魔性の少女 第六章

第六章

― 1 ―

 ちゅ。ぴちゅ。ちゅっ。ちゅぴっ。
 ぼくの目の前で、妹達が汗にまみれ、ねっとりとしたキスを交わしている。
 汗できらきらときらめく肌を部屋の白い蛍光灯の光に晒して、まるで一つになろうとしているみたいに、肌を擦り合わせ、絡まりあっている。
 下で喘いでいるのが胡桃、上で胡桃を喘がせているのが苺だ。
 そこには既に、明確な上下関係が出来上がっていた。
 攻められるものと、攻めるもの。
 ネコとタチ。
 そんな簡単な定義でいいのかは判らないけど、苺にされる何もかもが快感になってしまう胡桃が、苺に勝てるはずも無い。少しでもどこかを愛撫されれば・・・それどころか、少しでも触れられたら、胡桃は圧倒的な快感に流されて、反撃など出来るものではないだろう。
 実際、同性同士、姉妹同士でのセックスに対して忌避するように暗示を掛けられても、苺の愛撫を快感に感じる暗示が勝ってしまうほどだ。
 今の胡桃は、快楽への欲求に耐えかねて、獣の前にその身を投げ出した仔兎でしかない。
 キスにしても、主導権はあくまで苺にあるというのが、見ていて判った。

「あむっ、ん、ふあっ・・・ひゃふっ!」
「ちゅっ、くちゅっ、んむ、あ、んふ」

 相手の唇を啄ばむようなキスを、二人は繰り返している。けど、もう胡桃はすっかり目をとろんと蕩けさせて、苺に好きにさせているように見えた。

「うふふ、素直な胡桃ちゃん、かわいい・・・」

 苺は身体を起こすと、胡桃の身体を跨いだままで、膝立ちで前に進んだ。
 最初、ぼくは苺が胡桃にアソコを舐めさせるのかと思った。

「あら、苺ちゃん・・・えっちなのね」

 くすくすと笑いながら、舞ちゃんがぼくの膝の上で楽しそうに言った。
 苺の行動は、ぼくの想像を超えていた。

「胡桃ちゃんの乳首、硬く尖ってて可愛い・・・。いっぱい、えっちな事、してあげるね・・・んっ」
「あぁんっ!」

 苺はSが入りまくりの黒い笑顔を浮かべると、胡桃の上に――胡桃の乳首の上に、自分の濡れた秘所を押し付けた。胡桃は高い喘ぎ声を上げると、ビクン、と身体を震わせた。

「あっ!胡桃ちゃんの乳首、か、硬いっ!いいっ、気持ち、いいっ!」

 ぬちょぬちょと濡れた粘膜を擦りつけて、苺は気持ち良さそうに蕩けた表情で、胡桃の胸の上で踊るように揺れた。
 胡桃はまだ暗示が効いていて、自分の乳首を苺に犯されるような、普通じゃなくいやらしい行為に、酷く敏感に反応してしまう。

「ひぅっ!あ、はぁっ、ち・・・ちくび・・・いちごちゃんのアソコに、たべられっ、あんッ!」
「うふふ、もっとぉ・・・たべちゃうよぉ・・・んくっ」

 苺は、胡桃の胸の一点に秘所を擦り付けるように、ねっとりと腰を揺すった。苺の濡れた粘膜と胡桃の胸が、ぬちょぬちょと濡れた音を立てている。

「ふあぁ、とけちゃ・・・ひうっ、ちくびっ、あっ・・・とけちゃうっ!」

 胸の頂点から伝わる快感に、胡桃はそれこそ蕩けそうな嬌声を上げた。もう、姉妹であるとか、同性であるとかという全ての雑事を忘れ、純粋で圧倒的な快感に酔い痴れている。

「あっ、あっ、ああん、いいっ、くるみちゃんの、かたい、んっ、ちくび、いいっ!」

 苺も、すっかり快感に支配されて、取り憑かれたように腰を蠢かしている。目は茫と霞み、だらしなく開いた口の端からは、とろりと唾液が伝っている。
 胡桃も苺も、もう目の前にある絶頂だけしか見えなくなっているようで、あられもない喘ぎを漏らしながら、ひたすら汗に塗れた身体をくねらせる。それは、いまだ発展途上の二人の身体を、淫靡に魅せる踊りのようだった。

