催眠塾 第一話

第一話 「蕾を摘む者」

「テストって言っても、そんなに心配しなくて良いから。簡単なものだからね」
「はい……」
 ここは俺の城だ。この中では俺は何でも出来る。
 小花学習塾。それが俺の城の名前。
 俺は子供が好きだった。だから俺は教師になろうと思った。
 大学で教育課程を取り、実習にまでこぎつけた。
 だが、俺はそこでわかったんだ。俺は子供を好きなのは、違う意味だと。
 それともう一つ、趣味で研究していたモノが実用レベルにまで高まった。それを利用し、趣味と実益を上げるには学校の一教師と言う立場は不向き。
 そこで俺は教師になるのを止めた。
 代わりに俺は塾を設立した。ビルを一つ手に入れて。最上階は俺の自室だ。

「桜田麻奈ちゃん、だったね。お、私の名前は小花切雄だ。よろしく」
 危うく俺と言いそうになる。上でならともかく、一人称を俺と言うのはあまりよろしくない。だから俺は下では意識して私と言う一人称を使っている。
「は、はい、よろしくお願いします……」
 丸めの顔にくりくりした大きな茶色の瞳。淡い茶色の髪の毛をオレンジのゴムでツーテールに結い、緑色のTシャツに赤みがかったオレンジのキュロットスカート。なかなか可愛い子だ。
 本来は活発な女の子なんだろう。でも今はおどおどびくびくしている。人見知りはするほうで、勉強はあまり好きなほうではないようだ。
「楽にして。テストが悪くても塾に入りたいと思うんだったら、入れるんだから」
「う、うん……」
 すでに第一試験の容姿はは合格しているがな。これだけ可愛いのならじっくり可愛がってやるさ。
 俺は机の上のろうそくにライターで火をつける。ふわっとレモンの香りが部屋中に広がっていった。レモンの香りは集中力を高めてくれる。
「先生……これは?」
「ああ、アロマテラピーって知ってる?香りには心を落ちつける力があるんだ。麻奈ちゃんにリラックスしてもらおうと思ってね」
 次に席を立ち、ライトのスイッチを切りかえる。青い光が部屋をやさしく包む。青と言う色は集中力を高める効果がある。しかし、青い色は寒さも感じさせるので、部屋の温度を暖かめに設定する。
「さて、まずは何でこの塾に入りたいのかな?」
 俺は椅子に座りながら麻奈ちゃんに聞く。俺と麻奈ちゃんの間ではレモンの香りを立ち上らせるろうそくの炎が揺れている。
「えっと、ランちゃんもアオちゃんもこの塾に通っているし、この塾に通い出してから凄く成績が上がったみたいで……。わたしもお勉強が出来るようになるかなと思って……」
「そう……」
 蘭ちゃんって言うのは、金森 蘭ちゃんの事だろう。あおちゃんって言うのは向日 葵ちゃんかな?同じ学校だし、多分そうだろう。
 どちらも違った魅力を持つ可愛い子だ。二人とも俺がもうじっくりと可愛がっている。ここに麻奈ちゃんを加えると……また楽しいことになりそうだ。
 しかし、本当にそれだけの理由なのかな?
