――そうだ、有名で売れっ子小説家になろう。
俺、阪丹 仁(はんに・じん)は、そう決めた。
ちょっとした特技――催眠術を使える――も利用し、金を適当に得て、気楽な一人暮らしを満喫していたが、仕事をしていないというだけで、ニートだの社会の落伍者だのとうるさいことを言うやつらも多い。
30も半ばの今、どこかに就職するというのも簡単ではないだろうし、できたとしても社畜扱いをされるようなブラック企業に違いない。
そもそも、俺のような才能溢れる人間が普通のサラリーマンなんてやる意味はない。
なるなら特別な存在だ。手っ取り早いのは芸能関係だろうが……。
モデル?
今は体重が3桁を超えているからな。とりあえず、3、40キロほど痩せないといけないだろう。
そんな苦行をする気はない。却下だ。
アイドル?
まあ、俺くらい才能のある人間ならば目指せばなれるだろう。
もっとも。演技なんてできないし、歌うのは嫌いだし、ダンスなんてもってのほかだ。却下だ。
お笑い芸人?
最近は他人を笑わせるのではなく、笑われるようなことをしなくちゃいけないようだ。
どうして俺が他人に笑われなければならないんだ? 却下だ。
スポーツ選手?
汗臭そうだし、疲れそうだ。上下関係とかクソ面倒なことに付き合うつもりもない。却下だ。
楽器、演奏系?
練習が面倒くさい。却下。
芸能関係はダメだな。とはいえ、ちやほやされる他の職業といって、俺が思いつくようなものは……。
実業家?
ろくろを回すような格好をして、偉そうなことを言っていれば良さそうだが、たくさんの部下に指示を出すのは面倒だ。却下だ。
政治家?
とりあえず、政策に適当に反対して、料亭で飯を食って賄賂をもらっていればいいんだろうが……。
選挙がある。なんでこの俺が選ばれてやらなければならないんだ? 却下却下。
おいおい、やれることがなくなってきたぞ?
人前に出るのも、多数の他人と関わるのも面倒だ。却下。
ならば、表には出ずに、褒められたり、敬われたり、ちやほやされるようなのがいいだろう。
クリエイター系?
ゲーム製作――俺の考えた凄い企画はあるが、作り方がわからん。製作中にアイデアをパクられる可能性もあるし、スタッフを集めて開発するのは超面倒そうだ。却下。
イラストレーター?
ネット上でファンに神絵師! とか推し絵師! とか言われたいが、画力は身につけるまで時間も手間も膨大だ。
そこまでの努力はしたくないし、する気もない。却下。
という、深い思索の末にたどりついた結論が――作家だった。
日本人ならば、誰でも日本語を書くことができるからな。なるのも簡単だ。
……とはいえ、文学とやらは読んでいて面白くないし、ビジネス書は評判にならければ売れないだろうし、歴史は詳しくないし、科学系を書くほど何かを研究していない。ラノベならばと思ったが、競争率が高そうだ。
それに、どうせ書くのならば、可愛い女の子がたくさん出てくるエロい話がいい。
とりあえず、まずはエロ小説の作家になるとしよう。
絵描きほどは評価されないだろうが、作家ともなればちやほやされるはず。
直木だの芥川だのを受賞している作家の中にも、元は官能小説を書いていたやつも少なくないと聞いたことがある。
俺ほどの才能があれば、出版すればすぐにでも評判になり、バカ売れ間違いない。
そうすれば、ドラマ化、アニメ化、映画化もすぐだろう。大作家様の仲間入りというわけだ。
ふむ……悪くないな。
さっそく作家になるために何をすればいいのかネットで適当に調べてみたが、思っていた以上に面倒なことばかりだ。
作品を募集しているところへ完成した小説を投稿する必要がある。
この時点でやる気の99%が無くなったが、他にいいアイデアもない。
なぜ、本になるかどうかもわからない小説を完成させなければならないのだ?
その上で、賞を得るか、編集部に評価されなくてはならない。
そこを通過しても、本を出すまでまた手間がかかる。
担当が付いたら、企画を出し、会議を通った後、プロットとかいうのを作り、その後、文章を書かねばならない。
俺ほどの才能のある人間に、自分自身が作家でもないやつが横から口を挟むというのか?
自分の思うまま、好きなものを書いたら、それをそのまま本にすべきだ。
そういうわけで、俺には催眠があるので、そのあたりの面倒なことは全部、他人に丸投げすることにした。
方針も決まったことだし、家から一番、近い出版社へ行ってやることにした。
ほどほどの大きさのビルの中にある、雑多とした雰囲気のフロア。
俺は、うすっぺらい壁で仕切られた応接室らしい場所にいた。
普通はもっと有名ホテルのラウンジとかで打ち合わせをするものじゃないのか?
まあ、今さら移動すると言われても面倒なんでお断りだが。
寛大で大人な俺は内心の不満を口には出さず、目の前に座っている女編集者に、今日の目的を告げた。
「この出版社に俺の本を出させてやるから、担当とやらをつけてくれ」
「はあ……。失礼ですが、他社で何か作品を出版した経験はございますか?」
「そんなものあるわけないだろ」
「どこかで受賞をしたことは?」
「ないな」
「そんな方の本を弊社で出版しろ、と?」
「そうだ」
「…………」
質問に答えてやっているというのに、女編集者の顔はどんどんと険しくなり、声が低く、冷たくなっていく。
おいおい、おっぱいはデカいし、エロ尻で、足もすらりと長い美女だというのに、作家様に媚びの一つも売れないのか? 容姿の無駄遣いだろ? 仕事の一環として割り切って利用するくらいはしろよな。
「あなたは、ご自分が何を言っているのか理解していますか?」
「当然だ。さっきからずいぶんと態度が悪いな。作家はもっと敬ったらどうだ?」
「……そうですね。打ち合わせの相手が作家でしたら、そうします」
「だったら――」
「持ち込みなんですよね? 最初に申し上げますが、出版はお約束できません。それをご理解いただけるのでしたら、作品をお預かりいたしま――」
「作品なんてねーよ」
「……は?」
「当たり前だろ、これから書くんだからあるわけねーだろ」
「……でしたら、作品を完成させた上で、規定に従って応募をしてください」
「この俺が、なんでそんな面倒なことをしなくちゃいけないんだよ」
女編集者は、じっとりとした目を向けてくる。
「なんだ、その目は? 作家と共に作品を作っていくのが出版社や編集者の役割なんだろ?」
「すでに結果を出している方ならともかく、作品も書いていない、冷やかしにきただけの人の相手をしている暇はありません。失礼いたします」
そう言って、席を立つ。
「お、おい、まだ話は終わってないぞ?」
「申し訳ございません。お引き取りください。作品が完成しましたら、まずは電話かメールにてご連絡ください」
完璧な作り笑顔で、取りつく島もなくそう言うと、応接室から出て行こうとする。
俺のような才能ある作家を失うかもしれない瀬戸際だというのに、この女はわかってないのか?
「『待て、戻って来い』」
言葉に力を込めてそう命じると、くるりと踵を返して戻ってくる。
「あ、あら……?」
戸惑っている女編集――そういえば、名前を聞いてなかったな。
「『お前の名前を教えろ』」
「あなたになんて教え――私の名前は那須 芽衣子(なす・めいこ)よ」
那須、か。人のことを言えないが、野菜みたいな名前だな。
「それじゃ『打ち合わせを続けるから、そこに座れ』」
「ど、どうして私……はい、わかりました。え……?」
那須は、先ほどまで座っていた椅子に再び腰かけると、その秀麗な顔を引きつらせた。
自分の身に何が起きているのかわからず、恐怖を感じているのだろう。
「だ、誰か――」
「『大声を出すな』」
「たすけて……誰か……」
那須の口からは、かすれたような小声が漏れるだけだ。
助けを呼ぼうとしたのだろうが、そんなことをさせるわけもない。
「……これでやっと落ちついて話せるな」
俺の本を出版するための打ち合わせをするだけだというのに、余計な手間をかけさせやがって。
こいつ、ネットでときどき話題になるような無能編集ってやつじゃないのか?