「あっ、はっ、はっ、いいっ、いいっ!」
「やらぁ、いっちゃ、いっちゃうよぉっ!」

 二人の呼吸と喘ぎは、刻一刻と切羽詰ったものになっていく。身体がビクッと反応する間隔が短くなっていき、そして、胡桃と苺は同時に絶頂を迎えた。

「ああっ、いくっ、いくっ、イクイクゥッ!」
「わらひも、ひ、くぅっ!!」

 ビクビクと身体を震わせ、身体を仰け反らせる。どれほど深い絶頂なのか、二人は呼吸を忘れたかのように、大きく口を開いて、半分白目を剥いている。永遠にも思えた絶頂の後、苺は電池が切れた玩具のように、とてんと後ろに倒れた。そのまま、荒い息を繰り返している。
 胡桃も全身を弛緩させて、酷く満ち足りた表情で、少しずつ呼吸を整えていた。上下する薄い胸は、苺の愛液でてらてらと濡れ光っていた。

― 2 ―

「次は、どうするのかしら?」

 期待に頬を少しだけ赤く染めて、舞ちゃんは背後のぼくを、身体を捻って見上げた。
 それは当然、胡桃と苺を操って、どんないやらしい出し物が用意されているのか、期待しているという事だ。

「そうだね、二人には、妹から女の子になってもらおうと思ってるよ」

 別に、ぼくが女の子にする訳じゃないけど。
 ぼくは、愛情たっぷりに舞ちゃんの首筋にキスをしてから、彼女をぼくの膝の上から下ろした。これからのプレイには、ある小道具が必要だったから。

「これが、二人が『初めて』を捧げる相手だよ」

 ぼくが取り出したのは、黒くてごつごつとした外見の、男性器を模したバイブレーターだ。遠隔操作でオン・オフができる優れもの。それが2本。

「あら、裕司さんがシテあげないんですか?」

 小首を傾げながら、舞ちゃんが聞いてきた。口にはしてないけど、もったいないと言わんばかりの口調だった。

「うん、ぼくはあまり処女には拘らないしね。それだったら、普通っていうのもなんだけど、ぼくが『初めての相手』になるんじゃなくて、普通じゃない方法で、一生消えないような強烈な開通式にしたほうが面白いかと思って」

 ほんとはウソだけどね。
 舞ちゃんに、がっついてる男って見られたくない、ただそう思っただけ。
 自分でも詰まらない意地を張ってるって思う、くだらない言い訳。
 なら、せめて最後まで演じきってみせたいよね。

「ふふ、じゃあ・・・愉しませて、下さいね」

 舞ちゃんは、見透かしたような、大人が子供のがんばってるところを微笑ましく見守るような、そんな表情を浮かべた。別に、笑われてる訳じゃないのに、妙に居心地が悪い感じ。

「・・・ええ」

 短く答えて、ぼくは妹たちに視線を向ける。
 二人とも呼吸こそ正常にはなったものの、深い絶頂の余韻か、茫とした表情のままで、脱力しきった様子で横たわっている。火照ったままの肌が、汗に濡れて酷く淫靡に蛍光灯の光に晒されている。

「『淫らに耽溺しなさい』」

 鍵言葉を唱えると、二人の表情が微妙に異なる茫としたものに変わった。
 さっきの表情がどこと無く満ち足りた疲労によるものとすれば、今の表情は思考が停止させられたような、意思の感じられないものだ。この変化は何度見ても興奮する。

「さぁ、胡桃も苺も、身体を起こして。身体が軽くなって、とても簡単に身体を起こせるよ。そうしたら、苺は胡桃に、胡桃は苺におま○こを見せるように足を開いて・・・そう、そんな感じに座って・・・」

 互いに腰を突き出すようにして、足を開いてベッドに座っている。
 ぬめぬめと愛液で濡れて光る秘所が、物欲しげにヒク付いている様子まで、良く見える。別に指示していないのに、妹たちは正面に晒されているいやらしい秘所から、目が離せなくなっているみたいだった。まだ催眠状態だというのに、その目にはどことなく欲情の色が仄見えた。
 ぼくは、黒々としたバイブを、妹たちの手に握らせた。

