この瞬間、ぼくは舞ちゃんに恋した事に気が付いた。 集団自殺するレミングスの本能の様に、破滅的で逆らい様の無い恋をしたのだと、自覚した。

魔性の少女 最終章

最終章 「行くの?」  ぼくは、舞ちゃんを後ろから抱き締めて、そう聞いた。  もう、何度も聞いたというのに、もしかしたら引き止められるかも知れない・・・なんて、ありそうも無い希望に縋って。 「ええ。そんなに掛からないと思

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魔性の少女 第六章

第六章 ― 1 ―  ちゅ。ぴちゅ。ちゅっ。ちゅぴっ。  ぼくの目の前で、妹達が汗にまみれ、ねっとりとしたキスを交わしている。  汗できらきらときらめく肌を部屋の白い蛍光灯の光に晒して、まるで一つになろうとしているみたい

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魔性の少女 第三章

第三章 ― 0 ―  家の雰囲気は、もはや元には戻れないと確信させられるほど、徹底的に変わってしまった。それは全て、舞ちゃんが来てからの事。舞ちゃんが行った事。舞ちゃんが・・・望んだ事。  いつも家族の誰か、または全員が

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魔性の少女 第一章

第一章 ― 0 ―  チャイムの音がした。  ぼく――佐原裕司は自室でベッドに寝転がり、あからさまに暇つぶしといった様子で車専門の雑誌をめくっていたのだけど、その音に反応して身体を起こした。  階下に家族がいるのは知って

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