「それじゃ、この画面を見て」
 俺はテレビのスイッチを入れ、ビデオを再生する。青い画面に黄色、赤、緑、白といったさまざまな色と大きさの丸が現れては消えていく。
「テストって言うのは、この画面に出てきたマルと同じ色のボタンを押していくだけだ。簡単だろ?」
 麻奈ちゃんの前に四つのボタンがついたパネルを置く。
「小さい丸もあるから画面をよく見ていてね。それから、ボタンを押しても音は出ないから。間違えても良いから画面を見ていてね」
 俺は一度ビデオを巻き戻し、一時停止する。
「準備はいい?」
「うん……」
「じゃ、スタート!」
 俺はビデオを再生すると同時にメトロノームを動かした。
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 メトロノームの規則的な音だけが部屋に響く。
 青い画面の上に大きな白い丸が出たと思うと、すっと消えて左下に小さな緑色の丸。
 麻奈ちゃんは必死にボタンを押している。
「頭を動かさないで。画面全体をぼんやり見るように」
 俺は麻奈ちゃんにアドバイスする。
 画面の丸はゆっくりと出るときもあれば素早く出るときもある。画面全体をじっくり見ていないとついていけない。
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 メトロノームに合わせる様に、また外すように丸が現れて消えていく。
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 丸が出てくるのが止まる。画面は青一色だ。
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 画面が砂嵐に切り替わり、ビデオテープが自動的に巻き戻される。
 だが、麻奈ちゃんはぼうっとテレビ画面を見つめたまま動かない。パネルのボタンに手をかけたまま、口を半開きにして焦点の定まらない瞳で頭が少しゆらゆらと揺れている。
 俺は麻奈ちゃんの後ろに回りこみ、目の前で手を振ってみる。が、何の反応も無い。
「導入完了……」
 これが俺が趣味で作った催眠導入ビデオだ。サブリミナルフィルム、サブリミナルサウンド両方を併用し、容易に深いトランス状態に落とすことが可能だ。
 さらに、暗めの部屋でテレビ画面を直視させ、疲れさせることと集中力を高める色と香りによってその効果を倍増させている。
「麻奈ちゃんの頭が揺れる……ゆらゆら揺れる……」
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 麻奈ちゃんの頭を掴んでゆっくりと左右に揺らす。
 これからもっと深化させる。ここからは俺自身の手でやるしかない。が、ゆくゆくは最後まで一本のビデオで出来るようにしたいものだ。
「揺れるたびに深い階段を降りていく……虹色の階段をゆっくりゆっくり降りていく……」
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 メトロノームの音に合わせてゆっくりと揺らす。
「あたりがだんだんと暗くなっていきます……音も聞こえなくなっていきます……私の声だけが聞こえます……」
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
「瞼が重くなって目をあけていられません……身体からどんどんと力が抜けていきます……」
 かちっ、かちっ、かちっ、かちっ……。
 今までパネルにかけられていた腕がずるっとずり落ち、だらりと垂れ下がった。
 俺は麻奈ちゃんの椅子を回し、自分のほうへと向ける。
 完全に脱力して、眠っているように見える。口は半開きのまま、少しよだれがたれていた。
 俺はハンカチを取り出してよだれをぬぐってあげる。
「私の声が聞こえますね?聞こえたらうなずいてください」
 麻奈ちゃんがこくんとうなずく。が、うなずいたまま脱力している。
「それじゃあ、顔を上げて目を開いて……でも、何も見えないよ」
 俺がぱちんと指を鳴らすと、麻奈ちゃんが目を開く。瞳に輝きが無く、焦点が定まっていない。
「次は立ち上がってみよう……さん、はい!」
 ぱちん。
 麻奈ちゃんはすっと立ちあがる。
「目の前には誰がいますか?」
「小花……切雄せんせぇい……」
「違います。目の前にいるのは麻奈ちゃんです」
「わた……し?」
「そうです。だから、質問にはちゃんと答えなければなりません。嘘は付けません」
 麻奈ちゃんがこくんとうなずく。
「そして、自分のいうことは全て本当の事です。全てその通りになります」
 麻奈ちゃんが再びこくんとうなずく。
「まずは服を全部脱ぎましょう。自分にはありのままの姿を見せなくてはなりません。さぁ、服を脱ぎましょう」
 ぱちん。
 指を鳴らす。麻奈ちゃんは一瞬びくんとしたが、ゆっくりと服を脱ぎ始めた。
 Tシャツ、キュロットスカートを脱いで下着姿になる。肌着もパンツも白だが可愛いリボンのアクセントがついている。