「いまから3つ数えると、胡桃も、苺も、気持ち良く目が覚める。けど、身体は自由に動かないんだ。ぼくが言った通りにしか動かない。それは、ぼくの声が胡桃の、苺の心の声だからだよ。心配しなくてもいいんだ。心の声のままに、身体を動かせばいい。心の声のままに、快感を感じればいいんだ」

 ゆっくりと、けどはっきりと断言して、二人の心にぼくの言葉が浸透するのを確認する。多少無茶な暗示にも感じられるけど、いままでの暗示の効き具合から、心配には及ばないと思えた。

「ひとーつ、ふたーつ、みっつ!」

 そして、二人の瞳に、意思の力が甦る。
 さっきの暗示の効果で、ぼくや舞ちゃんは二人からは認識できない。そうすると、お互いに恥ずかしい場所を見せ合っているところから始まる訳だ。

「あの・・・そんなに足を開いたら、恥ずかしい、よ?」

 おずおずと、胡桃が苺に話しかける。だけど、自分だって大股開きの格好じゃあ、その言葉に説得力の欠片も無い。

「別に、さっき見せたから・・・いい」

 苺は頬を羞恥で赤くしながら、そんな言い訳めいた言葉を返した。その後で、ちゃっかりと報復するみたいに、胡桃ちゃんは?という表情で見詰め返す。

「わ、わたしも・・・同じ・・・。それに、今はこの姿勢のままでいい・・・気がするし・・・」

 そう。ぼくの指示が無ければ、二人は指一本動かす事が出来ない。そんな状況を、『今の姿勢を自分から維持したい』と思い込んでいるらしい。
 このまま放置したらどういう反応をするか気になったけど、今は舞ちゃんを愉しませるのが目的だから、次のステップに進む事にする。

「今、手で握っているのは、自分のおちん○んだよ。舐めても気持ちいいし、触っても気持ちいい。でも、おま○こに入れたら、もっともっと気持ちいい。試しに、自分で舐めてみよう。自分のおちん○んだから、嫌じゃない。舐めたい。舐めて、気持ちよくなりたい。ほら、もうこの欲求には勝てないよ」

 ぼくが同じ言葉を何回か繰り返すと、二人のバイブを握った手が、ゆっくりと持ち上がった。黒く艶やかなバイブが、自分の口へと近付いていく。
 胡桃は上目遣いで苺をちらっと見てから、自分と同じ事をしようとしている事に安心したのか、目を閉じて、小さな舌をだすと、バイブの先端を舐めた。

「んっ!」

 胡桃は驚いたふうな悲鳴を上げると、目を見開いた。バイブから舌を離して、凝っとそれを見詰める。

「な・・・なんで、こんな・・・あ、やあ・・・」

 きっと、思いもしない快感を感じて、驚いたんだろう。うわ言のように呟くと、先ほどの暗示の効果で、また舌をバイブに近付ける。触れた瞬間に感じるであろう快感を想像したのか、胡桃の顔に微かな怯えと、隠し切れない期待の色が浮かんだ。

「ぴちゃ、んっ、うくぅん、はっ、ちゅっ、あむ、ん、はっ、あぁん」

 喘ぎを漏らしながら、胡桃はバイブを舐め始めた。それがどれほど気持ちいいのか、晒された秘所から愛液がとろとろと溢れ、まるで腰を何かに押し付けるかのようにヒクヒクと動かしている。

「お、あああぁ・・・んむぅ、ぴちゅっ・・・ああああぁん」

 視線を戻すと、苺も蕩けきった表情で、その小さな口いっぱいにバイブを頬張って、顔を前後に動かしたり、舌を動かしたりしてるみたいだった。それが直接快感に繋がってるからだろうけど、動作は緩慢で、そのくせ絶頂に達しているみたいに、何度もビクッと身体を震わせている。
 もしかしたら、この暗示ってフェラチオの練習にいいのかも知れない。

