第三話(前篇)
俺は今、悩んでいた。
幸いにも一晩で元気になったのだが、新たなる問題が浮上したのだ。
う~んどうするかな・・・。
何を悩んでいるかって?
今日から俺は登校するんだが、それに香水をつけていくか迷ってるのだ。
そんな事で悩むな?さっさとつけて行け?
そりゃ、皆にすればその方がいいんだろうが・・・。
亜美とあんな事になったしな・・・。
後悔はしてないんだが・・・。
今から思い返せば、あれはレイプと一緒だったと思う。
え?気付くのが遅い?
あの時は香水を手に入れて舞い上がってたからなぁ・・・。
結果オーライだったが、今度からもそういくとは限らないし。
・・・でもないと結構不安だし・・・。
よしっ!俺はつけて行く事に決めたっ!
亜美とはセックスフレンドって事で一件落着?だったが・・・。
他の人間とじゃ、こうはいくまい。
そこで、だ・・・防衛の為につけるのだ。
きっと何かあった時、身を守ってくれるに違いない。
え?男には効かないだろうって?
心配するな・・・武道をやってるのは亜美だけじゃない。
香水をつけるのは、女の子を殴るわけにもいかないからだ。
男なら半殺しにしてやるけどな・・・。
それだけの理由で亜美を恐れているわけじゃないぞ。
アイツはキレるとマジでヤバイんだ。
どれくらいって・・・アイツはジュニア女子の日本代表だぞ?
この前男の空手五段に勝ったのに、昇段が認められなかったってボヤいてたんだぞ・・・。
え~空手、柔道、合気道・・・全部黒帯を持っているという、反則な妹なんだ。
顔が良くないと、絶対に男は近寄らないだろう・・・。
ここまで考えているうちに俺はもう家を出て、学校付近まで来ていた。
言い忘れた気がするが、引っ越しは日曜日だった。
矛盾だらけで都合が良すぎる?
さっき見かけた電柱に『話の都合』と書かれてあったぞ。
・・・妙に寒くなったが、俺は気にせず校門をくぐった。
「君が桐坂陽介君ね」
職員室に行った俺に、一人の美女が立っていた。
う~ん・・・お約束な展開だとは思うが、この場合は素直に感謝しよう。
肩まで伸びた髪さらさらとしていて、くっきりとした目鼻立ち・・・。
上手く言えないが、知的で温和な大人の女性だ。
「は、はい・・・」
情けないが俺は圧倒されていた。
彼女は神々しいオーラ―を発し、周りに絶対的な存在感を示している。
優しく包み込むような、それでいて何処か近寄り難い雰囲気。
「私が担任の水崎しのぶです。宜しくね」
「こ、こちらこそ」
二人は会釈した。
しのぶ先生・・・何て素敵なお名前・・・て俺は何を言ってるんだ?
「いきなり欠席とは良い度胸じゃない」
はうっ・・・い、痛いところを・・・。
まさか義妹相手に張り切ってました、なんて言えないし・・・。
俺は返答に困ったが、
「次から気をつけなさいね」
そう言って彼女・・・しのぶ先生はウインクした。
す、凄く素敵な人だ・・・もしかして俺って一目惚れか?
正直、もっとこの場にいて彼女と話をしていたかった。
「あら、もうこんな時間。教室に急ぎましょう」
・・・時の流れの何と無情なことだろうか・・・・・・。
少しだけ、異人さんじゃなくて詩人の気持ちになりたかった。
しのぶ先生と言葉を交わしながらも、俺は教室へ歩いていた。
だが、先生の言葉は碌に聞いてなかった・・・と言うより、聞けなかった。
何故なら・・・香水やら化粧やらの匂いが凄まじかったからだ。
そう・・・一種類なら“良い匂い”で済ませても、それが何十種ともなると・・・鼻が曲がりそうだ。
そのうち教室に着いた。
・・・ヤバイな、道順なんて覚えてないぞ・・・。
「ちょっと此処で待っててね」
そう言うとしのぶ先生は、教室の中へ入って行った。
転校して最初の仕事は自己紹介・・・何て言うか考えてないな。
「はーい今日はお知らせがありまーす」
先生の良く通る声が、教室内に響いた。
あれ?席に着いて、なんて言わなかったぞ・・・もしかしなくても皆着いていたのか・・・?