しかたない。面倒だが、俺が色々と教えて、導いてやるか。
「那須。お前にとって『俺の担当になるのは何よりも重要な仕事』になった」
「はい。私にとってあなたの担当になるのは何よりも重要な仕事です……嘘……そんなはず……そんなこと……」
俺が言うことに、いちいち反応されるのもわずらわしい。きっちりと催眠をかけておくか。
「『体から力が抜けて、動けなくなるぞ』」
「あ……」
椅子に身を任せるように脱力すると、たちまち人形のように無表情になる。
「『俺の言うことは絶対だ。俺の言うことにはすべて従え』」
「あなたのいうこと……ぜったい……いうこと……すべて、したがう……」
これでいいだろう。
とはいえ、毎回毎回、相手を完全に催眠状態に堕とすのは、それなりに疲れるし、面倒だ。
なので、俺は催眠術をかけた相手にはキーワードを設定することにしている。そうしておけば、次からの手間も省けるというものだ。
頭脳明晰な俺ならではの発想というわけだ。
「『今からお前にキーワードを設定する。言われたら、すぐに今と同じ――催眠にかかった状態になるぞ』」
「……きーわーど言われたら……今と同じ……さいみん、かかった状態に……なります……」
さて、キーワードは何にするか。
もう数百人以上に設定してきたからな、新しく考えるのも面倒だ。適当でいいだろう。
「お前の名前は……なす、めいこだったか。じゃあ、キーワードは『ナスの催眠炒め』だ」
「きーわーど……なすのさいみんいため……」
「よし、わかったら元に戻れ。打ち合わせを続けるぞ」
「……はい」
頷くと同時に、那須は先ほどまでのデキる女っぽい態度へと戻った。
どんなに取り繕っても、俺の才能も見抜けない無能編集だってわかっているんだがな。
内心で那須を見下しながら俺は尋ねる。
「エロ小説を書くだけなら誰にでもできる」
「エロ小説? 弊社は成人向けの作品の出版はしておりませ――」
「うるさい、俺の話を遮るな」
軽く怒鳴ると、那須は開きかけていた口を閉じる。
よし、これで話を続けられるな。
「なあ、那須。お前は、どうすれば本が売れるかわかるか?」
「時流にのった作品作りと広報、後は作家の独自性でしょうか……?」
「違う。出版社の編集を名乗っているくせに、まったく何もわかってないのかよ」
「も、申し訳ありませんっ」
不機嫌に否定してやると、那須は慌てて頭を下げる。
そうそう、未来の大作家様を相手しているんだ。最初からそういう態度を取るのが当然だろう
「まったく無能な女だな」
プライドを刺激したのか、那須は不満げに俺を睨んでくる。
「無能と言われて怒ったのか? だいたい、エロ小説の打ち合わせで服を着てる分際で、ずいぶんとエラそうじゃないか」
「え……?」
「女編集だったら、男性作家の目を楽しませ、気分を盛り上げ、創作意欲を刺激するために、エロい格好をするのが当然だろ」
「え? え? そんなこと、あるわけな――」
「『脱げ。できるだけエロく、俺を興奮させるように』だ」
「あ……はい……脱ぎます……」
視線が虚ろになり、立ち上がった那須は上に来てたスーツのジャケットを脱ぐと、ブラウスのボタンを外していく。
「もっと体をくねらせて、笑顔を浮かべて、男に見られていることを意識しながら脱げ」
「はい……笑顔で、見られていることを意識しながら……脱ぎます……」
あまり知識がないのか、上半身をくねくねとしながらブラウスのボタンを外していく。
うーん……今後のためにも、男を悦ばせる仕草をもっと勉強をさせる必要があるな。
「もういい。そんな下手くそな脱ぎ方をされたら、かえって興ざめだ。普通でいい。次までに勉強しておけ」
「はい……普通に脱ぎます……次までに、勉強しておきます……」
普段、そうしているだろうやり方で、那須がブラウスを脱ぐと、ベージュ色のあまり飾り気のないブラが露わになった。
「へえ……形も張りも良さそうだし、なかなか大きいおっぱいじゃないか。でも、そのブラはないわー。もっとエロいのをつけるようにしろよ」
「これからは……もっと、エロいブラを、身につけるようにします……」
「わかったら続けろ」
「はい……」
頷くと、スカートのファスナーに手をかけ、するりと脱いだ。
パンスト越しに見えるパンツは、ブラと同じ系統の色ではあるが、明らかにデザインの違う、地味なものだった。
「おいおい、ブラとパンツのデザインは合わせるのが当然だろ? なんで違うんだよ」
「いつも同じにすることが当然だなんて――」
「当然なんだよ。『今後、お前はできるだけエロい下着を選んで着るようになる。もちろん、上下は揃いでだ』」
「はい……わかりました……これからは……できるだけ、エロい下着を選んで着るようにします……」
「これからもちゃんと気をつけろよ? 俺の『担当』になるなら、常に目を楽しませ、体を使って奉仕するのが当然だろ?」
「はい……目を楽しませ、体を使って奉仕……奉仕?」
疑念を抱いたのか、虚ろな顔のまま小首を傾げるという、なかなか器用なことをする。
催眠で従うように言ってあるはずなんだがな……まだ抵抗があるな。
もう少し、強く催眠をかけておくか。
「『担当した作家のチ○ポに奉仕するのは、女編集であるお前にとって重要な仕事』だろ?」
「チ○ポ……奉仕……重要な、仕事……です……」
「わかったら、さっさとおま○こを濡らして、俺のチ○ポの上にまたがって、腰を振れ。打ち合わせってのはそういうもんだ」
「わかり、ました……すぐに準備します……お待ちください……」
「どうせなら、いつもやっているようにオナニーをして見せろよ」
「はい……いつもやっているように、オナニーを……します……」
那須は自分の乳房を揉み、乳首を捏ねながら、おま○こを弄り始めた。
なんだ、やっぱりオナニーしてるのか。
知らないなら、俺が考えたオリジナルの方法を教えこんでもいいが……そこまでするのは面倒だな。
「はあ……はあ……はあ……ん、はあ……」
でかいおっぱいを揉みながら、股間に指を這わせる。
「催眠にかかっているが、反応や話し方は普段通りに戻せ。それに俺がいる時は、快感が倍になるぞ」
「いつもどおり……快感……倍に……わかりまし――ふああああっ!?」
感度が上がったからか、先ほどよりも反応が激しくなる。
甘い嬌声を上げながら、那須はより強く胸を捏ね回し、ぐちゅぐちゅとおま○こをかき回している。
「次の打ち合わせからは、言われる前からちゃんと濡らしておけよ。その程度のこともできないなんて無能編集と言われてもしかたないぞ?」
「申し訳ありません……んっ、もう、少しだけ……あっ、あっ、待っていただければ……はぁ、んんんっ」
おま○こを弄る指に合わせ、ちゅくちゅくと濡れた音が聞こえ始めた。
「いつまで待たせるんだよ、とっとと打ち合わせを始めろよ」
「わかり、ました」
勃起したチ○ポに自らまたがり、指で陰唇を開いて膣口に亀頭をあてがう。
「それでは、先生の新しい本についてぇ……ん、あ……入ってきます……あ、あ、んんんんっ」
那須が腰を下ろし、俺のチ○ポをおま○こ深く、咥えこんでいく。
「小説のデキってのは、お前が俺をどれだけ射精させるかで変わるんだよ。そんなことくらい知ってるよな?」
「んっ、んっ、すみません……あっ、知りません……でした……んんっ」
ギコチなく腰を使いながら、那須が謝罪する。
「だったら覚えろ。本来なら、女なんて使い捨てにしているんだが、初打ち合わせだし、2、3発は出してやる。感謝しながら、おま○こで奉仕しろ」
「ありがとうございます……あっ、あっ、それならば……きっと、すばらしい……んんっ、作品が……あ、はぁんっ、できますね……あふっ、んくぅんっ」
上下する動きを速め、腰を左右にくねらせる。
編集者として、良い作品を作るための努力は惜しまないというわけか。そこは評価してやってもいいな。
「では、ページ数についてですが……」
「そういう細かい面倒なことは編集の仕事だろうが」
目の前でたぷたぷと揺れるおっぱいの先、乳首をぎゅっと摘まんで引っ張る。
「んああぁんっ! だめぇ……乳首、そんなに強く引っ張られたら、痛い、です……」
「お前は痛みも快感になるヘンタイだろ。もっと悦べ」
「え? そんなこと……ふあああっ!? あっあっ、乳首、痛いのに……気持ちい……あ、ああ……でも、これじゃ……打ち合わせできなく……あ、ふぅ……」
「ページ数なんて、俺の気の向いた分量にする。お前が口を出すな」
「はあ、はあ……すみません、わかり、ましたぁ……では、挿し絵の担当ですが、弊社で候補を出して――」
まったくわかってないな。
必死に体を上下させる那須の尻タブを捏ね回し、左右に開くと、尻穴に指をぐっと押し込んだ。
「んふおっ!? そこ、お尻、だめ……指、入れないでくださ……おっ、おふっ、んんっ」
「何言ってんだよ、これからは尻穴も使えるようにしておけ。それが俺の担当編集として、当然のことだぞ?」
「で、ですが、そこは汚い、ですし……それに、お尻は……そういうこと、する場所じゃありません……」
「汚い場所を弄られて、恥ずかしくて、屈辱的か? お前は、それも気持ちいいはずだぞ?」
「は、は……え? あ……お尻……あ、やだ……熱くて、気持ちよくなって……んおっ、おっ、おふっ、どうしてぇ……」
「お前の尻なんてどうでもいいが、俺の本の挿し絵は、江路井 万賀(えろい・まんが)にしろ。あの作者の描く漫画はいい。人気もあるし、俺の本の挿し絵に相応しい」
「はあ、はあ……そう言われましても……人気のある先生の場合は……スケジュールや条件、もあるので……まずは打診からぁ……んんんっ、お尻、もう弄らないでぇ……」
「俺がそうしろって言ってるんだ。お前の仕事はそれをどうにかすることだろうが」
尻穴を広げ、かき混ぜるように指を激しく使う。
「ひいぃんっ!? だ、だめ……おひり、壊れちゃ……んあうっ!? はっ、はいっ。やっていただけるように全力を尽くします……だから、お尻、これ以上、激しくしないでくださ……んほおおおおっ」
どうやら軽イキしたようだ。
今の那須にとって、痛みも羞恥も屈辱も、全て快感になっているからな。
「尻を弄ると、おま○この締まりもよくなるじゃないか……とりあえず、そろそろ一発出しておくか」
考えてみれば、昼近いというのに、起きてからまだ一発も出してない。
俺にしてみれば、驚異的な珍しさだ。
「一発……出す……?」
那須は不思議そうに小首を傾げているが、腰の動きは止まらない。それどころか、よりいっそう激しくなっていく。
「はあ、はあ……んっ、んっ、あ、あっ、先生……激しすぎます……んっ、これだと、打ち合わせ……できませ……んんっ」
「まだたっぷり時間はあるから気にするな」
「わたし、担当してる他の先生と打ち合わせが……んんっ」
「俺との打ち合わせ以上に大切なことなどない。いいから、お前は俺のチ○ポを、お前のおま○こで扱いて、射精させることだけ考えていろ」
「ふぁっ、あっあっ、わかりまひたぁ……射精……してください……出して、出して……おま○こにだしてくださいっ」
すっかり濡れているおま○こから、ぐちゅぐちゅといやらしい水音が響く。
「膣内に出してやるから、ありがたく全部受け止めろよ」
「はあ、はあ、はいぃ……膣内で、全部、うけとめますぅ……」
那須の腰に手を染め、激しく前後に揺する。
「んあっ、あっ、あっ、中、擦れ……はげし……すご……先生との打ち合わせ……すご、すぎますぅ……あ、ああ、ああっ」
「う、おおおおっ!」
びゅるるるるるっ。どぴゅっ。びゅううううっ!!
「ふああああああああああっ! あ、たくさん……先生の、ザーメン、中にぃ……ああああああぁ……」
びくんびくんっと、全身を震わせながら那須も絶頂する。
結合部から精液が逆流して溢れてくる。
……そういえば、今日の最初の一発目だったな。思っていたよりも、量が出ちまった。
このままだとズボンが汚れちまう。
「おい、那須。溢れたザーメン、ちゃんと綺麗に舐め取れよ。急げ、ズボンが汚れるだろ」
「はあ、はあ、はあ……わかり、まひたぁ……せんせいのざーめん……きれいにします……あむ、ん……」
俺の上から降りると、自分の愛液と精液に塗れたチ○ポを躊躇いなく咥えこむと、じゅるじゅると音を立てて吸いあげ、舐めまわす。
「おっ、お……いいぞ……下手くそだが……なかなか気持ちいいじゃないか」
「ふぁい……ありはとう……ございまふ……じゅるっ、ぴちゃ、れろ、ちゅむ」
精液を丁寧に舐めとる舌の刺激で、ペニスが再び硬度を増していく。
「よし、それくらいでいいぞ。今度はそこのテーブルに手をついて、尻をこっちに突き出せ。2発目を出してやる」
「はい。わかりました。お願いします」
お掃除フェラをしていた那須は、俺の指示通りにテーブルに手をつくと、尻をこちらに突き出す。
ほころんだ秘裂からは、俺の出したばかりの精液が糸を引いて滴り落ちていく。
なかなかエロくて扇情的な光景じゃないか。
「それじゃ、楽しませてもらうか」
那須の腰をしっかりと抱えこむと、俺は再びおま○こにチ○ポを突っ込んだ。
「もう……むりぃ……これいじょ……できませ……」
思っていたよりも良いおま○こだったというのもあって、5発ほど出したが、その程度でこのザマとは……まあいい。打ち合わせすることも、もうないしな。
「んじゃ、今日はここまでにしておくか。俺はネタ集めをしてくる。お前は、俺がいつ本を持ち込んでも、出版できるように準備しておけ」
「ふぁい、わかりまひたぁ……ん、あはあぁ……先生の打ち合わせザーメン、最高でしたぁ……きっと、すごい本でできるはずですぅ……」
涙や涎でぐちゃぐちゃになっている顔で、那須はそう言って笑みらしきものを浮かべる。
やっと俺の担当として相応しくなったようだ。
後片付けは那須に任せて、俺は出版社を後にした。
しかし、興味もあって今回は自分から出向いたが、出版社は遠くて、打ち合わせをしに行くのも面倒だ。
次の打ち合わせからは、家まで那須を呼び、性処理ついでに、部屋の掃除や料理もさせるとしよう。
担当している作家の、生活と“性”活の面倒を見るも仕事のうちだろうしな。
「く……」
久しぶりの外出で、1キロ以上も歩いたせいか、疲れて足も痛いし、腹も減った。
タクシーで帰るにしても、その前に少し腹ごしらえをしておきたい。
そんなことを考えていると、雰囲気の良さそうな喫茶店が目に付いたので、さっそく中へと入った。
「いらっしゃいませ」
「ほう……」
俺を出迎えたのは20代後半くらいの色っぽい美女だった。
やや目尻が垂れているが、濡れたような大きな瞳や、ぽってりとした唇が色っぽい。
その上、大きく盛り上がった胸元はエロく、肩より少し長いくらいの髪をゆるく巻いているが、よく似合っている。
パートで働いている人妻だろうか。ネタ探しをしようとした矢先に見つけた相手としては、極上の部類の女だ。
「あの、どうしましたか?」
「ああ、いや。なんでもない」
「そうですか。では、空いている席へどうぞ」
言われるまま席へ座ると、メニューを手に取った。
料理の種類は少ないが、どれもなかなか美味そうだ。飲み物に拘りがあるのか、こちらは数が多い。
ふむ。どうせなら色々と試してみるか。
じっくりとメニューを眺めていると、タイミングを見計らったように人妻店員が水を持ってやって来た。
「ご注文はお決まりですか?」
にこやかにそう尋ねられ、俺の心は決まった。
やはり、いい。見た目だけでなく、落ちついた声音も良い。仕草一つ一つに、匂い立つような色香を感じる。
腹も減ったが、他にも味わいたいものができた。
「そうだな。炭火アイスコーヒーとハムサンド、カルボナーラと、パンケーキ。パンケーキはメイプルシロップを増量して、生クリームをたっぷりと乗せてくれ」
「はい、かしこまりました」
俺の言ったメニューを復唱し、マスターに伝える。
「ああ、そうだ。あと一つ、注文があるんだ」
「はい、なんでしょうか?」
「ついでに、あんたの体も味わわせてもらおうか」
「え……?」
人妻店員は、何を言われたかわからないというような顔をしている。
喫茶店やファミレス、メイド喫茶などの飲食系の店で働くウエイトレスなんて、エロ小説じゃ犯されるために存在しているようなものだ。
なのに、そんなこともわからないとは、読書量が足りないんじゃないのか?
