テレパスキッド 3

「思ったよりも早く来たのう。私のことなど忘れて、2、3カ月は遊び呆けるとばかり、思っておった」

 

 ミヤグニさんは、約1カ月ぶりに自分の家を訪れたダニエルを見て、微笑むような、あるいは単に顔の皺を伸ばすような、見ていて判断しづらい表情を作った。この言葉も、素直にダニエルの生真面目さを褒めてくれているのか、あるいは東洋人にはすぐわかるような皮肉を言っているのか、それとも別の意図があるのか、正直に言うと、よくわからない。こういう時にはダニエルは、疑問を極力顔に出さず、真剣な表情を作って「押忍っ」と言っておけば、どうにかなる、ということも理解しつつあった。

 

「センセイ。教えてもらった、氣を使う技術は、僕の想像を超えて、凄まじくて、素晴らしかったです。僕の学校生活は劇的に良くなりました」

 

「……………学校生活。……だけに留まっておったら、あまり心配はないのだが、どうせ他の場でも、褒められんことをしているだろうとは、想像しているよ」

 

 ミヤグニさんの言おうとしていることを理解すると、ダニエルの顔は真っ赤になった。ステファニーたちとのことを頭に思い浮かべる。もしかしたら、このアジア系の老人は、『氣』の動きを通じて、ダニエルの記憶や過去も読めたりするのだろうか? ステファニーとの初体験。実の姉、エミリーへのちょっとした悪戯。ステイトン先生に学校でフェラチオをさせて、それを今後もするということを約束させたこと………。全てを知られているとしたら、ダニエルはセンセイから罰を受けたり、破門されたりするのではないかと、心配になった。

 

「別に責めてはおらんよ。特殊で特別な能力を人知れず習得してしまったら、若くてエネルギーに満ちたティーンエイジャーが何をしだすかくらいは、誰に聞かなくてもわかる。全てに我慢を強いても、より不都合な暴発を起こすかもしれない。陰と陽のバランスを極端に壊すことをしなければ、あとは自然の成り行きに任せていくのが一番だろう。そう覚悟して、君に『イの壱』を伝授した」

 

「はい…………。それで、今日は、次の技法も教えてもらいたいと思って、来ました。先月で5人。今月、新しく1人。『氣の道』を繋ぎました。けれど、もっと色々と、出来ることがあるなら、知りたいんです」

 

 ダニエルはミヤグニさんの言葉に答えながら、内心、ホッと胸を撫でおろしていた。どうやらありがたいことに、『氣の使い手』は、「ジェダイの騎士」ほどは清廉潔白でなくても、許されるらしい。

 

「うん。………『イの技法』は常に人と人の精神を氣で繋ぐ。繋ぐという意味では、『イの弐』でも、『イの参』でも同じだ。だから、基本である『イの壱』を使いこなせていれば、比較的簡単に発展させられる。それは『ロの技法』についても、『ハの技法』についてもまた、同様のことが言える。だから、基本が一番大事なのだ。よく覚えておくように」

 

「押忍」

 

 

 その日の夕方、ダニエルはミヤグニさんから『イの弐』、『イの参』、そして『ロの壱』の技法を教えてもらった。『イの壱』の時は1つの技法を半日がかりで覚えたのに、今回は3つ。『イの技法』は『弐』も『参』も、『壱』の派生形だったので覚えやすい、ということはあった。そして、基礎が出来ると原理を追加して習得するのは早いということもあったのかもしれない。『ロの壱』まで教えてもらって、あとは実践あるのみと、委ねられた。

 

「イの壱も弐も参も、氣を繋ぐところまでは同じ。しかし誘導する氣の流れの方向が違う。ここに情報や感情が乗るから、原理を頭で理解するだけでは、うまく使いこなせない。実践を繰り返し、経験値を増やすことが必要だ。そして『ロの壱』は、氣をコードのように接続しっぱなしにはしない。単発の氣を、ボルトを捻じ込むように飛ばす。これもまた、頭で覚えるよりも、体と呼吸で習得すべきことだ。しばらくは実践に集中するのが良いだろう。そして、一連の動きに慣れて、頭で意識しなくても、氣を使いこなせるようになったと思ったら、また来なさい。それこそ、君たちがベースボールの守備で、捕球をしてファーストへ送球する一連の動きのように」

 

 ミヤグニさんは穏やかにそう言った。ダニエルはとりあえず曖昧に頷いた。最近のこの国のキッズたちはアジア人たちに思われているほどはベースボールをしないのだが、そのことをミヤグニさんに指摘するのは、やめておいた。

 

 

。。

 

 

 帰り道、ダニエルは自転車をダイナーの前で止めて、ちょうど店の中から出てきた、若い女性2人組に注目した。

 

(センセイも実践が大事って言ってたし………。さっそく試してみるか………。)

 

 ダニエルが呼吸のリズムを整えて、丹田に力を入れる。ボルトの形をした氣を2つ、自分のオデコから飛ばすイメージ。

 

『笑顔で服をめくって、ショーツを見せて。』

 

 実際に光るボルトが2つ、彼女たちの頭を目がけて飛んでいくのが見える。そして飛んで行ったボルトが回転しながら彼女たちの頭の中に入っていくように念じる。すると、お喋りを止めて、ビクンッと背筋を伸ばして直立した若い女性たちは、まるでマネキンのようにニッコリと、貼りついたような笑顔になった。そして手が下へ伸びる。ワンピースドレスの女性はスカートのすそを持ち上げる。スキニージーンズを履いている赤いショートヘアーの女性は、ジーンズをズルズルと押し下げていく。サマードレスの女性は白いショーツを、そしてジーンズをはいていた女性はそれを膝まで下ろして黒いTバックのショーツを、それぞれ布地の全体が見えるほど完全に露出して、笑顔で立ち止まっていた。

 

「ヒュー、ヒューッ」

 

「イェ―ッ!」

 

 ダウンタウンを歩いている通行人のオジサンが指笛を吹く。ダイナーの中から窓に貼りつくようにして眺めている飲食客もいる。

 

「キャアッ」

 

「なに? ……やだっ」

 

 5秒くらい、笑顔で直立してショーツを丸見えにしていた若い女性たちが、急に意識を取り戻したかのように慌てて服で下着を覆い隠す。2人は顔を見合わせて、居心地悪そうに駐車場へと走って逃げていく。それを見て腹を抱えて笑っていた太ったオジサンが、通りすがりの黒人のお兄さんとハイタッチをする。2人にとっては今日で一番ラッキーな瞬間だったのかもしれない。

 

(今は5秒から10秒くらいの間の効き目だったかな? 2人を同時に操作するのは、『イの壱』で2つの氣の道を作るよりも、気軽に出来たな………。それに、ターゲットの数に制限がないのも、ありがたい………。これは結構、使えるかもしれない。)

 

 ダニエルは、どんな使い方が最も効果的なのか考えながら家に帰る間、無意識のうちに笑顔になってしまっていた。まるでゲームのキャラクターが新しい必殺技や武器、あるいは魔法を手に入れた時のようだ。これを使ってどんなことが出来るだろう。これまで出来なかったこと、あるいは大変だったことが、一気に楽にならないだろうか。そうやってあれこれ考えている時間が、実際にゲームをプレイしている時間よりも楽しく、ワクワクすることがある。彼がまさに今、そんな気分でいた。

 

 

。。。

 

 

 金曜日の朝、ダニエルがステイトン先生に会いに行こうとすると、彼女が同僚のキートン先生と話をしながら歩いているのを見つけた。今日なら、周りの誰にも不審な思いをさせずに、スムーズにカレン先生と2人きりになれるだろうか?

