになるのを必死で抑えていた。
何せ、求めていた放送委員がたまたま娘のクラスメイトだっただけに飽き足らず、音響に関する深い造詣を持ち、なんとこの前のヒーリングミュージックまで彼が手掛けたものだと言うのだ。そんな相手が自宅から目と鼻の先に住んでいるとあっては、もはや運命の導きとしか思えない。
この少年を味方につけることができれば、今タチバナが抱えている課題である若年層をターゲットとした商品展開を進めるにあたっての有効なアドバイスをもらえることだろう。それに、放送委員として学校に口をきいてもらえば、現在検討中の課題である放送機器の導入先の問題も一気に解決する。まさに一挙両得の作戦だった。
「ありがとうございます、アオイさん。……ミドリさんから聞いていた通り、ご自宅でもすごく本格的な設備を使われているんですね」
ワタルはリビングを見渡すと率直な感想を告げた。リビング自体の広さもさることながら、床の上と天井付近に、それぞれ2か所ずつ、木目調の外装が施された大きなスピーカーは、相当な存在感を主張していた。流石はタチバナの社長宅といったところだ。
「あら、ありがとう。娘から聞いているかもしれないけど、タチバナ社が総力を挙げて開発したモデルで、うちの自慢なの。
そうですわ、折角ですし──ミドリ。何か音楽でもかけてくれる?」
慣れた様子で娘に指示を出すアオイ。来客時、こうやってクラシックのCDなどをかけてもてなすのが、立花家のお決まりのパターンだった。
……
ワタルが立花家を訪れる、その数日前まで話は遡る。
「週末にお茶会でも」という名目で立花家に招待されたワタルは、早速自宅にミドリを呼び寄せ、当日に向けた作戦会議を進めていた。
「──というわけで、うちのリビングにあるスピーカーだったら、学校に導入する設備を考えるうえでいいサンプルになると思う。……もちろん、費用面の問題とかを考えると、学校に導入できる設備は数ランク下のものになるだろうけど」
ワタルはそれを聞いて、何か考え込むように顎に手を添えた。
「なるほど……来客向けのスピーカーか。正直、まさかこれだけスピーディーに話が進むとは予想していなかったから、実際に学校に高性能設備を導入した場合にどの程度の効果が見込めるかの試験がまだできていなかったんだけど……来客時に流すディスクの方に細工をすれば、お茶会の際に自然にスピーカーを使った催眠音波の実地試験もできそうだね。」
「……ちょっと待って、確か、スピーカーに催眠音波に乗せて命令する場合って、相手が命令を認識していない必要があるんだよね? うちの学校の場合は時間をかけて『お昼の放送の内容は重要ではない』って刷り込んであるから放送の内容に意識を向けないようにできたけど、学校の外ではこの手は使えないんじゃないの?」
少なくとも、今までにワタルから受けた説明ではそうだったはずだ。ミドリが素直な疑問を呈する。
「いい質問だね。ヘッドホンを使えば一瞬で催眠状態に落とせるから問題なかったけど、スピーカーの場合は催眠状態に落とさずに命令する必要があるから、「どうやって命令を認識させないようにするか」が大きな課題だったんだ。そのために利用していたのが『お昼の放送』のシステムだったんだけど──実は今回、新しい方法を試してみようと考えていたんだ。」
1日1回のお昼の放送を経由してしか操れないというのはあまりにも不便である。操りたいと思ったその場で命令することもできないし、多くのことを命令しようとすると貴重な昼休みの時間が命令だけで10分も20分も潰れてしまう。
「ミドリ。そういえば最初にうちに来てもらった時に、催眠音波の効果はスピーカーの品質に依存するってことは説明したよね」
「う、うん……」
「実はあの説明ではまだ半分でね。もう少ししっかり説明すると、催眠音波の効果は出力装置のような「ハード面」の他に、「ソフト面」……つまり、音声ファイルの方も関わってくるんだ。今まではデータ容量の関係でmp3を使っていたんだけど……今回はwav、それもハイレゾを使ってみようと思う」
「あっはい」
簡単に説明すると、マイクを使って普通に録音したデータがwavファイルなのだが、これはデータ容量が大きいという欠点がある。これを改善するために可聴域外の音の削除や音の精度を少し落としたものがmp3、逆にさらに音質を向上させたものがハイレゾである。ハイレゾ音源をきれいに再生するためには対応した再生機器が必要だが、ミドリの話を聞く限り、立花家の設備なら問題なさそうだ。
「もちろん、ハイレゾを使うことでの音質自体の向上も狙いではあるんだけど……今回は『もう一つ』の狙いがあってね。mp3ではカットされている部分……つまり、『可聴域外』の音を利用できないか……って考えたんだ」