昨今は、本を読まなくなったというが、俺なんて、月に30冊はエロ小説やエロ漫画を読んでいるぞ?
「『お前の名前を言え』」
「私の名前は、藤間 董子(とうま・とうこ)です……え?」
人妻店員――董子は、俺の質問に素直に答えた自分に驚いているようだ。
とうまとうこ……今度はトマトか。那須に続いて、また野菜みたいな名前だな。
では、キーワードも同じように決めればいいだろう。
「『お前は、俺がトマトの催眠スパゲッティと言ったら、催眠にかかった状態になる』んだ」
「さい……みん……?」
こいつも催眠を知らないようだ。まったく、知識の足りない女だな。
「催眠にかかった状態ってのは、ぼーっとして何も考えられなくなって、体に力が入らず、俺の言うこと全て従うようになることだ」
「何も……考えられない……体に力がはいらない……あなた言うことに……すべてにしたがう……」
「わかったか? そうなるのが催眠状態だ。で、俺が『トマトの催眠スパゲッティ』と言ったら、いつでもそうなるんだ」
「きーわーど……言われたら……いつでも、催眠にかかります……」
「よし、一度、元に戻っていいぞ」
「あ、ら……?」
董子はきょとんとしたまま、左右を見回す。
「『トマトの催眠スパゲッティ』」
「あ……」
キーワードを口にすると、董子は目を見開き、口をだらしなく開いたまま、ぼんやりした状態になった。
よし、うまく催眠にかかったようだな。
さてと……さっそく人妻店員のフルコースを味わわせてもらうとするか。
「手始めにおま○こチ○ポに突っ込んでやろうと思ったが……腹がへっちまったな」
先に飯を済ませよう。せっかくキーワードまで設定したんだ。食事の間も、董子に楽しませてもらおう。
「俺が飯を食っている間、お前はパイずりをするんだ。やり方はわかるな?」
「はい、わかります……何度か、したことがあります……」
「よし、じゃあ、始めろ」
椅子に深く座りなおし、足を開くと、董子はエプロンを外し、上に着ていた服を脱ぎ、ブラを外した。
押し込められていた巨乳がぶるんっと大きく揺れる。
那須よりやや大きめで、今にはとろりと垂れそうなくらいに柔らかそうなおっぱいだ。
「ほう……思っていた通り、なかなか良いエロ巨乳だな」
董子は何も言わずに、俺の前に跪いた。
「おい、せっかく俺が褒めてやったのに、感謝の言葉はないのか?」
「感謝の言葉……?」
「私のエロ乳を褒めてくださってありがとうございますとか、俺に巨乳パイずりできて幸せですとかだよ」
「あ、はい。私のエロ乳を褒めてくださってありがとうございます。巨乳パイずりできて、幸せです」
「……俺の言ったままじゃねーか。もっと客を悦ばせるように、創意工夫をして、よりいっそうエロくできるように練習しておけよ」
「はい……すみません」
「もういい。それじゃ、チ○ポ大好き人妻のパイずり奉仕を見せてもらおうか」
「別に好きだなんて……」
「お前は『男のチ○ポも精液も大好き』なんだよ。うだうだ言ってないで、やれ」
「はい……私は、男の人のチ○ポも精液も大好きです……パイずりをします」
そう言うと、勃起しているチ○ポを、柔らかな巨乳で挟む。
「ん……ふっ、んっ、んっ、はあ、はあ……んっ、んっ」
胸を上下に動かし、チ○ポを扱いてくる。
「おい、マスター。『電話なんてしてないで、飯を早く持ってこい』」
「はい、かしこまりました」
なぜか、電話でどこかに連絡をしようとしていたマスターに声をかける。
「おまたせいたしました」
注文した料理がテーブルの上に並んでいく。
なかなか美味そうじゃないか。しかし、さっきのマスターの態度が少し気になった。
「おい、お前。『今、どこに電話しようとしてたのか言え』」
「警察に連絡をしようとしていました」
「客が店に来て注文しただけで警察に連絡するだと?」
「ええ。いきなりおかしなことを言いだして、その上彼女に、このようなことを強要していましたので……」
「強要だと? 董子、お前は『俺にパイずり奉仕ができて、幸せだよな?』」
「はいい……パイずり奉仕ができて、幸せです……んっ、んっ、あ、はあぁ……」
俺の言葉を受け、董子は恍惚とした表情を浮かべ、パイずりを続ける。
「そういうわけだ。わかったか? 今度、このくらいのことで、警察なんかに連絡をするな」
「……はい。ですが、そのようなことを、店でされるのは困ります」
「はあ……お前もか」
まったく従業員の教育がなっていないな。だから、この店にはあまり客がいないんだ。
「『いいか、ここにいる全員は良く聞け。ウエイトレスが体を使って接客するのは当然のこと』だろうが。気にすることじゃない」
そう告げると、目をぎらつかせてこちらを見ていた若い男やサラリーマン。いやらしい笑みを浮かべている中年男、店から出ようとしていたOLらしき女、困ったような顔をしていた初老の夫婦などが、何事もなかったかのような態度に戻る。
「董子、俺に奉仕が終わったら、他の男にもしっかりパイずりをしてやれよ」
「はい、わかりました。他のお客様にも、パイずりをします……ですが、女性にはどうすれば……」
「クンニだよ、クンニ。おま○こを舐めまくってやれ」
「はい、クンニをします」
「よし、わかったみたいだな。せっかく良いエロおっぱいを持っているんだから、チ○ポを気持ちよくできるように、もっと努力しろよ?」
「は、はい。チ○ポを気持ちよくする努力をします」
たぷたぷと音を立てながら、よりいっそう激しくおっぱいを揺らす。
胸をさらに押し付けながら、体を上下させる。
俺は飯を食いながら、董子のパイずりを楽しむ。
しかし、経験はあってもあまり上手くないので、もっと強く挟め、とか、動きに変化をつけろとか、いちいち指示をしなければならなかった。
それでも、じっくりと食事を楽む程度の時間をかければ、気持ちよくなるものだ。
「う……そろそろ出るぞ! ご褒美だ。俺の出す精液を全部飲ませてやる……口を開けっ」
「はい……あー」
俺の言葉を聞き、董子は大きく口を開く。
熱くせり上がってくる精液を吐き出すため、俺は董子の口にチ○ポを突っ込み、喉奥深くまで押しこむようにして射精した。
びゅぐっ、どぷっ、びゅっくうううううっ!!
