更衣室の応援

「先輩、お先に失礼しまーす」
「お疲れー」

 真弓恭子(まゆみ きょうこ)は着替え終わった一年生達が帰っていくのを見送った。
 部長を任せられ、チアリーディング部のエースと周囲の期待も高い彼女はその期待に応えるべく、誰よりも早くから練習を始め、誰よりも遅くまで練習をしている。
 今日も最後まで練習をして、一年生と一緒に後片づけをしていた彼女は自然、一番最後に一人で着替えることが習慣になっていた。

「先輩」

 体育館の戸締まりも終え、更衣室へと入ろうとしていた恭子に横から声がかけられる。その声に振り向いた恭子の目の前には一人の男子生徒がいた。
 その姿を見て、恭子はまたかと思う。
 チアリーディング部で目立つボジションをもらっている恭子は、その生来の美貌もあり、幾人もの生徒から告白を受けている。目の前の男子生徒のように恭子がでてくるのを待つのも沢山いた。

「なに?」

 若干いらついた声で恭子は答える。そんな恭子の雰囲気に気づいているのかいないのか、男子生徒はにやにやと恭子を眺めていた。
 普段浴びる賞賛や憧憬とは違う、蛇のようなその視線にぞくっと嫌な感じを覚え、恭子は話を切り上げようとする。

「何にもないんだったら帰りなさい。もう通常下校時刻は過ぎてるわよ。私ももう帰るんだから」

 そう言って、恭子は男子生徒に背を向ける。その無防備に晒された背中に、男子生徒は近づいていった。

「いえ、用はありますよ」
「え?」

 すぐ耳元で聞こえた声に振り向いた恭子の目の前には男子生徒の手があった。

 パチン!

「はい、もう動けない!」

 乾いた音とともに男子生徒は断定する。そのまま、流れるような動きで恭子の後ろへ回った男子生徒は動けなくなった恭子の頭へ手を添えた。

「ちょ、ちょっと」
「ほら、もう動けない。どんなに動こうとしても体がどんどん固まってくる。それどころか、動こうとすればするほど、体が固まって動かなくなっていく。どれだけ抵抗しようとも、あなたの体は石像のように固まっていきますよ」
「え、な、なんでっ!?」

 恭子は身じろぎ一つできずに戸惑いの声を上げる。男子生徒の言う通り、体を動かそうとすればする程どんどん動かなくなっていった。

「ね、どんなに動かそうとしてもどうしても動けない。それどころかどんどん疲れて逆に体に力が入らなくなっていく。ね、もう体に力が入らないでしょう。立っていることも難しい。ほら、体が揺れていますよ。わかるでしょう」
「な・・・んで・・・」

 男子生徒の言う通りにふらふらと揺れる恭子の体。そこに追い打ちをかけるように男子生徒は言葉を重ねていく。

「ほら、もう立っていられない。私が指を鳴らすとあなたは足の力が抜けてその場に座ってしまいますよ。はいっ」

 パチン。
 男子生徒が指を鳴らすと、恭子の足の力は抜け、その場にぺたんと座り込んだ。そんな恭子の後ろへと回り、男子生徒は恭子の視界を覆うように手を添える。そして、そのまま、恭子の頭をぐるぐると回していった。

「ほら、こうしてると全身の力も抜けていく。もう体を動かすことはできない。頭もぼうっとしてきて、なにも考えられなくなっていきますよ。でも、それはとても気持ちいい。ほら、とても気持ちいいですね」
「あ・・・あ・・・」
「今あなたはとても気持ちいい。そう、声に出すともっと気持ちよくなりますよ。さあ、言ってみましょう。気持ちいい」

 男子生徒は恭子を後ろから抱きしめ、自分の肩へと恭子の頭を乗せる。そして、片手で恭子の瞼を押さえるようにして耳元で囁いた。
 その言葉に応えて、恭子の口が僅かに動く。

「きもち・・・いい・・・」
「そう、とても気持ちいい。ほら、こうしていくともっともっと気持ちよくなっていく。もうなにも考えられない。この気持ちよさにずっと身を委ねていたい。そうですね?」
「は・・・い・・・きも・・ち・・・い・・・い・・・」