 麻奈ちゃんは脱いだTシャツとキュロットスカートをきちんと畳んでからシャツを脱ぎ始めた。結構几帳面な性格のようだ。
 シャツも畳んでキュロットスカートの上に置く。まだ未発達な胸は平らで小さな突起が二つあるだけでぱっと見では男の子と同じように見える。しかし、僅かに盛りあがったその胸は、女の子であるということを実感させてくれる。
 次にパンツに手をかけた。そして一気にパンツを下ろすと、畳んでシャツの上に置いた。
 まだ無毛の割れ目は、何一つ隠されること無くさらけ出されている。遠目には一本の縦線にしか見えない筋。しかし、近づいて見るとそれはふくらみを持った二つの丘。
 無垢な少女の割れ目はいつ見ても心が洗われる。
 最後に靴下も脱ぐと、パンツの上に左右並べて置いた。
「名前は?」
 俺は質問を始める。まずは差し障りの無い質問から。
「さくらだ……まな……」
「家族構成は?」
「パパと……ママと……犬の……タマちゃん……」
 えーと、犬なのにタマですか……。まぁいいけど。
「何で塾に入りたいのかな?」
「それ……は……」
 一瞬言葉に詰まる。しかし、ゆっくりとだがはっきりと答え始めた。
「塾に……ゆーきくんが通っているから……」
 ゆーき……ああ、梅村祐樹君のことか。
「祐樹君が好きなの?」
「はい……すき……です……」
 最近の子は早いと言うかませていると言うか……まぁ、都合は良いんだけれど。
「告白はした?」
「…………」
 この質問には言葉が返ってこなかった。ただ、静かに首を横に振るだけで。
 俺は次の質問に移る。
「オナニーはした事ある?」
「……………」
 この質問に対して、何も反応しない。言葉も、動きとしても返ってこない。
「じゃあ、オナニーって言葉、知ってる?」
「……しりません」
 少し間をおいて記憶を探ったようだったがゆっくりと答えた。
「ここを指で弄ったり、モノを擦り付けたりする事なんだけど、した事無い?」
 俺はそう言いながら、割れ目を指でなぞる。少しくすぐったそうに身をよじったが、特に反応は無い。
「ありません……」
 全くの未経験ってわけだ。当然と言えば当然だが、最近の子はわからないからな。
「それじゃあ、私が指を鳴らすと麻奈ちゃんは目を覚ますよ。でも、寝ている間にあったことは覚えていない。服を脱いだことも忘れるよ。麻奈ちゃんはちゃんと服を着ているんだ」
 麻奈ちゃんはこくんとうなずいた。
「でも、小花先生に頭をなでられると、またこの深い世界に落ちていくよ」
 麻奈ちゃんがうなずく。さて、もう少ししか時間が無いな。でも、勿体無いから少しだけ遊ぶか。
「小花先生が指を鳴らすと、麻奈ちゃんはおしっこがしたくてしたくて堪らなくなるよ。でも、麻奈ちゃんはじっと立っているテスト中なので、おしっこに行きたいなんて言えないよ。二回、三回と指を鳴らすと、どんどんとおしっこがしたくなるよ」
 麻奈ちゃんがうなずく。
「さぁ、私が指を鳴らすとどうなるんだった?」
「わたしが指を鳴らすと……わたしが目を覚まします……寝ている間のことは忘れます……服は着ています……小花先生に頭をなでられると、また眠ります……」
「それじゃあ、先生が指を鳴らすと?」
「おしっこがしたくなります……でもテスト中なのでおしっこに行きたいとは言えません……何度も指を鳴らすと、どんどんとおしっこがしたくなります……」
「よし、それじゃあ、指を鳴らすよ……3、2、1」
 ぱちん。
 麻奈ちゃんははっとした様にきょろきょろと辺りを見まわします。
「麻奈ちゃん、どうしたのかな?」
「い、いえ、何でも無いです……」
 麻奈ちゃんが考え込んでいる。今までどうなっているのか、何をしていたのか、必死に思い出そうとしている。でもわかるのは今がテスト中だと言うことだけだ。
「あ、あの、先生?」
「しーっ、テスト中はしゃべらないでね」
「は、はい……」
 何か疑問に思ったことを聞こうとしたのだろうが、テスト中と言う言葉で遮ってやる。意味は無くとも、ただ立っていることが麻奈ちゃんのテストなのだから。
 ぱちん。
 俺は指を鳴らす。
「あっ!」
 麻奈ちゃんは大声を上げまいと小さな悲鳴を漏らす。身体は小刻みに震え、体中から脂汗が浮き出てくる。
「どうしたのかな?」
 俺は麻奈ちゃんの肩に手をポンと乗せる。
「ひっ!な、何でもありません……」
 今麻奈ちゃんは必死で尿意と戦っている。テストは中断できないし、お漏らしも出来ない。その葛藤の中、必死に耐えている。
 ぱちん。
 もう一度指を鳴らす。
「ひぐぅ!!」
 麻奈ちゃんは軽く足踏みを始めた。おしっこを我慢しているとき、無意識に出てしまう動きだ。
 ぱちん、ぱちん。
 二回連続で指を鳴らす。
「はあぁっ!!」
 ほんの僅かにおしっこが溢れ、雫が太ももを伝う。
「いぃち……にぃい……さぁん……よぉおん……ごおおぉぉっ……」
 麻奈ちゃんがほんの小さな声で数を数えている。たぶん、100まで我慢すれば何とかなる、と言う風に考えて我慢しているんだろう。健気じゃないか。
 ぱちぃん!