 

 ダニエルは呼吸のリズムを変えて、氣を練りこんで飛ばす。昨日教わった『ロの壱』の技法。氣のボルトだ。飛ばした相手はキートン先生。快活に笑う、背の高い彼の頭に、ダニエルの氣の塊がボルトのような形状になって撃ち込まれた。

 

「……………カレン。ちょうどあそこに、ダニエルがいるよ。ほら、ダニエル・ランバート。大事な用があるんだろ? ………そちらの部屋を使って2人で話したらどうだい? なんだったら、僕が部屋の前に立って、誰も入ってきたり、ドアの窓から覗き込んだりしないように、ここで見張っていても良い」

 

 ダニエルはその言葉を聞いて、笑いを噛み殺した。キートン先生はいつもは頑固なP.E(体育)の担当教師だけど、氣のボルトを撃ち込んだだけで、ダニエルが彼に願った行動を、台詞まで一言一句変えずに現実のことにしてくれた。その表情を見ても、これが当たり前のことだと思っているようだ。その効果が何分続くのかは、実はまだあまり自身は無いが、カレン先生とちょっとした2人の時間を過ごすくらいの間は、持ってくれることを期待した。

 

「え? ………私がダニエルと? …………そんなこと、私、一言も言っていな………」

 

「ステイトン先生、キートン先生、おはようございます。せっかくキートン先生もこう言ってくれているので、2人で大事な話をこちらの教室の中ですることを『提案』したいと思うのですが、どうでしょうか?」

 

 ステイトン先生は両目を2回ほど瞬させると、今までの困惑の表情が一転して和らいだ。

 

「そうね。ダニエル。貴方の提案通りにするべきだと思うわ」

 

 先生とは『イの壱』の技である氣のコードが接続されたまま。『氣の道』が途切れていないので、あっさりとダニエルの『提案』を受け入れてくれた。

 

「どうぞ、入って…………。さて………と、大事な用って何だったかしら? …………あ、………もちろん、そうね」

 

 カレン・ステイトン先生は知性的な美貌が際立つ笑顔を見せる。ドアを閉じて早速ベルトを外し始めたダニエルの様子を見て、彼が何を求めているか、直ちに理解したのだ。さすがは才女で有名なステイトン先生。駆け寄ってくると床に跪くようにして、ダニエルのズボンを下ろす作業を手伝い始める。ズリ下げられたトランクスからダニエルのペニスが零れ出ると、一切の躊躇を見せずに、口を開けてパクッと咥えこんだ。ダニエルが求める時にはいつでもフェラチオをする。これがステイトン先生に刷り込んだ、ミッションなのだった。

 

「先生は僕が求めれば、いつでもブロウしてくれるんですよね?」

 

 ダニエルが見下ろしながら尋ねると、先生はダニエルのモノを咥えたままで、「えぇ、ほうよ」と、くぐもった吐息を漏らすように答えた。その声と息が、とてもセクシーに響きながら彼の股間あたりをくすぐったので、ダニエルは声を出して笑った。

 

(………本当に、先生がどう考えているのか、カレン先生の頭の中を覗いてみたいな………。そんな時は、『イの弐』だったかな? 確か氣の練りこみの途中までは、『壱』と同じだったよな?)

 

 実践あるのみ、とのミヤグニ・センセイの教えに従って、ダニエルは早速、昨日教わった、『イ』の技法のバリエーションも試してみることにする。すでに『イの壱』の氣の道が繋がっている、カレン先生の頭には、易々と2本目の『コード』が繋がった。

 

(………どうして私、こんなに大切なことを、忘れていたんだろう………。)

 

 小さな話し声のようなものが聞こえる。くぐもっているけれど、確かにカレン先生の声のように聞こえた。ダニエルは聴診器に耳をすますような気持で集中して聞きこもうとする。すると、彼女の思いが、音声だけでなく心のメッセージとして、ダニエルの頭の中に、よりスムーズに、よりクリアに流れ込んできた。

 

(私は、この子、ダニエル・ランバートが求めてきたらいつでも、彼のペニスを私の口で喜ばせなければいけないわ。これは、教師の仕事よりも、私の世間体や社会生命よりも、ずっと大切なこと。いえ、私は自分の命をリスクに晒すことがあっても、彼にフェラチオをするわ。)

 

 凄い、信念が伝わってくる………。ダニエルはここまで彼女が決意するように促したつもりはないのだが………、カレン先生の性格や精神力が、このような受け止め方になっているのだろうか。

 

(これほどまでに大切な私の使命を、どうしてたった今まで、忘れていたんだろう………。本当に不思議。……………それにしても、こんな大切な役割を授かるってわかっていたら、もっと、ダグとか、ジョッシュとかにも、ブロウジョブをしてあげていたら、練習になったのに………。)

 

 ダニエルが、男の人の名前をカレン先生の思考の中から聞き出して、興味を覚える。こんなにゴージャスでホットな先生だから、これまでにも恋人は沢山いたはずだけれど、教師としてのミス・カレン・ステイトン先生は何というか完璧すぎて、ボーイフレンドに付け入る隙を与えない人のように思っていたしまったのだ。

 

(カレン先生の恋人って、どんな人たちだったんだろう………。)

 

 ダニエルが興味を覚えると、まるで自動的に別の蛇口が開いて水が流れ出てくるかのように、彼の頭の中に、カレン先生の記憶が入ってくる。自分の過去のことを思い出そうとするときに記憶が蘇るプロセス。それとよく似たプロセスで、まるで自分の頭の外にあるもう一つの記憶のドライブから、データがダウンロードされてくるかのように、カレン先生の過去の記憶を『思い出す』ことが出来るようになっている。それはこれまで経験したことのない、不思議な感覚だった。

 

「………先生、高校の同級生だったダグラス・ホルトマンには、キスとペッティングしか許さなかったんだね。…………今、 そのことを後悔してる? ………でもダグとは大学の寮でセックスまでしたんでしょ?」

 

 ハッと息を飲む音。熱心に続けてくれていたフェラチオが止まる。見下ろすと、ステイトン先生の顔が真っ赤になっていた。

 

「…………ダグが、貴方に言ったの? ………いや、貴方がダグを知っている訳がない。接点がない………。どうして? ………」

 

 ステイトン先生はダニエルのペニスを咥えたまま、驚愕の表情でこちらを見上げている。その目には恐怖の色も浮かんでいる。いつもの威厳ある先生の姿とはずいぶん違う様子。それを見下ろしているだけで、ダニエルのペニスが先生の口内でまた少し大きくなった。

 

(先生は、僕が先生の秘密を知っていることについて、気にするのを止めよう。ブロウジョブに集中しよう。)

 

(………そう。私はもう、そんなこと気にしていても仕方がないわ………。今は、ダニエルのペニスを射精に導いてあげることだけに専念すればいい。そうよ。)

 

 氣のコードが2つ繋がれていると、ダニエルが念じたことがそのまま先生の心の声になってまた戻ってくるので、輪唱でもしているような気分だった。けれど、彼が指示したことを、このプライドの高い美人教師が何の疑いもなく受け入れて、復唱しているような時間は、悪い気分になるものではなかった。むしろ、征服欲が満たされる………。ダニエルは自分にこれほど、「征服欲」というものがあったということに、また少し意外な気がしていた。

 

 

 ダニエルはステイトン先生の口の中に、朝の元気なペニスからたっぷりと精液を放った。前回のように彼女の整った顔や立派なバストにぶちまけることも考えたけれど、この教室の外では、キートン先生が門番のように立っていてくれている。彼に埋め込んだ『ボルト』の効果がいつまでもつのかもわからなかったので、今日は後始末が簡単なように、彼女の口の中にすべての精液を収めておいた。

 

「先生。明日は土曜日だよね。11:00に僕のうちに来てよ。僕の家族や友人と一緒に、ホームパーティーを開きます。先生も参加してくれることを『提案』しておくね」

 

 ダニエルはそれだけ言うと、ステイトン先生の回答も聞かずに、ドアを開けて教室を出た。ダニエルが『提案』をした以上、カレン・ステイトン先生はそれを却下出来ないことを、もう充分理解していたからだ。

 

 

。。。

 

 