 僅かに開いた口から掠れたような声が零れる。それは普段の恭子からは考えられないような微かな声だった。
 そんな恭子ににやりと笑みを浮かべて男子生徒は言葉を続ける。

「いいですか、あなたは私の声を聞いているともっともっと気持ちよくなれますよ。もっと気持ちよくなりたいですよね?」
「は・・い・・・きもち・・・よく・・・なり・・・たい・・・」
「私の声を聞いているとあなたはとても気持ちよくなります。だから、あなたは私の声に従ってしまう。気持ちいいので逆らおうとは思いません。あなたは私の言葉に従ってしまいます」
「ことば・・・・・したが・・・う」
「そう、私の言葉に従うと、あなたはとても気持ちよくなります。さあ、立ってみましょう」
「はい・・・たつ・・・」

 男子生徒に促されるまま、恭子は立ち上がる。力の入っていない体はゆらゆらと揺れ、ふらふらと足下が覚束ない。

「ほら、とても気持ちいいですね。さあ、今度は歩いてみましょう。大丈夫、わたしがしっかりと手をつないでいますから、なにも怖くない。それに、私の言葉に従うととても気持ちいい。さあ、一緒に歩いていきましょう。この道はあなたの心の道です。一歩歩いていくごとにあなたは心の深い所へと進んでいき、さらに気持ちよくなれますよ」

 そう言って男子生徒は恭子の手を引いていく。恭子は男子生徒に導かれるまま、更衣室へと入っていった。

「真弓恭子さん、聞こえますか?」
「・・・はい」

 二人の他には誰もいない更衣室。その真ん中に陣取って、男子生徒は恭子と向かい合っていた。
 男子生徒の言葉に恭子は答える。その姿は、まるでロボットか何かのようだった。

「ここはあなたの心の奥底です。あなたの一番安心できる所です。あなたの心の奥底なのだから、あなたの他には誰もいません。だから、聞こえてくる声はすべてあなたの心の声です。あなたの望んでいる事です。あなたの望んでいる事なのだから、その通りにするととても気持ちいい。あなたの望んでいる事なのだから、その言葉はすべて正しい。疑う事も逆らう事も考えられません。わかりましたか?」
「はい・・・」
「今から三つ数えると、あなたは目を覚まします。その時、目の前にいる男子はあなたに真実を教えてくれます。その男子の言う事はすべて正しいので疑う事も逆らう事も考えられません。必ず、その言葉を信じてしまいます。そして、必ずその通りになってしまいます。それとその男子はあなたの鍵を持っています。その鍵であなたの心を開くと、あなたはいつでもこの気持ちいい場所へと戻ってこれます。わかりましたか?」
「はい・・・男子・・・すべて正しい・・・鍵・・・戻ってくる」