お、俺この学校に馴染めるのか・・・今更だが何か心配になってきた・・・。
「今日は転校生が来まーす」
先生の声と一瞬の沈黙。
「本当?」
「普通月曜日じゃない?」
急に騒がしくなった。
この辺の反応は同じなんだな・・・ちょっと安心した。
でも、どよめき声が一つも起こらなかった辺りが・・・。
何か貴婦人達のひそひそ話の声が大きい版みたいな・・・。
「じゃあ入ってきて」
その声に再び沈黙が訪れる。
な、何か入りにくいな・・・。
こういう場合、ウケを狙う時は後ろや窓から入るんだが・・・それを此処でやると、全員に引かれる恐れがある。
ここはひとまず・・・普通でいこう。
ガラッと、扉を開けると・・・うっ全員からの注目が・・・。
先生の近くまで行くと、正面を向いた。
・・・女子が多い・・・男子は三人しかいない。
噂には聞いていたが、ここまでとは・・・。
「桐坂陽介です、宜しく」
・・・七十を越える瞳に見つめられ、かなり緊張した。
「じゃあ君の席はあそこ」
先生が指差した席・・・窓側から二列目の一番後ろ。
そこに男子三人が固まっていた。
・・・女子から隔離されてるのような気がするのは、俺の気のせいか?
まあとにかく。
今から俺の新しい学校生活が始まるんだな。
席に近づくと、その三人に声を掛けられた。
一人目は背の高い、眼鏡を掛けた奴。
こいつはまあ・・・痩せ細ったがり勉君と言ったところか。
二人目は小柄で丸顔。
アン○ンマンみたいな奴だ。
三人目は・・・特に特徴はない・・・平凡君だな。
「俺は袖之岡だ」
そう言って手を出してきたがり勉君。
「僕は堂道(どうみち)ー」
マンマル君。
「そして俺が南本だ」
そう言って笑いかける、白い歯が印象的と言うか、他に触れるべき点が見つからない南本・・・すまん。
ちなみに席は俺の隣が袖之岡、前が南本、そして左斜め前に堂道。
右隣は当たり前だが女子。
髪を後ろで一つに束ね、縁なし眼鏡を掛けている。
何か知的で冷たく、真面目な優等生といった感じだ。
やっぱりこんな子もいるんだな・・・。
「たまにはまともな男も来るのね」
え?い、今何て言った?
確か“たまにはまともな男も来る”って言わなかったか?
こ、この子見た目みたいに、いや見た目以上にキツイな・・・。
袖之岡・堂道・南本のどこがまともじゃないんだ?
「おい、桐坂」
この声は南本だ。
え?分からない?・・・ほっとけ。
「言わなくても分かるだろうが・・・此処は『女尊男卑』だ」
そんな事、百も承知だよ・・・。
「それがどうした?」
「だ~か~ら~女子を口説こうとは思わないように」
・・・はあ?
南本は何やらおかしそうに笑っているが、俺に身に覚えはない。
「何言ってんだお前?」
こんな女子しかいないような世界で、そんな度胸があるわけないだろ。
でも、南本はにやにやしてやがる。
「だってお前、御代(みしろ)さんを見てただろ?」
そうか・・・御代って言うのか・・・いちいち読み方なくても、それぐらい分かるだろ。
「説明されなくても分かるって」
そう言ってやったら、
「いや、ミダイって読んだ奴がいたんだよ」
こう返事が来た。
・・・確かにそう読めるかもしれないが・・・
「誰だよそれ?」
「俺だよ、俺」
南本の奴、笑ってそう言いやがった・・・お前かよ。
「ところでさー」
いきなり別の声が割り込んできた。
この間延びした話し方は堂道だな。
「桐坂ってさー洗顔はどうすんの?」
・・・はい?
「やっぱり顔で石鹸を洗うタイプ?」
俺は・・・・・・ん?何か変じゃなかったか?
顔で石鹸を・・・?