 土曜日の朝、ダニエルの家は朝から忙しかった。ベッドでゴロゴロしていたのはダニエル1人。ママは沢山の食材を買ってきて料理を作る。パパはママに頼まれて、庭でバーベキューの準備。エミリーは掃除機をかけて家中を丁寧に掃除している。彼女に至っては、朝から刺激的な「フレンチメイド」のコスチュームを身にまとって、掃除をしている。彼女が床に落ちているモノを拾い上げるたびに、黒地に白いフリルのあしらわれたスカートの奥に黒いパンティーが見えた。ダニエルが面白がってエミリーのお尻をパチンと引っぱたくと、いつもは強気な姉が、振り返って「ウィ、ムッシュー」とだけ、返事をする。軽く両膝を曲げて挨拶する彼女は、すっかりフランス生まれのセクシーメイドになりきっているかのようだった。

 

 お昼前には赤いセダンに乗って、ステイトン先生がやってきた。トランクから、ラッピングされた大皿出して、何往復もしながらダニエルの家に運びこむ。小さくカットされたサンドイッチやタルトなど、手のこんだ料理がダイニングテーブルに並べられる。先生は今朝、これらの準備のために、相当早起きしたらしくて、目が赤くなっていた。

 

 自転車でやってきたのは友人のトミー。何枚かとっておきのアニメのDVDを持ってきた。ダニエルは頼んではいなかったのだが………。

 

 そして最後に、ステファニー・マイルズが、お父さんの運転するフォードのSUV

 に乗ってやってくる。車を降りる時に、彼女の父親とキスをしたステファニーは、ポーチから玄関まで、ダニエルに手を振りながら小走りでやってくる。手に持っている荷物は、彼女が焼いた手作りクッキーだろう。ドアのところで抱き合ってキスをするステファニーとダニエル。親友同士のキスにしては長すぎる、情熱的なキスをした後で、ダニエルが振り返る。ソファーに座っていたトミーが目と口を限界まで開けて、硬直している。今日、彼も誘ったのは、まさにこんなリアクションが見たかったからだと言っても良い。

 

「ステファニー。座って。みんな、食べたり飲んだり、自由にしよう。今日はパーティーだ。ちょっとくらい、羽目を外しても良いよね? 先生?」

 

 ダニエルが呼びかけると、笑顔のステイトン先生がキッチンからリビングへ歩いてくる。手にしているのはトレイと、その上に載せられた半ダースほどのワイングラス。泡立っている、薄く黄色がかった透明な飲み物は、シャンパンのようだ。またトミーが目を見開いて硬直してしまった。

 

「彼が…………。今日は特別な日だから、いつものルールやモラルは当てはめるな、って、彼が提案するものだから、断れなくって…………。トミー。あまり、見ないでちょうだい」

 

 恥ずかしそうにステイトン先生が目を伏せながら言う。彼女は黒いスパンコールの水着を着てシャンパンをダニエルたちに給仕しにやってきたのだ。彼女のダイナミックなプロポーションが際立つ、ハイレッグで露出多めの水着。肩から脇にかけて大きくくりぬかれているデザインのせいで、バストの横部分が見えてしまっている。男の気を惹くためだけに作られたような、セクシーな水着。その目的は、リビングで充分に果たされていた。トミーは呼吸も忘れてしまったかのように、美人教師の大胆で過激な姿に見入ってしまっている。

 

「ステファニー。トミー。乾杯しようよ。学校の先生に渡してもらって堂々と飲むシャンパンは最高だよ、絶対」

 

 ステファニーはダニエルの真横に座って、自分の体を密着させるように腕を絡めながら、ダニエルに言われて先生からシャンパングラスを受け取る。少し迷っていた真面目な彼女も、最愛の恋人、ダニエルに促されたら断れずに、ダニエルと乾杯する。

 

 カチンッ

 

 薄いグラス同士が軽くぶつかる音。ダニエルは、反対側に少し距離を置いて座っているトミーとも乾杯しようとする。トミーは美しいステイトン先生があられもない姿で近づいてくると、生唾を飲み込んだ。ギコチない仕草でシャンパングラスを受け取るトミー。

 

 カチンッ

 

 グラスを軽くぶつけるタイミングが微妙にズレてしまったせいで、トミーの手に持ったグラスの3分の1くらいのシャンパンが、ソファーに零れてしまった。

 

「あっ………ゴメン」

 

「よそ見してるからだよ。………グラスをちゃんと見ろよ」

 

 ダニエルは余裕の笑い声を出す。それが難しいことは、ダニエル自身もよくわかっていた。何しろ学校で評判の美人教師、ゴージャスでホットなステイトン先生が、黒くてキワドイ水着姿で目の前に立っているのだ。目を逸らせという方が無茶な要求かもしれなかった。

 

「エミリー。ソファーが濡れたよ」

 

「ウイ、ムッシュー」

 

 リビングに入ってきたエミリーの、フレンチメイド姿を見て、またトミーが口をあんぐりと開ける。彼の驚きようときたら、本当に。今日、帰るまでにトミーの顎が外れてしまわないか、ダニエルが心配になるほどだった。

 

「ウ、ラ、………ラァ」

 

 陽気で働き者のメイドは家の中が綺麗になるのが心から嬉しいらしい。ハンドタオルでソファーを丁寧に拭く。その仕事への集中っぷりは、短めのスカートが後ろでめくれあがって、トミーの目の前で白いパニエに周囲を包まれた黒いレースのパンティーと、ダイナミックなヒップとが丸見えになってしまっていることに、全く気づかないほどだった。

 

「エミリーって、…………ひょっとして、僕をからかってる? …………君とポーカーして大負けしたとか? …………一体、どうなってるの?」

 

 トミーがダニエルに体を近づけてきて、肘でダニエルの二の腕をつつく。ダニエルは余裕の表情で肩をすくめてみせた。

 

「ちょっとした心境の変化みたいだよ。………もともと、学校で君たちの前で見せるほど、女王様キャラでもないんだよ、エミリーは。………ねぇ? 姉ちゃん」

 

 トミーとステファニーが見ている目の前で、エミリーの突き出された丸いお尻をパチーンとはたいてみせるダニエル。トミーとステファニーが息を飲む。ステイトン先生までトレイの上のシャンパングラスを落としそうになった。

 

「ワオッ………」

 

 跳ね上がるように上体を起こしたエミリー。頬っぺたをプクッと膨らませて、両手を腰に当てて、「怒っている」というポーズは取ってみせるけれど、本当に怒ってはいないようだ。人差し指を突き出して、チッチッチッと左右に指を振って、ダニエルをたしなめたあとは、ウインクを1つ、振り向きざまにダニエルたちに投げかけると、またハミングをしながら上機嫌にお掃除に戻っていった。

 

「ダニエル、こんなのありえないよ。キャラクターの違いどころじゃない、別人になっちゃってる。エミリーが、映画で見るみたいな、フレンチメイドだ。だけど僕だったら、メイドさんといえば、ジャパニーズ・アニメに出てくるみたいな、萌えるキャラクターデザインでお願いしていたと思………」

 

「トミー。良いかい。今日は特別なホームパーティーなんだ、あんまり『細かいことを気にせずに、非日常を楽しもう』よ。………いいね?」

 

 ダニエルが氣のボルトを飛ばして打ちこむと、トミーの表情が蕩けるように緩んだ。

 

「あぁ………OK。ダニエル………。パーティーだもんね………。楽しみだよ」

 

「ステファニーも………。いいね?」

 

 彼女にはボルトを送る必要もない。繋がっている氣のコードを通じて命じるだけで、ステファニーもトミーと同じように表情がトロトロに蕩けた。もっとも、その顔はトミーの呆けた顔の1万倍可愛いのだけれど。

 

「肉も焼けてきてるよ。好きなだけ食べるんだよ」

 

「そうよ。皆さん、ランバート家へようこそ、今日はキッズたちが羽目を外しても、私たちゴチャゴチャ言わないわ。皆も固いこと言わずに、思いっきり楽しんでいってね」

 