「んぐっ!? んんんんっ……ごふっ、げふっ、えふっ」
勢いよく迸った俺の精液を受け止め切れなかったのか、ペニスから逃れるように口を離すと、軽く咳き込んでいる。
「おいっ、どうしてくれるんだよっ。董子のきたねえ唾液と、俺の精液でズボンに染みができちまったじゃねーか。せっかく射精してやったのに、粗末に扱うな!」
「もうしわけありませ……げふっ、えふっ、でも……はあ、はあ……げふっ」
息を乱し、さらに咳き込む。
「まったく……せっかく大好きな精液を飲ませてやると言ったのに、途中から吐き出すなんて、どういうつもりだ?」
「けほっ、けほっ、で、ですけど、あんなに乱暴にされたら、飲んだりできません」
涙目で軽く咳き込みながら、上目遣いに俺を軽く睨んでくる。
「おいおい、俺に逆らうのか? 『お前は精液の味も匂いも大好きで、毎日飲みたくなる。飲まないといられない。たくさん飲むほどに好きになる』ような女のくせに」
「におい……あじ……大好き……毎日、精液……のみたくなる……のまないといられない……たくさんのむほどに好きになる……」
「董子、これからも、ザーメンミルクが飲みたくなったら、ちゃんとお客様にお願いをするようにするんだな」
「はい……お客さまに……お願い、します……」
これで、少しはフェラも上手くできるようになるだろう。
しかし……普段ならば2、3発くらいは処理するところだが、食欲が充たされたことで性欲も落ちついたようだ。
董子のおま○こを楽しむのは次の機会にするか。
ああ、そうだ。どうせなら、人妻妊婦のほうがネタになるな。
「『今、ここにいる客と、その客に紹介された客は、董子に奉仕をしてもらえ!』」
そう告げると、店にいた客達はしっかりと頷いた。
「いいか董子、女相手の時はしかたないが、男の客が店に来た時は、生中出しさせて、できるだけ早く妊娠しろ。腹が膨らんだ頃に、また来てやる」
「はい……お店に……男性のお客様がきたら……生中出し……してもらって……妊娠します……」
これで、今書いている本の続刊が出る頃には、新しいネタが一つできるだろう。
先の先まで考えて行動できるとは、自分で自分の頭脳の切れが恐ろしいぜ。
「それじゃ……ああ、そうだ。マスター、ちょっとこっちへ来い」
騒ぎになって俺が次に来るまでに店がつぶれたら、せっかく仕込んだネタが無駄になる。
男が相手では面白味もないが、マスターにもしっかりと催眠をかけておかないとな。
これからは、あの店は董子の特別サービスを求めて客が増えるはずだ。
客の数もそれほど多くなかったから、これで繁盛するだろう。
小説のネタを得た上、人助けもしてしまうとは、さすが俺だ。
良い気分のまま、店を出た。
汚れてしまった服は捨てて、どこか適当な店で新しいものを手に入れるか。
そんなことを考えながら店を探していると……通りがかりにコインランドリーが目に入った。
縦にも横にも大きい俺にぴったり合うサイズの服は簡単には見つからない。
しかたないが、今は軽く洗っておくだけでいいだろう。
新品の服は、後で那須にでも買いに行かせればいい。
俺はこれでも、二週間に一度は風呂に入る綺麗好きだからな。
服を洗うことを決め、コインランドリーに入ると、中には先客が一人いた。
20代前半だろうか、胸のサイズだけでなく雰囲気もボーイッシュな、少し気が強そうなタイプの女がスマホを片手に立っていた。
女は俺の姿を見るなり軽く舌打ちをした。
たしかに女が一人、コインランドリーにいる時に、男が来れば警戒もするだろう。
だが、ここはお前の家でなく、女性専用のコインランドリーというわけでもない。
それなのに、その態度はいただけないだろう。
自分『だけ』が正しく、周り――男は自分に気遣うのは当然とでも思っているのだろうか。
大人として、説教の一つもしてやるべきだろうが、この手のタイプは、他人の言葉に耳を傾けないし、自分と異なる考えを理解できず、しようともしない。
しかたない。少しばかり現実を教えてやるのも、大人としての務めだ。
「『お前の名前を言え』」
「あたしの名前? 木根 珠美(きね・たまみ)だけど……って、あれ?」
「きねたまみ……タマネギ……か。そうだな。お前のキーワードは『タマネギの催眠スープ』にしようか」
「はあ? あんた、さっきから何言ってんの? ちょーキモいんだけど」
「お前はキーワードを言われた瞬間、自分の意志で体をまったく動かせなくなるぞ」
「人の話を聞けっての。けーさつ呼ばれたくないなら、出てって――」
「『タマネギの催眠スープ』」
俺がキーワードを口にした瞬間、珠美はまるで彫像になったかのようにピタリと動きを止めた。
さて、どうしてやろうか……と考えていると、たちまち顔が真っ赤になり、体が小刻みに震えだす。
「うん? ああ、そうか……呼吸をすること、視線を動かすこと、小さな声で話すことは許可する」
「ぷはっ! はっ、はっ、はぁ、はぁ……」
珠美は肩を上下させ、息を荒げている。
危ない危ない。前にも呼吸まで止めようとしたやつがいて、危うく死にかけて大騒ぎになったことがあった。
催眠での肉体操作は、命令を受けた側がどう認識するかで、効果が異なるのだ。
もう少し注意して命令をしないといけないな。まあ、小生意気な珠子には良い薬になっただろう。
「あんた、あたしに何をしたんだよっ」
「催眠術にかけたんだよ」
「は? サイミンジュツ?」
……またか。
しかたないとはいえ、世の中のやつらは催眠術について無知すぎるだろう。
毎回、説明をするのは面倒だ。
とはいえ、そうしなければ、毎回、こまかく面倒な命令をする必要がある。後の面倒をなくすためにもしかたのないことだ。
俺は、何度もそうしてきたように、珠美に催眠術のことを教えてやる。
「……ということだ。わかったか?」
「そんなことできるわけ……」
「あるんだよ。『タマネギの催眠スープ』」
「あ……」
がくんと脱力すると、阿呆みたいにぼんやりした顔になった。
「いいか、お前は今から俺の人形だ。さっきの命令通り、息をしたりはしていいが、俺の言う通りにしか体は動かないし、動かせない」
「にんぎょう……めいれいどおり……言う通りにしか……体はうごかない……うごかせない……」
「わかったら、目を覚ましていいぞ」
珠美の目に意志の光が戻る。しかし、まるで表情は変わらない。
そうか、人形だと言ったからか。
元に戻すのは面倒だし、これはこれで面白いから、このまま遊ぶとするか。
「じゃあ、さっそく人形遊びをするとするか。珠子、まずはその場で直立して、ばんざいをしろ」
「は? なんであたしがそんなこと……うん、ばんざいする」
無表情のまま驚くという器用なことをしながら、俺の指示に従って珠子はその場で直立して両手を頭上へと挙げた。
「え? な、なんでだよっ! てめぇ、あたしに何したか知らねーけど、早くやめろよっ。絶対に許さねえからなっ、催眠とかいうの解かないと、ただじゃすまさねーぞ!!」
無表情のまま怒鳴り散らす珠美。
笑顔のまま怒るという器用なことをする芸人がいたが、あんな感じだ。なかなかシュールで笑える光景だな。
「ただじゃ済まさないって……お前にはもう何もできねーよ。催眠にかけたって言っただろうが」
「嘘だっ、何か変な薬でも使ってるんだろっ!」
「本当だ、何も変な薬とか使ってないし」
「催眠なんて……あるわけない……あるわけねーし!」
「催眠なんて……あるわけある……あるわけあるし!」
揶揄するように珠美の口調を真似ながら、身につけていた服を適当に脱がせていく。
「ちょ、ちょっとやめ……どうして、体……動かないんだよっ、それ以上したら、強姦されたって訴えるぞっ!?」
珠美は顔を真っ赤にして俺を睨みつけてくる。
「はいはい、できるものなら、好きにしろよ」
もう付き合い切れないので、俺は適当に相手をしながら、珠美を全裸に剥いた。
さて、この服はどうするかな……脱がせたままだと、誰かが着せたりするかもしれない。
俺のズボンも洗いたいところだし……ああ、そうか。こいつの洗濯物に混ぜれば、いいか。
「お前が使っているのは、どの洗濯機だ?」
珠美は答えない。まったく面倒だ。俺は面倒なことが大嫌いだというのに。
「『お前が使っている洗濯機を教えろ』」
「その、右から3番目の、洗濯乾燥機……」
ほう、洗濯乾燥までしてくれるのか、丁度良いじゃないか。
俺は董子の唾液と精液で汚れてしまったズボンと共に、珠美の着ていた服を、運転中の洗濯乾燥機へと放りこんだ。
中途半端だが、大した汚れでもないし、これで十分だろう。
「お前、なんなんだよ……あたしに、何をしたんだよ!」
「うるさい小娘だな……態度はデカいのに、胸は小さいな。お前なら、コインランドリーになんて来なくてもこの洗濯板で十分に洗えるんじゃないのか?
「う。うるせーな! あたしの胸の大きさなんてどうでもいいだろっ」
「なんだ? ちっぱいなのがコンプレックスなのか? まあそれはそれで好きなやつもいるから安心しろよ」
ほんのりとした膨らみしかない胸を撫で、乳首をぎゅっと摘まむ。
「うあっ! くそっ、触るんじゃねーよっ、ゲスっ、最低男がっ」
声こそ控えめだが、珠美の口から悪口雑言が溢れてくる。
「さっきから、その言葉遣いはなんだ? 俺に対しては、もっと敬意を持って丁寧に話せ」
「わかりました。経緯を持って丁寧に話すようにします……って、なんで口調が変わっているんですか!?」
「まあ、とりあえずそんなもんか。それじゃ、続きをするか……とはいえ、何をするかな……」
ただの人形化も、やりようによっては楽しいが、出先では時間もない。
それに、それだけではエロ小説のネタとしては弱いよな。
となると、もうひと捻りしたいところだ。
「うーん……ああ、そうだ。せっかくコインランドリーにいるんだから、お前にも活躍してもらおうか」
「わ、私に何をするつもりですか……?」
催眠術の力を思い知ったのか、視線だけを俺に向け、声を震わせながら問いかけてくる。
「なあ、珠美。コインランドリーは汚れを落として綺麗にするところだろう?」
「そ、そうですけど……」
「お前を、コインランドリーの新しい道具にしてやるよ」
「え……? 嫌です」
「誰がお前の意見を聞いたんだよ。俺がそう決めたら、素直にはいって言ってりゃいいんだ」
「や、やめてくださいっ。お願いですっ、お願いしますからっ」
「え……? 嫌です」
俺が珠美の口調を真似て答えると、無表情な顔から血の気が引いていく。
「さっきのことなら謝りますから、だから――」
「黙れ」
「――――っ」
珠美は口をしっかりと閉じた。
「珠美、お前のこれからの仕事はコインランドリーで『汚れているものを洗うこと』だ。わかったら返事をしろ」
「わた……私の、仕事は……コインランドリーで……汚れているものを……洗う、ことです……」
「そうだな。そんな態度じゃ客が使いにくいだろから……もっと機械的に話すようにしろ」
「ハイ、カシコマリマシタ」
人工的に作った機械音のような口調で珠美が答える。
これでこいつは、このコインランドリーの新しい道具となった。
「さて、さっそくだが俺がパンツとズボンを洗濯乾燥している間、お前には汚い尻穴を綺麗にしてもらおうかな」
そう言って、俺は下半身裸になると、中腰になって尻を珠美のほうへと突き出した。
「…………」
珠美は無言のまま動かない。
「おい、お前はコインランドリーの道具だろ? 汚いところは舌を使って綺麗にするんだよ」
「ハイ、カシコマリマシタ。シリアナヲキレイニシタシマス」
無表情で機械のように返答をすると、珠美は俺の尻の割れ目に鼻先を突っ込むように口を寄せてきた。
「ん……ぴちゃ……れろ……うえええええっ」
尻穴を舐めさせた瞬間、珠美は吐き気を堪えきれなかったかのように嘔吐いた。
「どうした、お前の仕事だぞ? 続けろ」
「モウシタクアリマセン。オネガイシマス、ユルシテクダサイ」
「ああ、そうか。操っていても、心までは変えてなかったな」
このままでも面白いが、すぐに壊れてしまっては面白くない。
「しかたない。俺は優しいから、お前をその苦しみから解放してやろう」
「アア……! アリガトウゴザイマス」
無表情ではあるが喜んでいるようだ。
「お前は『男の臭いほど、汚れているほど、相手の体を綺麗にするのが楽しくて、大好きになる』」
「エ……?」
「特に『尻穴やチ○ポ、金玉を舐めまわすのは最高に幸せで、気持ちの良いこと』だ」
「シリアナヤチンポ、キンタマヲナメマワスノハ、サイコウニシアワセデ、キモチイイコトデス……ア、ア、ア、ウソ……ソンナノ、イヤデス……」
目からつうっと涙がこぼれる。
「おいおい、これでお前はもう苦しむことはないんだぞ? 嬉しいだろ?」
「……ハイ、ウレシイデス」
目から溢れていた涙が止まり、珠美は無表情に戻った。
「わかったら、ほら、俺の尻穴を綺麗にしろ」
「ハイ、カシコマリマシタ。シリアナヲキレイニシマス」
「れろ…………れる……れろ……ちゅ……れろ……れろ……」
「単調だが、悪くないな。その調子で、もっと激しく、丁寧に舐めまくれ」
「ハイ、シリアナヲモットハゲシク、テイネイニナメマクリマス」
「れろ、れるっ、ぴちゃ、ぴちゃ……れろっれる、ぴちゃぺちゃ、ちゅ、ちゅぴっ」
だんだんと激しくなっていく。きっと珠美も楽しく、幸せになってきたに違いない。
「舌を伸ばして、ちゃんと尻穴の中まで丁寧に綺麗にしろよ?」
「ファイ……ヒリアナノナハマレ、ヒレイニヒマシュ……にゅぷぷ……ちゅむっ、ちゅ、れるっ、ぬちゅ。にゅちゅ。ちゅむっ」
「おほっ。いいぞ、そうだ。その調子で続けろ」
「ハイ、ツヅケマス」
尻穴がふやけるほどの間、しっかりと清掃をさせてから、俺は体勢を変えた。
「今度は金玉だ。こっちも玉の皺の間まで丁寧に、全部舐めて綺麗にしろ」
「ハイ、カシコマリマシタ。キンタマノシワノアイダマデ、ナメテキレイニイタシマス」
タマを口に含み、舌を這わせる。
無表情のままではあるが、より熱心に、より激しく舌を使ってくる。
どうやら自分の仕事が気に入ったようだな。
「どうだ、どんどん楽しくなってきただろ? 好きなだけ、尻穴を舐めさせてもらえて、幸せだろ?」
「ン……ハイ、トテモシアワセデ、キモチイイデス」
「よし、じゃあ、他の場所の舐め方も教えてやる。実践して覚えろ」
「ハイ、カシコマリマシタ」
その後はチ○ポを舐めさせてから、太ももからふくらはぎを経由して、足の指を一本ずつ丁寧に舐めさせる。
「希望するやつがいたら、ちゃんと上半身、特に乳首を丁寧に舐めるんだぞ?」
「ハイ、ジョウハンシン、トクニチクビヲテイネイニナメルヨウニシマス」
下半身の掃除を一通り教えたところで、乾燥機が音を立てて止まった。
「お。どうやら乾いたみたいだな」
さすが業務用というべきか、董子につけられた染みは完璧に綺麗になって、渇いている。
じゃあ、そろそろ行くか……っと、珠美に最後にアドバイスをしておいてやるか。
「『体は動かないままで、今から1分だけ元に戻れ』」
「あ……」
人形のようだった珠美の顔に表情が戻る。
「うえっ、おええええええ……あたし、今……何を……くそ。絶対に許さねーからな……」
目に涙を浮かべて、俺を睨みつけてくる。
「珠美、お前の尻舐めやタマ舐めのテクニックはまだまだだ。今後は、ここの利用者に褒めてもらえるように、もっとがんばれよ!」
「え……今後……え? 何を言ってんだよ……?」
「なんだその顔は」
「これで終わりだろ? 終わりなんだよなっ!?」
「コインランドリーは24時間営業だぞ? まあ、ずっと起きてたら死ぬか……客がいない間は、寝てていいし、休んでもいいぞ」
「客って……誰かきたら、また……あんなことをしろと?」
「当たり前だろ。お前はこのコインランドリーの備品になったんだからな?」
「ま、待ってっ、謝る。謝るからっ、こんな状態のまま置いていかないでくれっ……くださいっ! こんな酷いことしないでっ。おねがい、許してくださいっ」」
「おいおい、何が不満なんだよ? お前は、男の服や体を綺麗にするための道具だろ?」
「違うっ。あたしは――ハイ。ワタシハ、オトコノフクヤカラダヲキレイニスルタメノドウグデス」
そろそろ一分か?