「・・・あのさ、顔を石鹸で、じゃないのか?」
石鹸を洗ってどうする・・・。
それを聞いた南本が、
「正確には石鹸で顔をって言いたかったんだ」
と訂正してきた。
「そうとも言うねー」
ニッコリ笑ってやがる。・・・御代が言った事、なんか分かるような気がする。
と、取り敢えず袖之岡はまともだろ・・・いや、そうあって欲しい。
「おっ、先生が来た」
やっと授業か・・・少し救われた気分だった。
キーンコーンカーンコーン。
いきなりだが、今は昼休みに入ったところだ。
授業は結構早いが、ついていくのに問題なかった。
ただ、休み時間の方が問題だった。
休み時間になっても、男三人組以外は誰も俺に話し掛けて来ない。
時々、遠くからの視線を感じたが、それだけ。
何か気にはなるが、取り敢えずは男達と友情を深める方が先だ。
まあちょっと変わってはいるが、三人共悪い奴じゃなくて一安心だ。
・・・この三人と一緒にいるって事で、俺も変人扱いされてるとか?
「おーい一緒に飯を食おう」
例の調子で南本が声を掛けてきた。
別にそれはいいんだが・・・
「何処に行く?」
そう、これが問題。
クラスはもとより、何処に行ってハーレム状態。
但し、とてつもなく居心地が悪い。
いくら男子がいるっていっても、数が少なすぎるのだ。
せめて後一人か二人・・・こう思うのは俺だけだろうか?
「食堂だ」
食堂ね・・・よりにもよって・・・。
俺の反応を気にもせず、三人は歩き出した。
「お、置いてくなよ」
一人で教室に・・・なんて考えたくもない、俺は急いで追いかけた。
食堂に行く最中に会う人間、全員が女だった。
・・・此処に他の男はいないのか?
「なあ、何で他に男は見かけないんだ?」
「えーとねんぐっ」
真っ先に反応した堂道の口を、南本が塞いだ。
「他の連中は教師も生徒も、教室や職員室で小さくなってるんだろう」
なるほど・・・でも、何で堂道の口を塞いだんだ?
何となくは分かるが・・・。
俺達四人は開いていた場所に座る。
しかし・・・何なんだこいつら?
俺は母さんの特製弁当を持って来てるんだが、こいつらは食券を買っていた。
いや、問題はその量なんだ。
南本はうな丼と天ぷらうどんとハンバーグ。
堂道は牛丼大盛りにパスタ、カレーパンとチャーハン。
この二人は、まあ見た目以上と言えばそれまでだが・・・。
袖之岡はサンドイッチと焼きそば、きつねうどんにカツ丼、酢豚。
しかも焼きそばとカツ丼は大盛りらしい。
こ、こいつら・・・大食いトリオだ・・・。
いやいやそれより、袖之岡、どこにそれだけ入るんだよ?
と言うか、何でそれだけ食べるのにそんなに痩せてるんだ?
おかしーじゃねーかあぁぁーーーっっっ!!!
「お前どうしたんだ?」
不思議そうなその声にはっと我に返った。
辺りを見回すと、三人はもとより他の人間も俺を見ている。
・・・どうやら俺は声に出してしまったらしい。
食堂のおばちゃんまで、手を止めてこっちを見ていた。
・・・・・・・は、恥ずかしい・・・。
多分俺の顔は真っ赤になっていたに違いない。
いたたまれなくなり、俺は座った。
・・・座った?・・・・・・つまり俺は・・・立ち上がってたのかっ!?
うっ・・・ま、周りの目が痛い・・・。
「ところでさー」
おおっ、相変わらずのマイペースさ。
「桐坂ってさーご飯とお茶?」
・・・な、何が言いたいのだろうか?
「それともさーウシチチ?」
え・・・?ウシチチ・・・?ウシのチチ・・・?
「も、もしかして牛乳の事か?」
恐る恐る訊き返した俺に、南本は頷いた。
「そうとも言うねー」
当の本人は、カレーパンを頬張りながら答えてくれた。
よく分かるように発音出来るな・・・器用な奴め。
それよりも一番の謎は・・・
「南本、よく分かるな」
「堂道の事か?」
そう・・・何でこいつは分かるんだ。
「それはな、付き合いが長いからさ」
・・・爽やかに言い切りやがった。
「ふーっ食った食った」
一人だけ沈黙を守っていた袖之岡。
俺が見た時、見事に全てを平らげていた。
こ、こいつが一番の化け物か?