可聴域。人間の場合は20ヘルツから2万ヘルツ程度の鼓膜振動を音として感じることができるのだが、ここを外れた周波数の音のことを可聴域外と呼ぶ。
「可聴域外の音は聞こえない……っていうのが今の定説なんだけど、実のところ最近の研究ではこの可聴域外の振動でも低周波被害なんかを引き起こすことが知られてきていてね。どういうことかというと、厳密には『聞こえない』訳ではなく『脳にはインプットされているけれど音としては認識していない』だけなんだ。今から、ちょっと実演してみるね」
それを説明すると。ワタルは一つの音声ファイルを再生する。PCのスピーカーから、ヴヴヴ……と低い音の振動音が流れ始める。
「さて、今流れているのが200ヘルツくらいの音だね。ここからさらに周波数を落としていくよ。150ヘルツ……100ヘルツ……80……60……」
異変が生じたのは50ヘルツ前後に差し掛かった時だ。急激に音が小さくなりはじめ、さらに周波数を下げていくと、20ヘルツに到達するころには何も聞こえなくなってしまった。
「今が10ヘルツくらいかな。さて、ご覧の通り、可聴域を外れると人間の耳には何も聞こえなくなってしまうわけだ──ここまでは問題ない?」
「──あの、ワタル。前にも言ったけど私、音響メーカーの娘だからね?」
得意げに解説するワタルの手前言い出しづらかったが、ミドリにとってはこんな、素人がインターネットでちょっと調べたかのような知識など、今更説明されるまでもない事実であった。
「あ、うん……そうだったね。気を取り直して──本題はここから。まだ理論上の段階ではあるんだけど、この可聴域外の周波数を使って、僕の開発した催眠音波、さらには命令を流してやれば、認識されないままで命令を耳に入れること──つまり、催眠音波を使ったマインドコントロールの条件を満たすことが可能なんじゃないかっていう仮説を立てたんだ。うまく行けば、学校で下準備に費やしていた手間のほとんどが省けることになるね」
「そんな簡単な方法で、本当にうまく行くの?……なんか、ちょっと論理に飛躍がありそうな気がするけど。第一、今はまだ理論上の段階でしかないんでしょ?」
ミドリは訝し気な表情でワタルを見遣る。この少年が天才なのは認めるが、少々思い込みが激しそうなきらいがある。そんなミドリを見ながら、ワタルは楽しそうに答えた。
「大丈夫さ。さっきまでは確かに『理論上の段階』だったけど……今はもう『実証済みの段階』だからね。
くすくす……それにしてもミドリ、制服の上からでは気付かなかったけど、おっぱい結構大きいんだね」
「へ? 急に何を言ってるのよ……大体制服なら今だって着て……えっ!?」
ワタルの視線の先を追って自分の体を見下ろしたミドリは思わず悲鳴を上げた。
無理もない。さっきまで確かに着ていたはずの制服一式どころか白の下着までが足元に脱ぎ散らかされ、一糸まとわぬ姿でワタルに相対していたのだから。
そう、ミドリの程よく膨らんだ丸い胸も、その頂点に色づく桜色の突起も。さらに言えば、股間に走る割れ目から、その周辺を覆う産毛まで。
ミドリの産まれたままの姿が、目の前の少年に対して曝け出されていた。
慌てて両手で体を隠してしゃがみ込むミドリ。
「い……いやっ!? いつの間にっ!?」
「ね、気付きもしなかったでしょ? この方法を使えば、例えば普通の音楽のメディアに可聴域外の周波数で催眠音波を仕込んだり……もっと極端に言えば、表向きは放送すら流さないままでも、リアルタイムで人を操ることが可能なんだ。もちろん、今みたいな無意識の行動に限らないよ。例えば……ミドリ、裸を隠さないでしっかりと見せて」
「へ……ちょ、ちょっと……ダメっ!」
ミドリの悲痛な声が部屋に響く。ワタルの命令を耳にしたとたん、足が本人の意思を無視して立ち上がり、体を隠していた両腕までもが背中の後ろに回ってしまったのだ。
家の外に悲鳴が聞こえると実験を中止せざるを得ない可能性があるため悲鳴の音量は抑えたものの、そうでなければ全力で叫びたかった。
見られている。今まで誰にも見せたことがなかった乙女の柔肌を、余すところなく隅々まで。
ミドリの両目の端に涙が溜まり、全身が羞恥に赤く染まる。
「恥ずかしがってる反応も、すっごくエロい……綺麗だよ、ミドリ」
「~~~っ! な、何よそれ! 最初の時に何もしてこなかったから、こういうことに興味のない研究オタクかと思ってたのに!」
「……そんな訳、ないだろ。あの時はそんな余裕がなかっただけさ。──僕だって、思春期を過ぎた男だからね」
「っ!?」
立ち上がったワタルのズボンの前が大きく張り詰めているのが目に入り、ミドリは息を呑んだ。
「……ねえ、ミドリ。これは研究への協力とは直接関係がない、個人的な話なんだけど──抱いても、いいかな」
──このタイミングでそれを聞くか?