「そうそう、これからも大好きな仕事をがんばれよ。じゃあな」
「ア……ア……ダレカ、タスケテ……ワタシ、コンナコトシタクナイデス……ダレカ……」
まだ何かを呟いている珠美を残し、俺はコインランドリーを後にした。
さて、小説にするネタもだいぶまとまってきたな。あと一つか二つもあれば十分だろう。
次は何をしようか。
そんなことを考えながら、俺はタクシーを捕まえるために通りへと出ると、そこにはドラッグストアがあった。
ふむ……そういえば、俺は基本的にすべて生でやっているので、ゴムを使ったことがなかったな。
一度くらい、コンドームを使ってセックスしておくか。
面倒だが、小説の取材のためだ。
そういうわけで、俺はドラッグストアの中へと入る。
「いらっしゃいませー」
やる気の感じられない挨拶があちらこちらから聞こえてくる。
人間に言わせるから不快なんだ。
どうせなら、自動的に機械に言わせるだけにしておけばよいものを。
店は中々の広さで、品物も多い。
目的の物を探すのは面倒だ。
こういう時は、聞くほうが早いだろう。
店内を見回すと、長めの黒髪を軽く編み込んでいる、楚々とした感じの女子大生くらいのアルバイトを見付けた。
ほう……なかなかいいじゃないか。
スタイルはバランス型で、胸や尻が大きいわけじゃないが、清楚なエロさがある。
アイツにするか。
「そこのお前、俺のチ○ポに合うコンドームがほしいんだが、どこにあるか教えろ」
「え……?」
「聞こえなかったのか? 二度も言わせるなよ。俺のチ○ポに合うコンドームだよ。どこにあるんだ?」
「コンドームでしたら、店の一番奥の、左側のほうの棚にありますので、そこに行ってください」
動揺する素振りもなく、女店員が答える。さすがドラッグストアで働いているだけのことはある。
しかし、質問されたら商品の前まで案内するもんじゃないのか?
たしかにドラッグストアのメインターゲットは、男ではなく女性であるのは当然だろう。
だからと言って、この態度はいただけない。
まだまだエロ小説のネタは足りないし、ここでも一つ増やすとするか。
「『お前の名前を言え』」
「どうしてプライベートなことを見知らぬ人に――柵井 初海(さくい・はつみ)です……あれ?」
「さくいはつみ……さくいは、つみ……はくさい、つみれ……ふむ。お前に使うキーワードが決まったぞ」
「え? え?」
何が起きているのかわからない、というような顔をしている。
「『白菜とつみれの催眠鍋』と言われたら、お前は今と同じように催眠状態になる」
「何を、何を言ってるんですか……!?」
こいつもか。
催眠術についての説明をした上で『白菜とつみれの催眠鍋』と告げる。
「あ……」
初海は目を虚ろにし、棒立ちとなった。
よし、ちゃんと催眠にかかったようだな。
「店員なら、客に聞かれた商品を持ってきて、使い方の説明をするくらい当然のことだろ?」
「はい……当然です……」
「だったら、コンドームを持ってこい」
「はい。持ってきます」
品だし作業を止めると、初海は店の奥へと走って行き、すぐに戻って来た。
「これでいかがでしょうか?」
「ふむ……」
箱を見ると、サイズはMになっている。こいつの彼氏のサイズか?
「だめだな。だめだめだ。お前、店員としての対応がなってない」
俺はそう言いながら、ズボンとパンツを下ろしてチ○ポを出した。
驚く素振りもなく、俺の股間をじっと見ている。
あれ? 反応がないな……そういう催眠はかけていないはずだが……理由を考えるのは面倒だ。まあ、いい。
「コンドームの場所を聞かれたら、まずは客のチ○ポを勃起させて、そのサイズを知ることからだろうが」
「え……? でも、どうして私がそんなことを――」
「『白菜とつみれの催眠鍋』」
「あ……」
脱力し、ふらふらと体を揺らしている。
「ほら、せっかくチ○ポを出してやったんだ。手コキでまずは勃起させて、サイズを確かめろ」
「わかりました……手コキで、まずはサイズを確かめます……」
初海は俺のチ○ポを掴むと、やわやわと揉んだり、指の腹で裏筋や亀頭、カリを撫でたり擦ったりと刺激し始めた。
「お……う……」
おいおい。清楚な感じであまり経験が無さそうなのに、中々のテクじゃないか。
「お前、結構慣れているみたいだな。どれくらいの男と付き合ってたんだ?」
「今まで付き合ったのは、一人です……」
「は? ウソだろ? 他に経験はないのか?」
「経験でしたら、高校の頃にサポとかパパ活とか、色々してたので……数えてはいませんでしたが数百人くらいでしょうか」
「な、なるほど……」
おいおい、俺でも驚くほどの人数だぞ?
だから俺がチ○ポを見せた時も、驚いたり態度を変えたりしなかったのか。
「となれば、コンドームの扱いにも慣れているな?」
「はい、慣れていると思います」
「よし、じゃあ、どのサイズが合うのか、お前が俺のチ○ポに装着して調べるんだ」
「わかりました」
そう言うと、Mサイズの箱を空け、袋からコンドームを取り出し、口にくわえた。
「へ……?」
何をするんだ、と思っているとぬろりと、チ○ポを咥えこみながらコンドームを押し付けてくる。
「おお……」
「ん……このサイズだと、小さくてまったく入らないみたいですね。もっと、大きなものを持ってきます」
亀頭の半分もはいらなかったコンドームを外すと、再び店の奥の棚へと向かった。
「これならどうでしょうか?」
「俺は今まで使ったことがないからな、お前に任せる」
「はい、わかりました」
先ほどと同じようにコンドームを取り出して口に挟むと、躊躇いなくチ○ポを咥えてくる。
舌と唇を上手く使い、にゅるにゅるとコンドームをつけてくる。
手慣れているってレベルじゃねーぞ。
「ん……このサイズなら、どうでしょう?」
パツンパツンではあるが、俺のチ○ポはしっかりと包まれている。
「……たしかに、これなら大丈夫そうだな」
「では、こちらをご購入ということでよろしいですか?」
「あ、ああ」
「ありがとうございます」
清楚で優しげな笑みを浮かべている初海は、とてもじゃないが、数百人を相手にやりまくっていたビッチに見えない。
それにしても、どんなことをしてきたんだ?
俺は興味本位で尋ねることにした。作家には好奇心が必要だしな。
「学校で、教師や上級生、同級生なんかを相手にしたことは?」
「あります。同じ学校だけでなく、他校にも相手はたくさんいました」
「年下を相手にしたことは?」
「近所に住んでいた子を誘惑して、本人の意志だと思わせて襲わせた後、私好みのやり方を教えこんだりしたことがあります」
「お、おう……そうか」
「乱交は?」
「数人くらいのは結構しましたね。一番、多かったのは、お金持ちのオジ様の別荘に二、三十人くらいの男女で集まって、したことがあります」
「コスプレは?」
「色々しました。アニメのキャラや、バニー、ボンデージ、他校の制服や、園児の着るスモックなんかも――」
「わかったわかった。それくらいでいい」
「じゃあ、青姦はどうだ?」
「あちらこちらでしました。何度か見つかってしまって、口止めも兼ねてその人達にも参加をしてもらってシタことがあります……あ、これはどちらかというと乱交でしょうか」
「見つかるような場所でするなよ……じゃあ、緊縛はどうだ? 縄を結ぶのは結構――」
「プロの縄師に、観客の前で縛ってもらう舞台に出たことがあります」
「…………だ、だったら、ハメ撮りはどうだ?」
「色々な人としました。髪の色とか化粧は違いますし、名前も別にしてますが、ネットで検索をかければ、かなりの数の私のハメ撮り映像が簡単にみつかります」
「……そうか。それじゃ……ええと、アナルは? 尻を使ったプレイなんて――」
「開発済です。アナニーもたまにしますし、二穴セックスもしたことあります」
「さすがにこれはしてないと思うが、同性の女相手に――」
「しました。私を慕ってくれていたノンケの後輩の子に、女の子以外愛せなくなるまで、徹底的にレズセックスの良さを教えこんだことがあります」
そこまでやっているのかよ……。
淡々と俺の質問に答えているが、やっていることはなかなかエグい。
かなりの経験を積んでいるようだし、多少のことじゃ、ネタになるような反応をしてくれなそうだな。
となると……こいつが普段、やらなそうなことをさせるしかない。
しかし、どうするか……お、そうだ。これはさすがにしてないんじゃないか?