 庭に繋がる窓から顔を出したパパのポールも、トミーと同じように蕩けたような笑顔を見せている。そしてキッチンからミートパイの大皿を持って来たママのルシールは、なんと裸の上に直接エプロンを身に着けていた。それを見て、トミーは手を叩いて喜ぶ。どうやらトミーは年上の女性も大好きみたいだ。素直な反応に、ダニエルも少し気分が良くなる。もっとも、その相手が自分の母親だというのは、若干微妙な気持ちが残らなくもないが。。。

 

 ダニエルがリモコンを手にして、オーディオシステムからアップビートなパーティーミュージックをかける。「フーゥゥッ」と叫んで、エミリーが体をくねらせ始める。ママは腰を左右に振りながら、キッチンから次々と大皿をダイニングテーブルへ運んでくる。ステイトン先生も手に持ったトレイを傾けないように気をつけながら、巧みにステップを踏む。ソファーに座っていたステファニーまでもが立ち上がり、小さく飛び跳ねながら頭の上でハンドクラップを始めた。美女や美少女たちが楽し気に音楽に乗って踊るさまを見て、ダニエルとトミーも、お互いの顔を見合わせた後、頷き合って立ち上がる。手元のグラスに残っていたシャンパンを一気に喉に通して、ダンスに混ざる。美味しい料理と、次々に焼かれる厚切りの赤みの肉。大音量の音楽と美女とお酒。これだけ揃ってこそ、本物のパーティーだと、心から思った。

 

 串に刺された肉と玉ねぎ、ピーマン。ダニエルは野菜はエミリーに食べてもらうことにして、肉だけを頬張る。串を手にして、寄り添うようにダニエルが食べるのを手伝ってくれているのは愛しのステファニーだ。庭で外気に触れながら食べるビーフは一味違う。真っ青な空の下、カラッと乾燥した風に吹かれて、ダニエル・ランバートはようやくカリフォルニアの気候を心の底から好きになりつつあった。特に、隣で食事を手伝ってくれるのが、学年指折りの美少女なのだから、浮かれない方がおかしい。そしてカリフォルニアでも、また彼の東海岸の生まれ故郷でも、未成年がアルコールを買うのは本当に難しい。それなのに、今日に限っては、高校の先生自らが、お酒を薦めて給仕してくれているのだ。シャンパンがもたらす甘い酩酊のせいで、ダニエルは体がフワフワと浮き上がっているような気分で、肉に食らいついていた。

 

「今日は日差しも強いから、水浴びすると気持ち良いと思うよ。君たち、ウェットTシャツ・コンテストをしようよ」

 

 ダニエルが言うと、ステファニーが目を丸くして赤面する。姉のエミリーは馬鹿にされたかのように怒った表情になる。ステイトン先生は困った顔で思案する。けれどダニエルがちょっと念じるだけで、みんなの表情が生き生きと輝く。

 

「素晴らしいアイディアね、ダニエルッ。私、ダンスは上手じゃないけれど、貴方に見てもらいたいっ」

 

「ステファニーとカレン先生に、私のTシャツを貸せば良いのね? ………今すぐ準備する」

 

「ダニエル。貴方の提案って、どうしていつも、そんなに説得力があるのかしら。………私に反論を考える余地すら、与えてもらえないのね。こうやって見ると、確かに最高のウェットTシャツ日和じゃない………」

 

 オーディオシステムの、スピーカーをトミーと、パパのポールがリビングから運び出す。無線でリンクされているから、庭で爆音を鳴らすにはピッタリだ。短い時間、カーテンが閉められたリビングルーム。そのカーテンの間から、着替えが終わった順に、エミリーが、ステファニーが、ステイトン先生が、そしてママのルシールまでもがリズムに乗ってステップを踏みながら笑顔で庭に降りてくる。皆、白地のTシャツに身を包んで踊っている。その裾から、ステファニーのピンクのショーツがチラチラと顔を出す。ステイトン先生のハイレッグの黒水着や、エミリーの黒レースのパンティが透けて見える。ルシールの赤いショーツが見え隠れする(ママには特に下着の指定などしていないのに、1番目立つ色を、自然と選んでいるなんて!)。

 

「キャッ………冷たいっ。…………もう、ダニエルってば………」

 

 ダニエルがホースの口先を構えて、そこから噴き出し始めた水をステファニーの胸元にかけると、濡れたTシャツの生地は彼女の素肌にペッタリと貼りつく。丸くて形の良いオッパイと、その真ん中にある突起が、濡れたTシャツにクッキリと浮かび上がる。明らかに、彼女はシャツの下にブラを着けていない。それが丸わかりの状態を少し恥ずかしがりながらも、ステファニーはダニエルに向けて、踊りながら照れながら、胸を敢えて揺すって見せる。いかにも柔らかそうな胸がフルフルと、濡れた布地をまといながら形を変えつつ揺れる。

 

 アップビートなBGMに乗って、体を揺すって腰を左右に振っているエミリーにも、ダニエルはホースを向ける。ビニールの口を指で押しつぶすように変形させると、水流が強くなる。エミリーのヒップが左右にスイングするのに合わせ、ターゲットを追うようにして、強い水流を当てると、彼女のお尻の頬が、水圧でほんの少しだけ凹む。そこから伝わってくる強そうな弾力も、男子たちの目を楽しませる。

 

「ちょっと………水、強すぎない? ……………もう…………」

 

 エミリーは少し眉をひそめながらも、お尻のバイブスを止めない。男子たちの目を意識して、よりダイナミックで煽情的なブーティーダンスに入る。ダニエルの隣で、トミーが絶叫した。歓喜の声援だ。

 

「こっ………、コラッ……。ダニエル………。アッ、…………ちょっと………そこは………」

 

 大人っぽく、セクシーに身を捩らせるステイトン先生の全身に水をかけて、彼女の見事なプロポーションを際立たせた後で、ダニエルはエミリーにかけたような強い水流を、ステイトン先生の胸の乳首あたりや、股間の下あたりに集中的に当てる。時々、体をヒクヒクっと震わせながら、先生のダンスがさらに色っぽく、魅惑的になる。まるで踊りながら男子たちを誘っているような、狂おし気なダンス。ダニエルも気がついたらズボンの中でペニスがクッキリと立ちあがってしまっていた。

 

 ルシールのダンスは………。とても陽気で、笑顔を振りまきながら、肩と腰でリズムを取ってステップを踏んでいる。息子のダニエルとしては、コメントがしづらいものだったけれど、とりあえずパパのポールが嬉しそうなので、良かったと思うことにした。

 

 最初は、体のラインをクッキリと浮かび上がらせるために美女たちに水をかけていたはずが、すでに濡れたTシャツの生地が彼女たちの素肌に貼りついて、素肌が透けるほどになった後は、むしろ彼女たちの肌の弾力を確かめるために水をかけていた。男として興味をそそられる女性の体の部分に、執拗に強めの水流を当てていくダニエル。ダンスの観衆というよりも、職人のような表情でホースの向きと角度を調整することに熱中していた。

 

 曲が終わると、ダニエルも我に返ったように、少しだけ冷静さを取り戻す。けれどせっかく、裸同様に体のラインが出てしまっている彼女たちに、その見事な曲線美を隠させるようなつもりはなかった。とりあえず拍手で皆を労うダニエル。

 

「ウェットTシャツ・コンテストは、全員優勝ってことで、皆、おめでとう。でも、次のコンテストでは、はっきりと勝者と敗者が出るよ。みんな頑張ってね。…………次の競技は、バブルダンス・コンテスト。ちょうど皆、水をかぶった訳だから、このまま、石鹸の泡をまとって、さっきまでよりも、もっと大胆にセクシーに踊ってよ。エミリー、バスルームに、お姉ちゃんが買った、バブルバス用のソープボトルがあったよね? 持ってきてよ」

 