心の中で突っ込みを入れながら、ミドリは頬を赤らめて目線を逸らす。
「アンタね……どうせ、アンタの命令一つで、私にどんなことでもさせられるんでしょ?
だったら──好きに、しなさいよ……」
「ま、そうなんだけどね……それじゃ、遠慮なく……」
ワタルは、産まれたままのミドリを抱き上げて、ベッドへと横たえた。
<終わり>
読ませていただきましたでよ~。
てぃーにゃんの方でも調べたのかもしれないでぅけど、WAVなどの説明に関してほぼそのまま使われると何とも言えない気分・・・
ものすごく簡単な説明だし、うろ覚え知識だしで間違ってる可能性もかなりあるので。
アオイさん、32で世界有数の音響メーカーの仲間入りさせるとかマジ敏腕でぅね。
そしてそこから何年後なのか、若奥様っていってるし30代は超えてなさそうなのでぅが、そうなるとミドリちゃんを生んだのがだいぶ若いでぅね。
それもアオイさんが共働きで育てたのか、それとも旦那が主夫してたのか、どっちにしろ敏腕でぅね。
無意識に脱がされて顔を赤くしてるミドリちゃんかわいい。っていうか、自分が何してるか理解しながらも動かされる肉体操作はやっぱりいいでぅね。
って、本番は次回なのか! 本当に次回なのか!?(朝チュンから始まりそう)
であ、次回も楽しみにしていますでよ~
>みゃふりん
感想ありがとうございます。
>てぃーにゃんの方でも調べたのかもしれないでぅけど、WAVなどの説明に関してほぼそのまま使われると何とも言えない気分・・・
>ものすごく簡単な説明だし、うろ覚え知識だしで間違ってる可能性もかなりあるので。
すみません、頂いたコメントを読んで思いついたネタだったもので・・・。まあ現実と合致していない記述もあるかもしれませんが、それ言ったらそもそも現実では催眠音波なんて存在しないので。
>無意識に脱がされて顔を赤くしてるミドリちゃんかわいい。っていうか、自分が何してるか理解しながらも動かされる肉体操作はやっぱりいいでぅね。
>って、本番は次回なのか! 本当に次回なのか!?(朝チュンから始まりそう)
まあその、肉体操作とエロを入れたかったのですが、うちの子がベッドシーン嫌がってしまって……。
ベッドで何があったかは脳内で補完してくれると嬉しいです。
「放送委員は目立たない」第一編と幼馴染陥落編、若奥様侵略編の一通りを読ませていただきました。
MCへの愛情と野望、そして主人公の執念(我々が叫びたくとも叫べないような叫び)を忠実に表現してくださって、深夜に一人叫びながら楽しませてもらいました。
我々が通常分かり得ない音楽データへの説明を、支持者のサポートのもと的確に、且つ分かりやすく説明されていて、とても助かりました。
因みに私は以前放送部で、いつも「部員が自分だけだったのなら自分一人で面白いことできるのにな…」というような発想で青春を過ごして参りました。
結局自分の理想とすることは何ひとつできませんでしたが、そのような妄想を回帰させ、当時の独りの興奮を思い出させていただいてありがたいです。
次回作も期待させていただきます(プレッシャーを与える様でしたらすみません)。
P.S. 前作のティーカさんとみゃふさんとの連携プレーに私は感動いたしましたので、若し私の元放送部員というスキルを使っていただけるのならば作品製作及びその他に協力させてもらうことはできないでしょうか?
