友達以上、兄弟未満 生える時、生えれば

生える時、生えれば

 目覚まし時計の音で目覚めると、おちんちんが生えていた。しかも元気が良い状態で。

・・・これって、生えるもんだっけ?

 ベットの上で体を起こす。横を見ると茜(あかね)ちゃんが気持ち良さそうに寝ている。ほっぺにキスしてみる。ちゅ。
 窓の外は朝日でなく、夕焼け空が見える。カーテンが閉まってるから、外から覗かれる心配はない。もっとも、窓の外は茜ちゃんの家で、茜ちゃんの部屋からしか覗けないけど。
 寝惚けたままの頭で考える。
 今日は水曜。学校から帰ってすぐに二人で受験勉強を始めて・・・。一段落ついた頃に、ボクのお父さんから「今日は遅くなる」と電話があって・・・。ちょっと気分がエッチぃくなっちゃて・・・その、まあ、あれしちゃったわけで・・・。珍しく二人とも、シャワーも浴びずにそのまま寝ちゃったわけで・・・。それで、現在に至る。寝る前に念の為、目覚まし掛けてたんだ。

 ボクの名前は「御子神 あきら(みこがみ あきら)」。「ボク」と言っても、れっきとした『女の子』。みんなからは「アキちゃん」て呼ばれている。
 隣りで寝ているのは、幼馴染で親戚の「宮咲 茜(みやさき あかね)」ちゃん。こちらも当然女の子。
 ボクと茜ちゃんは、むふふの関係。女の子同士で愛し合ってるの。双方の親には、少し嘆かれているけど、一応「恋人」として認めてもらっている。

★★★★★★★★★★★★

 お昼寝する前までは、なかったはずの「男の子」をじっくり見る。じっくり見る。じっくり見る・・・。ポっ。ちょっと照れてみる。
 これが元気な状態だって事はわかるけど、他の人と比べて大きいのか、小さいのか分からない。だって、保健の教科書には絵はあっても写真なんてないし、教科書の絵だって元気な時の絵じゃないし。
 一人で悩んでいても仕方がないから、茜ちゃんを起こしてみる。

「茜ちゃん、茜ちゃん、起きて・・・大変だよォ」
「・・・んっ、な~に・・・」
 茜ちゃんが目を擦りながら起きてくれた。茜ちゃんが上半身起こしたから、可愛いおっぱいが丸見えになった。わっ! おっぱい見た瞬間、おちんちんがびくっと震えた。一段と堅くなっちゃった。ちょっと、パニック!
「あ、茜ちゃん、どーしよ。生えちゃった! 今、びくって震えちゃったぁ!」
「・・・ふーん・・・覚えてないの・・・?」
 覚えてないって、何を?
「・・・思い出して、寝る前にお姉ちゃんから貰ったお薬飲んだでしょ。おちんちん生え薬飲んだから、おちんちん生えちゃったんだよ」
「・・・」
 茜ちゃんは、ボクのおでこを指先でつんつん突つきながら説明してくれた。あっ、そうだった。お姉ちゃん・・・茜ちゃんのお兄さんの恋人、通称「赤い髪の魔女」さんから、おちんちん生え薬もらったんだ。それ飲んだから、おちんちんが生えたんだ。
「思い出した?」
「・・・うん。お薬飲んだから、生えちゃったんだ・・・」
「そうよ。でも試作品だから一回分しかなかったの。私も飲みたかったけど、アキちゃんに譲ったの」
「・・・うん。譲ってもらった・・・」
「一晩経つと、おちんちん無くなっちゃうから、安心して良いよ」
「・・・うん。一晩で無くなっちゃう・・・」
 おでこをつんつんされるの気持ち良い。茜ちゃんの言葉が頭の中に染み渡る。