「早いなお前・・・」
もう俺の言葉には、呆れしかこもっていなかっただろう。
「まあ腹八分目って言うからな・・・これくらいにしておかないと」
は、腹八分目ってお前・・・。
真顔で言ったぞこいつ。
・・・このメンバーがもう嫌になってきた・・・。
(まともな男・・・)
御代の言葉が思い出された。
きっとあいつも苦労したんだろう・・・。
こいつら、絶対に普通じゃない。
いや、南本は普通かもしれないが・・・多分これは願望だろうな・・・。
休み時間を過ごした筈なのに、何故かとても疲れた俺。
こんな事で大丈夫なのか・・・?
・・・そう言えば、亜美の奴・・・あいつはどうしてるのだろうか。
一応引っ越したのだから、あいつも転校したのだ。
まぁあいつの事だ、早速友達とファンクラブが出来てるだろう。
それに引き換え俺は・・・
「桐坂ー卵焼きを醤油にかけるー?」
・・・まだ言ってる・・・もう答える元気がないよ、堂道。
「醤油を卵焼きに、だろ」
いちいちツッコミを入れてる南本・・・本当によくやるよ。
何でも『ミスター通訳』と呼ばれているらしい。
「・・・クリームパンも食っとくべきだったか・・・」
残念そうに腹をおさえている袖之岡・・・まだ食う気なのか?
あれ以上は物理的に不可能だろう・・・と言うか、こいつあれだけ食って何で太らないんだ?
他の二人も、癖がある。
でも・・・袖之岡は自然の法則を完全に無視している。
例え『食べても太らない体質』でも、物事には限度ってものがある・・・ある筈だ・・・あるかもしれない・・・。
駄目だ・・・頭が痛くなってきた・・・もうこれ以上考えるのは止めよう。
・・・・・・・・・・・・おい、桐坂。
・・・・・・誰かが呼んでいる?
ドオンッ
「ぐっ・・・・・・」
とてつもない痛みの所為で、俺は頭を起こした。
見上げると、何故か距離を取ってこっちを見てる三人。
そして俺を殴ったらしい女子生徒が目に映った。
そいつが手にしていた物は、鞄だ。
しかも荷物がぎっしりと詰まっている事が一目で分かる程、重そうな鞄だ・・・普通、そんな物で人の頭を殴るか?
一言文句を言ってやろうと、その女子の顔を見た。
か、可愛い・・・いや綺麗だ。
悔しいが、そいつは非常な美人だった。
眉目秀麗という言葉がぴったりな上、明るく華やかな雰囲気を纏っている。
こいつの前じゃ、どんな花も霞むだろう・・・なんて言っても、全然不思議じゃない。
可哀想だが、亜美よりもランクは上だな。
しのぶ先生クラスだろう・・・でも全然動揺しない。
多分、鞄で頭を殴られたのが原因だろう・・・。
直接見た者以外は、絶対信じないだろうが。
「転校してきていきなり居眠りとは余裕ねー」
そう言って微笑む女。
悔しいが、様になっている。
嫌味なその台詞と笑顔にお嬢様育ちな優雅さ・上品さが感じられる。
やはり来たか・・・でもこんな所で使うわけには・・・。
薄情な三人とこいつ以外にも、教室には人が残っている。
「先生に睨まれても、SHRが終わってもずっと寝てるなんてねー」
何て嫌味な・・・え?
SHRが終わっても?
俺の目は時計へといく。
じ、時間は三時・・・十分・・・?
「な、何イイイイイイイィィィィィィ――――――ッッッッッッ!!!!!」
俺の絶叫が教室に、いやこの階に響き渡った。
お、俺はそんなに寝てたのか・・・・・・?
「て、起こせよお前等ぁーっ!」
怒りの矛先は当然、三人組にだ。
するとその三人は、
「俺達は起こしたぞー」
「何度やっても起きなかったぞー」
「自業自得だぞー」
離れたところから口に手を当てて叫ぶ。
あ、あいつ等・・・でも待てよ・・・?何であいつ等はこっちに来ない?