「さぁ、もうおちん○んを口から離して。もっともっと気持ちいい事を、これからするんだから」

 そう、姉妹の同時処女喪失ショーの始まりだ。

― 3 ―

 二人は、狂おしい表情で自分が手にしているバイブを見詰めている。
 それまでの快感が深く、圧倒的であればあるほど、それがなくなった時の飢餓感が厳しいからだろう。バイブに注ぐ視線は、はっきりと欲情している事が判る。

「自分のおちん○んを、胡桃は苺のおま○こへ、苺は胡桃のおま○こへ、それぞれ挿入するんだ。『初めて』の痛さと、おちん○んで犯す快感を、同時に味わおう。さぁ、目の前の相手を犯すんだ。もう、犯したくて犯したくて、たまらない」

 ぼくがそう言うと、二人は手に持ったバイブを、相手の大きく開かれた足の間へと動かした。

「苺ちゃん、おちん○ん、いれちゃうよ。いれちゃうからね」

 興奮で上擦った声で、胡桃が苺に宣言した。
 胡桃が持ったバイブは、苺の愛液を溢れさせている秘所に、触れる寸前まで近付いている。手が震えているのは、罪の意識というよりは、極度の興奮からくるものに見えた。その証拠に、胡桃の顔に浮かんでいるのは、熱に浮かされたような淫猥な笑顔だったから。

「・・・ん。わたし、も・・・」

 苺はこくりと頷くと、自分の持っているバイブを胡桃の秘所に向けた。ひくひくと蠢く胡桃の秘所は、バイブの侵入を待ち侘びているかのようだった。

「「あああっ!!」」

 二人はバイブを同時に相手の中に挿入し、同時に一際高い悲鳴を上げた。それは苦痛の色もあったけれど、明らかに快感を訴えるものだと誰にでも判るだろう。初めて身体の中に自分以外の存在を受け入れながら、身体を仰け反らせて、それでも逃げ出そうとはしていないのだから。見れば、相手の秘所に差し込まれたバイブは、血と愛液を混ぜながらも、ぐちゃぐちゃにちょにちょとはしたない音を立てながら、何度も前後に抽送されている。

「あん、あっ、んんっ、やぁ・・・い、いた・・・のに、きもひ、いいよぉ・・・っ!」

 胡桃はすすり泣きながら、右手の動きを止めようとはしない。ときどき苺の中に入れたバイブをビクっと身体を震わせながら見詰めて、「あ・・・あはぁ・・・」と蕩けた顔に笑みを浮かべる。
 苺は何かに耐えようとしているみたいに、顔を赤く染めて歯を食いしばっている。
 胡桃がバイブを出し入れすると、目をぎゅっと瞑って身体を震わせる。

「も・・・だめ・・・へん・・・んくっ・・・な、なる・・・ッ」

 しかし、苺の身体は正直に、膣を抉るバイブの動きを追いかけるみたいに、ひくひくと腰を蠢かしている。

「ふたりとも、初めてなのにこんなに乱れるなんて、かわいいわね」

 楽しそうに、舞ちゃんが笑った。
 舞ちゃんの周りだけが、この淫靡な空気に満ちた部屋の中で、唯一清浄な雰囲気を保っている。ただ、それがかえって異常に思えなくも無い。快楽を感じる事の無い舞ちゃんにとって、もしかしたら妹たちの痴態は、テレビの娯楽番組と同程度の意味しかないのかも知れない。
 舞ちゃんを楽しませる・・・それが目的だったのに、ただ普通に楽しそうにしている舞ちゃんの姿が、ぼくに悔しいという思いを抱かせた。それは、抱いた相手を感じさせたいという、男の独りよがりな思いと同じものなのかも知れないけど。

「・・・まだまだ、だよ」

 もっと・・・もっと妹達をよがり狂わせよう。その為の手段は手の中にある。
 そう、今二人の膣を抉っているのは、遠隔式のバイブなのだから。
 ぼくはリモコンを操作して、一気に中くらいのレベルにスイッチを入れた。ヴィィィンと、どこかくぐもった音が部屋に響いた。