 ダニエルが実の姉をアゴで使うような口調で指示すると、エミリーもさすがに何か言い返そうと、まだ肩で息をしながら、大きく息を吸う。その間に、ダニエルは『氣の道』から短い指示を送り込む。エミリーは軍隊の新兵のように「気をつけ」の姿勢になると、直ちに家の中、そしてバスルームへと、お尻の肉をダイナミックに揺さぶりながらダッシュしていった。

 

 エミリーはバスソープとタライを持って戻ってきたエミリーに、ダニエルが何も言わずに頷くと、彼女は文句の一言も言わずに、黙って作業に入る。ボトルに入っているソープを全てタライに注ぎ込んだ。ダニエルが器の半分くらいまでホースの水を入れると、彼女が両手でかき混ぜる。数秒も経たないうちに、タライが白くて細かい泡で溢れた。タライの高さの3倍くらいまで、大きく盛り上がる泡の塊。

 

「ステファニー、ステイトン先生。………あと一応、ママとエミリーも、今度は泡をシャツの代わりにして体を覆ってよ。Tシャツはもう、いらないよね」

 

 ダニエルに『氣の道』を通じて命じられると、彼女たちはどんなに恥ずかしいことでも拒めないようだ。3秒ほど赤い顔でお互いに視線を交わしたあとで、仕方なくダニエルたち男性陣に背を向けて、Tシャツを手で捲り上げ、脱いでいく。肌にベッタリ貼りついてしまっている布を脱ぐのは相当難しいらしくて、彼女たちはお尻をプリプリ振って、体を捩るようにしてようやく白い布を体から離していく。綺麗でスムーズな背中。広い面積の白い素肌を見せてもらって、改めてダニエルたちはじっとりと汗をかきながら美女たちの行動を食い入るように見つめた。

 

 やっとシャツを脱いで、ショーツ1枚はいているだけの姿になった美女たちは、腕で胸元を隠しながら、タライを囲むように集まって、もう片方の手で泡をすくっては自分の体につけていく。きめの細かい泡は意外と頑丈で、彼女たちのバストは白い泡のビキニトップのようになったバスソープで守られることになった。

 

「しっかり服の代わりになってくれそうだね…………。じゃ、下も泡だけで充分かな?」

 

 ダニエルが悪戯っぽく言うと、美女たちはショックを受けて息を飲む。けれどダニエルが心の中でわずかな氣の操作を行うともう、次の瞬間には彼女たちは行動に映っていた。濡れたピンクのショーツ、切り取られていたワンピース水着のボトム部分、レースの黒いパンティに、赤くて派手なショーツ。4つとも、ポイ、ポイと、放り投げられる。美女たちは慌てて残っている泡をすくいあげては、自分のお尻や股間に塗りたくる。これでやっと、4人の素敵なバブルショーダンサーズが出来上がった。

 

「じゃぁ、ミュージック再開するよ。今度はキッチリ、勝ち負けを判定するからね。敗退者はペナルティとして、うちのクルマを、そのままの格好で洗車してもらいます。みんな張り切って、セクシーに踊って、僕らを魅了してよ」

 

 ダニエルがリモコンのボタンを押すと、またアップテンポなパーティーミュージックが大音量でスピーカーを震わせながら鳴り響く。ダニエルが憧れてきた美少女、彼に上から目線で接してきた姉、厳しい美人教師、そしてお喋りな母親が、音楽に急き立てられるように、慌てて自分のスペースを探して、距離を取りながら踊り始める。さっきまでは、戸惑いまじり、恥ずかしそうに体でリズムを取っていたステファニーが、頭をガクン、ガクン揺らしながら、肩も上下させて踊る。彼女に出来る精一杯のセクシーさを表現しようとしているようだ。泡に包まれたオッパイがプルンプルンと軽快に揺れる。どこまでいっても可愛らしいダニエルの彼女。ステファニーのダンスだった。

 

 エミリーはもう、開き直ったかのように、ボーイズに背を向けて、足を肩幅まで開き、膝を曲げずに体を折り曲げて、突き出したヒップをブルブルと小刻みに振る。肉厚なお尻が揺すられるたびに、小さな泡が空中を舞う。両手の人差し指と中指を口に入れて指笛を吹いていたトミーが、満面の笑顔になりながら、その漂っている小さな泡を顔で受ける。トミーがここまで喜ぶとは思わなかったので、ダニエルまでも、なんだか嬉しい気持ちになった。

 

 全身の30%くらいを白い泡で覆われたステイトン先生は、さっきからさらにグッとアダルトなムードが増した表情と仕草で、音楽に合わせて自分の体を両手で撫でまわしている。ソープが伸ばされた肌はテカテカと妖しく輝く。学校では真面目な言動を崩さない、ホットでゴージャスな先生が、今、ダニエルやトミー、さらにダニエルの父のポールを、飢えたような表情で見つめながら、指先で少しずつ、自分の体にまとっている泡の塊を拭っていく。その仕草が繰り返されるたびに、彼女のスタイル抜群の体のうち、肌が見える部分の面積が広くなっていく。バブル・ソープ・ダンスというシチュエーションをとっても賢く活用した、大人の先生ならではの男の目の楽しませ方だ。今では彼女の立派なバストの横側はほとんど、泡がこそぎとられて、素肌が露出してしまっている。

 

 そしてママのルシールも………。陽気にポールを楽しませていた。(ダニエルはあまりママに意識を向けないようにしていた。)

 

「フリーズッ!」

 

 ダニエルがそう叫んで、リモコンの静止ボタンを押す。ミュージックだけではなく、4人の美女たち全員が、急に動きをピタリと止めた。笑顔やそれまでの表情は変えずに、全身を硬直させたまま、目だけが少し不安げに、キョロキョロとダニエルの様子を伺う。

 

「トミー。せっかくの楽しいパーティーだから、思い出のために写真を撮ってよ」

 

 ダニエルが言うと、貼りついたような笑顔のまま、ダンスの途中のポーズで硬直した美女たちが、両目を丸くする、特に先生やエミリーは何か言いたそうに口元や体をプルプルと小刻みに震わせているが、ダニエルが彼女たちを「解凍」しないので、1インチも動けないままだ。

 

「良いのかな? …………じゃ………じゃぁ、撮るよ………」

 

 トミーが携帯電話を取り出してレンズをダニエルと、彼の一番近くに立っているステファニーに向けると、ダニエルは悪戯っぽい表情で顔を彼女の小ぶりだけれど形の良い美乳に近づけた。

 

「3………、2…………、1…………。セイ、チーズ!」

 

「フゥゥッ…………チーズ!」

 

 ダニエルは、ステファニーのオッパイから2インチくらいまで自分の顔を近づけた後、シャッター音が鳴る直前に、顔を横に向けて、大きく息を吹く。ステファニーの胸に残っていた泡の塊が吹き飛ばされて、ピンクの乳首が曝け出されてしまった。その乳首まで露出されている美乳の横で、誇らしげな笑顔で写真に収まるダニエル。ステファニーはダンスポーズのまま、真っ赤になった固い笑顔で一緒に写真を撮られてしまった。

 

「じゃ、今度はトミーを撮ってやるよ。…………せっかくだから、エミリーと一緒に映りたいだろ?」

 

「………え? …………どうして俺がエミリーのことを…………って、わかったの?」

 

 不思議そうな顔をしながら携帯電話を渡してくるトミーと場所をスイッチしながら、ダニエルは首を左右に振りながら肩をすくめた。彼が気づかれないとでも思っていたことの方が、ダニエルにとっては驚きだった。

 

「ハイ………。エミリー。僕、君の弟の友達で、トミーって言います………」

 

 今更な挨拶を、ブーツィー・ダンスの途中のポーズで股を開いているエミリーにしはじめるトミー。エミリーはダニエルに何か文句を言いたそうな顔をしている。

 

「せっかく写真を撮るんだから………。エミリーはもっとハッピーになろうよ。トミーももっと素直な自分を出した方が良いな。…………OK? ………3、2、1! いいね! もう1枚。次が最後だ………」