ふと思いついたことを尋ねる。
「スカトロはどうだ? さすがに経験してないだろ?」
「おしっこなら、女王様プレイで男にかけたことも、メス奴隷扱いされてかけられたこともあります。大きいほうは、トイレでするところを見せるくらいはしたことがありますけれど、それ以外はNGにしてました」
こっちもある程度は経験済みだったか……軽々と予想を上回ってくれる。しかし大のほうは、あまりしてないみたいだな。
「だったら、今日からスカトロ――大のほうのプレイも解禁させてやるよ」
「私、もうサポはしてないんですけど……わかりました」
催眠にかかっているよな? かかっているから、受け入れているんだよな?
なんだか、素でやりそうな雰囲気があって、どうにもやりにくい。
「うーん……ああ、そうだ。お前の初体験はいつだ」
「小学生の時に、母が再婚したのですが――」
「ああ、いい! それ以上は言わなくていい!」
なんだか碌でもないことを聞かされそうだ。そういうのは、俺の書こうとしている小説に相応しくない。
「わかった、じゃあ、お前がビッチになるのは、それ以降なんだな?」
「ビッチかどうかはわかりませんが、そうなります」
よし、方針が固まったぞ。
経験を積みまくっているのなら、その全てを消してしまえばいい。人生をやりなおさせてやろう。
「よし、それじゃ今からお前は、俺が手を叩くたびに一才ずつ若返っていくぞ」
「手を叩くたびに、一才ずつ若返っていきます」
「ああ、そうだ。今はいくつだ?」
「21才です」
だったら、15、6回くらいでいいか。
パン、パン、パン、パンと、適当に手を叩く。
「あー……きゃはっ」
しばらくすると、初海はその場にすとんと座り、無邪気な笑みを浮かべるようになった。
あれ、叩き過ぎたか?
「初海、今、お前はいくつだ?」
「あー、だうっ」
「戻しすぎたな……まあ、いい。初海、お前は赤ん坊になった。当然、セックスをしたことはない。キスもしていない。エロいことは何も知らない」
「あうっ、だううっ!」
本当に赤ん坊になってしまったような態度だ。ちゃんと聞いているのか?
「これで何も知らないままの状態に戻ったはずだ。後は大人に戻せば――」
いや、待てよ? NGにしてたことだけ、好きにしたら面白くないか?
「初海、『白菜とつみれの催眠鍋』だ。いいか、お前はスカトロ――浣腸をされたり、うんこをするのが好きだ。排便する時、お尻の穴からうんこが出ると気持ちいい。臭いを他人に嗅がれて嫌な顔をされると興奮する。人に蔑んだ目で見られると恥ずかしくて死にそうだけれど、イクほど感じるようになる。それは、年齢が変わっても変わらないぞ」
「だう! あうっ、きゃうっ、だうううっ!」
手をバタバタさせ、体を無意味に前後に揺すっている。
……ちゃんと催眠にかかっているんだよな?
多少の不安があるが、ダメならダメで、このまま放っておけばいいか。
「じゃあ、今度は俺が手を叩くたびに、年を取っていく。エロいことや嫌なこと以外の記憶が戻ってくるぞ」
今度はちゃんと数えながら、パン、パン、パン、パンと手を叩いていく。
いきなり老婆にしても面白いが、それではエロいことをする気になれないからな。
「初海、今のお前の年齢は何歳だ?」
「私は……今……21才です」
「おま○こ、チ○ポ、セックス……意味はわかるか?」
「……すみません、わからないです」
よし、うまくいったな。
「それでいい。だが、お前はさっきまで赤ん坊だったんだから、そんな話しかたをしたらダメだろ? ちゃんと赤ちゃん言葉をつかえ」
「はい……わかりまちた。赤ちゃん言葉で、話しましゅ……」
ちょっとイメージと違うが、まあこれでもいいか。
「体はともかく記憶は完全に処女に戻ったんだ。良かったな」
「しょじょ……れしゅか?」
「ああ、そういう知識もないのか。とりあえず、お前がNGにしてたスカトロだけは覚えてるだろ?」
「覚えていましゅ」
「じゃあ、今からお前にたっぷりと浣腸をしてやる。排便するのは気持ち良くて、大好きで、嬉しいんだよな?」
「浣腸しゃれるのも、排便しゅるのも、だいしゅきでうれしいでしゅ!」
「よしよし、それじゃ、お前が使える大人用のおむつと浣腸をたくさん持ってこい。ここならあるだろ?」
「はい。たくさんありまちゅ」
コンドームとは別の棚へと向かうと、初海は大人用のおむつと、結構な数の浣腸の箱を抱えるようにして持ってきた。
「へえ、これが大人用のおむつか」
「そうでちゅ」
「飾り気も何もないんだな。プレイをするなら、羞恥心を煽るように可愛い模様とかがあるほうが良かったんだが……」
「ちょういうのは、あまり無いでしゅ」
「そうか……しかたないな。じゃあ、初海。浣腸をしてやるから、下半身に着ている服を脱げ」
「わかりまちた」
頷くと、いきなり服を脱ぎ始めた初海に気づき、近くにいた客が悲鳴のような驚きの声をあげる。
気になったのか、店内にいた客や店員がわらわらと集まってきて、騒ぎ出す。
うるせえな……。
「『こんなのは珍しいことじゃない。お前らは気にしないで、仕事や買い物を続けていろ』」
とりあえず、目に見える範囲にいるやつら全員に催眠をかけると、何事もなかったかのように仕事や買い物へと戻って行った。
よし、これで落ちついて続きをできるというものだ。
「しゅかーとぱんちゅ、脱ぎまちた」
騒ぎが起きていたことなど、気にもかけていなかったのか、初海は俺の指示した通りに、下半身裸になると、俺に向かって尻を突き出している。
「んじゃ、さっそく浣腸をしていくぞ」
「はい、おねがいしましゅ」
箱から取り出した浣腸を、尻穴に差し込み、薬液を流し込んでいく。
「う……あ……何か、お腹に入ってきまちゅ……」
「まだ一個だけだ。いいと言うまで漏らすなよ?」
「はい、わかりまちた」
二個、三個、四個。どんどんと入れていく。
最初は大した効果がないと思っていたが、今や初海の腹は、ギュルギュルとかなり派手に腹が音を立てている。
「うう……お腹、いたいれしゅ……お腹、苦し……出ちゃう……おトイレ、いきたい、でしゅ……」
「おいおい、まだ浣腸を五個しか入れてないのに、もう限界なのか?」
「無理れしゅ……これ以上、入りまちぇんっ……お腹、壊れちゃいましゅううう……!」
真っ青な顔に油汗を滲ませ、体を小刻みに震わせながら訴えてくる。
ああ、そうか。うんこをするのは気持ちいいと教えたが、我慢している時は、感じるわけではないのか。
そろそろ出させてやるか。
「しかたないな。じゃあ、おむつをしていいぞ」
「で、でも……おトイレにぃ……」
「いいから、はやくおむつを身につけろ」
「うう……わかりまちた……」
俺に命じられ、初海は震える手でおむつを身につけていく。
上半身と下半身のギャップが、なかなか凄いことになっていて面白いし、楚々とした雰囲気の美人がおむつをつけている姿は興奮を誘うが……これだけだと、あまり赤ん坊っぽくないな。
「涎かけと、おしゃぶりは置いてないのか?」
「あう……くるし、れしゅ……涎かけも……おしゃぶりも……おみしぇには置いていまちぇん……うう……」
「なんだ、品揃えが悪いな」
であれば、しかたない。中途半端ではあるが、このまま続けるとするか。
「はあ、はあ……おむつ、ちゃんとはきまちたから……おトイレ、おトイレに行ってもいいれしゅか?」
「何を言ってるんだよ、初海。お前はトイレに行く必要なんてないだろ?」
「しょ、しょんなことありましぇん……うんちれちゃう……おトイレぇ……」
「お前がおむつをしているのは何のためだ? 小便もうんこもしたくなった時にするためだろ?」
「おむちゅ……わたし……好きなときに……しゅるため……」
「そうだ。我慢する必要はない。出したいなら、いつでも出していいんだ」
「おしっこも……うんちも……がまん、れきましぇん……したくなったら、しましゅ……」
「今回だけじゃないぞ? 今後は、いつでもおむつをして暮らすんだ。そして、クソする時は、できるだけ人が多いところへ行って『今から私、おもらししまちゅ。みなしゃん、見てくだしゃいっ』と言え」
「わかりまちた……うんちしゅる時は、みんなに見てもらいながらしましゅ……」
「よし、じゃあ、もう我慢する必要はないぞ」
そう告げた瞬間、初海は泣き笑いのような顔をすると、客達が並ぶレジの傍へと立った。
「あ、あ、出ましゅっ。うんち、出ましゅっ。ぶりぶりたくさんしましゅっ、みなしゃん、私がうんちしゅるとこ、見てくだしゃい!」
にっこりと笑みを浮かべて、大きな声でそう告げると同時に、ブリッ、ブリュリュリュ、ブバッっと濡れた破裂音が響き、鼻を突く悪臭が漂ってくる。
「ふあっ。んああっ、あ、あっ、うんちしゅるのきもちいいれしゅっ、うんちしゅるのしゅき、だいしゅきいいっ」
脱糞しながら絶頂をしているのだろう。甘い声を上げながら、初海は全身を震わせる。
しかし……エロ漫画やエロ小説でのスカ系は好きなネタの一つだが、実際にさせると臭いが凄いな。
興奮するというよりもどん引きだ。
大便系のネタは受けが悪そうだし避けるとしよう。せいぜい小便を漏らすくらいまでにしておくか。
参考になった。やはり、実際に取材をすべきだな。
コンドームのサイズの確認と使い心地も確かめたし、ビッチだった初美も生まれ変わることができた。置き土産も十分だろう。
ネタは手に入ったが、尖ったネタならば他の方向にしたほうが良さそうだ。
阿鼻叫喚となっている薬局を出て、店の通りに立つと、タイミングよくタクシーがやってくる。
さすが俺だ。才能だけでなく運にも恵まれている。うんはうんでもうんこ関係はもういらないがな。
タクシーで自宅へと帰っても良かったが、スカトロプレイは使えなそうだし、もう一つくらいはネタが欲しいところだ。
次なるネタを探しながら、駅前商店街をブラブラと歩き、道行く女を眺める。
しかし、タイミングが悪いのか、面白そうな店もなく、食指の動くような女も見当たらない。
「ふう……失敗だったか」
今日はかなり歩き回った上に、あちらこちらで“激しい運動”をしたせいで腹が減ってきた。
昼に董子のいる喫茶店で軽く食っただけだからな。
一旦、ネタ探しをやめて、俺はよく行っている地元の居酒屋へ寄っていくことにした。
「……食った食った」
ほろよい気分で店を出た時には、辺りはすっかりと暗くなっていた。
腹一杯になるまで料理を味わい、俺のために仕入れさせた酒をたっぷりと飲んだ。もちろん代金は、いつも通り大将の“おごり”だ。
うまい飯を食わせてもらっているし、いい酒も出してもらっている。俺は恩知らずの男ではないので、大将は嫁さんがいないと言っていたから、そのうち俺が使い飽きた女の中から、良さそうな相手を2、3人ほど見繕ってあてがってやるとしよう。
心地良い酔いに身を任せ、ふわふわとした足取りで、家へと向かって歩く。
俺の住んでいる付近は、閑静な住宅街というやつで、大きな通りからも離れているため、この時間になると歩いている人の数も少ない。
もう少し、新しいネタを探すことも考えたが、だいぶ遅い時間になっている。
面倒だし、小説一冊分なら、今日、集めたネタで足りるだろう。家に帰ってさっそく執筆に入るか。いや、売れっ子作家は辛いぜ。
「ワフワフっ!」
「……うん?」