「ひぃああああ゛っ!」
「し、しびれっ、うぁあ゛っ!」

 あのバイブは、細かく振動するタイプのバイブだ。敏感な膣内を細かく擦られて、双子は今にも意識を飛ばされてしまいそうな、危うい表情を浮かべて激しく喘いでいる。

「おちん○んから手を離そう。大丈夫。手を離しても、それは自分のおちん○んだから、快感は変わらずに感じられる。それよりも、手を後ろについて、腰を突き出すようにして、お互いのあそこを擦りつけよう。そうしたら、もっともっと気持ちよくなれる。さぁ、気持ちよくなりたくて、腰が動くよ」

 ぼくの言葉は双子の心の声。ぼくが意図するように、双子の身体は自由に動く。
 妹たちは、腰をはしたなく突き出す姿勢で、お互いの秘所を近付けた。そこには当然、震え続けるバイブの柄が出ている。
 ごくりと、堪えきれない期待感に喉を鳴らせたのは、どちらだっただろう。
 胡桃も苺も、熱に浮かされたような顔で、お互いの秘所を・・・近付きつつあるバイブを、食い入るように見詰めている。
 そして、バイブの柄が触れる。

 コ、カカカカカッ!

 軽い音だけれど、それは元々の振動に、予想出来ない振動が加わるという事。

「あっ!ああっ!ひぅっ!」
「いいっ!す、すごっ!あぃっ!」

 想像も出来ない振動が、双子の秘所を抉っている。
 それだけでも凄まじいレベルの快感を感じているだろうに、妹達はさらに貪欲に、何度も何度もお互いの秘所に刺さったバイブの柄をコツコツとぶつけ合い、擦りあった。その都度、二人の唇から、快感を告げる嬌声が上がる。

「ひっ!あ、かはっ!あああああっ!!」
「いく、イクイクッ!ひあぁあああっ!!」

 激しく身体を仰け反らせて、妹たちは同時に絶頂に至った。ぴゅっと連続して吹き上げた潮が、お互いのお腹を濡らしているのも気にせず、腰を突き上げ、身体をくねらせて、何度も絶頂に至っているようだった。

「あ・・・は・・・いぃ・・・」
「もう、だ・・・だめぇ・・・いいよぉ・・・」

 最後にうわごとのように呟いて、二人はベッドに倒れ込んだ。
 ぼくは、妹達の痴態に満足の吐息を吐くと、リモコンを操作してバイブを止めた。意識を失くした妹達の秘所で、停止したはずのバイブはヒクヒクと震えていた。

― 4 ―

 ぱちぱちぱちぱち。

 意識を失った二人を起こさない程度の、ちいさな手での拍手が聞こえた。
 ご機嫌そうな表情の、舞ちゃんのものだ。
 少し上気した笑みを浮かべて、まるで子供のようにぱちぱちと拍手している。
 いつもの人形めいた美しさとは違う、年齢相応の可愛らしい笑顔だった。

「とっても楽しかったです」

 弾んだ口調で椅子から立ち上がると、ぼくの首の後ろに手を回して、足りない距離は爪先立ちで距離を近付ける。ぼくの顔から驚くほど近い位置で、舞ちゃんが微笑んでいる。その微笑は、先ほどの無邪気さとは対極的な、淫靡な雰囲気を伴っていた。

「だから・・・ごほうび・・・ね?」

 囁くように言って、ぼくの唇を塞いだ。
 最初は唇の感触を確かめ合うようなキス。
 ついで、舌で相手の口の中を蹂躙するような、激しいキス。
 舞ちゃんの荒い息遣いがただの息苦しさだと判っていても、ぼくは艶かしい声を聞いて、口の中を犯されて、激しく興奮してしまう。

「うふふ、したいですか?」

 唇を離すと、舞ちゃんが誘惑するような上目遣いで尋ねた。
 硬く勃起したぼくのモノに身体を擦り付けるようにしながら、聞かなくても判る事を、わざわざぼくの口から言わせようとする。そんな意地の悪い言葉も、ぼくの身体を熱く焦らせる媚薬だ。