「もう良いかしら?」
疑問に思う俺の耳に聞こえたのは、低く押し殺された女の声。
思わずそっちを見た俺の目に映ったのは、耳を抑えわなわなと震えている女子の姿。
気のせいか、目には灯が点っていた。
・・・そ、そういう事か・・・。
俺もようやく事態を悟った・・・正しくは推測出来た。
あ、あいつ等・・・俺を裏切りやがったなっ!?
「貴方には今日、教室掃除を一人でしてもらいます」
な、何っ!?何で俺が・・・いやそれよりお前が決める?
俺は無駄かもしれないと思いながら、一縷の望みに賭けて三人の方を見る。
袖之岡は俺から目を逸らし、他の二人は合掌して何やら言っている。
・・・俺は読唇術なんぞ出来ない。
だがっ、状況と動かし方から察するにあいつ等・・・
「ご愁傷様」
なんて言ってやがるのだ。
こ、この裏切り者共がぁっ!!
「良いわね?」
ずんっ、と迫力を増す女子の声。
「は、はい」
結局俺はその圧力に屈し、泣く泣く掃除をした。
ちなみに・・・あの三人は忍者顔負けの素早さで逃走。
あいつ等だけは・・・絶対に許さんっ!!
・・・結局四時になってしまった。
こんなに遅くなったのは、
「窓拭きや床磨きもやるように」
なんて厳命を受けたからだ。
手を抜くと一週間、そして一月の間一人で・・・なんて脅迫に屈したのだ。
誰かに声を掛けて操り、手伝ってもらっても良かったのだが、転校初日にそれをやると流石に怪しまれるだろう。
・・・今日は早く帰って寝よう。
「あら桐坂君」
この声はしのぶ先生!
振り向くと、愛しの・・・もとい担任のしのぶ先生・・・あれ?隣にいるのは誰だ?
彼女(しのぶ先生)の隣に、見た事もない女の人が立っていた。
輝くような金髪、ボンッキュッボンッの見事なバディ。
この人もこの学校の先生かな?
「あの・・・その人は?」
当然俺の目はその人に釘付けだ。
それを見たしのぶ先生は、苦笑した。
「ああ彼女は・・・」
「私は外国人デース」
そう言ってその人はニッコリ笑った・・・いやそれくらい分かるよ?
それより、自分で“外国人”なんて言う人もいるのか・・・。
「それでね私の友達で・・・」
「YES!アイアムハーフレンドネー」
・・・その英語合ってるのか?
「名前は・・・」
「OH!もーこんなタイムネー!ネクストタイムまでウエイトをお願いネー」
・・・日本語と英語がごっちゃ・・・話し難くくないのか?
「それじゃ、バーイネ~!」
手を振って去って行った・・・結局誰だったんだよ・・・。
でも美人だったな~体も凄かったな~。
ナイスバディで明るくて、美人で・・・凄い人ネー。
・・・し、しまった口調が・・・。
「桐坂君?」
まあいいや・・・でも、でも一度でいいから・・・
「エッチしてみてー」
「え?桐坂君?」
・・・し、しまったぁっ!せ、先生の事を忘れてたぁ~!
「エッチしたい?」
な、何故か真剣な眼差しのしのぶ先生・・・。
ヤ、ヤバイ・・・停学いや退学になるかもしれない・・・。
て、転校初日で・・・ああっ・・・俺の人生は・・・。
「どうなのよ?」
「エッチしたい!させろ!」
もうやけだ・・・退学になって・・・香水の力を使って・・・。
「いいわよ」
そうだろ、いいよな・・・・・・え゛?
「い、今・・・今なんて?」
「いいって言ったのよ」
・・・えええーーーっっっ!?
「ついて来て」
先生は歩き出した・・・。
ちょっ、ちょっと待て・・・何でいいんだよ?
おかしいだろっ!?
体を操るだけなんだろ?
なのに何で先生からオーケーが出るんだよ?