非常に烏滸がましい願いではありますが、一考させてもらえると嬉しい限りです。
此処まで長文失礼致しました。
>月様
感想ありがとうございますー。
今回は、前半部でMCシステム面にスポットを当てつつも、支配が完了したら割といつもの感じで悪さをしようと考えております。
ちなみに登場人物たちはオーディオの専門知識ある人たちばかりなのですが、
私自身のオーディオの知識がそのへんの素人未満なので、そのあたりの記述はどんどんおざなりになっていきます。
>P.S. 前作のティーカさんとみゃふさんとの連携プレーに私は感動いたしましたので
いや、実際は全然連携していなかったりします。私の方が勝手に絡んでいるだけなので。
基本的に、会話とかの中で気が向いたネタがあれば勝手に作中に登場させますし、なければ登場させないです。
なのでまあ、何か思いついたことをコメントに書いていただく分にはありがたいですが、それを作中に出すかどうかは何ともいえないですw
わざわざ自分の拙い文章に返事をしていただきありがとうございます。
作品のネタについての返事もありがとうございます。
生憎私もオーディオ関連の知識は最小限(WAVEとMP3、MP4の違いくらい)しか分からないので、また報告できるようなことがあれば報告(または「勝手に言わせてもらう」ですが)させてもらうと思います。
参考になるかは分かりませんが、放送室の内部の構造と高校自体の構造について記憶の限りですが話させてください(自己満足)。
小高共に放送関連の仕事に従事させてもらったので、両方ともの説明はできますが、今回の設定では高校のほうを説明するのが筋と思いますのでそちらの方を。
高校の放送設備としては、生徒がいじることができる部分は全体ではなく、職員室と守衛室を含む3箇所で役割分担をしていました。
例えば、朝の放送とお昼の放送は放送室で、昼休み以外での呼び出しは職員室か守衛室で、下校時刻前の放送だと職員室から日直の先生がされている、という感じです。
それでも一番設備がしっかりしているのは放送室で、録音室という放送室の中でもさらに扉が重厚で、放送室の中からでも音が聞こえないような部屋があるのです。
なので、放送室に人が来ない限りはそこで勉強やゲーム機器を使用して遊んでいる人も居ました。
放送室のロケーション自体は2階の階段横にあり、高校1年生(当時)の私は教室から階段を降りずに廊下を走って放送室に向かっていました。
職員室は放送室のほぼ真上にありましたので、時々顧問の先生や生徒会関連の生徒などが活動の確認や放送内容の指示などに来ていました。
また、私が通っていた高校にはあちこちに監視カメラがあり、監視カメラがあるところを通らないと自分の教室にすら行けない、という感じです(教室内や放送室内などの場所までカメラはないですが)。
階段も厳密には違いますが、ほとんど同じような階段があみだくじと言いますか、廊下を含めると格子のようになっていたりいました。遊びで学校内で鬼ごっこをしている生徒などはその構造を利用して逃げていました。
立ち入り禁止の箇所ももちろんありましたが、先生の目を掻い潜って侵入すると、体育館に繋がる裏階段だったり、よくわからない倉庫に繋がっていたりしました。学校にはマスターキーが存在するという話もあったので、それを使えば侵入できたのかも知れませんが。
時間と字数などの都合で一旦は此処までにさせてもらいます。また思い出したことなどがありましたら勝手に書き込んでいるかもしれません。
この書き込みが少しでも貴殿の創作活動への発想の源となれば、私としても嬉しい限りです。
此処までの長文、失礼致しました。
オーディオ好きの思い出の一品を提供してきた
老舗の日系メーカーが沢山、
吸収されたり暖簾を降ろしていると聞きます。
時代も変わっていくし
技術のパラダイムもデジタル音源前提に
シフトしていくのでしょうね。
1人シミジミしてしまいましたが、
タチバナには引き続き色んな音を提供してもらいたいものです。
ミドリちゃんの心の動きも絶妙。
イヤだけど抵抗諦めてるっていう葛藤度合いがまた、絶妙です。一言でもっていきますねー!
堪能しました。