「うん、そろそろ、ぼくも我慢出来なくなってきてるから・・・んっ」
「ふふ・・・ん、ちゅっ」

 舞ちゃんはぼくに最後まで言わせず、貪るように唇を塞いだ。酸欠か、快感か、原因は判らないままに、ぼくの頭が真っ白に染まっていく。それでも、舞ちゃんの柔らかい唇を、ぬめぬめと絡みつく舌を、離したくなかった。だから、身体を離したのは、舞ちゃんの方からだった。

「あん、熱いです」

 舞ちゃんも息苦しかったのか、顔を紅く染めて、少しだけ息を荒げている。ぼくも同様に空気を貪っているのを見て、舞ちゃんは何かのツボに入ったように、くすくすと可笑しそうに笑った。

「もしこれで二人とも死んじゃって、報道で『原因はキスによる窒息死でした』なんて言われたら・・・どうします?」

 ご丁寧に、報道部分はアナウンサーっぽい澄ました声を作って言うと、舞ちゃんはぼくを見上げた。舞ちゃんは、わくわくするような、楽しそうな笑みを浮かべている。

「それは、光栄の一言に尽きるというものですよ、お嬢さん」

 ぼくも、わざと普段遣わない言い回しで答える。
 一瞬の後、目線を合わせて二人で同時に堪えきれずに吹いてしまう。
 ある意味、えっちな事をする以上に楽しい時間だと、ぼくは笑いながら思った。
 いつまでも、舞ちゃんとこんなふうに笑いあえたらいいのに。

 ・
 ・
 ・

 舞ちゃんは一瞬だけ目を閉じてから、いつもよりも少しだけ細めた目で、ぼくを見上げる。
 たったそれだけで、舞ちゃんを包む空気が変わった。
 年齢相応の可愛らしさから、性を知り尽くした女性へと。
 同じ高さで笑いあう間柄から、高い場所からぼくを支配する女王へと。
 服を脱ぐ仕草さえ誘惑の道具にして、舞ちゃんはゆっくりと、一枚一枚服を床に落としていった。少しずつ露になる肌が、蛍光灯の光の下で、輝くようなきめ細かさを晒す。
 同年齢の女の子に比べて未成熟な肢体は、酷く倒錯した美しさで。
 人形のような細い手足は、けれど女の子独特の柔らかさという矛盾を孕んで。
 抱き締めたら折れてしまいそうな細い腰は、ぼくの欲望を限りなく受け止めてくれそうな強さで。
 それらが・・・ぼくを、狂わせる。
 どうしようもなく。抗いようも無く。
 ぼくも、服を引きちぎるような勢いで脱ぎ捨てる。股間のモノはもう、破裂するんじゃないかってぐらいにいきり立ってる。
 舞ちゃんはぼくの股間を淫靡に微笑みながら一瞥すると、妹たちが全裸で横たわるベッドの端に両手を突いて、足を開いた。そうすると、お尻を高く突き上げるような姿勢で、舞ちゃんの大事な場所が全て晒される。

「もう、濡れてるから・・・きてもだいじょうぶ、ですよ」

 舞ちゃんは誘うように言うと、片手を後ろにまわして、自分のアソコを人差し指と中指で器用に開いて見せた。
 舞ちゃんの言うとおり、サーモンピンクの粘膜は、少しだけ綻んでてらてらと濡れ光っている。ぼくを気持ちよくさせようと、そこはひくひくと蠢いていた。

「いれるよ」

 息苦しくて、それだけ言うのも辛い。まるで発情した犬のように、ぼくは口を開いてはぁはぁと呼吸した。
 舞ちゃんの小さくて、それなのに柔らかいお尻を両手で掴むと、舞ちゃんの秘所に、ぼくのモノをゆっくりと挿入した。
 何回もシタ訳じゃない。
 けど、何回しても、慣れる事はないだろうと確信してしまう。
 舞ちゃんの中。
 狭くて、柔らかくて、蠢いて、締め付けて。
 思わず食いしばった歯の間から、快感の呻きが漏れてしまう。