★★★★★★★★★★★★

「思い出したようで安心しちゃった。どう、男の子の気分。どっか痛くない?」
「うん、大丈夫。ただ、堅い棒が体から生えてるみたいで落ち着かない」
「・・・触って良い・・・?」
「うん。でも、優しくしてね」
 茜ちゃんの柔らかい指が、おちんちんに振れてくる。びくっ、指が触れた瞬間、また震えた。
「わぁ、堅~い。それに熱いよ。すごいね、あなたのおちんちん」
「・・・(うっ)・・・」
 Hの時だけ、茜ちゃんはボクの事を「あなた」って呼ぶ。何故かは知らないけど。
 茜ちゃんがおちんちんを握ったり、突ついたりする。その度に、腰から頭に抜けるような快感が走る。私も茜ちゃんも男の子と付き合った事ない。茜ちゃんは初めて見るおちんちんに、興味津々みたい。
「わっ、ちゃんとカウパー氏腺液でてるよ。それにどんどん大きくなる。私の為に大きくしてくれてるのよね嬉しい」
「・・・茜ちゃん、恥ずかしいよぉ・・・」
 頻り(しきり)に「大きい」とか「堅い」なんて繰り返す。日頃、茜ちゃんはこんなこと言わないのに・・・、羞恥責め?
「ね、おちんちん、舐めたげよっか?」
「ダメだよぉ。汚いよう」
 いつもはクンニしあってるけど、おちんちんを舐めるなんて、茜ちゃんの口が穢れそうな気がする。
「あなたの体に汚いところなんてない。それにいつもクンニしてるじゃない」
「・・・ひゃん・・・」
 ボクの抗議を一言で否定して、いきなり舐めた。舐めたと言うより、咥えちゃった。
「ほお、ひもひひひ?」
「・・・ふぁう・・・」
 おちんちんを咥えながらしゃべられると、微妙な振動が伝わってくる。変な声を上げてしまった。
「気持ち良い?」
「・・・うん、とっても・・・」
 一度、口を離して尋ねてくる。ボクが感じたままの言葉を返すと、また咥えてくれる。
「(れろれろれろ)」
「・・・ひゃ、あ、ふぁ・・・」
 口は動かさずに、舌だけでおちんちんの頭を舐めてくれる。頭の付け根の裏側を入念に舐め舐めしてくれる。上目遣いでボクを挑発するように見詰める。フェラってクンニと違って視覚効果が凄いのね。
「(しゅぼしゅぼ)」
「・・・あ、ひゃ、ふぁ・・・」
 ディープストロークって言うのかな、根っこの方までゆっくり咥えて、素早く頭の辺りまで引き抜く。逆に、素早く咥えて、ゆっくり引き抜いたりする。舌を強く押し当ててるのか、アソコの中とは違った快感がある。
 あれ、アソコの中って・・・今日初めておちんちん生えたん・だ・・よ・・・ね?
「(ちゅー、しゅぼしゅぼ)」
「・・・や、あっ、あん・・・ダメ、なんか来る、なんか・・・」
 茜ちゃんがディープストロークだけじゃなくて、口で吸引してる? 何かが来る? 何かが出る? 未知の快感がおちんちんを襲ってくる。
「(しゅ、れろ、ちゅー、れろ)」
「・・・ひゃっ、あっ、ふっ、あ、あぁーん・・・!」
 何かが出ちゃった。おしっこと違う何かがおちんちんから迸ったのがわかる。

・・・もしかして、今のが射精・・・?

 おちんちんから顔を離して、にっこり微笑んでる。でも口元はしっかり閉ざして・・・。こんな顔する時、茜ちゃんはイタズラをしちゃう事が多いんだけど・・・。
「(ちゅ、じゅちゅ)・・・へへ、お裾分け」
「!」
 うっ、口の中に生臭いなんか変な味が広がる。あんまり美味しくない。
「そんな顔しないでよ。飲みなれたら美味しいのに」
「・・・茜ちゃん、これ、飲んだことあるの!?」
 飲みなれたらって、茜ちゃん、誰と浮気してるの? それとも、私が浮気相手なの?
「大丈夫、私は、あなたに夢中なの・・・私はあなた以外とHしない。安心して」
「・・・うん・・・」
 また、おでこをつんつんされた。パニックが一気に治まる。

★★★★★★★★★★★★

「ね、また、あなたの膝の上に座らせて。私の特等席」
「えへへ、良いよ。茜ちゃん甘えん坊さんだね」
 ベットの上で座リ直す。茜ちゃんは、ボクの膝の上に座る。茜ちゃんは至福の表情。茜ちゃんの、この顔を見るのが大好き。
「女の子は大好きな人の膝の上に座るのが大好き。だから、ここは私の特等席。ここには私しか座らない。あなたは、ここには私しか座らせてはいけない。ここは私だけの物」
「・・・うん・・・ボクの膝の上は、茜ちゃんの物。ボクは茜ちゃん以外座らせない・・・」
 おでこをつんつんされるのが好き。茜ちゃんを膝に座らせるのは、もっと好き・・・。