・・・でもついて行くか・・・。
誰ともすれ違わず、俺達が来たのは第二理科室だった。
人気が全然ない。
先生は振り向くと、いきなりキスしてきた。
「んぐっ」
せ、積極的だなー。
何て柔らかい唇なんだ・・・んおっし、舌を・・・。
あ・・・いきなり離れた。
先生の良い匂いも一緒に・・・。
「ふふふ・・・どうしたの?」
妖しく微笑むしのぶ先生・・・。
本当にどうしたんだ?
これも香水の力なのか・・・いやそんな事は聞いてないぞ。
じゃあ先生はどうして・・・・・・一番考えられるのはあの野郎が何か隠しているって事か。
「せ、先生どうして?」
ああ・・・!聞いてしまった・・・。
「君が誘ったんでしょ?」
いや理由になってないよ、先生。
先生が俺の彼女ならともかく・・・ああ、そう言えば俺って彼女いないんだよ・・・。
「本当の事言うとね、私にも分からないのよ」
え?や、やっぱり・・・
「でも何か桐坂君とエッチしないといけない気になって・・・おかしいよね」
そう言って悲しそうに微笑む先生・・・。
俺の所為だ・・・。
「でも嫌じゃないのよ?」
え?おかしいのに・・・嫌じゃない?
「何でかな・・・嬉しい気がするの?」
???・・・何言ってんだこの人?
嬉しい?操られてるのに?
・・・操る?いや俺は操ってなんかいないぞ?
体は操られても、心までは?
うん?ちょっと待て。
頭は?脳は?どっちになる?
・・・普通は肉体に入るよな?
いや?体を支配しているのは脳だよな?
つまり、香水の力は当然脳も対象内って事に・・・。
・・・もしかして最初から、相手の脳に命令すれば良かったのか?
・・・あ、あの、あの野郎っ!隠してやがったのかっ!?
いや俺も気付けよっ!!
「桐坂君は私とするのが嫌?」
うっ・・・媚びるような上目遣いに甘い声・・・。
せ、先生もこの場にいたんだった。
それにしても色っぽい・・・。
「そ、そんな事ないです」
しのぶ先生にそんな目で見られて健全な男が拒否できるか・・・。
当然この場はするに決まってる。
「それじゃあ・・・」
先生はいきなりスカートの中に手を入れて、パンティを脱いだ。
し、白だ・・・。
「残念だけど、時間があまりないの。このままで、ね?」
本当に残念そうな先生・・・俺は幸せ者だ!
俺は当然頷いた・・・ちょっと残念だったが。
「もうこんなになってるのね」
俺の股間が先生の白い指に、撫でられた。
そしてもう片方の手で、スカートを捲り上げた。
うおっ白い、美しい脚が、太腿がっ。
さ、さらにみ、魅惑の、男の憧れがっ。
「さあ・・・舐めてみて」
言われなくてもいただきますっ!
し、茂みが・・・割れ目がっ・・・。
もう俺は止まらなくなった。
そこを俺は舐める。
「あっ・・・」
少しだが、先生が反応した。
「もっと!もっと気持ち良くなれっ!」
俺は叫ぶとより早く舌を動かす。
「あんっ・・・あんっ、あんっ・・・」
一気に感じ始めた先生のクリトリスも責め、舌を深く入れる。
「ああっ!イイッ!イイのっ!」
そう叫ぶと先生は、体を仰け反らせた。
「イ、イクッ!」
早いな・・・おっと、香水の所為か。
グニャリとなる、息の荒い先生・・・これはこれでそそるかも。
「先生」
呼びかけてみたら、微かに反応した。
「桐坂君・・・上手なのね・・・」
おおっ、喘ぎながら誉められた。
亜美で練習した甲斐があったな・・・但しこれを言うとあいつは怒るだろうが。
もう俺も限界だ・・・。
「せ、先生その・・・中に」
やっぱり・・・言い難いなあ・・・。
「あ、待って」
先生は手をついて体を起こした。
ナマは嫌なんだろうな・・・こんな事もあろうかと俺はちゃんと持ってるぞ。
と、思いきや先生もコンドームを取り出した。
「ちゃんと使ってね」
分かってるよ先生・・・でも何で持ってるんだ?しかも二枚重ねだし。
・・・まあいいや。
俺は分身に装着した。
これで準備は整った・・・俺の分身よ行けい!
< つづく >