「んっ、ふっ、はっ、はっ、はふっ、ど、どう・・・ですか?わた・・・しの、なかっ」

 ぼくが抽送を繰り返してお腹を圧迫しているからか、まるで喘いでいるような声で、舞ちゃんはぼくに問い掛けた。
 舞ちゃんが感じている訳じゃない、そう判っていても、艶かしい声の響きにぼくは欲情する。まるで、耳の奥を犯されているみたいだった。

「すごい・・・いい、よ。しぼりとられる・・・みたい、だ・・・くっ」

 これが、女の子の身体だなんて、信じられないくらい。
 気持ち良過ぎて、頭がからっぽになってしまいそうだ。

「わ、わたしもっ・・・あな、たとっ、するのっ、はっ、んんっ・・・お、おちつく・・・のっ・・・」

 珠の汗を全身に塗して、舞ちゃんは微笑みながらぼくに告げた。
 快感は感じてないのかも知れない。
 けど、少なくとも舞ちゃんの心は、ぼくとの行為を肯定してくれている。
 それは、全身が燃え上がるような幸せだった。
 ぼくは、心の赴くままに、腰を振った。

「あっ、んぅっ、ふっ・・・あんっ」
「あん、わ、わたしもっ・・・ほ、ほしっ・・・うっ」

 気が付くと、いつの間にか妹たちがベッドに膝立ちになって、ぼくと舞ちゃんの結合部分を憑かれたように見詰めていた。バイブはとっくに抜けているようだけど、それに気付く余裕も無く、ただひたすらに自分の秘所で指を躍らせていた。

「わっ、わらしもぉっ、ほ、ほしっ」
「おにぃちゃ、ああっ!」

 あれほどイキ狂ったというのに、妹たちは貪欲に、切なそうに、ぼくを求める。
 でも、今は催眠術の掛かり具合とか、暗示を掛けるとか、何も考えられない。
 ぼくの全ては、舞ちゃん一人だけを認識する。
 それに、もうぼくは限界を迎えようとしているし。

「だし・・・だしてっ!いっぱい、いっぱいっ!」
「うあっ!!」

 ぼくは、腰をがくがくと震わせながら、舞ちゃんの中の一番深い場所に、全ての精液を出し尽くす勢いで射精した。
 何度もびゅくっ、びゅくっと射精するたび、快感が身体中を駆け巡った。
 舞ちゃんのアソコは、まるで精液を吸い取るような、最後の一滴まで扱き取るような動きで、ぼくのモノを締め上げた。

「ふあっ」

 全てを吐き出して、舞ちゃんの中からぼくのモノを抜き取ると、舞ちゃんは満足そうな、名残惜しそうな、不思議な響きの声で喘いだ。

「んちゅっ、んっ、ちゅっ」

 胡桃がベッドから降りてぼくの横に来ると、愛おしそうに目を細めて、ぼくのモノにキスの雨を降らせた。両手は床に突いたままで顔だけを動かしているので、だらんと垂れたモノを追いかける、パン食い競争みたいだった。

「おーきくなーれ、おーきくなーれー」

 ぼそぼそと、どこか淫靡な熱意を込めて、胡桃の反対側に来た苺が呟いた。それから何のつもりか、指先でぼくのモノをつつーと撫でる。なんだか呪われてるみたいで、ちょっとヤダ。

「うふふ、裕司さん、がんばってくださいね」

 妹たちと入れ替わりに、ベッドに腰を下ろした舞ちゃんが、悪戯っぽく微笑んだ。

「まだまだ、夜は長いんですから♪」

― 5 ―

 あの後、ぼくたちはまるで獣のように、ひたすらに交わり続けた。
 胡桃は舞ちゃんと同じ、後ろから犯されたいとねだった。
 恥ずかしがりながら突き出したお尻には、少しだけ破瓜の赤い血の跡と、それを全て洗い流してしまいそうなほどの、愛液が残っていた。ぼくが粘膜に傷が無いかと気遣いながら挿入すると、胡桃は気が狂ったみたいに喘いで、自分から腰を振りたくった。ぼくも負けずに、タイミングを合わせて腰を使う。ついさっきまで何も入った事の無かった膣内は、少しだけ硬く、激しい締め付けでぼくのモノを咥え込んだ。
 ぼくが胡桃を突きまくっている間、苺は舞ちゃんのアソコに口をつけて、ぼくの出した精液を啜っていた。催眠暗示か、それとも単純に嬉しかったのか、苺は蕩けるような表情で、舞ちゃんの中に残っていた精液を、舌で掻き出して啜っていた。