 こくりと恭子がうなずくのを確認して、男子生徒は三つ数えた。打ち鳴らされる手の音にビクッと体を震わせて、恭子は目を覚ました。

「え・・・あれ?」

 ぱちぱちと目を瞬いて恭子はあたりを見回す。通路にいたはずの自分が、何故か更衣室にいる事に気づき、続いて、女子更衣室であるその場所に男子生徒がいる事に気づいた。

「ちょっ、ちょっと君っ! ここ、女子更衣室よっ! 出て行きなさいっ!」
「まあまあ、落ち着いてくださいよ先輩」

 目をつり上げて怒声をあげる恭子に対し、男子生徒は落ち着き払って答える。しかし、そんな男子生徒の態度に恭子の怒りは更に強くなっていった。

「なにが落ち着けよ! あんたわかってるの!? ここは女子更衣室なのよっ!」

 殴りかからんばかりの勢いでまくし立てる恭子に対し、男子生徒はにやにやと薄ら笑いを浮かべながら答える。

「なに言ってるんですか先輩。『ここは男子更衣室ですよ』」
「え・・・」

 男子生徒の言葉に恭子は一瞬言葉を失う。そして、そんな事はないだろうと辺りを見回した恭子の表情は一気に青ざめた。

「あ、嘘っ、なんでっ!? ご、ごめんっ」

 自分の荷物がロッカーに詰め込まれているのにも関わらず、恭子は男子生徒に謝って慌てて更衣室から出ていこうとする。
 その背中に男子生徒の声がかけられた。

「待って下さい、先輩。『先輩をここに呼びだしたのは俺なんですから』」
「え?」

 その言葉に恭子の体がぴたりと止まる。そして、何かを考える事数秒、恭子は「あ」と『その事を思い出した』。

「え・・・と、そう、だったよね? でも、やっぱりさ・・・場所、変えない? 誰か来たら困るし」

『男子更衣室』にいる事に気付いてしまった恭子はその顔を赤く染め、きょろきょろと落ち着かない。
 そんな恭子をにやにやと見つめて、男子生徒は答える

「大丈夫ですよ先輩。『ここには絶対に誰も来ませんから』。だから、安心して下さい」
「そう、わかったわ」

 男子生徒の言葉に納得し、恭子は男子生徒に向き直った。

「で・・・用って何?」
「先輩に俺を応援してもらおうと思いまして」

 いつもの調子を取り戻して聞いてくる恭子に、男子生徒はにやにやと笑みを浮かべながら言う。
 その言葉を聞いて、恭子は嫌そうに顔を歪めた。

「は? 何言ってるの? 意味わかんない。チア部だからってなんであんたを応援しなきゃいけないの? それに部としての応援だったら私じゃなくてちゃんと先生を通してよね!」

 更衣室内に響く恭子の怒声。しかし、その怒声に怯む事なく男子生徒は恭子に言う。

「でも、『先輩は俺専属のチアリーダー』ですよね? だったら、『俺を応援しないとだめ』じゃないですか」
「あ、そ、そうよね。ごめん、なんか勘違いしちゃった。ちょっと待ってて、すぐ用意するから」

 男子生徒の言葉に慌てて恭子は準備しようとする。その背中に男子生徒の声が掛けられた。

「あ、ちょっと待ってください。『また勘違いしてますよ』」
「え?」
「『俺への応援はフェラチオ』でしょう?」
「あ、そうだったわね。ごめん」

 男子生徒からかけられた常識外れの言葉。しかし、その言葉に頷いて、恭子はいそいそと男子生徒の前に跪いた。カチャカチャとベルトを外し、男子生徒のズボンを下ろしていく。そして、その下から出てきた肉棒を優しく掴み、ぺろりぺろりと舐め始めた。

「れろ・・・れろ。ちゅぅ・・・ぺろ、どう?」
「いいですよ、先輩。もっとして下さい」
「ん、わかったわ。ぺろ・・・ん・・・ふぅ」

 男子生徒の言葉に頷いて、恭子は舌を更に動かしていく。男子生徒の肉棒をまるでアイスのように根本から舐め上げた。
 そこから伝わる快感に男子生徒はゾクッと体を震わせる。その動きを感じ取って、恭子は舌の動きを速めていった。

「んっ、ふっ、ぺろ、んぅ」
「そこ、いいです。奥に咥えて下さい」

 男子生徒の言葉に応えるように恭子の動きが変化していく。あーんと開けた口に男子生徒の肉棒を迎え入れ、頭を前後させていく。

「ちゅっ、んぅっ、あむっ、んぅっ、はんぅ、ふぅっ」

 その動きは的確に男子生徒の気持ちいい所を刺激して、ゾクゾクと快感を与えていく。

「出るっ」
「んんぅっ!?」

 あっという間に絶頂に持ち上げられた男子生徒はドクドクと恭子へと射精する。突然の事に驚いた恭子は肉棒から口を離してしまい、白濁液のシャワーを浴びる事になった。
 恭子の顔にかけられた白濁液はとろとろと恭子の頬を伝っていく。
 それを指で拭って、恭子はぺろりと舐め上げた。