角を曲がったところで、大きな犬を連れて歩いている女子校生っぽい女の子を見かけた。
運動用なのかTシャツにジャージ、スパッツの上にショートパンツをはき、軽く走る動きに合わせて、短めのポニーテールが元気よく上下している。
健康的に日に焼けた肌や、明るい感じの笑顔。胸は小ぶりだが、運動部系の女子として人気がありそうなタイプだ。
「ワンワンッ」
「あははっ。もう、ワタアメったら、はしゃぎすぎだよー」
ワタアメか……連れている犬は、名前通りにふわふわとした白い毛に包まれていた。
しかし、こちらに近づくほどにはっきりとわかるようになったが、かなり大きな犬だ。
「ワウンワウ!」
俺がじっと見ていたことに気付いたのか、犬がこちらに向かってきた。
「うおっ!?」
「こ、こらっ、ワタアメっ、ダメだよっ」
俺に戯れつこうとしていた犬のリードを強く引っ張る。
「すみません、大丈夫ですか?」
「あ、ああ」
少しびびっちまったじゃねえか。
「……まったく、こんなでかい犬を連れて歩くんじゃねえよ、迷惑だろ?」
こっちを睨み、うなっている犬を蹴りつける。
「キャウン」
犬っころは軽く悲鳴を上げはしたが、あまりダメージはなさそうだ。
「ちょっと、ワタアメに何をするんですかっ」
「は? たかが犬だろうが。だいたい、俺がそいつを殺しても『器物損壊』でしかないんだぞ?」
「違いますっ。ワタアメは大切な家族ですっ」
「へえ……。犬が家族なのか」
「当然じゃない。あなたみたいな人には、わからないでしょうけど」
「そうかそうか。そんなに大切なのか、愛しているってわけか」
「そ、そうだけど?」
くふふふ。面白いことを思いついた。
「『お前の名前を言え』」
「芳宗 恋(ほうそう・れん)だけど……」
「またか、今日は野菜に縁のある日だな……」
まあ、いい。とりあえず、キーワードの設定をするとしよう。
天才的な作家である俺にとっては、キーワードを思いつくことなど簡単なことだ。
「恋は、俺が『ほうれん草の催眠煮浸し』と言うと、催眠術にかかった状態になる」
「あ……さいみん……?」
そう呟くと、まるで夢を見ているようにぼうっとした感じになる。
「ほう……? もしかして、催眠について、少しは知識があるのか?」
「テレビで……お笑い芸人が……かかっているのを……みたこと、ある……」
ああ、なるほど。なんとなくは知ってはいたのか。
先に誰かにかけられているとか、自分で勉強しているとか、そういうのではないのは残念だが。
「とりあえず、そのイメージで問題無い。お前は今から俺の言うことを聞き、俺の言う通りに行動するんだ」
「うん……言うことをきいて……行動する……」
さて、何をさせるか。
家の近くでデカい犬の散歩なんてされたら迷惑だ。保健所にでも連れていかせるか?
いや、さすがにこの程度のことで命を奪うと、後味も気分も良くない。となれば、別の方法にしよう。
「お前にとって、その犬……ワタアメは、大切な存在なんだろ?」
「うん……大切な存在です……」
「その犬を、家族と同じくらい愛しているんだよな?」
「ワタアメのこと……家族と同じくらい愛しています……」
これはちょっと変わったネタにできるんじゃないか?
どうせ小説で書くなら、ゼネラリストではなくスペシャリストのほうがいいだろう。つまり、他の作家とは違い、何かしら尖っている部分があるほうがいいに決まっている。
初美には聞いていなかったが、さすがに彼女も獣姦はしてなかっただろう……してなかったよな?
ふむ……そこに気付くとは、やはり俺は才能があるな。
せっかく、目の前に良い相手がいるんだ。ここは一つ、実践してもらうとしよう。
「恋、お前にとってワタアメがそんなに大切で大好きなら、恋人に、夫になってもらいたい。そうだろう?」
「ペット……だから……恋人とか、夫じゃ……ない……」
お。ナマイキに抵抗しているな。
「『お前は犬が大好きだ。ワタアメを家族として、恋人として、夫として、愛している。それは種族を超えた愛だ。何よりも純粋で、尊いものだ』」
「犬……大好き……ワタアメ……かぞく……こいびと……夫……愛してる……」
よし、これで恋のほうは良いだろう。
あとはワタアメのほうだが――さすがに催眠術を犬にかけたことはない。
そもそも言葉が通じない犬に効くのか?
こちらをじっと見つめてるワタアメの目をのぞき込みながら、イメージを送り続ける。
「ワゥン? ワフ……」
落ち着きなく頭を左右に揺すり、足で地面を何度く引っ掻くような仕草をくり返す。
……効いているのか?
疑問に思いながら、さらに強くイメージを送り続けると、口を開き、舌をだらんとさせ、涎を垂らし始めた。
「お前の前にいるのは、メス犬だ。お前のつがいだ。お前はそのメス犬を見ると、交尾がしたくてしたくてたまらなくなる」
「…………ワフっ」
小さくひと鳴きすると、ペニスを勃起させて恋の尻に小刻みに擦りつけ始めた。
お、効果があったのか?
「い、いやっ。私、まだ……お願いっ、初めてなのっ。犬となんて、いやぁっ!!」
「は? お前、その犬を家族と同じくらい大事にしているんだろ?」
「そうだけど、そうなんだけど……」
「大丈夫だ。家族だとしても血は繋がってないから、近親相姦にはならないぞ?」
「そういうことを言ってるんじゃないってばっ」
まったくうるさいやつだな。
「だったら俺のチ○ポのほうがいいか?」
「いやっ、いやっ、どっちもいやっ。お願い、誰か助けて……」
ボロボロと涙をこぼしながら、頭を左右に振りたくる。
「やめ……だめっ、ワタアメ……おねがい、やめて……!」
ガクガクと全身を震わせ、嫌がっている。
様子を見ていると、犬は四つん這いになっている女子高生にのしかかると、躊躇いないチ○ポをズブッと突っ込んだ。
「ひううううううっ!?」
繋がると同時に、悲鳴じみた声を上げ、全身を大きく跳ねあげる。
結合部をよく見ると、赤いものが滲んでいる。
「処女だったのか……良かったな、大好きな犬が初めての相手だぞ?」
「あ……あ……ああああ……あ……」
「ワタアメ、動いてやれ」
「ワフっ!」
俺の言葉を理解しているかのように、ワタアメが腰を使い始める。
本能のままに腰を激しく使い、恋のおま○こを攻めたてる。
「うっ、うあっ、う、うっ、やめっ、やだ……やだやだぁ! ワタアメ、どいてっ、もう。やめてよおおおおっ!!」
痛みからだろうか、恋は涙をボロボロとこぼして激しく頭を左右に振りたくる。
「どうしたんだ? 大切な家族なんだろ? 愛しているんだろ? だったらセックスくらいで騒ぐなよ」
「ぐっ、うあ……あなた、自分が、どれほどおかしなことを言ってるって……わからないの?」
「は? 俺がおかしい? 何を言ってんだよ?」
常識や良識で辞書を引いたら、俺の名前が出てきても不思議はないくらいに、俺は正常だというのに。
「まったく、お前らくらいの年齢……しかも女はいつもそうだ。他人が間違い、自分が正しいと思っているんだろう?」
「ちが……本当におかしいのはあなたでしょっ」
「まったく……何を言っても無駄みたいだな。まあ、どっちがおかしいか、そのうち嫌でもわかる」
「うっ、うっ、うっ、どうして私が……なんで、こんなこと……うっ、うえ……うくっ……」
涙目で俺を睨みつけてくる。しかし、ワタアメは理解できないのか、気にしていないのか、その動きはまったく変わらない。
犬の腰遣いは早くても単調だな。
「愛する犬とのセックスだぞ? なんでそんなに不満そうなんだ?」
「ワタアメ……も、やめて……やだよぉ……こんなの、やだ……」
俺の言葉を無視して、ワタアメに話しかけている。
ふむ。いくら愛し合う一匹と一人だからと言って、こうもはっきりと無視されるのは面白くないな。
それに、一人と一匹と呼ぶのは種族的な断絶を大きく感じさせていけないな。
よし、一人と一匹から、二匹いしてやろう。
「恋。お前はワタアメの恋人だ――つまり、メス犬になったんだから、ちゃんと語尾にワンってつけて話さないとな」
「私、メス犬……違うわんっ……ワタアメの恋人になんて、なってないわんっ」
催眠の効きが悪いというか、抵抗が強いみたいだな。だとしても、くり返し催眠をかければいいだけだが。
「何を言ってるんだ。ほら、雄犬チ○ポでおま○こをズボズボされると気持ちよくなってきただろ?」
「そんなこと……んっ、んんっ。え? あ……嘘、だわん……んんっ、んあっ、あっあっ」
催眠の効果で、恋の顔が快感に蕩けていく。
「ふぁっ。あっ、あっ、、んあっ、あ、あああ……だめ……どして、なんだわん……んんんっ、あ、あっ」
顔を赤くして、口を大きく開いて舌を突き出し、息を乱している。
「ずいぶん気持ち良さそうじゃないか」
「そ、そんなこと……」
「ワタアメ――犬チ○ポで犯されて感じているんだろ? お前はメス犬なんだよ。お似合いの相手とセックスできて幸せだろ?」
問いかけている間も、ワタアメの腰の動きは止まらない。
「ちがっ。ワタアメ……やめ……やめてわん……おねが……これ以上、しないでほしいわん……あっ。あっ」
パチュ、パチュ、パチュ、パチュ、パチュ、パチュ。
恋とワタアメの結合部から聞こえてくる音が、湿り気を帯びてきた。
「我慢するなよ。雄犬との交尾、気持ちよくてたまらないんだろ?」
「あ、あっ、きゃうっ、わんっ、わふっ、あ、あ……い……いいわんっ。きもちいいんだわんっ。犬との、ワタアメとの交尾……気持ち、いいわんっ!」
「やっと素直になったみたいだな。よかったな。もう、お前は立派なメス犬だ。今後、人間様にさからったりするなよ? 恋にとっては飼い主様なんだからな」
「はっ、はっ、私……メス犬、なんだわんっ。人間様に、逆らわないわんっ、言うことを聞くわんっ」
「よーしよしよし」
頭を撫で、ついでに胸や尻も撫で回してやる。
「い、いやだわんっ、触らないでほしいわんっ」
「おいおい、メス犬なんだから、撫でられたら悦ぶのは当然のことだろ?」
「はっ、はっ、はっ、あ……そう、だわん……私は、メス犬だったわん。撫でてもらうの……気持ちいいわんっ、嬉しいわんっ」
「まあ、恋人の犬チ○ポのほうがもっと気持ちいいんだろうがな」
「わふっ。わんっ。犬チ○ポ……気持ちいいわんっ。とっても、気持ちいいわんっ」
恋はワタアメのチ○ポをより深く迎え入れるように自ら腰を使う。
「わんっ、う、う、わんっ、ワタアメの……お腹の中、ゴリゴリ擦れて……奥まで届いて……んああああっ、わんっ、わんっ、いいわんっ。気持ちいいわんっ」
すっかり犬らしくなったじゃないか。
とはいえ、他人のセックス――いや、交尾か――を見ているだけじゃつまらないな。
取材のためとはいえ、作家は辛いぜ。
そんなことを考えながら一人と一匹の交尾を眺めていると、ワタアメの動きに変化があった。
「ワフゥウン!」
一際大きな鳴き声をあげると、ワタアメはチ○ポは繋がったままの状態で、恋に背中を見せるようにくるりと体の向きを変えた。
「んあっ! ふうううううううううっ!」
おま○この中を強引に擦られてて絶頂したのか、恋は必死に声を堪えながらも腰をビクビクと震わせる。
よくみると、チ○ポの途中がぷっくらと膨らんでいる。
そういえば、犬は射精する時に、チ○ポが抜けないように膨らむんだったか?