 

 ダニエルがエミリーには『コード』を通じて、トミーには新しい小さなボルトを飛ばして指示を出すと、2人はパーティー・クレイジー人間のように100%の笑顔で、写真に収まってくれる。トミーは自分を出しすぎだろうか? エミリーのお尻を、両手を使ってカメラの前でより広く開いてみせたり、お尻の横側をベロを突き出して泡をすくうように舐め上げてしまったり、最後は泡にまみれることも構わずに顔をエミリーのお尻から股間にかけてのあたりにムギューッと押しつけて見せたりした。面白い写真が何枚も撮れたことだけは確かだった。今度、エミリーと口喧嘩になったら、『氣』 を使わなくても、この写真を見せたら大人しくなりそうだと思うと、ダニエルもカメラを構えながら思わず笑いだしていた。

 

「石鹸ってやっぱり、苦いな…………。君の姉さんのヒップは最高にスイートだけど………」

 

 まだいつもよりも自分を素直に曝け出しているトミーの肩を叩きながら、ダニエルは悪友と2人で、学校で評判の美人教師に近づいて、彼女を挟み込むようにその左右に立った。携帯電話は今、父、ポールの手にある。そして彼の頭にはダニエルがさっき、『息子のリクエストに、スーパー・サポーティブになる』というボルトが押し込んでいた。

 

「凄いフォトジェニックだ。ダニエル………、トミー。君たちはこんなゴージャスでファンタスティックな先生の授業を受けているんだな、幸せ者だぞ。ましてやこんな、………セクシーすぎる姿まで………」

 

 ブツブツとカメラを構えながら呟いているポールには、連写をしてもらうことにして、ダニエルはステイトン先生の左のオッパイから細かい泡をほとんど拭い去ってやった。立派なバストが丸見えになる。トミーもダニエルの動きを真似る。両手を頭の上で重ねて、身を捩らせるように内股になったポーズのままで硬直しているステイトン先生の、左右のオッパイをダニエルとトミーが夢中で吸い上げた。ステイトン先生は困ったような、あるいは感じているような表情で、固まっている。左右からステイトン先生の両乳首を思いっきり吸っている写真を撮ってもらうと、ダニエルはなんだかトミーと完全な親友になったと感じた。せっかくだからカレン先生には、股間あたりの泡も全部落としてもらう。そして、マネキンのように強張っている彼女の両手を頭の上から股間まで持ってきて、まるで彼女が生徒の家の庭で全裸で自分からマスターベーションに耽っているようなポーズを取らせて、クロースショーットから引きのショットまで何枚もポールに撮影してもらった。仰け反りながらマスターベーションに励む先生の頬に両側からダニエルとトミーがキスをする。そんな写真も、よりよってパパに撮ってもらったのだった。

 

 

「はい、みんなお疲れ様。………じゃ、とりあえず、勝者は…………。ミス・ステファニー・マイルズで決定です。賞品は僕、ダニエルとのラブラブなファックです」

 

 フリーズ状態から解放されて、自分の体を腕で隠しながら立っている4人の美女に、ダニエルは元々決まっていた優勝者と賞品を宣告する。ステファニーは恥ずかしさと嬉しさが入り混じったような表情で、自分の口を両手で覆っていた。

 

「残りの3人は残念ながら敗退者です。その恰好のまま、ガレージに移動しましょう。裸でカーウォッシュですよー。パパ、案内してあげて。トミーも罰ゲームがきちんと完遂されるか、見守ったら良いよ」

 

 ランバート家の新居のガレージは木の扉が開閉するようになっている。その扉を閉めると、外から中の様子はあまりわからない。本当だったら洗車はガレージの外でするか、扉を開け放って換気しながらするものだが、今日は美女たちの全裸カーウォッシュ・パフォーマンスのためにほとんど閉めておく。ポールの愛車が、今度は車用の洗剤の泡に覆われていく。そして自分の体にも洗剤を塗った美女たちが、仕方なしにまたセクシーでスキャンダラスな体の動きを見せながら、体を車に擦りつけていく。

 

 すっかり自分の殻を壊したトミーが、ポールを誘って(!)、車内に入り、車が現れていく様子を中から観察する。すると分厚く真っ白な洗剤の泡に覆われて暗くなっていたウィンドシールドガラスに、突然、2つの肉の塊が押しつけられて泡を押しのける。変形するほど押しつけられたそのボリューミーな2つの丸い塊は、ズルズルと上へ上がっていく。するとそこに女性の肌が見える。オヘソまで見える。ステイトン先生の巨乳が、正面のガラスを洗っているのだ。ボンネット(フード)に膝立ちになって、両手で車のルーフを掴んで、身をくねらせるようにオッパイで円を描き、ガラスから泡を押しのけていく彼女の体。ドライバー席とパッセンジャー席でそれを見ているトミーとポールは、手を取り合って歓喜の声を上げながら、必死に真正面を見つめている。まるでドライブインシアターで、最高のブロックバスター映画を鑑賞している、つきあいたてのカップルみたいだ。

 

 サイドガラスにリズミカルに円を描きながら洗っていくのは、エミリーのお尻。リアシートの窓からBピラー、フロントシートの窓からAピラーまで、後ろから前へ来る順番でトミーの真横を通り過ぎていく彼女の迫力あるヒップは、内側から窓に顔を押しつけて、窓越しに彼女のプッシーに口づけしようとするトミーの顔を通り過ぎていくと、外側に突き出たサイドミラーを、お尻の谷間に挟み込むようにして腰を突き上げてミラー掃除までしてくれる。まるでトミーにおあずけをくらわせながら、なおも誘っているかのような、卑猥と言った方が良い腰つき。実の弟であるダニエルから見ると、姉のエミリーにお尻を押しつけられて洗われている車というのは、一体、綺麗になっているのか、汚くなっているのか、よくわからない気もするのだが、車内で悶絶しているトミーにとっては、これはまるで車ごと自分が清められていく、恍惚の宗教的儀式にでもなっているかのようだった。

 

 そしてドライバー席側のクルマの横側は、ルシールに、ムチムチの体を駆使して洗い上げられているというか、シゴきあげられている。ここの詳細な観察は、夫であるポールに任せることにした。

 

「みんな、ご苦労様。………あんまり洗車に夢中になりすぎて、自分の肌を傷めたりしないように、気をつけてね。あと、車内の2人は、間違っても車内をうっかり汚さないように。また明日から僕も乗らなきゃいけない車だからね」

 

 聞こえているのかどうか自信が持てないが、とりあえずそれだけ伝えると、ダニエルはステファニーの肩に手を回して、2人でガレージを後にした。

 

 

 家の中に戻ったダニエルがステファニーに提案したのは、このままキッチンでセックスすること。彼のことを心底愛しているステファニーは迷う時間もなく笑顔で頷いた。彼女の関心はとにかく、今、ダニエルが満足しているかどうか。それが全てだという様子だ。だから、彼女の少しシャイな性格も押し殺して、ダニエルの望みをかなえるためなら、身も心も投げ出そうという意気込みのようだった。

 

「あぁ…………恥ずかしい…………。けど………、これで良いかしら? ………ダニエル、来て。…………貴方のしたいことを、思いっきりして欲しいの」

 

 キッチンの料理台に両手を置いて、肩幅に開いた足を伸ばしてグッとお尻を突き上げたステファニー。振り返ってダニエルを見ているその顔は、熱に浮かされたように目が潤み、上気していた。白くて華奢な彼女の体がお尻を突き上げるように弓なりに沿っている。そのホットなポーズを見て、ダニエルは今まで我慢してきたモノがズボンのなかで暴発しそうになる。慌ててズボンとパンツを下ろして、石鹸のせいでテカテカ、ヌルヌルしている彼女の体に飛びついた。

 