「ねっ、おちんちん使ったHしちゃおーか?」
「・・・えっ・・・」
 わざとだろうけど、茜ちゃんは柔らかいおっぱいをボクに擦り付けている。ボクよりもおっきなおっぱいを。
 恥ずかしいけど、ボクの今日生まれたばかりのおちんちんは、また大きくなってきてる。これって、使いたいってボクが思ってるからだよね。
「だって、あなたのおちんちんも、おっきくなってきてるよ」
「でも、おちんちん入れちゃったら、茜ちゃんバージンじゃなくなっちゃうよ」
 ボクと茜ちゃんは何度もHしてるけど、お互いおちんちんないからどっちもバージンのはずなの。

「ふふ。処女膜なんて、とっくの昔にあなたにあげてるわよ。あなたの初めてもわたしが貰ったよ。私の体は全てあなたの物。あなたの体は全て私の物」
「・・・うん、茜ちゃんの体は全てボクの物。ボクの体は茜ちゃんの物・・・」
 また、つんつんされちゃった。茜ちゃんの処女はボクが貰ってたんだよね。ボクの初めても茜ちゃんにあげたんだよね。
「だから、あなたのおちんちんは、私以外に触らせちゃダメ。もちろん、私のアソコも他の男の子になんか触らせない。二人で一人。一人で二人」
「・・・うん、二人で一人、一人で二人・・・」
 つんつんされるのが気持ち良い。そうだよね、ボクと茜ちゃんは二人で一人。お互い、他の人に恋する事も、男の子とHする事も有り得ない・・・。

★★★★★★★★★★★★

 茜ちゃんは一度立ちあがり、改めてボクの腰を跨ぐように座りなおした。対面座位だっけ茜ちゃんの好きな体位よね、これって。
「私があなたの体にキスすると、どんどん気持ち良くなる。私の事がどんどん好きになる」
「・・・あ、ふっ、あん・・・」
 キスされるたび、茜ちゃんの存在が心の中で大きくなる。体も反応する。
「私のおっぱいが、体に当たると気持ち良くなる」
「・・・ひゃ、あっ、ひゃ・・・」
 柔らかいおっぱいと、堅くなったおっぱいの先っぽが、僕の硬い胸に当たって気持ち良い。ボクって、おっぱい全然ないんだよね。男の子みたい。
「ほら、私の事が欲しくてたまらない。私の中に入りたくてたまらない」
「・・・あっ、ふん、茜ちゃんの中に入りたい・・・」
 中に入るって、おちんちんを使うってことだよね。うん、入りたい。ボクのおちんちんは茜ちゃんの中に入るために存在してるから・・・。

「へへ、私も準備OKだよ。入れてあげるね」
「・・・あう・・・」
 変な声、あげちゃった。茜ちゃんの中に入っちゃった。
「どう、私の中気持ち良いでしょ」
「・・・うん、とっても気持ち良い・・・」
 茜ちゃんの中は指でも味わってたけど、温かくて濡れていて、口の中とは違った感覚。まさに快感。男に生まれてきて良かった・・・。あれ、ボク、今日だけ男の子なんだよね。
「あなたのおちんちんは、私の中にしか入れられないの。私でしか気持ち良くなれないの」
「・・・うん・・・」
 茜ちゃんの言葉が心に染みる。ボクのおちんちんは、茜ちゃんの中にしか入れない。茜ちゃんしか愛せない。
「今日は、私が動いてあげる。あなたはじっとしてて良いからね」
「・・・うん・・・」
 少し「今日は」って言葉が気になったけど、どうでも良い。茜ちゃんに愛してもらえるなら、どうでも良い。
「・・・ふん、はっ、ふっ、うん・・・」
「・・・んっ、あっ、う、あん・・・」
 茜ちゃんが腰を器用に上下させる。茜ちゃんが動くと、茜ちゃんの中も微妙にくねる。快感が波のように押し寄せる。
「・・・ふん、はっ、ふっ、うん・・・」
「・・・あっ、ん、茜ちゃ・ん、逝・きそう・・・また、で・ちゃいそう・・・」
 また、さっきの迸りの快感が押し寄せそうな気配がする。
「・・・うっ、あな・たは、私の中・で逝くと・んっ・私しかぁっ・愛せな・くなる・・・心も・体・も、私し・か愛せ・な・く・なる・・・あっ、あっ、晃、大好き・・・」
「・・・んっ、あっ、あ、あーー!!・・・」
 茜ちゃんの中で逝っちゃった。気持ち良く、逝かされちゃった。茜ちゃんの中も、ぴくぴく動いてる。茜ちゃんもボクと一緒に逝っちゃたんだ。
 心が、茜ちゃんへの愛情で満たされる。愛おしさが満たされる。