「はい、おしまい」

 そう言って、男子生徒に笑いかけた恭子の貌はとても妖艶で、普段、見せている笑顔とは全く違うものだった。

「全くもう、いきなり応援とか言わないでよね。しかもこんなところで。いくら私が君専属のチアリーダーだからって、こんな所にいるのを見られたら変態だとか言われちゃうじゃない」
「先輩、『まだ終わってないですよ』」

 そう言いながら立ち上がる恭子に男子生徒は言う。

「え、そうなの?」

 応援を終えたと思っていた恭子はその男子生徒の言葉に目を丸くした。
 そんな恭子をにやにやと見ながら男子生徒は未だ硬さを失わない肉棒を指して言う。

「ほら、まだ勃ったままでしょう? 『フェラだけで満足させられなかったら、全身を使って満足するまでしてあげるのが応援』でしょ? 先輩」
「ああ、そうだよね。ごめん、忘れてた。お詫びに最高に満足させてあげるね」

 そう言って、恭子は男子生徒へとキスをする。そして、男子生徒の手を取ると、綺麗な形をした胸へと導いた。
 男子生徒はその手を動かしていく。ふにふにと男子生徒の手の中で形を変えていく胸は男子生徒に充足感を、恭子には快感を与える。

「んんぅ、ふぅっ・・・ちゅぅ、あむぅ」

 伝わってくる快感に体を震わせながら恭子は男子生徒を押し倒していく。尻餅をついた男子生徒の上へと乗っかった恭子は漸く重なった唇を離した。
「はあ」と熱い吐息を漏らした恭子はくすりと笑って男子生徒を見下ろす。そして、くいっとショーツをずらすとギンギンに硬くなっている肉棒を秘裂へと宛がった。

「じゃ、いくね?」

 そう言って、恭子は腰を落としていく。つぷりと肉棒を呑み込んだ秘裂は何事もなく奥まで受け入れていく。そして、恭子は男子生徒の上で腰を振り始めた。
 既に濡れていた恭子の秘裂はぐちゅぐちゅと水っぽい音を辺りに響かせる。

「んっ、はぁっ・・・ね、どうっ」
「気持ちいいですよ。先輩はどうですか?」

 男子生徒の上で上下に動きながら恭子は尋ねる。その問いに男子生徒は冷静にしかし、端々に興奮を隠せずに答えた。
 男子生徒の返答に答えず、ふふっと笑って恭子は腰の動きを加速させる。きゅうっと締め上げられる肉棒。そこから伝わる刺激に男子生徒はゾクゾクと体を震わせた。

「まだまだ余裕ですか? なら、そんな余裕をもてないようにしてあげますよ」
「へえ、どうしてくれるの?」

 男子生徒の言葉にくすりと笑って恭子は問いかける。その問いに男子生徒はにやりと笑って返した。

「いえ、真実を教えてあげるだけですよ。『俺のチンコは特別で女なら入れられただけでイッてしまうほど気持ちいい』っていう真実をね」
「え・・・ひぁぁぁぁぁっ!?」

 男子生徒がそう言った瞬間、恭子の反応が劇的に変わった。
 ビクンと男子生徒の体の上で跳ね、秘裂はきゅうきゅうと男子生徒の肉棒を凄い勢いで締め上げていく。ぶるぶると体を痙攣させ、開かれた口から涎が零れた。

「なっ、あぁっ! んんぅっ! だ、ぁぁっ、ぇぇ!」

 ビクッビクッと体を震わせる恭子に男子生徒は腰を突き上げ、追撃を加えていく。突き上げられる毎にイカされる恭子はあっという間に頭を真っ白にされた。

「先輩。どうですか? 俺のは気持ちいいですか?」
「ああぁぁぁっ、いいっ! いいのっ!! こんっ、なぁっ、んんっ! こんなのっ! しらっ、ないぃっ! こんなのっ! 初めてぇっ! ああぁぁぁっ!!」

 嬌声を上げながら、恭子はガクガクと腰を震わせる。男子生徒と繋がっているその場所ではぐちゃぐちゃと愛液が白く泡立ち、口や目からは涎と涙が零れていた。

「ああっ! ああぁぁっ! がぁっ! っぅ! んっ! ぁあっ! っ! あああぁぁっ!」

 落ちることなくイカされ続ける恭子の秘裂はうねうねとそこだけ別の生き物のように男子生徒の肉棒に刺激を与え続ける。
 伝わってくる快感に男子生徒もゾクゾクと体を震わせた。腰から伝わってくる感覚に限界が近い事を知る。