 最後の一押し。今までより強く指を鳴らす。
「よぉんじゅう……はちぃいいいいいぃっ!!」
 ぷっしゃーっ……。
 勢いよく黄金色のおしっこが飛び散り、床をぬらす。麻奈ちゃんはお漏らしの恥ずかしさと開放感から泣き笑いのような良い表情をしている。
「あ、あ、あ、あ……」
 じょぼじょぼじょぼじょぼ……。
 思ったよりも長く、多い量のおしっこが床に水溜りを作っていく。結構本当に我慢してたんだな。
 全ての放出が終わったとき、麻奈ちゃんは力尽きておしっこの水溜りにへたり込んでしまった。
「ひっく、ひっく、ふえぇ……せんせぇ、ごめんなさぁい……わたし、もうお姉ちゃんなのにおもらししちゃったよぉ・……」
「いいんだよ、お漏らししても。可愛かったよ……」
 そう言いながら俺は麻奈ちゃんの頭をなでてやる。麻奈ちゃんの身体からすっと力が抜け、再び深い催眠状態に陥った。
 俺は麻奈ちゃんを立たせるとこの部屋に備え付けておいたタオルで身体をきれいに拭いてやる。その後、床もきれいに拭いて服を着させた。
「麻奈ちゃん、私の声が聞こえるかい?」
 こくん。
「これから毎日オナニーをしてもらうんだけど、オナニーって言葉、覚えてる?」
「は……い。ここを……指でこすったり、モノを擦りつけたりする事です……」
 麻奈ちゃんは指で割れ目をなぞりながら答える。
「うん、そうだね。特に……」
 俺は麻奈ちゃんの割れ目の上のほう、小さな豆状の突起を人差し指で擦りあげる。
「ひゃんっ!」
 麻奈ちゃんがびくんと震える。いくら性感が発達していなくてもここだけは感じる。
「ここを重点的にね」
「わかり……ました……ここを重点的に毎日オナニーします……」
「それともう一つ。お母さんやお父さんにも見つからないようにね。一人でお風呂に入っているときか、おトイレで大きな声を出さないでするように」
「はい……」
 よしよし、良い子だ。まずは快楽そのものを理解させなければならない。ゆっくりと、じっくりと、確実に。
「そしてこの塾の一階以外では友達の……蘭ちゃんと葵ちゃんの言うことを聞くこと。どんなに変だと思っても逆らってはいけないよ……」
「ランちゃんとアオちゃんの言うことを聞く……変だと思っても……」
「それじゃあ、服を着よう。服を一枚着る毎にテストが終わってからの事をだんだんと忘れていく。最後の一枚を着ると二度と思い出せなくなるが、心の奥では覚えている……いいね?」
 麻奈ちゃんがうなずく。
「それじゃあ、服を着よう。服を着て椅子に座ったら、すっきりと目を覚ます!」
 俺は、ぱんっ!と手を叩いた。
 麻奈ちゃんがのろのろと服を着だした。大事なところも隠そうとはせず、ゆっくりと、脱いだときの逆の順番で服を着ていく。
 俺は椅子に座ってその様子を眺めていた。
 麻奈ちゃんがふらふらと歩いて、椅子に座る。
「!?あ、あれ?わたし……」
「テストは終わったよ。文句無く合格だ。週に二回にするか、三回にするか、お母さんとよく相談してね」
「あ、ありがとうございます!」
 ふふふ、お礼を言うのはこっちだよ。これからゆっくりと楽しませてくれよ。

< 続く >

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