★★★★★★★★★★★★

「私の中で逝くのは気持ち良い。あなたは、もう私以外の女の子の中では逝くことはできない。その代わり、私とセックスすれば、いつでも天国にいる心地になれる」
「・・・うん・・・」
 おでこをつんつんしながら、トドメの暗示を与える。これまでもそうだったけど、これからも永遠に私達の愛は続くの。私が晃から離れられないように、晃も私から離れられない。

 晃の私への愛を疑っているんじゃない。私の晃への思いも疑っているんじゃない。催眠術がなくても、私は晃が好き。晃も私の事が好き。これは、自信を持っている。
 だから、これはお互いの愛を確かめる儀式なの。催眠術は万能じゃない。催眠術かかっていても、もし嫌だと思ったらいくらでも抵抗できる。抵抗しないと言うのは、お互いの暗示を心から望んでいるからなの。

 えへへ。今日は、晃を逝かせちゃった。いつも逝かされちゃうばかりだけど、今日は逝かせちゃった。もちろん、私も逝っちゃったけど。
 お互い、逝っちゃった後の気持ち良い気だるさの中、まどろんでいる。私は晃の体を撫でている。晃も私の体を撫でている。とても気持ち良い。

 おっと、まだ終わりじゃないんだよね。あと、催眠を解いてあげなきゃ。そう、今日は、晃に催眠術かけてHしちゃったんだよ。
 晃をここまで深い催眠状態にしたのは初めてかも。何度も練習してたけど、これもラポールが形成されてるお陰だよね。
 今、晃は、女の子になってるつもり。人格転換暗示の最中なの。人格転換で女の子になって、しかも、おちんちん生え薬でおちんちんが生えたって言う状況。以前、私におちんちんが生えたって言う暗示を与えた仕返しよ。
 あとは、おでこをつんつん突ついて、暗示を解くようにすれば万事終了。

★★★★★★★★★★★★

「私が・・・あっ!」
「・・・」
 おでこをつんつんしようとしたら、両腕を掴まれちゃった。これじゃ暗示与える事できないよ。言葉だけでも暗示効くと思うけど、人格転換の暗示解くのには、もう一回深く眠ってもらわなくっちゃいけないのに・・・。

「茜ちゃん、ボク、まだ逝き足りない」
「・・・良いよ。もう一回する・・・?」
 そっか、もう一回逝きたいのね。このHな「女の子」は・・・。
「うん、でも・・・茜ちゃんの・・(ごしょごしょ)・・が欲しい」
「えっなんて言ったの、聞き取れなかった」
 言い難いのか、小さい声だったから聞き取れなかった。
「・・・茜ちゃんの、もう一つの処女が欲しい・・・」
「えっ?」
 もう一つの処女って・・・何?
「茜ちゃんのお尻の処女が欲しい!」
「!」
 すっごい力で、押し倒された。私、ピンチ!! お尻のピンチ!!
「やっ、ダメ・・・晃、催眠術から覚めて・・・!」
「・・・催眠術なんかかかってない・・・」
 こんなのじゃ解けないの分かってるけど・・・。
「あなたは、今から十数えると、催眠から目覚めます。一つ・・(んっ)」
「・・・」
 強引にキスされた。口を塞がれた。晃は片手で私の両手をふさいで、もう一方の手がお尻に伸びてきてる。私、ピンチ!! お尻のピンチ!!
「(むぅう、うぅう)」
「・・・」
 まさか、晃の舌に噛み付くわけにもいかないし、懸命に暴れるけど、晃の力にはかなわない。
 もう、覚悟を決めるしかないの? でも、何も処理してないところに入れちゃったら、晃のおちんちんが病気になっちゃうよ。そんなの嫌だよ~。
 一部の人は誤解してるけど、お尻使うときは、コンドーさん使わないと、ばい菌がおちんちんについて、炎症起こしたり、ホントに病気になっちゃうんだよ。
「ぷふぁ・・・晃、だめ、おちんちん病気になっちゃう。今日はダメ」
「・・・」
 息継ぎをするためか、一瞬、口を開放してくれた。早口でまくし立てる。晃は、私の言いたい事がわかったのか、少し力を緩めてくれた。
「今日はダメ。お尻は今度ね、今度」
「・・・」
 涙目で頼んでるのに、晃の目は笑っている・・・笑っている?