「先輩っ! 行きますよっ!」
「っっっっっ! あああああぁぁぁぁぁっ!!」

 ズンと深く突き上げられ、恭子の絶叫が更衣室に響き渡る。ぎゅうっと締め付けてくる秘裂の中に男子生徒は白濁液を吐き出した。

「あぁっ! ああぁっ! っ! あっ! っっ! あぁぁぁぁっ!!」

 ドクドクと叩きつけられる白濁液の感触に恭子は小刻みにイカされる。ビクビクと震える体はうねうねと白濁液を逃すまいと肉棒を引き込み、何度も何度も絶頂へと持ち上がる。
 そうして数秒、息を吐ききって声を出せなくなった恭子はビクンと大きく体を震わせて、男子生徒の胸に崩れ落ちた。

「はっ・・・はぁ・・・っ・・・ぁ・・・ぅ」

 男子生徒の胸の上、朦朧とした意識の中で恭子は呼吸を整える。そんな恭子をごろんと床に寝かせると、男子生徒は無造作に肉棒を引き抜いた。

「んっ」

 ビクッと体を震わせる恭子を気にせず、男子生徒は自らの後始末をする。そして、未だビクビクと体を震わせる恭子へと手を伸ばした。その手には自転車の鍵が握られている。

「さあ、先輩。今から先輩の鍵を開けますよ。先輩は鍵を開かれるといつでもあの気持ちいい世界へと、先輩の一番安心できる心の奥底へと入って行きますよ」

 そう言って、男子生徒はくいっと鍵を捻った。最初から脱力しきっていた恭子は見た目の変化はなかったが、深い催眠状態へと導かれていった。

「さあ、先輩はとてもとても深い所。一番安心できる心の奥底へと入って行きました。とても気持ちいいですね」
「はい・・・とても、きもちいい」
「ここはあなたの心の奥底。だから聞こえる声は全てあなたの心の声。全てあなたの望んでいる事です。だから、必ずそうなるし、疑う事も逆らう事もしません。わかりましたね?」
「はい・・・逆らわない・・・」

 時折ぶるっと体を震わせながら、恭子は途切れ途切れの声で答える。恭子の返答に満足そうに笑みを浮かべて、男子生徒は言葉を紡いでいった。

「私がここから出て行ったら、あなたは目を覚まします。目を覚ました後は、シャワーを浴びましょう。体中汗まみれで非常に気持ち悪いので、あなたは絶対にシャワーを浴びたくなりますよ。それと目が覚めた時、今あった事は何も憶えていません。あなたは練習が終わった後、真っ直ぐにここへ来た。誰にも会っていませんし、今あった事は何も憶えていません。しかし、私があなたの鍵を持っている事だけは心の底で憶えていて、今みたいに私があなたの鍵を開くとあなたはいつでもこの気持ちいい所へと戻って来れます。わかりましたか?」
「はい・・・シャワー・・・鍵・・・戻ってこれる」
「では、先輩。また今度」

 そう言って男子生徒は女子更衣室から出て行った。

「ん・・・あれ?」

 男子生徒が出て行ってから数分後、恭子は目を覚ました。ぱちぱちと目を瞬かせながらゆっくりと体を起こす。

「私、どうしたんだっけ?」

 恭子はきょろきょろと辺りを見回した後、自分の体に目を落として顔を蹙めた。

「うぇ、汗まみれ。シャワー浴びなきゃ」

 普段は誰にも見せない嫌悪の表情を顔に浮かべて、恭子はいそいそとチアリーダーのコスチュームを脱いでいく。そして、自分の荷物からタオルを引っ張り出すと、更衣室に備えられているシャワールームへと入っていく。
 その足には秘裂から垂れている白濁液がつうっと一筋、線を引いていた。

< 了 >

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