(2回目のステファニーとのセックスが、キッチンで立ちバックだなんて、彼女の友人たちが聞いても、絶対に信じてくれないだろうな! ………こんなに…………うぉっ………ヌルッと、僕のペニスを受け入れてくれるなんて、彼女はもう、完全に僕のものだっ。)

 

 ソープと水、そしておそらくは彼女の汗が入り混じった液体は潤滑油のように彼のペニスがステファニーのお尻を滑って、彼女の大切な場所に入り込むのを助けてくれる。綺麗なピンクの割れ目が押し開かれて、グニュッとダニエルのペニスを受け入れる。女性の後ろ側に立って性器を結合するというのは初めての体験だったが、ダニエルにとっては、この体勢の方が、向かい合って繋がるよりも、ペニスの先端が彼女のより奥深くまで入ったような感触を得られた。ステファニーがハァッ、と息を吸いこむ音がする。ヌルヌルとした彼女の内部は場所によって襞が折り重なるような感触があったり、少し硬めのプツプツとした凹凸を感じられたりと変化に富んでいるけれど、どこもとにかく温かい。その温かさが、まるでダニエルをステファニーのヴァギナ全体で受け入れてくれているようで、心がたぎる。ダニエルが彼女の膣の中の感触を噛みしめるように腰を引いて、ペニスの先端が入り口付近に来るまで、その大方を抜くと、今度はさっきよりも勢いよく腰を押し出して、彼女の奥まで突く。

 

「あぁあっ…………。ダニエル。愛してるっ」

 

 光り輝くブロンドヘアーを振り乱して、ステファニーが上擦った声を出す。「僕もだよ」と甘い言葉をかけてあげたくなったけれど、そこをグッと我慢して、ダニエルは返事のかわりにまたペニスを半分以上、出したり押しこんだりと、彼女の性器の中を勝手気ままに行き来する。この温かくてプルプルしている新鮮なヴァギナが誰のために存在するものなのか、彼女の体に言葉や氣を使わずに教え込んでやりたいと思っていた。

 

「ふっ………ふっ…………ふぅっ」

 

「あっ…………あぁあっ………オー………。ダニエル…………。私の………ダニエルッ」

 

 ダニエルが口をきつく閉じて、鼻から息を噴き出しながら何度も奥まで突き立てると、ステファニーは、あきらかに発情のトーンが混じった声を出す。もっともっと、彼女を発情させたい、興奮して、発情して、おかしくなったステファニー・マイルズが見たい。ダニエルは近づきつつある射精の予感を遮断するように意識を集中しながら、躍起になって腰を振る。

 

 それでも、ダニエルの経験不足のせいか、ステファニーの体が素晴らしすぎるからか、それともその両方か、ダニエルは追い払ったはずの射精の予感をまた強く感じてしまう。あと2ストロークほどのうちに彼女の中で、全部ぶちまけてしまいそうだ。そんな感触を持ったダニエルは、膣の壁に締めつけられたペニスの動きを、一旦止める。すると、様子を伺うために、ステファニーが後ろを振り返って、ダニエルの顔を見る。

 

 ダニエルは、自分が早くもイキそうだったことを彼女に悟られたくなくて、反射的に彼女のお尻の頬を、横からパチーンと平手打ちした。

 

「あっ。…………痛いっ………」

 

「…………ステファニー。君は、自分で気持ちよくなることばっかり考えて、ただ体を僕に任せてるの? ………僕の恋人なら、自分から、相手をもっと気持ちよくするために、動かないと駄目だ。これはチーム・エフォートなんだ」

 

「ごっ…………ゴメンなさい。…………私………、もっといい子になるから、許してっ。…………こうかな? …………こうしたら、…………ダニエルは、どうかしら?」

 

 慌てた彼女は、自分からゆっくりと腰を動かし始める。ダニエルのペニスが突き立てられたままなので、その動作はまだギコチないけれど、何とか男を喜ばせようという、腰のグラインドを始めた。ダニエルを仰ぎ見るその顔は、彼に嫌われてしまう不安で、泣きそうな表情になっていた。その彼女の健気なご奉仕をするような表情と振る舞いを見ると、ただすぐにイキそうになって動きを止めたことを誤魔化していた自分のことが申し訳ない気持ちにもなった。けれど、同時に妙に自分の征服欲のようなものが満たされた喜びも感じる。だから、彼はまるで自分を正当化するかのように、彼女の腰のグラインドに身を任せながら、まるで馬を操るように彼女のお尻をまだペチペチと叩いた。このお尻の感触は、エミリーの健康的で張りのあるお尻とはずいぶんと違う。白くて柔らかいお尻の頬は、ダニエルが叩くとその跡が赤く浮かぶ。その様子は、ダニエルにイジメられることを受け入れて、なお可愛がられようと必死に振舞う彼女自身のいたいけな姿と重なるように思われた。

 

「うん………良いよ………。そんな感じ…………。あ、今、ちょっとズレた」

 

 パチンッ。

 

「あっ…………。ゴメンなさいっ。許してっ………」

 

 ステファニーとダニエルの腰を打ちつけ合うタイミングが少しズレると、ダニエルは彼女お尻をペチンと横から叩く。するとステファニーはさも申し訳なさそうに謝りながら、より懸命に腰を振る。よりダニエルのペニスに快感を与えるために、内腿に力を入れてヴァギナの締め付けを強くするように試みる。ダニエルはそんな彼女のもっと奥までペニスを押しこみたくて、彼女の体の前に手を回す。両方のオッパイをダニエルの手が握る。柔らかくて温かくて、手が蕩けそうになるほどの素敵なオッパイ。ソープのせいでヌルヌルに滑る、果実のようなオッパイ。それを乱暴に掴みながら、ダニエルは腰をグラインドさせる時に背筋を伸ばす。まるでバイクの曲乗りのようだ。

 

 これは、セックスのアザーサイドかもしれない。ダニエルはそう感じていた。彼と彼女の初体験のように、ステファニーとのセックスで一番素敵なのは、彼女の美貌を真正面から見つめて独り占めしながら、その表情が恥ずかしそうに切なそうに発情の色に染まっていくのを見られる、正常位のスタイルだと思う。けれど、彼女をこうしてバックから責めるのも、それに匹敵するくらい、ダニエルを興奮させる何かがある。圧倒的な美少女の魅力を拝みながらセックスしている正常位の間、ダニエルは常にどこかで何かに配慮をし続けていたような気がする。けれど、バックでペニスを突き立て、思うがままに後ろから胸を揉みしだいて腰を振っている時、彼はさらに解放されているように感じる。そして今がまさに、その時だった。

 

「ステファニー………。気持ち良いよ………。良い子だ………。もっと、乱暴に扱っても良い?」

 

 ダニエルが尋ねる。彼女のお尻をペチペチと、まるでカウボーイが愛馬を褒める時のように軽く叩きながら。

 

「貴方の好きなようにして…………。私を、滅茶苦茶にして…………。ダニエル………。愛してるの」

 

 顔を後ろに向ける苦しい体勢でダニエルを見上げながら答えた彼女の表情は、彼女もこの体勢でのセックスと、やや乱暴なプレイを、快感とともに受け入れていることを、正直に示していた。それを見て理解したダニエルがさらに腰を振るスピードを増す。ステファニーも必死でついてこようとするうちに、彼女の喘ぎ声が大きくなる。

 

「あぁっ……………もうっ…………。もう、イクッ……………。ダニエルッ…………私、いっっっくぅうううっ!」

 

 ステファニーがつま先立ちになってさらに仰け反る。彼女がエクスタシーに達したと思った瞬間に気が緩んだのか、ダニエルも我慢できなくなって彼女の熱いヴァギナの中で、溜まりに溜まった精液を思いっきりぶちまけた。

 

「ステファニーっ………。僕もイクよっ…………。今、イッテるよ、君の中で………」

 

「………ああああっ…………嬉しいっ…………。好きっ…………。ダニエル…………」

 

 2人はキッチンで大きな声で叫びながら、長いオルガズムを噛みしめるように痙攣して、痙攣しながらもまだ、名残を惜しむように腰を振った。

 