★★★★★★★★★★★★

「・・・もしかして、晃、催眠術かかってない・・・?」
「さっき、かかってないって言ったよ」
 口調は男なのか、女なのかわざと分からないように言ってる感じがする。もしかして・・・。
「いつ、覚めたの? まさか、最初からかかってなかったとか?」
「・・・」
 晃を睨みつける。もし、最初からかかってないって言われたら、ショックかも。
「こ・う・答・え・て!」
「茜の中で逝っちゃった時。茜が『晃、大好き』って叫んだ瞬間」
 顔が一気に赤くなる。怒りじゃなくて、恥かしさで。私、逝っちゃった瞬間、叫んだ気がする。
 それまでは、一生懸命「あなた」なんて、使いなれない言葉使ってたのに・・・、あの苦労は何?

「大丈夫、茜の暗示、全部効いてるよ。僕は茜以外、愛さない。茜以外、好きにならない」
「・・・」
 腕を放して、優しく抱き起こしてくれる。いつもの私の特等席に座らせてくれた。
「僕は、茜が大好きです。茜さえ居れば、誰も要らない」
「・・・」
 優しく体を撫でながら、耳元で囁かれる。
「さっき、ふざけ過ぎました。ごめんなさい。許してください」
「・・・良いよ。怒ってない・・・」
 もう、こんなに優しく囁かれたら、怒れないじゃない。最近、晃は私が不機嫌になりきる前に、こうやって誤魔化す。

★★★★★★★★★★★★

「最初は、かかってたんだよね?」
「かかってたよ。不思議な感覚だった。女の子になったのに、おちんちんあったのは・・・」
 よしよし。ちょっと不安だったけど、かかってたんなら、もうどうでも良いや。
「えへへ、晃が『あん、あん』鳴いてたの、可愛かったよ」
「・・・」
 ちょっとからかっちゃえ。いつもいじめられてるから、逆襲だぁ。
「『・・・あ、ひゃ、ふぁ・・・』」
「・・・」
 晃の鳴き声を真似てみる。えへへ。晃、言い返せないでしょ。ちょっと優越感。

「あれ、たぶん、無意識に茜の鳴き声真似てたんだと思う」
「・・・」
 逆襲に逆襲された。今度は、私が黙る番。
「だって、僕、茜以外の鳴き声なんか知らないもん。だから、あれは茜の鳴き声の真似」
「・・・」
 晃のいじめっ子モード、スイッチ・オン。
「それに、何も言わないのに、茜が積極的に責めてくれたのも、気持ち良かった」
「・・・いじわる・・・」
 腹が立ったので、晃のわき腹を軽く抓って(つねって)みる。
「・・・いたた・・ごめん、ごめん。もう言いません・・・」
「・・・」
 ゆっくりと体を揺さぶりながら背中を撫でられ、まったりとした時間が流れる。甘々のラブラブモード。心地良い時間。

「で、いつくれるの?」
「?」
 しばらくしてから声を掛けられた。何かプレゼントする約束なんかしたっけ?
「だから、お尻の処女」
「・・・」
 ぴきーん。背中に緊張が走る。

「なっ、何言ってるのよ。あれは、言葉のアヤでしょ!」
「『今日はダメ』って言ったからやめたんだよ」
 そんな意味じゃなくって・・・。
「だめ、ぜーったいダメ。第一、コンドーさん付けないと炎症起こすのよ!」
「じゃあ、コンドーさん使えば良いんだ」
 一言で言い返される。いや、そうじゃなくって・・・。
「・・・ダメ、ダメな物はダメなの・・・」
「こっちこそダメ。明日にでも貰う。茜の全ては僕が貰うの。ちゃんとコンドーさん使うから」
 逃げようとじたばたするけど、晃が力強く抱きしめて逃げ出せない。

・・・誰か、た・す・け・てぇ~~~!!

 最後には、笑って冗談だよって言ってくれたけど、ホント、怖かったよ。でも、ちょこっと期待してたなんて、口が裂けてもも言えないけどね。

< つづく >

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