つまり今、ワタアメは……
「あ、あ……い、いやだわんっ、やだやだやだわんっ、ワタアメ、だめだわん……あああああああっ」
「射精されてるのか?」
「出てる……中に、熱いの……出ちゃってるわん……やだ、やだ……私、犬に……射精されて……」
妊娠を心配しているのか?
まったく知識が足りないな。犬と人間の間で子供ができるわけがないだろうに。
「人種どころか、種族を超えた本物の愛ってやつを見せてもらったよ。お前が言っていたこと、認めてやろう」
「何が……本物の愛ですかわんっ、あなたが、私と……ワタアメに無理やりさせただけだわんっ!」
「おいおい、酷い言い草だな。家族なんだろ? 愛しているんだろ? だったら喜んで、俺に感謝しろよ」
「わふぅ……ありがとうだわんっ……あ」
笑顔で感謝の言葉を口にした恋は、悔しげに俺を睨みつけてくる。
「まったく素直じゃないやつだな。しかたないから、しっかりと催眠をかけてやるよ」
「え……やめてくださいわんっ、私とワタアメを、これ以上……変にしないでほしいわんっ」
「変だなんて失礼だな。お前の不安を解消してやるだけだよ」
「不安って、なんのことだわん?」
「妊娠するかもしれないことや、犬との愛を他のやつに偏見の目で見られたり、獣姦好きだってことを知られたりしたくはないんだろ?」
「え……何を言ってるんだわん?」
「安心しろ。『犬とならいくらセックスをしても妊娠の心配もないし、犬が相手ならどこでセックスをしても問題ないし、愛する犬とのセックスは、最高に気持ちが良くなる』ぞ」
「あ……妊娠……心配ない……どこでしても……問題ない……犬があいて……セックス……最高に……気持ちいい……」
「そうだ『お前は自分からおま○こを差し出すメス犬だ。愛する彼氏――雄犬に犯してもらうことが幸せだ』」
「おまんこ……? めすいぬ……おかしてもらうの……しあわせ……あ、あ、ああああ……嘘、嘘……こんなの嘘だわんっ。悪い夢だわんっ」
必死に否定の言葉を口にしているが、無駄なことだ。
「じゃあ、彼氏と幸せにな。良かったな、メス犬になれて」
「わかったわんっ。私はメス犬になれて嬉しいわんっ。これからも毎日、ワタアメと交尾しまくるわんっ」
うんうん、愛とは素晴らしい。
未だに犬と繋がったままの恋をそのまま放置して、俺はその場を後にした。
なかなか面白いネタは揃ったが、今日は色々あって疲れた。
小説を書くのは明日からでいいだろう。
……そんなふうに考えていたからか、結局着手をしたのは一週間後だった。
「うーん……」
書き始めたはいいが、一時間もしないうちに面倒になってきた。
どれくらいになったかと思えば、まだ原稿用紙で2、3枚くらいの分量しかない。
おいおい、こんなにやってこの程度とか、嘘だろ?
このペースだと、本を一冊書くのに、100時間以上かかるぞ?
どこで、誰が、何をしたのか。
それをわかりやすく伝えようとすると、細かく色々と書く必要がある。
それに、実際にやらせている時はエロく、面白かったが、文章にすると、なんだかこれじゃないという感じだ。
小説を書くってのは、思っていた以上にクソ面倒くさい。
どうする? せっかく『取材』をあれだけやったのに、無駄になるぞ?
「くそっ、やるしかねーか」
あれから二ヶ月。『取材』をくり返し、気の向いた時に少しずつ執筆を続けた。
作業が詰まった時は、那須を呼び出して、たっぷりと奉仕させ、掃除から料理までやらせた。
これこそ、担当編集と売れっ子作家の関係というものだ。
そうやって、どうにかこうにか50枚程度の分量だが、小説を書き終えることができた。
初めて挑戦して、完成までさせることができるなんて、自分の才能がおそろしい。
これが出版されれば、たちまち話題になるに違いない。
さっそく那須に連絡を入れ、フェラで一発、おま○ことすっかり開発し終えたアナルに一発ずつ出してから、原稿を持って帰らせた。
後は俺の記念すべき本が出版されるのを待つだけだ。
……そう思っていたのだが。
「申し訳ございませんっ。ご主人様の本ですが、編集会議を通すことができませんでしたっ!」
那須が原稿を持って帰ってから数日後。
いきなり家にやってきたかと思うと、玄関先で身につけていた服を全て脱ぎ捨てると、全裸で土下座を始めた。
「は? 今、何て言ったんだ?」
「ですので……先生の本を、出すことができないと……」
「初版100万部だって行けるはずの俺の本が、出版されないだと?」
「はい……そもそも本にするにはページ数がたりませんし、文章もめちゃくちゃで、展開も唐突すぎてわけがわからないと……」
「足りない分は、手の空いている誰かに書かせろよ。そうしたら、俺がチェックしてやるから」
「それは……」
「その程度のこともできずに、俺の担当編集のつもりなのか?」
「申し訳ありませんっ、申し訳ありませんっ」
恐怖からか、那須は音を立てておしっこを漏らしながら、頭を床に擦りつけるようにして謝罪をくり返している。
「ああああ……おしっこ、もらしちゃいましたぁ……申し訳、ありませぇん……」
その顔は恍惚として蕩け、まったく反省をしているように見えない。
まあ、叱られたり、蔑まれたり、罵倒されるほどに快感を覚え、絶頂と共にどこでも小便を漏らすように躾けたのは俺だ。ここでさらに文句を言っても、無能編集の那須を悦ばせるだけだろう。
「じゃあ、今まで俺がしてきた努力をどうしてくれるんだ?」
「もう一度、編集長に提案してみますっ!」
「それで、本になるのか?」
「それは……で、ですが、納得してもらうまで、何度だって話をしますっ! ご主人様の作品は、ノンフィクションエロ小説として、最高のデキだと思うんですっ」
「お、おう……」
まあ。実際にいろんな女とやったことを、そのまま書いただけだからな。
「なんで理解できないのかしら……いっそのこと、私とご主人様のセックスする姿を、編集長に見てもらいながら説得しましょうか。そうすれば、いかにご主人様の作品が現実的で、気持ちがよくて、エロいかわかってもらえるはずです!」
「うーん……他の男に見られながらセックスとか、俺、そういう特殊な性癖はないんだよな」
「え? この前、そういうことをしたばかりじゃないですかっ」
「そんなことしたか?」
那須には、その場のノリで色々としてきたからな。どこで何をしたかなんて、ろくに覚えてない。
「しましたよっ、近所にある男子校の子達の帰宅時間に合わせて、公園で強制オナニーさせられた上に、青姦も! 私……あれ以来、他人に――特に、若い男の子達に見られそうな場所でオナニーするのが趣味になったんですよ?」
「ああ、そうか。そりゃ悪かったな」
「それについては、今度、人の多くて、見つかりそうな緊張感のある場所で青姦をして、尻マンコをズボズボしてくれればいいです」
「気が向いたら、そのうちやってやるよ。今は、それより本の話だろ?」
「そうでした。では、編集長を納得させるために、新作をつくりましょう!」
「は……?」
「作家に性奉仕するのは担当編集の仕事ですから、これからも、ご主人様のためにどんなことでもします。それを元に、新作を作ればいいんですよっ」
「はあ……」
思わず深いため息がこぼれる。
「どうしたんですか、ご主人様? 言ってもらえれば、私……乱交でも、逆ナンショタレイプでも、露出スカでも、なんでもしますよ?」
「それ、お前がやってみたいだけだろ? やりたきゃ好きにしろ」
「えええ~、でも、小説執筆の参考になりますよね? やりましょうよ~」
「なあ、那須。どうして作家様である俺が、お前に指示をされないといけないんだよ」
「あ……す、すみません。ですが、ご主人様の本を世の中に出すためにも――」
「はあああ……。面倒くせぇ」
「あの、ご主人様……?」
担当編集の相手をするのも面倒だし、作品のための取材も面倒だし、文章を書くのも面倒だ。とにかく何もかも面倒だ。作家になんてなるもんじゃないな。
よし、作家になるのはやめだ。今、やめた。
もっと簡単にできそうなのは……AVの監督兼男優はどうだ?
女優は、そのあたりで良さそうな女をひっかければタダだし、どんなプレイでも催眠を使ってやらせるから問題ない。
伝説の男優みたいになって、ちやほやされるというのも悪くない。
セックスなら、今も色々な女と毎日しているし、俺に向いている仕事のような気がしてきた。
「……よし、決まりだな」
「那須、お前、俺の言うことなら何でもするって言ってたな?」
「え? あ、はい。ご主人様のためなら何でもします」
「そうか。じゃあ、俺は作家になるのをやめて、AVを作ることにした。もちろん、監督は俺。撮影は俺。男優も俺だ。お前には、記念すべき一作目のAV女優をやらせてやる。嬉しくてしかたないだろう?」
「私がAV女優をするんですか?」
「そうだ」
無能編集ではあるが、見た目だけは良いからな。
それに、那須の体は開発しまくったし、奉仕テクも練習させてある。NGプレイもないし、そういう意味でも使い勝手の良い女だ。
「デビュー作のタイトルは、そうだな……女編集者の危ない性癖、にでもするか」
性欲を持て余した女編集が今世紀最高のエロ小説――俺が書いた本だ――に書かれていることを、実行してしまうという話でいいだろう。
そうと決まれば、まずは出版社でのエロ打ち合わせ、その後は適当な喫茶店でザーメン中毒になるまでパイずりフェラをさせて、薬局でスカプレイ。その後、コインランドリーで遊んでから、犬としてもらおう。
出版は無理解な馬鹿どものせいでダメだったが、映像ならイケるはずだ。
「それじゃ、さっそく撮影をしに行くぞ」
「ですが、私は編集者で――」
「『那須の催眠炒め』。那須は黙って俺の言う通り従っていればいいんだよっ」
「はい……黙って……言う通りに従います……」
催眠状態の虚ろな顔をした那須を連れ、俺は撮影の舞台に相応しい場所へと向かった。
< 終 >