 。。

 

 キッチンの料理台と流し台に折り重なるように寄りかかって、ドロドロの裸で繋がったままの姿で放心していたダニエルとステファニーのもとに、エミリーやママ、パパ、トミーとステイトン先生が戻ってきた。洗車が終わったらしい。

 

 せっかくなので、車を洗い終わったばかりのカレン・ステイトン先生に、ステファニーのヴァギナから抜き取ったばかりの、ドロドロのペニスを綺麗にしてもらうことにする。ダニエルが提案すると、少しだけ人目を気にするようにキョロキョロした先生は、仕方なしにキッチンに跪いて、彼のペニスを躊躇なく咥える。先生のブロウジョブの始まりだ。トミーが目を丸くして、驚きと羨望の眼差しを送ってくる。それを感じながら、ゴージャスな先生に行為の後のペニスをしゃぶらせるのは、気分が良かった。

 

「僕のモノをしゃぶってもらった後でも良かったら、トミーも先生にブロウジョブをしてもらう? ………僕が提案すると、大体のことは先生はOKしてくれるんだよ」

 

 ダニエルの言葉を聞いて、それに疑問を挟むこともなく、トミーは口を開けたままブンブンと頭を縦に振った。彼の頭の中はもうすでに、殺到する、日常からぶっ飛んだお宝ビジュアルのせいで、通常の思考回路がショートしてしまっているようだった。

 

 美人の彼女をゲットする。最高の彼女に飽き足らず、別の美人とイチャつく。その様を男友達に自慢する、あるいは見せびらかす。スクールカースト上位にいるジョックたちのそんなゲスなはしゃぎ方を見たら、つい最近までのダニエルだったら、嫌悪感を抱いていたはずなのだけど、今日はそんな振る舞いをしてしまっている。

 

(たまのホームパーティーのことだから………。)

 

 自分で言い訳するように、ダニエルは頭の中で独り言を呟いた。

 

「ちょっと陰気な考えに覆われて、気が滅入ってきたら………。お酒で吹き飛ばそうっ」

 

 ダニエルが急に思いついたように声を出すと、「そうだっ」と賛同してくれたのは、姉のエミリーだった。両親の目を気にして、ちょっと肩をすくめる彼女。そんなエミリーに、シャンパンとバドワイザーを持ってくるようにお願いした。

 

 お酒を持って2階に上がる。ダニエルは自分の部屋に入るのではなくて、ダブルサイズのベッドがある、両親の寝室を使わせてもらうことにした。まだ全裸で若干呆けている、ステファニーと一緒にベッドに転がると、彼女の体を両手と口とで好き勝手に弄って楽しむ。ステファニーは可愛さ満点の笑顔で、全てを受け入れる。2人でシーツの中でモゾモゾと楽しんでいるうちに、「一仕事、終えたらしい」ステイトン先生がダニエルの指示通り、部屋に入ってくる。彼女にはバスルームで充分にうがいをしたあとでダニエルの左側に寝そべらせる。3人でセックスを始めることにした。ステファニーには『彼氏のダニエルがしたそうなことは、何でもさせてあげたい。協力したい』という考えを押しこむ。ステイトン先生は『今日は生徒のダニエルとセックスする。実はこれまでフェラチオだけでは欲求不満だったので、ここで溜まった性欲を全部吐き出していやらしい自分を曝け出す』という思考一色に、頭の中を染め上げた。2人の美女は競い合うようにしてダニエルの体を愛撫して、すがりつくように自分の性感帯や女性器を擦りつける。1回の射精では疲れを知らない彼の若いペニスに、かわるがわる、ステファニーとステイトン先生とが舌を絡ませたり大胆に跨ったりする。騎乗位でのセックスはとても気楽で、親密で、リラクシングなものだった。今度はダニエルも無理に射精を我慢したりせずに、快感に身を委ねるかのようにスムーズに射精した。

 

 ステファニー・マイルズとカレン・ステイトン。学校を代表するとも言える美人2人に、ダニエルは寝ころんだまま、彼女たちの性欲がどんどん上昇するように氣を送る。彼女のモラルコードも緩めながら、お酒を薦めてみると、ステファニーは潤んだ目でビール瓶を受け取って、そのまま飲み口を咥えてグイグイとビールを飲んだ。とても喉が渇いていたようだ。体質的にお酒に強くないらしい彼女は、ビール瓶をサイドボードに置くと、夢み心地のように視線を彷徨わせる。そんな彼女と、ステイトン先生の性癖まで、『氣の道』を通じて変化させてみる。不意に目が合った先生と生徒。美しい2人はどちらからともなく、裸のままお互いに近づいていくと、少しの躊躇のあとで顔を寄せて唇を重ねた。お互いの胸に触れて、優しく揉みほぐし、体のあちこちにキスをする。そのネットリとした女性同士の愛撫は、男女の絡みとはまた少し違うメカニズムと方向性で行われているようだった。とにかく見ていてムズムズする。心地良いムズムズ感を楽しみながら、ダニエルは早くも自分の下半身が回復してきたことを感じていた。

 

 ダニエルとステファニー。ダニエルとカレン。カレンとステファニー。3人は何度も絡み合う相手を変えながら、その日はセックスに明け暮れた。オルガズムに達すると、ベッドに体を預けて放心する。放心しながら、自分の真横や、時には真上で絡み合う残りの2人の結合を見る。やがて自分の体力が回復してくると、別の相手に圧しかかって新しいプレイを始める。経験が少ないダニエルとステファニーのどちらもがダウンしている時には、ステイトン先生はステファニーが飲み干した後のビールの小瓶の飲み口を自分のヴァギナに入れたり出したりして、独りで快感を貪った。その様子を、ダニエルは、記念に携帯の動画ライブラリーに収めた。ベッドに上に両膝立ちになって、クシャクシャになったブロンドの髪を振り乱して、瓶を使ったマスターベーションに耽る美人のステイトン先生。その乱れきった姿は、一部始終をコントロールしているはずのダニエルですら、目を疑うものだった。

 

 疲労困憊のあげく、失神するようにベッドに沈みこんだ3人は、昼過ぎまで、起き上がることなくまどろんだ。ダニエルの両腕を腕枕に、性欲を掃き出しきって、スッキリとした寝顔で幸せそうに眠るステファニーとカレン。時々目を覚ましたダニエルは、顔を右に向けても、左に向けても、天国にいるような光景を楽しんで、もう少し眠る。それを何度も繰り返した。結局、日が暮れて、ママが起こしに来るまで、ダニエルたちは3人で、まるで食事を終えて昼寝する3匹の子熊のような、満ち足りた睡眠を甘受したのだった。

 

 

<つづく>

2件のコメント

  1. 読ませていただきましたでよ~
    ステファニーがメインなのはわかってたけど、カレン先生も割と出番があって個人的にいい感じでぅ。
    イ以外にロも修めたのでこれで不特定多数の人間を操れるようになりましたね。次回あたりにクラス内全員を操って乱交とか変なことをやらせそうでぅ。
    まあ、今回はコードで繋いだメンバー(ジェイク除く)+αで楽しんだわけでぅが。
    ポールとトミーは完全に約得でぅね。当人たちはそんなことわかってないでぅけど。

    今回出なかったイの参がちょっと気になるところでぅ。イの弐が記憶を読み取るということを考えると、イの技法はコードでつながった相手をどうにかするものだとわかるので性格を、丸ごと買えちゃうとか過去の記憶を書き換えるものか・・・次回以降に出るのを楽しみにしておきますでよ~
    であ。

  2.  心ド精神破壊といえばあのこれこそが、心の支え、心術、のー異物。
     さあこれこど喰らえー、相手をみて一目に心配を安心にしたかった、誰だ。
     の一言でしたー、ノイローゼかー。
     と、それでもそれが。
     でも、されている。
     心ど精神、破壊な、の触りあたり、なのだったのです。
     それでも、ありがとうございました。

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