 次は苺の番だった。
 ぼそぼそと、けど恥じらいを含んだ声で、ぎゅっと抱き締められる体勢がいいと言って、対面座位でぼくのものを受け入れた。ぼくのモノがすっかり苺の中に納まると、苺は嬉し涙を流しながら、いつもの苺からは想像もできないほど、女の子っぽい笑顔を見せた。
 舞ちゃんは、胡桃の秘所からぼくの精液を掻き出して、それを胡桃のお尻の穴に塗って、指を突き入れていた。
 それは暗示の効果なのか、お尻を指で犯されて、胡桃は絶頂から戻れなくなるような快感を感じているようだった。

 また舞ちゃんの番になった。
 舞ちゃんは横たわったぼくの上で腰を躍らせながら、ぼくの左右で四つん這いになった妹たちの秘所を指で掻き混ぜた。
 ぼくのモノを受け入れたソコは、舞ちゃんの催眠術で、ぼくのモノに突かれるのと同じ快感を感じるようにされた。
 舞ちゃんがぼくの射精を導くまでの間、胡桃と苺は舞ちゃんの指で、ぼくのモノに犯される快感で、何度も何度も絶頂に駆け上がっていった。

 ぼくたちは、そうして精液と愛液と涙と涎と汗に塗れて、意識を失うまでお互いを貪りあった。

 ・
 ・
 ・

 そうしてぼくたちは、いくつもの昼といくつもの夜を、爛れきった喜びに溺れて過ごした。
 学校や会社など、外部との接点は維持する必要があったけれど、それ以外の日常はすべて、性の悦びに彩られていた。

 催眠暗示で、咀嚼する毎に小さな絶頂に達する朝食。
 母さんは、気持ちよすぎて緩んだ唇の端から、口に含めたお味噌汁が垂れると、それすらも快感に感じられて、身体を切なそうにヒクヒクと震わせた。
 ローターを仕込んだ登下校。
 胡桃は成人用オムツを愛液で濡らしながら、熱に浮かされたような真っ赤な顔で、ふらふらと歩いた。途中で会った友達に心配されながら、胡桃は背徳的な絶頂に蕩けた。
 大通りに面したベンチで、暗示で声を上げられなくしての強制連続絶頂。
 苺はぼくの腕に縋り付きながら、何度も身体を震わせた。苺の淫靡な表情に、通行人のうちの何人かは、驚いたように苺を凝視していた。その視線でまた、苺は絶頂へと押し上げられた。
 喉を食べ物が通過する感触を、暗示で膣の快感に置換された夕食。
 嚥下する毎に、妹達は身体を快感で震わせた。途中からは堪らなくなって、左手で秘所をまさぐりながら、食事を続けた。
 膣に収められたフルーツを口と舌だけで取り出す夕食後のデザート。
 母さんの膣の奥の方に入ってしまったブドウは、いきんで押し出してもらった。でも、その時にはもう愛液と膣圧で、ぐちゃぐちゃになっていた。
 催眠術で性感を極限まで高められて、お互いの身体を擦り付け合うお風呂。
 舞ちゃんを相手に、必死で身体を擦り付ける母さんは、身体の成熟度の差から、酷く淫靡な姿に見えた。
 暗示で羞恥心を幸福感に変換された、排泄ショー。
 胡桃は幸福感にうっとりと微笑みながら、足を大きく開いて、お風呂場で排尿した。最後の一滴まで出し切ろうと、最後ははしたなくも腰を振っておしっこを出していた。
 そして、深夜まで続けられる、催眠術を併用したセックス。
 どんなシチュエーションも、どんな感じ方も、全てが思いのままだった。嬌声と濡れた粘膜の擦れ合う音は、途切れる事無く続いた。
 そうしてぼく達家族は、世間一般の良識からも、常識からも逸脱した世界で、満たされ続けた。

 そんな生活に、終わりがある事など、想像もせずに。

< つづく >

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